JP5382807B2 - 張弦梁鋼板パネル、分割型張弦梁鋼板パネル及びそれを用いた小規模ユニット型フレーム構造体 - Google Patents
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大規模なショッピングセンター内で、しかも期間限定で営業しようとすると、ショッピングセンター自体の営業終了後、次の日の営業開始前に独立店舗を立ち上げる必要があり、営業終了時には、ショッピングセンター自体の営業終了後、速やかに独立店舗を撤去する必要がある。
例えば特許文献1では、床フレーム、天井フレーム及び柱で構築されたユニットフレームに床パネル、天井パネル及び外壁パネルが取り付けられた建物ユニットが提案されている。
この提案では、コーナー部材と当該コーナー部材間に複数枚配置された薄板鋼板からなる矩形の壁用構造パネルを接合して形成された壁部の上面に、複数枚の薄板鋼板からなる矩形の天井または屋根用パネルを接合して壁式構造のパネル構造体を構築している。
しかも、上記特許文献2で提案されている組立ユニット店舗構造では、壁パネルで構築された構造となっているために、店舗什器を壁パネルに合わせたものにする必要があって、商品陳列用の什器に制限が生じてしまう。
したがって、小規模店舗等の対面販売用に開口幅を大きくしたい場合でも制限があり、狭い開口幅での店舗とするか、或いは必要な広い開口幅の間を鋼板壁パネルでいくつかに分割配置するなどして、使い勝手が悪い場合もある。
このような張弦梁鋼板パネルは、梁長さが比較的小さい場合に用いられる。
梁長さが比較的大きい場合には、次のような分割型張弦梁鋼板パネルが用いられる。
そして、前記張弦梁鋼板パネル又は分割型張弦梁鋼板パネルを構成するそれぞれの上弦材のリップ部及び下端材のフランジ部は、張弦梁と下端材で形作られる面を覆うように貼り付けられた梁鋼板の側端を曲げて形成した上面鋼板及び下面鋼板に対し、ボルト挿入孔にボルトが挿通されてナットで若しくはドリルねじ等で固定されている。
また、束材を構成する軽量形鋼の上端部と上弦材分割端の固着及びその下端部と下弦材分割端の固着は、断面L字状を有する軽量山形鋼からなる接合部材を介して行われていることが好ましい。
さらに、上弦材の端部と下弦材の端部の固着は、断面L字状を有する軽量山形鋼からなる接合部材を介して行われていることが好ましい。
そして、前記四本の柱材の内の対角位置の二本の柱材間に軽量形鋼からなる水平ブレースが架け渡されていることが好ましい。さらに、分割型張弦梁鋼板パネルを用いた場合には、さらに相対する前記二つの分割型張弦梁鋼板パネルの接合部間に間にも軽量形鋼からなる水平ブレースが架け渡されていることが好ましい。
特に、分割型張弦梁鋼板パネルを用いて間口が広くしかも広い開口幅が必要な小規模ユニット店舗を構築しようとする際にも、この分割型張弦梁鋼板パネルであれば、特別な搬送手段を用いることなく、分割された状態でショッピングセンターの通用口ドアなどの狭い通路を通って搬入することが可能となる。
さらに、本発明の張弦梁鋼板パネル或いは分割型張弦梁鋼板パネルは、従前の例えば特許文献3で提案されたような壁式パネル構造体の壁面の開口部として組み込むことも可能である。
3,3a,3b:下弦材 4,4a,4b:下端材
5a,5a’,5b:側面鋼板 6,6a,6b,6c:接合部材
7,7a,7b:上面鋼板 8,8a,8b:下面鋼板
9,9a:梁鋼板
11:柱材 12:梁鋼板パネル、若しくは張弦梁鋼板パネル
13a,13b:分割型張弦梁鋼板パネル
14:水平ブレース 15:柱梁コーナープレート
16,17:取り付け金具 18:柱脚プレート
その結果、張弦梁鋼板パネル、若しくは分割型とした張弦梁鋼板パネルを用いることが有効であることを見出した。
以下にその詳細を説明する。
この梁でも、ショッピングセンター内で営業する独立店舗を形作る小規模ユニット型フレーム構造体には適用可能である。
しかしながら、より間口を広くしようとか、梁長さがかなり大きい場合には、搬入を容易にしようという観点からは必ずしも十分ではない。また、単に梁鋼板パネル等を連続させただけの梁では開口中央部のたわみをなくすことに対しても十分ではない。
しかし、梁長さが比較的小さく、容易に現場搬入が可能な場合には、分割されない張弦梁鋼板パネルを用いて小規模ユニット型フレーム構造体を組み立てても良い。撤去も容易である。
上弦材と束材及び下弦材を骨格とした張弦梁構造の梁鋼板パネルを用いることにより、開口を有する壁面の構築が可能となるとともに、さらにこの張弦梁構造の梁鋼板パネルを分割型とすることにより、間口が広くてもたわみのない開口壁面の構築が可能となる。
この下端材4は、本発明張弦梁鋼板パネルを用いて図4,6に示すような小規模ユニット型フレーム構造体を組み立てて屋根用パネル(図示せず)を配置する際に、この屋根用パネルを載置・固定するための支持材となるものである。当該下端材4を構成する軽量溝形鋼ウェブ上に屋根用パネルの端部を載せて下端材4間に架け渡し、ボルト等で固定すれば堅牢なユニット型フレーム構造体となる。
張弦梁と下端材4で形作られる面を覆うように梁鋼板9が貼り付けられるとともに、その側端が折り曲げられて、側壁5を形作っている。
なお、上端、下端にも、それぞれを覆うように前記梁鋼板9の上端及び下端を折り曲げ、上弦材1及び下端材4とした軽量溝形鋼の開口部を覆うように貼り付けた上面鋼板7、下面鋼板8としてもよい。このうち下端を覆う下面鋼板8は、断面L字状の鋼板とし、下端材4となる軽量溝形鋼のフランジ部をも覆うように配することが好ましい。
分割梁をそれぞれ分割した状態で構築現場に搬入し、搬入先で組み立てれば、間口の広い小規模ユニット型フレーム構造体を容易に組み立てることができる。また撤去も容易である。
そしてユニット組み立て時に束材2aと2bを隣り合わせで当接させ、ボルト・ナット(図示せず)で固定する態様としている。
上弦材1、束材2、下弦材3、下端材4は軽量溝形鋼で構成されている。上弦材1、下端材4はリップ付の軽量溝形鋼であってもよい。そして、各軽量溝形鋼が、束材2及び下弦材3ではウェブ面がパネル面に向けて、上弦材1及び下端材4ではフランジ面がパネル面側に向けて配されている。
なお、上端、下端にも、それぞれを覆うように前記梁鋼板9aの上端及び下端を折り曲げ、上弦材1a及び下端材4aとした軽量溝形鋼の開口部を覆うように貼り付けた上面鋼板7a、下面鋼板8aとしてもよい。このうち下端を覆う下面鋼板8aは、断面L字状の鋼板とし、下端材4aとなる軽量溝形鋼のフランジ部をも覆うように配することが好ましい。
また、何れも軽量溝形鋼からなる分割下弦材3aの分割端と分割束材2aの下端、及び何れも軽量溝形鋼からなる分割上弦材1aの側端と分割下弦材3aの側端とは、同様に断面L字状を有する軽量山形鋼からなる接合部材6b及び6cを介して固着されている。
さらに、分割下端材4aの分割端は断面L字状を有する軽量山形鋼からなる接合部材6bを介して分割束材2aの下端に固着され、分割下端材4aのフランジ面に下端の下面鋼板8aが固着されている。
この固定は小規模ユニット型フレーム構造体を設置する現場で行う。
図4、5,6に示すように、リップ付き軽量山形鋼からなる柱材11に対して、鋼板と形鋼を組み合わせた梁鋼板パネル、若しくは本発明の張弦梁鋼板パネル12と本発明の分割型張弦梁鋼板パネル13a、13bを架け渡して小規模ユニット型フレーム構造体が構築される。
なお、図4,5中、14は当該小規模ユニット型フレーム構造体の剛性を高めるために配した補強用の水平ブレースであり、15は前記補強筋を柱11に取り付けるためのL字形状を有する柱梁コーナープレートである。
例えば、図7に示す柱梁コーナープレート15は、柱材11に当接する平面15aと梁材を構成する軽量溝形鋼のフランジ面に当接する平面15bを有している。適宜形状に裁断した鋼板を単に折り曲げることにより形作ることができる。
図7に示す柱梁コーナープレート15は、用いる柱材としてリップ付き軽量山形鋼の山側を小規模ユニット型フレーム構造体内側に配した場合に用いるものであって、リップ付き軽量山形鋼の山側を小規模ユニット型フレーム構造体外側に向けて配する場合には、図8に示すような形状の柱梁コーナープレートを用いる。
なお、図7中、15cが基の鋼板の平面部である。後記するが、筋交いとなる水平ブレースを架け渡す際には、この平面15cに水平ブレース14の端部を取り付けることになる。
すなわち、柱材11に固定された柱梁コーナープレート15の一方の平面15bに分割型張弦梁鋼板パネル13aを構成する軽量溝形鋼のフランジ部端をボルト・ナット、若しくはドリルねじで固定する。柱梁コーナープレート15の他の一方の平面15bに梁鋼板パネル12を構成する軽量溝形鋼のフランジ部端をボルト・ナット、若しくはドリルねじで固定する。
水平ブレース14は、図4や図5に見られるように、四本の柱材の内の対角位置の二本の柱材間に架け渡すことが好ましい。さらに鋼板製梁材が分割型張弦梁鋼板パネルの場合、相対する二つの分割型張弦梁鋼板パネルの接合部間にも水平ブレース14を架け渡すことが好ましい。
そして、水平ブレース14としては、ヘミング曲げ加工を施すことによりフランジ部の板厚をウェブ部の板厚よりも厚くした軽量溝形鋼を用いることが、構造体の剛性をさらに高めるために好ましい。
また、解体・撤去の際には、水平ブレース14の取り付けもボルト・ナットで行われるため、設置或いは解体・撤去が容易に行なわれることは、分割型張弦梁鋼板パネルの取り付けと同様である。梁鋼板パネル、若しくは張弦梁鋼板パネル12及び分割型張弦梁鋼板パネル13a、13bを柱梁コーナープレート15に固定しているボルト・ナットを外して、梁鋼板パネル、若しくは張弦梁鋼板パネル12及び分割型張弦梁鋼板パネル13a、13bを柱材11から分離し、さらに分割型張弦梁鋼板パネル13a、13bを接合しているボルト・ナットを外すことにより、分割型張弦梁鋼板パネル13a、13bは二つに分離されて、容易に搬出・運搬が可能となる。
さらに、設置場所での仕上げ工事を少なくするためや美観を高めるため、或いは宣伝効果を高めることを目的としてこれらのパネルや部材に予め仕上げ塗装を施しておくのが望ましい。
Claims (5)
- 軽量形鋼からなる上弦材と、上端部が前記上弦材の長さ方向中間部においてその下方に垂直に接合された軽量形鋼からなる束材と、中間部が前記束材の下端により支持されかつ両端部が前記上弦材の両端部に接合されることによって当該上弦材の下方においてその両端部間にわたって設置された軽量形鋼からなる下弦材とにより構成される張弦梁と、当該張弦梁の下方に前記上弦材と平行に配された軽量形鋼からなる下端材及び張弦梁と下端材で形作られる面を覆うように貼り付けられた梁鋼板からなることを特徴とする張弦梁鋼板パネル。
- 軽量形鋼からなる上弦材と、上端部が前記上弦材の長さ方向中間部においてその下方に垂直に接合された軽量形鋼からなる束材と、中間部が前記束材の下端により支持されかつ両端部が前記上弦材の両端部に接合されることによって当該上弦材の下方においてその両端部間にわたって設置された軽量形鋼からなる下弦材とにより構成される張弦梁と、当該張弦梁の下方に前記上弦材と平行に配された軽量形鋼からなる下端材及び張弦梁と下端材で形作られる面を覆うように貼り付けられた梁鋼板からなる張弦梁鋼板パネルであって、前記束材を二本の軽量形鋼をそれらのフランジ部外面を互いに当接させた形態で配されているとともに、前記上弦材はその中間部で分割されてその分割端が前記二本の軽量形鋼からなる束材のそれぞれの軽量形鋼の上端部に、下弦材はその中間部で分割されてその分割端が前記二本の軽量形鋼からなる束材のそれぞれの軽量形鋼の下端部にそれぞれ固着されており、前記下端材と梁鋼板もその中間部で分割されてその分割端が束材を構成する軽量形鋼のウェブ部及びフランジ部外面に固着されていて、全体が二つに分割可能にされていることを特徴とする分割型張弦梁鋼板パネル。
- 四箇所のコーナー部に配置されたリップ付き軽量形鋼からなる四本の柱材と当該四本の柱材の隣り合う二本の柱材間に四つの鋼板製梁材が架け渡された小規模ユニット型フレーム構造体であって、前記四つの鋼板製梁材のうち、少なくとも隣り合わない二つの鋼板製梁材として、請求項1又は2に記載の張弦梁鋼板パネル又は分割型張弦梁鋼板パネルが架け渡されていることを特徴とする小規模ユニット型フレーム構造体。
- 四箇所のコーナー部に配置されたリップ付き軽量形鋼からなる四本の柱材と当該四本の柱材の隣り合う二本の柱材間に四つの鋼板製梁材が架け渡された小規模ユニット型フレーム構造体であって、前記四つの鋼板製梁材のうち、少なくとも隣り合わない二つの鋼板製梁材として、請求項1又は請求項2に記載の張弦梁鋼板パネル又は分割型張弦梁鋼板パネルが、前記柱材に対して当該柱材に当接する平面と前記梁材の上弦材を構成する軽量形鋼のフランジ面に当接する平面を有する柱梁コーナープレートを介して架け渡されているとともに、前記四本の柱材の内の対角位置の二本の柱材間に軽量形鋼からなる水平ブレースが架け渡されていることを特徴とする小規模ユニット型フレーム構造体。
- 四箇所のコーナー部に配置されたリップ付き軽量形鋼からなる四本の柱材と当該四本の柱材の隣り合う二本の柱材間に四つの鋼板製梁材が架け渡された小規模ユニット型フレーム構造体であって、前記四つの鋼板製梁材のうち、少なくとも隣り合わない二つの鋼板製梁材として、請求項2に記載の分割型張弦梁鋼板パネルが、前記柱材に対して当該柱材に当接する平面と前記梁材の上弦材を構成する軽量形鋼のフランジ面に当接する平面を有する柱梁コーナープレートを介して架け渡されているとともに、前記四本の柱材の内の対角位置の二本の柱材間及び相対する前記二つの分割型張弦梁鋼板パネルの接合部間に軽量形鋼からなる水平ブレースが架け渡されていることを特徴とする小規模ユニット型フレーム構造体。
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