JP2015199024A - 薬液洗浄方法、水処理システム、及び膜濾過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薬液の使用量を低減でき、ランニングコストの低減に有効な薬液洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】中空糸膜モジュール20の薬液洗浄方法であって、複数の中空糸膜モジュール20の少なくとも一部の濾過運転を停止して中空糸膜モジュール20内に残存する液体を排出する排出工程と、排出工程の後で、処理水ヘッダ管4を介して中空糸膜モジュール20の上部から薬液を供給し、薬液の界面が中空糸膜モジュール20の中空糸膜21の上端よりも高く、且つ処理水ヘッダ管4に到達しない位置で薬液の供給を停止する界面調整工程と、界面調整工程の後で、薬液を静置する洗浄工程と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】中空糸膜モジュール20の薬液洗浄方法であって、複数の中空糸膜モジュール20の少なくとも一部の濾過運転を停止して中空糸膜モジュール20内に残存する液体を排出する排出工程と、排出工程の後で、処理水ヘッダ管4を介して中空糸膜モジュール20の上部から薬液を供給し、薬液の界面が中空糸膜モジュール20の中空糸膜21の上端よりも高く、且つ処理水ヘッダ管4に到達しない位置で薬液の供給を停止する界面調整工程と、界面調整工程の後で、薬液を静置する洗浄工程と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、精密ろ過や限外ろ過等の分離プロセスに用いられる中空糸膜モジュールの薬液洗浄方法、該中空糸膜モジュールを備えた水処理システム、及び膜濾過装置に関する。
中空糸膜ろ過による分離プロセスは、各種工業製品の製造プロセスに用いられる水の精製、河川水、湖沼水、地下水などを原水とする上水の製造、下水、排水等が生物処理された水の回収等において広く採用されている。特に、近年では、大量の処理水が要求されることもあり、多数本の中空糸膜モジュールを備えた水処理施設などが増えてきた。
中空糸膜モジュールは、安定した濾過運転を継続して行うために、定期的に薬液洗浄や逆洗などを行う必要がある。従来、薬液洗浄では、通常の濾過運転を停止して原水側(上流側)から薬液を中空糸膜モジュールに供給し、更に、処理水側(下流側)から排出される薬液を再び、原水側に戻す循環処理を行っていた(特許文献1参照)。
しかしながら、従来の薬液洗浄の場合、薬液を循環させることもあって、中空糸膜モジュール以外の接続配管やヘッダ内にも薬液が入るため、洗浄時に毎回、無駄な薬液が必要となり、ランニングコストが大きくなり易かった。特に、近年では、中空糸膜モジュールの本数が多い大型の水処理施設も増えてきており、大きな薬液貯蔵タンクや洗浄水排水処理タンク等を設置しなければならず、設備的にも効率が悪かった。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、薬液の使用量を低減でき、ランニングコストの低減に有効な薬液洗浄方法、及びその薬液洗浄方法を実現可能な水処理システム、及び膜濾過装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、複数の中空糸膜モジュールそれぞれの下部から原水を供給し、各中空糸膜モジュールの上部から得られた処理水を処理水合流管で集約して移送すると共に、原水が中空糸膜モジュールで処理されずに濃縮された濃縮水を濃縮水合流管で集約して移送する水処理システムにおける中空糸膜モジュールの薬液洗浄方法であって、複数の中空糸膜モジュールの少なくとも一部の濾過運転を停止して中空糸膜モジュール内に残存する液体を排出する排出工程と、排出工程の後で、処理水合流管を介して中空糸膜モジュールの上部から薬液を供給し、薬液の界面が中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高く、且つ処理水合流管に到達しない位置で薬液の供給を停止する界面調整工程と、界面調整工程の後で、薬液を静置する洗浄工程と、を備える。
この薬液洗浄方法によれば、中空糸膜モジュール内に残存する液体を排出した後で中空糸膜モジュール内に薬液を供給するので、排出した液体と薬液とが混合して薄まることを防止できる。さらに、薬液は処理水合流管を介して供給されるので、薬液は中空糸膜の2次側(処理水側)から薬液が供給されることになり、中空糸膜モジュール内に進入した薬液に対して、一旦、中空糸膜が抵抗になって受け止める。つまり、複数の中空糸膜モジュールに対し、供給される薬液の到達時間に差があったとして、結局は、中空糸膜モジュール内で抵抗となる中空糸膜で均され、中空糸膜モジュール内に薬液が満たされる時間に実質的な差は無くなる。その結果、薬液が一部の中空糸膜モジュールを先に満たし、その後、他の空の中空糸膜モジュールの下部から原水など(排出工程で排出された液体)を逆流させて押し込んでしまう状態を防止できる。また、薬液の供給は、中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高く、且つ処理水合流管に到達しない位置で停止されるので、中空糸膜を薬液で満たすことができ、更に、薬液が処理水合流管に到達しないので、中空糸膜の洗浄目的として少量の薬液を無駄なく使用でき、非常に効率的である。
また、濃縮水合流管は、中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高い位置に配置されていると好適である。中空糸膜を薬液で満たした際に、薬液が濃縮水合流管にも到達しないので、薬液量の低減に更に有効である。
また、中空糸膜モジュールは、中空糸膜を収容するケーシングと、ケーシングの下部と原水供給管とを接続すると共に、ケーシングよりも内径の小さい原水側接続管とを備え、排出工程では、中空糸膜モジュール内に残存する液体の界面が原水側接続管内となる位置で液体の排出を止めると好適である。この薬液洗浄方法では、排出される液体の界面がケーシングよりも内径の小さい原水側接続管内になるので、排出する液体がケーシング内に残存している場合よりも、その液体と薬液との接触面を少なくでき、液体と薬液との比重差による混合を抑止して薬液の使用量を低減できる。
また、本発明は、立設された筒状のケーシング内に中空糸膜が収容された複数の中空糸膜モジュールを備え、ケーシングの下部から原水が供給され、中空糸膜によって原水が処理されてケーシングの上部から得られた処理水を処理水合流管で集約して移送すると共に、原水が中空糸膜モジュールで処理されずに濃縮された濃縮水を濃縮水合流管で集約して移送する水処理システムであって、処理水合流管に接続され、薬液が通過する薬液ラインと、ケーシングへ原水を供給する濾過運転、ケーシング内に残存する液体の排出、及び薬液ラインを通過してケーシング内に供給される薬液の供給量を制御する制御部と、を備え、制御部は、複数の中空糸膜モジュールの少なくとも一部の濾過運転を停止して中空糸膜モジュール内に残存する液体を排出し、液体を排出した後でケーシング内に薬液を供給し、薬液の界面が中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高く、且つ処理水合流管に到達しない位置で薬液の供給を停止する。
この水処理システムによれば、中空糸膜モジュール内に残存する液体を排出した後で中空糸膜モジュール内に薬液が供給されるので、排出した液体と薬液とが混合して薄まることを防止できる。さらに、液体の供給は、処理水合流管を介して供給されるので、薬液は中空糸膜の2次側(処理水側)から薬液が供給されることになり、中空糸膜モジュール内に進入した薬液に対して、一旦、中空糸膜が抵抗になって受け止める。つまり、複数の中空糸膜モジュールに対し、供給される薬液の到達時間に差があったとして、結局は、中空糸膜モジュール内で抵抗となる中空糸膜で均され、中空糸膜モジュール内に薬液が満たされる時間に実質的な差は無くなる。その結果、薬液が一部の中空糸膜モジュールを先に満たし、その後、他の空の中空糸膜モジュールの下部から原水など(排出工程で排出された液体)を逆流させて押し込んでしまう状態を防止できる。また、薬液の供給は、中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高く、且つ処理水合流管に到達しない位置で停止されるので、中空糸膜を薬液で満たすことができ、更に、薬液が処理水合流管に到達しないので、中空糸膜の洗浄目的として少量の薬液を無駄なく使用でき、非常に効率的である。
また、濃縮水合流管は、中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高い位置に配置されていると好適である。中空糸膜を薬液で満たした際に、薬液が濃縮水合流管にも到達しないので、薬液量の低減に更に有効である。
また、この水処理システムは、原水が通過する原水供給管と、ケーシングの下部と原水供給管とを接続すると共に、ケーシングよりも内径の小さい原水側接続管とを備え、制御部は、中空糸膜モジュール内に残存する液体の水位が原水側接続管内となる位置で液体の排出を止めると好適である。この水処理システムでは、排出される液体の界面がケーシングよりも内径の小さい原水側接続管内になるので、排出する液体がケーシング内に残存している場合よりも、その液体と薬液との接触面を少なくでき、液体と薬液との比重差による混合を抑止して薬液の使用量を低減できる。
また、本発明は、立設された筒状のケーシング内に中空糸膜が収容された複数の中空糸膜モジュールを備え、ケーシングの下部から原水が供給され、ケーシングの上部から処理水が排出される膜濾過装置であって、中空糸膜モジュールよりも下方に配置されると共に原水が通過する原水供給管と、処理水が集約されると共に、中空糸膜モジュールに供給される薬液が通過する処理水合流管と、ケーシング内で原水が中空糸膜を透過することなく濃縮され、且つケーシングから排出された濃縮水が集約される濃縮水合流管と、中空糸膜モジュールを介して連絡する原水供給管と処理水合流管との間における液体の界面の高さを検出可能な検出部と、を備えている。
この膜濾過装置は、中空糸膜モジュールを介して連絡する原水供給管と処理水合流管との間における液体の界面の高さを検出可能な検出部を備えているので、上記の薬液洗浄をより効率よく行うことができる。
また、濃縮水合流管が、中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高い位置であり、且つ、処理水合流管と同じ、または低い位置に配置された膜濾過装置において、原水供給管と濃縮水合流管とを接続するバイパス管を更に備え、上記の検出部は、バイパス管内の液体の界面の高さを検出すると好適である。この膜濾過装置では、バイパス管内の液体の界面の高さを検出する検出部を備えるので、ケーシング内の液体の界面高さ(例えば、水位)を直接検出しなくても、バイパス管内の液体の界面高さを図ることで、間接的ではあるが確実にケーシング内の液体の界面高さを検出できる。
また、検出部は、中空糸膜の上端よりも上方であり、且つ処理水合流管よりも下方である液体の界面を検出可能な上部センサーを有すると好適である。例えば、薬液を中空糸膜モジュール内に供給する場合に、薬液の界面が中空糸膜の上端よりも上方であることを検出することで、中空糸膜が薬液に完全に浸った状態を検出でき、過度の薬液の供給を防いで、薬液洗浄を効率よく行うことができる。
また、原水供給管とケーシングの下部とを接続すると共に、ケーシングよりも内径の小さい原水側接続管を更に備え、検出部は、原水側接続管内の液体の界面を検出可能な下部センサーを更に有すると好適である。例えば、ケーシング内に残存する液体を排出し、その後に薬液をケーシング内に供給する場合に、排出する液体の界面が原水側接続管内にあることを検出できるので、その後で薬液を供給する場合に、薬液がケーシング内に残存している場合よりも、その液体と薬液との接触面を少なくでき、液体と薬液との比重差による混合を抑止して薬液の使用量を低減できる。
また、バイパス管の少なくとも一部の内径が、濃縮水合流管の内径よりも小さいと、例えば、フラッシング時にバイパス管内に液体が流れ込む流量を抑えることができて好適である。
さらに、バイパス管に開閉手段を設けると、フラッシング時にバイパス管内に液体が流れ込むことを確実に防止できて好適である。
さらに、バイパス管に開閉手段を設けることなく、代わりに、バイパス管の濃縮水合流管の内径よりも小さい部分の内径を15mm以上、25mm以下とすることできる。
本発明によれば、薬液の使用量を低減でき、ランニングコストの低減が可能になる。
以下、本発明に係る中空糸膜モジュールの好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1、図2、及び図3に示されるように、第1の実施の形態における水処理システム1Aは、大量の処理水を生成するために設けられた水処理プラントであり、複数の中空糸膜モジュール20を一列または複数列に配置したラックを一つの水処理ユニット(膜濾過装置)2Aとし、複数の水処理ユニット2Aを備えて構成されている。
水処理ユニット2Aは、被処理水である原水を移送し、各中空糸膜モジュール20に分配すると共に、各中空糸膜モジュール20の下部から原水を供給する原水ヘッダ管(原水供給管)3と、各中空糸膜モジュール20の上部から得た処理水を集約して移送する処理水ヘッダ管(処理水合流管)4と、原水が中空糸膜モジュール20で処理されずに濃縮された濃縮水を集約して移送する濃縮水ヘッダ管(濃縮水合流管)5とを備えている。また、原水ヘッダ管3には、薬液を供給する前に原水等の液体を排出するためのドレン管3a及びドレン管開閉弁3bが設けられている。
中空糸膜モジュール20は、複数の中空糸膜21からなる中空糸膜束と、中空糸膜束を収容し、立設された筒状のケーシング22とを備えている。ケーシング22内は(図3参照)、原水を受け入れて濃縮水を排出する側の1次側領域(原水側領域)A1と、中空糸膜21を透過した処理水を排出する側の2次側領域(処理水側領域)A2と、に区分されている。また、中空糸膜モジュール20は、設計上の仕様や用途に応じて内圧式、または外圧式が適用される。
中空糸膜モジュール20は、1次側領域A1に連通して原水を受け入れる原水導入管23を有する。原水導入管23は、ケーシング22の下部に設けられており、原水側TPジョイント6を介して原水ヘッダ管3の枝管3cに接続されている。原水側TPジョイント6は、原水側接続管に相当し、ケーシング22に比べて内径が小さい。また、原水側TPジョイント6は、内部の水位(液体の界面高さ)が目視にて確認できるように透明部を有していと好ましく、透明部は内部が視認できれば足りるので、半透明であってもよい。また、原水側TPジョイント6の全部が透明部であっても良いし、一部が透明部であってもよい。なお、内部を目視にて確認することは出来なくなるが、原水側TPジョイント6を不透明とすることも可能である。
また、中空糸膜モジュール20は、2次側領域A2に連通して処理水を排出する処理水排出管24を有する。処理水排出管24は、ケーシング22の上部に設けられており、処理水側TPジョイント7を介して処理水ヘッダ管4の枝管4aに接続されている。処理水側TPジョイント7は、内部の水位(液体の界面高さ)が目視にて確認できるように透明部を有していると好ましく、透明部は内部が視認できれば足りるので、半透明であってもよい。また、処理水側TPジョイント7の全部が透明部であっても良いし、一部が透明部であってもよい。なお、内部を目視にて確認することは出来なくなるが、処理水側TPジョイント7を不透明とすることも可能である。
また、中空糸膜モジュール20は、1次側領域A1に連通して濃縮水を排出する濃縮水排出管25を有する。濃縮水排出管25は、ケーシング22の上部に設けられており、濃縮水側TPジョイント8を介して濃縮水ヘッダ管5の枝管5aに接続されている。なお、濃縮水とは、逆洗浄時に排出される洗浄排水などである。濃縮水側TPジョイント8は、内部の水位(液体の界面高さ)が目視にて確認できるように透明部を有していると好ましく、透明部は内部が視認できれば足りるので、半透明であってもよい。また、濃縮水側TPジョイント7の全部が透明部であっても良いし、一部が透明部であってもよい。なお、内部を目視にて確認することは出来なくなるが、処理水側TPジョイント7を不透明とすることも可能である。
原水ヘッダ管3は中空糸膜モジュール20の中空糸膜21の下端よりも低い位置に配置されている。また、処理水ヘッダ管4及び濃縮水ヘッダ管5は、中空糸膜モジュール20の中空糸膜21の上端よりも高い位置に配置されている。また、濃縮水ヘッダ管5は処理水ヘッダ管4と同じ高さ、または処理水ヘッダ管4よりも低い位置に配置されている。
原水ヘッダ管3と濃縮水ヘッダ管5とは、バイパス管9で接続されている。本実施形態に係るバイパス管9は、内径に変化が無く、全体にわたって原水ヘッダ管3や濃縮水ヘッダ管5よりも内径が小さい。しかしながら、バイパス管9の内径が場所によって異なり、バイパス管9の内径の少なくとも一部が濃縮水ヘッダ管5の内径よりも小さくすることもできる。バイパス管9には、流路を開閉するバルブ(開閉手段)9aが設けられている。
バイパス管9の少なくとも一部の内径が、濃縮水ヘッダ管5の内径よりも小さいと、例えば、フラッシング時にバイパス管9内に液体が流れ込む流量を抑えることができて好適である。更に、本実施形態では、バルブ9aを設けているので、フラッシング時にバイパス管9内に液体が流れ込むことを確実に防止できて好適である。なお、バイパス管9にバルブ9aなどの開閉手段を設けることなく、代わりに、バイパス管9の濃縮水ヘッダ管5の内径よりも小さい部分の内径を15mm以上、25mm以下とすることもできる。
なお、本実施形態に係るバイパス管9は、水処理ユニット2Aそれぞれに対応して一つ設けているが、一つのバイパス管9を複数の水処理ユニット2Aで共有させることもできる。
また、水処理ユニット2Aは、中空糸膜モジュール20を介して連絡する原水ヘッダ管3と処理水ヘッダ管4との間における液体の界面高さを検出可能な空センサー(検出部)を備えている。具体的には、バイパス管9内の液体の界面を検出するための上部センサー11、及び下部センサー12を備えている。上部センサー11は、バイパス管9内の液体が中空糸膜モジュール20内の中空糸膜21の上端よりも高く、且つ、処理水ヘッダ管4及び濃縮水ヘッダ管5よりも低い所定の位置まで到達した否かを検出可能な水位センサーである。また、下部センサー12は、バイパス管9内の液体の界面が原水側TPジョイント6内に在るか否かを検出可能な水位センサーである。
また、水処理システム1A(図1参照)は、原水を原水ヘッダ管3に移送するための原水ライン31、処理水ヘッダ管4で集約された処理水を移送するための処理水ライン32、及び濃縮水ヘッダ管5で集約された濃縮水を移送するための濃縮水ライン33を備えている。
原水ライン31は、原水を貯留する原水タンク、原水タンクと原水ヘッダ管3とを接続する原水管路31a、原水タンクに貯留された原水を、原水管路31aを介して原水ヘッダ管3に圧送する移送する原水供給ポンプ31b、及び原水管路31aを開閉する各種バルブや各種センサー類を備えている。
濃縮水ライン33は、逆洗浄時に濃縮水を排水するために濃縮水ヘッダ管5と排水管とを接続する濃縮水排水管路33a、及び濃縮水排水管路33aを開閉する各種バルブや各種センサー類を備えている。なお、本実施形態では、全濾過を想定するが、例えば、濃縮水を循環させる構成でもよく、この場合には、濃縮水ヘッダ管5と原水タンクとを接続する循環管路、及び循環管路を開閉する各種バルブや各種センサー類を備える構成とすることもできる。
処理水ライン32は、処理水ヘッダ管4に接続され、中空糸膜モジュール20で得られた処理水を後工程に移送する処理水管路32a、処理水管路32aを開閉する処理水管路開閉弁32bを備えている。処理水管路開閉弁32bは、処理水ヘッダ管4に供給された薬液が処理水管路32aを介して後工程に移送されるのを防ぐ薬液経路閉鎖手段として機能する。
また、水処理システム1Aは、処理水ヘッダ管4に薬液を供給する薬液供給部13を備えている。薬液供給部13は、薬液を貯留する薬液タンク、薬液タンクと処理水ヘッダ管4とを接続し、薬液が通過する薬液管路(薬液ライン)13a、薬液管路13aを開閉する薬液管路弁、及び薬液を処理水ヘッダ管4に圧送する薬液供給ポンプ等を備えている。なお、薬液タンクを処理水ヘッダ管4よりも高い位置に設け、自然流下によって処理水ヘッダ管4に薬液を供給できる場合には薬液供給ポンプを省略することもできる。
薬液供給部13によって供給される薬液としては、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、蓚酸などが用いられる。
また、水処理システム1Aは、中空糸膜モジュール20のケーシング22へ原水を供給する濾過運転、ケーシング22内に残存する原水の排出、及び薬液管路13aを通過してケーシング22内に供給される薬液の供給量を制御する制御部14を備えている。制御部14は、原水供給ポンプ31b、ドレン管開閉弁3b、処理水管路開閉弁32b、上部センサー11、下部センサー12、薬液供給部13の薬液管路弁や薬液供給ポンプに有線または無線にて制御信号を送受信可能に接続されている。制御部14は、CPU,RAM,ROMなどが実装された制御基板やメモリ及び各種制御信号の送受信を行う通信モジュールなどを備えており、制御基板が所定のプログラムに従って動作処理を行うことにより、各種機能を実現する。
次に、水処理システム1Aの運転方法について、通常の濾過運転と中空糸膜モジュール20の薬液洗浄方法とに分けて説明する。通常の濾過運転では、処理水管路開閉弁32bは開いており、ドレン管開閉弁3bは閉じている。制御部14は、中空糸膜モジュール20の中空糸膜21に所定の膜差圧が生じるように原水供給ポンプ31bを駆動制御し、原水を原水ヘッダ管3に供給する。中空糸膜モジュール20の中空糸膜21で処理された処理水は処理水ヘッダ管4で集約され、処理水ライン32を介して後工程に移送される。なお、逆洗時には、濃縮水排水管路33aが開き、濃縮水ヘッダ管5で集約された濃縮水が、濃縮水排水管路33aを介して排出される。
次に、中空糸膜モジュール20の薬液洗浄方法について説明する。薬液洗浄方法を開始すると、制御部14は、薬品洗浄の対象となる水処理ユニット2Aに対して排出工程を実行する。ここで、制御部14は、薬品洗浄の対象となる水処理ユニット2Aの濾過運転を停止し、薬品洗浄の対象となる水処理ユニット2Aに原水が供給されないようにする。
一例として、一つの原水供給ポンプ31bが複数の水処理ユニット2Aの各原水ヘッダ管3に原水を供給しており、複数の水処理ユニット2Aのうち、一部の水処理ユニット2Aのみが薬品洗浄の対象となり、その他の水処理ユニット2Aは薬品洗浄の非対象となる場合を想定する。この場合、薬品洗浄の対象となる水処理ユニット2Aに連絡する原水管路31aのみをバルブで閉じ、また、薬品洗浄の対象となる水処理ユニット2Aに連絡する処理水管路開閉弁32bのみを閉じる。一方で、薬品洗浄の非対象となる水処理ユニット2Aでは濾過運転を停止することなく継続する。この方法によれば、処理水の流量は一時的に減ったとしても、濾過運転が完全に停止してしまう状況を回避できる。なお、複数の水処理ユニット2Aの全てが薬品洗浄の対象となる場合、制御部14は、原水供給ポンプ31bの駆動を停止することもできる。
次に、制御部14は、薬品洗浄の対象となる水処理ユニット2Aにおいてドレン管開閉弁3bを開き、中空糸膜モジュール20内に残存する原水(液体)を排出する排出工程を実行する(図2参照)。原水を排出する際、制御部14は、下部センサー12で検出されるデータを監視しており、原水の水位(界面)が原水側TPジョイント6内となる位置まで低下するとドレン管開閉弁3bを閉じ、原水の排出を止める。
次に、制御部14は、薬液供給部13等を制御して薬液の供給量を制御する界面調整工程を実行する(図3参照)。ここで、制御部14は、処理水ヘッダ管4を介して中空糸膜モジュール20の上部から薬液を供給する。薬液は、処理水ヘッダ管4を介して複数の中空糸膜モジュール20それぞれに供給される。薬液は、中空糸膜モジュール20のケーシング22内で2次側領域A2に進入する。ケーシング22内では、一旦、中空糸膜21が抵抗になり、進入してきた薬液を受け止める。つまり、複数の中空糸膜モジュール20に対し、供給される薬液の到達時間に差があったとして、結局は、中空糸膜モジュール20内で抵抗となる中空糸膜21で均され、中空糸膜モジュール20内に薬液が満たされる時間に実質的な差は無くなる。その結果、薬液が一部の中空糸膜モジュール20を先に満たし、その後、他の空の中空糸膜モジュール20の下部から原水などを逆流させて押し込んでしまう状態を防止できる。
制御部14は、薬液の供給を開始すると、上部センサー11で取得されるデータを監視し、薬液の界面(水位)が、中空糸膜21の上端よりも高く、且つ処理水ヘッダ管4に到達しない位置まで上昇すると薬液の供給を停止する。
上記の界面調整工程が終了すると、制御部14は、所定時間、薬液を中空糸膜モジュール20内で静置させる洗浄工程を実行する。洗浄工程が終了すると、制御部14は、薬液を排出した後に濾過運転を開始する。
以上、本実施形態では、中空糸膜モジュール20内に残存する原水を排出した後で中空糸膜モジュール20内に薬液を供給するので、排出した原水と薬液とが混合して薄まることを防止できる。さらに、薬液は処理水ヘッダ管4を介して供給されるので、薬液が一部の中空糸膜モジュール20を先に満たし、その後、他の空の中空糸膜モジュール20の下部から原水を逆流させて押し込んでしまう状態を防止できる。また、薬液の供給は、中空糸膜モジュール20の中空糸膜21の上端よりも高く、且つ処理水ヘッダ管4に到達しない位置で停止されるので、中空糸膜21を薬液で満たすことができ、更に、中空糸膜21の洗浄目的として少量の薬液を無駄なく使用でき、非常に効率的である。
特に、本実施形態によれば、薬液の注入量、及び中和剤や還元剤の使用量を大幅に削減でき、更に、薬液の貯蔵、薬液洗浄水の調合、または洗浄水排水処理設備のタンク、ポンプ、配管等を小さくでき、設備的にも非常に有利である。また、原水の排水、薬液の供給、リンス等に要する運転時間が短くなり、また、原水ヘッダ管3がSUSからなる場合、薬液(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)との接触を回避でき、腐食を大幅に減らすことができる。
また、濃縮水ヘッダ管5は、中空糸膜モジュール20の中空糸膜21の上端よりも高い位置に配置されており、中空糸膜21を薬液で満たした際に、薬液が濃縮水ヘッダ管5にも到達しないので、薬液量の低減に更に有効である。
また、排出工程において排出される原水の界面は、ケーシング22よりも内径の小さい原水側TPジョイント6内になる。したがって、薬液を供給する際、排出する原水がケーシング22内に残存している場合よりも、原水と薬液との接触面を少なくでき、原水と薬液との比重差による混合を抑止して薬液の使用量を低減できる。
また、本実施形態に係る水処理ユニット2Aは、中空糸膜モジュール20を介して連絡する原水ヘッダ管3と処理水ヘッダ管4との間における液体の界面の高さを検出可能な上部センサー11、及び下部センサー12を備えているので、上記の薬液洗浄方法を効率よく実施できる。特に、本実施形態では、複数の中空糸膜モジュール20に接続された原水ヘッダ管3と濃縮水ヘッダ管5とをバイパス管9で接続しており、そしてバイパス管9内の液体の界面高さを上部センサー11、及び下部センサー12によって検出しているので、薬液洗浄の効率化という観点で優位性が高い。
また、本実施形態に係る上部センサー11は、中空糸膜21の上端よりも上方であり、且つ処理水ヘッダ管4よりも下方である液体の界面高さを検出可能である。その結果、薬液を中空糸膜モジュール20内に供給する場合に、中空糸膜21が薬液に完全に浸った状態を検出でき、過度の薬液の供給を防いで、薬液洗浄を効率よく行うことができる。
また、本実施形態に係る下部センサー12は、原水側TPジョイント6内の液体の界面を検出可能である。その結果、ケーシング22内に残存する原水を排出する際、排出する原水の界面が原水側TPジョイント6内となる状態を確実に検出でき、その後、薬液を供給する際に原水と薬液との接触面を少なくでき、原水と薬液との比重差による混合を抑止して薬液の使用量を低減できる。
次に、図4を参照して第2実施形態に係る水処理システム1B、及び薬液洗浄方法について説明する。なお、第2実施形態に係る水処理システム1Bでは、第1実施形態に係る水処理システム1Aと同様の要素や構造を備えているため、実質的に同様の要素や構造には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る水処理システム1Bは、複数の中空糸膜モジュール20を一列または複数列に配置したラックを一つの水処理ユニット(膜濾過装置)2Bとし、複数の水処理ユニット2Bを備えて構成されている。
本実施形態に係る水処理ユニット2Bでは、原水ヘッダ管(原水供給管)3と濃縮水ヘッダ管(濃縮水合流管)5とを接続するバイパス管は設けられていない。一方で、原水側TPジョイント(原水側接続管)16には、原水側TPジョイント16内の液体の界面を検出可能な下部センサー15が設けられており、処理水側TPジョイント(処理水側接続管)17には、処理水側TPジョイント17内の液体の界面を検出可能な上部センサー19が設けられている。
上部センサー19、及び下部センサー15は、中空糸膜モジュール20を介して連絡する原水ヘッダ管3と処理水ヘッダ管4との間における液体の界面の高さを検出可能な検出部であり、上部センサー19は、液体の界面が中空糸膜21の上端よりも高く、且つ、処理水ヘッダ管4よりも低い所定の位置まで到達した否かを検出可能な水位センサーである。また、下部センサー15は、液体の界面が原水側TPジョイント16内に在るか否かを検出可能な水位センサーである。
なお、原水側TPジョイント16、処理水側TPジョイント17、及び濃縮水側TPジョイント18は、内部の水位(液体の界面高さ)が目視にて確認できるように透明部を有している。
本実施形態における水処理システムでは、実質的に第1実施形態に係る中空糸膜モジュールの薬液洗浄方法と同一の処理が実行される。ただし、本実施形態に係る制御部14は、排出工程及び界面調整工程において、上部センサー19及び下部センサー15で取得されたデータを監視している。
[実施例1]
実施例1に係る水処理システムは、68本の中空糸膜モジュールを備えたラック(膜濾過装置)を6ユニット備えている。中空糸膜モジュールのケーシングの内径は、146mmであり、原水側TPジョイントの内径は50mmである。1本の中空糸膜モジュール内に収容される液量は0.03m3であり、従って、68本の中空糸膜モジュールを備えた1ユニットのラックでは約2.0m3であり、6ユニットのラックの総液量は12.2m3であった。また、本実施例に係る水処理システムは、液体の界面が原水側TPジョイント内に存在するか否かを検出可能な空センサー(下部センサー)、及び、液体の界面が処理水側TPジョイント内に存在するか否かを検出可能な空センサー(上部センサー)を備えている。また、本実施例に係る洗浄用の薬液として、900ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用した。
実施例1に係る水処理システムは、68本の中空糸膜モジュールを備えたラック(膜濾過装置)を6ユニット備えている。中空糸膜モジュールのケーシングの内径は、146mmであり、原水側TPジョイントの内径は50mmである。1本の中空糸膜モジュール内に収容される液量は0.03m3であり、従って、68本の中空糸膜モジュールを備えた1ユニットのラックでは約2.0m3であり、6ユニットのラックの総液量は12.2m3であった。また、本実施例に係る水処理システムは、液体の界面が原水側TPジョイント内に存在するか否かを検出可能な空センサー(下部センサー)、及び、液体の界面が処理水側TPジョイント内に存在するか否かを検出可能な空センサー(上部センサー)を備えている。また、本実施例に係る洗浄用の薬液として、900ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用した。
本実施例に係る薬液洗浄方法では、まず、通常の濾過運転を停止し、原水の排水工程を実行した。原水の排水工程では、68本全ての中空糸膜モジュール内の原水を排出し、更に、原水の界面が原水側TPジョイント内となるように調整した。原水側TPジョイントは透明な部材からなり、原水の界面については目視にても確認した。
次に薬液の界面調整工程を実行した。薬液の界面調整工程では、中空糸膜モジュール内に薬液を供給し、薬液の界面が処理水側TPジョイント内となるように調整した。処理水側TPジョイントは透明な部材からなり、薬液の界面については目視にても確認した。
次に、洗浄工程を実行した。洗浄工程では、所定時間、薬液を中空糸膜モジュール内で静置させて中空糸膜の浸漬洗浄を実行し、その後、洗浄水排水処理を実行した。
[実施例2]
実施例2に係る水処理システムは、実施例1と共通の仕様を備えている。実施例2に係る薬液洗浄方法では、中空糸膜の浸漬洗浄を基本としつつ、排水工程では原水側ヘッダ管まで含めて完全に空とし、その後、薬液を中空糸膜モジュール内に供給した。
実施例2に係る水処理システムは、実施例1と共通の仕様を備えている。実施例2に係る薬液洗浄方法では、中空糸膜の浸漬洗浄を基本としつつ、排水工程では原水側ヘッダ管まで含めて完全に空とし、その後、薬液を中空糸膜モジュール内に供給した。
[比較例1]
比較例1に係る水処理システムは、上部と下部の空センサーを除いて、実施例1と共通の仕様を備えている。そして、比較例1に係る薬液洗浄方法では、原水の循環経路の全てにおいて薬液を流すような循環洗浄を実施した。
比較例1に係る水処理システムは、上部と下部の空センサーを除いて、実施例1と共通の仕様を備えている。そして、比較例1に係る薬液洗浄方法では、原水の循環経路の全てにおいて薬液を流すような循環洗浄を実施した。
[総括]
比較例1に係る薬液洗浄方法では、要した薬液量は28.3m3であった。一方で、実施例1に係る薬液洗浄方法では、要した薬液量は12.23m3であり、実施例2に係る薬液洗浄方法では、要した薬液量は18.0m3であった。つまり、実施例1,2に係る薬液洗浄方法では、両方とも、比較例に比べ、薬液の削減効果が高いことが確認できた。更に、実施例1は、実施例2に比べ、薬液の削減効果が高いことが確認できた。
比較例1に係る薬液洗浄方法では、要した薬液量は28.3m3であった。一方で、実施例1に係る薬液洗浄方法では、要した薬液量は12.23m3であり、実施例2に係る薬液洗浄方法では、要した薬液量は18.0m3であった。つまり、実施例1,2に係る薬液洗浄方法では、両方とも、比較例に比べ、薬液の削減効果が高いことが確認できた。更に、実施例1は、実施例2に比べ、薬液の削減効果が高いことが確認できた。
1A,1B…水処理システム、3…原水ヘッダ管(原水供給管)、4…処理水ヘッダ管(処理水合流管)、5…濃縮水ヘッダ管(濃縮水合流管)、6,16…原水側TPジョイント(原水側接続管)、9…バイパス管、9a…バルブ(開閉手段)、11,19…上部センサー(検出部)、12,15…下部センサー(検出部)、13a…薬液管路(薬液ライン)、14…制御部、20…中空糸膜モジュール、21…中空糸膜、22…ケーシング。
Claims (13)
- 複数の中空糸膜モジュールそれぞれの下部から原水を供給し、前記各中空糸膜モジュールの上部から得られた処理水を処理水合流管で集約して移送すると共に、前記原水が前記中空糸膜モジュールで処理されずに濃縮された濃縮水を濃縮水合流管で集約して移送する水処理システムにおける前記中空糸膜モジュールの薬液洗浄方法であって、
前記複数の中空糸膜モジュールの少なくとも一部の濾過運転を停止して前記中空糸膜モジュール内に残存する液体を排出する排出工程と、
前記排出工程の後で、前記処理水合流管を介して前記中空糸膜モジュールの上部から薬液を供給し、前記薬液の界面が前記中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高く、且つ前記処理水合流管に到達しない位置で前記薬液の供給を停止する界面調整工程と、
前記界面調整工程の後で、前記薬液を静置する洗浄工程と、を備える薬液洗浄方法。 - 前記濃縮水合流管は、前記中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高い位置に配置されている、請求項1記載の薬液洗浄方法。
- 前記中空糸膜モジュールは、前記中空糸膜を収容するケーシングと、前記ケーシングの下部と原水供給管とを接続すると共に、前記ケーシングよりも内径の小さい原水側接続管とを備え、
前記排出工程では、前記中空糸膜モジュール内に残存する液体の界面が前記原水側接続管内となる位置で前記液体の排出を止める、請求項1または2記載の薬液洗浄方法。 - 立設された筒状のケーシング内に中空糸膜が収容された複数の中空糸膜モジュールを備え、前記ケーシングの下部から原水が供給され、前記中空糸膜によって前記原水が処理されて前記ケーシングの上部から得られた処理水を処理水合流管で集約して移送すると共に、前記原水が前記中空糸膜モジュールで処理されずに濃縮された濃縮水を濃縮水合流管で集約して移送する水処理システムであって、
前記処理水合流管に接続され、薬液が通過する薬液ラインと、
前記ケーシングへ前記原水を供給する濾過運転、前記ケーシング内に残存する液体の排出、及び前記薬液ラインを通過して前記ケーシング内に供給される薬液の供給量を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数の中空糸膜モジュールの少なくとも一部の濾過運転を停止して前記中空糸膜モジュール内に残存する液体を排出し、前記液体を排出した後で前記ケーシング内に前記薬液を供給し、前記薬液の界面が前記中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高く、且つ前記処理水合流管に到達しない位置で前記薬液の供給を停止する、水処理システム。 - 前記濃縮水合流管は、前記中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高い位置に配置されている、請求項4記載の水処理システム。
- 前記原水が通過する原水供給管と、前記ケーシングの下部と前記原水供給管とを接続すると共に、前記ケーシングよりも内径の小さい原水側接続管とを備え、
前記制御部は、前記中空糸膜モジュール内に残存する液体の水位が前記原水側接続管内となる位置で前記液体の排出を止める、請求項4または5記載の水処理システム。 - 立設された筒状のケーシング内に中空糸膜が収容された複数の中空糸膜モジュールを備え、前記ケーシングの下部から原水が供給され、前記ケーシングの上部から処理水が排出される膜濾過装置であって、
前記中空糸膜モジュールよりも下方に配置されると共に前記原水が通過する原水供給管と、
前記処理水が集約されると共に、前記中空糸膜モジュールに供給される薬液が通過する処理水合流管と、
前記ケーシング内で前記原水が前記中空糸膜を透過することなく濃縮され、且つ前記ケーシングから排出された濃縮水が集約される濃縮水合流管と、
前記中空糸膜モジュールを介して連絡する前記原水供給管と前記処理水合流管との間における液体の界面の高さを検出可能な検出部と、を備えた膜濾過装置。 - 前記濃縮水合流管は、前記中空糸膜モジュールの中空糸膜の上端よりも高い位置であり、且つ、前記処理水合流管と同じ、または低い位置に配置されており、
前記原水供給管と前記濃縮水合流管とを接続するバイパス管を更に備え、
前記検出部は、前記バイパス管内の液体の界面の高さを検出する、請求項7記載の膜濾過装置。 - 前記検出部は、前記中空糸膜の上端よりも上方であり、且つ前記処理水合流管よりも下方である液体の界面を検出可能な上部センサーを有する請求項8記載の膜濾過装置。
- 前記原水供給管と前記ケーシングの下部とを接続すると共に、前記ケーシングよりも内径の小さい原水側接続管を更に備え、
前記検出部は、前記原水側接続管内の液体の界面を検出可能な下部センサーを有する、請求項8または9記載の膜濾過装置。 - 前記バイパス管の少なくとも一部の内径は、前記濃縮水合流管の内径よりも小さい、請求項8〜10のいずれか一項記載の膜濾過装置。
- 前記バイパス管には、開閉手段が設けられている請求項11記載の膜濾過装置。
- 前記バイパス管には開閉手段は設けられておらず、前記バイパス管の前記濃縮水合流管よりも内径が小さい部分の内径は、15mm以上、25mm以下である、請求項11記載の膜濾過装置。
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JP2014078953A JP2015199024A (ja) | 2014-04-07 | 2014-04-07 | 薬液洗浄方法、水処理システム、及び膜濾過装置 |
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CN109925885A (zh) * | 2019-04-16 | 2019-06-25 | 江苏金塔药业有限公司 | 过滤装置 |
WO2019202775A1 (ja) * | 2018-04-19 | 2019-10-24 | 住友電気工業株式会社 | 濾過モジュールの洗浄方法及び濾過装置 |
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2014
- 2014-04-07 JP JP2014078953A patent/JP2015199024A/ja active Pending
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