JP5388968B2 - 膜分離装置の洗浄方法および膜分離装置 - Google Patents

膜分離装置の洗浄方法および膜分離装置 Download PDF

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Description

本発明は膜分離装置の洗浄方法および膜分離装置に関し、分離膜を薬液洗浄する技術に係るものである。
従来の膜分離装置としては、例えば図5に示すものがある。これは吸引ろ過システムで、処理槽1の被処理液に浸漬して複数の膜分離モジュール2を配置し、各膜分離モジュール2がライザー管3を介してヘッダー管4に接続しており、ヘッダー管4の一端側に膜透過液吸引系5が接続し、ヘッダー管4の他端側に洗浄液供給系6が接続している。膜透過液吸引系5は吸引ポンプ7を備えて処理水槽8に連通しており、洗浄液供給系6は薬品受けタンク9と薬液注入ポンプ10を備えて薬液貯留タンク11に連通している。
この構成では、吸引ポンプ7で与える駆動圧により膜分離モジュール2で吸引ろ過した膜透過液が膜透過液吸引系5を通して処理水槽8に取り出される。
ところで、膜分離装置では、膜分離モジュール2を定期的に薬液洗浄して分離膜の目詰まりの防止、解消を行なっている。薬液洗浄時には、ヘッダー管4およびライザー管3に通常とは逆方向に薬液を供給して分離膜の内側面側から外側面側へ薬液を浸潤させる。
この際に膜の内部が完全に薬液や膜透過液で満たされた状態から更に薬液を注入しようとすると洗浄液に加える供給圧力が急激に上昇して過圧状態となり、膜分離モジュール2に分離膜の破れ等の損傷が発生するおそれがある。特に平膜型膜分離モジュールでは、供給圧力が2.0mAq以上となると分離膜の剥がれや破れ等の損傷が発生するおそれがあるので、洗浄液の供給圧力は少なくとも1.5mAq以下に、望ましくは1.0mAq以下に押さえることが必要である。
膜単位面積当たりに注入可能な薬液量は概ね決まっているため、適切な量を自然流下で注入すれば、上記のような過大な圧力が発生することはない。しかし、膜の状況によっては平時の注入量を吸収できない場合があり、そのような膜を含む状況で薬液をポンプ等によって強制的に注入すると過圧状態が発生し、最悪の場合に損傷が生じる。
このため、薬液洗浄は下記の手順で行なう。洗浄液の供給に先立ってヘッダー管4の内部を大気開放してヘッダー管4の膜透過液を膜分離モジュール2あるいは処理水槽8に放流する。次に、薬液注入ポンプ10により洗浄液供給系6を通して薬液貯留タンク11の洗浄液を薬品受けタンク9に供給し、薬品受けタンク9から自然流下でヘッダー管4に洗浄液を供給し、ヘッダー管4の内部で洗浄液を各ライザー管3にオーバーフローさせて各膜分離モジュール2に自然流下で均等に供給している。
重力ろ過システムとしては、図6に示すものがあり、処理槽21の被処理液に浸漬して複数の膜分離モジュール22を配置し、各膜分離モジュール22がライザー管33を介してヘッダー管24に接続している。ヘッダー管24には、サイホン形成手段(図示省略)としての真空ポンプや給水装置が連通し、ヘッダー管24の一端側に膜透過液排出系25が接続し、ヘッダー管24の他端側に洗浄液供給系26が接続している。
膜透過液排出系25は処理槽21の液面より下方に配置した処理水槽28に連通しており、洗浄液供給系26は薬品受けタンク29と薬液注入ポンプ30を備えて薬液貯留タンク31に連通している。
この構成では、薬液洗浄を下記の手順で行なう。洗浄液の供給に先立ってヘッダー管24の内部を大気開放してサイホンをブレイクし、ヘッダー管24の膜透過液を膜分離モジュール22あるいは処理水槽28に放流する。次に、薬液注入ポンプ30により洗浄液供給系26を通して薬液貯留タンク31の洗浄液を薬品受けタンク29に供給し、薬品受けタンク29から自然流下でヘッダー管24に洗浄液を供給し、ヘッダー管24の内部で洗浄液を各ライザー管23にオーバーフローさせて各膜分離モジュール22に自然流下で均等に供給する。
特許文献1に記載する浸漬型膜分離活性汚泥装置は、膜分離モジュールと散気管を収容したエアレーションチャンバーにサイホンを介して処理水槽を接続した装置であり、サイホンの途中に気液分離チャンバーを介装し、気液分離チャンバーに排気ポンプを接続している。
特許文献2に記載するものでは、ヘッダー管を膜ユニットの配列方向に沿って、かつ水平方向に沿って配置し、ヘッダー管が反応槽の液面より上方位置にあり、枝管がヘッダー管から下り勾配で所定角度に傾斜している。
特開平10−118684 再公表特許WO2007/049327
しかしながら、図5に示す構成において洗浄液を各膜分離モジュール2に均一に供給するためには、水平に配置するヘッダー管4の内部で各ライザー管3の開口が同一レベルに位置し、かつヘッダー管4を単一径の直胴状に形成する必要があり、ヘッダー管4の据付時に高い水平据付精度が要求される。
また、薬液洗浄が終了し、ろ過運転を再開する際には、ライザー管、ヘッダー管および膜透過液吸引系の内部を給水や吸引排気により満管にする工程が必要となる。
また、ヘッダー管4に対してライザー管3を鉛直または水平方向に接続することは望ましくはなく、ヘッダー管4に対してライザー管3を斜め下方へ45度の角度を設けて接続することが望ましい。この配管方法により、薬液を各膜ユニットへ均等に分配することが可能となる。しかし、この配管施工方法は、ライザー管3を鉛直または水平方向に接続する方式に比較して広い配管スペースを必要とすることから、設備のコンパクト化を目的とする場合には望ましくない。
さらに、ヘッダー管4からライザー管3に薬液が流入する際に、空気の持込が発生してライザー管3の内部で空気が滞留し、円滑な薬液注入が阻害される場合がある。この空気の滞留はライザー管3が長いほど発生し易く、膜分離モジュール2を2段積みする膜ユニットの場合には下段の膜分離モジュール2において空気の滞留が発生し易い。
この空気の滞留によって薬液注入が阻害される影響を抑制するために、2段積みの膜ユニットでは、上段の膜分離モジュール2と下段の膜分離モジュール2の各々に対してヘッダー管4を設置することが望ましいが、施工コストと配管スペースが増加する問題がある。
本発明は上記した課題を解決するものであり、膜分離装置に洗浄液をポンプで供給する際に、洗浄液に加える供給圧力が急激に上昇して過圧状態となることを防止できる膜分離装置の洗浄方法および膜分離装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の膜分離装置の洗浄方法は、処理槽内に複数の膜分離モジュールを配置し、チャンバーを途中に介装した膜透過液配管、または管路途中から分岐して前記チャンバーに連通する膜透過液配管を通して、各膜分離モジュールの分離膜を透過した膜透過液を排出する膜分離装置において、前記チャンバーより下流側位置で膜透過液配管を閉栓して閉管路域を形成し、前記チャンバー内に必要量の圧力緩衝気体を封じた気相空間を形成する状態で前記閉管路域を通して各膜分離モジュールに洗浄液をポンプ装置で供給することを特徴とする。
本発明の膜分離装置の洗浄方法において、前記チャンバーを含む膜透過液配管の閉管路域での内部圧力が設定圧力以上となると、前記閉管路域の内部圧力を大気開放するか、またはポンプ装置を停止することを特徴とする。
本発明の膜分離装置の洗浄方法において、前記チャンバー内における液位が設定液位以上となると、前記閉管路域の内部圧力を大気開放するか、またはポンプ装置を停止することを特徴とする。
本発明の膜分離装置の洗浄方法において、前記ポンプ装置の毎秒当たりの吐出量を単位量として、前記チャンバー内に前記単位量の5倍以上の容量に相当する気相空間を形成する状態で、前記閉管路域を通して各膜分離モジュールに洗浄液をポンプ装置で供給することを特徴とする。
本発明の膜分離装置の洗浄方法において、膜分離モジュールは、表面に平膜型の分離膜を配置した平膜エレメントを1つ以上備える平膜型膜分離モジュールであることを特徴とする。
本発明の膜分離装置は、処理槽内に配置する複数の膜分離モジュールと、各膜分離モジュールの分離膜を透過した膜透過液を排出する膜透過液配管と、膜透過液配管の途中に介装するか膜透過液配管の途中から分岐して連通し、内部に必要量の圧力緩衝気体を封じた気相空間を形成するチャンバーと、前記チャンバーより下流側位置で膜透過液配管を閉栓して閉管路域を形成するバルブ装置と、前記チャンバーの気相空間に圧力緩衝気体を封ずる状態で前記閉管路域を通して各膜分離モジュールに洗浄液を供給するポンプ装置を備えることを特徴とする。
本発明の膜分離装置において、前記チャンバーを含む膜透過液配管の閉管路域での内部圧力を検知する圧力検知装置と、前記閉管路域の内部圧力を大気開放する大気開放装置と、圧力検知装置で測定した閉管路域の内部圧力が設定値以上となると大気開放装置を大気開放させるか、またはポンプ装置を停止させる制御装置を備えることを特徴とする。
本発明の膜分離装置において、前記チャンバー内の液位を検知する液位検知装置と、前記閉管路域の内部圧力を大気開放する大気開放装置と、液位検知装置で測定した前記液位が設定値以上となると大気開放装置を大気開放させるか、またはポンプ装置を停止させる制御装置を備えることを特徴とする。
本発明の膜分離装置において、前記チャンバーは、前記ポンプ装置の毎秒当たりの吐出量を単位量として、内部に前記単位量の5倍以上の容量に相当する気相空間を形成することを特徴とする。
本発明の膜分離装置において、前記ポンプ装置を介装した洗浄液配管を備え、洗浄液配管は膜透過液配管の複数箇所に接続することを特徴とする。
本発明の膜分離装置において、膜分離モジュールは、表面に平膜型の分離膜を配置した平膜エレメントを1つ以上備える平膜型膜分離モジュールであることを特徴とする。
本発明の膜分離装置において、膜分離モジュールは、膜透過液配管と接続して膜分離モジュールに洗浄液が流入する洗浄液流入口と、洗浄液排出配管と接続して膜分離モジュールから洗浄排液が流出する洗浄排液流出口を備えることを特徴とする。
以上のように本発明によれば、チャンバーより下流側位置で膜透過液配管を閉栓して閉管路域を形成し、前記チャンバーの気相空間に圧力緩衝気体を封ずる状態で前記閉管路域を通して各膜分離モジュールに洗浄液を薬液ポンプ装置で供給するので、洗浄液を加圧注入する場合に、洗浄液に加わる過剰な供給圧力はチャンバーの気相空間に封じた圧力緩衝気体が吸収するので、洗浄液の供給圧力が急激に上昇することはなく、膜分離モジュールの分離膜に急激に過剰な圧力が負荷として作用することがなくなる。
満管状態の閉管路域に洗浄液をポンプ供給することで、各膜分離モジュールに対して均等の圧力で洗浄液を供給することができる。さらに、洗浄後にろ過運転を再開する際には、閉栓していた膜透過液配管を開栓するだけで、ろ過運転を再開できる。
膜透過液配管中の気泡はチャンバーの気相空間に排気されるので、洗浄液の供給時には洗浄液の通過を阻害する要因となる気泡の巻き込みが発生せず、その結果各膜分離モジュールに均等に洗浄液を供給することができる。
本発明の実施の形態における膜分離装置を示す模式図 本発明の他の実施の形態における膜分離装置を示す模式図 本発明のさらに他の実施の形態における膜分離装置を示す模式図 本発明のさらに他の実施の形態における膜分離装置を示す模式図 従来の膜分離装置を示す模式図 従来の他の膜分離装置を示す模式図
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1に示すように、処理槽51には被処理液中に浸漬して複数の膜分離モジュール52を配置しており、各膜分離モジュール52は、表面に平膜型の分離膜を配置した平膜エレメントを1つ以上備える平膜型膜分離モジュールである。しかしながら、膜分離モジュール52は本実施の形態に限らず、中空糸膜などを使用する形態であっても良い。
各膜分離モジュール52は分離膜を透過した膜透過液を排出する膜透過液配管53に接続している。膜透過液配管53は各膜分離モジュール52に接続するライザー管54と、ライザー管54に続くヘッダー管55と、ヘッダー管55の下流端に接続したチャンバー56と、チャンバー56と処理水槽57とを接続する排出管58と、排出管58に介装した吸引ポンプ581と第1バルブ装置59を有している。
ヘッダー管55は下流側に行くほどに流路断面が拡径する形状をなし、ヘッダー管55は流路断面をレジューサーによりステップ状に拡径させても良い。チャンバー56には真空ポンプ装置60が接続しており、チャンバー56は膜透過液配管53の経路中で最も高い位置に配置されている。
ヘッダー管55にはその複数箇所に洗浄液配管61が接続しており、洗浄液配管61は、洗浄液の薬液を貯溜する薬液貯留タンク62と、薬液貯留タンク62をヘッダー管55に接続する本管63および複数に分岐した分岐管64と、本管63に介装した第2バルブ装置65と、各膜分離モジュール52に洗浄液を供給する薬液ポンプ装置66を有している。分岐管64は本管63よりも小径の管路を有し、流路抵抗によって本管63から分岐管64への流入に際して圧力損失が発生する。このため、洗浄液が平均して各分岐管64に流入し、各分岐管64からヘッダー管55に供給される。
膜透過液配管53、ここではヘッダー管55には、圧力検知装置として圧力計67を設けており、チャンバー56には第3バルブ装置68と、液位検知装置としての液位計69を設け、チャンバー56と真空ポンプ装置60の間に第4バルブ装置70を介装している。第3バルブ装置68は、洗浄時にチャンバー56の内部に必要量の圧力緩衝気体を封じた気相空間を形成する気相空間形成装置と、内部圧力を大気開放する大気開放装置とを兼ねている。
制御装置71は圧力計67で測定したチャンバー56の内部圧力が設定値以上となると第3バルブ装置68を制御して大気開放させる。また、液位計69で測定する液位が設定液位以上となると第3バルブ装置68を大気開放させることも可能である。
以下、上記した構成における作用を説明する。
[膜分離活性汚泥処理]
処理槽51で膜分離活性汚泥処理を行なう場合には、はじめに、第1バルブ装置59、第2バルブ装置65、第3バルブ装置68を閉栓し、第4バルブ装置70を開栓した状態で真空ポンプ装置60を稼動させる。
真空ポンプ装置60によりチャンバー56を吸引し、各膜分離モジュール52の分離膜を透過した膜透過液を膜透過液配管53の各ライザー管54およびヘッダー管55を通して吸引し、膜透過液をチャンバー56へ流入させる。
チャンバー56の内部が膜透過液で満たされる状態、または膜透過液が必要十分な液位に達する状態で、第4バルブ装置70を閉栓して真空ポンプ装置60を停止し、第1バルブ装置59を開栓して吸引ポンプ581を稼動させる。
以後、吸引ポンプ581により各膜分離モジュール52に駆動圧を与えることで、各膜分離モジュール52の分離膜を透過した膜透過液は、膜透過液配管53の各ライザー管54を通してヘッダー管55に流入し、ヘッダー管55を通ってチャンバー56へ流入し、チャンバー56から排出管58を通して処理水槽57へ流れる。
ヘッダー管55は下流側に行くほどに流路断面が拡径する形状をなすので、各ライザー管54を通ってヘッダー管55に流入する膜透過液は上流から流れ来る膜透過液に阻害されることなく、円滑に合流できる。
[洗浄運転]
洗浄運転を行なう場合には、はじめに、第1バルブ装置59、第2バルブ装置65、第4バルブ装置70を閉栓した状態で第3バルブ装置68を開栓して大気開放し、チャンバー56の内部の膜透過液の流出にともなってチャンバー56の内部に外気を取り込み、チャンバー56の内部に必要量の圧力緩衝気体を封じた気相空間を形成した後に、第3バルブ装置68を閉栓する。
なお、洗浄運転開始前のチャンバー56の内部に形成された気相空間の大きさによっては、第3バルブ装置68を開栓しない場合や、第4バルブ装置70を開栓して真空ポンプ装置60を稼動させる場合もある。
気相空間は、薬液ポンプ装置66の毎秒当たりの吐出量を単位量として、この単位量の5倍以上の容量に相当する。気相空間の大きさは、液位計69によりチャンバー56の内部の液位を計測することで測定する。
気相空間が単位量の5倍の容量であれば、万が一、膜分離モジュールの膜表面が完全に閉塞している状態であっても、平膜型膜分離モジュールに耐圧限界である2.0mAqの圧力が及ぶまでに1秒程度かかるため、ポンプ装置の停止や大気開放の対策により、圧力の衝撃による膜の破損を回避できる。
次に、第1バルブ装置59、第3バルブ装置68、第4バルブ装置70を閉栓してた状態で第2バルブ装置65を開栓し、チャンバー56の内部に圧力緩衝気体を封じ、かつヘッダー管55を膜透過液で満たして満管に維持する状態で、膜透過液配管53の閉管路域を通して各膜分離モジュール52に薬液ポンプ装置66で加圧注入する。
この結果、各膜分離モジュール52に均等に供給圧を与えることができ、均等な薬液供給を実現でき、従来における課題を解決できる。
つまり、図5および図6に示す従来の構成においては、洗浄に先立って配管系を大気開放して配管系内を空にし、その後にヘッダー管4に洗浄液を供給し、自然水頭で洗浄液を各膜分離モジュール2に供給するので、ヘッダー管4の内部で各ライザー管3の開口が同一レベルに位置するようにヘッダー管4を水平に配置することが洗浄液を各膜分離モジュール2に均等に供給するための必要条件であるために、洗浄液の均等な供給が困難であった。また、ろ過運転を再開するためにはヘッダー管4を再び満水にする必要があった。
しかし、本実施の形態では、ヘッダー管55を膜透過液で満管に維持する状態で各膜分離モジュール52に洗浄液を注入するので、ヘッダー管4の姿勢の如何に関わらず各膜分離モジュール2への均等な洗浄液供給を行える。
また、本実施の形態では、洗浄液配管61がヘッダー管55に複数箇所で接続しており、洗浄液をヘッダー管55に分散して注入することにより、各膜分離モジュール52へ洗浄液を均等に流入することが確実なものとなる。さらに、分岐管64は本管63よりも小径の管路を有し、流路抵抗によって本管63から分岐管64への流入に際して圧力損失が発生するので、洗浄液が一部の分岐管64に偏って流入することがない。
この洗浄液を加圧注入する場合に、洗浄液に加わる過剰な供給圧力はチャンバー56の気相空間に封じた圧力緩衝気体が吸収するので、洗浄液の供給圧力が急激に上昇することはなく、膜分離モジュール52の分離膜に急激に過剰な圧力が負荷として作用することがなくなり、膜分離モジュール52の分離膜に逆圧が伝達されるリスクを回避できる。
膜透過液配管53の配管中には、膜分離モジュールのろ過運転に伴い気泡が発生するが、この気泡はチャンバー56の気相空間に排気されるので、洗浄液の供給時には洗浄液の通過を阻害する要因となる気泡の巻き込みが発生せず、その結果各膜分離モジュール52に均等に洗浄液を供給することができ、脱気タンクを兼ねることで脱気タンクの設置スペースおよび設置コストを削減できる。
チャンバー56を含む膜透過液配管53の閉管路域での内部圧力が上昇して圧力計67で計測する内部圧力が設定値以上となると、制御装置71により薬液ポンプ装置66を停止する。ここで、薬液ポンプ装置66の停止に代えて、あるいは薬液ポンプ装置66の停止と合わせて大気開放装置である第3バルブ装置68を開栓して膜透過液配管53を大気開放させても良い。
この結果、過剰圧力で膜分離モジュール52の分離膜が損傷することを防止できる。上述したように、圧力計67に代えてチャンバー56の内部の液位を測定する液位計を設置する場合にも同様の作用効果を実現できる。
さらに、分岐管64は本管63よりも小径の管路を有し、流路抵抗によって本管63から分岐管64への流入に際して圧力損失が発生するので、薬液ポンプ装置66の停止から第3バルブ装置68の全閉までの間に流れる洗浄液量を抑制できる。
洗浄液が正常な状態で注入される間にも内部圧力や液位には多少の変動が生じる。このため、内部圧力の設定値や液位の設定値は、内部圧力や液位の変動幅を考慮して設定する必要がある。本実施の形態では、チャンバー56の気相空間に、薬液ポンプ装置66の毎秒当たりの吐出量を単位量として、この単位量の5倍以上の容量に相当する十分な空間的余裕を確保することで、内部圧力の設定値や液位の設置値は、内部圧力や液位の変動幅を越えた高い値に設定することができ、さらに内部圧力や液位の誤検知を防止することができる。
上述したように本発明においては、配管をクローズドな状態に保って薬液を注入するので、より安全性が高まる。また、従来のように、越流による自然流下ではなく、満管状態で加圧注入するので、ヘッダー管55の施工を大幅に簡素化できる。具体的には、ヘッダー管55はその口径が全長にわたって均一である必要はなく、上述したように、下流側に行くほどに流路断面が拡径する形状のヘッダー管55を使用できる。また、ヘッダー管55の据付には水平に対する据付精度が不要となり、施工コストの大幅な削減が可能である。
図2に示すように、チャンバー56は膜透過液配管53、ここでは排出管58の最も高い位置から上方に分岐して連通させることも可能である。また、図3に示すように、洗浄液配管61は分岐管64のそれぞれを各ライザー管54に接続することも可能である。
さらに、図4に示すように、膜分離モジュール52には、膜透過液配管53のライザー管54と接続し、膜分離モジュール52に洗浄液が流入する洗浄液流入口521と、洗浄液排出配管612と接続し、膜分離モジュール52から洗浄排液が流出する洗浄排液流出口522とを設けることも可能である。洗浄液排出配管612は第4バルブ装置613および排液ポンプ装置614を備え、薬液貯留タンク62に接続している。
この構成により各膜分離モジュール52を洗浄する洗浄運転を行なう場合は、真空ポンプ装置60を停止し、チャンバー56より下流側位置にある膜透過液配管53の第1バルブ装置59を閉栓して、チャンバー56を含む膜透過液配管53に閉管路域を形成し、第2バルブ装置65および第4バルブ装置613を開栓し、薬液ポンプ装置66および排液ポンプ装置614を稼動させて、薬液貯留タンク62の薬液を洗浄液として各膜分離モジュール52へ循環させる。
この場合には、膜分離モジュール52において平膜エレメントの相互間に膜間閉塞等の異常が生じて、大部分の平膜エレメントに洗浄液を供給することができず、一部の平膜エレメントにのみ洗浄液が流れる事態が生じても、過剰な洗浄液が薬液貯留タンク62に還流することで、その平膜エレメントに急激な逆圧が作用することを防止できる。
上記実施の形態では、チャンバー56が脱気タンクを兼ねているが、チャンバー56と脱気タンクを別々に設けてもよい。
51 処理槽
52 膜分離モジュール
53 膜透過液配管
54 ライザー管
55 ヘッダー管
56 チャンバー
57 処理水槽
58 排出管
59 第1バルブ装置
60 真空ポンプ装置
61 洗浄液配管
62 薬液貯留タンク
63 本管
64 分岐管
65 第2バルブ装置
66 薬液ポンプ装置
67 圧力計
68 第3バルブ装置
69 液位計
70 第4バルブ装置
71 制御装置
521 洗浄液流入口
522 洗浄排液流出口
581 吸引ポンプ
612 洗浄液排出配管
613 第4バルブ装置
614 排液ポンプ装置

Claims (12)

  1. 処理槽内に複数の膜分離モジュールを配置し、チャンバーを途中に介装した膜透過液配管、または管路途中から分岐して前記チャンバーに連通する膜透過液配管を通して、各膜分離モジュールの分離膜を透過した膜透過液を排出する膜分離装置において、前記チャンバーより下流側位置で膜透過液配管を閉栓して閉管路域を形成し、前記チャンバー内に必要量の圧力緩衝気体を封じた気相空間を形成する状態で前記閉管路域を通して各膜分離モジュールに洗浄液をポンプ装置で供給することを特徴とする膜分離装置の洗浄方法。
  2. 前記チャンバーを含む膜透過液配管の閉管路域での内部圧力が設定圧力以上となると、前記閉管路域の内部圧力を大気開放するか、またはポンプ装置を停止することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の洗浄方法。
  3. 前記チャンバー内における液位が設定液位以上となると、前記閉管路域の内部圧力を大気開放するか、またはポンプ装置を停止することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の洗浄方法。
  4. 前記ポンプ装置の毎秒当たりの吐出量を単位量として、前記チャンバー内に前記単位量の5倍以上の容量に相当する気相空間を形成する状態で、前記閉管路域を通して各膜分離モジュールに洗浄液をポンプ装置で供給することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の膜分離装置の洗浄方法。
  5. 膜分離モジュールは、表面に平膜型の分離膜を配置した平膜エレメントを1つ以上備える平膜型膜分離モジュールであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の膜分離装置の洗浄方法。
  6. 処理槽内に配置する複数の膜分離モジュールと、各膜分離モジュールの分離膜を透過した膜透過液を排出する膜透過液配管と、膜透過液配管の途中に介装するか膜透過液配管の途中から分岐して連通し、内部に必要量の圧力緩衝気体を封じた気相空間を形成するチャンバーと、前記チャンバーより下流側位置で膜透過液配管を閉栓して閉管路域を形成するバルブ装置と、前記チャンバーの気相空間に圧力緩衝気体を封ずる状態で前記閉管路域を通して各膜分離モジュールに洗浄液を供給するポンプ装置を備えることを特徴とする膜分離装置。
  7. 前記チャンバーを含む膜透過液配管の閉管路域での内部圧力を検知する圧力検知装置と、前記閉管路域の内部圧力を大気開放する大気開放装置と、圧力検知装置で測定した閉管路域の内部圧力が設定値以上となると大気開放装置を大気開放させるか、またはポンプ装置を停止させる制御装置を備えることを特徴とする請求項6に記載の膜分離装置。
  8. 前記チャンバー内の液位を検知する液位検知装置と、前記閉管路域の内部圧力を大気開放する大気開放装置と、液位検知装置で測定した前記液位が設定値以上となると大気開放装置を大気開放させるか、またはポンプ装置を停止させる制御装置を備えることを特徴とする請求項6に記載の膜分離装置。
  9. 前記チャンバーは、前記ポンプ装置の毎秒当たりの吐出量を単位量として、内部に前記単位量の5倍以上の容量に相当する気相空間を形成することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の膜分離装置。
  10. 前記ポンプ装置を介装した洗浄液配管を備え、洗浄液配管は膜透過液配管の複数箇所に接続することを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の膜分離装置。
  11. 膜分離モジュールは、表面に平膜型の分離膜を配置した平膜エレメントを1つ以上備える平膜型膜分離モジュールであることを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の膜分離装置。
  12. 膜分離モジュールは、膜透過液配管と接続して膜分離モジュールに洗浄液が流入する洗浄液流入口と、洗浄液排出配管と接続して膜分離モジュールから洗浄排液が流出する洗浄排液流出口を備えることを特徴とする請求項11に記載の膜分離装置。
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