JP5393252B2 - 発泡樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

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この発明は、発泡樹脂材料の射出充填工程と発泡成形工程とで成形金型の型クリアランスを可変させる成形工法を採用した発泡樹脂成形品の成形方法に係り、特に、製品周縁に沿って設定された縦壁部における反り変形を簡単かつ廉価な方法で防止でき、外観意匠性並びに合わせ精度を高めた発泡樹脂成形品の成形方法に関する。
図8は車両のラゲージルームにおける側壁パネルの室内面側に装着されるラゲージサイドトリム1を示す正面図であり、ラゲージサイドトリム1は、トリムアッパー2とトリムロア3との上下二分割体を接合固定して構成されている。この従来例においては、トリムアッパー2は軽量で耐衝撃性に優れた発泡樹脂成形品が採用され、トリムロア3は合成樹脂の射出成形体、あるいはモールドプレス成形体からなる樹脂成形品が採用されている。更に詳しくは、上記トリムロア3は、汎用の射出成形工法、モールドプレス成形工法が使用されるが、トリムアッパー2については、発泡樹脂材料の射出充填工程と発泡成形工程とで成形金型の型クリアランスを可変させる成形工法が採用されている。すなわち、使用する成形金型4は、図9に示すように、可動側金型5と固定側金型6とから大略構成されており、可動側金型5は、駆動シリンダ5aの駆動により固定側金型6に対して型開き、型締めが行なわれる。そして、可動側金型5と固定側金型6との間に画成されるキャビティC内に発泡樹脂材料Mを供給する供給系として、射出機6aが固定側金型6に連結され、この射出機6aから供給される発泡樹脂材料Mは、固定側金型6に設けられたホットランナ6b、バルブゲート6cを通じてキャビティC内に射出充填される。また、製品表面に対応する可動側金型5の型面には、製品の意匠性を高めるために絞模様7が刻設されている。
次いで、上記成形金型4を使用して従来の発泡樹脂成形品であるラゲージサイドトリム1におけるトリムアッパー2の成形方法について簡単に説明する。まず、図10に示すように、可動側金型5を駆動シリンダ5aの駆動により所定ストローク動作させて、固定側金型6に対して可動側金型5を型締めして、発泡樹脂材料MをキャビティC内に充填する。そして、図11に示すように、キャビティCの隅々にまで発泡樹脂材料Mをゆきわたらせて充填を完了させるが、この状態では発泡反応は行なわれておらず未発泡状態である。そして、充填が完了すれば、図12に示すように、可動側金型5を僅かに型開きさせて、発泡反応を誘起させる。従って、図13に示す発泡反応が完了した状態においては、スキン層a内に発泡層bを有する二層構造のトリムアッパー2が所要形状に発泡成形される。また、スキン層aについては、製品表面に可動側金型5の型面に設けた絞模様7が転写されている。尚、発泡樹脂材料Mの射出充填工程と、型クリアランスを大きく確保した発泡成形工程の2つの工程を採用した発泡樹脂成形品の成形方法の従来例については、特許文献1に詳細に記載されている。
特開2002−120252号公報
このように、従来のラゲージサイドトリム1におけるトリムアッパー(発泡樹脂成形品)2の成形方法においては、可動側金型5と固定側金型6との間の型クリアランスを調整することで、精度の良い成形を行なっている。すなわち、発泡樹脂材料Mの射出充填時には、型クリアランスを小さくして発泡反応を抑えた状態で発泡樹脂材料MをキャビティC内に速やかに供給するとともに、発泡反応時には、型クリアランスを大きく設定することで、発泡反応を有効に促進させ、トリムアッパー2を精度良く成形することができるというものである。
しかしながら、従来の成形方法において、図12に示すように、僅かに可動側金型5を開いて発泡反応を誘起させる際、可動側金型5の型面に刻設した絞模様7の凹凸と型内の樹脂とが係着する。一方、絞模様が刻設されていない固定側金型6の型面は、樹脂と係着する挙動が明らかに少ないため、製品一般部2aの周縁に設定される縦壁部2bにおいて、図14(a)中点線で示す反り変形の原因となる。そして、トリムアッパー2の縦壁部2bに図14中点線で示す反り変形が生じた際には、トリムロア3との間で段差が生じ、外観見栄えを大幅に低下させるとともに、車体パネルに対して浮きが発生し、合わせ精度が大幅に低下するという問題点が指摘されている。
この反り変形を解消するために、図14(b)に示すように、トリムアッパー2の縦壁部2bに対して矯正治具8を押し付けて、反り変形を未然に防止することも実施されているが、この場合、成形後の後工程で矯正治具8を使用した矯正工程が必要となるため、加工コストを高騰化させるという問題点がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、相互に型開き、型締め可能な可動側金型、固定側金型からなる成形金型を使用し、発泡樹脂材料の射出充填工程と発泡成形工程とで、金型の型クリアランスを可変させる成形工法を採用した発泡樹脂成形品の成形方法であって、製品一般部の周縁に設けられる縦壁部において、反り変形等が発生することがなく、外観意匠性並びに合わせ精度を高めた発泡樹脂成形品の成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明は、可動側金型と固定側金型との間で画成される一般部用キャビティ並びに縦壁部用キャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を後退操作することにより、発泡スペースを確保して発泡反応を誘起させ、製品一般部とその周縁に沿って連接される縦壁部とを備えた発泡樹脂成形品を所要形状に発泡成形する発泡樹脂成形品の成形方法において、前記一般部用キャビティ並びに縦壁部用キャビティの双方に臨む可動側金型の型面全面に沿って、意匠性を高める絞模様が刻設されているとともに、縦壁部用キャビティに臨む固定側金型の外側壁面に変形抑制用絞模様が刻設されており、可動側金型と固定側金型の型締め後、一般部用キャビティ及び縦壁部用キャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填した後、可動側金型を後退操作する際、縦壁部用キャビティ内の半成形品における縦壁部は、可動側金型の型面に設けた絞模様からの絞吸着力と、固定側金型の外側壁面に設けた変形抑制用絞模様からの絞吸着力との平衡作用で歪み応力の発生をなくし、縦壁部における変形を抑制したことを特徴とする。
ここで、成形金型における可動側金型は、固定側金型に対して型開き、型締めできるように、シリンダ、あるいはプレスラム等により所定ストローク動作させることができるとともに、特に、発泡樹脂材料の射出充填工程における可動側金型と固定側金型との間で狭い型クリアランスを確保する第1の金型位置と、第1の金型位置から所定ストローク可動側金型を後退させて発泡スペースを確保する第2の金型位置とが位置決めできるように、可動側金型のストロークが設定される。一方、固定側金型には、発泡樹脂材料をキャビティ内に供給するために、ホットランナ、バルブゲート等の樹脂通路が設けられている。
そして、本発明に係る発泡樹脂成形品は、樹脂成形品と組み合わせて使用することが多い。例えば、ドアトリム、リヤサイドトリム、ラゲージサイドトリム等の車両の側壁パネルの室内面側に装着される比較的大型の内装部品であって、トリムアッパーとトリムロアの上下二分割体、あるいはトリムアッパー、トリムセンター、トリムロアの上下三分割体等の各パーツのいずれかの構造に適用される。トリムアッパーとトリムロアの上下二分割体を例にとると、トリムアッパーを発泡樹脂成形品、トリムロアを樹脂成形品で構成し、トリムロアの裏面に突設した溶着用ボスをトリムアッパーの取付孔に挿入して、溶着用ボスの先端をカシメ加工等により締結操作することで両者が一体化される。
また、発泡樹脂成形品の使用材料としては、合成樹脂中に発泡剤が混入された素材が使用されている。例えば、使用できる合成樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択される。尚、合成樹脂に対して混入される発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。更に、成形方法は後述するが、射出成形工法が採用されている。一方、トリムロアは、射出成形工法を採用した通常の樹脂成形品が使用され、トリムアッパーに使用する素材から発泡剤を省略した合成樹脂材料を射出成形することにより所要形状に成形されている。
更に、本発明においては、可動側金型と固定側金型との間で画成されるキャビティは、製品一般部に相当する一般部用キャビティと、製品周縁に位置する縦壁部に相当する縦壁部用キャビティとから構成されており、特に、可動側金型の型面全面には、製品意匠面に対応して絞模様が刻設されているとともに、縦壁部用キャビティについては、可動側金型の型面と等しく、固定側金型の外側壁面についても絞模様が刻設されている。尚、可動側金型の型面に刻設される絞模様の絞深さは、特に限定しないが80μm以上に設定するのが好ましい。また、固定側金型の外側壁面に設けられる変形抑制用絞模様の絞深さについても、特に限定しないが80μm以上に設定するのが好ましい。
従って、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法によれば、可動側金型と固定側金型とを型締めした後、発泡樹脂材料をキャビティ内に射出充填し、その後、可動側金型を僅かに型開操作して、発泡反応を行なわせる際、縦壁部用キャビティ内の半成形品については可動側金型の型面に設けた絞模様と固定側金型の型面に設けた絞模様、双方の絞模様からの絞吸着力の平衡作用で、縦壁部において反り変形の原因となる歪み応力が加わることがないため、変形を有効に抑制することができる。また、成形直後に変形部を矯正治具等で押さえて形状を矯正する工程を不要とでき、従来の矯正工程を廃止することができる。
以上説明した通り、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法によれば、使用する成形金型としては、可動側金型の型面全面に意匠性を高める絞模様が刻設されているとともに、縦壁部用キャビティに臨む固定側金型の外側壁面には変形抑制用絞模様が刻設されている。従って、可動側金型と固定側金型とを型締めした後、一般部用キャビティ及び縦壁部用キャビティ内に発泡樹脂材料を充填し、その後、発泡スペースを確保するために可動側金型を僅かなストローク後退操作する際、縦壁部用キャビティにおいて、この縦壁部に相当する半成形品は、可動側金型の絞模様と固定側金型の絞模様双方の絞吸着力がバランス良く作用し、反り変形の原因となる歪み応力が加わることがないため、反り変形を未然に防止できることから、外観意匠性並びに合わせ精度に優れた発泡樹脂成形品を提供することができるという効果を有する。また、従来のように、成形直後に矯正治具により縦壁部分を押圧矯正する工程が廃止でき、矯正治具を不要とできるとともに、矯正工程も廃止でき、コストダウンを招来するという効果を有する。
本発明方法により製作されたトリムアッパーを採用したラゲージサイドトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1中III −III 線断面図である。 本発明方法に使用する成形金型の構成を示す説明図である。 本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法における発泡樹脂材料の射出充填工程を示す説明図である。 本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法における可動側金型の後退操作時の状態を示す説明図である。 本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法における発泡成形工程を示す説明図である。 従来のラゲージサイドトリムを示す正面図である。 従来の発泡樹脂成形品を成形する成形金型を示す説明図である。 従来の発泡樹脂成形品の成形方法における溶融樹脂の射出充填工程を示す説明図である。 従来の発泡樹脂成形品の成形方法における発泡樹脂材料の射出充填完了時の状態を示す説明図である。 従来の発泡樹脂成形品の成形方法における可動側金型の型開操作時の状態を示す説明図である。 従来の発泡樹脂成形品の成形方法における発泡完了時の状態を示す説明図である。 従来の発泡樹脂成形品の不具合を示す説明図である。
以下、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法の一実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図7は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明に係る発泡樹脂成形品をトリムアッパーに適用した上下二分割タイプのラゲージサイドトリムを示す正面図、図2は同ラゲージサイドトリムにおけるトリムアッパーの側縁部分の構成を示す断面図、図3は同ラゲージサイドトリムにおけるトリムアッパーとトリムロアとの接合部分の構成を示す断面図、図4は同ラゲージサイドトリムにおけるトリムアッパーの成形に使用する成形金型の概略構成を示す説明図、図5乃至図7は同ラゲージサイドトリムにおけるトリムアッパーの成形方法の各工程を示す説明図である。
図1,図2において、ラゲージサイドトリム10は、車両のラゲージルームにおける側壁パネルの室内面側に取り付けられる内装部品であり、トリムアッパー20とトリムロア30の上下二分割体から構成されている。トリムアッパー20及びトリムロア30には、それぞれ各種機能部品、例えば、備品を吊り下げるための多機能型フックや、空調用のエアグリル、あるいはスピーカグリル等がトリムアッパー20、あるいはトリムロア30と別体、あるいは一体に設けられているが、本発明の要旨ではないため、ここではこれら機能部品やその取付構造については省略する。
ところで、上記トリムアッパー20は、発泡樹脂成形品が使用されており、この発泡樹脂成形品は、合成樹脂中に発泡剤が混入された素材を使用している。例えば、使用できる合成樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択される。尚、合成樹脂に対して混入される発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。また、成形工法としては、射出成形工法が採用されているが、その詳細な説明は後述する。一方、トリムロア30は、射出成形工法を採用した通常の樹脂成形品が使用され、トリムアッパー20に使用する素材から発泡剤を省略した合成樹脂材料を射出成形することにより所要形状に成形されている。
次に、図2に基づいて、トリムアッパー20の構成について説明する。トリムアッパー20は、図2に示す断面図から明らかなように、表面のスキン層21とその内部の発泡層22の二層構造体から構成されており、表面側の製品一般部23の周縁には、剛性を強化するとともに、製品に質感を与えるために縦壁部24が連接形成されている。そして、トリムアッパー20の表面全体に亘り、製品の意匠性を高める絞模様25が後述する成形金型から転写されているとともに、トリムアッパー20の裏面側には、縦壁部24についてのみ変形抑制用絞模様26がこれも成形金型側から転写されている。
この変形抑制用絞模様26は、トリムアッパー20を発泡成形する際、歪み応力が残留することを有効に防止する機能を果たしている。この変形抑制用絞模様26の作用については後述する。尚、参考までに、トリムアッパー20とトリムロア30との接合構造について図3を基に簡単に説明すると、トリムロア30に溶着用ボス31を立設し、この溶着用ボス31に対応するように、トリムアッパー20には、取付孔27を開設しておき、取付孔27内に溶着用ボス31を挿入した後、溶着用ボス31の先端を超音波溶着加工等によりカシメ接合することで、トリムアッパー20とトリムロア30とは強固に一体化される。尚、超音波溶着加工以外にも、ビス止め加工等を使用することもできる。
次いで、上記ラゲージサイドトリム10におけるトリムアッパー20を成形する際に使用する成形金型40の構成について説明する。この成形金型40は、図4に示すように、可動側金型50と固定側金型60と射出機70とから大略構成されている。更に詳しくは、上記可動側金型50はプレスラム51の動作により、型開き位置、型締め位置に加えて発泡成形位置の3つのポジションをとるように駆動される。一方、固定側金型60には、射出機70から供給される発泡樹脂材料Mの樹脂通路となるホットランナ61、バルブゲート62が設けられており、これら樹脂通路を通じて型面に発泡樹脂材料Mが供給される。また、成形後の発泡樹脂成形品であるトリムアッパー20を突き出すためのエジェクタピン63が固定側金型60に内装されている。
このように、可動側金型50と固定側金型60との間で画成されるキャビティC形状に沿ってトリムアッパー20が成形されるが、トリムアッパー20は製品一般部23の周縁に縦壁部24が一体化されているため、キャビティCについても一般部用キャビティC1に対して縦壁部用キャビティC2が連通形成されている。更に、本発明においては、一般部用キャビティC1及び縦壁部用キャビティC2に臨む可動側金型50の型面全面に亘り、意匠性を高めるための絞模様52が刻設されており、この絞模様52の絞深さは、特に限定しないが80μm以上に設定するのが好ましい。また、縦壁部用キャビティC2に臨む固定側金型60の外側壁面60aについても、変形抑制用絞模様64が刻設されており、この変形抑制用絞模様64の絞深さについても、特に限定しないが80μm以上に設定するのが好ましい。
次いで、図5乃至図7に基づいて、上記トリムアッパー20を精度良く成形する成形方法について逐次説明する。まず、図5に示すように、プレスラム51により可動側金型50は固定側金型60に対して型締めされ、成形金型40が型締め位置にある時、射出機70からホットランナ61、バルブゲート62を通じて一般部用キャビティC1及び縦壁部用キャビティC2内に発泡樹脂材料Mが射出充填される。この時、図示はしないが、外部から双方のキャビティC1,C2内にエアを強制導入し、発泡樹脂材料Mが発泡反応を行なわないようにキャビティC1,C2内に発泡樹脂材料Mを充填するカウンタープレッシャー工法を採用することもできる。
次いで、発泡樹脂材料Mの射出充填工程が完了すれば、図6に示すように、可動側金型50が型開き方向に微小ストローク後退動作を行なう。この可動側金型50の後退動作では、一般部用キャビティC1、縦壁部用キャビティC2内には、未発泡状態の半成形品Pが収容されており、可動側金型50の後退動作により発泡スペースSが確保される。この可動側金型50の後退動作時には、半成形品Pの縦壁部P1については可動側金型50の絞模様52と半成形品Pの縦壁部P1との間で係着力(タック力)が作用しているとともに、固定側金型60の外側壁面60aに設けた変形抑制用絞模様64と、半成形品Pの縦壁部P1についても同様の係着力(タック力)が作用しているため、両者の平衡作用により、半成形品Pにおける縦壁部P1については、反り変形の原因となる歪み応力が残留することがない。よって、成形後に反り変形等が生じる恐れがなく、外観意匠性及び合わせ精度を良好に維持することができる。その後、図7に示すように、未発泡状態の半成形品Pは、発泡反応が誘起され、型クリアランスを大きく設定した発泡スペース内でスキン層21と発泡層22とが所望の厚みを備えるように成形される。
このように、本発明によれば、可動側金型50と固定側金型60とで画成されるキャビティCの縦壁部用キャビティC2に臨む固定側金型60の外側壁面60aに変形抑制用絞模様64を刻設したため、可動側金型50の後退操作時、半成形品Pの縦壁部P1が可動側金型50側に過度に引き込まれることがなく、縦壁部P1は、可動側金型50と固定側金型60の双方に設けた絞模様52,64とバランス良く吸着するため、歪みの原因となる応力が生じることがないことから、成形形状を長期に亘り良好に維持でき、トリムアッパー20とトリムロア30との間で段差が生じることがなく、車体パネルに対しての合わせ精度も良好に維持することができる。また、成形直後、矯正治具を使用した矯正工程も廃止することができ、このことも廉価に変形を抑えることに貢献でき、実用価値が高い。
以上説明した実施例は、上下二分割タイプのラゲージサイドトリムにおけるトリムアッパー20の成形方法に本発明方法を適用したものであるが、本発明方法はこれに限定することなく、トリムアッパー20とトリムロア30とからなるラゲージサイドトリム10以外にも、ドアトリム、リヤサイドトリム等、発泡樹脂成形品全般に適用することができる。更に、発泡樹脂材料Mの射出充填時、キャビティC1,C2内に圧空エアを供給するカウンタープレッシャー工法を採用することもできる。
10 ラゲージサイドトリム
20 トリムアッパー(発泡樹脂成形品)
21 スキン層
22 発泡層
23 製品一般部
24 縦壁部
25 絞模様
26 変形抑制用絞模様
30 トリムロア(樹脂成形品)
40 成形金型
50 可動側金型
51 プレスラム
52 絞模様
60 固定側金型
60a 外側壁面
61 ホットランナ
62 バルブゲート
63 エジェクタピン
64 変形抑制用絞模様
70 射出機
C1 一般部用キャビティ
C2 縦壁部用キャビティ
M 発泡樹脂材料
P 半成形品
P1 縦壁部
S 発泡スペース

Claims (1)

  1. 可動側金型(50)と固定側金型(60)との間で画成される一般部用キャビティ(C1)並びに縦壁部用キャビティ(C2)内に発泡樹脂材料(M)を射出充填した後、可動側金型(50)を後退操作することにより、発泡スペース(S)を確保して発泡反応を誘起させ、製品一般部(23)とその周縁に沿って連接される縦壁部(24)とを備えた発泡樹脂成形品(20)を所要形状に発泡成形する発泡樹脂成形品(20)の成形方法において、
    前記一般部用キャビティ(C1)並びに縦壁部用キャビティ(C2)の双方に臨む可動側金型(50)の型面全面に沿って、意匠性を高める絞模様(52)が刻設されているとともに、縦壁部用キャビティ(C2)に臨む固定側金型(60)の外側壁面(60a)に変形抑制用絞模様(64)が刻設されており、可動側金型(50)と固定側金型(60)の型締め後、一般部用キャビティ(C1)及び縦壁部用キャビティ(C2)内に発泡樹脂材料(M)を射出充填した後、可動側金型(50)を後退操作する際、縦壁部用キャビティ(C2)内の半成形品(P)における縦壁部(P1)は、可動側金型(50)の型面に設けた絞模様(52)からの絞吸着力と、固定側金型(60)の外側壁面(60a)に設けた変形抑制用絞模様(64)からの絞吸着力との平衡作用で歪み応力の発生をなくし、縦壁部(24)における変形を抑制したことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
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