JP5388832B2 - 床暖房装置 - Google Patents
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Description
この床暖房装置は、太陽熱集熱器によって加熱された湯が、熱媒体に比べて一定以上高温の場合には、熱媒体が熱交換器によって加熱され、そうでない場合は、熱媒体が給湯機によって加熱されるように三方弁によって熱媒体の流路を切り換えて、床下に送っている。
従って、熱交換器によって熱媒体の加熱が可能なときのみ、太陽光の集熱で得た熱を利用するので、熱媒体の温度を下げることなく床暖房を行うことができる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、太陽光の集熱を利用した床暖房が可能であり、居住者に冷感を与えることなく安定的な暖を与える床暖房装置を提供することを目的とする。
また、制御手段は、ソーラ暖房熱交換器による床暖房の要求信号を受信したとき、第3の熱媒体の温度が予め設定された温度Tm以上であって、かつ第3の熱媒体の温度から第2の熱媒体の温度を差し引いた温度Xが、予め設定された温度α以上の場合にのみ、ソーラ暖房熱交換器による床暖房を行うので、居住者に冷感を与えず、かつ、第2の熱媒体を確実に加熱可能な状態で床暖房を行うことができる。
更に、制御手段は、ソーラポンプを作動し、第3の熱媒体の温度を検知して、その温度が予め設定された温度Tm以上の場合に、暖房ポンプを作動するので、第3の熱媒体がTm未満の場合には、暖房ポンプを作動することなく、ソーラ暖房熱交換器による床暖房は不可能との判定ができ、床暖房可否の判定を最小の電力消費により行うことが可能である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る床暖房装置10は、給湯機11で昇温した第1の熱媒体の一例である湯(水)、及び太陽光の集熱により暖めた不凍液(第3の熱媒体の一例)の一方を用いて、床下暖房用の暖房水(第2の熱媒体の一例)を加熱し、床暖房を行う装置である。
更に、床暖房装置10には、ソーラパネル17で加熱され、ソーラポンプ18の作動によって循環する不凍液の温度を計測するサーミスタ(ソーラ温度センサの一例)19と、不凍液によって暖房水を加熱するソーラ暖房熱交換器20と、ソーラパネル17から送られる不凍液の送り先をソーラパネル17及びソーラ暖房熱交換器20の一方から他方に切り換えるソーラ三方弁21とを備えるソーラ循環回路22が設けられている。以下、これらについて詳細に説明する。
燃焼ガスは、一次熱交換部27を通過した後に二次熱交換部28に取り込まれ、二次熱交換部28は、その燃焼ガスの熱によって、二次熱交換部28に配置された配管を流れる湯を予熱する。そして、その予熱された湯は、一次熱交換部27に送られて、一次熱交換部27で加熱されるので、給湯機11は、燃焼ガスの熱を配管内の湯に効率的に伝えて湯を加熱することができる。なお、二次熱交換部28と一次熱交換部27を連結する回路には、二次熱交換部28から一次熱交換部27に水を送るポンプ29が設置されている。
また、潜熱回収比例弁30は、貯湯タンク32から二次熱交換部28に流れる湯の量を調整可能である。
そして、貯湯タンク32の底部には、貯湯タンク32に水道水を供給する水道管37が接続され、水道管37には、水道管37内の水圧を調整する減圧弁38、水道水の温度を計測するサーミスタ39、水道管37を流れる水道水の量を計測する水量センサ40、及び水道水の流れの向きを一方方向にする逆止弁41が取り付けられている。
ソーラパネル17は、一枚又は複数枚(本実施の形態では2枚)の集熱板44からなり、集熱板44で加熱された不凍液は、ソーラポンプ18の作動により、タンク内熱交換器43に供給される。
制御手段16は、タンク内熱交換器43による貯湯タンク32の水の加熱、及びソーラ暖房熱交換器20による暖房水の加熱が共に行われていないとき、タンク内熱交換器43による貯湯タンク32の水の加熱が可能か否かを判定する集熱判定状態となる。なお、制御手段16は、予め設定された昼間の時間帯(例えば、午前6時から午後6時)でのみ、集熱判定状態となる。
集熱判定状態となった制御手段16は、ソーラ三方弁21の不凍液の送り先をソーラパネル17の入口にして、所定の時間間隔で、ソーラポンプ18を作動し、サーミスタ19、36を介して、不凍液の温度S0及び貯湯タンク32の底部の温度B0をそれぞれ検知する。
なお、Tnは、貯湯タンク32内の湯の温度が、不凍液によって貯湯タンク32の湯を昇温できない、あるいは、効率的な昇温ができない温度であることを意味し、例えば85〜95℃の範囲で、本実施の形態では93℃を設定している。また、βは、例えば3〜8℃の温度で、本実施の形態では5℃である。
なお、サーミスタ19、33〜36、ソーラポンプ18、及びソーラ三方弁21は制御手段16に信号接続されており、制御手段16には、上記の集熱判定等を行うためのプログラムを格納したマイクロコンピュータ等が搭載されている。
なお、混合比例弁47には、制御手段16に信号接続された比例弁48、49が設けられ、制御手段16は、比例弁48、49を作動して、一次熱交換部27から送られた湯と水道水の混合量を調整することができる。そして、制御手段16には、入力手段50が信号接続されており、制御手段16は、入力手段50で設定された給湯温度に従って、比例弁48、49による湯と水道水の混合量を決定する。また、混合比例弁47の下流側にはサーミスタ51が配置され、制御手段16は、サーミスタ51を介して、比例弁48、49によって混合された湯の温度を検知可能である。なお、比例弁49の水道水の入側には、比例弁49から水道管37側への逆流を防止する逆止弁52が配置されている。
また、一次熱交換部27の湯の出側には、三方弁59が配置されている。三方弁59は、制御手段16から送られる信号に従って作動し、一次熱交換部27の湯の送り先を、暖房高温熱交換器13、及び風呂の追焚きの際に用いられる風呂熱交換器60のうち一方にすることや、両方にすること等が可能である。
ここで、床暖房は、人体が暖を感じる一定以上の温度が必要であると共に、人体に火傷等を負わせないために一定以下の温度であることを要するので、室内61の床下暖房の際に床暖房回路部62に送られる暖房水は、一定範囲内の温度にすることが求められる。
Hmは、例えば35〜52℃の範囲で本実施の形態では42℃である。また、床暖房回路62aのみに暖房水が送られている場合、Hhは、例えば55〜65℃で本実施の形態では60℃であり、床暖房回路62a及び高温暖房回路64aに暖房水が送られている場合、Hhは、例えば、68〜80℃の範囲で本実施の形態では78℃である。
また、床暖房回路62aには、バイパス比例弁66及び暖房水の流量を調整する緩開型開閉弁66aが設けられている。バイパス比例弁66は、暖房高温熱交換器13又はソーラ暖房熱交換器20で加熱された暖房水と、床暖房回路62aを通過して温度が下がった暖房水を混合でき、床暖房回路62aに約70℃以上約75℃以下の温度の湯を供給可能である。なお、バイパス比例弁66及び緩開型開閉弁66aは制御手段16によって制御される。
暖房循環回路12には、暖房水タンク67が設けられ、制御手段16は、暖房水タンク67に貯えられている暖房水が所定量以下になったとき、水道管37と暖房水タンク67の間に配置された補給弁68を開口して、暖房水タンク67に水道水を給水する。
そして、ソーラ暖房三方弁70は、制御手段16から送られる信号に従って、流出口73、74のうち一方を開き、他方を閉じて、不凍液をタンク内熱交換器43及びソーラ暖房熱交換器20のうち一方に送るようにする。
床暖房判定状態となった制御手段16は、制御手段16に予め設定された時間T1の間、ソーラポンプ18を作動した後、サーミスタ19を介して不凍液の温度(この温度を温度S1とする)を検知する。
ここで、制御手段16は、「エコ暖房」の要求信号を受信したときに、ソーラポンプ18を作動して、タンク内熱交換器43による貯湯タンク32の水の加熱を行っていた場合には、予め設定された時間Pの間、ソーラポンプ18を停止した後に、時間T1間のソーラポンプ18の作動を開始する。一方、タンク内熱交換器43による貯湯タンク32の水の加熱を行っていない場合、制御手段16は、時間T1間のソーラポンプ18の作動を直ちに開始する。
また、時間T1の値は、ソーラ循環回路22を循環する不凍液の温度がソーラ循環回路22の異なる領域で略同一となるまでの時間を考慮して決定することができ、本実施の形態では60〜300秒の値を設定可能であり、具体的には120秒を設定している。
温度Tmは、ソーラ暖房熱交換器20の熱交換率等により決定することができ、ソーラ暖房熱交換器20による熱交換によって、加熱された暖房水の温度をHm以上にするための不凍液の最低温度である。温度Tmとして、本実施の形態では40〜50℃の温度を設定でき、具体的には42℃を設定している。
そして、温度S2から温度H1を差し引いた温度Xが、制御手段16に予め設定された温度α未満の場合、制御手段16は、「エコ暖房」を実行不可能との判定をし、床暖房判定状態を解除する。
また、サーミスタ14による暖房水の計測温度が所定温度未満で、2回連続で下降しているときに「エコ暖房」を停止するのは、ソーラパネル17の集熱量が室内61の床暖房には不十分なためであり、これによって、室内61の温度の低下を回避することができる。
この「エコ暖房」と「給湯機暖房」を設けることにより、居住者は、天候の良し悪しや、外気の高低等により、2種類の床暖房を使い分けることができる。
例えば、第1、第2、第3の熱媒体は、それぞれ水、暖房水、及び不凍液に限定されず、具体的には、第2の熱媒体を不凍液にすることや、第3の熱媒体を水にすることもできる。
また、入力手段にタイマー機能を設け、入力手段は、予め設定された時刻に「エコ暖房」及び「給湯機暖房」の要求信号を制御手段に送信するようにしてもよい。
Claims (3)
- 給湯機から送られる第1の熱媒体によって、暖房循環回路を流れる第2の熱媒体を加熱する暖房高温熱交換器と、前記暖房循環回路に取り付けられた床暖温度センサ及び暖房ポンプと、前記暖房高温熱交換器に前記第2の熱媒体を加熱させて床暖房する制御手段とを有する床暖房装置であって、
ソーラパネルで加熱され、ソーラポンプの作動によって循環する第3の熱媒体の温度を計測するソーラ温度センサと、前記第3の熱媒体によって前記第2の熱媒体を加熱するソーラ暖房熱交換器と、前記ソーラパネルから送られる前記第3の熱媒体の送り先を該ソーラパネル及び前記ソーラ暖房熱交換器の一方から他方に切り換えるソーラ三方弁とを備えるソーラ循環回路が設けられ、
前記制御手段は、入力手段から、前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房の要求信号を受信したとき、前記ソーラ三方弁を作動して、前記第3の熱媒体の送り先を前記ソーラパネルにし、前記ソーラポンプを作動し、前記ソーラ温度センサを介して前記第3の熱媒体の温度S1を検知して、
(1)前記温度S1が予め設定された温度Tm未満の場合、前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房は実行不可能との判定をし、
(2)前記温度S1が前記温度Tm以上の場合、前記暖房ポンプを作動し、前記ソーラ温度センサ及び前記床暖温度センサを介して、前記第3の熱媒体の温度S2及び前記第2の熱媒体の温度H1をそれぞれ取得し、
(3)前記温度S2から前記温度H1を差し引いた温度Xが、予め設定された温度α未満の場合、前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房は実行不可能との判定をし、
(4)前記温度Xが前記温度α以上の場合、前記ソーラ三方弁を作動して前記第3の熱媒体の送り先を前記ソーラ暖房熱交換器に切り換えて、前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房を行うことを特徴とする床暖房装置。 - 請求項1記載の床暖房装置において、前記ソーラ循環回路には、更に、貯湯タンクの内側に配置されたタンク内熱交換器と、前記ソーラ三方弁の前記第3の熱媒体の出側に配置され、前記第3の熱媒体の送り先を前記ソーラ暖房熱交換器及び前記タンク内熱交換器の一方から他方に切り換えるソーラ暖房三方弁とが設けられ、
前記制御手段は、前記タンク内熱交換器に前記第3の熱媒が送られている最中に、前記入力手段から前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房の要求信号を受信したとき、前記ソーラ三方弁を作動して、前記第3の熱媒体の送り先を前記ソーラパネルにし、予め設定された時間Pの間、前記ソーラポンプを停止した後に、該ソーラポンプを作動して、前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房の判定動作を行うことを特徴とする床暖房装置。 - 請求項1又は2記載の床暖房装置において、前記制御手段は、前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房中に、前記入力手段から、前記暖房高温熱交換器による床暖房の要求信号を受信した場合には、前記ソーラ暖房熱交換器による床暖房を停止し、前記暖房高温熱交換器による床暖房を開始することを特徴とする床暖房装置。
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