JP5392071B2 - 中空糸膜モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
図6に示すように、このモジュール101は、選択的透過性を有する多数の中空糸膜を束ねた中空糸束102と、それが収容される筒状のケース103とを備えており、中空糸束102の各端部はポッティング剤(管板)112によって筒状ケース103の各端部に固着されている。
また、「液上がり」が生じない場合であっても、ポッティング剤の表面張力によって中空糸束102とケース103との隙間が小さくなってしまい(特に出入口110、111付近において)、パージガスが流れにくくなるという問題もある。また、中空糸束102とケース103との隙間が小さくなると、中空糸束に均一にパージガスが流れず、パージガスがショートパスしてしまうという問題もある。
1.複数の中空糸膜が集合した中空糸束の端部がポッティング剤により筒状ケースの端部に固定された中空糸膜モジュールであって、
前記中空糸束の端部付近に該中空糸束の太さを規制する部材が設けられていることを特徴とする、中空糸膜モジュール。
「リング」としては、中空糸束の太さを制限できるものであればよく、伸縮性のあるリングであってもよいし、伸縮性のないリングであってもよい。
このような構成によれば、筒状ケースの内部に流入しようとするポッティング剤を当該リングによって堰き止めることができるので、より確実にポッティング剤の液上がりを防止することができる。
前記太さを規制する部材が前記入口および/または前記出口より端部側であって該入口および/または出口の付近に設けられている、上記1〜4のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
このような構成によれば、パージガスの入出口付近において中空糸束と筒状ケースとの間の隙間が確保されるので、中空糸束に均一にパージガスを流すことができる(詳細は図面を参照して後述する)。
なお、ここにいう「付近」とは、「太さを規制する部材」が設けられていることによって生じる隙間が上記入口および/または出口のところに形成される程度に近いことをいう。
中空糸束を前記筒状ケースの内部に入れる工程と、
前記中空糸束の端部付近にリングを取り付ける工程と、
前記中空糸束が入れられた前記筒状ケースの端部にポッティング剤を充填する工程と、
前記ポッティング剤を硬化させて、前記中空糸膜間および前記中空糸束と前記筒状ケースとを固着させる工程と、
を含むことを特徴とする、中空糸膜モジュールの製造方法。
図1は、本発明の中空糸膜モジュール製造方法の一例によって製造されるモジュールの例を示す断面図である。
中空糸膜の本数は一例として下記の通りである。
ケース内径φ10mmの場合:340本
ケース内径φ18mmの場合:960本
ケース内径φ26mmの場合:1960本
また、中空糸膜5を、図示しない綾巻機によって巻芯軸の回転速度とトラバース速度を制御することによって、巻芯軸に0°<θ<90°の適宜の巻付角θをもって綾巻状に巻付け、その後巻芯軸を抜きとることによって複数層の中空糸膜束3を形成することができる。
ケース内径φ10mmの場合:パージガス入口側が9mm、パージガス出口側が10mm(構造は上下非対称)
ケース内径φ18mmの場合:12mm(構造は上下対称)
ケース内径φ26mmの場合:8mmまたは12mm(構造は上下対称)
この例では図2(a)に示すように、全体として略筒状のケース33が用意され、このケース33の両端部を切断することで、図1に示したような最終的な筒状ケース3が得られる(詳細下記)。
なお、以降の製造工程を作業性よく行うことができるように、また、後の工程で使用するポッティング剤が中空糸に吸込まれ、中空糸が封止されることの防止のために、束2の各端部は封止部7a、7bで封止される。
中空糸束が入れられた筒状ケースの端部に、ポッティング剤が入った袋の開口部を取り付ける工程と、その袋に外側から力を加えて内部の当該ポッティング剤を筒状ケースの端部へ移動させる工程と、そのポッティング剤を硬化させて、中空糸膜間、および、前記中空糸束と前記筒状ケースとを固着させる工程と、を含むものである。
なお、ポッティング剤を硬化させる工程においては、当該ポッティング剤の種類や配合等に応じて、適切な硬化工程が採用される。室温で静置する方法でもよいし、加熱処理を行うものであってもよい。
また、仮にポッティング剤がOリング20のところまで流入したとしても、Oリング20を超えて内部に入り込むことはないので、ポッティング剤がパージガスの出入口(10)を塞ぐことはない。
例えば、Oリング20に代わるものとして、輪ゴム、糸(例えば綿糸、中空糸、ナイロン糸)、金属線、チューブ(例えばナイロンチューブ)、粘着テープ等を利用してもよい。ただし、Oリングの場合、糸を縛るといった作業が不要であるため作業性の面で有利である。しかも、Oリングはその径の規格が多様であるため、選定しやすいという利点もある。
Oリングの色は特に限定されるものではないが、例えば赤色や黒色といった有色のものであってもよいし、半透明色のものであってもよい。
ケース内径φ10mmの場合:呼び番号S6(線径φ1.5mm、内径φ5.5mm、外形φ8.5mm)
ケース内径φ18mmの場合:呼び番号S10(線径φ1.5mm、内径φ9.5mm、外形φ12.5mm)
ケース内径φ26mmの場合:呼び番号P18(線径φ2.4mm、内径φ17.8mm、外形φ22.6mm)
〔実施例〕
図1に示すような、パージガス入口、及びパージガス出口を備えた、全長100mm、外径12mm、内径10mmのポリカーボネート製の筒状ケースを用いた。中空糸束は、外径400μm、内径300μmのポリイミド製非対称中空糸膜を340本束ねたものを用いた。
図2(a)に示すように中空糸束を筒状ケースに挿入したのち、中空糸膜の開口端は、ポッティング剤の浸入を防止するためにエポキシ接着剤で封をした。
次いで、図3(c)に示すように、例えばプラスチック製のヘラ(不図示)で各Oリング20a、20bをケース33内へと押し込んだ。Oリング20aは、ケース端部から9mmの位置、Oリング20bは、ケース端部から10mmの位置まで押し込んだ。
ポッティング剤として、主剤のポリイソシアネート変性体1.8gと硬化剤のポリオール1.2gとを混合して調合したポリウレタン系ポッティング剤を用いた。
筒状ケースの反対側の端部でも、同じ方法で、ポッティング剤によって中空糸束の各中空糸膜間及び中空糸束と筒状ケースとを固着させた。
2 中空糸束
3 筒状ケース
5 中空糸膜
7a、7b 封止部
10、11 出入口
12a、12b 管板
20a、20b Oリング
Sa、Sb 隙間
35 凸部
Claims (7)
- 複数の中空糸膜が集合した中空糸束の端部がポッティング剤により筒状ケースの端部に固定された中空糸膜モジュールであって、
前記中空糸束の端部付近に該中空糸束の太さを規制する部材が設けられており、
前記筒状ケースの胴部に、少なくとも、ガスを排出するための出口が設けられており、
前記太さを規制する部材は前記出口より端部側であって該出口の付近に設けられていることを特徴とする、中空糸膜モジュール。 - 前記太さを規制する部材が、前記中空糸束に取り付けられるリングである、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記リングは、伸縮性のある材質からなるOリングである、請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記リングの外周部分が、前記筒状ケースの内面に密着している、請求項2または3に記載の中空糸膜モジュール。
- 前記筒状ケースの胴部に、さらに、ガスを取り入れるための入口が設けられており、
他の前記太さを規制する部材が前記入口より端部側であって該入口の付近に設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。 - 複数の中空糸膜が集合した中空糸束の端部がポッティング剤により筒状ケースの端部に固定された中空糸膜モジュールを製造する方法であって、
中空糸束を前記筒状ケースの内部に入れる工程と、
前記中空糸束の端部付近に、中空糸束の太さを規制するリングを取り付ける工程と、
前記中空糸束が入れられた前記筒状ケースの端部にポッティング剤を充填する工程と、
前記ポッティング剤を硬化させて、前記中空糸膜間および前記中空糸束と前記筒状ケースとを固着させる工程と、
を含むことを特徴とする、中空糸膜モジュールの製造方法。 - 前記リングが伸縮性のあるOリングである、請求項6に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
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