JP5393016B2 - 多孔チューブの製造方法 - Google Patents

多孔チューブの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5393016B2
JP5393016B2 JP2007268345A JP2007268345A JP5393016B2 JP 5393016 B2 JP5393016 B2 JP 5393016B2 JP 2007268345 A JP2007268345 A JP 2007268345A JP 2007268345 A JP2007268345 A JP 2007268345A JP 5393016 B2 JP5393016 B2 JP 5393016B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
diameter
sizing
annular portion
water tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007268345A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009097580A (ja
Inventor
貴之 若原
隆久 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Exsymo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Exsymo Co Ltd filed Critical Ube Exsymo Co Ltd
Priority to JP2007268345A priority Critical patent/JP5393016B2/ja
Publication of JP2009097580A publication Critical patent/JP2009097580A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5393016B2 publication Critical patent/JP5393016B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Description

本発明は、多孔チューブ及びその製造方法に関する。より詳しくは、複数の中空部を有する多孔チューブ及びその製造方法に関する。
空気や水等の流体を流す多孔チューブは幅広い分野で用いられており、近年では、産業用ロボット等のような可動部分に用いられるものや、各種配管用多孔チューブとして用いられたりしている。このような可動部分に用いることができるには折り曲げ特性に優れたチューブであることが必要となる。このような特性を備えたチューブを開発することは幅広い産業界からの強く望まれているところである。そして、このようなチューブとして多層チューブ等が用いられている。
特許文献1には、充実構造のポリテトラフルオロエチレンよりなる第1層と、その外周面に積層された多孔質構造のポリテトラフルオロエチレンよりなる第2層と、更にその外周面に積層され、通気性を有しかつ該第2層材料より弾力性が高い高分子材料よりなる第3層とからなり、該第1層と該第2層とは熱融着により一体化され、かつ該第3層の通気度がガーレー数で100000秒以下であることを特徴とする可とう性多層チューブ等が開示されている。
特開平8−072178号公報。
しかし、チューブの構造を多層にする場合等には、製造工程が複雑になりコストがかかる等といった問題があった。また、チューブの側圧特性をさらに向上させることが求められている。そこで、本発明は、側圧特性に優れた多孔チューブを提供すること主な目的とする。
まず、本発明は、内環状部と、該内環状部の外周に沿って略等間隔で放射状に延設された複数のリブ部と、前記複数のリブ部を連結する外環状部と、を備え、前記内環状部と前記リブ部と前記外環状部とにより中空部が形成され前記内環状部と前記外環状部とが、縦断面視、同心的に配置され、最小曲げ直径が外環状部の外径の1.75倍以下で、かつ1mm圧縮時側圧が150N以上であり、熱可塑性樹脂により一体成形された多孔チューブを提供する。このような構造の多孔チューブとすることで、多孔チューブの側方から負荷がかけられた場合等であっても、その負荷を効率よく分散できる。その結果、側圧特性に優れた多孔チューブとすることができる。なお、「最小曲げ直径」は、温度20℃において、180°曲げ時に折れない、あるいはキンクが発生しない最小の曲げ直径をピンケージにて測定するものである。
続いて、本発明は、前記外環状部の内径は、前記内環状部の内径の2〜2.5倍である多孔チューブを提供する。
そして、本発明の多孔チューブは、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン6及びナイロン12のうちの少なくとも1種の熱可塑性樹脂で形成することができる。
また、本発明は、環状孔と、該内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、該直線状孔の外端間を連結する外環状孔と、前記内環状孔と前記外環状孔と前記直線状孔とで囲まれた領域に内圧調整用エアの導入用貫通孔と、を少なくとも備えたダイスを使用し、前記内圧調整用エアの導入用貫通孔から内圧調整エアを導入しながら、前記内環状孔と前記外環状孔と前記直線状孔から、溶融した樹脂を1度に押出す工程と、押し出された成形体を、冷却しながら真空サイジングする工程と、を行い、内環状部と、該内環状部の外周に沿って略等間隔で放射状に延設された複数のリブ部と、前記複数のリブ部を連結する外環状部と、を備え、前記内環状部と前記リブ部と前記外環状部とにより中空部が形成されると共に、前記内環状部と前記外環状部とが、縦断面視、同心的に配置され、最小曲げ直径が外環状部の外径の1.75倍以下で、かつ1mm圧縮時側圧が150N以上であり、熱可塑性樹脂により一体成形された多孔チューブを得る多孔チューブの製造方法を提供する。このような製造方法によって、側圧特性に優れた多孔チューブを得ることができる。
更に、本発明は、前記真空サイジングは予備冷却を行なう多孔チューブの製造方法を提供する。
本発明によれば、側圧特性に優れた多孔チューブとすることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る多孔チューブの好適な実施形態及び多孔チューブの製造方法について説明する。なお、添付図面に示された各実施形態は、本発明に係わる一例を例示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係る多孔チューブの第1実施形態の断面図である。図2は、同実施形態の簡略斜視図である。図1中の符号1は、本発明に係る多孔チューブを示している。該多孔チューブ1のサイズや構造等は、本発明の効果が得られる範囲内において、目的に応じて適宜選定可能である。
多孔チューブ1は、内環状部10と、6本のリブ部12と、リブ部12を連結する外環状部14と、を備えている。内環状部10とリブ部12と外環状部14とによって中空部Bが形成されている。また、内環状部10の内部に中心孔Aが形成されている。この多孔チューブは、少なくとも最小曲げ直径が、外環状部14の外径の1.75倍以下である。最小曲げ直径が外環状部14の外径の1.75倍以下である多孔チューブとすることで、実用レベルにおいても優れた側圧特性を有する多孔チューブとすることができる。
本発明に係る多孔チューブ1は、側圧特性や曲げ特性等の機械的特性や、多孔チューブ構造の真円性を、より良好に保つために、リブ部12を3本以上とすることが望ましい。また、多孔チューブ1の中空率や、製造時に用いるダイス先端部の機械加工精度の観点から、10本以下であることが望ましい。更に好適には6本であることが望ましい。
そして、多孔チューブ1の中空率については限定されず、適宜好適な中空率とすることができる。本発明に係る多孔チューブ1では、チューブ内の単位時間あたりの流体輸送量を低下させずにすみ、かつ圧力損失が大きくなって材質を高圧対応することも不要とできる。また、キンク等の発生も防止できる。本発明によれば、高い中空率を有しながらキンク等にも優れた多孔チューブとすることができる。この中空率とは、多孔チューブ1の断面積(環状部10、リブ12、外環状部14、中心孔A、中空部Bの各断面積の総和)に対する、多孔チューブ1の中空領域の断面積(中心孔Aと中空部Bの各断面積の総和)の割合をいう。そして、好適には、外環状部14の内径は、内環状部10の内径の2〜2.5倍であることが望ましい。
本発明に係る多孔チューブ1の材料としては、例えば、合成樹脂を用いることができる。合成樹脂としては熱可塑性樹脂等が好適に用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂や環状ポリオレフィン樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム等が挙げられる。より好適には、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)、ナイロン6(Ny6)、ナイロン12(Ny12)等が望ましい。
また、視認性をより高めたい場合には、透明な合成樹脂を用いることが望ましい。透明な合成樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂等が挙げられる。そして、必要に応じて、本発明に係る多孔チューブ1に着色や表面加工を施すことができる。更に、本発明に係る多孔チューブ1は、使用用途に応じて、透明な部位と、着色された部位とを併せ持たせることも自由である。
加えて、多孔チューブ1は内環状部10とリブ部12と外環状部14を一体成形できるため、多層チューブに比して視認性に優れたチューブとすることができる。従って、チューブ内を通過する対象物質を容易に確認できる。更に、用途によっては発生するであろう結露やオイルミスト等といった異物の存在有無等も容易に確認できる。
本発明に係る多孔チューブ1は、側圧特性に優れているため、曲げてもキンクやクラックが発生しない多孔チューブとして、幅広い用途に用いることができる。例えば、医療用・生化学分析用多孔チューブ、多種流体ノズル用多孔チューブ、各種装置の配管用多孔チューブ、結束用多孔チューブ等に用いることができる。
医療用多孔チューブとして用いる場合には、中空部B等をルーメンとして、複数のワイヤーを格納することができる。特に、内視鏡等のカテーテル多孔チューブとして好適に用いることができる。カテーテル多孔チューブの先端を目標部位に向けて曲げたり動かしたりする必要があるが、本発明に係る多孔チューブ1であれば、側圧特性に優れ、最小曲げ直径も小さいため、可動域が広くかつキンクや歪みを発生することのないカテーテル多孔チューブとして好適に用いることができる。
微量の多種流体を送液する送液用多孔チューブとして用いることができる。通常の微細な多孔チューブであれば、多数本の多孔チューブを束ねる必要があるため曲げ難くなるとともに、曲げた際に多孔チューブ内の空間が潰れることがある。これに関して、本発明に係る多孔チューブ1であれば、側圧特性等に優れているため、多孔チューブ1内の空間が閉塞されることなく確実に多種流体を送液することができる。
例えば、医療用の薬液多孔チューブや、化学反応等を行うマイクロリアクター用多孔チューブ等として用いることができる。あるいは、種々のガスや燃料や冷却媒体等の送液多孔チューブとして用いることもできる。
ノズル用多孔チューブとして用いる場合は、例えば、霧噴霧や半導体洗浄に用いることができる。微小や液体を噴霧する際に、ある程度の側圧が多孔チューブに負荷されたとしても、本発明にかかる多孔チューブ1であれば円滑に送液できるため好適である。更に、最小曲げ直径が小さいため、噴霧装置や半導体洗浄用装置の内部に多孔チューブ1を曲げて格納したとしても、曲げた部分が潰れることがないため、送液に必要な空間を確保できる点でも好適である。
各種分析機器用多孔チューブとして用いる場合には、微量試料を分析する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や各種分光測定機器やフローサイトメトリー等に用いられる送液用多孔チューブとして用いることができる。また、ガス捕集器等の集気用多孔チューブや採気用多孔チューブとして用いることができる。中心孔Aや中空部Bを有するため、複数の流体(液体やガス等)を多孔チューブ1によって送液できるため省スペース化ができる。また、多孔チューブ1を曲げても流路となる中心孔Aや中空部Bが潰れることがないため好適である。
各種装置の配管用多孔チューブとして用いる場合には、側圧特性に優れている多孔チューブであるため、曲げることで省スペース化が可能となる。また、中空部Bに各種ケーブルや配線等を挿入することで、省スペース化のみならず材料コストの削減にも資することができる。例えば、産業ロボットの可動部分に使用する配管用多孔チューブ等として好適に用いることができる。
なお、本発明に係る多孔チューブを用いて搬送する対象は流体に限られず、例えば微小粒子等の固体であってもよい。従って、中心孔Aや中空部Bから微小粒子等を搬送することができる。
製造方法としては、内環状部と、該内環状部から放射状に延設された複数のリブ部と、前記複数のリブ部を連結する外環状部と、を備え、前記内環状部と前記リブ部と前記外環状部とにより中空部が形成され、前記内環状部と前記外環状部とが、縦断面視、同心的に配置される多孔チューブの製造に際して、所定形状のダイスを用いた押出形成により前記多孔チューブを一体形成することにより、多孔チューブ1を得ることができる。以下、製造方法を中心に説明する。
図3は、本発明に係る多孔チューブ1の製造方法の一例を示す概念図である。図4は、それに用いられるダイスの一形態例である。図3の符号2は、多孔チューブの製造装置を示している。
溶融した樹脂Pは、ノズル21から押出されて、予備水槽22と減圧水槽23とでサイジングされて、多孔チューブ1が製造される。予備水槽22と減圧水槽23とは隔壁24によって仕切られている。なお、本発明の製造工程では、サイジング工程において減圧サイジングする前に所定の冷却手法として予備水槽22を設けており、これによって側圧特性に優れた多孔チューブ1を得ることができる。以下、各工程について説明する。
ノズル21に備えられたダイス3から溶融した樹脂Pを押出しする。このダイス3は、内環状孔31と、この内環状孔31の外周から放射状に延びる複数の直線状孔32と、この直線状孔32の外端間を連結する外環状孔33の孔を備えている。この内環状孔31と外環状孔32と直線状孔33から、樹脂Pを押出しすることで、多孔チューブ1の形状とする(図1参照)。
また、ダイス3に内圧調整用エアを導入するための貫通孔35を設けることが必要である。貫通孔35は、内環状孔31と直線状孔32,32と外環状孔33とで囲まれた領域に設けられている(図4参照)。押出しする樹脂Pを所定速度で引き取る際に、これに伴って外部のエアが、貫通孔35の後方から前方に通される(図3の矢印a参照)。これによって、樹脂Pから成形される多孔チューブ1の中心孔Aや中空部Bの内圧を均一化することができる。
そして、押出し時に伴って自然発生する空気流により中心孔Aや中空部Bに内圧調整用エアを導入してもよいし、積極的に所定圧力で加圧した内圧調整用エアを導入することも可能である。
なお、面積引き落とし倍率は、下記式で求められる値であり、好ましい範囲としては、4〜32倍であることが望ましい。このような数値範囲とすることで、吐出量をより安定させることができ、更には外径ムラを防止できるという点でより好適である。
Figure 0005393016
続いて、多孔チューブ1の賦形を行うサイジングを行う。これにより多孔チューブ1の形状を微調整する。サイジングは、予備水槽22と減圧水槽23とを用いて真空サイジングすることで行われる。減圧水槽23の前に予備水槽22を設けることで、減圧条件下でサイジングしやすいように適度に樹脂を冷却できる。その結果、サイジングの精度を高めることができる。
予備水槽22は、サイジングプレート221,221を上下に備えている。このサイジングプレート221は、予備水槽22と一体であってもよい。そして、樹脂Pの押出し方向(矢印a参照)と逆方向(矢印c)に冷却水を吐出する給水部222を備えている。給水方向は限定されないが、樹脂Pの押出し方向と同軸方向であることが望ましい。給水部222から吐出される水流が押出しされている樹脂に直接当たらないため、予備水槽22内でチューブが踊ったり、その表面が波打つことを防止できる。
予備水槽22の入り口ではいわゆる水走りが起こりうるが、これに関してはサイジングプレート221の貫通孔2211から冷却水を減圧吸引することが望ましい。あるいは、予備水槽22の水位を一定に保つことが望ましい。これらによって、水槽内の水がノズル21にかかってしまうことを防止できる。また、外環が上下の区別なく同時に冷却されるので、真円性が優れた多孔チューブとすることができる。
予備水槽22の長さは限定されず、適宜好適な長さに調節することができる。これにより、後続の減圧水槽23で減圧水槽用プレート231,231でサイジングされる際に、溶融した樹脂が冷却固化しすぎることもなく、かつサイジングに好適な冷却効果も得ることができるため望ましい。なお、予備水槽22の長さは、押出し速度に応じて適宜選定することができる。例えば、押出し速度が高速の場合には水槽長を長く、押出し速度が低速の場合には水槽長を短くすればよい。
例えば、柔らかい樹脂をいきなり減圧水槽23に入れてしまうと膨張してしまい、サイジングを行う際に詰まりを引き起こしてしまうが、本発明ではこのような現象を防止できる。また、樹脂Pに含有される添加剤等のブリード現象を防止できる。溶融状態である樹脂Pはサイジングによって急冷却されると、添加剤が樹脂表面からブリードアウトしてしまう。このブリード現象は冷却ムラの原因となるだけでなく、更には外径のムラの原因ともなりうるが、このような現象も防止できる。
また、通常の減圧サイジングでは、樹脂を搾るようにサイジングする。そのため、このような多孔チューブの製造においては、高精度の形状制御が難しいといった問題が挙げられる。例えば、多孔チューブであれば、そのリブ部の形状制御等がとりわけ難しい。すなわち、搾るようにサイジングすればリブ部が潰れるやすくなる。そこでサイジング径は、製品径より必ず大きめにする必要がある。より好適には、減圧サイジング径は製品径よりも大きく、更に予備水槽サイジング径は減圧サイジング径よりも大きいことが望ましい。
このように、本発明に係る製造方法では、予備冷却を行なうことが望ましく、より好適には、予備冷却でのサイジング径は所望する製品径よりも大きいサイジング径でサイジングを行うことが望ましい。次に、このサイジングされた樹脂Pは減圧されることでその径を外周方向に大きくしながら成形することが更に望ましい。これによって、より正確な形状制御が可能となり、その結果、より側圧特性に優れた多孔チューブを得ることができる。
また、減圧水槽23では、真空ポンプ(図示せず)により水槽内の空気のみを吸引するように設定することが望ましい。空気も冷却水も一緒に真空ポンプに送りこむのではなく、空気系と水系とを別個に制御することが望ましい。そして、冷却水は別途に設けた排水口から排水することが望ましい。これにより、オーバーフローした冷却水が空気の吸引を妨げることを防止でき、より安定した減圧状態を作り出すことができる。
各サイジングプレートは、製造する多孔チューブの形状や大きさ等を考慮して、適宜好適な形状のものとすることができるが、好適には、予定する外径よりもやや大きい口径であることが望ましい。また、サイジングプレートの材質は限定されないが、SUSや真鍮等を用いることができる。
隔壁24は、予備水槽22と減圧水槽23を仕切るためのものであり、その材質は限定されないが、好適にはSUS等の金属製であることが望ましい。
本発明に係る製造方法の効果を検証するために、以下の試験を実施した。種々の細径多孔チューブを製造し、その物性を測定・評価した。
<実施例1>
図3に示す装置を用いて、φ6(リブ厚み0.7mm)である6リブ構造の熱可塑性ポリウレタン(TPU)製の多孔チューブを作製した。溶融した熱可塑性ポリウレタン(TPU)を、図4に示すダイス3(図3のノズル21)に挿通し、押出し成形することによって多孔チューブを得た。その際の条件は以下のようにして夫々行なった。
線速度は6〜15m/分、予備水槽長は75mm、サイジングプレート221は真鍮製フッ素樹脂コート(プレート長8mm、穴径φ8.0mm)、サイジングプレート231は真鍮製フッ素樹脂コート(プレート長8mm、穴径φ6.4mm)、水槽温度は19度、面積引き落とし倍率は7.1倍で行った。
そして、単重が23.3g/m、最小曲げ直径と外環状部の外径との比が1.30、外環状部の内径と内環状部の内径との比が2.22の多孔チューブとした。
<実施例2>
最小曲げ直径が7.5mmであり、最小曲げ直径と外環状部の外径との比が1.25である多孔チューブを、実施例1と同様にして作成した。なお、表1に示す条件以外は実施例1と同様の条件で作成した。
<実施例3>
単重が19.7g/m、最小曲げ直径が10.0mm、最小曲げ直径と外環状部の外径との比が1.67である多孔チューブを、実施例1と同様にして作成した。なお、表1に示す条件以外は実施例1と同様の条件で作成した。
<実施例4>
外環状部内径と内環状部内径の比が2.05である多孔チューブを、実施例1と同様にして作成した。なお、表1に示す条件以外は実施例1と同様の条件で作成した。
<実施例5>
最小曲げ直径が8.0mmであり、外環状部内径と内環状部内径の比が2.45である多孔チューブを、実施例1と同様にして作成した。なお、表1に示す条件以外は実施例1と同様の条件で作成した。
<比較例1>
単重が19.0g/m、φ6−φ4(リブ厚み1.0mm)、最小曲げ直径が15.0mmである多孔チューブを作製した。これ以外の条件は実施例1と同様の条件で作製した。
<物性の測定・評価>
[最小曲げ直径の測定]
温度20℃において、各多孔チューブを、180°曲げた時に折れない(あるいはキンクが発生しない)最小の曲げ半径をピンケージにて測定した。なお、測定は、JIS C6851 13に準拠して行った。
[平板側圧の測定]
50mmの長さにカットした多孔チューブに平板にて側圧をかけていき、1mm変化した時の側圧を測定した。側圧の測定には、「万能引張試験機 TCM−2000(新興通信工業(株)社製)」を用いて測定した。
[破壊圧力の測定]
「キョーワテスターT−300N (株)キョーワ社製」により測定した。
実施例1〜5、比較例1の結果を下記表1,2に示す。
Figure 0005393016

Figure 0005393016

<考察>
実施例1〜5の多孔チューブは、いずれも1mm圧縮時側圧が150N以上であり、破壊圧力が2.5MPa以上であった。一方、比較例1は、1mm圧縮時側圧は137Nであり、破壊圧力は2.0MPaとなった。
以上より、本発明に係る多孔チューブは側圧特性に優れていることが示唆された。
本発明に係る多孔チューブは、側圧特性に優れているため、医療用多孔チューブや各種分析機器の配管用多孔チューブ等として幅広い用途に用いることができる。
本発明に係る多孔チューブの第1実施形態の断面図である。 同実施形態の概略斜視図である。 本発明に係る多孔チューブの製造方法の一例を示す概念図である。 本発明に係る多孔チューブの製造方法に用いるダイスの一形態例である。
符号の説明
1 多孔チューブ
2 多孔チューブの製造装置
3 ダイス
10 内環状部
12 リブ部
14 外環状部
21 ノズル
22 予備水槽
23 減圧水槽
24 隔壁
A 中心孔
B 中空部

Claims (4)

  1. 内環状孔と、該内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、該直線状孔の外端間を連結する外環状孔と、前記内環状孔と前記外環状孔と前記直線状孔とで囲まれた領域に設けられた内圧調整用エアの導入用貫通孔と、を少なくとも備えたダイスを使用し、前記内圧調整用エアの導入用貫通孔から内圧調整エアを導入しながら、前記内環状孔と前記外環状孔と前記直線状孔から、溶融した樹脂を1度に押出す工程と、
    押し出された成形体を、予備水槽において冷却しながらサイジングした後、減圧水槽において減圧条件下でサイジングするサイジング工程と
    を有し、
    前記予備水槽でのサイジングは、サイジングプレートに設けられた貫通孔から冷却水を減圧吸引しながら行い、
    内環状部と、該内環状部の外周に沿って略等間隔で放射状に延設された複数のリブ部と、前記複数のリブ部を連結する外環状部と、を備え、前記内環状部と前記リブ部と前記外環状部とにより中空部が形成されると共に、前記内環状部と前記外環状部とが、縦断面視、同心的に配置され、最小曲げ直径が外環状部の外径の1.75倍以下で、かつ1mm圧縮時側圧が150N以上であり、熱可塑性樹脂により一体成形された多孔チューブを得る多孔チューブの製造方法。
  2. 前記減圧水槽でのサイジング径は製造される多孔チューブの径よりも大きくし、かつ、前記予備水槽でのサイジング径は前記減圧水槽でのサイジング径よりも大きくする請求項1に記載の多孔チューブの製造方法。
  3. 前記多孔チューブは、前記外環状部の内径が前記内環状部の内径の2〜2.5倍である請求項1又は2に記載の多孔チューブの製造方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂は、熱可塑性ポリウレタン、ナイロン6及びナイロン12のうちの少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔チューブの製造方法。
JP2007268345A 2007-10-15 2007-10-15 多孔チューブの製造方法 Active JP5393016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268345A JP5393016B2 (ja) 2007-10-15 2007-10-15 多孔チューブの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007268345A JP5393016B2 (ja) 2007-10-15 2007-10-15 多孔チューブの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009097580A JP2009097580A (ja) 2009-05-07
JP5393016B2 true JP5393016B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=40700772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007268345A Active JP5393016B2 (ja) 2007-10-15 2007-10-15 多孔チューブの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5393016B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5883229B2 (ja) * 2011-03-11 2016-03-09 宇部エクシモ株式会社 極細多孔チューブの製造方法
JP2012187550A (ja) * 2011-03-11 2012-10-04 Ube Nitto Kasei Co Ltd 細径脱気チューブ及びその製造方法
JP2012187549A (ja) * 2011-03-11 2012-10-04 Ube Nitto Kasei Co Ltd 細径脱気チューブ及びその製造方法
CN103411053B (zh) * 2013-07-28 2015-05-27 浙江大学 塑料微通道管道结构及制备方法与装置
JP2017057933A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 タイガースポリマー株式会社 可撓性チューブおよびその接続方法
JP7467059B2 (ja) * 2019-09-30 2024-04-15 積水化学工業株式会社 複層管

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4727794Y1 (ja) * 1971-12-20 1972-08-23
JPS5935784U (ja) * 1982-08-31 1984-03-06 株式会社東洋化成 ホ−ス
JPH08312841A (ja) * 1995-05-19 1996-11-26 Toyokuni Densen Kk パイプ
WO2004096881A1 (ja) * 2003-05-01 2004-11-11 Polyplastics Co., Ltd. 異形断面を有する成形品用の樹脂材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009097580A (ja) 2009-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5393016B2 (ja) 多孔チューブの製造方法
US8048352B2 (en) Medical devices
US7713047B2 (en) Extrusion apparatus for making multilayer articles
JP5147231B2 (ja) 医療用チューブの押出成形用金型および押出成形方法
CN102341141B (zh) 导管及导管的制造方法
US4906496A (en) Double-walled tube assembly
EP1844690A3 (en) Foam soap generator
KR20100124314A (ko) 유체 이송 어셈블리들 및 관련 방법들
US10435777B2 (en) Inner surface-modified tube, inner surface-modified tube manufacturing method, and inner surface-modified tube manufacturing device
KR101886645B1 (ko) 미세 액적 제조장치
JP2012187549A (ja) 細径脱気チューブ及びその製造方法
KR20060087526A (ko) 불소수지제의 통형상 부재
JP2010227138A (ja) カテーテルの製造方法
EP1706165B1 (en) Medical Devices with Nano-materials
JP4276043B2 (ja) 多層熱可塑性樹脂パイプ及びその製造方法
JP2016070414A (ja) 成形体および真空下水道システム
JP2012187550A (ja) 細径脱気チューブ及びその製造方法
CN208645993U (zh) 一种pvc-u给排水管内壁冷却定型装置
JP4320268B2 (ja) 多層熱可塑性樹脂パイプの成形装置及びその成形装置によって成形された多層熱可塑性樹脂パイプ
JP5134444B2 (ja) インフレーションフィルムの製造装置及びインフレーションフィルムの製造方法
JP7233810B2 (ja) 管状部材
CN205326230U (zh) 医用pvc雾面导管挤出模头结构
JP2007196498A (ja) 電線の押出金型構造
JP2008254361A (ja) 小径曲がり継ぎ手及びその製造方法
EP1122481A2 (en) Corrugated flexible hose for gaseous substances and method therefor

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130621

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5393016

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250