JP4276043B2 - 多層熱可塑性樹脂パイプ及びその製造方法 - Google Patents

多層熱可塑性樹脂パイプ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内層管が薄肉で高寸法精度な状態で安価にガスバリヤ性や耐薬品性や低滞留性の機能を持ち、外層として高強度化、高耐候性の機能を持たせた多層熱可塑性樹脂パイプ及びその製造方法に関する。
従来、上下水道配管や給湯用配管、超純水用配管、化学プラント用のライニングパイプとして、パイプ各層に機能を分離した多層熱可塑性樹脂パイプが成形されている。これら多層熱可塑性樹脂パイプは高精度な形状寸法を有することが性能上重要であり、また、内層肉厚が小さくかつ高寸法精度による安価な構成で成形できることが重要である。
このような高い寸法精度をもった多層成形品を得るためには、従来、樹脂を金型内で合流させる多層共押出による成形方法か、もしくはタンデム方式といわれる被覆成形にて多層成形が行われていた。
しかしながら、多層共押出は金型内で異なった樹脂が合流するため、粘度差や肉厚差が大きいと界面荒れが発生し、肉厚精度が保てないといった問題があった。
そこで、タンデム方式として、クロスヘッドダイを用い強固な内層管に外層を被覆する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、内層管通過時にニップルにて内層管を冷却することで内外層の融着を防止し、寸法精度を確保した装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平07−1542号公報 特開2002−337208号公報 特開平09−300424号公報
しかしながら、上記したタンデム方式では、内層管が変形しないように内層の肉厚は大きく形成されており、高価な内層樹脂を用いるときにはコストダウンが困難であった。また、上記特許文献3のものでは、短管で使用するときに、内外管のズレが発生したり、層間のわずかな空気層が原因で多層管の延伸や曲げ加工時に発泡するなどの不具合が生じていた。
本発明は係る問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、共押出のような界面荒れがないため形状寸法精度が良好(真円度、肉厚精度)であり、外観平滑性に優れ、また内外層の融着が良好な、外層肉厚が内層肉厚より大きい多層熱可塑性樹脂パイプ及びその簡易な製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る多層熱可塑性樹脂パイプの製造方法は、内層管を被覆金型に通して樹脂が被覆されるまでの第1の工程と、被覆樹脂が内層管に接触してから金型外に吐出するまでの第2の工程と、金型外に吐出してから減圧冷却水槽に入るまでの第3の工程と、減圧水槽内で冷却固化される第4の工程とからなる内層管の肉厚が0.1〜3mmである多層熱可塑性樹脂パイプの製造方法であって、
前記第1の工程における当該内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の軟化点温度より50〜200℃低いことと、
前記第2の工程における内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の軟化点温度以下であることと、
前記第3の工程における減圧冷却水槽に入る直前の内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の軟化点温度以上、融点以下であることと、
前記第4の工程における内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の融点以下であることと、
を特徴とする。
また、前記第2の工程では、これらの条件に加えて、被覆樹脂が内層管に接触する温度を、内層管を構成する樹脂の軟化点温度より50〜200℃高い温度とする。

以下、本発明の内容をさらに詳しく説明する。
本発明において内層管及び被覆樹脂として用いられる熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、耐薬品性、柔軟性が良好なことより、塩化ビニル性樹脂やポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えばエチレン、プロピレン、またはα−オレフィン等の重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペプテン、1−オクテン等が挙げられる。
これらの重合体としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンとプロピレンの共重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体、プロピレンの単独重合体、プロピレンとα−オレフィンの共重合体、ポリブテンの単独重合体、ポリイソプレンの単独重合体等が挙げられる。また、これらのポリオレフィン類は、得られる物性を考慮した上で、適当な組み合わせにてブレンドされていても構わない。
また、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂の分子量及び分子量分布は特に制限されず、重量平均分子量は、通常5,000〜5,000,000、好ましくは20,000〜300,000であり、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2〜80、好ましくは3〜40である。
また、超純水用パイプとして用いられる樹脂としては、フッ素系樹脂が挙げられ、フッ素系樹脂としては、従来公知のフッ素系樹脂を用いることができる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF;融点160〜180℃)、ポリビニルフルオライド(PVF:融点206℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:融点330℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP:融点250〜280℃)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA:融点300〜310℃)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE:融点260〜270℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE:融点210℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE:融点290〜300℃)、ポリエチレン(PE:融点95〜135℃)などが挙げられる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂には適宜、他種の高分子化合物がアロイ化またはブレンドされていても構わない。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂には適宜添加剤が添加されていても構わない。酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、滑剤等、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤は、所望の物性を得る為に適宜用いられる。結晶核剤となり得るものを少量添加して結晶を微細化し、物性
を均一化または平滑性の向上を補助することも可能である。
本発明のパイプの形状については、内層管の肉厚は0.1〜3mmである。3mm以上のときは、内層管が高価な樹脂のときにコストが高くなるといった不具合が生じる場合がある。また、内層管の肉厚が厚くなると、肉厚方向や周方向に温度分布が発生して水槽内におけるサイジングへの密着が悪くなり、外観が悪くなることがある。また、0.1mm以下のときは、内層管の肉厚が薄く安定的に金型通過できないため成形が困難なときがある。

被覆する外層の肉厚としては、外層と内層の肉厚比が3以上(3:1)10以下が好ましい。3以下のときは、最終製品が十分な肉厚にならないため強度が低いといった問題や、被覆樹脂が直接冷却され内層管に密着しにくいことがあり、また10以上のときには、外層肉厚精度が安定して得られにくい。
以上説明したような多層熱可塑性樹脂パイプ及びその製造方法によれば、被覆成形により外層肉厚をあげることができ、高価な内層樹脂を使用する際には安価に二層パイプを成形でき、また高強度化することもできる。また、被覆成形において内面を軟化点以上溶融以下で変形可能な状態で真空冷却成形するため寸法精度が高く、外観が良好な多層熱可塑性樹脂パイプができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の製造方法が適用される熱可塑性樹脂パイプの押出ラインの一例を示す概要図であり、図2及び図3は、押出金型と温度調整金型の構造の一例を模式的に示す断面図である。
本発明の熱可塑性樹脂パイプは、図1に例示するように、押出機1により加熱溶融され混練された熱可塑性樹脂が被覆金型2に導入され、内層管5の表面に賦形されつつ金型2より吐出され、サイジングチューブ3及び減圧冷却水槽(以下、単に「冷却水槽」ともいう)4に導入されて成形される。
すなわち、本発明の製造方法は、内層管5を被覆金型2に通す第1の工程と、被覆樹脂が内層管5に接触してから被覆金型2外に吐出するまでの第2の工程と、金型外に吐出してから冷却水槽4に入るまでの第3の工程と、冷却水槽4内で冷却固化される第4の工程とからなる。
本発明の製造方法では、内層管5に樹脂が被覆されるまでの内層管5の内面温度を、内層管5を構成する樹脂の軟化点温度より50〜200℃低い状態で成形する。温度差が50℃以下の場合、金型内滞留時間が長いときに金型内で軟化点温度を越えてしまい、内層管5が金型2に安定的に送り込まれなくなるなどの不具合が発生する。また、温度差が200℃以上あると、被覆樹脂接触時に密着が不十分になる可能性がある。
そこで、本発明の製造方法では、内層管5が軟化点温度以下で被覆樹脂に接触させるために、冷却水が循環する温度調整金型21内を通して内層管5を冷却したり、内層管5に空気や水蒸気やガス、より好ましくは液体(水)を入れて両端に封を施して内層管5を冷却して、内層管5の内面温度を軟化点温度より50〜200℃低い状態で成形する。
本実施形態では、簡易な方法として温度調整金型21を用いている。すなわち、被覆時
に内層管5が高温にならないよう、被覆金型2内に同軸状に温度調整金型21(図2または図3参照)を配置し、内層管5が被覆金型2を通過する際に、この温度調整金型21内で内層管5が冷却されるようにしている。温度調整金型21は、冷却配管23より供給される冷却水が金型内を循環することによって冷却される。
この温度調整金型21は、被覆金型2に接触すると被覆樹脂温度が低下して被覆金型2内での流れが乱れるため、図3に示すように断熱材24で熱移動を遮断するか、図2に示すように被覆金型2と非接触(隙間S)に配置するのが好ましい。温度調整金型21内の
冷却水温度は5〜20℃が好ましい。低すぎると温度調整金型21が結露、滴下し、被覆金型2内で蒸発して、被覆樹脂と内層管5内に気泡として混入するなどの不具合が生じる。また、冷却水温度が高いと十分に冷却されないため、被覆金型2内を通過時に内層管5が溶融して、内面平滑な多層熱可塑性樹脂パイプを得ることができない。
また、この隙間Sを減圧することで内層管と被覆樹脂との密着をあげ、界面にエア(空気)の混入を防ぐことができる。
また、この温度調整金型21は、被覆金型2と内層管5との芯を出す役目を持つ。温度調整金型21が内層管5の芯を固定するため、被覆金型2の被覆肉厚調整が容易であり、被覆肉厚精度が向上できる。
被覆樹脂が内層管5に接触してから金型2外に吐出されるまでの第2の工程において、内層管5の内面温度を、内層管5を構成する樹脂の軟化点温度以下で成形する。内層管5の内面温度が軟化点温度以上になると、被覆樹脂圧力で変形するため内層管5の寸法精度が保持できなくなるといった問題が発生する。
上記温度範囲にするための方法としては、内層管5が被覆金型2を通過する際に、内層管5は被覆金型2に接触しないのが好ましい。被覆金型2に接触すると、内層管温度が上昇し、内面温度が軟化点温度以上になって、上記寸法精度の問題が発生するからである。
被覆金型2については、通常の被覆金型を用いることができる。
また、被覆金型2内で樹脂が内層管5と接触してから、金型吐出されるまでの距離(ランド長)を制御することにより上記温度範囲を達成することができる。ランド長が短いと内面温度が低くなり、長いと高くなる。また、ランド長が短いと十分に密着しないため界面で剥離しやすくなるといった問題が発生する。また、ランド長が長いと被覆樹脂圧力が高くなり、内層管5を押しつぶすため、扁平になるなどの不具合が発生する。
金型2外に吐出してから冷却水槽4に入るまでの第3の工程のうち、冷却水槽4に入る直前の内層管5の内面温度を、内層管5を構成する樹脂の軟化点温度以上、融点以下で成形する。軟化点温度以下の場合には、内層管5が堅いため冷却水槽4内でサイジングに密着できず、外観が悪化したり、真円度がでないといった不具合が生じる。また、融点以上になると、内層管5が溶融しているため内層管寸法精度が悪化したり、結晶性樹脂の場合は再結晶するため強度変化や内面平滑性が悪化するなどの不具合が発生する。上記温度範囲とするための方法としては、被覆された多層管が金型2から吐出された後、冷却水槽4内に送られるまでの距離(エアギャップ)を制御する方法が挙げられる。エアギャップについては、10mmから500mmが好ましい。短いと十分に内層温度が上昇しないため内層管5の内面温度が軟化点温度以上になりにくい。また、長すぎるとエアギャプ中のパイプ重量が増加するため、扁平や折れが発生して肉厚精度がでなかったり、安定して成形できないといった問題が発生する。従って、より好ましい範囲は、20〜200mmである。
また、冷却水槽4内で冷却固化される第4の工程中、内層管5の内面温度を、内層管5を構成する樹脂の融点以下で成形する。冷却水槽4内で融点以上になると、内層管5が溶融しているため内層管寸法精度が悪化したり、結晶性樹脂の場合は再結晶するため強度変化や内面平滑性が悪化するなどの不具合が発生する。
冷却水槽4内の冷却水については、液体が固化しなければ冷却媒体の温度は低いほどよい。たとえば水を用いた場合、5℃から10℃が好ましい。
また、冷却水槽4内の真空圧については、真円度を向上させるため、−0.02から−0.1MPaあれば良い。真空圧が高すぎるとサイジングチューブ3との摩擦が大きくな
り、引き取り困難になるなどの不具合が生じる。また、低すぎると真円度が確保できないといった問題が生じる。
温度の測定方法は、内層管内に熱電対を張り付け、被覆金型へ挿入することで測定することができる。融点の測定は、DSC法を用いて行う。また、軟化点温度(HDT)は、ASTM D648を用いて測定することができる。
一方、冷却水槽4には、サイジングプレート44と噴霧ノズル45が設けられ、噴霧ノズル45より水がスプレーされるとともに冷却水槽4全体は減圧されてパイプが効率よく冷却され熱可塑性樹脂パイプが成形される。
上記サイジングチューブ3の材質としては、特に限定されないが、熱伝導が良い点で、ステンレス、真鍮、銅などを用いるのが好ましい。
また、前記第2の工程において、被覆樹脂が内層管に接触する温度は、内層管を構成する樹脂の軟化点温度より50〜200℃高い温度とするのが好ましい。軟化点+200℃以上だと、内層管が溶けやすくなり、第2の工程における内層管内面温度が軟化点以下になりにくい。また、温度調整金型があたたまりすぎて冷却効率が下がる。一方、軟化点+50℃以下だと、内層管内面を軟化点以上にしにくくなる。軟化点以上にならないと、サイジングに密着せず、外観不良をおこすことがある。
次に、本発明の好適な実施例について説明する。
熱可塑性樹脂としてPE(旭化成製「QB780」)をφ40mm押出機(プラスチック工学研究所製「UT40」)に投入し、被覆樹脂温度200℃で3.0mm被覆成形した。内層管は肉厚1.0mm肉厚標準偏差0.011mmのPVDF(呉羽化学社製「KF1100」)樹脂で成形されたパイプを用いた。図2に示す温度調整金型21を用いて冷却させて、ランド長0.5mmの被覆金型2に通した。このとき、水槽4ならびに温度調整金型21内を循環する冷却水の温度は15℃、真空圧は−0.05MPa、エアギャップは150mmであった。
このときの内層管内面温度の変化を図4に示す。このパイプの肉厚精度を測定した結果、内層は肉厚標準偏差0.011mmであり、外層は肉厚標準偏差0.011mmであり、また真円度は0.8%であった。また外観は良好であった。
真円度の測定方法は、基準点から45°づつ4点の直径を測定し、その最大と最小の差異を基準外径で除した割合(下式(1))で測定した。
(最大直径−最小直径)/基準直径×100・・・(1)
本実施例1のPVDF(呉羽化学社製「KF1100」)の融点は177℃であり、また軟化温度(荷重たわみ温度:ASTM D648を用いて測定)は、1.82MPaで98℃であった。
熱可塑性樹脂としてPE(旭化成製「QB780」)を用い、被覆樹脂温度220℃で押出成形したこと以外は、上記実施例1と同等の条件で成形した。
このときの内層管内面温度の変化を図5に示す。このパイプの肉厚精度を測定した結果、内層は肉厚標準偏差0.011mmであり、外層は肉厚標準偏差0.015mmであり、また真円度は0.8%であった。また外観は良好であった。
熱可塑性樹脂としてPE(旭化成製「QB780」)を用い、被覆金型の被覆肉厚を8mm、エアギャップ20mmで成形した以外は、上記実施例1と同等の条件で成形した。このときの内層管内面温度の変化を図6に示す。このパイプの肉厚精度を測定した結果、内層は肉厚標準偏差0.011mmであり、外層は肉厚標準偏差0.014mmであり、また真円度は0.8%であった。また外観は良好であった。
熱可塑性樹脂としてPE(日本ポリケム社製「HF310」)を用い、被覆樹脂温度260℃で3.0mm被覆成形した。内層管は肉厚1.0mm肉厚標準偏差0.020mmナイロン(ポリプラスチック製ナイロン66)樹脂で成形されたパイプを用いた。図2に示す温度調整金型21を用いて冷却させて、ランド長0.5mmの被覆金型2に通した。このとき冷却水槽4ならびに温度調整金型21内を循環する冷却オイルの温度は200℃、真空圧は−0.05MPa、エアギャップは150mmであった。
このときの内層管内面温度の変化を図7に示す。このパイプの肉厚精度を測定した結果、内層は肉厚標準偏差0.020mmであり、外層は肉厚標準偏差0.011mmであり、また真円度は0.8%であった。また外観は良好であった。
本実施例4のナイロン(ポリプラスチック製ナイロン66)の融点は257℃であり、また軟化温度(荷重たわみ温度:ASTM D648を用いて測定)は252℃であった。
(比較例1)
内層管は肉厚1.0mmのPVDF(呉羽化学社製「KF1100」)樹脂で成形されたパイプを、240℃に設定された被覆金型に温度調整金型を用いずに、1m/minの速度
で通過させたところ、内層管の内面温度が160℃を越えて軟化し、安定して被覆成形できなかった。このときの内層管内面温度の変化を図8に示す。
(比較例2)
熱可塑性樹脂としてPE(旭化成製「QB780」)を用い、ランド長30mmであること以外は、上記実施例1と同等の条件で成形させた。その結果、内層管の内面温度が金型内で160℃を越えて軟化し、樹脂圧力で内層管が変形し、安定して被覆成形できなかった。このときの内層管内面温度の変化を図9に示す。
(比較例3)
熱可塑性樹脂としてPE(旭化成製「QB780」)を用い、被覆樹脂温度240℃、
エアギャップ300mmで成形した以外は、上記実施例1と同等の条件で押出成形を行った。このとき、内層管の内面が溶融してエアギャップで180℃融点以上となった。このときの内層は肉厚標準偏差0.031mmであり、外層は肉厚標準偏差0.039mmであり、また真円度は1.6%であった。ただし外観は良好であった。このときの内層管内面温度の変化を図10に示す。
(比較例4)
熱可塑性樹脂としてPE(旭化成製「QB780」)を用い、被覆肉厚0.5mm、エアギャップ10mmで成形した以外は、上記実施例1と同等の条件で押出成形を行った。このとき内層管の内面が最高温度60℃となった。この場合、内層管が堅くサイジングにスムーズに入らないため真空成形はできなかった。このときの内層は肉厚標準偏差0.01mmであり、外層は肉厚標準偏差0.04mmであり、また真円度は1.7%であり、外観は良くなかった。このときの内層管内面温度の変化を図11に示す。
(比較例5)
熱可塑性樹脂としてPE(旭化成製「QB780」)を用い、肉厚18mmの被覆金型を用いた以外は、上記実施例1と同等の条件で押出成形を行った。このとき内層管内面が減圧冷却水槽内で178℃となった。このときの内層は肉厚標準偏差0.03mmであり、外層は肉厚標準偏差0.08mmであり、また真円度は1.6%であり、外観は良かったが、内面は乱れていた。このときの内層管内面温度の変化を図12に示す。
因みに、上記実施例及び比較例の測定結果を一覧形式にまとめて図13に示す。また、本発明の多層熱可塑性樹脂パイプと上記比較例3の多層熱可塑性樹脂パイプの肉厚精度と真円度とを一覧形式にまとめて図14に示す。
本発明に係る多層熱可塑性樹脂パイプの押出ラインの一例を示す概要図である。 押出金型と温度調整金型の構造の一例を模式的に示す断面図である。 押出金型と温度調整金型の構造の他の例を模式的に示す断面図である。 実施例1の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 実施例2の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 実施例3の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 実施例4の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 比較例1の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 比較例2の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 比較例3の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 比較例4の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 比較例5の内層管内面温度の変化を示すグラフである。 実施例及び比較例での測定結果を一覧形式にまとめた図表である。 本発明の多層熱可塑性樹脂パイプと比較例3の多層熱可塑性樹脂パイプの肉厚精度と真円度とを一覧形式に対比してまとめた図表である。
符号の説明
1 押出機
2 被覆金型
3 サイジングチューブ
4 冷却水槽(減圧冷却水槽)
5 内層管
21 温度調整金型
24 断熱材

Claims (3)

  1. 内層管を被覆金型に通して樹脂が被覆されるまでの第1の工程と、被覆樹脂が内層管に接触してから金型外に吐出するまでの第2の工程と、金型外に吐出してから減圧冷却水槽に入るまでの第3の工程と、減圧水槽内で冷却固化される第4の工程とからなる内層管の肉厚が0.1〜3mmである多層熱可塑性樹脂パイプの製造方法であって、
    前記第1の工程における当該内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の軟化点温度より50〜200℃低いことと、
    前記第2の工程における内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の軟化点温度以下であることと、
    前記第3の工程における減圧冷却水槽に入る直前の内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の軟化点温度以上、融点以下であることと、
    前記第4の工程における内層管の内面温度が、内層管を構成する樹脂の融点以下であることと、
    を特徴とする多層熱可塑性樹脂パイプの製造方法。
  2. 上記の第2の工程における被覆樹脂が内層管に接触する温度が、内層管を構成する樹脂の軟化点温度より50〜200℃高い温度であることを特徴とする請求項1記載の多層熱可塑性樹脂パイプの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法で成形されたことを特徴とする多層熱可塑性樹脂パイプ。

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