JP5385608B2 - 低放出の、トライボロジー改質ポリオキシメチレン成形材料、およびそれから製造された成形品 - Google Patents

低放出の、トライボロジー改質ポリオキシメチレン成形材料、およびそれから製造された成形品 Download PDF

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Description

本発明は、成形品または押出し物の製造に適切な、トライボロジー改質ポリオキシメチレン成形材料(成形組成物)に関する。この材料によって製造された製品は、加工中に特に安定であり、ホルムアルデヒドの放出が非常に低いこと、表面に欠陥がないこと、およびトライボロジー特性が優れていることを特徴とする。
ポリオキシメチレン類(POMs)が約40年前に市場に導入されて以来、ポリオキシメチレン類は、多くの適用分野で極めて有用なエンジニアリング材料として確立されてきている。POMは、自動車構造体、電気産業、および医療技術におけるエンジニアリング材料として、特に広く使用されている。この場合、ある程度の機械的性質、例えば剛性、硬さ、および靭性がPOM成形材料に求められ、このような機械的性質は、これらの材料を、ギアホイールやレバー、その他多くのものなどのエンジニアリング部品に使用するために必須の要件である。このとき降伏応力に求められる値は、60から70N/mmであり、未改質コポリマーの引張り弾性率に求められる値は、2400から3100N/mmである。破断点引張り歪みに関しては、10から30%の値が求められる。
特に、プラスチックが金属またはその他のプラスチックと可動接触している適用分野(トライボロジー適用分野)、例えば自動車構造体におけるギアホイールまたは滑動要素では、ポリオキシメチレンを使用することが非常に有利であることが証明されている。その他のプラスチックと比較した場合、ポリオキシメチレンは、摩耗が非常に少なく、低摩擦係数であり、摩擦音の発生がほとんどないことを特徴とする。この理由は、ポリオキシメチレンの特定の構造的特徴にあり、特に、その高い結晶化度を有する線状ポリマー鎖にある。未改質ポリオキシメチレンのグレードでさえ、その他のプラスチックにも優るこれらの利点を示す。
例えば摩擦係数を変化させ、またはノイズの発生を実に低レベルにまで減ずるような、トライボロジー添加剤を含む改質ポリオキシメチレンには、運動に曝されるエンジニアリングシステム、特に過酷な要件に曝されるエンジニアリングシステムにおいて、非常に長く使用されてきた歴史がある。ここで重要な要素とは、改質剤が、ポリオキシメチレンの高い極性を弱めることである。このような目的で、多くの非極性ポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、または超高分子量ポリエチレンが使用されている。非極性ポリマーだけではなく極性ポリマーセグメントをも含有するグラフトポリマーもまた、使用されている。例として、EP−A−0354802およびEP−A−0420564は、ポリエチレン上にグラフトされたスチレン−アクリロニトリルコポリマー、例えばLDPE−SANを、ポリオキシメチレンに添加し、そのトライボロジー特性について述べている。米国特許第4556690号は、不飽和カルボン酸またはその誘導体を有するα−オレフィンポリマーのグラフトコポリマーであるポリマーを添加剤として含む、トライボロジー改質ポリアセタール成形材料について述べている。
しかし、この場合の欠点は、これらの外来物質を添加することによって、ポリオキシメチレンに大きな影響があることである(例えば、Damm,W.およびHerrmann,E.,Gachter,Muller;Plastic Additives,第3版,1989,p.730)。トライボロジー活性剤の添加によって、加工中に材料の劣化を引き起こし、それに続いてホルムアルデヒドを遊離する可能性もあり、したがって成形品の製造に対するこの材料の有用性が、大幅に損なわれ得る。トライボロジー添加剤中の汚染物質、例えば残留モノマーまたは溶媒は、トライボロジー改質ポリオキシメチレン成形材料の加工中、およびそれから製造される成形品の使用中に、遊離する。ホルムアルデヒド、およびトライボロジー改質添加剤の汚染物質の放出は、不愉快な臭いをもたらし、多くの適用分野におけるこれらの材料の有用性を損なう。POMからなる製品の最も重要な市場の1つである自動車産業には、POMの成形品からのホルムアルデヒドの放出を測定するための、特定の分析方法がある(VDA Empfehlung(推奨;Recommendation)No.275,Dokumentation Kraftfahrwesen e.V.1994年7月)。
さらに近年は、加工性に関して、トライボロジー改質ポリオキシメチレン成形材料に課される要件が、引き続き厳しくなっている。第1に、自動車、電気、および医療技術分野で使用される、ポリオキシメチレンからなる成形品を製造するために、射出成形で、ホットランナー技術がますます使用されつつある。第2に、射出成形および成形の幾何形状が、ますます複雑になりつつある。これらの開発の結果、トライボロジー改質ポリアセタール成形材料は、加工中に比較的高い温度に曝されることになる。そして、これまで市販されてきたトライボロジー改質ポリアセタール成形材料の場合、このように高い温度に曝されることにより、高レベルの劣化プロセス、高いホルムアルデヒド放出、成形品表面の欠陥、トライボロジー特性プロファイルの低下が引き起こされる。
トライボロジー改質POM成形材料の加工中の、製品特性および材料特性の低下を避けるための要件は、これらPOM成形材料中の材料の劣化を抑制することである。このために、安定剤を使用する。EP−A−0354802では、流動助剤として、少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪族酸、アルコール、または脂肪族エステルを使用している。別の方法では、ポリオキシメチレンに一般的な安定剤系を使用する。EP−A−0156285は、ポリアセタール相の安定剤として、ポリアミド、多塩基性カルボン酸のアミド、アミジン、ヒドラジン、ポリ(N−ビニルラクタム)、および脂肪族のアルカリ土類金属塩を挙げ、好ましくは2から20個の炭素原子を有するヒドロキシ含有一塩基から三塩基カルボン酸を挙げている。この文献に記載されている安定剤および安定剤系は、ホルムアルデヒドの放出にある一定の低減をもたらすことができるが、これらは、一般に、ポリオキシメチレンの成形品の機械的およびトライボロジー特性プロファイルの低下を引き起こす。
WO02/26884は、耐衝撃性改良剤を含むポリオキシメチレン成形材料の安定剤として、環状窒素含有安定剤と、カルボン酸の塩とからなる組合せについて述べている。酸化安定剤および光安定剤もさらに使用することができる。記載されている安定剤系は、成形品の機械的性質を全く損なうことなく、耐衝撃性改良剤を含むポリオキシメチレンからのホルムアルデヒドの放出を低減させることが可能である。環状の窒素含有安定剤と、多価アルコールおよび脂肪酸からなるエステルと、脂肪酸の金属塩とからなる3成分安定剤系を使用して、特に着色剤を含むポリオキシメチレンからのホルムアルデヒドの放出の低減を、さらに改善している(WO02/26885)。
したがって、本発明の目的は、これまで見られたホルムアルデヒドの放出が著しく低減され、それと共に機械的およびトライボロジー特性プロファイルが維持されている、トライボロジー改質POM成形材料を提供することである。前記成形材料から製造された成形品は、さらに、臭いがほとんどないことを目的とする。
驚くべきことに、環状の窒素含有安定剤と、多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる少なくとも1種のエステルとからなる安定剤系の使用は、改質成形材料の良好なトライボロジー特性を結果的に少しも損なうことなく、ホルムアルデヒドの放出のさらなる低減を実現するのに特に適していることがわかった。さらに、その他の安定剤、例えば酸化防止剤、特に立体障害フェノール化合物(sterically hindered phenol compounds)、および脂肪酸の金属塩を添加することが可能である。
したがって本発明は、下記の成分、即ち:
(A)トライボロジー改質剤を0.1から50.0重量%、
(B)環内に少なくとも1個の窒素原子を含有する環状安定剤を0.01から0.5重量%、および、
(C)多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる少なくとも1種のエステルを、0.05から1重量%、
含む、ポリオキシメチレン成形材料、またはポリオキシメチレン成形品を提供する。
この成形材料、または成形品は、その他の成分、例えば
(D)(C10〜C32)脂肪酸の金属塩を0.5重量%まで、好ましくは0.2重量%まで、
(E)(C〜C)カルボン酸の金属塩を1重量%まで、好ましくは0.5重量%まで、
(F)好ましくは立体障害フェノール化合物の酸化防止剤を1.0重量%まで、
(G)好ましくはベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体または芳香族安息香酸誘導体の群からの、少なくとも1種のその他の安定剤を1.0重量%まで、
(H)好ましくは立体障害アミンの光安定剤(HALS;a light stabilizer of a sterically hindered amine)を0.5重量%まで、
をさらに含むことができる。
他に特に明示しない限り、重量%のデータは、成形材料または成形品の全重量に基づくものである。
驚くべきことに、本発明のポリオキシメチレン成形材料およびそれから得られる成形品の構成は、高温であってもホルムアルデヒドの放出が非常に少なく、良好な安定性をもたらすことがわかった。本発明の成形材料から製造される成形品は、優れた機械的およびトライボロジー特性プロファイルを有することもわかった。
記述される安定剤系は、さらに、ポリオキシメチレン成形材料と、それぞれ酸化するまたは酸化可能なトライボロジー改質剤を含むポリオキシメチレンの成形品を安定化するのに特に適している。この点に関し、トライボロジーおよび機械的性質をしばしば損なう酸化防止剤の添加を制限すること、および記述される安定剤の組合せを介してこれらの酸化防止剤を取り替えまたは好ましくは補うことが、特に有利である。使用される安定剤系の別の利点は、ポリオキシメチレン成形材料または得られる成形品を、中性からやや塩基性にすることができ、さらにホルムアルデヒドの放出の低減を助けることである。これに関連して、好ましい成形材料およびそれぞれの成形品は、水酸化物、アルコキシド、および無機酸を実質的に含まず、特にこれらのアルカリ金属塩またはこれらのアルカリ土類金属塩を含まない。本明細書での「実質的に含まない」という表現は、0.1重量%未満、好ましくは0.01重量%未満の量を意味する。
記載することができ、かつポリオキシメチレン成形材料に添加することができるトライボロジー改質剤(A)は、特に、0.1から50.0重量%の物質(A1)から(A11)である。これらのトライボロジー改質剤(A1)から(A11)は、個々にまたは混合物として使用することができる。
(A1)ポリテトラフルオロエチレン粉末(例えば、Dyneon、ドイツ製のDyneon PA 5951)を0.1〜50.0重量%、好ましくは1.0〜25重量%。
(A2)二硫化モリブデン(MoS)粉末を0.1〜10.0重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%。
(A3)炭酸カルシウム(チョーク)粉末(例えばSL−101 炭酸Ca、白石、日本)を0.1〜50.0重量%、好ましくは1.0〜25重量%。
(A4)グラフトベースとしてオレフィンポリマーを有し、そこに少なくとも1種のビニルポリマーまたは1種のエーテルポリマーがグラフトされているグラフトコポリマー、および/または、ポリジエンをベースにしたエラストマーコアと(メタ)アクリレートおよび/または(メタ)アクリロニトリルからなる硬質グラフトエンベロープ(envelope)とを有するグラフトコポリマーを、0.1〜50重量%、好ましくは1.0〜25.0重量%、特に好ましくは2.0〜10重量%。
このタイプのグラフトコポリマーは、EP−A−354802およびEP−A−420564、またはEP−A−156285およびEP−A−668317に記載されている。
第1のタイプのグラフトコポリマーに適切なグラフトベースは、基本的に、オレフィンポリマーまたはオレフィンコポリマーのいずれかによって提供される。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのホモポリマー、または共重合可能なエチレン系不飽和モノマーから得られるコポリマー、例えばエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマー、またはエチレンおよびグリシジル(メタ)アクリレートから得られるコポリマーによって提供される。
適切なグラフトモノマーは、基本的に、極性基を有するエチレン系不飽和モノマー、または極性基を有するその他のグラフト可能なモノマーのいずれかであって、本質的に非極性のグラフトベースの極性を改質するもの、例えば(メタ)アクリル酸などのエチレン系不飽和カルボン酸、およびそのエステルやニトリル、アミドなどの誘導体であり、適切な場合には、アクリロニトリルなどのコモノマーとの組合せ、またはアクリロニトリルと組み合わせたスチレンである。
アクリロニトリルまたはスチレン/アクリロニトリルでグラフトされた、ポリエチレンまたはポリプロピレンをベースにしたグラフトコポリマーが、特に好ましい。このタイプの製品は知られており、かつ市販されており、例えば日油(株)、(東京、日本)製のModiper A 1401という製品がある。
第2のタイプのグラフトコポリマーに好ましいグラフトベースは、ポリブタジエン、ポリイソプレン、および/またはポリブタジエン/スチレンである。適切なグラフトモノマーは、基本的にエチレン系不飽和モノマーのいずれかである。これらは、第1のタイプである(A4)の製造に関して上記の初期段階で述べたように、極性基を有するエチレン系不飽和モノマーであることが好ましい。
ポリブタジエンをベースにし、かつポリスチレンおよびポリメタクリレートからなる2シェルグラフトエンベロープ(a two-shell graft envelope)をベースにした、グラフトコポリマーが特に好ましい。このタイプの製品は知られており、市販されている。これらの例は、Rohm and Haas Deutschland GmbH(Frankfurt am Main)製のParaloid EXL 2600という製品である。
(A5)モル質量が>10g/モルである超高分子量ポリエチレン粉末を、0.1〜50.0%、好ましくは1.0%から25.0%。このタイプの製品は知られており、市販されている。これらの例は、Ticona GmbH(Kelsterbach、ドイツ製)のGUR 4120という製品である。
(A6)ステアリン酸ステアリル(例えば、日油(日本)製のUnister M9676)を0.1%〜10.0%、好ましくは0.2〜5.0重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%。
(A7)シリコーン油を0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%、特に好ましくは0.8〜2.0重量%。シリコーン油が成形品から外に移動するのを抑制するために、モル質量が>20000g/モルのシリコーン油を使用することが有利である。
基本的に、モル質量が少なくとも20000g/モルである限り、好ましくは25000から300000g/モルである限り、室温で液体であるポリシロキサンのいずれかを使用することが可能である。25℃でのこれらシリコーン油の典型的な粘度は、500から300000mm/秒の範囲内である。これらは、特に好ましくはジアルキルポリシロキサンであり、特にジメチルポリシロキサンである。このタイプの製品は、例として、AKシリコーン油(Wacker Chemie GmbH(ドイツ)製)(例えばシリコーン油 200 Fluid 30000 CS)として市販されている。
(A8)酸化ポリエチレンワックス(例えば、Clariant GmbH(ドイツ)製のLicowachs PED 191)を0.1重量%〜5.0重量%、好ましくは0.5重量%から3.0重量%。
(A9)アミドワックス(例えば、Clariant GmbH(ドイツ)製のLicowachs C)を0.1重量%〜5.0重量%、好ましくは0.2〜2.0重量%。
(A10)脂肪酸および1価アルコールからなる脂肪族エステルワックス(例えば、Cognis(ドイツ)製のLoxiol P1206)を0.1重量%〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%。
(A11)ポリエチレンワックス(例えばPE 520,Clariant,ドイツ)を0.1重量%から5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%。
本明細書に記述される安定剤系が与えられたポリオキシメチレン成形材料は、酸化可能なまたは一部酸化されたトライボロジー改質剤を含むものが好ましい。これらの改質剤の例は、PTFE(A1)、硫化モリブデン(A2)、グラフトコポリマー(A4)、超高分子量ポリエチレン粉末(A5)、ステアリン酸ステアリル(A6)、または酸化可能なワックス(A9)、(A10)、または(A11)である。
本発明の成形材料、またはそれから製造される成形品は、環内に少なくとも1個の窒素原子、好ましくは1個または2個の窒素原子を含有する環状安定剤(B)を、0.01〜0.5%、好ましくは0.03〜0.3%含む。適切な安定剤は、アミノ置換炭素原子またはカルボニル基に隣接して、ヘテロ原子として少なくとも1個の窒素原子を有する複素環式化合物であり、例えば、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピロリドン、アミノピリジン、およびこれらから得られた化合物である。この一般的なタイプの有利な化合物は、アミノピリジンおよびその誘導体である。基本的に、アミノピリジンのいずれかが適切であり、例えばメラミン、2,6−ジアミノピリジン、置換および2量体アミノピリジン、およびこれらの化合物から生成された混合物である。その他の有利な化合物は、ポリアミドおよびジシアンジアミド、尿素およびその誘導体、およびピロリドン、およびこれらから得られた化合物である。適切なピロリドンの例は、イミダゾリジノンおよびそれから得られた化合物、例えばヒダントインであり、その誘導体が特に有利であり、これらの化合物の中ではアラントインおよびその誘導体が特に有利である。その他の特に有利な化合物は、トリアミノ−1,3,5−トリアジン(メラミン)およびその誘導体であり、例えばメラミン−ホルムアルデヒド縮合体およびメチロールメラミンである。メラミン、メチロールメラミン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体、およびアラントインが実に好ましい。窒素含有安定剤は、個々にまたは組み合わせて使用することができる。
成分(C)として、多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなるエステル(C)、すなわち、24〜32個の炭素原子を有する高級脂肪酸および2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜5個の炭素原子を有する多価アルコールからなるエステルを、0.05〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%形成することが好ましい。酸は、必ずしも完全にエステル化されている必要はなく、一部のみエステル化されていてもよく、またはエステルが部分的に鹸化されていてもよい。特に好ましい多価アルコールは、グリセロール、ペンタエリスリトール、またはグリコールであり、特にアルキレングリコールまたはジアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、またはブチレングリコールが好ましい。脂肪酸の中で、モンタン酸が特に好ましい。実に好ましいエステルは、グリコールまたはグリセロールおよびモンタン酸からなるジエステルである(例えば、Clariant AG製のLicowachs EおよびLicolub WE4)。
その他の構成要素である、本発明の成形材料および成形品それぞれの、成分(D)から(H)は任意選択であり、要求される特性プロファイルを実現するために必ずしも存在する必要はない。しかし、これらの成分のそれぞれは、下記の特性、即ち非常に低い放出量、色堅牢度、および長期にわたる機械的性質の少なくとも1つを向上させる。
成分(D)として、脂肪酸の金属塩(D)が0.5重量%まで、好ましくは0.001〜0.2%、特に好ましくは0.01から0.1%、本発明の成形材料中に存在する。10から32個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸の、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩またはその他の2価の金属イオン、例えばZn2+の塩を使用することが可能であり、例えばステアリン酸塩、ラウリン酸塩、オレイン酸塩、ベヘン酸塩、モンタン酸塩、パルミチン酸塩である。脂肪酸は、不飽和でも飽和でもよく、置換基としてヒドロキシまたはアミノ基を有することもできる。ステアリン酸とモンタン酸の、アルカリ土類金属および亜鉛の塩が好ましい。
成分(E)として、短鎖カルボン酸の金属塩(E)を0.0〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.05重量%、特に0.05〜0.2重量%存在させることができる。1価および2価の金属イオンのいずれかを使用することができるが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属が好ましい。短鎖カルボン酸は、3〜8個の炭素原子を有する。プロピオン酸塩、クエン酸塩、およびピルビン酸塩が好ましい。クエン酸カルシウムが特に好ましい。
成形材料は、立体障害フェノール化合物(F)を0.0から1.0重量%、好ましくは0.0から0.4%、特に好ましくは0.0〜0.1%含むことができる。このタイプの市販の化合物の例は、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 1010,Ciba Geigy,スイス)、トリエチレングリコールビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート](Irganox 245,Ciba Geigy,スイス)、3,3’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオノヒドラジド](Irganox MD 1024,Ciba Geigy,スイス)、ヘキサメチレングリコールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 259,Ciba Geigy,スイス)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(Lowinox BHT,Great Lakes)である。Irganox 1010が好ましく、Irganox 245が特に好ましい。
成形材料は、ベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体または芳香族安息香酸誘導体の群からの少なくとも1種の安定剤(G)を、0.0〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.9重量%、特に好ましくは0.02〜0.8重量%含むこともできる。Tinuvin 234(Ciba Geigy,スイス)として市販されている2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールが好ましい。
成分(H)として、立体障害アミン0.0〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.4重量%、実に好ましくは0.4重量%を、本発明の成形材料中に光安定剤(HALS)系(H)として存在させることができる。2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル化合物、例えばセバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(Tinuvin 770,Ciba Geigy,スイス)、またはコハク酸ジメチルおよび1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンからなるポリマー(Tinuvin 622、Ciba Geigy,スイス)が好ましい。
着色成形材料用の母材として使用されるポリオキシメチレンポリマー(I)は、ポリオキシメチレンホモまたはコポリマーとすることができる。このタイプのポリマーは、当業者に知られており、文献に記載されている。ホモポリマーは、通常、ホルムアルデヒドまたはトリオキサンの重合を介して生成され、この重合は、陽イオン的にまたは陰イオン的に開始することができる。しかし、オキシメチレン単位だけではなくオキシアルキレン単位も含有するポリオキシメチレンコポリマーが好ましく、この場合のアルキレン基は、2から8個の炭素単位を直鎖状または分枝状の形で含有することができる。本質的にオキシメチレンおよびオキシエチレン単位をポリマー鎖中に有するポリオキシメチレンポリマーが、特に好ましい。ポリマー鎖の構造単位内のオキシエチレン単位の割合は、0.1から15モル%であり、好ましくは0.2から10モル%である。2.16kgの重さを加えながら、190℃でISO 1133に従って測定されたメルトインデックスMFIは、0.5〜75g/10分であり、好ましくは2〜60g/10分であり、特に好ましくは5〜35g/10分である。数平均モル質量は、150から160℃で、ジメチルアセトアミド中でGPCを介して測定した場合、少なくとも5000g/モルであり、多くても100000g/モルである。単一のPOMコポリマーの代わりに、様々な種々に構成されたポリオキシメチレンコポリマーの混合物を使用することも可能である。POMコポリマーは、周知の製造プロセスによって製造することができる。可能なプロセスの例は、広く使用されている従来の量のBFおよびメチラールの存在下での、トリオキサンとジオキソランとの共重合である。
本発明の成形材料は、その他の従来の添加剤を、個々にまたは混合物の形で40重量%まで含むことができ、例えば、ポリオキシメチレンターポリマーやタルクなどの成核剤、ガラスビーズやウォラストナイト(珪灰石)、ローム、グラファイトなどの充填剤、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維などの無機または有機繊維、ポリエチレンやポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン、ポリスチレンなどの熱可塑性または熱硬化性プラスチック添加剤またはエラストマーがある。
本発明の、1つの特に好ましい実施形態は、トライボロジー改質剤を含み、かつ、安定剤系として、成分(B)と一緒に、少なくとも2つの相乗的成分(C)を含む、ポリオキシメチレン成形材料によって提供される。
本明細書の成分(C)は、
(C1)多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる不鹸化エステルx重量%と、
(C2)多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる部分鹸化エステルy重量%と、
からなる混合物であって、
xは0.01重量%を超え、yは0.99重量%未満であり、xとyの合計は1.0重量%未満である混合物であり、本明細書では、xおよびyの値が互いに独立に、0.03重量%から0.5重量%であり、特に0.5重量%から0.2重量%であることが特に好ましい。
安定剤として、上述の成分(B)、(C1)、および(C2)を含む本発明の改質ポリオキシメチレン成形材料は、特に低いホルムアルデヒド放出を特徴とする。
成分(C1)として、10〜32個の炭素原子、好ましくは24〜32個の炭素原子を有する高級脂肪酸と、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜5個の炭素原子を有する多価アルコールとからなる不鹸化エステルが、使用される。多価アルコールは、必ずしも完全にエステル化されている必要はなく、部分的にエステル化することもできる。好ましい多価アルコールは、グリセロール、ペンタエリスリトール、またはグリコールであり、特にアルキレングリコールまたはジアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、またはブチレングリコールである。脂肪酸の中で、モンタン酸が好ましい。特に好ましいエステルは、グリコールまたはグリセロールとモンタン酸とからなるジエステルである(Clariant AG製のLicowachs EおよびLicolub WE4)。
成分(C2)として、10〜32個の炭素原子、好ましくは24〜32個の炭素原子を有する高級脂肪酸と、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜5個の炭素原子を有する多価アルコールとからなる部分鹸化エステルが、使用される。部分鹸化エステルは、完全エステルと塩基との反応を介して製造することができる。部分エステル化多価アルコールとこれに対応する脂肪酸の金属塩との部分鹸化エステルの混合物を使用することも可能である。この場合も、好ましい多価アルコールはグリセロール、ペンタエリスリトール、またはグリコールであり、特にアルキレングリコールまたはジアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、またはブチレングリコールである。脂肪酸の中で、モンタン酸は、この場合、同様に好ましい。好ましい金属は、1価または2価のイオンの形で生ずるものであり、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属である。ブチレングリコールとモンタン酸とからなる部分鹸化エステルであって、過剰なモンタン酸単位が水酸化カルシウムで鹸化されているものが、特に好ましい(例えば、Clariant AG製のLicowachs OP)。
本発明は、トライボロジー改質剤を含むポリオキシメチレン成形材料またはトライボロジー改質剤を含むポリオキシメチレンの成形品の製造における、ホルムアルデヒド放出の低減に関して記述された安定剤系の使用であって、特に成形材料または成形品がその製造中または使用中に高温に曝される場合の安定剤系の使用も提供する。
本発明のトライボロジー改質POM成形材料は、ペレット化や押出し、混練などの、従来の知られている混合プロセスによって製造することができる。本発明の成形材料は、ポリオキシメチレンポリマーとトライボロジー改質剤および安定剤とを混合し、次いでこの混合物をペレット化することによって製造することが好ましい。
本発明のトライボロジー改質POM成形材料は、放出が実質的に低減されている。放出されるホルムアルデヒドの量の低減は、成形材料の製造が終了する前であっても、例えばペレット化中、および加工中にも観察することができる。したがって本発明のポリオキシメチレン組成物は、職場の健康および安全性に寄与する。しかしながら、実質的な低減は、射出成形または押出しを介して製造された成形品のホルムアルデヒド放出において、特に実現された。例えば、VDA 275に従って、24時間の保存後に肉厚1mmのプラーク(小板;plaques)上で測定されたホルムアルデヒド放出は、一般に30mg/kg未満であり、好ましくは20mg/kg未満である。
本発明の成形材料の機械的性質は、トライボロジー適用例に向けた市販のポリオキシメチレンの成形品に課される従来の要件を満たし、したがって、POMに一般的な適用分野および加工技法を制限することなく利用することが可能である。したがって本発明の成形材料は、機械要素、例えば滑動要素のための成形品の製造に、特に適している。
本発明の成形材料の特定の適用分野は、自動車や航空機などの搬送、家庭用品、玩具、ベビー用品、さらに電子および電気工学部品およびデバイスにおける滑動要素である。その例は、ガイドブッシュ、スライドブッシュ、ギアホイール、メカニズム、コンベヤチェーン、カムホイール、カム、ジップファスナ、スイッチ、ローラガイド、スライドガイド、自動車用ロックのロータリラッチ、ウインドシールドワイパシステム、または自動車用ウィンドウリフタのガイドによって示される。本発明の成形材料は、医療用途の装置および機器、またはこれらの部品の製造にも適している。本発明により製造された成形材料は、現在市販されている製品と比較した場合、ホルムアルデヒドの放出が最も低く、それと同時にポリオキシメチレンの典型的な機械的性質が維持されている。
本発明に関し、いくつかの本発明の実施例を使用して、以下にさらに詳細に例示する。
以下の方法は、下記の実施例における材料の性質を決定するのに使用した:
2.16kgの重さを加えた状態で、190℃での、ISO 1133に従ったメルトインデックス(MVR)、
ISO 527に従った引張り弾性率、
ISO 527に従った降伏応力、
ISO 527に従った破断点引張り歪み、
ISO 179−1/1eAに従ったノッチ付き衝撃抵抗。
ホルムアルデヒド放出:肉厚1mmのシートを、着色POM成形材料から製造する。24時間保存した後、このシートからのホルムアルデヒド放出を、VDA275(VDA Empfehlung No.275,Dokumentation Kraftfahrwesen e.V.1994年7月)に従って決定した。
試験片の製造:多価アルコールペレットを、射出成形を介して成形して、寸法80×50×1mmのプラーク(小板;plaques)を得た。Krauss Maffei KM 120/340B射出成形機を、下記の射出成形パラメータと共に使用する:融解温度195℃、フローフロント速度200mm/秒、型壁面温度85℃、保持圧力900バール、保持圧力時間30秒、冷却時間10秒、背圧0から10バール。試験片を、試験にかける前に、標準状態を提供するキャビネット内で、23℃および50%の相対湿度で24時間保存する。
試験:2つの試験片を、1リットルのガラスフラスコ内で、脱イオン水50mlの上の、ステンレス鋼フック上に吊るし、空気を循環させながら乾燥キャビネット内に60℃で3時間放置する。試験片を、試験フラスコから取り出す。試験片溶液5mlを、試験管内にピペットで分取し、これを95℃で10分間、熱で調整する。次いでアセチルアセトン3mlおよび20%濃度の酢酸アンモニウム溶液3mlを、試験管に添加する。試薬により、ホルムアルデヒドはジアセチルジヒドロルチジン錯体を形成し、その412nmでの吸光度を光度測定によって決定する。試験片溶液中のホルムアルデヒド濃度を、吸光度の値から計算する。
本発明の実施例および比較例において、使用したポリオキシメチレンはHostaform C 9021粉末であった。表1に列挙した実験では、ポリマーが、コモノマーとしてジオキソランを3.4%含み、BFを開始剤として使用した。比較例では、Eurelon(Vantico,ドイツ)およびジシアンジアミド(DCD)を使用して、放出を低下させた。
実験例1
下記の成分を組み合わせ、Henschelミキサーで集中的に混合する:Irganox245400g、メラミン50g、Licowachs E 200g、ステアリン酸マグネシウム100g、PTFEマイクロパウダ(DyneonTF 9201)20kg、残りはHostaformC 9021 ポリオキシメチレン粉末100kgである。混合物を、2軸スクリュ押出し機でペレット化する。
本発明の実験例2〜43用の成分を、上述のように混合し、2軸スクリュ押出し機で加工して、ペレットを得た。これらの実験例のための混合仕様を、表1および2に示す。
実験例のペレットを使用して、引張り弾性率、降伏応力、および破断点引張り歪みを決定するために試験片を射出成形し、またホルムアルデヒド放出を決定するためにシートも射出成形する。本発明の実験例からの、VDA275に従った機械的試験および放出試験の結果を、表3および4に示す。
本発明の実施例は、ホルムアルデヒドの放出を、メラミンと、LicowachsEと、および、それぞれ、ステアリン酸MgまたはLicowachs OPからなる安定剤系を介して大幅に削減できることを示す。ホルムアルデヒド放出の削減は、メラミンと、Licowachs EおよびLicowachs OPの組合せ(成分C1およびC2)とからなる安定剤系を使用するものが、特に良好である。本発明の実施例はさらに、酸化可能なトライボロジー改質剤を含む成形材料でのホルムアルデヒド放出の削減が、特に素晴らしいことを示している。例えば、ホルムアルデヒド放出は、酸化可能なワックス(GUR4120、EWXPEワックス)を使用した場合に3分の1から5分の1に低減させることができ、一方、トライボロジー改質剤としてあらかじめ酸化したLicowachsPED 191を使用した場合には、放出は2分の1から3分の1にのみ低減される。
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Claims (8)

  1. (A) トライボロジー改質剤0.1から50.0重量%、
    (B) 環内に少なくとも1個の窒素原子を含有する環状安定剤0.01〜0.5重量%、
    (C) 多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる少なくとも1種のエステル0.05から1重量%、
    を含む、ポリオキシメチレンからなる成形材料であって、
    成分(C)が、
    (C1) 多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる不鹸化エステルx重量%、および
    (C2) 多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる部分鹸化エステルy重量%、
    を含む混合物であって、ここで、xは0.01重量%超、yは0.99重量%未満であり、xとyとの合計は1.0重量%未満であり、
    該成形材料から製造される成形品のVDA試験基準に従ってされるホルムアルデヒド放出が30mg/kg未満であり、
    トライボロジー改質剤が、ポリテトラフルオロエチレン;硫化モリブデン;炭酸カルシウム;ポリジエンをベースにしたエラストマーコアと、(メタ)アクリレートおよび/または(メタ)アクリロニトリルからなる硬質グラフトエンベロープとを含有するグラフトコポリマー;超高分子量ポリエチレン粉末;ステアリン酸ステアリル;脂肪酸および1価アルコールからなるエステルワックス;ポリエチレンワックス;アミドワックス;または上述の改質剤の混合物;の群から選択された酸化改質剤を含む、上記成形材料。
  2. (C10〜C32)脂肪酸の金属塩(成分D)0〜0.5重量%をさらに含む、請求項1に記載の成形品または成形材料。
  3. xおよびyの値が、互いに独立に0.03重量%から0.5重量%である、請求項1または2に記載の成形材料。
  4. 酸化防止剤を1.0重量%まで含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形材料。
  5. (C〜C)カルボン酸の金属塩を0から1重量%、ベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体または芳香族安息香酸誘導体の群からの少なくとも1種のその他の安定剤を0から1.0重量%、および立体障害アミン(HALS)を0から0.5重量%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形材料。
  6. ポリテトラフルオロエチレン;硫化モリブデン;炭酸カルシウム;ポリジエンをベースにしたエラストマーコアと、(メタ)アクリレートおよび/または(メタ)アクリロニトリルからなる硬質グラフトエンベロープとを含有するグラフトコポリマー;超高分子量ポリエチレン粉末;ステアリン酸ステアリル;脂肪酸および1価アルコールからなるエステルワックス;ポリエチレンワックス;アミドワックス;または上述の改質剤の混合物;の群から選択された酸化改質剤を含むトライボロジー改質剤と;
    (B) 環内に少なくとも1個の窒素原子を含有する環状安定剤0.01〜0.5重量%、および、
    (C) 多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる少なくとも1種のエステル0.05から1重量%、
    を含む安定剤系と;
    をポリオキシメチレンと混合する、ポリオキシメチレンからなる成形材料を製造するための方法。
  7. (B) 環内に少なくとも1個の窒素原子を含有する環状安定剤0.01〜0.5重量%、および、
    (C) 多価アルコールおよび少なくとも1種の(C10〜C32)脂肪酸からなる少なくとも1種のエステル0.05から1重量%、
    を含む安定剤系の使用であって、
    ポリテトラフルオロエチレン;硫化モリブデン;炭酸カルシウム;ポリジエンをベースにしたエラストマーコアと、(メタ)アクリレートおよび/または(メタ)アクリロニトリルからなる硬質グラフトエンベロープとを含有するグラフトコポリマー;超高分子量ポリエチレン粉末;ステアリン酸ステアリル;脂肪酸および1価アルコールからなるエステルワックス;ポリエチレンワックス;アミドワックス;または上述の改質剤の混合物;の群から選択された酸化改質剤を含むトライボロジー改質剤を含むポリオキシメチレン成形材料またはポリオキシメチレン成形品からのホルムアルデヒド放出を低減するための、前記使用。
  8. トライボロジー改質剤を含むポリオキシメチレン成形材料またはそれから製造される成形品からのホルムアルデヒド放出を、VDA Empfehlung(推奨)No.275に従って測定した場合に20mg/kg未満まで低減するための、請求項に記載の安定剤系の使用。
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