JP5387352B2 - 歯ブラシ用モノフィラメント - Google Patents

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Description

本発明は、歯ブラシなどの口腔内衛生具のモノフィラメントとして好適に利用可能な歯ブラシ用モノフィラメントに関するものである。
横断面が円形以外の芯鞘複合繊維として、芯部/鞘部の組合せとして、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと称する。)、ポリエステルエラストマー/PBT、ポリプロピレンテレフタレート/PBT、ポリエチレンナフタレート/PBT、ポリエステルエラストマー/ポリエチレンテレフタレートなどからなり、繊維の長さ方向と直交する芯部の断面形状を星形や八葉形などに形成し、繊維の長さ方向と直交する鞘部の断面形状を三角形や正方形や八葉形に形成したもの(例えば、特許文献1参照。)や、導電性粒子を含有するポリエステルからなる導電性ポリマーを鞘成分とし、ポリエチレンテレフタレートからなる非導電性ポリマーを芯成分とし、繊維の長さ方向と直交する芯部の断面形状を円形や三角形に形成し、繊維の長さ方向と直交する鞘部の断面形状を3角形や4角形としたもの(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
また、歯ブラシ用モノフィラメントとして、単一の合成樹脂材料からなり、長さ方向と直交する横断面形状を長方形状に形成して、モノフィラメントと歯表面との面接触の接触面積を大きく設定することによって、ステイン除去性能を高めたもの(例えば、特許文献3参照。)や、ポリアミド製の極細繊維からなる毛をゴム層で被覆してなるモノフィラメントを用い、歯茎への刺激を少なくしたものが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2009−89920号公報 特開2004−225214号公報 特開平10−313946号公報 特開平5−123222号公報
ところで、歯表面のステイン除去(着色除去)のメカニズムは、現時点ではまだ明確ではないが、特許文献3記載のように、モノフィラメントの長さ方向と直交する横断面形状を長方形状に形成することで、効率的に除去できることが知られている。しかし、特許文献3記載のように、モノフィラメントとして単一の合成樹脂材料からなるものを用いると、ステイン除去性能は改善できるものの、ブラシとしての適度な硬さが得られなかったり、ブラシの毛先が広がり易くなって耐久性が低下したり、ブラッシング時における使用感が低下したりするという問題があった。
本発明の目的は、歯ブラシのモノフィラメントとしての硬さや耐久性、使用感などを適正に設定でき、植毛台に植設したモノフィラメントが抜け難く、しかもステイン除去性能を向上できる歯ブラシ用モノフィラメントを提供することである。
本発明に係る歯ブラシ用モノフィラメントは、合成樹脂繊維からなる芯部と、前記芯部に一体に被覆した鞘部であって、前記芯部を構成する合成樹脂と相溶性を有するエラストマーからなる鞘部とを有し、長さ方向と直交する横断面を4角形状となし、その各辺の長さを0.16〜0.30mmに設定したものである。
この歯ブラシ用モノフィラメントでは、長さ方向と直交する横断面が4角形状なので、この歯ブラシ用モノフィラメントを歯ブラシに用いると、ステイン除去性能を十分に確保することができる。ステイン除去のメカニズムは、現時点ではまだ明確ではないが、本発明のように横断面が4角形状の繊維を用いることで、歯表面とモノフィラメントとの面接触の接触面積を大きく設定したり、横断面が4角形状のモノフィラメントの角部で歯表面が強く擦られたり、ゴム弾性を有するエラストマーを歯表面に擦り付けたりすることで、効率良く除去できるものと推定できる。また、本発明では、鞘部をエラストマーで構成しているので、歯磨き剤に含まれる微細な研磨粒子が、モノフィラメントと歯表面間に挟持されたときに、エラストマーにくい込んで保持されながら、歯表面に擦り付けられることによっても、歯垢やステインを効率良く除去できる。しかも、エラストマーにより、モノフィラメント同士の摩擦抵抗及びモノフィラメントと植毛台との摩擦抵抗が大きくなるので、植毛台に植設したモノフィラメントの引き抜き強度を向上できる。
また、芯部を合成樹脂繊維で構成しているので、この芯部の材質や直径などを適正に調整することで、歯ブラシとして利用可能な適度な硬さのモノフィラメントを得ることができる。また、モノフィラメントが角張ったものとなるので、その分歯肉や口腔内との接触による刺激が強くなるが、モノフィラメントの外周部がエラストマーで被覆されているので、該刺激を抑制して、使用感も向上できる。しかも、合成樹脂製の芯部をエラストマーからなる鞘部で被覆することにより、合成樹脂繊維に対する水の影響を減少させ、ブラシの毛先が広がって耐久性が低下するという問題も改善できる。
ここで、前記芯部がポリエステル系の合成樹脂繊維からなり、前記鞘部がサーモプラスチックエラストマー(TPE)からなることが好ましく、特に前記芯部がポリブチレンテレフタレート(PBT)からなり、前記鞘部がポリエステル系のサーモプラスチックエラストマー(TPE)からなることが好ましい実施の形態である。芯部を構成する合成樹脂材料として、ポリブチレンテレフタレートを用いることで、歯ブラシ用モノフィラメントの毛腰を十分に確保できる。また、サーモプラスチックエラストマーは、芯部を構成する合成樹脂材料と同時押出し成形により芯鞘繊維を容易に製作できるので好ましい。
前記鞘部の外面を緩やかに内側へ窪んだ凹面状に形成することも好ましい実施の形態である。この場合には、鞘部の外面の窪んだ部分に歯磨き剤を保持できるので、歯磨き剤を十分に歯表面に擦りつけながら効率的に歯表面を清掃することができる。
前記芯部の長さ方向と直交する断面形状が円形状であることが好ましい。芯部の断面形状は、任意に設定できるが、前述したように、芯部は主にモノフィラメントの硬さを確保するものなので、断面円形に構成して、モノフィラメントの硬さ、即ち毛腰を全周にわたって一様に設定することが好ましい。
本発明に係る歯ブラシ用モノフィラメントによれば、長さ方向と直交する横断面が4角形状なので、この歯ブラシ用モノフィラメントを歯ブラシに用いると、ステイン除去性能を十分に確保することができる。また、芯部を合成樹脂繊維で構成しているので、この芯部の材質や直径などを適正に調整することで、歯ブラシとして利用可能な適度な硬さのモノフィラメントを得ることができる。また、モノフィラメントが角張ったものとなるので、その分歯肉や口腔内との接触による刺激が強くなるが、モノフィラメントの外周部がエラストマーで被覆されているので、該刺激を抑制して、使用感を向上できる。しかも、合成樹脂製の芯部をエラストマーからなる鞘部で被覆することにより、合成樹脂繊維に対する水の影響を減少させ、ブラシの毛先が広がって耐久性が低下するという問題を改善できるとともに、エラストマーにより、モノフィラメント同士の摩擦抵抗及びモノフィラメントと植毛台との摩擦抵抗が大きくなるので、植毛台に植設したモノフィラメントの引き抜き強度を向上できる。
(a)は本発明のモノフィラメントの横断面図、(b)は他の実施形態のモノフィラメントの横断面図 (a)〜(d)は比較例のモノフィラメントの横断面図、
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)に示すように、歯ブラシ用モノフィラメント1は、合成樹脂繊維からなる芯部2と、芯部2に一体に被覆した鞘部3であって、芯部2を構成する合成樹脂と相溶性を有するエラストマーからなる鞘部3とを有する芯鞘複合繊維からなり、繊維の長さ方向と直交する横断面を4角形状となしたものである。
芯部2を構成する合成樹脂材料としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系などの合成樹脂材料を採用できる。具体的には、ポリアミド系の合成樹脂材料としては、ナイロン610、ナイロン612などを採用でき、ポリエステル系の合成樹脂材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを採用でき、ポリオレフィン系の合成樹脂材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを採用できる。
鞘部3を構成するエラストマーとしては、例えばポリスチレン系(SBC)、ポリオレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリウレタン系(PU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)などのサーモプラスチックエラストマー(TPE)を採用できる。その中でも、ポリエステル系、ポリアミド系(TPAE)のサーモプラスチックエラストマーが好ましく、特に取扱性に優れていることから、ポリエステル系のサーモプラスチックエラストマーを用いることが好ましい。
サーモプラスチックエラストマーは、基本的には、ハードセグメント(樹脂成分)とソフトセグメント(ゴム成分)で構成されている。ただし、ポリ塩化ビニル系は除く。具体的には、ポリスチレン系のサーモプラスチックエラストマーでは、ハードセグメントとしてポリスチレンを用い、ソフトセグメントとしてブタジエンを用いることになる。また、ポリオレフィン系のサーモプラスチックエラストマーでは、ハードセグメントとしてポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂材料を用い、ソフトセグメントとしてエチレンプロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などのオレフィン系ゴムを用いることになる。ポリウレタン系のサーモプラスチックエラストマーでは、ハードセグメントとしてポリウレタンを用い、ソフトセグメントとしてポリオールやポリエステルなどを用いることになり、ポリエステル系のサーモプラスチックエラストマーでは、ハードセグメントとしてポリエステルを用い、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエーテル、ポリエステルなどを用いることになり、ポリアミド系のサーモプラスチックエラストマーでは、ハードセグメントとしてナイロンオリゴマーを用い、ソフトセグメントとしてポリオール、ポリエステルなどを用いることになる。ポリ塩化ビニル系としては、ゲルポリ塩化ビニル、高重合度ポリ塩化ビニルの可塑化物、アクリロニトリルブタンジエンゴム(NBR)変性ポリ塩化ビニルなどを用いることができる。
鞘部3を構成するエラストマーのJIS K 6253で規定するデュロメータタイプD硬さは、27Dより小さいと植毛性が著しく悪くなる可能性があり、94Dより大きいと弾性が小さくなるので、27D〜94Dが好ましく、55D〜72Dがより好ましい。
芯部2と鞘部3とは相溶性を有する素材で構成することが好ましく、芯部2としてポリエステル系の合成樹脂材料を用い、鞘部3としてポリエステル系のエラストマーを用いる組み合わせと、芯部2としてポリアミド系の合成樹脂材料を用い、鞘部3としてポリアミド系のエラストマーを用いることが、最適な組み合わせである。
歯ブラシ用モノフィラメント1は、周知の複合溶融紡糸法により製作されている。具体的には、芯部2を構成する合成樹脂材料と鞘部3を構成するエラストマー材料とを、複合押出機から所望の形状にそれぞれ溶融吐出させ、冷却後、延伸、熱セットを加えることで製作されている。また、この歯ブラシ用モノフィラメント1を歯ブラシに組み付けたときには、歯ブラシ用モノフィラメント1を集束して、所定長さに切断した後、先端形状を球状や半球状や先鋭形状など任意の形状に形成することもできる。
芯部2の長さ方向と直交する横断面は、多角形状や楕円形や円形や星形などの任意の形状に形成できるが、モノフィラメントの硬さ、即ち毛腰が全周にわたって一様になるように、断面円形に構成することが好ましい。
鞘部3の長さ方向と直交する横断面は、長方形状や正方形状や菱形などの4角形状に形成され、歯表面との接触面積を広く設定したり、角部を形成したりすることでステイン除去能が高められている。また、鞘部3の4つの外面は平坦面で構成することもできるが、図1(b)に示す歯ブラシ用モノフィラメント1Aのように、緩やかに内側(モノフィラメントの中央部側)へ窪んだ凹面4に形成することが好ましい。このように構成すると、鞘部3の凹面4に歯磨き剤を保持できるので、歯磨き剤を十分に歯表面に擦りつけながら効率的に歯表面を清掃することができる。
歯ブラシ用モノフィラメント1の4角形の1辺L1は、0.30mmを越えると歯間への挿入性及び使用感が低下し、芯部2の直径D1は、0.15mm未満の場合には、歯ブラシの耐久性が十分に確保できなくなり、鞘部の厚さは0.01mm未満の場合には、剥離などの問題が発生する。このため、歯ブラシ用モノフィラメント1の4角形の1辺L1は、0.16mm未満の場合には、芯部2の直径D1や鞘部3の厚さを十分に確保できなくなり、0.30mmを越えると歯間への挿入性及び使用感が低下するので、0.16〜0.30mm、好ましくは0.16〜0.24mm、特に好ましくは0.18〜0.22mmに設定することになる。また、芯部2の直径D1は、0.15mm未満の場合には、歯ブラシの耐久性が十分に確保できなくなり、また0.27mmを越えると歯ブラシ用モノフィラメント1の外径が大きくなりすぎて、歯間への挿入性及び使用感が低下するので、0.15〜0.27mm、好ましくは0.15〜0.20mm、特に好ましくは0.16〜0.19mmに設定することになる。
次に、歯ブラシ用モノフィラメント1の評価試験について説明する。
単一の合成樹脂材料からなる歯ブラシ用のモノフィラメントとして、モノフィラメントの長さ方向に対する横断面形状が、図2(a)及び表1に示すように、直径0.19mmの○型(丸型)のナイロン製の第1モノフィラメントと、図2(b)及び表1に示すように、最長L3が0.25mm、最短L4が0.10mmのメガネ型のナイロン製の第2モノフィラメントと、図2(c)及び表1に示すように、最大径D2が0.20mmの八葉型のナイロン製の第3モノフィラメントと、図2(d)及び表1に示すように、短い方の対角線L5が0.206mmで長い方の対角線L6が0.32mmで一辺の長さが0.19mmの◇型(菱型)のナイロン製の第7モノフィラメントとを製作した。
また、芯鞘複合繊維からなる歯ブラシ用モノフィラメント1として、図1(a)及び表1に示すように、芯部2の横断面形状が円形で、芯部2を構成する素材がポリブチレンテレフタレートからなり、鞘部3の横断面形状が正方形で、鞘部3を構成する素材がポリエステル系のサーモプラスチックエラストマーからなるモノフィラメントであって、芯部2の直径D1が0.15mm、鞘部3の一辺L1が0.16mmで、鞘部3のJIS K 6253で規定するデュロメータタイプD硬さが72Dの□型(4角形)の第4モノフィラメントと、芯部2及び鞘部3が第4モノフィラメントと同じ寸法で、鞘部3のデュロメータタイプD硬さが55Dの□型の第5モノフィラメントと、芯部2の直径D1が0.16mm、鞘部3の一辺L1が0.18mmで、鞘部3のデュロメータタイプD硬さが72Dの□型の第6モノフィラメントとを製作した。
そして、歯ブラシの柄として、円形の植毛孔を有する長方形状の植毛台を端部に形成した歯ブラシの柄を用い、植毛孔に前記第1モノフィラメントからなる毛束を植設し、ブラシ面が水平になるように毛先を切り揃え、更に毛先を先丸加工して第1歯ブラシを製作し、前記第2〜第7モノフィラメントについても同様に、植毛孔に毛束をそれぞれ植設し、ブラシ面が水平になるように毛先を切り揃え、更に毛先を先丸加工して毛丈10mmの第2〜第7歯ブラシを製作した。
次に、前記7種類の歯ブラシにおける、ブラシ強度と、耐久性と、ステイン除去能と、使用感とをそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005387352
(ブラシ強度)
旧JIS B 7733に規定する圧縮試験機に相当する株式会社島津製作所製のオートグラフAGSに前記歯ブラシを固定し、10mm/minの速度でブラシに圧縮荷重を加え、その最大値を測定した。測定後、JIS S 3016に記載の植毛面積を算出し、圧縮試験による最大値を植毛面積で除して、単位面積当りの圧縮荷重をブラシ強度として求めた。
(耐久性)
サンスター株式会社製のブラッシングマシーンを用いて、37℃の水中で荷重300gをかけた状態でエポキシ板の表面に対して10000ストロークのブラッシングを行い、刷掃面の広がり指数を測定することで、耐久性を評価した。ここで広がり指数とは、初期状態における刷掃面の横幅をAmmとなし、ブラッシング終了後の刷掃面の横幅をBmmとなしたときに(B/A)×100で表される数値を意味している。なお、表1中、「○」は、耐久性の数値が140以上170未満であり、耐久性に優れていることを示し、「△」は、耐久性の数値が170以上200未満であり、普通の耐久性であることを示し、「×」は、耐久性の数値が200以上であり、耐久性に劣ることを示すものとする。
(ステイン除去能)
ステイン除去力は、ストゥキーらの論文(Stooky et al., Journal of Dental Research, 61, 1236-39, 1982)に記載されている方法を改良した方法で測定した。以下、その方法について説明すると、先ず牛永久歯(門歯)のエナメル試片を4mm平方切り取り、透明ポリエステルレジンにはめ込み、試片表面を平滑化し、鏡面研磨した。試片表面を希塩酸に浸漬し、次に飽和炭酸ナトリウム水溶液に浸漬、つづいて1%フィチン酸水溶液に浸漬した後、イオン交換水で洗浄した。
ステイン培地は1.02gのインスタントコーヒー、1.02gのインスタントティー、0.75gの豚胃ムチン、色素生産菌(Micrococcus luteus)培養液を滅菌トリプチケースソイ培地に添加し調製した。試片とステイン培地を37℃の恒温槽に10日間セットした。11日目に0.03g塩化鉄(III)六水和物を添加し、JIS Z 8729のL*a*b*表色系で規定されるL*が32〜35になるまで続けた。その後試片を取り出し、イオン交換水で洗浄し、これを測定用試料とし、ベースラインとして、分光光度計(Minolta社)により、L*1、a*1、b*1を測定した。
次に、第1〜第7の歯ブラシをサンスター株式会社製のブラッシングマシーンに順次セットするとともに、前述のようにして製作した測定用試料をセットし、市販の歯磨き剤を用い、一定圧力で1500回往復させた後、乾燥させてから、該測定用試料におけるL*2、a*2、b*2を分光光度計(Minolta社)により測定した。さらに残存したステインを歯科用ハンドピースで除去した試料について、L*3、a*3、b*3を測定し、ステイン除去(%)を以下の式を用いて算出した。
・ステイン除去力=[(L*2−L*1)2+(L*2−L*1)2+(L*2−L*1)2]1/2
・トータルステイン=[(L*3−L*1)2+(L*3−L*1)2+(L*3−L*1)2]1/2
・ステイン除去(%)=(ステイン除去力)/(トータルステイン)
そして、一般的な構成の第1歯ブラシのステイン除去能(%)を100とした場合における、第2〜第7歯ブラシのステイン除去能(%)を、次式を用いて求めた。
・ステイン除去能(%)=試験ブラシのステイン除去(%)/第1歯ブラシのステイン除去(%)
(使用感)
5人の被験者が第1〜第7歯ブラシを用いて実際に歯をブラッシングして、その使用感を評価した。使用感の評価は、表2に示すように、硬さに関する5段階の指標を用い、各指標に対応させて点数を設定し、第1〜第7歯ブラシに対する5人の被験者による使用感の指標及び点数と、点数の平均値を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 0005387352
Figure 0005387352
表1から、第4〜第7歯ブラシのように、モノフィラメントの長さ方向の横断面が正方形や菱形などの4角形の場合には、横断面が○型やメガネ型や八葉型のモノフィラメントを用いた場合と比較して、ステイン除去能が高くなっていることが分かる。
また、横断面が4角形の場合であっても、モノフィラメントをナイロンのみで構成した菱形の第7歯ブラシは、例えば芯鞘複合繊維からなる正方形の第5歯ブラシと比較して、ブラシ強度が高い、即ち座屈し難いにも拘らず、広がり指数が高くなっていることから、鞘部をエラストマーで構成した芯鞘構造のモノフィラメントを用いる方が、単一の合成樹脂材料からなるモノフィラメントとを用いる場合よりも、鞘部の弾性によりモノフィラメントの広がりが抑制され、耐久性が高くなっていることが判る。
更に、第4〜第6歯ブラシのように、鞘部をエラストマーで構成した芯鞘複合繊維を用いる場合であっても、第5歯ブラシのように、鞘部の硬さがD55程度では、モノフィラメントが柔らかすぎて耐久性及び使用感が低くなり、歯ブラシのモノフィラメントとして使用できないものになることが判る。
1 歯ブラシ用モノフィラメント
1A 歯ブラシ用モノフィラメント
2 芯部
3 鞘部
4 凹面

Claims (5)

  1. 合成樹脂繊維からなる芯部と、前記芯部に一体に被覆した鞘部であって、前記芯部を構成する合成樹脂と相溶性を有するエラストマーからなる鞘部とを有し、長さ方向と直交する横断面を4角形状となし、その各辺の長さを0.16〜0.30mmに設定した、
    ことを特徴とする歯ブラシ用モノフィラメント。
  2. 前記芯部がポリエステル系の合成樹脂繊維からなり、前記鞘部がサーモプラスチックエラストマー(TPE)からなる請求項1記載歯ブラシ用モノフィラメント。
  3. 前記芯部がポリブチレンテレフタレート(PBT)からなり、前記鞘部がポリエステル系のサーモプラスチックエラストマー(TPE)からなる請求項1又は2記載の歯ブラシ用モノフィラメント。
  4. 前記鞘部の外面を緩やかに内側へ窪んだ凹面状に形成した請求項1〜3のいずれか1項記載の歯ブラシ用モノフィラメント。
  5. 前記芯部の長さ方向と直交する断面形状が円形状である請求項1〜4のいずれか1項記載の歯ブラシ用モノフィラメント。
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