JP5389578B2 - 梁 - Google Patents

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Description

本発明は、梁に関し、特に、強度や剛性を確保しつつ軽量化できる梁に関するものである。
梁に鉛直荷重が加わることにより、梁に曲げモーメントが生じる。この曲げモーメントにより、梁の断面の上側は圧縮を受ける一方、下側は引張を受ける。この圧縮と引張の境界(中立軸)では曲げ応力が0となる。この特性を利用して、フランジ(水平の板要素)とウェブ(鉛直の板要素)とを備える梁の軽量化が図られている。
ここで、図4及び図5を参照して、軽量化された従来の梁11について説明する。図4(a)は従来の梁11の側面図であり、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb線における梁11の断面図である。また、図5は図4(a)の対称中心線sから端部13aまでの梁11の側面図である。なお、図4(a)では、ウェブ13に穿設された孔部14の記載を省略している。
図4に示すように、梁11は、板状のフランジ12と、そのフランジ12が長手方向に沿って縁部に設けられるウェブ13とを備えており、断面形状が略C形の溝形鋼で構成されると共に、フランジ12及びウェブ13の端部13aが他の構造部材100に固定される両端固定梁として構成されている。また、図5に示すように、梁11は、ウェブ13の長手方向に亘って、円形の孔部14が一定のピッチPで中立軸aに複数穿設されている。また、孔部14は直径がウェブの高さ(図5上下方向寸法)の約1/2に設定されており、孔部14の中心が中立軸a上に位置している。上述したように、中立軸aでは曲げ応力が0であるから、中立軸aを通る孔部14をウェブ13に複数穿設することにより、梁11に必要な強度および剛性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
しかしながら、孔部14のピッチを狭くしすぎると、梁11の強度や剛性が損なわれるおそれがあるため、一般に孔部14のピッチPは、孔部14の直径の2倍以上とされている。このため、中立軸aに孔部14を穿設する軽量化には一定の限界があった。
また、梁の軽量化を図る他の技術が特許文献1に開示されている。ここで、図6を参照して、特許文献1に開示される技術について説明する。図6は特許文献1に開示される従来の梁21の側面図である。梁21は、フランジ22が長手方向に沿って設けられるウェブ23に、ウェブ23の高さ(図6上下方向寸法)を一辺とする仮想の正方形23bが均等に割り付けられ、この正方形23bの対角線23cを避けて同一形状(開口面積が同一)の孔部24a,24bが正方形23bの中に4つずつ穿設されている。特許文献1に開示される技術では、仮想の正方形23bの対角線23cを避けてウェブ23に孔部24a,24bを穿設することにより、梁21は中立軸aに交わって穿設される孔部24aと、中立軸aを避けて穿設される孔部24bとを備えている。
実用新案登録第3028677号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、中立軸aに穿設される孔部24aと、中立軸aを避けて穿設される孔部24bとは同一の形状であり、開口面積も同一である。このように構成される梁21において、フランジ22の上面に鉛直荷重をかける場合を本発明者が検討したところ、重量が従来の梁11(図5参照)と同等であるにも関わらず、最大応力が大きくなることがわかった。このため、強度や剛性が損なわれるおそれがあり、梁の軽量化方法としては不適切であるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、強度や剛性を確保しつつ軽量化できる梁を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1記載の梁は、板状のフランジと、そのフランジが長手方向に沿って縁部に設けられるウェブとを備えるものであって、中立軸と交わりつつ、前記ウェブの全長の1/3の長さに構成される中央領域と、その中央領域の両側にある前記ウェブの端部から前記ウェブの全長の1/3の長さまでの端部領域とのそれぞれに穿設される複数の主軽減孔と、その主軽減孔より開口面積が小さく形成されると共に、前記中央領域には穿設されず、前記中立軸を避けて前記端部領域に穿設されている前記主軽減孔間の前記端部領域に穿設される副軽減孔とを備えている。
請求項記載の梁は、請求項記載の梁において、前記中央領域に穿設される主軽減孔のピッチ又は間隔は、前記端部領域に穿設される主軽減孔のピッチ又は間隔よりも小さく設定されている。
請求項記載の梁は、請求項2に記載の梁において、前記中央領域に穿設される主軽減孔のピッチ又は間隔は、前記端部領域に近いものが前記端部領域より遠いものより大きく設定されている。
請求項記載の梁は、請求項1からのいずれかに記載の梁において、前記梁は、人や貨物の輸送に利用される輸送用機器に用いられる輸送用機器用梁である。
請求項1記載の梁によれば、主軽減孔が、曲げ応力が0となるウェブの中立軸に交わるように穿設されている。曲げモーメントが作用する断面の応力は中立軸に近いほど小さいので、中立軸に交わるように主軽減孔を穿設することにより、曲げモーメントに対して必要な強度および剛性を確保することができる。また、主軽減孔によってウェブを開口させることにより、梁を軽量化できる。さらに、副軽減孔が中立軸を避けてウェブに穿設されているので、主軽減孔に加えて穿設された副軽減孔の分だけ、従来の梁より軽量化できる。
即ち、中立軸に主軽減孔を穿設する軽量化には一定の限界があるところ、中立軸を避けて副軽減孔が穿設されているので、主軽減孔に加えて穿設された副軽減孔の分だけ軽量化できる。また、曲げモーメントが作用する断面では、断面係数が小さいほど発生する最大応力が大きくなるところ、中立軸を避けて穿設された副軽減孔の開口面積を主軽減孔より小さくすることにより、開口面積が同一の孔部が中立軸と中立軸以外の部位とに穿設された従来の梁に比較して、断面係数を大きくできる。これにより、断面の最大応力を低下させることができ、強度および剛性が低下することを防止できる。よって、必要な強度および剛性を確保しつつ軽量化できる効果がある。
また、副軽減孔は、ウェブの端部からウェブの全長の1/3の長さまでの端部領域に穿設されているので、強度および剛性を確実に確保でき信頼性を向上できる効果がある。
即ち、両端固定梁では、ウェブの端部は他の構造部材に固定されるので、ウェブの端部に、梁中央部にかかる曲げモーメントとは逆向きの曲げモーメント(いわゆる「材端曲げモーメント」)が生じる。この材端曲げモーメントにより、ウェブの端部付近では中立軸の上側の断面は引張を受ける一方、中立軸の下側は圧縮を受ける。そのため、鉛直荷重による曲げモーメントは材端曲げモーメントに相殺されて、ウェブの端部からウェブの全長の1/3の長さまでの端部領域は、せん断方向の荷重が支配的となる。この端部領域では、中立軸に対して斜交する方向に荷重が伝わる(荷重の流れがある)ため、主軽減孔間ではフランジ近傍ほど応力が小さくなる。この応力が小さくなる主軽減孔間の部位に副軽減孔を穿設することにより、強度および剛性が低下することを防止できる。
さらに、主軽減孔は、央領域および端部領域のそれぞれに穿設されているので、ウェブの全長に亘る開口度を上げて梁を軽量化できる。
請求項記載の梁によれば、請求項記載の梁の奏する効果に加え、中央領域に穿設された主軽減孔のピッチ又は間隔は、端部領域に穿設された主軽減孔のピッチ又は間隔よりも小さく設定されているので、中央領域の主軽減孔による開口度を上げることにより、さらに軽量化できる効果がある。
即ち、中央領域は端部領域より曲げモーメントが大きく、せん断方向の荷重の寄与が小さい。このため、中立軸に設ける主軽減孔のピッチや間隔を小さく設定しても、強度および剛性が低下することを抑制できる。従って、主軽減孔よって中央領域の開口度を上げることにより、さらに軽量化を図ることができる。
請求項記載の梁によれば、請求項2に記載の梁の奏する効果に加え、端部領域に近づくにつれ、中央領域でもせん断方向の荷重の寄与が次第に大きくなるため強度および剛性が低下し易くなるが、端部領域に近い主軽減孔のピッチ又は間隔が、端部領域より遠い主軽減孔のピッチ又は間隔より大きく設定されているので、中央領域の強度および剛性が低下することを抑制できる効果がある。
請求項記載の梁によれば、請求項1からのいずれかに記載の梁の奏する効果に加え、梁は人や貨物の輸送に利用される輸送用機器に用いられる輸送用機器用梁であるので、輸送用機器の軽量化を図ることができるため、輸送用機器を移動させるのに要するエネルギー消費量を抑制することができ、省エネルギー性を向上させる効果がある。
本発明の一実施の形態における梁が適用される鉄道車両の構体構造の一例を示す斜視図である。 対称中心線から端部までの梁の側面図である。 図2のIIIで示す部分を拡大して示した梁の部分拡大図である。 (a)は従来の梁の側面図であり、(b)は図4(a)のIVb−IVb線における梁の断面図である。 図4(a)の対称中心線から端部までの梁の側面図である。 特許文献1に開示された従来の梁の側面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態における梁が適用される鉄道車両の構体構造の一例を示す斜視図である。鉄道車両の構体Sは、台枠Uの両側に立設される左右の側構体Fと、台枠Uの前後に立設される妻構体Eと、側構体F及び妻構体Eに架設される屋根構体Rとを主に備えて構成されている。台枠Uは、長手方向に配設される側梁U1と、その側梁U1に端部が固定されて側梁U1間に横設される横梁としての梁1と、それら側梁U1及び梁1に載置された床受け板U2とを主に備えて構成されている。これにより、床受け板U2から鉛直荷重が梁1に加わるように構成されている。
次に、図2を参照して梁1について説明する。図2は対称中心線sから端部3aまでの梁1の側面図である。梁1は、板状のフランジ2と、そのフランジ2が長手方向に沿って設けられるウェブ3とを備えており、断面形状が略C形の溝形鋼で構成されている。ウェブ3の端部3aは側梁U1に固定されており、梁1は両端固定梁として構成されている。
ウェブ3は、長手方向に亘って、一定のピッチ(後述する主軽減孔4a,4b,4c,4dの直径の約2倍の距離)で、中立軸aに交わりつつ穿設された円形または長円状の複数の主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gを備えている。主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gは中心が中立軸a上に位置している。中立軸aでは曲げ応力が0であるから、中立軸aを通る主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gをウェブ3に複数穿設することにより、梁1に必要な強度および剛性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
ウェブ3は、ウェブ3の端部3aからウェブの全長の1/3の長さまでの端部領域R1と、端部領域R1を両側に有しウェブ3の全長の1/3の長さの中央領域R2とに区分される。ウェブ3の端部領域R1には円形の主軽減孔4a,4b,4c,4dが穿設されている。なお、主軽減孔4dは端部領域R1と中央領域R2との境界に中心が位置しているので、主軽減孔4dは端部領域R1と中央領域R2とに穿設されていると考える。
主軽減孔4a,4b,4c,4dは同一の直径で形成されており、主軽減孔4a,4b,4c,4dの直径はウェブ3の高さ(図2上下方向寸法)の約1/2に設定されている。また、主軽減孔4aはウェブ3の端部3aから間隔S1をあけて穿設されている。
ここで、主軽減孔4a,4b,4c,4dは同一径で形成されているので、同一ピッチで穿設された主軽減孔4a,4b,4c,4d間の間隔は、同一の間隔S2となる。なお、間隔S1は間隔S2より大きな値(S1>S2)とされる。ウェブ3の端部3a付近は比較的大きなせん断力を受けるので、端部3a付近に主軽減孔を設けないことにより強度を確保するためである。
ウェブ3の中央領域R2には円形または長円状の主軽減孔4d,4e,4f,4gが穿設されている。主軽減孔4d,4e,4f,4gの直径(長円状の主軽減孔4f,4gの場合は、ウェブ3の高さ方向の短径)は同一であり、ウェブ3の高さの約1/2に設定されている。主軽減孔4f,4gは長円状に形成されているので、同一ピッチで穿設された主軽減孔4d,4e,4f,4g間の間隔S3,S4,S5の関係は、S3>S4>S5となる。また、主軽減孔4c,4d,4eは同一径の円形に形成されているので、間隔S3は間隔S2と同一である。従って、中央領域R2に穿設された主軽減孔4d,4e,4f,4gの内、主軽減孔4e,4fの間隔S4、主軽減孔4f,4gの間隔S5は、端部領域R1に穿設された主軽減孔4a,4b,4c,4dの間隔S2よりも小さく設定されている。
このように、中央領域R2に穿設された主軽減孔4e,4fの間隔S4、主軽減孔4f,4gの間隔S5は、端部領域R1に穿設された主軽減孔4a,4b,4c,4dの間隔S2よりも小さく設定されているので、中央領域R2の主軽減孔4e,4f,4gによる開口度を上げることができる。これにより、均等な間隔で主軽減孔が穿設される場合よりも軽量化できる。また、中央領域R2は曲げモーメントの寄与が大きいことから、曲げ応力が0の中立軸aに交わるように主軽減孔4d,4e,4f,4gを穿設することにより、中央領域R2の強度および剛性が低下することを抑制しつつ軽量化できる。
さらに、端部領域R1に近い主軽減孔4eの主軽減孔4dとの間隔S3が、端部領域R1より遠い主軽減孔4e,4fの間隔S4、主軽減孔4f,4gの間隔S5より大きく設定されているので、中央領域R2の強度および剛性が低下することを抑制できる。これは、端部領域R1に近いほど材端曲げモーメントの影響を受けて、鉛直荷重の寄与が中央領域R2でも次第に大きくなるところ、端部領域R1に近い主軽減孔4eの主軽減孔4dとの間隔S3を、端部領域R1より遠い主軽減孔4fと主軽減孔4eとの間隔S4より大きく設定することにより、端部領域R1に近い中央領域R2の鉛直荷重に抗する強度および剛性が低下することを抑制できるからである。
次に、ウェブ3の端部領域R1には、主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gより開口面積の小さな副軽減孔5が、中立軸aを避けて主軽減孔4a,4b,4c,4d間に穿設されている。副軽減孔5の形状は円形であり、その直径は主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gの直径または短径の約1/2に設定されている。副軽減孔5は、ウェブ3の高さ方向に並んで主軽減孔4a,4b,4c,4d間に穿設されており、並設された副軽減孔5の中心を結ぶ直線が中立軸aと直交するような位置に設けられている。
ここで、中立軸aに交わるように複数の主軽減孔だけを穿設する軽量化には、主軽減孔のピッチに制約があるため一定の限界があるところ、梁1は中立軸aを避けて副軽減孔5が穿設されているので、主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gに加えて穿設された副軽減孔5の分だけ軽量化を図ることができる。また、曲げモーメントが作用する断面では、断面係数が小さいほど発生する最大応力が大きくなるところ、中立軸aを避けて穿設された副軽減孔5の開口面積を主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gより小さくすることにより、開口面積が同一の孔部24a,24b(図6参照)が中立軸aと中立軸a以外の部位とに穿設された従来の梁21に比較して、断面係数を大きくできる。これにより、断面の最大応力を低下させることができ、強度および剛性が低下することを防止できる。よって、必要な強度および剛性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
次に、端部領域R1に作用する力について説明する。梁1はウェブ3の端部3aが側梁U1に固定され、両端固定梁として構成されている。そのため、ウェブ3の端部3aには梁中央部にかかる曲げモーメントとは逆向きの曲げモーメント(いわゆる「材端曲げモーメント」)が生じる。この材端曲げモーメントにより、ウェブ3の端部3a付近では中立軸aの上側の断面は引張を受ける一方、中立軸の下側は圧縮を受ける。そのため、鉛直荷重による曲げモーメントは材端曲げモーメントに相殺されて、端部領域R1では、せん断方向の荷重が支配的となる。
このせん断方向の荷重について、図3を参照しながら説明する。図3は、図2のIIIで示す部分を拡大して示した梁の部分拡大図である。なお、図3において、荷重が伝わる方向(荷重の流れ)を矢印で示している。
端部領域R1では、鉛直荷重による曲げモーメントは材端曲げモーメントに相殺されて、せん断方向の荷重が支配的となる。この荷重は、図3に矢印で示すように、中立軸aに対して斜交する方向(本実施の形態では中立軸aに対して約35°の方向)に伝わる(荷重の流れがある)。これにより、端部領域R1の主軽減孔4b,4c間では、中央領域R2(図2参照)とは異なり、フランジ2近傍ほど応力が小さくなる。この応力が小さくなる部位3bは、中立軸aの上側および下側に存在する。そこで、この応力が小さくなる部位3b(主軽減孔4b,4c間のフランジ2寄りのウェブ3)に、主軽減孔4b,4cの開口面積よりも小さな副軽減孔5を穿設することにより、梁1の強度および剛性が低下することを防止できる。このように、せん断方向の荷重が支配的となる端部領域R1に副軽減孔5を設けることにより、梁1の強度および剛性を確実に確保でき信頼性を向上できる。
また、主軽減孔4b,4cのピッチ(主軽減孔4b,4cの中心間の距離)は、ウェブ3の高さ方向(図3上下方向)に並設された副軽減孔5のピッチ(副軽減孔5の中心間の距離)より大きく設定されている。これにより、端部領域R1のウェブ3の強度および剛性を確保することができ、主軽減孔4b,4c間のウェブ3(部位3b)がせん断方向の荷重によって破損することを防止できる。
この梁1を、鉄道車両の構体S(図1参照)の台枠Uに適用することにより、構体Sを軽量化することができるため、鉄道車両を移動させるのに要するエネルギー消費量を抑制することができ、その結果、省エネルギー性を向上させることができる。
次に、上述のように構成される梁(以下「本発明品」と称す)を両端固定梁として、フランジの上面に均等に荷重を負荷したときの最大応力を計算した。以下、その計算結果について説明する。なお、本発明品は以下の構成とされている。
梁(本発明品):断面形状が略C形の溝形鋼、主軽減孔:中心が中立軸aに位置する円形、主軽減孔の直径:ウェブの高さの1/2、主軽減孔のピッチ:主軽減孔の直径の2倍、副軽減孔:端部領域R1の主軽減孔間の中央で中立軸aの上側および下側に穿設、副軽減孔の直径:主軽減孔の直径の1/2、副軽減孔と中立軸aとの間隔:副軽減孔の半径と同じ距離。
また、比較のため、副軽減孔が穿設されていない梁11(図5参照)(以下「従来品1」と称す)を両端固定梁として、フランジ12の上面に均等に荷重を負荷したときの最大応力を計算した。但し、本発明品と従来品1とは、副軽減孔の有無のみが異なり、他の構成については同一構成とされている。
さらに、比較のため、特許文献1に開示される梁21(図6参照)(以下「従来品2」と称す)を両端固定梁として、フランジ22の上面に均等に荷重を負荷したときの最大応力を計算した。但し、従来品2は、本発明品が備える主軽減孔および副軽減孔に代えて、孔部24a,24bが穿設されている点が相違する。なお、従来品2が備える孔部24a,24bは以下の構成とされており、以下に記載されていない構成については、本発明品と同一構成とされている。
従来品2における孔部24a及び孔部24bの直径:本発明品の副軽減孔の直径と同じ、孔部24a(中心が中立軸aに位置する)のピッチ:孔部24aの直径の2倍、孔部24bの穿設位置:孔部24a及び孔部24bの中心を直線で結んでできる形状が正方形となる位置。
以上のように構成される本発明品、従来品1及び従来品2に、同一の大きさの荷重を負荷した場合の最大応力および重量を計算した。その計算結果(従来品1の最大応力および重量を1としたときの換算値)は、表1に示すとおりであった。
Figure 0005389578
表1に示す計算結果によれば、本発明品の最大応力は従来品1とほぼ同等であり、さらに従来品2より著しく低減できることが容易に理解できる。このことから、本発明品の強度や剛性は、従来品2より著しく大きく、かつ従来品1と同等であると推察される。また、梁の重量について検討すれば、本発明品は従来品1に副軽減孔を設けているから、副軽減孔の分だけ従来品1より軽量にできることを容易に理解できる。具体的には、本発明品は従来品1と比較して、重量を7%削減できることがわかった。以上のことから本発明品によれば、従来品1および従来品2と比較して、強度や剛性を確保しつつ軽量化できることが明らかである。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量等)は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、梁1が、略C形の断面形状の溝形鋼で構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部材に適用することは当然可能である。他の部材としては、例えば、H形鋼、I形鋼、山形鋼、Z形鋼等の各種形鋼が挙げられる。また、形鋼に限られるものではなく、曲げ加工や溶接等により鉄板や鋼板などでフランジ及びウェブが形成された部材に適用することも可能である。
上記実施の形態では、梁1が、鉄道車両の構体Sの台枠Uにおいて、側梁U1に端部が固定されて側梁U1間に横設される横梁として適用される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軽量化が要求される他の構体に適用することは当然可能である。他の構体としては、例えば、航空機、船舶等の輸送用機器の構体が挙げられる。
上記実施の形態では、主軽減孔4d,4e,4f,4gのピッチを同一にして、主軽減孔4f,4gを、長径がウェブ3長手方向に沿う長円状とすることにより、主軽減孔4d,4eの間隔S3と、主軽減孔4e,4fの間隔S4と、主軽減孔4f,4gの間隔S5との関係をS3>S4>S5とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主軽減孔4d,4e,4f,4gを同一径の円形として、主軽減孔4d,4e,4f,4gのピッチを次第に小さくすることも可能である。この場合も、中央領域の主軽減孔による開口度を上げることができ、さらなる軽量化を図ることができる。また、端部領域R1に近い中央領域R2の強度および剛性が低下することを抑制できる。
上記実施の形態では、主軽減孔4a,4b,4c,4d,4e,4f,4gの形状が円形または長円状で、副軽減孔5の形状が円形の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状を採用できることは当然可能である。他の形状としては、角部がなく応力集中が生じ難い形状であれば、特に制限なく採用できる。
1 梁
2 フランジ
3 ウェブ
4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g 主軽減孔
5 副軽減孔
a 中立軸
R1 端部領域
R2 中央領域

Claims (4)

  1. 板状のフランジと、そのフランジが長手方向に沿って縁部に設けられるウェブとを備える梁において、
    中立軸と交わりつつ、前記ウェブの全長の1/3の長さに構成される中央領域と、その中央領域の両側にある前記ウェブの端部から前記ウェブの全長の1/3の長さまでの端部領域とのそれぞれに穿設される複数の主軽減孔と、
    その主軽減孔より開口面積が小さく形成されると共に、前記中央領域には穿設されず、前記中立軸を避けて前記端部領域に穿設されている前記主軽減孔間の前記端部領域に穿設される副軽減孔とを備えていることを特徴とする梁。
  2. 前記中央領域に穿設される主軽減孔のピッチ又は間隔は、前記端部領域に穿設される主軽減孔のピッチ又は間隔よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項記載の梁。
  3. 前記中央領域に穿設される主軽減孔のピッチ又は間隔は、前記端部領域に近いものが前記端部領域より遠いものより大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の梁。
  4. 前記梁は、人や貨物の輸送に利用される輸送用機器に用いられる輸送用機器用梁であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の梁。
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