JP3737687B2 - 給水の脱酸素装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばボイラ給水中の溶存酸素に起因するボイラ水管或いはヘッダ等の腐食を防止するために給水中の溶存酸素濃度を低減する給水の脱酸素装置に関するものである。詳しくは、水位を所定範囲内に維持しながら原水を受け入れる原水受入機構を備える給水槽と、前記給水槽に受け入れた原水を供給する原水供給管路で前記給水槽に接続され、前記原水を脱酸素処理した後の脱気水を給水利用箇所に供給する給水管路に接続してある脱気槽とを備え、前記原水供給管路に、前記原水に溶存酸素抽出ガスを供給して混合する酸素抽出ガス混合機構を設けて、前記溶存酸素抽出ガスを混合した原水を前記脱気槽で気液分離し、前記原水中の溶存酸素を低減する給水の脱酸素装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記従来の給水の脱酸素装置においては、例えば図3に示すように、給水槽3と脱気槽4とが別体に設けられ、前記給水槽3には、水位を所定範囲内に維持しながら原水Wcを受け入れる原水受入機構10を設け、前記脱気槽4は、前記給水槽3に受け入れた原水Wcを供給する原水供給管路5で前記給水槽3に接続されている。前記脱気槽4には、前記原水Wcを脱酸素処理した後の脱気水Wdを給水として給水利用箇所に供給する給水管路7を接続してある。そして、前記脱気槽4には、前記原水供給管路5から供給される原水Wc中に溶存酸素抽出ガスGとして例えば高純度の窒素ガスをバブリング供給して、浮上する気泡と水との界面を介して原水Wc中の溶存酸素を前記気泡内に抽出するように構成してあった。前記給水槽3の水面上方の空間は、通常大気と連通してあり、前記脱気槽4の水面上方の空間には、シールガスとして窒素ガス等の不活性ガスを供給するようにしてある。
【0003】
前記給水管路7は、ボイラ15へのボイラ給水管路16に接続してあり、前記ボイラ15で生成した蒸気は蒸気発電設備の蒸気タービン20に供給され、前記蒸気タービン20で使用済みの廃蒸気は復水器21で水に戻されて前記給水槽3に還流される。尚、小型のボイラである場合には、前記ボイラ15で生成した蒸気は、蒸気使用箇所に使い捨て蒸気として供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の給水の脱酸素装置の構成においては、溶存酸素抽出ガスの原水中における滞留時間が短ければ、溶存酸素の抽出能力が低くなるから、脱気槽において原水中を浮上する前記溶存酸素抽出ガスの浮上距離を或る程度以上に維持しなければ、所望の酸素濃度まで残存酸素濃度(脱酸素処理後の溶存酸素濃度)を低下させた脱気水を得られないために、前記脱気槽が大きいものとならざるを得ないという問題を有している。従って、これを補うために、脱気槽を大きくしたり、塩酸ヒドラジン等の薬剤を給水に添加して、給水中の溶存酸素に起因する腐食を抑制することが行われる。
【0005】
こうした給水の脱酸素装置が大型化すること、或いは、薬剤の添加を必要とすることは、例えば小型のボイラに脱酸素水を供給する設備等においては大きなデメリットとなる。つまり、小型のボイラは、小型且つ簡単な構成であって、しかもメンテナンスの手間を要しないことが望まれるのである。また、脱気槽を減圧して、減圧下で原水を脱酸素することも行われているが、これも装置の複雑化を招き、小型化と簡素化の要請には適合しない。この他、疎水性分離膜を用いて原水から酸素を分離して除去することも行われるが、膜材の耐性に問題があり、使用温度や薬剤の使用に制限がある。
【0006】
ところで、洗浄水として用いられる高純度水、飲料や食品の原料水、醸造用水等においては、薬剤の添加は忌避され、しかも、溶存酸素濃度の低いことも要求される。こうした用途に適応する脱酸素装置として、タンクに原液を供給する管路に、前記原液中に不活性ガスを供給して加圧下で混合する不活性ガス混合機構を設けて、前記不活性ガスを混合した原液を前記タンク内で減圧して気液分離し、前記原水中の溶存酸素を低減することが提案されている(例えば特開2000−107512号参照)。この提案においては、前記タンク内には、不活性ガスが所定の圧力に維持されながら、パージガスとして供給され、前記不活性ガス混合機構で原液に混合された不活性ガスと共に抽出した酸素を伴って、前記タンクの外部に放出される構成とされる。しかし、上記提案による脱酸素装置では、不活性ガスとして高純度窒素を用いて、不活性ガス混合機構での圧力を400kPa以上で、且つ、窒素ガス供給量を原水に対してほぼ同容積以上混合してはじめて残存酸素ガス濃度が約0.5ppmにまで低減できるとされており、上記要請に適うものではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、小型且つ簡素な機構でありながら、容易且つ簡単に脱酸素できて、設置容易な給水の脱酸素装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔本発明の特徴構成〕
本発明に係る給水の脱酸素装置は、水位を所定範囲内に維持しながら原水を受け入れる原水受入機構を備える給水槽と、前記給水槽に受け入れた原水を供給する原水供給管路で前記給水槽に接続され、前記原水を脱酸素処理した後の脱気水を給水利用箇所に供給する給水管路に接続してある脱気槽とを備え、前記原水供給管路に、前記原水に溶存酸素抽出ガスを供給して混合する酸素抽出ガス混合機構を設けて、前記溶存酸素抽出ガスを混合した原水を前記脱気槽で気液分離し、前記原水中の溶存酸素を低減する給水の脱酸素装置において、給水槽と脱気槽とを一体に形成した点に特徴を有するものであり、夫々に以下のような特徴を備えるものである。
【0010】
本発明に係る給水の脱酸素装置の第1特徴構成は、請求項1に記載のごとく、閉鎖空間を形成する水槽の内部を二分割する区画壁を設けて、その区画壁で分割された一方の空間で給水槽を形成すると共に、他方の空間で脱気槽を形成して、前記区画壁と前記水槽の天井との間の空間を、前記脱気槽の上方に形成される気相空間と前記給水槽の上方に形成される気相空間とを連通する連通空間に形成してある点にある。
【0011】
本発明に係る給水の脱酸素装置の第2特徴構成は、請求項2に記載のごとく、上記第1特徴構成における原水受入機構を、受け入れる原水を給水槽内の水面に向けて噴射するように構成してある点にある。
【0012】
本発明に係る給水の脱酸素装置の第3特徴構成は、請求項3に記載のごとく、上記第1特徴構成又は第2特徴構成において、脱気槽に溶存酸素抽出ガスを供給可能なシールガス供給路を接続して、酸素抽出ガス混合機構への溶存酸素抽出ガスの供給量が所定量以下になった時に、前記シールガス供給路から前記溶存酸素抽出ガスを供給するように構成してある点にある。
【0013】
本発明に係る給水の脱酸素装置の第4特徴構成は、請求項4に記載のごとく、閉鎖空間を形成する水槽の内部を二分割する区画壁を設けて、その区画壁で分割された一方の空間で給水槽を形成すると共に、他方の空間で脱気槽を形成して、前記区画壁に、脱気槽と給水槽との両者の水位下の位置に、前記脱気槽内の脱気水を前記給水槽に向かう一方向に、所定の条件下で通流する通水管路を設けてある点にある。
【0014】
本発明に係る給水の脱酸素装置の第5特徴構成は、請求項5に記載のごとく、上記第1〜第4の何れかの特徴構成に構成された脱酸素装置が、ボイラに併設され、給水管路がボイラ給水管路として設けられていると共に、酸素抽出ガス混合機構に溶存酸素抽出ガスを供給する酸素抽出ガス供給装置を、圧力変動吸着分離法により空気中の窒素を分離して供給する窒素PSA装置で構成して、前記窒素PSA装置の窒素を分離した後に排気を排出する排気路を、前記ボイラへの燃焼用空気供給路に接続してある点にある。
【0015】
本発明に係る給水の脱酸素装置の第6特徴構成は、請求項6に記載のごとく、上記第1〜第6の何れかの特徴構成における給水槽に、原水を加温可能な加温機構を設けると共に、その水温を検出する温度センサを設けて、前記加温機構に、前記温度センサで検出する水温を30〜90℃の温度範囲内に調節可能な温度調節機構を設けてある点にある。
【0016】
〔特徴構成の作用及び効果〕
上記本発明に係る給水の脱酸素装置によれば、給水槽と脱気槽とを一体に形成してあるから、構造が簡単になる他、夫々に、以下のような独特の作用効果を奏する。
【0017】
上記本発明に係る給水の脱酸素装置の第1特徴構成によれば、製作及び設置が容易であり、且つ、十分に溶存酸素を低減できるようになる。つまり、給水槽と脱気槽とを閉鎖空間を形成する一つの水槽として形成したから、組立のための溶接長を短縮でき、溶接施工等の製造のための工数を低減できる。また、前記水槽に区画壁を設けて、前記給水槽と前記脱気槽とを形成してあるから、設置の際にこれらを接続する配管を予め組み付けておくことができて、配管工事を別途施工する必要が無く、設置が簡単になる。また、前記区画壁と前記水槽の天井との間に空間を設けて、前記給水槽の水面上の気相空間と前記脱気槽の水面上の気相空間とを連通するように構成してあるから、前記給水槽にシールガスを導入する槽外配管を設けなくても、前記脱気槽に供給される原水に混入して送り込まれ、原水を脱酸素処理した後の溶存酸素抽出ガスが前記脱気槽の水面上を覆うようになると同時に、前記給水槽の水面上にも送り込まれ、これを覆うようになる。従って、給水槽にも溶存酸素抽出ガスが供給されるから、一時給水槽に貯留される原水に空気中の酸素が飽和に近付くまで溶け込むということを防止でき、さらに、水面上を溶存酸素抽出ガスがシールガスとして覆うことにより、給水槽においても脱酸素処理が可能になる。
【0018】
上記本発明に係る給水の脱酸素装置の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果を奏する中で、殊に、給水槽においても原水に脱酸素処理を施すことが可能になる。つまり、原水受入機構から受け入れる原水を給水槽内の水面に噴射することで、その水面を覆う溶存酸素抽出ガスが原水中に巻き込まれて原水を曝気処理できるようになる。この曝気処理により、前記給水槽内の原水中の溶存酸素が溶存酸素抽出ガス中に移行するから、前記給水槽内においても前記原水から溶存酸素を抽出する脱酸素処理が可能になるのである。
【0019】
上記本発明に係る給水の脱酸素装置の第3特徴構成によれば、上記第1特徴構成又は第2特徴構成の作用効果を奏しながら、原水中に混入した溶存酸素抽出ガスの脱気槽への供給量が不足した場合にも、給水槽及び脱気槽の中に貯留する水への酸素の再溶解を防止できる。つまり、酸素抽出ガス混合機構への溶存酸素抽出ガスの供給量が不足し、或いは給水管路を経ての脱気槽からの脱気水の供給量が増加して、前記脱気槽の水面が低下した場合や、前記原水供給管路を経ての原水の供給量が減少して、この供給量に応じて原水中に供給される溶存酸素抽出ガスの脱気槽への供給量が減少し、または前記脱気槽への原水の供給が停止されて、原水と共に前記脱気槽に供給される溶存酸素抽出ガスの供給が停止された場合等のように、前記給水槽内或いは脱気槽内の水位が低下するために、前記給水槽及び脱気槽を一体に形成した水槽の上部に形成される気相空間内に外気が洩れ込んで、両水面が酸素含有雰囲気に曝され、酸素が再溶解するおそれがあるが、これは、前記酸素抽出ガス混合機構への溶存酸素抽出ガスの供給量が所定量に満たないときに相当するから、シールガス供給路から溶存酸素抽出ガスが前記脱気槽に供給され、前記脱気槽内に外気が洩れ込むことを防止でき、前記給水槽の水面上も覆うようになるから、常に槽内の気相空間内で酸素分圧が高くなることを回避できるのである。即ち、前記所定量とは、一定の量ではなく、前記気相空間内に外気が洩れ込むのを防止するのに必要な溶存酸素抽出ガスの供給量を指すのである。
【0020】
上記本発明に係る給水の脱酸素装置の第4特徴構成によれば、構造を簡単にして製造コストを低減しながら、酸素抽出ガス混合機構を備える脱酸素機構をさらに効率的にする。つまり、給水槽と脱気槽とを、一体に形成した水槽に設けて、前記水槽内を前記給水槽と前記脱気槽とに分割した区画壁に通水管路を設けた構成により、脱気水を原水に還流可能な構成となるが、そのための別途の槽外配管を必要としない。従って、溶接施工コスト及び配管コストを低減できると同時に、槽外配管がない一体構成であるから、前記通水管路を有しておりながら、その設置が極めて容易になる。また、前記通水管路から、所定の条件下で脱気水が原水中に流入するように構成したことで、前記給水槽内の原水中の溶存酸素は希釈され、原水供給管路に送り込まれる原水中の溶存酸素濃度は、常に原水受入機構から受け入れられる原水の溶存酸素濃度以下に維持される。従って、一般に脱気装置の脱酸素処理可能量は、ボイラ付設のものであれば、ボイラの最大蒸発量を基準に設定されるが、常用時のボイラの蒸発量は、前記最大蒸発量の1/3〜1/2であるから、前記原水供給管路の設けられる酸素抽出ガス混合機構は余剰の能力を有しているのである。従って、前記酸素抽出ガス混合機構の能力に合わせて原水を循環すれば、常用時には、前記通水管路から脱気水が給水槽に還流されることになる。その結果、前記給水槽内の原水中の溶存酸素を常に希釈しておくことが可能になり、前記脱気槽における脱気水中の残存酸素濃度(脱酸素処理後の溶存酸素濃度)を一層低く維持できるようになる。
【0021】
上述の通り、前記給水槽が前記脱気槽と前記区画壁で分割されただけで一体に形成した水槽内に形成されたものであるから、前記通水管路は前記区画壁を貫通するだけでよいから、前記給水槽に前記脱気槽から前記脱気水を還流するための配管は必要としない簡単な構造で上記の効果をもたらすのである。ここに、所定の条件下とは、上記の通り、通常は、前記酸素抽出ガス混合機構を介しての原水供給量に余剰のある時を指す。この他、前記脱気槽の水位が前記給水槽の水位より所定高さ以上に高くなった場合にも前記通水管路は前記脱気水を前記貯水槽に向けて通流させる。
【0022】
上記本発明に係る給水の脱酸素装置の第5特徴構成によれば、上記第1〜第4の何れかの特徴構成の作用効果を奏しながら、これをボイラに併設した場合に、酸素抽出ガス供給装置を効率的に運用でき、同時に、ボイラの効率も向上できる。つまり、窒素PAS装置は、空気中の窒素を99〜99.99%の純度で分離するものであるから、窒素を採取した後の排ガスは酸素の比率が例えば27%程度にまで高くなっている。従って、これをボイラの燃焼用空気供給路に供給すれば、酸素富化空気を供給することになり、燃焼器における燃焼温度を高めることが可能になる。その結果、設置が容易で、且つ取り扱いやすい設備でボイラの防食を図りながら、ボイラの効率を高めることも可能になる。
【0023】
上記本発明に係る給水の脱酸素装置の第6特徴構成によれば、上記第1〜第5の何れかの特徴構成の作用効果を奏する中で、ランニングコストを低減できるようになる。つまり、給水槽内の原水を30〜90℃の温度範囲内で、設定温度に維持して原水を酸素抽出ガス混合機構に供給すれば、上記温度範囲に原水の温度を維持することで酸素等ガスの溶解度が低下するから、気泡中の溶存酸素抽出ガスにおける酸素の平衡分圧が上昇し、攪拌混合された溶存酸素抽出ガスの気泡中に溶存酸素が逸出し易くなる。従って、溶存酸素抽出ガスの純度を低くしても、或いは、前記溶存酸素抽出ガスの供給量を幾分少なくしても、脱気水中の残存酸素濃度(脱酸素処理後の溶存酸素濃度)を低く維持することが可能になる。因みに、上記の加温温度範囲は、温排水によっても加温できる程度の温度であり、ボイラに併設した場合には、その廃蒸気によって加温することができ、廃熱により脱気効率を向上できるのである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る給水の脱酸素装置に関する実施の形態の一例ついて図面を参照しながら説明する。尚、先に従来の技術の項で説明に使用した図3と同一の機能若しくは同様の機能を有する要素には、先に図3に付した符号と同一若しくは関連する符号を付して、重複する説明の一部は省略する。
【0025】
本発明に係る給水の脱酸素装置においては、例えば図1に示すように、給水槽3と、脱気槽4とは一体に形成する。つまり、一つの閉鎖空間を形成する水槽1の内部を横方向に二分割する区画壁2を設け、その区画壁2で分割された一方の空間で前記給水槽3を形成し、他方の空間で前記脱気槽4を形成する。前記給水槽3には、所定水位下の範囲で原水Wcを受け入れるボールタップ弁からなる原水受入機構10を設ける。前記原水受入機構10であるボールタップ弁の出口開口には、受け入れる原水Wcを前記給水槽3内の水面に向けて噴射する給水ノズル10aを付設する。前記脱気槽4には、前記原水Wcに対して脱酸素処理を施した後の脱気水Wdを給水利用箇所に供給する給水管路7を接続する。そして、前記給水槽3と前記脱気槽4とは、前記給水槽3に受け入れた原水Wcを供給する原水供給管路5で接続し、前記原水供給管路5の排出端部5aは、前記脱気槽4の水面下で底部近傍に下方に向けて開口させる。
【0026】
前記原水供給管路5には、前記原水Wc中に溶存酸素抽出ガスGを供給して混合する酸素抽出ガス混合機構8を設け、その酸素抽出ガス混合機構8に前記溶存酸素抽出ガスGを供給する酸素抽出ガス供給装置9として、圧力変動吸着分離法により空気中の窒素を分離して供給する窒素PSA装置9Aを設け、前記溶存酸素抽出ガスGとして、空気から分離した純度を約99.5%に調整した窒素ガスを供給する。前記原水供給管路5を通流する過程で、前記酸素抽出ガス混合機構8で攪拌混合された前記溶存酸素抽出ガスGが微細気泡となり、前記原水Wc中の溶存酸素をその微細気泡中に抽出する。つまり、前記脱気槽4内の脱気水Wd中には、前記原水Wc中の溶存酸素を抽出して含む溶存酸素抽出ガスGの気泡を混合した脱気水Wdとして送り込まれる。こうして、前記溶存酸素抽出ガスGを原水Wc中に混合し、溶存酸素を前記溶存酸素抽出ガスGの気泡中に抽出して、脱気水Wdを生成し、前記脱気水Wdに同伴する気泡を前記脱気槽4で前記脱気水Wdから気液分離し、前記脱気水Wdを前記給水管路7から供給するのである。前記気泡は、前記原水供給管路5の排出端部5aを出たところから前記脱気水Wd の水面に向けて浮上し、前記脱気水Wd中から離脱するようになる。その結果、脱気水Wd中の残存酸素濃度(脱酸素処理後の溶存酸素濃度)は、少なくとも1ppm以下に低減されるのである。
【0027】
前記酸素抽出ガス混合機構8は、前記原水供給管路5に介装され、供給ポンプ5bにより供給される原水Wc中に前記溶存酸素抽出ガスGを供給する抽出ガス供給部8aと、前記原水Wcを前記溶存酸素抽出ガスGと共に攪拌混合して、前記溶存酸素抽出ガスGの微細気泡を形成する攪拌混合部8bと、その攪拌混合部8bの出口下流側の前記原水供給管路5に設けた混合圧力調節弁8cとで構成したものである。前記溶存酸素抽出ガスGは、前記窒素PSA装置9Aからの窒素ガスの供給路に備える流量調節弁9bを開度調節して、前記原水供給管路5に設けられた流量計5cで検出する原水供給量に対して所定の流量となるようにその供給量が調整される。前記攪拌混合部8bは、図示の例においては、本体を形成する直管と、その直管内に帯板をその直管の軸芯周りに捻って形成した旋回羽根とからなり、その旋回羽根を前記直管内に固定したスタティックミキサで構成してある。前記抽出ガス供給部8aは、そのスタティックミキサの軸芯に沿って前記原水供給管路5内に挿入され、前記旋回羽根の直近に先端開口を有する溶存酸素抽出ガス供給ノズルを備えている。この溶存酸素抽出ガス供給ノズルへは、前記窒素PSA装置9Aからの窒素ガスGが供給される。この窒素ガスGは、前記原水供給管路5に備える前記流量計5cで検出する原水Wcの流量に対して容積比(標準状態)で0.2〜1の範囲で設定された供給比率となるように、供給量が調節される。また、前記混合圧力調節弁8cは、前記スタティックミキサの出口下流側に設けてあり、前記供給ポンプ5bの吐出圧力以下の範囲内で、前記酸素抽出ガス混合機構8における水圧を調整する。その圧力調節範囲は、196〜981kPa(1〜10kgf/cm2 )である。前記溶存酸素ガス供給ノズルの先端開口の位置は、前記本体を形成する直管の軸芯に合わせ、前記旋回羽根の入口側端部に近く配置されていることが望ましい。
【0028】
前記区画壁2の上縁部と前記水槽1の蓋Lで形成される天井1aとの間の空間で、前記脱気槽4の上方に形成される気相空間と前記給水槽3の上方に形成される気相空間とを連通する連通空間18を形成する。さらに、前記区画壁2には、前記脱気槽4と前記給水槽3との両者の水位下の位置に、前記脱気槽4内の脱気水Wdを前記給水槽3に向かう一方向に、所定の条件下で通流する通水管路6を設ける。前記蓋Lは、前記水槽1の側壁の上縁部の上に載置する。前記所定の条件の一つは、前記脱気槽4の水位と前記給水槽3の水位との差を基準とするものであり、前記所定の条件下で前記通水管路6を一方向に開閉するために、前記通水管路6は湾曲させて前記脱気槽4の側で下方に向かわせ、その上下方向に向かう部分に、その上下の差圧で受動的に開閉する逆止弁6aを設ける。この逆止弁6aは、例えば、その弁体を1以上の適宜の嵩比重を備えるように構成して、前記通水管路6の下方に向かわせて湾曲させた縦管部に弁座を設け、その弁座の上側に前記弁体を着座させておく構造が採用可能である。このような構成により、前記脱気槽4における水頭と前記給水槽3における水頭との差により前記弁体を押し上げることで開弁させることができる。この構造であれば、前記水頭の差が小さければ、前記弁体の重量により、閉弁するようになるから、前記給水槽3内の原水Wcが前記脱気槽4内に流れ込むことを防止できる。
【0029】
前記給水槽3の上方の気相空間と前記脱気槽4の上方空間とを前記連通空間18を介して連通させ、前記給水槽3の水面下と前記脱気槽4の水面下とも前記通水管路6により所定の条件下で連通させるように構成する。例えば、図2に示すように、この脱酸素装置を簡易ボイラ或いは小型ボイラ等のボイラ15に付設した場合には、例えばボイラ15の蒸気発生量が1ton/h の場合、常用時の蒸気量は300kg/h程度である。従って、常用時は概ね300〜500kg/h程度の脱気水Wdが、給水管路7から前記ボイラ15に供給される。そこで、前記ボイラ15の能力に合わせて前記原水供給管路5を介して前記給水槽3から前記酸素抽出ガス混合機構8に1ton/h の原水Wcを定量供給しておれば、500〜700kg/hの脱気水Wdが余分に前記脱気槽4に供給されることになる。そこで、その余剰の脱気水Wdが前記給水槽3に還流できる。こうして、脱気水Wd内の約半量乃至2/3を循環することで、給水槽3内に一時貯留される原水Wc中の溶存酸素を希釈でき、その後の脱酸素処理によってさらに溶存酸素濃度を低減して、従来の脱酸素装置に比して脱気水中の溶存酸素濃度を遙かに低く維持できるのである。
【0030】
一方、前記ボールタップ弁に付設された給水ノズル10aから噴出する原水Wcは、前記水面に吹き付けられ、前記水面を覆う気体を巻き込んで前記原水Wcの水面下に貫入する。そこで、巻き込まれた気体は気泡となって前記水面下の原水Wc中を浮上するようになる。この浮上する気泡を形成する気体は、前記脱気槽4内で脱気水Wd中から離脱した、即ち、原水Wcから抽出した酸素を含む溶存酸素抽出ガスGであるが、その中の酸素の比率は空気に比して極めて低く、前記給水槽3内で原水Wc中を浮上する気泡によって、前記原水Wc中の溶存酸素が予備抽出されるのである。尚、前記水槽1の天井1aには、前記原水受入機構10の上方の位置に前記気相空間内のガスを外部に排出する排出口19を形成してあり、その排出口19は、ゴムシートを弁体としたリード弁19aが逆止弁として設けられ、前記気相空間内の余剰シールガスは排出できながら、前記排出口19から外気が前記気相空間内に洩れ込むことを防止してある。
【0031】
また、前記給水槽3は、槽内の水面より高く形成した堰を設けて、前記原水受入機構10の側から前記区画壁2に向けて、第一区画3a、第二区画3b、第三区画3cの三領域に区画する。夫々の区画3a、3b、3cの間の堰には、水面下の位置に流通孔を設けてある。前記ボールタップ弁のフロートは、前記第二区画3bに位置させてある。そして、前記第一区画3aに、その槽内に一時貯留される原水Wcを加温可能な加温機構12を設けると共に、その水温を検出する温度センサ13を、前記第一区画3aと第二区画3bとの間を区画する堰に設けた、前記第一区画3aから第二区画3bへの流通孔の高さに合わせて設ける。前記給水管路7は、前記第三区画3cの底部に接続される。前記第二区画3bと前記第三区画3cとの間の堰に設ける前記第二区画3bから前記第三区画3cへの流通孔は、前記第一区画3aから第二区画3bへの流通孔の高さより高くする。こうして、前記温度センサ13では、第二区画3bへ流入する原水の温度を検出できるように構成する。
【0032】
前記加温機構12は、前記給水槽3内の原水Wc中に浸漬された水蒸気加熱の伝熱管で構成してあり、この加温機構12は、前記温度センサ13で検出する水温を所定の温度範囲内に調節する温度調節機構14を設けて構成してある。この温度調節機構14を前記加温機構12への水蒸気供給路に設けた流量調節弁で構成し、前記温度センサ13で検出する温度に応じて前記流量調節弁を開度調節して、給水槽3内の原水Wcの温度を30〜90℃の範囲内に設定された目標温度を基に調節する。図示のように、前記温度センサ13を、前記第一区画3aから第二区画3bへの流通孔の位置で原水Wcの温度を検出するようにすることで、少なくとも前記第二区画3bにおける原水Wcの温度を、所定範囲に確実に維持するのである。こうして、前記原水供給管路5に供給する原水Wcの温度を30〜90℃の範囲内に維持することで、原水Wc中における酸素の溶解度を低下させ、前記酸素抽出ガス混合機構8で混合される溶存酸素抽出ガスGの気泡中に前記原水Wc中の溶存酸素が逸出し易くなるようにするのである。
【0033】
この脱酸素装置が上述のようにボイラ15へのボイラ用給水を供給することを目的とする場合には、脱気水Wd中の溶存酸素濃度を0.5ppm以下に維持することが望ましく、このためには、前記目標温度は、30℃以上に設定されていることが好ましく、この脱酸素装置の脱気効率を向上させることができる。前記脱気水Wd中の溶存酸素濃度は、前記窒素PSA装置9Aから供給する窒素ガスの純度、その原水Wcの流量に対する供給比率(標準状態)、前記酸素抽出ガス混合機構8における管内圧力、前記原水Wcの温度等を適宜調整することにより調節できる。
【0034】
前記加温機構12は、給水槽3が前記脱気槽4と区画壁2で区画されただけの構成であるから、前記脱気槽4を間接的に保温する機能も有しており、前記脱気槽4における脱気効率をさらに高めている。尚、この加温機構12は、供給される原水Wcの他に併設されたボイラ15からの蒸気を回収した蒸気回収水が前記給水槽3に還流される場合には、前記蒸気回収水の温度が60〜80℃であるから、この温熱を利用でき、例えば前記目標温度が60℃前後に設定されている場合には作動させなくてもよいこともある。
【0035】
以上説明した給水の脱酸素装置は、図2に示したように、ボイラ15に併設されたものであり、前記給水管路7は、ボイラ給水管路16として設けられている。そして前記窒素PSA装置9Aの窒素を分離した後に排気を排出する排気路9aは、前記ボイラ15への燃焼用空気供給路17に接続してある。前記排気路9aに排出されるガスは、空気中の窒素を吸着分離した残りのガスであり、空気中の酸素が殆ど残ったものであり、前記燃焼用空気供給路17には、例えば酸素濃度28%の酸素富化空気が供給されることになる。従って、従来のようなコストアップを招く酸素を使用することなく、ボイラにおける燃焼温度を高めて、ボイラ効率を大きく改善できるという付加的な効果も有するものである。
【0036】
さらに、前記脱気槽4には、前記溶存酸素抽出ガスGを供給可能なシールガス供給路11を接続してあり、前記酸素抽出ガス混合機構8への溶存酸素抽出ガスGの供給量が所定量以下になった時に、前記シールガス供給路11に備えるシールガス供給弁11aを開くことで、前記脱気槽4に、前記溶存酸素抽出ガスGを供給するように構成してある。この脱酸素装置では、通常は前記シールガス供給弁11aは閉じているが、ボイラの停止時等、この脱酸素装置を待機状態とした際に、スタンバイスイッチをONにすることで前記シールガス供給弁11aが開弁されるように構成してある。
【0037】
こうして、脱気槽4で気液分離される溶存酸素抽出ガスGが前記脱気槽4のみならず前記給水槽3でもシールガスとして機能しており、大気中の酸素が前記給水槽3内及び前記脱気槽4内に洩れ込んで、前記給水槽3内の原水Wc及び前記脱気槽4内の脱気水Wd中に溶け込むことを防止しているのであるが、ボイラの停止中等で、前記酸素抽出ガス混合機構8への溶存酸素抽出ガスGの供給が停止される場合のように、前記脱気槽4に溶存酸素抽出ガスGが供給されなくなる場合には、上述のように、前記シールガス供給弁11aが開弁されることで、前記シールガス供給路11からの溶存酸素抽出ガスGによって、前記脱気槽4の水面上の気相空間が(従って、前記給水槽3の水面上の気相空間も)覆われるようになり、前記脱気槽4内に(これと共に前記給水槽3内にも)外気が洩れ込んで、脱気水Wd(或いは原水Wc)の水面に接し、洩れ込んだ外気の中の酸素が槽内の水に溶け込むことを防止している。このシールガス供給路11から供給する溶存酸素抽出ガスGは、間欠的に供給するが、このように間欠的に供給しても、そのシール効果を十分に果たすことができる。例えば、前記気相空間内の溶存酸素抽出ガスGを、外気よりも幾分高い圧力で供給してあれば、その槽外への洩れ出し時間内は、前記気相空間内の雰囲気を維持できるからである。
【0038】
上記溶存酸素抽出ガスGの供給量が所定量以下になった時の一例は、上述の溶存酸素抽出ガスの供給停止(即ち、脱酸素装置の待機状態)であるが、この供給停止に限らず、前記脱気槽4内への溶存酸素抽出ガスGの供給量が少なくなった場合にも、外気の洩れ込みのおそれがあれば、前記シールガス供給路11からの溶存酸素抽出ガスGを前記脱気槽4内に供給するのである。例えば、給水利用箇所における脱気水Wdの使用量が増加し、前記給水管路7からの前記脱気水Wdの供給量と、原水供給管路5から前記酸素抽出ガス混合機構8への原水Wcの供給量とのバランスが崩れて、前記脱気槽4内の水位が低下し、気相空間の圧力が(従って、前記給水槽3内の気相空間の圧力も)低下する場合も上記所定量以下になった時であり、前記シールガス供給路11から溶存酸素抽出ガスGを前記脱気槽4内に供給する。このシールガス供給路11は、前記脱気槽4内に開口していてもよいが、前記給水槽3に開口していてもよい。前記連通空間18によって両者の気相空間が連通するように構成してあるからである。また、前記シールガス供給路11は、前記脱気槽内の水面以下に開口させてあってもよい。浮上する気泡が脱酸素に寄与し、浮上して水面から離脱した溶存酸素抽出ガスGは、前記水面上を覆い、シールガスとして機能するようになるのである。
【0039】
以上のように本発明に係る給水の脱酸素装置を構成した利点を要約すると、
[1] 給水槽3と脱気槽4とを一体の水槽1に形成してあるから、両者の製造コストを低減できた。殊に、溶接施工距離が短縮できた。
[2] 給水槽3と脱気槽4とを一体に形成してあるから、前記給水槽3から原水Wcを前記酸素抽出ガス混合機構8を経て前記脱気槽4に供給する原水供給管路5を予め両者に接続しておくことができて、配管の位置合わせの手間がなくなり、装置の設置が容易になると同時に、設置の施工コストを低減できた。
[3] 給水槽3と脱気槽4とを一体に形成してあるから、前記給水槽3へのシールガスの供給管路を槽外に別途設ける必要がなくなった。従って、このための配管の位置合わせ等が必要なくなり、設置工数を大きく低減できた。
[4] 給水槽3と脱気槽4とを一体に形成してあるから、前記脱気槽4から前記給水槽3に脱気水Wdを還流することが容易になり、しかも、還流路を形成する槽外配管が不要となり、区画壁2に通水管路6を設けるだけでよいから、前記脱気水Wdを前記給水槽3に還流することが、設備コストの増大を招くことなく実現できた。
[5] 給水槽3と脱気槽4とを一体に形成してあるから、脱酸素処理のために前記給水槽3内の原水Wc及び前記脱気槽4内の脱気水Wdを同時に加温することができる。従って、両者を別々に加温することなく、加温機構12を単純な構成で設けることができた。
[6] 給水槽3の液面上の気相空間を溶存酸素抽出ガスGで覆い、原水受入機構10から原水Wcを液面に向けて噴射するように構成してあるから、その噴射された原水Wcにより前記気相空間内の溶存酸素抽出ガスGを前記水面下に巻き込むことができ、前記給水槽3においても原水Wcに対して予備脱気を施すことが可能になった。
[7] 酸素抽出ガス混合機構8に溶存酸素抽出ガスGを供給する酸素抽出ガス供給装置9として、窒素PSA装置9Aを用いたから、予備窒素ボンベの保管、窒素ボンベの交換等の手間を要しないで99〜99.99%の範囲内で純度を調整した窒素ガスを供給でき、しかも、この給水の脱酸素装置をボイラに付設する場合には、前記窒素PSA装置9Aの排ガスを燃焼用酸素富化空気として使用できるようになった。尚、溶存酸素抽出ガスGとして純度99.99%以上の高純度窒素を使用すれば、脱気水Wd中の溶存酸素濃度を0.05ppm以下にまで低減できるから、溶存酸素濃度0.05ppm以下の高純度水或いは超純水を生成する純水製造装置のための脱酸素装置としても使用できる。
[8] 酸素抽出ガス混合機構8をスタティックミキサで構成してあるから、混合機構に可動部分がなく、動作が安定していると同時に、故障のおそれもなくなった。また、動作部分がないから、内部圧力は安定しており、溶存酸素抽出ガスGを混合する原水Wcの圧力の調整も容易である。
[9] 脱気槽4と給水槽3との間に脱気水Wdを前記給水槽3に還流する通水管路6を設けてあるから、脱気水Wdが原水Wc中に混合されて繰り返し脱酸素処理されるようになり、前記脱気水Wd中の残存酸素濃度(脱酸素処理後の溶存酸素濃度)をさらに低く維持できるようになった。
[10]脱気槽4と給水槽3との間に脱気水Wdを前記給水槽3に還流する通水管路6を設けたことで、前記脱気水Wdの余剰量は前記脱気槽4から前記給水槽3に還流され、前記給水管路7からの前記脱気水Wdの供給量が変動しても、前記酸素抽出ガス混合機構8への前記原水Wcの供給量を変化させる必要がなく、前記原水供給管路5を経て前記原水Wcを送給する供給ポンプ5bにそのための制御機構を設ける必要がない。つまり、定量供給の条件で前記供給ポンプ5bを運転しておればよいのである。従って、前記酸素抽出ガス供給装置9としての前記窒素PSA装置9Aも、その窒素供給量を大きく変動することなく運転でき、その運転制御も複雑なものにしなくてよい。
[11]給水槽3に、原水Wcを加温する加温機構12を設けたから、脱酸素装置内の全域にわたって溶存酸素の放出を促進し、脱気水Wd中の残存酸素濃度(脱酸素処理後の溶存酸素濃度)をさらに低減できるようになった。
[12]脱気槽4に、溶存酸素抽出ガスGを供給可能なシールガス供給路11を接続したから、ボイラの停止等で、脱酸素装置を待機状態にした場合でも、前記脱気槽4及び給水槽3の水面上の気相空間内をシールガスとして前記溶存酸素抽出ガスで覆うことができるから、前記脱気槽4内の残留水を再処理することなく脱気水Wdとして使用できるようになった。尚、前記シールガスとして供給する溶存酸素抽出ガスGは、積極的に圧送する必要はなく、外気が水槽1内に洩れ込まない程度の供給で十分である。また、脱気水Wdの使用量と、原水供給管路5への原水Wcの供給量とのバランスが崩れ、前記脱気水Wdの水位が急激に低下するような場合でも、外気の水槽1内への洩れ込みを防止でき、給水利用箇所における脱気水Wdの需要の変動に対しても、脱気水Wdの質を低下させることなく脱酸素処理できるようになった。
【0040】
〔別実施形態〕
上記実施の形態において示さなかった本発明に係る給水の脱酸素装置の他の実施の形態について以下に説明する。
【0041】
〈1〉 上記実施の形態に於いては、原水受入機構10をボールタップ弁で構成する例について説明したが、給水槽3内の水位を所定範囲内に維持しながら原水Wcを受け入れ得る機構であれば、どのような機構で前記原水受入機構10を構成してもよい。例えば、前記給水槽3内に原水Wcの水位を検出する水位センサを設けて、検出する水位を所定範囲内に維持するように開閉される開閉弁で構成してあってもよい。
【0042】
〈2〉 上記実施の形態に於いては、原水受入機構10の出口開口に、受け入れる原水Wcを給水槽3内の水面に向けて噴射する給水ノズル10aを付設する例について説明したが、前記給水ノズル10aを設けることなく、前記受け入れる原水Wcを前記出口開口からそのまま流下若しくは滴下させるだけでもよい。前記受け入れる原水Wcの流下若しくは滴下によっても、水面上の溶存酸素抽出ガスGを原水Wcの水面下に巻き込むことで曝気できるからである。
【0043】
〈3〉 上記実施の形態に於いては、原水供給管路5の排出端部5aを、前記脱気槽4の水面下で底部近傍に開口させる例について説明したが、前記排出端部の構成は任意であり、水面上方の気相空間内に開口する噴霧ノズルで構成してあってもよい。また、前記排出端部をジェットノズルで形成して、前記気相空間に、脱気水Wdの水面に向けて配置してあってもよい。
【0044】
〈4〉 上記実施の形態に於いては、酸素抽出ガス供給装置9として窒素PSA装置9Aを設ける例について説明したが、前記酸素抽出ガス供給装置9は、不活性ガスを加圧注入してあるボンベであってもよく、その他の不活性ガス発生装置であってもよく、例えば液化窒素容器であってもよい。
【0045】
〈5〉 上記実施の形態に於いては、酸素抽出ガス混合機構8をスタティックミキサで構成した例について説明したが、これは溶存酸素抽出ガスGを原水Wcと攪拌混合できる手段であればどのように構成してあってもよく、例えば、原水供給用の供給ポンプ5bを兼ねる渦流ポンプで構成してあってもよい。この渦流ポンプの吸入側に前記溶存酸素抽出ガスGを供給するように構成すれば、その内部で吸入した原水Wcと溶存酸素抽出ガスGとを攪拌混合し、気液二相流として吐出させることができるからである。
【0046】
〈6〉 上記実施の形態に於いては、スタティックミキサの出口下流側の原水供給管路5に圧力調節弁を設けた例について説明したが、前記原水供給管路5の脱気槽4内の排出端部5aに噴射ノズルを設けて、その絞り効果で酸素抽出ガス混合機構8における水圧を維持するように構成してあってもよい。
【0047】
〈7〉 上記実施の形態に於いては、区画壁2に配置した通水管路6を湾曲させて脱気槽4の側で下方に向かわせ、その通水管路6を一方向に開閉するために、前記その上下方向に向かう部分に、その上下の差圧で受動的に開閉する逆止弁6aを設ける例について説明したが、前記脱気槽4の水位と給水槽3の水位との差を検出して、その水位差に基づいて制御機構により能動的に開閉する開閉弁を設けてもよい。要は、前記給水槽3の側から前記脱気槽4の側に向けて前記通水管路6を経て原水Wcが流入しなければよいのである。この場合においては、例えば、前記脱気槽4内の水頭と、前記給水槽3内の水頭とを検出して、前記脱気槽4内の水頭が前記給水槽3内のそれより大きいときに前記開閉弁を開弁するように構成してあればよい。
【0048】
〈8〉 上記実施の形態に於いては、水槽1の天井1aに、原水受入機構10の上方の位置で形成した、気相空間内のガスを外部に排出する排出口19に、逆止弁としてリード弁19aを設けた例について説明したが、この排出口19の位置は好ましい例を示したものであって、他の位置に形成されていてもよい。また、逆止弁に代えて、密に形成されたフィルタを前記排出口19に設けてあってもよい。要するに、前記気相空間内の余剰ガスを排出し、外気を吸入しなければよいのである。従って、前記排出口19にフィルタを設ける場合には、前記気相空間を常に正圧に保つようにしてあってもよい。
【0049】
〈9〉 上記実施の形態に於いては、給水槽3内の原水Wcを加温可能な加温機構12と、その水温を検出する温度センサ13と、前記温度センサ13で検出する水温を所定の温度範囲内に調節する温度調節機構14とを設けた例について説明したが、前記加温機構12及び前記温度センサ13は、脱気槽4に設けて、前記脱気槽4内の脱気水Wdを加温するように構成してもよい。前記原水Wcは、前記脱気水Wdと区画壁2で仕切られているだけであるから、この構成によっても前記給水槽3内の原水Wcを加温できるからである。また、原水Wcに溶存酸素抽出ガスGを攪拌混合して溶存酸素を抽出した後の脱気水Wdを前記脱気槽4内で加温することでも溶存酸素の抽出をさらに促進できるのである。
【0050】
〈10〉上記実施の形態に於いては、給水槽3と、脱気槽4とは一体に形成するのに、一つの閉鎖空間を形成する水槽1の内部を横方向に二分割する区画壁2を設け、その区画壁2で分割された一方の空間で前記給水槽3を形成し、他方の空間で前記脱気槽4を形成する例について説明したが、前記水槽1の内部を上下に二分割してあってもよい。例えば、前記区画壁2で前記水槽1の上部空間内に第二の水槽を形成して、この第二の水槽を前記脱気槽4とし、前記水槽1の底に前記給水槽3を形成してもよい。前記区画壁2の上縁部と前記天井1aとの間の連通空間18は、前記区画壁2の側部と前記水槽1の側壁との間の空間を介して前記給水槽3の水面上の気相空間と連通させることができるのである。具体的な例を挙げれば、前記区画壁2で前記水槽1の内部に前記脱気槽4の底と側壁を形成し、形成した側壁と前記水槽1の側壁との間に上下を連通させる空間を形成することもできる。この場合、前記通水管路6は、上記底から前記給水槽3の水面下にまで管路を引き下げ、この通水管路6に制御可能な開閉弁を設けておけばよい。また、この区画壁2は、有底の筒で構成し、前記水槽1の中に支持してあってもよい。さらに、前記水槽1を区画する区画壁2で上下に区画し、その区画壁2を前記脱気槽4の底とし、この底に管を気密に立設し、その管内空間を前記底の下方と連通する開口を設けて、前記底の下方の給水槽3の水面上の上部空間と、前記脱気槽4の水面上の上部空間とを、前記管内空間を連通区間18として連通するように構成してもよい。尚、前記給水槽3と前記脱気槽4との上下位置関係は逆であってもよい。
【0051】
〈11〉上記実施の形態に於いては、本発明に係る給水の脱酸素装置が、ボイラ15に併設されたものである例について説明したが、この脱酸素装置は、ボイラ給水用に限らず、空調用温水や給湯用温水等の温水配管における赤水防止用に備えられる脱酸素装置としても有効であり、また、冷水配管に供給する冷水における赤水防止用の脱酸素装置としても有効に機能する。さらに、薬剤投入をしないから、飲食物用或いは洗浄用の高純度水、超純水等にも有用であり、殊に、溶存酸素抽出ガスGとして高純度窒素を用いる場合には、0.05ppm以下の溶存酸素濃度の脱気水Wdを、無添加で供給出来るのである。上記実施の形態で説明した構成の脱酸素装置を用いる場合には、窒素PSA装置9Aで分離する窒素の純度を99.99%にまで高めることでこれを実現することも可能である。
【0052】
〈12〉上記〈11〉の他、例えば、温水配管における赤水防止用に供する場合には、脱気水Wd中の残存酸素濃度が0.5ppm以下となる必要があり、例えば前記原水Wcの温度が50〜90℃に維持される場合には、前記原水Wcの供給量に対する前記酸素抽出ガス混合装置8に供給する溶存酸素抽出ガスGの供給量(標準状態)の容積比率として定義される抽出ガス供給率を、0.01〜0.2に設定し、前記原水Wcの温度が30℃以上50℃未満の温度範囲内に維持される場合には、前記抽出ガス供給率を0.25〜0.5の範囲内に設定すればよい。この条件であれば、前記脱気水Wd中の残存酸素濃度が0.5ppm以下に維持できるから、前記温水配管中で赤水が発生することを防止できる。
【0053】
他方、冷水配管における赤水防止用に供する場合には、脱気水Wd中の残存酸素濃度が1.0ppm以下となるようにすればよく、例えば上述の加温機構12を設けることなく、温度センサ13の検出温度が0〜30℃である場合に、その検出温度に応じて、前記抽出ガス供給率を、0.5〜1.0の範囲内で設定すればよい。この条件であれば、前記脱気水Wd中の残存酸素濃度が1.0ppm以下に維持できるから、前記冷水配管中で赤水が発生することを防止できる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、小型且つ簡単な設備によって、設置が容易であり、取り扱いも容易であり、初期コストのみならずランニングコストを低減できる装置で、低酸素濃度の脱酸素水を供給できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱酸素装置の一例を示す構成説明図
【図2】本発明に係る脱酸素装置の適用例を示す構成説明図
【図3】従来の脱酸素装置を説明する構成説明図
【符号の説明】
1 水槽
1a 天井
2 区画壁
3 給水槽
4 脱気槽
5 原水供給管路
6 通水管路
7 給水管路
8 酸素抽出ガス混合機構
9 酸素抽出ガス供給装置
9A 窒素PSA装置
9a 排気路
10 原水受入機構
11 シールガス供給路
12 加温機構
13 温度センサ
14 温度調節機構
15 ボイラ
16 ボイラ給水管路
17 燃焼用空気供給路
18 連通空間
G 溶存酸素抽出ガス
Wc 原水
Wd 脱気水
Claims (6)
- 水位を所定範囲内に維持しながら原水を受け入れる原水受入機構を備える給水槽と、前記給水槽に受け入れた原水を供給する原水供給管路で前記給水槽に接続され、前記原水を脱酸素処理した後の脱気水を給水利用箇所に供給する給水管路に接続してある脱気槽とを備え、前記原水供給管路に、前記原水に溶存酸素抽出ガスを供給して混合する酸素抽出ガス混合機構を設けて、前記溶存酸素抽出ガスを混合した原水を前記脱気槽で気液分離し、前記原水中の溶存酸素を低減する給水の脱酸素装置であって、
閉鎖空間を形成する水槽の内部を二分割する区画壁を設けて、その区画壁で分割された一方の空間で前記給水槽を形成すると共に、他方の空間で前記脱気槽を形成して、前記区画壁と前記水槽の天井との間の空間を、前記脱気槽の上方に形成される気相空間と前記給水槽の上方に形成される気相空間とを連通する連通空間に形成してある給水の脱酸素装置。 - 前記原水受入機構を、受け入れる原水を前記給水槽内の水面に向けて噴射するように構成してある請求項1記載の給水の脱酸素装置。
- 前記脱気槽に前記溶存酸素抽出ガスを供給可能なシールガス供給路を接続して、前記酸素抽出ガス混合機構への溶存酸素抽出ガスの供給量が所定量以下になった時に、前記シールガス供給路から前記溶存酸素抽出ガスを供給するように構成してある請求項1又は2に記載の給水の脱酸素装置。
- 水位を所定範囲内に維持しながら原水を受け入れる原水受入機構を備える給水槽と、前記給水槽に受け入れた原水を供給する原水供給管路で前記給水槽に接続され、前記原水を脱酸素処理した後の脱気水を給水利用箇所に供給する給水管路に接続してある脱気槽とを備え、前記原水供給管路に、前記原水に溶存酸素抽出ガスを供給して混合する酸素抽出ガス混合機構を設けて、前記溶存酸素抽出ガスを混合した原水を前記脱気槽で気液分離し、前記原水中の溶存酸素を低減する給水の脱酸素装置であって、
閉鎖空間を形成する水槽の内部を二分割する区画壁を設けて、その区画壁で分割された一方の空間で前記給水槽を形成すると共に、他方の空間で前記脱気槽を形成して、前記区画壁に、前記脱気槽と前記給水槽との両者の水位下の位置に、前記脱気槽内の脱気水を前記給水槽に向かう一方向に、所定の条件下で通流する通水管路を設けてある給水の脱酸素装置。 - ボイラに併設され、前記給水管路がボイラ給水管路として設けられていると共に、前記酸素抽出ガス混合機構に溶存酸素抽出ガスを供給する酸素抽出ガス供給装置を、圧力変動吸着分離法により空気中の窒素を分離して供給する窒素PSA装置で構成して、前記窒素PSA装置の窒素を分離した後に排気を排出する排気路を、前記ボイラへの燃焼用空気供給路に接続してある請求項1〜4の何れか1項に記載の給水の脱酸素装置。
- 前記給水槽に、前記原水を加温可能な加温機構を設けると共に、その水温を検出する温度センサを設けて、前記加温機構に、前記温度センサで検出する水温を30〜90℃の温度範囲内に調節可能な温度調節機構を設けてある請求項1〜5の何れか1項に記載の給水の脱酸素装置。
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