JP5390664B2 - 長椅子の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、背もたれを備える長椅子の構造に関するものである。
長椅子、或いはソファなどの構造としては、例えば下記特許文献1に示すようなものがある。この特許文献1の椅子では、座板より立設される背もたれの構造として、複数の背板を具備し、これら背板が左右幅方向に所定間隔となって配設されている。そして、座板の座面や背もたれにはクッションが設けられている。
実用新案登録第3097695号公報
しかしながら、上述した従来の椅子の構造では、特許文献1の椅子の場合、背もたれを構成する各背板は、略真直な板材で構成され、座板の後縁部分に立設され、それぞれの上端が笠木にて連結される構成とされている。すなわち、着座状態で背中に触れる背もたれは高さ方向に一様に支えるのみである。そして、座り心地を変えるために背もたれを傾斜させる場合には、背板の下端から後方に傾斜、すなわち真直な背板を座板後縁部分に斜めに立設し構成しており、しかし、このように背板を斜めに立設させると、座面との角度が増すこととなり、この角度が必ずしも座り心地の向上になるとは限らないという欠点があり、この背板を覆うクッションを追加したり、クッションの弾力や大きさを変えるなど対処していた。
また、上記のような背板を、例えばその形状を、中途が湾曲するように曲げ加工を施し、所望の角度を有する部材とすることも考えられる。例えば、真直な板目製材された板材を湾曲形成させるには、その板材を蒸し、所望の形状に曲げ、型に入れて、その後乾燥させることで成形する方法もあるが、大掛かりな装置や施設が必要となるとともに製作に時間を要するという欠点を有する。また、この方法では、複数の背板を全て同じ湾曲状態で成形して揃えることの可能な高精度な加工方法とは言えず、すなわち複数の板材の全てが同じ板目であることが無いことから上記曲げ加工では均一な仕上状態とならず、多数の背板を横方向に並べて立設させ長椅子を構成することが難しい。さらに、曲げ加工で得られた背板は、経時変化によって、湾曲成形した形状が元の形状である真直な状態へと戻ろうとすることも考えられ、使い続ける場合に変形を起こし、例えば笠木との連結部分など他の部材との連結部分に割れや損傷などを起こす虞もある。
また、上記した長椅子、或いは同様の構成のソファーでは、一般的に背面側を室内壁面に沿わせてリビングルームなどの居室内に配置されることが多く、背面は目に触れないような構成とされ、このような使用形態を前提として積極的な意匠性など外観全体のデザインが加味されていない欠点を有するものがある。
さらに、長椅子やソファーの構造として、全体を生地で覆う所謂張りぐるみ構造があるが、このような長椅子やソファーでは、生地(張り地)で覆われた外観のデザイン性は良好となるものの、その覆われた張り地の内部構造は容易に確認ができず、一般的には合板などが用いられた構造体となることで、強度などを十分に確保していない場合もあり、安心して使用できないものもある。
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、着座時においての座り心地の良好な背もたれを備えるとともに、この背もたれを簡素な構成で高精度に製作可能とし、且つ背面を含む周囲からの全体的な見た目に良好な意匠性に優れる長椅子の構造を提供することを目的としている。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の長椅子の構造は、長椅子1を構成する背もたれ10であって、座部5の後端縁13側となる水平部14に、左右方向に互いに離間して略垂直に立設される複数の背板15を具備し、
各背板15は、
前記座部5の座面12に対して垂直となって前記水平部14に立設される下半部板21と、
該下半部板21の上端に連結され、該連結部分23より後方向に傾斜する上半部板22と、
で構成され、
各上半部板22及び下半部板21は、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材24よりなり、前記下半部板21の上端と前記上半部板22の下端との前記連結部分23はフィンガージョイント(25)によって所定角度で連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した背板15を構成することを特徴とする。
この長椅子1の構造では、背もたれ10を構成する背板15が、下半部板21と上半部板22とで構成され、これら板はそれぞれ板目製材の板材24とされて互いが所定角度で連結された構造となる。連結部分23は、フィンガージョイント(25)によって強固に連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した背板15となる。この背板15を立設し背もたれ10を構成させることで、屈曲部分によってクッション3のずれなどを防ぎ、着座時における座り心地の良好な椅子となる。また、長椅子1としての外観が、天然無垢材のフレーム構造体とされ、張り地などで覆い隠すことなく、背もたれ部分を含めデザイン性の高いものとなる。
本発明の請求項2記載の長椅子の構造は、長椅子1を構成する背もたれ10であって、座部5の後端縁13側となる水平部14に、左右方向に互いに離間して略垂直に立設される複数の背板15を具備し、
各背板15は、
前記座部5の座面12に対して垂直となって前記水平部14に立設される下半部板21と、
該下半部板21の上端に連結され、該連結部分23より後方向に傾斜する上半部板22と、
で構成され、
各上半部板22及び下半部板21は、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材24よりなり、前記下半部板21の上端と前記上半部板22の下端との前記連結部分23はフィンガージョイント(25)によって所定角度で連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した背板15を構成するとともに、
該複数の背板15の前記各上半部板22の上端が笠木部材17にて連結されて前記背もたれ10を構成することを特徴とする。
この長椅子1の構造では、背もたれ10を構成する背板15が、下半部板21と上半部板22とで構成され、これら板はそれぞれ板目製材の板材24とされて互いが所定角度で連結された構造となる。また、各背板15の上端が笠木部材17にて連結され、背もたれ10を構成する。上半部板22と下半部板21との連結部分23は、フィンガージョイント(25)によって強固に連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した背板15となる。この背板15を立設し背もたれ10を構成させることで、屈曲部分によってクッション3のずれなどを防ぎ、着座時における座り心地の良好な椅子となる。また、長椅子1としての背面を含む外観が、デザイン性の高いものとなり、張り地で覆い隠す、或いは室内壁面に沿わせて背もたれ裏面を隠すなどせずに、見栄えの良好なフレーム構造を備えた長椅子1となる。
本発明の請求項3記載の長椅子の構造は、長椅子1を構成する背もたれ10であって、座部5の後端縁13側となる水平部14に、左右方向に互いに離間して略垂直に立設される複数の背板15を具備し、
各背板15は、
前記座部5の座面12に対して垂直となって前記水平部14に立設される下半部板21と、
該下半部板21の上端に連結され、該連結部分23より後方向に傾斜する上半部板22と、
で構成され、
各上半部板22及び下半部板21は、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材24よりなり、前記下半部板21の上端と前記上半部板22の下端との前記連結部分23はフィンガージョイント(25)によって所定角度で連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した背板15を構成するとともに、
前記上半部板22の上端部に後面板34が下向きに連結され、該後面板34と前記上半部板22とで逆V字状に形成され、各後面板34のそれぞれの下端が背貫部材32にて連結されて前記背もたれ10を構成することを特徴とする。
この長椅子1の構造では、背もたれ10を構成する背板15が、下半部板21と上半部板22とで構成され、これら板はそれぞれ板目製材の板材24とされて互いが所定角度で連結された構造となる。また、各背板15の上端には、後面板34が下向きに連結され逆V字状に形成される。そして、後面板34の下端が背貫部材32にて連結され、背もたれ10を構成する。上半部板22と下半部板21との連結部分23は、フィンガージョイント(25)によって強固に連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した背板15となる。この背板15を立設し背もたれ10を構成させることで、屈曲部分によってクッション3のずれなどを防ぎ、着座時における座り心地の良好な椅子となる。また、長椅子1としての背面を含む外観が、デザイン性の高いものとなる。
本発明の請求項4記載の長椅子の構造は、請求項3に記載の長椅子1の構造において、
前記上半部板22と後面板34との連結部分23は、互いに対向し当接する接合面に蟻溝31と蟻ほぞ29との組み合わせによる継手構造が形成され連結されることを特徴とする。
この長椅子1の構造では、背板15の上半部板22と後面板34との連結部分23が、蟻溝31と蟻ほぞ29にて構成され、これらの継手構造により釘などを用いずに互いが強固に連結される。
本発明の請求項5記載の長椅子の構造では、請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の長椅子1の構造のおいて、
前記上半部板22と下半部板21とは、連続する一枚の板材24を2分割し、それぞれの分割端面26,27同士をフィンガージョイント加工にて連結し前記背板15を成形していることを特徴とする。
この長椅子1の構造では、連続する一枚の板材24を背板15として用い、これを2分割し、再びフィンガージョイント(25)にて連結させる。所定角度に連結された背板15は未加工の一枚板を用いたような木目を備えた外観となり、長椅子1としての見栄え、特に背面からの見栄えが向上する。
本発明に係る請求項1記載の長椅子の構造によれば、背もたれを構成する背板の構成を、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材よりなる上半部板と下半部板とを用い、これら上半部板と下半部板とをフィンガージョイントで所定角度で連結したので、各背板は木目が栄えながら中途が略く字状に屈曲して整然と並び、長椅子として背面からの見栄えが向上するという効果がある。また、真直な板材を連結した構造であることで、従来のような安定しない曲げなどの成形方法と異なり、略一定な品質の背板を得られ、精度良く製作を可能とし、経時的な変化なども無い長椅子を得ることが可能となる。さらに、この長椅子によれば、着座時において、各背板の屈曲部分が背中から腰部分に当接することとなって、着座姿勢での背中の湾曲に沿い、安定した着座状態を得ることができ、また、木質素材のフレーム状の背板が縦に配置されて剛性のある支持構造を保ちつつ、木材自体の撓りを備え快適な座り心地を得ることができる。また、従来のような張り地で内部構造を覆い隠す張りぐるみではなく、構造体部分となるフレーム状部分として無垢材で組み立てて構成され、且つその構造部分を認識できるような構成であることで、合板などで構成される従来品に比べて強度を備えていることを容易に目視ができ、無垢材による構成から高級感を得ることができ、背面のデザインされた長椅子を得ることができる。
本発明に係る請求項2記載の長椅子の構造によれば、背もたれを構成する背板の構成を、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材よりなる上半部板と下半部板とを用い、これら上半部板と下半部板とをフィンガージョイントで所定角度で連結したので、各背板は木目が栄えながら中途が略く字状に屈曲して整然と並び、長椅子として背面からの見栄えが向上するという効果がある。また、各背板を笠木部材にて連結した構成としたことで、各背板と笠木部材とで剛性を有する構造体となり、縦方向の各背板の撓りを笠木部材を介して互いを連結して適度に支え、座り心地を向上させている。また、真直な板材を連結した構造であることで、従来のような安定しない曲げなどの成形方法と異なり、略一定な品質の背板を得られ、精度良く製作を可能とし、経時的な変形なども無い長椅子を得ることが可能となる。さらに、この長椅子によれば、着座時において、各背板の屈曲部分が背中から腰部分に当接することとなって、着座姿勢での背中の湾曲に沿い、安定した着座状態を得ることができる。
本発明に係る請求項3記載の長椅子の構造によれば、背もたれを構成する背板の構成を、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材よりなる上半部板と下半部板とを用い、これら上半部板と下半部板とをフィンガージョイントで所定角度で連結したので、各背板は木目が栄えながら中途が略く字状に屈曲して整然と並び、長椅子として背面からの見栄えが向上するという効果がある。また、各背板には後面板が連結され、さらにこれら後面板は背貫部材にて連結した構成としたことで、各背板が背貫部材に支えられて剛性を有する構造体となるとともに、後面板を介する縦方向の各背板が撓り適度に着座状態の背中を支え、座り心地を向上させている。また、真直な板材を連結した構造であることで、従来のような安定しない曲げなどの成形方法と異なり、略一定な品質の背板を得られ、精度良く製作を可能とし、経時的な変形なども無い長椅子を得ることが可能となる。さらに、この長椅子によれば、着座時において、各背板の屈曲部分が背中から腰部分に当接することとなって、着座姿勢での背中の湾曲に沿い、安定した着座状態を得ることができる。
本発明に係る請求項4記載の長椅子の構造によれば、背板を構成する上半部板と下半部板とをフィンガージョイントで連結するとともに、上半部板と後面板との接合面に継手構造としての蟻溝と蟻ほぞをそれぞれ形成したので、各部が確実に且つ強固に連結されて、その形状及び角度を維持し、背もたれを構成することが可能となる。
本発明に係る請求項5記載の長椅子の構造によれば、背板を構成する上半部板と下半部板とを、一枚板より得る構成としたので、フィンガージョイントによる連結部分で木目が大きく変化せず、木質と木目、色調等に連続性を持った意匠性に優れた背面を備える長椅子を得ることが可能となる。
本発明による長椅子の構造の第一の実施形態を示す斜視図である。 同長椅子の一部省略正面図である。 同長椅子の側断面図である。 同長椅子の一部拡大斜視図である。 背板の連結部分の組立手順を示す概略側面図である。 本発明による長椅子の構造の第二の実施形態を示す斜視図である。 同長椅子の一部省略正面図である。 同長椅子の側断面図である。 同長椅子の一部拡大斜視図である。 背板と後面板との連結部分における組立手順を示す概略斜視図である。
図1は本発明による長椅子の構造の第一の実施形態を示す斜視図、図2は同長椅子の一部省略正面図、図3は同長椅子の側断面図、図4は同長椅子の一部拡大斜視図である。
本発明の第一実施形態の長椅子1は、図1に示すように、椅子本体2と、クッション3とからなる。椅子本体2は、木材を素材とされ、座枠4を具備する座部5、座部5の左右端部に設けられる前後一対の脚部8、脚部8と一体に形成される肘掛け9、及び背もたれ10で大略構成される。なお、図2,3に示すように、長椅子1としての幅長に応じて、略中央下面にセンター脚33を設けることとしても良い。
本実施の形態の長椅子1は、前脚部6と後脚部7と肘掛け9とが門形に枠組構成されて左右一対となり、これら左右の脚部8間に、座枠4が矩形状に枠組みされている。座枠4には、天板11或いはウェービングテープなどが組み込まれ、座面12を構成している。なお、この実施形態では、座面12が後方へ傾斜して構成され、その傾斜角度はおよそ3°とされる。また、背もたれ10は、座部5の後端縁13側となる後座枠を兼ねる水平部14に立設される複数の背板15と、後脚部7の上方に延設される支持柱部16と、左右の支持柱部16に掛け渡される笠木部材17とで構成される。なお、笠木部材17は、後述する複数の背板15を連結する下部笠木18とこれに平行となって左右支持柱間に架設される上部笠木19とで構成され、これら上部笠木19と下部笠木18とは、所定の間隔を隔てて配置されるとともに、略中央部分が連結柱20にて接続されている。
背板15は、下半部板21と上半部板22とで構成されており、これら上半部板22と下半部板21とがフィンガージョイントで連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した形状となっている。本実施の形態では、背板15の各部板材24は、ウォールナットやミズナラ、ハードメイプル、バーチなどの木材で、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材24を素材としている。なお、この板材24の素材としては、好ましくは、連続する一枚の板材24を中途部15a分で切断して2分割状態とした(図5(a)参照)のち、互いの切断面である分割端面26,27同士をフィンガージョイント部25として切削加工を行い、接着剤などの固定手段にて互いを連結し、一体化される。
上記上半部板22と下半部板21との連結部分23について詳述すると、図5に示すように、フィンガージョイント加工では、2分割された後の上半部となる一方の板材24Aと下半部となる他方の板材24Bに対し、フィンガージョイントビットを備えた成形用ルータ(図示せず)を用いることができる。下半部板21はこのルーターの軸線に直交させ、上半部板22は所定の角度に傾けてそれぞれの分割端面26,27に切削加工が行われる(図5(b)参照)。切削方向は各板部の板面に平行な方向で複数のギザギザが形成される水平形フィンガージョイントとされる。そして両切削成形部分を組み合わせて連結させた状態で、下半部板21に対し上半部板22が163°の傾きとされる(図5(c)参照)。また、好ましくは、下半部板21に対し上半部板22がやや長尺となるよう形成される。
上半部板22と下半部板21とが所定角度で連結された複数の背板15は、座部5の後端縁13側となる水平部14に、左右方向に互いに所定間隔をあけて離間し、座面12に対して垂直となって立設される。水平部14と各背板15の下半部板21とは、図4に示すように、ダボ35及び接着剤による連結とされ、水平部14に垂直とされる。この立設状態での各上半部板22は、後方向へ傾斜する。また、各背板15のそれぞれの上半部板22の上端は、図4に示すように、下部笠木18にダボ36及び接着剤にて結合される。なお、各脚部8、肘掛け9、座枠4の各部についても、無垢材を用いて成形され、図示しないが互いをダボや継手構造にて連結し、ビスや釘などの締結固定部材を使用する箇所を少なくして組み立てられる。また、各部や背もたれ10には、十分に面取りが行われるとともに、各部の組み付け後には、クリアオイルやウレタンクリアなどで表面仕上げを行い、木の風合いを活かした長椅子1とする。
したがってこのような構成により、この実施形態の長椅子1は、背面側から見ると、左右の後脚部7及びこれと一体の支持柱部16と、これら支持柱部16間の笠木部材17とで門形に枠組構成されるとともに、複数の各背板15が笠木部材17から吊下状態に配置され、且つ各背板15の下部が前方に迫り出し、しかも各背板15は板目製材の板材24で構成されて木目が栄えながら中途が略く字状に屈曲して整然と並び、長椅子1として背面からの見栄えが向上するものである。特に一枚の板材24を連結して得られる背板15であり、連結部分23で木目が大きく変化せず、木質と木目、色調等に連続性を持った意匠性に優れた背面となり、従来のような張り地で覆い隠すことをせずに、背面からも見栄えの良い長椅子1を得られるものである。また、このような構成の背板15によれば、真直な板材24を連結した構造であることで、従来のような安定しない曲げなどの成形方法と異なり、略一定な品質の背板15を得られ、精度良く製作を可能とし、経時的な変化なども無い長椅子1を得られるものである。
そして、この長椅子1としては、着座時において、各背板15の屈曲部分が背中から腰部分に当接することとなって、背板15の下半部板21における垂直面と、後方へ斜めに位置する上半部板22とで着座姿勢での背中の湾曲に沿い、安定した着座状態となる。また、木質素材よりなりフレーム状に背板15が配置されて剛性のある支持構造を保ちつつ、木材自体の撓りを備え快適な座り心地を得ることができる。さらに、この長椅子1には、図示のように座部5や背もたれ10に沿わせてクッション3を配置することで、座り心地を調整できるとともに、屈曲構造の背板15によりクッション3の大きな潰れなども防げ、クッション3のズレなどもを防ぐことも可能となる。
図6は本発明による長椅子の構造の第二の実施形態を示す斜視図、図7は同長椅子の一部省略正面図、図8は同長椅子の側断面図、図9は同長椅子の一部拡大斜視図である。
次に、本発明の第二実施形態の長椅子1について説明する。なお、各図において上述した第一実施形態と同一又は同等の箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。この長椅子1は、図6に示すように、椅子本体2として、座部5、前後一対の脚部8、肘掛け9、及び背もたれ10で大略構成され、前脚部6と後脚部7と肘掛け9とが門形に枠組構成されて左右一対とされる。なお、この実施形態では、座面12は床面と平行な水平面とされる。また、本実施形態の背もたれ10は、水平部14に立設される複数の背板15と、左右の後脚部7、及び各後脚部7上端に掛け渡される背貫部材32とで構成される。
背板15は、下半部板21と上半部板22とで構成されて、フィンガージョイントで連結され、中途部15aが略く字状に屈曲した形状となっている。この実施形態の背板15も上記第1実施形態の背板15と同様に、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材24を素材とし、好ましくは、連続する一枚の板材24を用いてフィンガージョイントにより連結し一体化される。そして、上記同様に下半部板21に対し上半部板22が163°の傾きとされ、且つ下半部板21に対し上半部板22がやや長尺となるよう形成される。
上半部板22と下半部板21とが所定角度で連結された本実施形態の各背板15には、後面板34が連結される。後面板34は、上半部板22の上端部に下向きとなって連結され、その連結構造としては、上半部板22の接合面としての上端部背面28に凸部29が形成され、後面板34の接合面としての上端部前面30に凹部31が形成されており、これら凸部29と凹部31とが互いに嵌合する継手構造となって連結される。本実施形態では、図10(a)に示すように、上半部板22の背面28を垂直面に形成して蟻ほぞ29が突設されており、後面板34の垂直な前面30には蟻溝31が凹設され、互いをスライドさせて連結する構成とされ強固に固定される。これら上半部板22と後面板34とは、連結された状態で逆V字状にとなり(図10(b)参照)、すなわち、上半部板22が傾斜し、後面板34が略垂直となる。
上半部板22と下半部板21とが所定角度で連結された複数の背板15は、水平部14に、左右方向に互いに所定間隔をあけて離間し立設される。水平部14と各背板15の下半部板21とは、ダボ35及び接着剤による連結とされ、水平部14に垂直とされる。そして、各上半部板22は下半部板21に対して後方向に傾斜し、各後面板34のそれぞれの下端は、図9に示すように背貫部材32の上面にダボ36及び接着剤にて結合され、背貫部材32に後面板34が略垂直に立設されるようになる。なお、第1実施形態と同様に各脚部8、肘掛け9、座枠4等の各部についても、無垢材を用いて成形され、図示しないが互いをダボや継手構造にて連結して組み立てられる。また、各部は、十分に面取りが行われるとともに、組み付け後には、クリアオイルやウレタンクリアなどで表面仕上げを行い、木の風合いを活かした長椅子1とされる。
したがってこのような構成により、この実施形態の長椅子1は、背面側から見ると、左右の後脚部7と背貫部材32とで門形に枠組構成されるとともに、複数の各背板15が水平部14から立設配置され、各背板15の上端が背貫部材32から上方に突出して並列し、且つ各背板15の下部が前方に迫り出し、背貫部材32によって重心を低くして見た目の安定感を与え、しかも各背板15は板目製材の板材24で構成されて木目が栄えながら中途が略く字状に屈曲して整然と並び、長椅子1として背面からの見栄えが向上するものである。特に一枚の板材24を連結して得られる背板15であり、連結部分23で木目が大きく変化せず、木質と木目、色調等に連続性を持った意匠性に優れた背面となり、従来のような張り地で覆い隠すことをせずに、背面からも見栄えの良い長椅子1を得られるものである。また、このような構成の背板15によれば、安定した形状素材である真直な板材24を連結した構造であることで、従来のような安定しない曲げなどの成形方法と異なり、略一定な品質の背板15を得られ、精度良く製作を可能とし、経時的な変化なども無い長椅子1を得られるものである。
そして、この長椅子1では、着座時において、各背板15の屈曲部分が背中から腰部分に当接することとなって、背板15の下半部板21における垂直面と、後方へ斜めに位置する上半部板22とで着座姿勢での背中の湾曲に沿い、安定した着座状態となる。また、各背板15は、後面板34を介して背貫部材32に支持される構造とされることから、木質素材自体の撓みが生じるように構成でき、座り心地に変化を得られるものである。さらに、この長椅子1には、図示のように座部5や背もたれ10に沿わせてクッション3を配置することで、座り心地を調整できるとともに、屈曲構造の背板15によりクッション3の大きな潰れなども防げ、着座時に腰が沈み込んでしまうこともなく、また、クッション3のズレを防ぐことも可能となる。
なお、上述した各実施の形態では、背板15を構成する上半部板22と下半部板21とを、連続する一枚の板材24を2分割し、再びフィンガージョイントにて連結した構成とした例について述べたが、異なる板目や、異なる色合いで上半部板22と下半部板21とを構成し背板15とすることとしてもよく、背面から見た際の印象を変えることが可能となる。
1…長椅子
5…座部
10…背もたれ
12…座面
13…後端縁
14…水平部
15…背板
15a…中途部
17…笠木部材
21…下半部板
22…上半部板
23…連結部分
24…板材
25…フィンガージョイント部
26,27…分割端面
29…蟻ほぞ
31…蟻溝
32…背貫部材
34…後面板

Claims (5)

  1. 長椅子を構成する背もたれであって、座部の後端縁側となる水平部に、左右方向に互いに離間して略垂直に立設される複数の背板を具備し、
    各背板は、
    前記座部の座面に対して垂直となって前記水平部に立設される下半部板と、
    該下半部板の上端に連結され、該連結部分より後方向に傾斜する上半部板と、
    で構成され、
    各上半部板及び下半部板は、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材よりなり、前記下半部板の上端と前記上半部板の下端との前記連結部分はフィンガージョイントによって所定角度で連結され、中途部が略く字状に屈曲した背板を構成することを特徴とする長椅子の構造。
  2. 長椅子を構成する背もたれであって、座部の後端縁側となる水平部に、左右方向に互いに離間して略垂直に立設される複数の背板を具備し、
    各背板は、
    前記座部の座面に対して垂直となって前記水平部に立設される下半部板と、
    該下半部板の上端に連結され、該連結部分より後方向に傾斜する上半部板と、
    で構成され、
    各上半部板及び下半部板は、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材よりなり、前記下半部板の上端と前記上半部板の下端との前記連結部分はフィンガージョイントによって所定角度で連結され、中途部が略く字状に屈曲した背板を構成するとともに、
    該複数の背板の前記各上半部板の上端が笠木部材にて連結されて前記背もたれを構成することを特徴とする長椅子の構造。
  3. 長椅子を構成する背もたれであって、座部の後端縁側となる水平部に、左右方向に互いに離間して略垂直に立設される複数の背板を具備し、
    各背板は、
    前記座部の座面に対して垂直となって前記水平部に立設される下半部板と、
    該下半部板の上端に連結され、該連結部分より後方向に傾斜する上半部板と、
    で構成され、
    各上半部板及び下半部板は、木目に沿う縦方向を長手方向として板目製材された板材よりなり、前記下半部板の上端と前記上半部板の下端との前記連結部分はフィンガージョイントによって所定角度で連結され、中途部が略く字状に屈曲した背板を構成するとともに、
    前記上半部板の上端部に後面板が下向きに連結され、該後面板と前記上半部板とで逆V字状に形成され、各後面板のそれぞれの下端が背貫部材にて連結されて前記背もたれを構成することを特徴とする長椅子の構造。
  4. 前記上半部板と後面板との連結部分は、互いに対向し当接する接合面に蟻溝と蟻ほぞとの組み合わせによる継手構造が形成され連結されることを特徴とする請求項3に記載の長椅子の構造。
  5. 前記上半部板と下半部板とは、連続する一枚の板材を2分割し、それぞれの分割端面同士をフィンガージョイント加工にて連結し前記背板を成形していることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1つに記載の長椅子の構造。
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