JP4215548B2 - 油水分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油水分離装置に係わり、特に、処理槽に貯留した被処理液を汲み出して、汲み出した被処理液に空気供給手段で空気を混合させ、ポンプで加圧して該処理槽の下部から処理槽の被処理液に汲み出した被処理液を気泡とともに吹き出させることによって処理槽における被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる浮上分離法による油水分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浮上分離法による分離装置として、渦流ポンプの液体吸込口に気体吸込手段を設けておき、渦流ポンプでの加圧過程で空気を被処理液に溶解(気液混合溶解)させ、処理槽内にノズルから噴射減圧することによって、処理槽内の被処理液中に気泡を発生させるものが、下記の特許文献に記載されるようなものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000―161278号公報
この従来技術では、被処理液中の汚濁物質を気泡により浮上分離するものとして説明されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、気液混合溶解を促進するために複数段の渦流ポンプを使用して、最終段吐出圧力を高くしている。この結果、ポンプの駆動動力が増し、電力費が高くなっている。
【0005】
それゆえ本発明の目的は、ポンプ駆動動力を増加することなく気液混合溶解を促進することができて高速に油水分離の処理ができる油水分離装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明油水分離装置の特徴とするところは、処理槽に貯留した被処理液を汲み出して、汲み出した被処理液に空気供給手段で空気を混合させ、ポンプで加圧して処理槽の下部から処理槽の被処理液に汲み出した被処理液を気泡とともに吹き出させることによって処理槽における被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる油水分離装置において、空気供給手段は被処理液が流れる配管を横断面で見た場合に内壁隣接部以外の内部に位置する被処理液に空気を混合させる空気混合手段を有することにある。
【0007】
本発明によれば、処理槽から汲み出した被処理液を処理槽の下部に戻す循環配管系における被処理液の循環量に対する微小気泡発生量割合が増加するので、油水分離性能は向上し、1段の小型ポンプでも高速に油水分離をすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図1に示した本発明の一実施形態になる油水分離装置について説明する。
【0009】
図1に示した油水分離装置は、一例として空気圧縮機から排出されるドレンを処理するものとして使用する。
【0010】
図1において、処理槽11には、槽内に被処理液を貯留し油水分離を行う分離部81とこの分離部81で浮上分離した油分を回収する浮上油受け部83とがあり、両部81,83を分離する遮蔽板12を設けてある。処理槽11における分離部81の底に取り付けた配管30はバルブ36,配管32,本発明になる空気吸込部(空気供給手段)38,配管39を介して循環ポンプ31と接続し、循環ポンプ31の出口側配管37は大気泡分離部13に設置してあるノズル33に接続してある。処理槽11の側壁下部において大気泡分離部13に連接し分離部81に延在するように管路16を設けてあり、ノズル33の吐出口は管路16内に向けて開口している。管路16は分離部81内に複数の開口17を備えている。
【0011】
大気泡分離部13には、ノズル33から噴き出すかもしれない大気泡を分離部81に廻さないようにする排出管14を設けてあり、排出口は分離部81の上部に位置せしめてある。空気吸込部38には空気供給配管41を接続してあり、この配管41の途中にはバルブ42を設けてある。空気吸込部38は配管32内の被処理液に空気を混合して配管39を介して循環ポンプ31に送る。循環ポンプ31では加圧することにより混合した空気を被処理液中に溶解させる。空気吸込部38における被処理液と空気の混合については、後述する。
【0012】
配管30から循環ポンプ31を経てノズル33に至る経路は槽外循環をなす被処理液の循環配管系を構成している。循環ポンプ31の一例としては渦流ポンプを使用しており、図示していないが、循環ポンプ31の出口には被処理液の圧力(水圧)を測定するゲージを設けてある。
【0013】
配管32には、供給ポンプ21とバルブ22を有し未処理な被処理液の供給系統を構成する供給管23を接続してある。
【0014】
分離部81の上部には処理済の被処理液を排出する排出管51を設けてあり、排出管51は分離部81との接続部(管座)から持上げ、その下流を分離部81との接続部よりも低い位置まで配管してあり、その途中にバルブ52を有している。排出管51の最高位は、処理槽11の遮蔽板12の最高位より低くして位置差D1を持たせてある。
【0015】
従って、分離部81内に被処理液を供給し貯留させる場合、バルブ52を開放してあれば、被処理液は排出管51から流出して、分離部81における被処理液面61は排出管51の最高位で規制され、バルブ52を閉止し分離槽81内に被処理液を供給していけば、被処理液面61は排出管51の最高位よりも上昇していくので、排出管51はバルブ52の開閉で被処理液を排出し水位を調整する機能を備えていることになる。ここで、排出管51に設けた配管53はサイホン効果で排出管51の最高位水平面以下まで排水されないように大気に開放している。なお、被処理液面61の上部には油水分離で上昇した浮上油の浮上油液面62が形成される。
【0016】
分離部81から排出管51を介して流出する処理済の被処理液に分離部81内を後述するように上昇中の微細気泡および油粒子が混入することを防止する仕切板15を設け、ポケット状吸入部82を形成している。仕切板15の最高位は排出管51の最高位、即ち、バルブ52を開放している時の被処理液面61より低くして、位置差D2を持たせている。また、仕切板15の最高位は排出管51の分離部81との接続部(管座)より高くして、位置差D3を持たせている。
【0017】
排出管51における被処理液の流出量と吸入部82の入口面積で決まる吸入部82での被処理液の下降速度が気泡の上昇速度より遅くなるようにして、分離部81を上昇中の微細気泡および油粒子が吸入部82に流入して排出管51から流出することはないようにしている。
【0018】
浮上油受け部83の底部には、分離部81から遮蔽板12を乗り越えて流入(溢流)する廃油63を排出する油分排出管55を設けてある。また、図示しないが、処理槽11の底部から外部に配管を設け、その途中にバルブを設けてあり、分離部81内部の液体を排出する必要がある場合にこれらを用いる。
【0019】
また、供給管23を分離部81の下部に接続して、未処理の被処理液を分離部81に供給してもよい。
【0020】
分離部81には温度測定器84を設けてあり、分離部81における被処理液の温度を測定できるようにしている。温度測定器84に代えて、配管30から循環ポンプ31を経由しノズル33までの配管37中に温度測定器を設置して、被処理液の温度を測定してもよい。
【0021】
次ぎに、空気吸込部38の構造を図2,図3で説明する。
図2,図3に示すように、空気吸込部38は外管を構成する円筒状の空気吸込部本体38aと内管を構成する空気配管38bがあり、空気吸込部本体38aと空気配管38bは同芯二重管構造を持っている。空気吸込部本体38aの上流には配管32との接続部38cがあり、下流には配管39との接続部38dがある。
【0022】
空気配管38bの上流端38btuは空気供給配管41と接続される。接続部38dは外管である空気吸込部本体38aにおける内径が狭くなる被処理液の排出口となっていて、内管である空気配管38bの下流端38btdにおける空気吹出口は接続部38dより若干上流側に位置するようにして、位置差D4を持たせている。
【0023】
配管32との接続部38cは、空気吸込部本体38aの側面に空気吸込部本体38aの軸芯からずれるように設けてある。その結果、空気供給部本体38aと空気配管38bの間の空間に接続部38cから流入する被処理液は、この空間を空気吸込部本体38aの内壁面に沿って周回するように下流側の接続部38dに向かって流れていく。即ち、螺旋状に流れる。接続部38dで内径が狭く(小さく)なることにより、被処理液は流速を増して配管39に移動していく。この増速効果を出させるために、空気吸込本体38aは配管39側がやや細くなった円錐状でも差し支えない。また、空気配管38bも下流端38btdが上流側よりも細い形状であっても差し支えない。
【0024】
このような構成において、接続部38dにおいて空気配管38bから吹き出した空気は、図4に示すように被処理液Lの旋回により分断され被処理液L中に小さな気泡Bとなって分散する。なお、図4(b)は図4(a)におけるII−II切断線に沿った横断面図である。
【0025】
被処理液L中における気泡Bの分散領域は、接続部38dを横断面で見た場合の中心部及び中心部と内壁隣接部との中間部(内壁隣接部以外の内部)に位置する被処理液に混合した形になっている。即ち、接続部38dを横断面で見た場合、内壁隣接部においては気泡の形での空気の混合は殆ど行なわれておらず、図2,図3で示す流れを齎す形状が空気供給手段38における空気混合手段となっている。そして、配管39においてもその形は持続されて循環ポンプ31に到り、加圧される。
【0026】
循環ポンプ31でのポンプ吐出圧力の変動は小さく安定であり、循環ポンプ31の羽根車で混合した気泡Bは被処理液中にさらに分散されて被処理液中に溶解する。本発明者らの検討によれ、接続部38dを横断面で見た場合の中心部から内壁隣接部にわたる大気泡の形での空気の混合があると、循環ポンプ31におけるポンプ吐出圧力は大きく変動し、また、気泡の分散も少なくて、被処理液中への空気溶解度は向上せず、大気泡分離部13で発生する大気泡が多くなって、排出管14を上昇する気泡が数多く観測されたが、図2,図3の構成になる空気吸込部(空気供給手段)38を設けた場合は排出管14を上昇する気泡は殆ど観測できず、管路16の複数の開口17から微細気泡が均等に吹き出していた。
【0027】
次に、図1に示す油水分離装置の動作を説明する。
空気圧縮機から排出されるドレンは、絶対湿度が高い時期(夏季)にはドレン流量が多く、ドレン中の油分濃度は低い。一方、絶対湿度が低い時期(冬期や春秋)にはドレン流量が少なく、ドレン中の油分濃度は高い。
【0028】
先ず、絶対湿度が高い時期に行う連続処理運転について説明する。
準備として、バルブ52は開放状態として処理槽11の分離部81に清水または処理済の被処理液液を充填し、被処理液面61が排出管51の最高位に一致したら、循環ポンプ31を運転する。この時、バルブ22は閉止し、供給ポンプ21は停止している。バルブ36,42は開放状態としてあり、循環ポンプ31の運転で清水または処理済の被処理液が配管32を流れることによって、空気供給配管41側が負圧となり、溶解用空気が空気供給配管41から流入する。
【0029】
図2,図3に示すように空気吸込部38では配管32から流入する被処理液が空気吸込部本体38a内を旋回して配管39との接続部38dに達する。この被処理液の旋回流の中心に空気配管38bから空気を供給すると、被処理液の旋回流によるせん断効果で空気が小気泡に分裂し、被処理液に溶解しやすくなる。また、溶解しない空気は前述したように配管39の中心領域を流れて循環ポンプ31に流入するが、大気泡がないので被処理液に対する空気の割合が常に一定である。
【0030】
従って、その下流の循環ポンプ31では流入した小気泡空気と循環する被処理液を攪拌し加圧することによる効果によって空気の溶解量が増加する。循環ポンプ31で加圧された被処理液と溶解した空気はノズル33から分離部81の被処理液中に吐出することで減圧され、水に溶解していた空気は微細な気泡となる。
【0031】
循環ポンプ31による加圧で被処理液に溶解する空気量は加圧下ではヘンリー(Henry)の法則に従ったものとなり、配管37を流れる清水または処理済の被処理液にかかる圧力、及び配管37を流れる流量に比例して溶解する空気量は多くなる。また配管37を流れる清水または処理済の被処理液の温度が低い程、溶解する空気量は多くなる。実際の運転では圧力、流量を設定の一定値となるように運転する。このように運転すると循環ポンプ31の動力が熱となり被処理液に伝わり、液温が上昇し、溶解する空気量は減少する。
【0032】
このため、予め配管37,39における被処理液の流量,被処理液の液温度,循環ポンプ31による加圧量と溶解空気量の関係を求めておき、温度測定器84で求めた液温度により空気配管38bから流入させる溶解用空気量処理槽11内を気泡がほぼ揃って浮上する量になるようにバルブ42で調節し、運転する。
【0033】
上記したように被処理液に溶解していた空気はノズル33から吐出することで減圧され気泡となって分離部81内を浮上するが、分離部81内をほぼ揃って順次浮上するような微細気泡がノズル33から吐出するように溶解する空気量をバルブ42で調節しておく。
【0034】
径の大きな気泡の大気泡は浮力が大きく働くから微細気泡よりも早く浮上する。早い浮上は、油水分離に寄与しないし、分離部81内での流れを乱して微細気泡と油分の接触を阻害し、分離性能を低下させかねない。大気泡の発生原因は循環ポンプ31の加圧によっても被処理液に溶解しなかった空気が存在することにあるとみることができるので、空気供給配管41から取り込む溶解用空気量をバルブ42で調節して、余分な空気が入らないようにして、連続して大気泡が浮上しないようにしておく。
【0035】
この特性を図5に示している。空気供給配管41からの吸込空気流量を増すと循環ポンプ31の吐出圧力が低下するが、ポンプ内での混合効果によって分離部81に供給される微細気泡流量は途中まで増加する。しかし、吸込空気流量を更に増加すると、ポンプ吐出圧力の低下による空気溶解可能量が減少する効果によって微細気泡流量が減少し始める。したがって、運転は微細気泡流量が最大となる吸込空気流量Aよりも少ない領域で行うことになる。
【0036】
図2,図3の空気吸込部38を用いると吸込み空気流量に対する微細気泡流量を増加させる効果が得られ、空気配管38bの下流端38btdを接続部38dの近傍に設けると、配管39内の旋回流速が大きくなって微細気泡流量が増加する効果が大きくなる。
【0037】
この運転状態を保ちながら、バルブ22を開放し供給ポンプ21を駆動して被処理液の供給系統を運転し、被処理液の循環系統を循環している清水または処理済の被処理液に未処理状態の被処理液を混合させる。
【0038】
すると、ノズル33から微細気泡と共に油粒子が噴射され、油分は微細気泡に付着して浮上し、油分が被処理液から分離する。この際に供給ポンプ21の動力が熱となり、混合された被処理液に伝わり温度が上がり、溶解可能な空気の量は減少する。減少することで溶解できない余剰気泡(大気泡)が発生しようとする。前述したように、余剰気泡は気泡径が大きく上昇速度は早く、槽内に流れの乱れを起こし、油に付着した微細気泡を引き離したりして、油水分離を妨げる。
【0039】
そこで、前述したように、予め液温度と溶解空気量の関係を求めておき、温度測定器84で求めた液温度により空気供給配管41から流入させる溶解用空気量処理槽11内を気泡がほぼ揃って浮上する量になるようにバルブ42で再調節し運転するため、余剰空気は発生せず油水分離性能を低下させることはない。また、未処理状態の被処理液を混合することによる液温度の下降を予測して、予め溶解用空気量を下降分だけ減少させた温度での流量に固定して運転するようにしてもよいし、循環流量を少なくしてもよい。
【0040】
分離部81の上部にある吸入部82では、配管23から供給された未処理状態の被処理液に相当する処理済の被処理液を微細気泡の上昇速度よりも遅い速度で吸込んで排出管51から排出する。
【0041】
循環ポンプ31出口での圧力は、所要動力を少なくすることと微細気泡の直径を小さくすることを考慮すると0.3〜0.8MPa程度が好ましい。溶解空気量が圧力に比例することを考慮すると、循環水流量は被処理液供給系統から供給された未処理状態の被処理液量の30〜100倍で、未処理状態の被処理液は循環水によって30〜100倍に希釈されるので、分離部81に供給される被処理液の油分は低濃度である。
【0042】
微細気泡で油水分離処理する油水分離処理では、被処理液中の大きな径の油粒子が小さな径の油粒子よりも先に浮上分離するので、連続処理においては、径の小さな油粒子径が処理液中に残っていても処理液の濃度が目標値(例えば油分濃度5mg/L)となった状態で、連続的に排出することができ、処理能力が高い。
【0043】
分離部81上部の浮上油は連続運転中に排出管51の途中に設けたバルブ52を一時的に閉じると、分離部81内部の被処理液面61および浮上油液面62が上昇し、浮上油液面62が遮蔽板12の高さを超えると浮上油がオーバフロー(溢流)し、浮上油受け部83へ流下する。分離部81での浮上油が減少すると、バルブ52を開けて、排出管51から被処理液を排出して被処理液面61を下げて、連続処理を継続する。
【0044】
次に、絶対湿度の低い時期に行う間歇処理運転について説明する。
先ず、準備として連続処理運転と同様に、分離部81に清水または処理済の被処理液を充満させた状態で循環ポンプ31を運転する。バルブ22は閉じてあるが、バルブ36,バルブ42は開放してあり、溶解用空気が空気供給配管41から流入する。循環ポンプ31の動力が熱となり被処理液に伝わり、分離部81における被処理液の温度を上昇させるため、被処理液の密度は小さくなる。尚、被処理液の密度を小さくするためには分離部81において被処理液の温度を上昇させるための加熱手段を配置してもよい。
【0045】
被処理液が予定した温度まで上昇したら、循環系統における循環ポンプ31の運転を停止し、バルブ42を閉じ、被処理液供給系統のバルブ22を開放状態にして供給ポンプ21を運転して、未処理状態の被処理液を供給する。被処理液は、配管30および配管37、ノズル33から分離部81に流入する。
【0046】
被処理液は分離部81内の清水または処理済の被処理液よりも温度が低く密度が大きいために分離部81の底部に溜って行き、密度が小さい処理済の油分濃度の低い被処理液は分離部81の上部に押し上げられた形となって、吸入部82から排出管51とバルブ52を経由して排出される。例えば、仕切板15上端から分離部81の底部までにおける容積が40L,清水または処理済の被処理液温度が320K、未処理状態の被処理液温度が283K、未処理状態の被処理液の供給を20L/hで行うと、処理済の被処理液のみを30L以上排出可能である。
【0047】
処理済の被処理液のみの排出が済むと、バルブ22とバルブ52を閉状態にして未処理状態の被処理液の供給を止めて、循環ポンプ31による槽外循環を実施する。バルブ36,バルブ42は開放状態として、溶解用空気が空気供給配管41から流入する。連続処理と同様に圧力、流量を設定の一定値となるように運転する。この場合も循環ポンプ31の動力が熱となり被処理液に伝わり、液温が上昇し、溶解する空気量は減少する。このため、予め予め液温度と溶解空気量の関係を求めておき、温度測定器84で求めた液温度により空気供給管41から流入させる溶解用空気量処理槽11内を気泡がほぼ揃って浮上する量になるようにバルブ42で調節し、運転する。このため、余剰空気による大気泡は連続して発生せず、油水分離性能を低下させることはない。
【0048】
バルブ52は閉止してあり、分離部81の被処理液中に微細気泡が存在することになり、被処理液面61は排出管51の最高位置よりも高くなる。この状態で分離部81内部の被処理液面61上側に浮上油が溜まるが、浮上油液面62よりも遮蔽板12の上端位置を高くしてあり(図1の浮上油液面62は連続処理運転時のものであり、間歇処理運転ではもう少し低い位置が浮上油液面62となっている)、被処理液の循環中に浮上油が浮上油受け部83へ遮蔽板12からオーバフローすることはない。
【0049】
槽外循環中に分離部81下方の油分は微細気泡によって上昇し、油水分離する。浮上分離法では油分が高濃度であるほど分離性能は良いので、中間濃度以下までは高速に分離できる。低濃度域は連続処理に近い分離性能を有する。
【0050】
本発明者らの観察によれば、槽外循環の前半50%の時間で未処理状態の被処理液の油分濃度は中間濃度以下の1/5程度に低下し、後半50%の時間で中間濃度以下の油分濃度からさらにその1/5程度の低濃度(連続処理での目標濃度)に低下することを確認している。前後半で低減する比率は同程度であるが、絶対値でみれば前半に大半の油分が分離されていることになる。
【0051】
分離部81における被処理液が目標とする濃度に低下したら、循環ポンプ31を停止し、バルブ42を閉じて、バルブ22とバルブ52を開放させ、供給ポンプ21を運転して未処理状態の被処理液を分離部81の底部から供給する。この期間中に分離部81上部の処理済の被処理液は、新たに供給した未処理状態の被処理液と同量だけ排出管41から流出する。
【0052】
以上説明した被処理液の供給と循環のために供給ポンプ21,循環ポンプ31の運転と停止を交互に繰り返し、浮上油液面62と被処理液面61との差が大きくなったら、即ち、分離部81上部に浮上油が溜まったら、供給ポンプ21の運転中に排出管51のバルブ52を閉止状態にし、被処理液面61が遮蔽板12と同一高さになることによって浮上油を遮蔽板12の上端からオーバフローさせ、浮上油受け部83へ排出する。
【0053】
通常のスクリュー型空気圧縮機では一週間の連続運転により浮上油が約1mm溜まるので、浮上油の排出は一週間に1回程度行う。この排出時期は運転時間で決定するだけでなく、浮上油量、浮上油厚さを測定することによっても決定できる。
【0054】
この間歇処理では、分離部81内に清水または処理済の被処理液液と約50%の未処理状態にある被処理液を混合して油水分離処理し、油分は高濃度から低濃度まで短時間で下げることになる。
【0055】
前述したように、夏季に相当する大気中の水分量が多い時期にはドレン流量が多く、油分濃度は低い。冬季に相当する大気中の水分量が少ない時にはドレン流量が少なく、油分濃度は高い。そこで前記2つの運転方法の特徴を生かして、ドレン流量が多く油分濃度が低い場合には連続処理を行い、ドレン流量が少なく油分濃度が高い場合には間歇運転を行うことにより、小型で高速処理可能な油水分離装置を構成できる。
【0056】
間歇処理運転は、槽外循環期間と被処理液供給期間の長さを異ならせた複数のパターンを用意して、中間濃度域の余裕を広くすることも可能である。これらの運転パターン選択にはドレン流量または油分濃度の情報が必要である。
【0057】
油分濃度は短時間で計測する方法が無いので、運転パターン選択にはドレン流量の情報を用いる。ドレン流量は大気中の水分量,空気圧縮機の吐出空気圧力,空気冷却器の出口温度,凝縮水補集効率などから計算できる。従って、大気温度と大気湿度を計測する方法がある。一方、通常は空気圧縮機からのドレンを溜めるタンクを設けてあり、この中に液面計を取付け、液面の変化からドレン流量を算出する方法がある。また、大気温度のみを測定して、大気湿度100%としたドレン最大流量を計算し、この値を制御に用いることも可能である。実際にはこれらの方法を単独もしくは組み合わせて制御に用いる。これらのパターンや運転モードの切り替えは図示していない制御装置にシーケンスプログラムとして用意しておき、油分濃度を確認するための大気中における湿度などの上述した各項目の計測結果やカレンダーなどに基づいて適宜に切り替えるようにしておくことができる。なお、間歇処理運転のみで装置を構成することもできる。
【0058】
以上説明した実施形態で用いた空気吸込部38は静止機であり、駆動動力を使用することなく空気を被処理液中に効率よく混合し循環ポンプ31で空気を溶解させてしまうので、一段の小型ポンプで高速に油水分離の処理ができる。また被処理液量やその油分濃度が変化しても高速に油水分離の処理ができる。
【0059】
次ぎに、空気吸込部38の他の実施形態について説明する。
空気吸込部38において、被処理液を旋回させる方法として空気吸込部本体38aの内壁に螺旋流路を形成したり、被処理液の流れで旋回する水車を設けたりしても良い。
【0060】
図6は空気吸込部38における空気配管(内管)38bの変形例を示しており、この空気配管38bは円筒状でその先端部近傍の外壁部に複数の開口38bkが穿たれている。空気吸込部本体38aの内壁に沿って被処理液が旋回して流れる時に各開口38bkから空気が分散して混合されるが、分散位置は図2,図3の実施形態と同様に図示していない接続部38dにおける被処理液の流れを横断面で見た場合に内壁隣接部以外の内部(中心部及び中心部と内壁隣接部との中間部)になっている。
【0061】
図7はさらに他の実施形態になる空気吸込部38を示しており、この実施形態では、複数の長さがほぼ同じ細管38eを円環状に配列して複合内管を構成させ、この複合配管とこれを囲んだ外管である空気吸込部本体38aとで同芯二重管としている。各細管38eの下流側端部は同一位置でもよいし、わずかに位置が異なってもよい。各細管38eの下流側端部から空気が吹き出すように、基幹部38Bは配管41に連通させている。
【0062】
接続部38cから被処理液を供給すると、被処理液の主流は複合内管の周囲を旋回して接続部38dに到り、各細管38eから出る空気を旋回流で分断しつつ混合する。複合内管の中心部にも被処理液は流れるが、各細管38eが流れの邪魔をして乱流を作り、供給された空気をさらに細分し、循環ポンプ31での溶解を助長する。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ポンプ駆動動力を増加することなく気液混合溶解を促進することができて、高速に油水分離の処理ができる油水分離装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態になる油水分離装置を示す図である。
【図2】 図1における空気吸込部の縦断面を示す図である。
【図3】 図2に示した空気吸込部のI−I切断線に沿った横断面を示す図である。
【図4】 図1に示した空気吸込部と配管を流れる被処理液と混合した空気の状況を説明する図である。
【図5】 本発明の微細気泡流量特性を示す図である。
【図6】 図1に示した空気吸込部の他の実施形態を示す図である。
【図7】 図1に示した空気吸込部のさらに他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
11…処理槽
12…遮蔽板
15…仕切板
21…供給ポンプ
22,36,42,52…バルブ
23,30,32,37,39,41,51…配管
31…循環ポンプ
33…ノズル
38…空気吸込部
61…被処理液面
62…浮上油液面
81…分離部
82…ポケット状吸入部
83…浮上油受け部

Claims (6)

  1. 処理槽に貯留した被処理液を汲み出して、汲み出した被処理液に空気供給手段で空気を混合させ、ポンプで加圧して該処理槽の下部から該処理槽の被処理液に汲み出した被処理液を気泡とともに吹き出させることによって該処理槽における被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる油水分離装置において、
    該空気供給手段は被処理液が流れる配管を横断面で見た場合に内壁隣接部以外の内部に位置する被処理液に空気を混合させる空気混合手段を有することを特徴とする油水分離装置。
  2. 上記請求項1に記載の油水分離装置において、該空気混合手段は、外管と内管からなる同芯二重管と該外管と該内管の間に被処理液が旋回するように被処理液を供給する被処理液接続部と内管に供給する空気接続部とを有するものであることを特徴とする油水分離装置。
  3. 上記請求項2に記載の油水分離装置において、該空気混合手段は、該外管における内径が狭くなる被処理液の排出口よりも上流の位置に該内管の空気吹出口が位置するものであることを特徴とする油水分離装置。
  4. 上記請求項1に記載の油水分離装置において、該空気混合手段は、外管と内管からなる同芯二重管と該外管と該内管の間に被処理液を供給する被処理液接続部と該内管に供給する空気接続部とを有し、該内管には被処理液が流れる方向の先端付近外壁部に複数の空気吹出口を有するものであることを特徴とする油水分離装置。
  5. 上記請求項1に記載の油水分離装置において、該空気混合手段は、複数の細管を円環状に配列してなる複合内管とこの複合配管を囲んだ外管からなる同芯二重管と該外管と該複合内管の間に被処理液を供給する被処理液接続部と該複合内管に供給する空気接続部とを有し、該複合内管における各細管の下流側先端部から空気を吹き出して該被処理液に空気を混合するものであることを特徴とする油水分離装置。
  6. 上記請求項1に記載の油水分離装置において、該処理槽から汲み出した被処理液を該処理槽の下部に戻す循環配管系における該空気供給手段の上流の位置若しくは該処理槽の下部に未処理状態の被処理液を供給する供給配管系を有することを特徴とする油水分離装置。
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