JP5385169B2 - 茶抽出液の清澄化方法及び茶系飲料の製造方法 - Google Patents

茶抽出液の清澄化方法及び茶系飲料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抽出段階で茶抽出液の清澄度を高めることができる茶抽出液の清澄化方法及び茶系飲料の製造方法に関する。
緑茶飲料、烏龍茶飲料、ジャスミン茶飲料、紅茶飲料などの茶系飲料は、茶葉を抽出した後、抽出液と茶葉を分離し、調合し、容器に充填して製造するのが一般的である。
このような製造工程の中で、抽出液と茶葉などの残渣とを分離する工程では、例えばステンレスフィルターやネル布、ストレーナーなどによって粗濾過した後、遠心分離を行うことが通常であるが、遠心分離は比重に基づく分離法であるため、旨み成分を含む微細粒子が除かれることになり、味覚的に物足りない飲料となる場合があった。
そこで、このような遠心分離による課題を解決する手段として、例えば、抽出後酸性下で急冷し、微細粒子の形成を抑えた状態で遠心分離を行い、続いて珪藻土ろ過を用いた形状による分離を行うことにより清澄度が高く、かつ味覚的にも優れた飲料の製造方法が開示されている(特許文献1)。
また、抽出時に攪拌することで生じる微細粒子分の発生を極力減らすため、抽出時に用いる攪拌翼の代わりにシャワーの水勢によって茶葉の浸漬、攪拌を行うことにより抽出液の清澄度を高める方法が開示されている(特許文献2)。
特開平4−311348号公報 特開2005−295923号公報
抽出液と茶葉などの残渣とを分離する従来の方法は、遠心分離を用いた比重分離を行う必要があったため、旨味成分を多く含む微細成分が取り除かれることになり、嗜好性の多様化に対応するには限界があった。
他方、遠心分離を行わずに濾過を行うと、残渣成分を効率的に取り除くことが難しく、その後の工程で目詰まりを起こしたり、沈殿物が生じたりするため、遠心分離を行うことなく抽出の段階で清澄度を高めることは困難な課題であった。
そこで本発明は、遠心分離を行わない場合でも、抽出の段階で茶抽出液の清澄度を高めることができる、新たな茶抽出液の清澄化処理方法を提供せんとするものである。
本発明は、茶葉に温水を給湯するか、或いは、温水に茶葉を投入するかした後、含水したシルトを投入して抽出液を濾過することを特徴とする茶抽出液の清澄化処理方法を提案する。
このような茶抽出液の清澄化処理方法によれば、遠心分離を行わない場合でも、抽出の段階で茶抽出液の清澄度を高めることができる。また、その後に濾過を行う場合には、該濾過工程の負担低減や濾過助剤の使用量低減を図ることができる。
実施例で使用した抽出機の概略構成図を示した図である。
以下、本発明を実施するための実施形態について説明するが、本発明の実施形態が以下の例に限定されるものではない。
本実施形態に係る茶系飲料の製造方法(「本飲料製造方法」と称する)は、原料茶葉を抽出すると共に抽出液の清澄化処理を行う抽出清澄化工程、調合工程及び容器充填工程を備えた茶系飲料の製造方法である。
本発明において「茶系飲料」とは、煎茶、番茶、玉露、碾茶などの緑茶に代表される不発酵茶、鉄観音、黄金桂などの烏龍茶に代表される半発酵茶、紅茶に代表される発酵茶、さらにはジャスミン茶など、茶葉由来の抽出液を原料とする飲料のほか、各種ハーブ茶などのように一般的に茶と呼ばれている植物の葉、花、茎、果実、種(本発明では、これらも茶葉の範疇とする)などに由来する抽出液を原料とする飲料を包含する意味である。また、これらのうちの2種以上の抽出液をブレンドして得られる茶系飲料も包含する。
(原料茶葉)
本飲料製造方法における原料茶葉は、上述のように茶系飲料に用いる茶系抽出液を抽出するのに用い得る茶葉であれば、特に種類を限定するものではない。
茶樹(学名:Camellia sinensis)から摘採した葉であればその品種、産地、摘採時期、摘採方法、栽培方法などを限らず、どのような茶種も対象とすることができる。生茶葉等(葉や茎を含む)を原料茶葉とすることも可能である。
生茶葉を製茶して得られる茶、例えば緑茶(煎茶、玉露、茎茶、かぶせ茶、碾茶、抹茶、番茶、ほうじ茶、釜炒り茶等)やジャスミン茶等の花茶(緑茶にジャスミン、蓮、桂花、柚子、菊等の香りを着香させたもの)に代表される不発酵茶であっても、ウーロン茶に代表される半発酵茶であっても、紅茶に代表される発酵茶であってもよい。また、これら2種類以上を組み合わせてブレンドしたものであってもよい。
(抽出清澄化工程)
本飲料製造方法における抽出清澄化工程(以下「本抽出清澄化工程」と称する)では、茶葉に温水を給湯するか、或いは、温水に茶葉を投入するかした後、含水したシルト(「含水シルト」とも称する)を投入して抽出液を濾過することにより、茶抽出液を清澄化する。
シルトと茶葉からなる濾層が抽出液槽内に形成され、ここで茶葉及び抽出残渣が吸着され、茶抽出液を好適に清澄化することができる。
本抽出清澄化工程を行う抽出機は、カラム型やドリップ型等のように、抽出槽内に網(メッシュ)を備えており、抽出槽の下部から抽出液を払出する構成を備えた縦型抽出装置であれば採用可能である。
本抽出清澄化工程では、抽出機内に茶葉を投入して温水を給湯するか、或いは、抽出機内に温水を給湯した後茶葉を投入するか、或いは両者を同時に投入した後、一定時間静置させて茶葉が開いた状態とし、そこに含水シルトを投入するのが好ましい。
茶葉が水を吸って開いた段階で含水シルトを投入すると、比重の軽い茶葉と、比重の重いシルトが徐々に接触し、含水シルトの粘結性により茶葉と粘土が絡み合って温水中を降下して、茶葉とシルトとからなる層が抽出液内の底部に形成され、これが好適な濾層として機能するため、抽出機払出口(図1)にシルトや茶葉等が詰まることがないばかりか、不要な成分を吸着し、必要な成分を払出口から採取することができ、遠心分離を行わない場合でも好適に抽出液の清澄化を図ることができる。
抽出機内に茶葉とお湯を投入後に静置する時間、言い換えれば含水シルトを投入するまでの時間は、茶葉が開くのに必要な時間であればよく、茶葉の種類や湯温などによって適宜変更するのが好ましい。目安としては、1分〜60分が好ましく、特に1分〜20分、中でも3分〜10分がさらに好ましい。
また、茶葉の種類別に考察すると、例えば緑茶の場合は1分〜30分が好ましく、特に1分〜20分、中でも3分〜10分がさらに好ましい。烏龍茶の場合は3分〜60分が好ましく、特に4分〜50分、中でも5分〜45分がさらに好ましい。紅茶の場合は1分〜60分が好ましく、特に2分〜50分、中でも3分〜45分がさらに好ましい。
茶葉に給湯する温水は、硬水、軟水、イオン交換水、純水などを用いることができる。
茶葉に給湯する温水の温度、すなわち抽出水の温度は、特に限定するものではなく、20℃〜100℃の間で適宜調整すればよい。抽出効率の観点からは、60〜100℃の温水で抽出するのが好ましい。
茶葉に給湯する温水のpHも特に限定するものではないが、pH4.0〜8.0であるのが好ましく、味覚の観点からは5.5〜6.5であるのが好ましい。
シルト(silt)は、砂と粘土との中間の粒径をもつ砕屑(さいせつ)物であり、主に石英や長石などの鉱物片からなり、水分を含むことで膨潤して粘結性をもつ特徴を有している。
中でも、本抽出清澄化工程で用いるシルトは、粘度計(東機産業TVB-10M)での測定値(水300mL/に対し30g添加時)で、粘度が4.0〜8.0cPの範囲にあり、土質力学上の分類により粒径0.005mm〜0.074mm(測定方法:比重計により測定(「新編 土質力学」森北出版発行.p26−28.1982年2月15日発行))の土を指すものである。
本抽出清澄化工程で用いるシルトの粒径は、0.010〜0.050mmが好ましく、0.020〜0.040がさらに好ましい。
さらに、本抽出清澄化工程で用いるシルトは、粒子沈降体積が1.4〜5.0mL/g、沈降速度が0.02〜1.0cm/sであり、好ましくは粒子沈降体積が1.4〜3.0mL/g、沈降速度が0.04〜0.3cm/sの土を指すものとする。
本抽出清澄化工程では、このようなシルトを水で膨潤させて含水シルトとして投入することが重要である。
シルトは水で膨潤させることによって粘結性を有するようになるため、上述のように、茶葉とシルトが一緒に絡まって温水中を降下して、茶葉とシルトとからなる濾過層を形成することができる。これに対し、含水させてないシルトの場合には、粘結性を有さないために茶葉と絡むことなく、シルトが単独で湯中を沈降するため、抽出槽の底部や抽出機払出口などに詰まってしまう。
本抽出清澄化工程で用いるシルトの粘度(cP)は、粘度計(東機産業TVB-10M)での測定値(水300mL/に対し30g添加時)で4.0〜8.0cPであるのが好ましい。
シルトの粘結性が低過ぎると、茶葉とシルトがうまく絡み合わないため抽出機内で濾層を形成することができない。また、高過ぎると、抽出液中の微細粒子まで捕捉してしまい、旨みの多い茶飲料を得ることが困難となる。
かかる観点から、シルトの粘度(cP)は4.0〜8.0cPであるのが好ましく、特に4.0〜7.0cP、中でも4.0〜6.0cPであるのがさらに好ましい。さらに、せん断試験等の粘結性の指標から、本発明に用いるシルトを適正に判断することもできる。
シルトの乾燥時の密度は、0.4〜0.9g/mLが好ましく、特に0.5〜0.8g/mL、中でも特に0.6〜0.8g/mLであるのがさらに好ましい。
また、シルトの含水時の密度が0.3〜0.9g/mLであるのが好ましい。
膨潤性が低過ぎると、シルト投入後に茶葉と接触の機会が減り目的の効果が得られ難くなる一方、高過ぎると、葉から抽出液が抽出されるより先にシルトが底まで到達してしまい、抽出機内に濾層を形成することが出来ず分離効率が低下する。
よって、かかる観点から、シルトの含水時の密度は0.3〜0.9g/mLであるが好ましく、特に0.4〜0.8g/mL、中でも特に0.45〜0.6g/mLであるのがさらに好ましい。
また、投入するシルトの比表面積は80m2/g〜400m2/gであるのが好ましい。比表面積が80m2/g以上であれば、投入後に茶葉とシルトが適度にかみ合って抽出機内に好適に濾層を形成することができる。また、400m2/g以下であれば、抽出液中の微細粒子まで補足することがなく、旨味を維持することができる。
かかる観点から、添加するシルトの比表面積は80m2/g〜400m2/gであるのが好ましく、特に100m2/g〜300m2/g、その中でも特に200m2/g〜300m2/gであるのがさらに好ましい。
投入するシルトの吸水量は1g/g〜5g/gであるのが好ましい。吸水量が1g/g以上であれば、投入後に茶葉と十分に接触する機会があるため所望の効果を得ることができる。また、吸水量が5g/g以下であれば、葉から抽出液が抽出されるより先にシルトが抽出機の底まで到達することがないから、抽出機内に濾層を形成するのを妨げるようなことがなく、分離効率が低下することもない。
かかる観点から、添加するシルトの吸水量は1g/g〜5g/gであるのが好ましく、特に2g/g〜4g/g、その中でも特に3g/g〜4g/gであるのがさらに好ましい。
シルトの沈降速度は0.02〜1.0cm/sであることが好ましい。これらの範囲外では粘結性を有しないか、強い粘結性を有してしまうため、シルトと茶葉の適度な接触による濾層形成が難しくなる。
かかる観点から、添加するシルトの沈降速度は0.02〜1.0cm/sであるのが好ましく、特に0.04〜0.3cm/sであるのがさらに好ましい。
シルトを水で膨潤させる方法としては、例えばシルトに2〜10倍量の水を加えて、攪拌しながら5分以上、特に好ましくは10分以上浸漬しておけばよい。但し、この方法に限定するものではない。
シルトを膨潤させるための水のpHは、特に限定するものではないが、粘結性の観点から、pH4.0〜8.0の範囲であることが好ましく、pH5.5〜7.5の範囲であることがさらに好ましい。
また、水の温度は、特に限定するものではないが、粘結性の観点から、10℃〜70℃であることが好ましく、20℃〜40℃であることがさらに好ましい。
シルトを含水させた時の膨潤度を示す指標として、水中沈降体積が挙げられる。水中沈降体積はシルトを含水させた後の体積を重量で除した値であるため、シルト単位重量あたりの膨潤度の指標となる。粘結性の観点から、含水シルトの水中沈降体積が1.4〜5.0mL/gが好ましく、1.4〜3.0mL/gであるのがさらに好ましい。よって、この範囲に入るようにシルトを含水させる水の量を調整すればよい。
シルトの投入量は、乾燥時のシルト質量換算で、茶葉に対して0.1〜2.5倍量とするのが好ましい。特に0.1〜1.5の範囲であれば清澄度を高め、かつ製品のオリの発生も抑えられる。よって、シルトの投入量は、茶葉に対して0.1〜2.5倍量とするのが好ましく、特に0.1〜1.5倍量、中でも特に0.25〜0.75倍量とするのがさらに好ましい。
シルト投入後、一定時間静置するのが好ましい。このように静置することによって、シルトと茶葉の比重の違いにより、先に投入した茶葉に対し、後から添加したシルトが徐々に沈むようになるため、粘結性を有するシルトが茶葉に吸着し、茶葉とシルトからなる濾層が形成され易くなり、濾過効率を高めることができる。
この際の静置時間としては、1分〜30分が好ましく、特に1分〜20分、中でも特に5分〜20分であるのがさらに好ましい。
(濾過)
本抽出清澄化工程で得られた抽出液は、必要に応じて濾過すればよい。
例えば、微細濾過、精密濾過、逆浸透膜濾過、電気透析、生物機能性膜などの膜濾過、或いは珪藻土濾過などの濾過助剤を用いた濾過、或いはこれらのいずれかを二つ以上を組合わせた濾過などを行うことができる。
中でも、清澄濾過を高める観点から、珪藻土濾過を行うのが好ましい。珪藻土濾過とは、濾過助剤として珪藻土を使用する濾滓濾過である。
また、その際には、例えば本抽出清澄化工程で得られた抽出液を5〜40℃程度に冷却し、同時に又はその前後に、必要に応じて、茶抽出液にアスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムなどを加えて酸性(pH4〜5)に調整し、濾過するのが好ましい。茶抽出液の冷却或いは酸性調整によって抽出成分の酸化を防ぐことができると共に、オリやクリームダウンの原因成分を沈殿させて効果的に濾別することができる。
(調合)
調合は、目的に応じて他の成分を加えたり、混合したりすればよい。
例えば水(硬水、軟水、イオン交換水、純水、天然水、その他、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、重曹、糖類、デキストリン、香料、乳化剤、安定剤、或いはその他の呈味原料などのいずれか或いはこれらのうち二種以上の組合わせを添加し、主にpH調整、濃度調整、香味の調整を行うことができる。
(殺菌及び容器充填)
殺菌及び容器充填の方法は、食品衛生法に定められた殺菌条件の下で、従来から行われている通常の方法を採用すればよい。例えば缶飲料であれば、必要に応じて再加熱(ホットパック)した後充填し、レトルト殺菌(例えば、適宜加圧下(1.2mmHgなど)、121℃で7分間加熱殺菌する。)を行えばよいし、また、プラスチックボトル飲料(PETボトル飲料)や紙容器の場合にはUHT殺菌(調合液を120〜150℃で1秒〜数十秒保持する。)を行うようにすればよい。
(用語の説明)
本発明において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意である。
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<シルトの物理的性質の測定>
シルトの含水時の水中沈降体積(mL/g)は、次のように求めた。
200mLの蒸留水をメスシリンダーに入れ、30gの含水シルトを投入後、24時間静置した。静置後のシルトの容量を測定し、容量を重量で除した値(mL/g)として求めた。
シルトの水中沈降速度(cm/秒)は、次のストークスの式から求めた。
式1

Figure 0005385169
U:粒子の沈降速度(cm/s)
η:水の粘度(g/cm・s)
d:粒子径(cm)
ρp:粒子の密度(g/cm3)
ρf:水の密度(g/cm3)
シルトの乾燥時の密度(g/mL)は、100mLのメスシリンダーに、20mLまでシルトを投入し、その時の重量(g)を求め、重量を容量で除した値(g/mL)として求めた。
シルトの粘度(cP)は、粘度計(東機産業TVB-10M)を用い、水300mLに対し30gのシルトを添加し、30分放置後に測定される粘度(cP)として求めた。
<払出液の清澄度の測定>
払出液の清澄度(T%)は、サンプルをよく振り、透過率(660nm)を測定し、求めた。具体的には、標準ガラスセルにサンプルを4.0mLサンプリングし、分光光度計(測定装置:日立分光光度計U−3310)で測定した。
<品質評価>
実施例・比較例で製造した容器詰緑茶飲料を室温にて2週間保存し、その後のオリの発生状況を観察し、次の基準で香味を評価した。香味の評価は10名のパネラーにより評価し判定した。
(香り)
香りの評価は次の基準を指標とした。
良好:緑茶、紅茶、ジャスミン茶本来の香りを有し、製品として良好である。
やや良好:緑茶、紅茶、ジャスミン茶本来の香りがやや弱く感じられ、製品としてやや良好である。
やや悪い:緑茶、紅茶、ジャスミン茶本来の香りが弱く感じられ、製品としてやや不良である。
悪い:緑茶、紅茶、ジャスミン茶本来の香りからかけ離れており、製品として不良である。
(味)
味の評価は次の基準を指標とした。
良好:茶本来の旨み、適度な苦渋味を有し、製品として良好である。
やや良好:茶本来の旨みと苦渋味を有しているがやや味のバランスに欠け、製品としてやや良好である。
やや悪い:茶本来の旨みが弱く、苦渋味が強く感じられ、味が製品としてやや不良である。
悪い:茶本来の旨みと苦渋味のバランスに欠け、味が製品として不良である。
(目詰まり)
目詰まりの評価は、次の基準を指標とした。
+++:多量の目詰まり発生
++ :目詰まり発生
+ :若干の目詰まり発生
− :目詰まり発生無し
(オリ)
オリの評価は、次の基準を指標とした。
+++:多量のオリ発生
++:オリ発生
+:若干のオリ発生
−:オリ発生無し
(総合評価)
清澄度、香味、目詰まり、オリの評価をもとに総合的に次の基準で評価した。
◎:清澄度、香味、目詰まり、オリのすべての評価において優れている。
○:清澄度、香味は優れているものの、やや目詰まりやオリがみられる。
△:清澄度、香味、目詰まり、オリのいずれにおいてもやや劣っている。
×:清澄度、香味、目詰まり、オリのすべての評価において劣っている。
<実施例1−1>
本実施例で用いた抽出容器は、図1に示すように、ドリップ型抽出機であり、直径110cmの円筒型抽出槽内に網(メッシュ)を備えており、抽出槽の下部には抽出液を払出する払出口(径5cm)を備えている(以後の実施例及び比較例で使用した抽出機も同様)。
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの緑茶茶葉を投入して5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料を得た。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<実施例1−2>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に300gの緑茶茶葉を投入した後、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を投入して5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍質量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入し、投入後20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料を得た。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例1−1>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入し5分間静置した後、300gの緑茶茶葉を添加して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液の払い出しを試みたが、シルトおよび茶葉が抽出機払出口で詰まったため、以降の工程を省略した。
<比較例1−2>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入した後、300gの緑茶茶葉を投入して5分間静置した。その後、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を投入して20分間静置した。さらに、300mL/分の流速で抽出液の払い出しを試みたが、シルトおよび茶葉が抽出機払出口で詰まったため、以降の工程を省略した。
<比較例1−3>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの緑茶茶葉を投入し、同時に茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置し抽出を行った。静置後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料を得た。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例1−4>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に300gの緑茶茶葉を投入し、同時に茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入した。次に、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を250mL/分の割合で添加し、抽出を行った。抽出後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例1−5>
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの緑茶茶葉を投入し、5分静置後、葉が開いたことを確認した。茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の粘度5.5cP(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)のシルトを粉末の状態で投入して20分間静置した。次に、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次に、アスコルビン酸を300ppm添加し重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<実施例2−1>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの紅茶茶葉を投入し、5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次に、アスコルビン酸を300ppm添加し重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰紅茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<実施例2−2>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に300gの紅茶茶葉を投入した後、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を投入し、5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた抽出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次に、アスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰紅茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例2−1>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して5分間静置し、続いて300gの紅茶茶葉を添加し20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液の払い出しを試みたが、シルトおよび茶葉が抽出機払出口で詰まったため、以降の工程を省略した。
<比較例2−2>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入後、300gの紅茶茶葉を投入して5分間静置した。次に、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を投入しさらに20分間静置した。さらに、300mL/分の流速で抽出液の払い出しを試みたが、シルトおよび茶葉が抽出機払出口で詰まったため、以降の工程を省略した。
<比較例2−3>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの紅茶茶葉を投入し、同時に茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置して抽出を行った。静置後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次に、アスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰紅茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例2−4>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に300gの紅茶茶葉を投入し、同時に茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入した。次に、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を250mL/分の割合で添加し、抽出を行った。抽出後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次に、アスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰紅茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例2−5>
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの紅茶茶葉を投入し、5分静置後、葉が開いたことを確認した。茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)のシルト(粘度5.5cP、粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)を粉末の状態で投入して20分間静置した。次に、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次に、アスコルビン酸を300ppm添加し重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰紅茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<実施例3−1>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gのジャスミン茶茶葉を投入し、5分静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰ジャスミン茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<実施例3−2>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に300gのジャスミン茶茶葉を投入した後、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を投入して5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰ジャスミン茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例3−1>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して5分間静置し、続いて300gのジャスミン茶茶葉を添加し20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液の払い出しを試みたが、シルトおよび茶葉が抽出機払出口で詰まったため、以降の工程を省略した。
<比較例3−2>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入した後、300gのジャスミン茶茶葉を投入して5分間静置した。次に、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を投入しさらに20分間静置した。さらに、300mL/分の流速で抽出液の払い出しを試みたが、シルトおよび茶葉が抽出機払出口で詰まったため、以降の工程を省略した。
<比較例3−3>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gのジャスミン茶茶葉を投入し、同時に茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入して20分間静置し抽出を行った。静置後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰ジャスミン茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例3−4>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水(25℃、pH5.83)を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に300gのジャスミン茶茶葉を投入し、同時に茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入した。次に、5Lの抽出水(80℃、pH5.83)を0.25L/分の割合で添加し、抽出を行った。抽出後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰ジャスミン茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
<比較例3−5>
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gのジャスミン茶茶葉を投入して5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)のシルト(粘度5.5cP、粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)を粉末の状態で投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰ジャスミン茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
Figure 0005385169
Figure 0005385169
Figure 0005385169
(考察)
緑茶、紅茶、ジャスミン茶のいずれにおいても、茶葉に温水を給湯するか、或いは、温水に茶葉を投入するかした後、含水シルトを投入して抽出液を濾過することにより、茶抽出液を好適に清澄化できることが分かった。
この際、濾過の様子を観察すると、茶葉が水を吸って開いた段階で含水シルトを投入すると、比重の軽い茶葉と、比重の重いシルトとが徐々に接触し、茶葉と粘土が絡み合って温水中を降下して、茶葉とシルトとからなる層が抽出液内の抽出濾過層の上部に形成され、これが濾過層として機能し、微細な残渣を濾過して清澄化する様子が観察された。
これに対し、緑茶、紅茶、ジャスミン茶のいずれにおいても、茶葉よりもシルトを先に投入したり、茶葉とシルトを同時に投入すると、濾過面での詰まりが発生したり、シルトによる濾面形成が低下し、効果的な清澄化ができなかったりすることが分かった。
よって、茶葉に由来する茶抽出液であれば、どのような種類の茶葉に由来するものであっても、同様の結果となるものと考えることができる。
<実施例4:シルト量の検討>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの緑茶茶葉を投入して5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、乾燥時のシルト質量換算で茶葉に対し、0倍量(添加なし)、0.1倍量、0.5倍、1.0倍量又は2.5倍量の前記含水シルトを投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し、重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
Figure 0005385169
(考察)
表4の結果、シルト量が0.1倍の場合、シルトと茶葉の接触による濾面形成がなされるが、それ以下では濾面形成が困難である傾向がみられた。また、シルト量が2.5倍では、やや目詰まりを起こし、濾過できる状況であったが、それ以上では目詰まりが大きくなり、濾過が困難になることが伺えた。
よって、シルトの投入量は、乾燥時のシルト質量換算で、茶葉に対して0.1〜2.5倍量とするのが好ましく、特に0.1〜1.5倍量、中でも特に0.25〜0.75倍量とするのがさらに好ましいと考えられる。
<実施例5:シルトの種類の検討>
粘度2.0cP、粒径5.6μm、比表面積4m/g、沈降速度0.0022cm/sのシルトA、粘度4.0cP、粒径23μm、比表面積95m/g、沈降速度0.050cm/sのシルトB、粘度5.5cP、粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/sのシルトC、粘度5.7cP、粒径27μm、比表面積290m/g、沈降速度0.056cm/sのシルトD、粘度10.0cP、粒径30μm、比表面積320m/g、沈降速度0.069cm/sのシルトEを、それぞれ水で10分間膨潤させて含水シルトA〜Eを用意した。
ドリップ型の抽出容器に5Lの抽出水(80℃、pH5.83)と300gの緑茶茶葉を投入し、5分静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対して0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の含水シルトA〜Eを投入して20分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料を得た。その後、キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
Figure 0005385169
(考察)
表5の結果、シルトの含水時の密度が0.3g/mL以下、粘度が2.0cp以下の場合や、密度が3.0g/mL以上、粘度が10cp以上の場合であれば目詰まりが大きく、濾過が困難になることが分かった。
よって、シルトの種類については、密度0.3〜3.0g/mL、粘度4.0〜7.0が好ましく、特に密度0.4〜0.6g/mL、粘度4.0〜6.0がさらに好ましいと考えられる。
<実施例6:静置時間の検討>
粘度5.5cPのシルト(粒径29μm、比表面積230m/g、沈降速度0.064cm/s)に、5倍質量の水を加えて攪拌しながら10分間浸漬させて膨潤させ、含水シルト(水中沈降体積1.83mL/g)を用意した。
ドリップ型の抽出容器に、5Lの抽出水(80℃)と300gの緑茶茶葉を投入して5分間静置後、葉が開いたことを確認した。次に、茶葉に対し0.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)の前記含水シルトを投入し、投入後0分、10分、20分又は30分間静置した。その後、300mL/分の流速で抽出液を払い出し、払出液を得た。
得られた払出液は、30℃まで冷却し、珪藻土を用いて珪藻土濾過を行い、珪藻土濾過処理液を得た。次にアスコルビン酸を300ppm添加し重曹にてpH6に調整し、イオン交換水を加えて20Lに調整(メスアップ)した後、UHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料とした。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、ただちに冷却した。
Figure 0005385169
(考察)
表6の結果、静置することにより、茶葉とシルトが適度に結着し、良好な清澄度が得られることが分かった。
よって、シルト投入後は1分〜30分間静置するのが好ましく、特に2分〜25分間、さらには3分〜20分間静置するのが好ましいと考えられる。

Claims (6)

  1. 茶葉に温水を給湯するか、或いは、温水に茶葉を投入するかした後、含水したシルトを投入して抽出液を濾過することを特徴とする茶抽出液の清澄化処理方法。
  2. 茶葉に対して0.1〜2.5倍量(乾燥時のシルト質量換算)のシルトを投入することを特徴とする請求項1記載の茶抽出液の清澄化処理方法。
  3. 投入するシルトは、含水時の密度が0.3〜0.9g/mLであることを特徴とする請求項1又は2記載の茶抽出液の清澄化処理方法。
  4. 茶葉に温水を給湯してからシルトを投入するまでの間、1分〜60分間静置することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の茶抽出液の清澄化処理方法。
  5. シルト投入後、1分〜30分間静置することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の茶抽出液の清澄化処理方法。
  6. 茶葉に温水を給湯するか、或いは、温水に茶葉を投入するかした後、含水したシルトを投入して抽出液を濾過する抽出清澄化工程を備えた茶系飲料の製造方法。
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