JP4126203B2 - 油水分離方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油水分離方法とその装置に係わり、特に、処理槽に貯留した被処理液中に気泡を供給することによって被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる浮上分離法による油水分離方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浮上分離法による油水分離装置として、特開平5−317847号公報に記述されるものがある。この装置では、大容量の処理槽から被処理液を汲み上げ加圧した後に加圧空気を混合溶解させ、処理槽内にノズルから噴射減圧することによって、処理槽内の被処理液中に気泡を発生させている。この気泡と油分が付着することで、油分は気泡とともに浮上し、油と水分が分離する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平5−317847号公報に示された従来技術において、気液混合手段出口までに加圧液中に溶解できなかった空気は処理槽内で大気泡となり、油浮上分離性能を低下させるので加圧タンクで分離し、エアアウトサイレンサから外部に開放している。しかし、加圧タンクの内部では気泡が油粒子を浮上させ気液面に浮上油を発生させる油水分離を起こし、浮上油がタンク内部の気液面に存在する状態となる。この浮上油は処理液中の油分濃度が低下した後、気液面の波動によって処理液中に少量ずつ混じる。従って、処理液を直接排水可能な油分濃度まで下げるための処理時間が非常に長い。更に、加圧タンク中は加圧下であるため余剰空気の気泡径が小さくなり、浮上速度が遅くなる。このため、余剰空気を分離するためには加圧タンクが大きくなり、装置が大型化になる。
【0004】
被処理液として圧縮機のドレンをみると、大気中の水分量(絶対湿度)によってその量および油分濃度が変化する。絶対湿度が高い時期にはドレン量は多いがドレン中の油分濃度は低く、絶対湿度の低い時期にはドレン量は少ないが油分濃度は高いという性質がある。
【0005】
そこで圧縮機のドレンのような被処理液を処理するための油水分離装置では、多量で高濃度の油分を含んだ被処理液を想定して性能を設定しており、そうすると絶対湿度が高い時期では油分濃度は低いにも係わらず油水分離性能は高めに設定され、絶対湿度の低い時期にはドレン量は少ないにも係わらず処理槽は余分な大きさを持っているということになる。
【0006】
それゆえ本発明の目的は、小型であっても高速に油水分離の処理ができる油水分離方法とその装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、被処理液量やその油分濃度が変化しても高速に油水分離の処理ができる油水分離方法とその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明油水分離方法の特徴とするところは、処理槽に貯留した被処理液中に気泡を供給することによって被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる油水分離方法において、バルブを介して空気を供給する空気供給管を有する空気供給手段で処理槽の下部から汲み出した被処理液に空気を溶解させ処理槽の下部に設けたノズルから噴射して被処理液を処理槽に戻して被処理液を循環させる循環配管系が構成され、被処理液は循環配管系を循環し、未処理状態の被処理液は、該処理槽と循環配管系とを循環する被処理液に供給し、循環配管系においては、油分を付着して浮上する微細気泡が処理槽内をほぼ揃って浮上するようにバルブが調節された空気供給手段で、被処理液に空気を溶解しておくことにある。
【0009】
また、上記目的を達成する本発明油水分離装置の特徴とするところは、処理槽に貯留した被処理液中に気泡を供給することによって被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる油水分離装置において、バルブを介して空気を供給する空気供給管を有する空気供給手段と、処理槽の下部から汲み出した被処理液に空気供給手段で空気を溶解させて処理槽の下部に設けたノズルから噴射して被処理液を処理槽に戻して被処理液を循環させる循環配管系と、未処理状態の被処理液を循環配管系に供給する、あるいは、処理槽の下部に接続される供給管から該処理槽に供給する供給配管系とを有し、循環配管系は油分を付着して浮上する微細気泡が処理槽内をほぼ揃って浮上するようにバルブが調節された空気供給手段で、被処理液に空気を溶解しておくものであることにある。
【0010】
本発明によれば、大気泡がノズルから連続して噴射されることはなくなるので、油水分離性能は向上し、小型でも高速に油水分離をすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1に示した本発明の一実施形態になる油水分離装置について説明する。
【0012】
図1に示した油水分離装置は、一例として空気圧縮機から排出されるドレンを処理するものとして使用する。
【0013】
図1において、処理槽11には、槽内を被処理液を貯留し油水分離を行う分離部81とこの分離部81で浮上分離した油分を回収する浮上油受け部83とを分離する遮蔽板12を設けてある。処理槽11における分離部81の底に取り付けた配管30はバルブ36を介して循環ポンプ31と接続し、循環ポンプ31の出口側配管37はノズル33に接続してある。ノズル33は分離部81における処理槽11の側壁下部に設けてあり、ノズル33の吐出口は分離部81内に向けて開口している。配管30から循環ポンプ31を経てノズル33に至る経路は槽外循環をなす被処理液の循環配管系を構成している。循環ポンプ31の一例としては渦流ポンプを使用しており、図示していないが、循環ポンプ31の出口には被処理液の圧力(水圧)を測定するゲージを設けてある。
【0014】
配管30には、バルブ34を介して空気を供給する空気供給管35と、バルブ22および供給ポンプ21を有し未処理な被処理液の供給系統を構成する供給管23を接続してある。
【0015】
分離部81の上部には分離部81の上部から処理済の被処理液を排出する排出管41を設けてあり、排出管41は分離部81との接続部(管座)から持上げ、その下流を分離部81との接続部よりも低い位置まで配管してあり、その途中にバルブ42を有している。排出管41の最高位は、処理槽11の遮蔽板12の最高位より低くして位置差D1を持たせてある。
【0016】
従って、分離部81内に被処理液を供給し貯留させる場合、バルブ42を開放してあれば、被処理液は排出管41から流出して、分離部81における被処理液面61は排出管41の最高位で規制され、バルブ42を閉止し分離槽81内に被処理液を供給していけば、被処理液面61は排出管41の最高位よりも上昇していくので、排出管41はバルブ42の開閉で被処理液を排出し水位を調整する機能を備えていることになる。なお、被処理液面61の上部には油水分離で上昇した浮上油の浮上油液面62が形成される。
【0017】
分離部81から排出管41を介して流出する処理済の被処理液に分離部81内を上昇中の微細気泡および油粒子が混入することを防止する仕切板15を設け、ポケット状吸入部82を形成している。仕切板15の最高位は排出管41の最高位、即ち、バルブ42を開放している時の被処理液面61より低くして、位置差D2を持たせている。また、仕切板15の最高位は排出管41の分離部81との接続部(管座)より高くして、位置差D3を持たせている。
【0018】
排出管41における被処理液の流出量と吸入部82の入口面積で決まる吸入部82での被処理液の下降速度が気泡の上昇速度より遅くなるようにして、分離部81を上昇中の微細気泡および油粒子が吸入部82に流入して排出管41から流出することはないようにしている。
【0019】
浮上油受け部83の底部には、油分を排出する油分排出管51を設けてある。
【0020】
図示しないが、処理槽11の底部から外部に配管を設け、その途中にバルブを設けてあり、分離部81内部の液体を排出する必要がある場合にこれらを用いる。
また、供給管23を分離部81の下部に接続して、未処理の被処理液を分離部81に供給してもよい。
【0021】
分離部81には温度測定器84を設けてあり、分離部81の液温度を測定できるようにしている。図示しないが、配管30から循環ポンプ31を経由しノズル33までの配管37中に温度測定器を設置して、分離部81の液温度を測定してもよい。
【0022】
次にその動作を説明する。
ここで、空気圧縮機から排出されるドレン中の油分濃度について、説明する。
絶対湿度が高い時期(夏季)にドレン流量が多いが、ドレン中の油分濃度は低く、絶対湿度が低くてドレン流量が少ない時期(冬季や春秋)には油分濃度は高い。
【0023】
先ず、絶対湿度が高い時期に行う連続処理運転について説明する。
準備として、バルブ42は開放状態として処理槽11の分離部81を清水または処理済の被処理液液を充填し、被処理液面61が排出管41の最高位に一致したら、循環ポンプ31を運転する。この時、バルブ22は閉止し、供給ポンプ21は停止している。バルブ34,36は開放状態としてあり、清水または処理済の被処理液が配管30を流れることによって、空気供給管35側が負圧となり、溶解用空気が空気供給管35から流入する。循環ポンプ31は流入した空気と循環する被処理液を充分攪拌し加圧することで、流入した空気は循環する被処理液中に溶解する。循環ポンプ31で加圧された被処理液と溶解した空気はノズル33から分離部81の被処理液中に吐出することで減圧され、水に溶解していた空気は気泡となる。
【0024】
循環ポンプ31による加圧で被処理液に溶解する空気量は加圧下ではヘンリー(Henry)の法則に従ったものとなり、配管30を流れる清水または処理済の被処理液にかかる圧力、及び配管30を流れる流量に比例して溶解する空気量は多くなる。また配管30を流れる清水または処理済の被処理液の温度が低い程、溶解する空気量は多くなる。実際の運転では圧力、流量を設定値一定となるように運転する。このように運転すると循環ポンプ31の動力が熱となり配管30を流れる清水または処理済の被処理液に伝わり、液温が上昇し、溶解する空気量は減少する。
【0025】
このため、予め配管30,37における被処理液の流量,被処理液の液温度,循環ポンプ31による加圧量と溶解空気量の関係を求めておき、温度測定器84で求めた液温度により空気供給管35から流入させる溶解用空気量を処理槽11内を気泡がほぼ揃って浮上する量になるようにバルブ34で調節し、運転する。
【0026】
上記したように被処理液に溶解していた空気はノズル33から吐出することで減圧され気泡となって分離部81内を浮上するが、分離部81内をほぼ揃って順次浮上するような微細気泡がノズル33から吐出するように溶解する空気量をバルブ34で調節しておく。
【0027】
径の大きな気泡の大気泡は浮力が大きく働くから微細気泡よりも早く浮上する。早い浮上は、油水分離に寄与しないし、分離部81内での流れを乱して微細気泡と油分の接触を阻害し、分離性能を低下させかねない。大気泡の発生原因は循環ポンプ31の加圧によっても被処理液に溶解しなかった空気が存在することにあるとみることができるので、空気供給管35から取り込む溶解用空気量をバルブ34で調節して、余分な空気が入らないようにして、連続して大気泡が浮上しないようにしておく。
【0028】
この運転状態を保ちながら、バルブ22を開放し供給ポンプ21を駆動して被処理液の供給系統を運転し、被処理液の循環系統を循環している清水または処理済の被処理液に未処理状態の被処理液を混合させる。
【0029】
すると、ノズル33から微細気泡と共に油粒子が噴射され、油分は微細気泡に付着して浮上し、油分が被処理液から分離する。この際に供給ポンプ21の動力が熱となり、混合された被処理液に伝わり温度が上がり、溶解可能な空気の量は減少する。減少することで溶解できない余剰気泡(大気泡)が発生しようとする。前述のように、余剰気泡は気泡径が大きく上昇速度は早く、槽内に流れの乱れを起こし、油に付着した微細気泡を引き離したりして、油水分離を妨げる。
【0030】
そこで、前述したように、予め液温度と溶解空気量の関係を求めておき、温度測定器84で求めた液温度により空気供給管35から流入させる溶解用空気量を処理槽11内を気泡がほぼ揃って浮上する量になるようにバルブ34で再調節し、運転するため、余剰空気は発生せず油水分離性能を低下させることはない。また、未処理状態の被処理液を混合することによる液温度の下降を予測して、予め溶解用空気量を下降分だけ減少させた温度での流量に固定して運転するようにしてもよいし、循環流量を少なくしてもよい。
【0031】
分離部81の上部にある吸入部82では、配管23から供給された未処理状態の被処理液相当分の処理済の被処理液を微細気泡の上昇速度よりも遅い速度で吸込んで排出管41から排出する。
【0032】
循環ポンプ31出口での圧力は、所要動力を少なくすることと微細気泡の直径を小さくすることを考慮すると0.3〜0.8MPa程度が好ましい。溶解空気量が圧力に比例することを考慮すると、循環水流量は被処理液供給系統から供給された未処理状態の被処理液量の30〜100倍で、未処理状態の被処理液は循環水によって30〜100倍に希釈されるので、分離部81に供給される被処理液の油分は低濃度である。
【0033】
一具体例を述べれば、油分濃度約60mg/Lの未処理状態の被処理液を処理したところ、油分濃度5mg/Lとなった状態で連続的に排出することができた。
【0034】
分離部81上部の浮上油は連続運転中に排出管41の途中に設けたバルブ42を一時的に閉じると、分離部81内部の被処理液面61および浮上油液面62が上昇し、浮上油液面62が遮蔽板12の高さを超えると浮上油がオーバフローし、浮上油受け部83へ流下する。分離部81での浮上油が減ったらバルブ42をゆっくり開けて、排出管41から被処理液を排出して被処理液面61を下げて連続処理を継続する。
【0035】
次に、絶対湿度の低い時期に行う間歇処理運転について説明する。
先ず、準備として連続処理運転と同様に、分離部81に清水または処理済の被処理液を充満させた状態で循環ポンプ31を運転する。バルブ22は閉じてあるが、バルブ34,バルブ36は開放してあり、溶解用空気が空気供給管35から流入する。
【0036】
循環ポンプ31の動力が熱となり配管30を流れる被処理液に伝わり、分離部81における被処理液の温度を上昇させるため、被処理液の密度は小さくなる。尚、被処理液の密度を小さくするためには分離部81において被処理液の温度を上昇させるための加熱手段を配置してもよい。
【0037】
被処理液が予定した温度まで上昇したら、循環系統における循環ポンプ31の運転を停止し、バルブ34を閉じ、被処理液供給系統のバルブ22を開放状態にして供給ポンプ21を運転して、未処理状態の被処理液を供給する。被処理液は、配管30および配管37、ノズル33から分離部81に流入する。
【0038】
被処理液は分離部81内の清水または処理済の被処理液よりも温度が低く密度が大きいために分離部81の底部に溜って行き、密度が小さい処理済の油分濃度の低い被処理液は分離部81の上部に押し上げられた形となって、吸入部82から排出管41からバルブ42を経由して排出される。例えば、仕切板15上端から分離部81の底部までにおける容積が40L,清水または処理済の被処理液温度が320K、未処理状態の被処理液温度が283K、未処理状態の被処理液の供給を20L/hで行う と、処理済の被処理液のみを30L以上排出可能である。
【0039】
処理済の被処理液のみの排出が済んだら、バルブ22とバルブ42を閉状態にして未処理状態の被処理液の供給を止めて、循環ポンプ31による槽外循環を実施する。バルブ34,バルブ36は開放状態として、溶解用空気が空気供給管35から流入する。連続処理と同様に圧力、流量を設定値一定となるように運転する。この場合も循環ポンプ31の動力が熱となり配管30を流れる被処理液に伝わり、液温が上昇し、溶解する空気量は減少する。
【0040】
このため、予め液温度と溶解空気量の関係を求めておき、温度測定器84で求めた液温度により空気供給管35から流入させる溶解用空気量を処理槽11内を気泡がほぼ揃って浮上する量になるようにバルブ34で調節し、運転する。それで、余剰空気による大気泡は連続して発生せず、油水分離性能を低下させることはない。
【0041】
バルブ42は閉止してあり、分離部81の被処理液中に微細気泡が存在することになり、被処理液面61は排出管41の最高位置よりも高くなる。この状態で分離部81内部の被処理液面61上側に浮上油が溜まるが、浮上油液面62よりも遮蔽板12の上端位置を高くしてあり(図1の浮上油液面62は連続処理運転時のものであり、間歇処理運転ではもう少し低い位置が浮上油液面62となっている)、被処理液の循環中に浮上油が浮上油受け部83へ遮蔽板12からオーバフローすることはない。
【0042】
槽外循環中に分離部81下方の油分は微細気泡によって上昇し、油水分離する。浮上油分離法では油分が高濃度であるほど分離性能は良いので、中間濃度以下までは高速に分離できる。低濃度域は連続処理に近い分離性能を有する。
【0043】
本発明者らの観察によれば、槽外循環の前半50%の時間で未処理状態の被処理液の油分濃度は中間濃度以下の1/5程度に低下し、後半50%の時間で中間濃度以下の油分濃度からさらにその1/5程度の低濃度(連続処理での目標濃度)に低下することを確認している。前後半で低減する比率は同程度であるが、絶対値でみれば前半に大半の油分が分離されていることになる。
【0044】
分離部81における被処理液が目標とする濃度に低下したら、循環ポンプ31を停止し、バルブ34を閉じてバルブ22とバルブ42を開放させ、供給ポンプ21を運転して未処理状態の被処理液を分離部81の低部から供給する。この期間中に分離部81上部の処理済の被処理液は、新たに供給した未処理状態の被処理液と同量だけ排出管41から流出する。
【0045】
以上説明した被処理液の供給と循環のために供給ポンプ21,循環ポンプ31の運転と停止を交互に繰り返し、浮上油液面62と被処理液面61との差が大きくなったら、即ち、分離部81上部に浮上油が溜まったら、供給ポンプ21の運転中に排出管41のバルブ42を閉止状態にし、被処理液面61が遮蔽板12と同一高さになることによって浮上油を遮蔽板12の上端からオーバフローさせ、浮上油受け部83へ排出する。
【0046】
通常のスクリュー型空気圧縮機では一週間の連続運転により浮上油が約1mm溜まるので、浮上油の排出は一週間に1回程度行う。この排出時期は運転時間で決定するだけでなく、浮上油量、浮上油厚さを測定することによっても決定できる。
【0047】
この間歇処理では、分離部81内に清水または処理済の被処理液液と約50%の未処理状態にある被処理液を混合して油水分離処理し、油分は高濃度から低濃度まで短時間で下げることになる。
【0048】
図2に示したように、夏季に相当する大気中の水分量が多い時期にはドレン流量が多く、油分濃度は低い。冬季に相当する大気中の水分量が少ない時にはドレン流量が少なく、油分濃度は高い。そこで前記2つの運転方法の特徴を生かして、ドレン流量が多く油分濃度が低い場合には連続処理を行い、ドレン流量が少なく油分濃度が高い場合には間歇運転を行うことにより、小型で高速処理可能な油水分離装置を構成できる。
【0049】
間歇処理運転は、槽外循環期間と被処理液供給期間の長さを異ならせた複数のパターンを用意して、中間濃度域の余裕を広くすることも可能である。
図2の一点鎖線は、2パターンに分ける濃度域を示している。高濃度の第I領域、中濃度の第II領域に分けて、第I領域では槽外循環期間と被処理液供給期間を共に長い第一運転パターンとし、 第II領域では槽外循環期間と被処理液供給期間を共に第I領域より短い第二運転パターンとしている。冬季には第一運転パターンの間歇処理を行い、春秋には第二運転パターンの間歇処理を行う。こうすることで年中、如何なる状態の被処理液であっても1台の装置で対応できる。なお、槽外循環期間のみを変化させることによっても同様に対応できる。
【0050】
これらの運転パターン選択にはドレン流量または油分濃度の情報が必要である。油分濃度は短時間で計測する方法が無いので、運転パターン選択にはドレン流量の情報を用いる。ドレン流量は大気中の水分量、空気圧縮機の吐出空気圧力、空気冷却器の出口温度、凝縮水補集効率から計算できる。従って、大気温度と大気湿度を計測する方法がある。一方、通常は空気圧縮機からのドレンを溜めるタンクを設けてあり、この中に液面計を取付け、液面の変化からドレン流量を算出する方法がある。また、大気温度のみを測定して、大気湿度100%としたドレン最大流量を計算し、この値を制御に用いることも可能である。実際にはこれらの方法を単独もしくは組合わせて制御に用いる。これらのパターンや運転モードの切り替えは図示していない制御装置にシーケンスプログラムとして用意しておき、油分濃度を確認するための大気中の湿度などの上述した各項目の計測結果やカレンダーなどに基づいて適宜に切り替えるようにしておくことができる。
【0051】
以上、本発明における連続処理と間歇処理について説明したが、いずれの処理であっても、前記従来技術における大型化しがちな加圧タンクなどの付属設備は不要である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、小型であっても高速に油水分離の処理ができる。また、本発明によれば、被処理液量やその油分濃度が変化しても高速に油水分離の処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態になる油水分離装置を示す図である。
【図2】 空気圧縮機におけるドレンの流量と油分濃度の関係を示す図である。
【符号の説明】
11…処理槽
12…遮蔽板
15…仕切板
21…供給ポンプ
22,34,36,42…バルブ
23,30,35,37,41,51…配管
31…循環ポンプ
33…ノズル
61…被処理液面
62…浮上油液面
81…分離部
82…ポケット状吸入部
83…浮上油受け部
84…温度測定器

Claims (5)

  1. 処理槽に貯留した被処理液中に気泡を供給することによって被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる油水分離方法において、
    バルブを介して空気を供給する空気供給管を有する空気供給手段で該処理槽の下部から汲み出した被処理液に空気を溶解させ該処理槽の下部に設けたノズルから噴射して被処理液を該処理槽に戻して被処理液を循環させる循環配管系が構成され、被処理液は該循環配管系を循環し
    未処理状態の被処理液は、該処理槽と該循環配管系とを循環する被処理液に供給し、
    該循環配管系においては、油分を付着して浮上する微細気泡が該処理槽内をほぼ揃って浮上するように該バルブが調節された該空気供給手段で、被処理液に空気を溶解しておくことを特徴とする油水分離方法。
  2. 上記請求項1に記載の油水分離方法において、該空気供給手段は被処理液の圧力,流量,温度に対応した空気供給量となるように前記バルブが調整されていることを特徴とする油水分離方法。
  3. 処理槽に貯留した被処理液中に気泡を供給することによって被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる油水分離装置において、
    バルブを介して空気を供給する空気供給管を有する空気供給手段と、
    該処理槽の下部から汲み出した被処理液に空気供給手段で空気を溶解させて該処理槽の下部に設けたノズルから噴射して被処理液を該処理槽に戻して被処理液を循環させる循環配管系と、
    未処理状態の被処理液を該循環配管系に供給する供給配管系とを有し、
    該循環配管系は油分を付着して浮上する微細気泡が該処理槽内をほぼ揃って浮上するように該バルブが調節された該空気供給手段で、被処理液に空気を溶解しておくものであることを特徴とする油水分離装置。
  4. 処理槽に貯留した被処理液中に気泡を供給することによって被処理液に含まれる油分を気泡とともに浮上させ水と油分とを分離させる油水分離装置において、
    バルブを介して空気を供給する空気供給管を有する空気供給手段と、
    該処理槽の下部から汲み出した被処理液に空気供給手段で空気を溶解させて該処理槽の下部に設けたノズルから噴射して被処理液を該処理槽に戻して被処理液を循環させる循環配管系と、
    未処理状態の被処理液を該処理槽の下部に接続される供給管から該処理槽に供給する供給配管系とを有し、
    該循環配管系は油分を付着して浮上する微細気泡が該処理槽内をほぼ揃って浮上するように該バルブが調節された該空気供給手段で、被処理液に空気を溶解しておくものであることを特徴とする油水分離装置。
  5. 上記請求項3又は4に記載の油水分離装置において、該循環配管系と該供給配管系はそれぞれ循環ポンプと供給ポンプを有し、未処理状態の被処理液量に応じて、循環ポンプと供給ポンプは同時に連続運転をするか、循環ポンプと供給ポンプが交互に間歇運転をするようになされていることを特徴とする油水分離装置。
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