JP5383624B2 - 撮像式工具測定装置および測定方法 - Google Patents
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Description
ここでは、主軸に装着される工具を撮像して、画像処理を行い、工具の刃先の位置測定、工具の長さ、径等の形状、寸法の測定、工具の振れの測定、刃先の観察等を行うようにしており、視野内への刃先の進入の判断に関しては逐次、フレーム信号毎処理を行うことから、処理が遅くなり、刃先の進入検出ができずにSKIP信号を出力できない(SKIPが遅い)場合があり、工具Tの先端がワークに衝突する虞がある。SKIP信号とは、刃先の進入動作指令を中断させる信号のことであり、SKIP信号が出力されると刃先を進入させる送り軸の動きが停止する。
また、これらの測定は画像信号に基づくことから、視野の汚れ、照明輝度等、撮像環境に左右されやすく、この結果、測定ができず、手動調整が必要となる場合も多い。
一方、後者の特許文献2における工具検査装置においても、撮像環境が悪化しても、その工具に付着した切り粉や切削油等の異物に影響されない、工具自体の外形の特徴を得ることで、高精度に工具の形状を検査できるとしても、その撮像環境の悪化の影響を補正するように、撮像環境に影響を与える要素を自動調整するということは何ら示唆されるものではない。
次いで、撮像環境・条件にかかる信号から、撮像条件判断・調整指令部により撮像の適正条件を決定して調整指令信号を導出し、かかる調整指令信号により、照明輝度、シャッター速度、サンプリング時間の適正値、及び主軸回転数の少なくとも一つである撮像条件(例えば照明手段、主軸制御手段、シャッター制御手段)を調整する調整信号を出力し、好適に撮像環境・条件を調整することができる。
更に、これにより、工具の実測の画像データから差分画像データを除去して、工具の真の輪郭、形状、刃先位置、工具径または工具の振れを演算可能となる。
次いで、撮像環境・条件にかかる信号から、撮像の適正条件を決定して調整指令信号を導出し、かかる調整指令信号により、照明輝度、シャッター速度、サンプリング時間の適正値、及び主軸回転数の少なくとも一つである撮像条件を調整することができる。
図1に、本発明にかかる撮像式工具測定装置10を、NCフライス盤やマシニングセンタ等のNC工作機械1に組み込んだところを示す。
NC工作機械1は、ベース2上にXY軸方向に縦横移動可能なテーブル3と、テーブル3に直交するZ軸方向にコラム4上に、昇降可能に主軸5が配置されている。かかる主軸5には、工具Tが装着されている。そして、かかる工具Tを挟んで、工具Tを撮像対象として撮像を行って、工具寸法測定等を行う、撮像式工具測定装置10が搭載されている。
撮像式工具測定装置10は、主軸5に装着された工具Tに対し、撮像部12による画像信号を取得し、該画像信号に対し、信号処理・制御部13において、所定の信号処理を施して、後述する判断、演算を行い、各種処理信号、指令信号を発して、撮像環境を決定する種々の構成手段に対応する調整指令信号をそれぞれ送出し、撮像環境を調整するようにしている。
工具Tは、ドリル、ボールエンドミル、フラットエンドミル等様々な形状のものを想定している。
撮像レンズ群15は、工具Tを通過した光線を、撮像レンズ群15を通過させることで、後述する撮像素子16に全体が結像されるように光束を調整するためのもので、光軸を一致させるように配置した、それぞれ所定倍率の凸レンズ、凹レンズ等の組合せで構成される。
撮像素子16は、二次元のCCDイメージセンサであり、入射した画像に係る光信号から電気信号を生起するもので、アナログ信号として取り出される。
すなわち、刃先進入検出部としては、図示は省略するが例えば、撮像部12において、撮像レンズ群15から撮像素子16に至る光路中に介設されたハーフミラー18からは、結像光線の1/2を光路に直交方向に偏光させた画像光を線状に線状変換するシリンダレンズと、シリンダレンズからの線状に線状変換された画像信号から、線状の電気信号に変換するラインセンサを具備する。工具Tが画像取得範囲に入っていくことにより、ラインセンサによって、濃淡の画像信号として捉えてSKIP信号をCNC工作機械動作制御部に出力して、工作機械を停止させる設定である。
信号処理・制御部13は、撮像素子16が取得した電気信号をA/D変換器17により変換してなるデジタルデータを取り込んで、周知の前処理を行う画像前処理部20を具備する。すなわち画像前処理部20では、シェーディング補正、ノイズリダクション、ホワイトバランス、輪郭補正、コントラスト調整を行い、画像表示手段21に逐次出力して、リアルタイムに画像を表示したり、後述する撮像環境・条件検出部に送り込んだり、画像の記憶制御により画像を逐次、フレームメモリ22に書き込んだりしている。
そして、フレームメモリ22に書き込まれたデータは、順次、視野汚れ検出部23と工具測定・演算部24とに送られ、様々な要因に起因する視野の汚れを検出したり、高速回転する工具Tの測定を行い、測定結果を出力するようにしている。
撮像環境・条件検出部25は、撮像部12からの撮像信号、または撮像信号を画像処理した信号に基づいて撮像環境・条件を検出するもので、詳細は後述するが、画像のコントラスト、エッジの鮮明度、露光度合い、主軸の回転数の全て又は任意の複数個又は1個を検出対象としている。
撮像環境・条件検出部25は、画像前処理部20におけるコントラスト調整後の画像信号の電圧値と適正コントラスト値記憶手段26(基準電圧値)との比較によってコントラスト判定(濃淡度合い)を行い、詳細は後述するが撮像環境・条件の検出信号として撮像条件判断・調整指令部27に送出するようになっている。
主軸5は、主軸制御手段28により、回転制御がなされるが、撮像環境・条件検出部25は、この主軸制御手段28から、主軸回転数検出手段29により主軸の回転数を検出して、撮像環境・条件の検出信号として撮像条件判断・調整指令部27に送出するようになっている。
すなわち、測定動作開始に先立ち、撮像条件判断・調整指令部27は、撮像環境・条件検出部25において撮像環境清浄時の画像のコントラスト、エッジの鮮明度、露光値、及び主軸回転数を予め検出したものを撮像環境記憶手段36に、撮像環境清浄時における撮像環境・条件として記憶し、その後測定時の適時における撮像環境・条件を撮像環境・条件検出部25において検出して、撮像条件判断・調整指令部27が、撮像環境清浄時における撮像環境・条件と比較することで、撮像環境の変化を判断し、撮像条件を調整するようにしている。
一方、撮像環境・条件検出部25が露光値が適正露光値にないと判定した場合は、撮像条件判断・調整指令部27は、他の撮像環境・条件を示す信号として、撮像環境・条件検出部25から主軸回転数を取得する他(STEP4)、コントラスト値を取得し(STEP5)、さらに撮像環境・条件検出部25において判定された工具Tの輪郭の鮮明度を、エッジ度合いとして取得する(STEP6)。
STEP13において、照明の調整が必要であると判定がなされると、撮像条件判断・調整指令部27は、適正な照明強度の算定を行い(STEP14)、照明調整手段31に調整指令を出して(STEP15)光源Lの調整を行い、STEP2に戻る。一方、照明の調整が必要ないと判定した場合は、撮像条件判断・調整指令部27は、撮像条件判断・調整指令部27は、適正絞り値の算定を行い(STEP16)、絞り制御手段33に調整指令信号を与えることで(STEP17)、デジタルデータの変換範囲を変え、STEP2に戻る。
なお、上述の撮像環境を調整する手順は一例であり、その他、工作機械の機能、仕様に応じて、適宜、撮像環境を調整する手順を設定できるのは勿論である。また、本実施形態では、ハーフミラー18により分離された画像を用いてSKIP信号を生成させたが、ハーフミラー18を用いずに、撮像素子16で取得した画像を用いてSKIP信号を生成させてもよい。
2 ベース
3 テーブル
4 コラム
5 主軸
10 撮像式工具測定装置
11 ハウジング
12 撮像部
13 信号処理・制御部
14 コンデンサーレンズ
15 撮像レンズ群
16 撮像素子
17 A/D変換器
18 ハーフミラー
20 画像前処理部
21 画像表示手段
22 フレームメモリ
23 視野汚れ検出部
24 工具測定・演算部
25 撮像環境・条件検出部
26 適正コントラスト値記憶手段
27 撮像条件判断・調整指令部
28 主軸制御手段
29 主軸回転数検出手段
30 適正露光値記憶手段
31 照明調整手段
32 シャッター制御手段
33 絞り制御手段
34 測定対象の位置変更手段
35 エアーブロー制御手段
36 撮像環境記憶手段
T 工具
Claims (2)
- 工具を撮像する撮像部と、該撮像部からの撮像信号を画像処理する信号処理・制御部とを有し、前記工具の寸法を測定する撮像式工具測定装置において、
前記信号処理・制御部は、前記撮像部からの撮像信号、または前記撮像信号を画像処理した信号に基づいて画像のコントラスト、エッジの鮮明度、露光値、主軸の回転数の少なくとも一つである撮像環境・条件を検出する撮像環境・条件検出部と、
前記撮像環境・条件検出部が検出した撮像環境・条件と撮像環境清浄時に予め検出し記憶した撮像環境・条件とを比較することで撮像環境の変化を判断し、照明輝度、シャッター速度、サンプリング時間の適正値、及び主軸回転数の少なくとも一つである撮像条件の調整指令信号を導出する撮像条件判断・調整指令部と、
前記撮像条件判断・調整指令部からの調整指令信号により、前記撮像条件を調整する調整手段と、
前記撮像部からの撮像信号、または前記撮像信号を画像処理した信号を画像の記憶制御により逐次書き込まれるメモリと、
前記撮像部の撮像レンズ面及び照明部に汚れのない撮像環境清浄時に撮像対象である工具がない撮像視野のみの撮像画像を予め記憶し、その後の測定による使用を経て、該測定後の撮像視野のみの撮像画像を検出し、前記撮像環境清浄時の撮像視野のみの撮像画像と前記測定後の撮像視野のみの撮像画像との差分画像を撮像レンズ面及び照明部の汚れ付着として検出する視野汚れ検出部と、
前記メモリからのデータと前記視野汚れ検出部からのデータとを読み出し、前記メモリのデータから前記視野汚れ検出部のデータを除去して、工具の輪郭、形状、刃先位置、工具径または工具の振れを演算する工具測定・演算部と、
を具備することを特徴とする撮像式工具測定装置。 - 撮像部からの工具の撮像信号を画像処理して工具の寸法を測定する撮像式工具測定方法において、
前記工具の撮像信号、または前記撮像信号を画像処理した信号に基づいて画像のコントラスト、エッジの鮮明度、露光値、主軸の回転数の少なくとも一つである撮像環境・条件を検出し、
前記検出した撮像環境・条件と撮像環境清浄時に予め検出し記憶した撮像環境・条件とを比較することで撮像環境の変化を判断し、照明輝度、シャッター速度、サンプリング時間の適正値、及び主軸回転数の少なくとも一つである撮像条件の調整指令信号を導出し、
該調整指令信号により、前記撮像条件を調整し、
前記撮像部からの撮像信号、または前記撮像信号を画像処理した信号を画像の記憶制御によりメモリに逐次書き込み、
前記撮像部の撮像レンズ面及び照明部に汚れのない撮像環境清浄時に撮像対象である工具がない撮像視野のみの撮像画像を予め記憶し、その後の測定による使用を経て、該測定後の撮像視野のみの撮像画像を検出し、前記撮像環境清浄時の撮像視野のみの撮像画像と前記測定後の撮像視野のみの撮像画像との差分画像を撮像レンズ面及び照明部の汚れ付着として検出し、
前記メモリのデータから前記差分画像のデータを除去して、工具の輪郭、形状、刃先位置、工具径または工具の振れを演算することを特徴とする撮像式工具測定方法。
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