以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、例えば、デジタルビデオカメラとして構成される。
撮像レンズ101は、焦点距離を連続的に変更するためのズームレンズ、被写体にフォーカス(焦点)を合わせるためのフォーカスレンズを含む構成とされる。また、絞りの径を変化させるアイリス、ND(Neutral Density)フィルタを挿入するND機構、撮像時の手の振動を補正するシフト防振式手ブレ補正レンズなども、必要に応じて撮像レンズ101に含まれるようにしてもよい。
撮像レンズ101を通過してきた光は、撮像素子102で結像されて電気信号に変換される。撮像素子102は、例えば、CCDセンサやCMOSセンサなどの光電変換センサにより構成される。
撮像素子102から出力された電気信号は、アナログ信号処理部103に入力され、ノイズ除去などの処理が行われる。
そして、アナログ信号処理部103から出力されたアナログ信号が、A/D変換部104によってデジタルデータに変換される。
A/D変換部104から出力されたデジタルデータは、デジタル信号処理部105でガンマ補正などの処理が施されて出力され、そのデジタルデータに対応する画像が、液晶パネル106、ビューファインダー(EVF)107に表示される。なお、液晶パネル106、ビューファインダー107に表示される画像には、後述する操作部142の操作に用いられるGUIなどが重畳されて表示されるようにしてもよい。
また、A/D変換部104から出力されたデジタルデータは、フラッシュメモリやDVテープなどにより構成される記録デバイス108に記録される。
操作部142は、撮影開始(REC)ボタン、ズーム操作インタフェース、タッチパネルなどを含む構成とされる。また、操作部142は、例えば、液晶パネル106、ビューファインダー107に表示されるGUIに基づく操作を受け付けるようになされている。ユーザが操作部142を介して入力した指令に対応する操作信号は、制御部141に出力されるようになされている。
なお、操作部142を介してズーム操作を行なう場合、ズームインまたはズームアウトのズーム方向とともに、単位時間内にどれだけ倍率を変化させるかを定めるズーム速度を指定することができるようになされている。
EEPROM143は、不揮発性メモリであり、画像データ、各種の補助情報、設定情報などを記憶するようになされている。
被写体検出部131は、撮像レンズ101を介して入力される光に基づいて、アナログ信号処理部103乃至デジタル信号処理部105の処理を経て出力された画像データの解析を行い、画像データ中の被写体を検出するようになされている。被写体検出部131は、例えば、画像データ中の人物の顔の画像を検出するようになされている。顔の画像の検出は、例えば、画像の特徴量および予め記憶しているモデルデータなどに基づいて行なわれる。
また、被写体検出部131は、必要に応じて別の方式で被写体を検出することもできるようになされている。例えば、画像(画面)の中の所定の座標位置に位置する物体を被写体として検出することも可能である。
さらに、被写体検出部131は、必要に応じて別の方式で被写体を検出することもできるようになされている。例えば、画像(画面)の中で、操作部142を介したユーザの操作入力により指定された所定の物体を、被写体として検出することも可能である。
すなわち、被写体検出部131は、画像を解析して人物の顔の画像などを自動的に被写体として検出することが可能であり、また、ユーザにより指定された画像に対応する物体などを自動的に被写体として検出することも可能である。さらに、被写体検出部131は、画像の中の所定の座標位置に位置する物体を被写体として検出することも可能である。
制御部141は、内部にプロセッサを有する構成とされ、デジタルカメラ100において実行される各種の処理の実行を制御するようになされている。制御部141は、例えば、ROM144に記録されているプログラムなどのソフトウェアを、RAM145にロードして実行することにより各種の処理に必要な制御信号を生成して、各部に出力するようになされている。
また、制御部141は、被写体検出部131により検出された被写体にフォーカスを合わせるAF機能、明るさの調節を行うAE機能、ホワイトバランスを行うWB機能などを実現するための処理を実行する。AF機能を実現するための処理により生成された制御信号は、モータドライバ110に供給される。
さらに、制御部141は、操作部142を介して入力が受け付けられたユーザのズーム操作に対応する制御信号を生成してモータドライバ110に出力するようになされている。
モータドライバ110は、制御部141から供給された制御信号を電圧に変換し、フォーカスレンズを駆動させるフォーカスレンズ駆動モータ111、ズームレンズを駆動させるズームレンズ駆動モータ112に、それぞれの電圧を供給する。これにより、フォーカスレンズ駆動モータ111とズームレンズ駆動モータ112が動作して、撮像レンズ101のフォーカスレンズとズームレンズが駆動されることになる。
本発明のデジタルカメラ100においては、例えば、画面内を被写体となる人物が移動すると、その人物の顔にフォーカスを追従させるように、AF機能が働くようになされている。また、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合も、その人物の顔にフォーカスを追従させるように、AF機能が働くようになされている。すなわち、制御部141のAF機能により、被写体検出部131の検出した被写体にフォーカスが合わせられるように、モータドライバ110に制御信号が供給されることで、人物の顔にフォーカスを追従させるようになされている。
図2は、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合、その人物の顔にフォーカスを追従させるAF機能を説明する図である。
同図において、画像181と画像191は、それぞれデジタルカメラ100により撮影された画像とされる。画像181と画像191では、主たる被写体として人物、背景として山と木が撮影されている。
また、画像191は、画像181が撮影されている状態で、ユーザがズーム操作を行った結果、撮影された画像とされる。すなわち、デジタルカメラ100のユーザは、画像181が撮影されている状態で、操作部142を操作して、画像の倍率を上げるズームイン操作を行い、画像191が撮影されたのである。これにより、画像191においては、画像181と比較して、人物の画像が大きく表示されており、また、画像181と比較して、背景の山と木の画像が不鮮明に表示されている。
また、画像181と画像191では、被写体検出部131により検出された被写体として人物の顔182と顔192が撮影されている。なお、顔182と顔192は、ズームの倍率が異なるものであり、同一人物の顔とされる。
画像181と画像191には、被写体検出部131により検出された被写体を表示するための矩形の枠であって、AF追従枠183とAF追従枠193が表示されている。このように、デジタルカメラ100のAF機能によって、AF追従枠の画像にフォーカスが合わせられるように、フォーカスレンズ駆動モータ111、およびズームレンズ駆動モータ112が動作する。デジタルカメラ100においては、このようなAF機能により、画像の中の人物が移動したり、ズーム操作が行われたりした場合も、人物の顔が鮮明に表示された画像を撮影することができる。
このように、AF追従枠を被写体に追従させ、その被写体にフォーカスが合わせられるように、フォーカスレンズ駆動モータ111、およびズームレンズ駆動モータ112の動作が制御されるAF機能を、被写体追従AF機能と称することにする。
しかしながら、高速のズーム速度でズーム操作を行うときは、ズーム操作による画角の変化が激しくなり、被写体検出部131による被写体(例えば、人物の顔)の検出に時間を要することがある。また、ズーム操作に伴う画角の変化によって、撮影したい人物の顔が画面の外に出てしまう事もある。
このように高速のズーム速度でズーム操作が行われているときは、撮影したい被写体に対して正確にフォーカスを追従させることができないことがある。そのため、ズーム操作中は被写体にピントが合わない事が多く、また、被写体が誤って検出されてその部分にフォーカスを追従させるなどの結果、画像がぼけた状態で撮影されることが多い。このような状態で撮影された画像は、極めて見難いものとなる。
さらに、ズーム操作を行う場合、撮影者であるユーザは、顔検出された被写体の人物よりも、背景や他の被写体に注目していることが多いと考えられる。このような場合は、ズーム操作中も、その人物の顔にフォーカスを追従させるように、AF機能が働くことにより、かえって操作性が低いと感じられてしまうことがある。
そこで、本発明のデジタルカメラ100においては、ズーム操作中の所定の状況において、被写体追従AF機能を解除することができるようになされている。
なお、デジタルカメラ100においては、被写体追従AF機能とは異なるAF機能として通常AF機能が存在する。通常AF機能においては、例えば、撮影された画像の中央に位置する物体にフォーカスが合わせられるように、フォーカスレンズ駆動モータ111、およびズームレンズ駆動モータ112の動作が制御されるようになされている。
デジタルカメラ100においては、ズーム操作中の所定の状況において、被写体追従AF機能が解除された場合、通常AF機能により画像が撮影されるようになされている。
図3は、制御部141で実行されるソフトウェアであって、被写体追従AF機能の解除に関する処理を制御するソフトウェアの機能的構成例を示すブロック図である。
同図において、ズーム情報取得部201は、操作部142を介して入力されるズーム操作に関する情報を取得するようになされている。ズーム情報取得部201は、例えば、ズームインまたはズームアウトのズーム方向とともに、ズーム速度を特定する情報を取得するようになされている。
被写体情報取得部202は、被写体検出部131により検出された被写体に関する情報を取得するようになされている。被写体情報取得部202は、例えば、図2に示されるAF追従枠183またはAF追従枠193の左上角の座標位置、およびAF追従枠183またはAF追従枠193の面積を特定する情報を取得するようになされている。
閾値設定部203は、ズーム操作中の所定の状況において、被写体追従AF機能を解除するか否かを判定するための閾値を設定するようになされている。閾値設定部203は、例えば、所定のズーム速度の値を、被写体追従AF機能を解除するか否かを判定するための閾値として設定するようになされている。
例えば、ユーザが低速のズーム速度でズーム操作を行うときは、ズーム操作による画角の変化が緩やかになり、被写体検出部131による被写体(例えば、人物の顔)の検出に要する時間は短いと考えられる。また、低速のズーム速度の場合、撮影者であるユーザが慎重に操作を行うことができるため、ズーム操作に伴う画角の変化によって、撮影したい人物の顔が画面の外に出てしまう可能性も低いと考えられる。
上述のような状況を考慮し、閾値設定部203は、例えば、所定のズーム速度の値を、被写体追従AF機能を解除するか否かを判定するための閾値として設定する。
切り替え判定部204は、例えば、ズーム情報取得部201が取得したズーム方向と、ズーム速度を特定する情報、および閾値設定部203が設定した閾値に基づいて、被写体追従AF機能を解除するか否かを判定するようになされている。すなわち、切り替え判定部204により、被写体追従AF機能を解除すると判定された場合、デジタルカメラ100のAF機能が、被写体追従AF機能から通常AF機能へと切り替えられることになる。
なお、以下においては適宜、被写体追従AF機能に従ってフォーカスレンズ駆動モータ111、およびズームレンズ駆動モータ112の動作が制御されることを被写体追従AFモードでのフォーカスと称することにする。また、通常AF機能に従ってフォーカスレンズ駆動モータ111、およびズームレンズ駆動モータ112の動作が制御されることを通常AFモードでのフォーカスと称することにする。
次に、図4のフローチャートを参照して、デジタルカメラ100におけるオートフォーカス(AF)処理の例について説明する。この処理は、デジタルカメラ100により画像の撮影が行われているとき実行される。
ステップS21において、被写体検出部131は、被写体を検出する。このとき、例えば、撮像レンズ101を介して入力される光に基づいて、アナログ信号処理部103乃至デジタル信号処理部105の処理を経て出力された画像データが解析され、画像データ中の被写体が検出される。例えば、画像の特徴量および予め記憶しているモデルデータなどに基づいて、画像データ中の人物の顔の画像が被写体として検出される。
ステップS22において、制御部141は、ステップS21の処理の結果、画面内に被写体(いまの場合、人物の顔)が検出されたか否かを判定する。例えば、画面内に人物の顔が検出されたと判定された場合、処理は、ステップS23に進む。
ステップS23において、制御部141は、被写体追従AFモードでのフォーカスを行なうようにフォーカスレンズ駆動モータ111、およびズームレンズ駆動モータ112の動作を制御する。これにより、上述したように、その人物の顔にフォーカスを追従させて、画像が撮影されることになる。
ステップS24において、制御部141は、現在、ズーム操作中であるか否かを判定する。制御部141は、例えば、ユーザが操作部142を介して入力した指令に対応する操作信号に基づいて、ズーム操作中であるか否かを判定する。ステップS24において、ズーム操作中であると判定された場合、処理は、ステップS25に進む。
ステップS25において、制御部141は、後述するAFモード切り替え判定処理を実行する。この処理により、AFモードの切り替えの要否を表す切り替えフラグが設定されるようになされている。
ステップS26において、制御部141は、ステップS25の処理により設定された切り替えフラグに基づいて、AFモードの切り替えの要否を判定する。例えば、切り替えフラグがONに設定されていた場合、ステップS26では、AFモードの切り替えが必要と判定され、切り替えフラグがOFFに設定されていた場合、ステップS26では、AFモードの切り替えは不要と判定される。
ステップS26において、AFモードの切り替えが必要と判定された場合、処理は、ステップS27に進む。
ステップS27において、制御部141は、通常AFモードでのフォーカスを行なうようにフォーカスレンズ駆動モータ111、およびズームレンズ駆動モータ112の動作を制御する。すなわち、デジタルカメラ100のAFモードが、被写体追従AFモードから通常AFモードに切り替えられることになる。
これにより、例えば、画像の中央に位置する物体にフォーカスが合わせられるように、画像が撮影されることになる。
一方、ステップS26において、AFモードの切り替えが不要と判定された場合、処理は、終了する。
また、ステップS22において、ステップS21の処理の結果、画面内に被写体(いまの場合、人物の顔)が検出されなかったと判定された場合、ステップS23乃至ステップS26の処理はスキップされ、処理は、ステップS27に進む。
また、ステップS24において、ズーム操作中ではないと判定された場合、処理は、ステップS23に戻る。
このようにして、オートフォーカス処理が実行される。
デジタルカメラ100におけるオートフォーカス処理では、例えば、図5に示されるように、AFモードの切り替えが行なわれる。
図5は、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合のAFモードの切り替えについて説明する図である。
同図において、画像207、画像211、および画像221は、それぞれデジタルカメラ100により撮影された画像とされる。画像207、画像211、および画像221では、主たる被写体として人物、背景として山と木が撮影されている。
また、画像211と画像221は、それぞれ画像207が撮影されている状態で、ユーザがズーム操作を行った結果、撮影された画像とされる。すなわち、デジタルカメラ100のユーザが、画像207が撮影されている状態で、操作部142を操作してズームイン操作を行ったことにより、画像211または画像221が撮影されたのである。これにより、画像211と画像221においては、画像207と比較して、人物の画像が大きく表示されている。
また、画像207、画像211、および画像221では、被写体として人物の顔208、顔212、および顔222が撮影されている。なお、顔208、顔212、および顔222は、それぞれズームの倍率が異なるものであり、同一人物の顔とされる。
画像207、画像211、および画像221には、被写体検出部131により検出された被写体を表示するための矩形の枠であって、AF追従枠209、AF追従枠213、およびAF追従枠223が表示されている。
図5の例において、ユーザが、画像207が撮影されている状態で、操作部142を操作して低速のズーム速度でのズーム操作を行ったことにより、画像211が撮影されたものとされる。また、ユーザが、画像207が撮影されている状態で、操作部142を操作して高速のズーム速度でのズーム操作を行ったことにより、画像221が撮影されたものとされる。
同図の例において、画像211では、AF追従枠213の位置が人物の顔212の位置と一致しており、人物の顔にフォーカスが追従させられて画像が撮影されている。このため、画像211においては、画像207と比較して背景の山と木が不鮮明に表示されているものの、人物の顔212は鮮明に表示されている。
一方、画像221では、AF追従枠223が画面中央に位置しており、人物の顔222の位置と一致していない。このため、画像221においては、画像207と比較して人物の顔222は不鮮明に表示されているものの、背景の山は鮮明に表示されている。
つまり、図5の例の場合、ユーザが閾値を超える高速の速度でズーム操作を行ったことにより、AFモードの切り替えが行なわれて画像221が撮影されたのである。すなわち、画像211は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像であり、画像221は、通常AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
図6は、図5を参照して上述したように、AFモードの切り替えが行なわれる場合のAFモード切り替え判定処理の例を説明するフローチャートである。この処理は、図4のステップS25の処理として実行される処理の一例である。
ステップS41において、ズーム情報取得部201は、操作部142を介して入力される信号に基づいて、ズーム速度を特定する情報を取得する。
ステップS42において、切り替え判定部204は、ステップS41の処理で取得されたズーム速度が閾値を超えているか否かを判定する。なお、ズーム速度の閾値は、予め閾値設定部203により設定されているものとする。
ステップS42において、ズーム速度が閾値を超えていると判定された場合、処理は、ステップS43に進む。
ステップS43において、切り替え判定部204は、切り替えフラグをONに設定する。これにより、図4のステップS26の処理では、切り替えが必要であると判定され、ステップS27で通常AFモードでのフォーカスが行なわれる。
これにより、被写体追従AF機能は解除され、画面の中央に位置する物体がフォーカスされることになる。従って、例えば、図5の画像207が撮影されている状態で、高速のズーム速度(閾値を超える速度)でのズーム操作が行われると、画像221が撮影されることになる。
一方、ステップS42において、ズーム速度が閾値を超えていないと判定された場合、処理は、ステップS44に進む。
ステップS44において、切り替え判定部204は、切り替えフラグをOFFに設定する。これにより、図4のステップS26の処理では、切り替えが不要であると判定され、そのまま被写体追従AFモードでのフォーカスが行なわれる。
これにより、例えば、図5の画像207が撮影されている状態で、低速のズーム速度(閾値以下の速度)でのズーム操作が行われると、画像211が撮影されることになる。
このようにして、AFモード切り替え判定処理が実行される。
ところで、図5を参照して上述した例においては、ズーム速度が閾値を超えているか否かによって、AFモードの切り替えの要否が判定されるようにした。しかし、ズーム速度の閾値は、ズーム方向によって異なるようにすることもできる。
例えば、ズーム操作としてズームインされる場合、被写体である人物の顔の画像の面積は大きくなるので、その人物の顔が画面内から外れやすい。また、ズームインされる場合は、その人物の顔が拡大されて表示されるので、手振れの影響が大きく、フォーカスを被写体に追従させることが難しい。このため、ズームインされる場合には、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値は低く設定する必要があると考えられる。
しかし、ズーム操作としてズームアウトされる場合、被写体である人物の顔の画像の面積は小さくなるので、その人物の顔が画面内から外れる可能性は低い。また、ズームアウトされる場合、手振れの影響も小さく、フォーカスを被写体に追従させることが比較的容易であるといえる。このため、ズームアウトされる場合には、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値は高く設定してもよいと考えられる。
図7は、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合のAFモードの切り替えの別の方式について説明する図である。
同図において、画像231、画像241、および画像251は、それぞれデジタルカメラ100により撮影された画像とされる。画像231、画像241、および画像251では、主たる被写体として人物、背景として山と木が撮影されている。
また、画像241と画像251は、それぞれ画像231が撮影されている状態で、ユーザがズーム操作を行った結果、撮影された画像とされる。すなわち、デジタルカメラ100のユーザが、画像231が撮影されている状態で、操作部142を操作してズームイン操作を行ったことにより、画像251が撮影されたのである。また、デジタルカメラ100のユーザが、画像231が撮影されている状態で、操作部142を操作してズームアウト操作を行ったことにより、画像241が撮影されたのである。これにより、画像251においては、画像231と比較して、人物の画像が大きく表示され、画像241においては、画像231と比較して、人物の画像が小さく表示されている。
また、画像231、画像241、および画像251では、被写体として人物の顔232、顔242、および顔252が撮影されている。なお、顔232、顔242、および顔252は、それぞれズームの倍率が異なるものであり、同一人物の顔とされる。
画像231、画像241、および画像251には、被写体検出部131により検出された被写体を表示するための矩形の枠であって、AF追従枠233、AF追従枠243、およびAF追従枠253が表示されている。
図7の例の場合、ユーザの操作に対応するズーム速度は、ズームインの場合もズームアウトの場合も同じとされる。すなわち、画像231が撮影されている状態で、所定のズーム速度でズームイン操作が行われたことにより、画像251が撮影されたものとされ、同じズーム速度でズームアウト操作が行われたことにより、画像241が撮影されたものとされる。
同図の例において、画像241では、AF追従枠243の位置が人物の顔242の位置と一致しており、人物の顔にフォーカスが追従させられて画像が撮影されている。このため、画像241においては、人物の顔242は鮮明に表示されている。
一方、画像251では、AF追従枠253が画面中央に位置しており、人物の顔252の位置と一致していない。このため、画像251においては、画像231と比較して人物の顔252は不鮮明に表示されているものの、背景の山は鮮明に表示されている。
図7の例の場合、ユーザが閾値を超える高速の速度でズームイン操作を行ったことにより、AFモードの切り替えが行なわれて画像251が撮影されたのである。すなわち、画像231は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像であり、画像251は、通常AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
しかし図7の例の場合、画像251に対応するズーム操作と同じズーム速度でズームアウト操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれない。すなわち、画像241は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
つまり、図7の例においては、ズーム操作としてズームアウトされる場合、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値が高く設定されているのである。ズームアウトされる場合、被写体である人物の顔の画像の面積は小さくなるので、その人物の顔が画面内から外れる可能性は低く、手振れの影響も小さいので、フォーカスを被写体に追従させることが比較的容易といえるからである。
図8は、図7を参照して上述したように、AFモードの切り替えが行なわれる場合のAFモード切り替え判定処理の例を説明するフローチャートである。この処理は、図4のステップS25の処理として実行される処理の一例である。
ステップS61において、ズーム情報取得部201は、操作部142を介して入力される信号に基づいて取得されたズーム操作のズーム方向を特定する情報に基づいて、ズーム方向を判定する。
ステップS61において、ズームインされていると判定された場合、処理は、ステップS62に進み、閾値設定部203は、ズームイン操作に対応する閾値Thiを設定する。
一方、ステップS61において、ズームアウトされていると判定された場合、処理は、ステップS63に進み、閾値設定部203は、ズームアウト操作に対応する閾値Thoを設定する。
なお、閾値Thiは、閾値Thoより低い値とされる。すなわち、同じズーム速度で操作した場合であっても、ズームインされる場合は、閾値を超えたと判定され、ズームアウトされる場合は、閾値を超えていないと判定されることがある。
ステップS62またはステップS63の処理の後、処理は、ステップS64に進む。
ステップS64において、制御部141は、ズーム速度判定処理を実行する。これにより、ズーム速度が閾値を超えたか否かが判定される。なお、ステップS64のズーム速度判定処理の詳細な説明は、図6を参照して上述した処理と同じ内容となるので、省略する。ただし、いまの場合、ステップS42の処理での判定に用いられる閾値が、ズーム方向に応じて異なる値とされることになる。
従って、例えば、図7の画像231が撮影されている状態で、ユーザが閾値を超える高速の速度でズームイン操作を行うと、AFモードの切り替えが行なわれて画像251が撮影されることになる。一方、画像231が撮影されている状態で、ユーザが、画像251に対応するズーム操作と同じズーム速度でズームアウト操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれず、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像241が撮影されることになる。
AFモード切り換え判定処理は、このようにして実行されるようにしてもよい。このようにすることで、例えば、図6を参照して上述したAFモード切り換え判定処理より、高い操作性をユーザに実感させることができる。
以上においては、高速のズーム速度でズーム操作を行うときは、ズーム操作に伴う画角の変化によって、撮影したい人物の顔が画面の外に出てしまう事があり、被写体追従AFモードでのフォーカスを行なうことが難しい旨説明した。しかしながら、被写体(例えば、人物の顔)が画面内のどの部分に位置するかによって、ズーム操作に伴う画角の変化によって、被写体が画面の外に出てしまうか否かという状況が異なってくる。
例えば、画面中央に人物の顔の画像が表示された状態で、高速のズーム速度でズーム操作を行ったとしても、人物の顔が画面の外に出てしまう可能性は低いと考えられる。すなわち、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態で、高速のズーム速度でズーム操作が行われたとき、ズーム操作に伴う画角の変化によって、人物の顔が画面の外に出てしまうという問題が生じ易いのである。
このため、画面中央に人物の顔の画像が表示された状態で、ズーム操作される場合には、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値は高く設定してもよいと考えられる。
図9は、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合のAFモードの切り替えのさらに別の方式について説明する図である。
同図において、画像261、画像271、画像281、および画像291は、それぞれデジタルカメラ100により撮影された画像とされる。画像261、画像271、画像281、および画像291では、主たる被写体として人物、背景として山と木が撮影されている。
また、画像271と画像291は、それぞれ画像261と画像281が撮影されている状態で、ユーザがズーム操作を行った結果、撮影された画像とされる。すなわち、デジタルカメラ100のユーザが、画像261が撮影されている状態で、操作部142を操作してズームイン操作を行ったことにより、画像271が撮影されたのである。また、デジタルカメラ100のユーザが、画像281が撮影されている状態で、操作部142を操作してズームイン操作を行ったことにより、画像291が撮影されたのである。これにより、画像271または画像291においては、画像261または画像281と比較して、人物の画像が大きく表示されている。
また、画像261、画像271、画像281、および画像291では、被写体として人物の顔262、顔272、顔282、および顔292が撮影されている。なお、顔262、顔272、顔282、および顔292は、同一人物の顔とされる。
画像261、画像271、画像281、および画像291には、被写体検出部131により検出された被写体を表示するための矩形の枠であって、AF追従枠263、AF追従枠273、AF追従枠283、およびAF追従枠293が表示されている。
また、画像261では、画面中央に顔262が表示されているのに対し、画像281では、画面の端部に顔282が表示されている。
図9の例の場合、ユーザの操作に対応するズーム速度は、画像261から画像271へのズーム操作でも、画像281から画像291へのズーム操作でも同じとされる。すなわち、画像261が撮影されている状態で、所定のズーム速度でズームイン操作が行われたことにより、画像271が撮影されたものとされる。そして、画像281が撮影されている状態で、同じズーム速度でズームイン操作が行われたことにより、画像291が撮影されたものとされる。
同図の例において、画像271では、AF追従枠273の位置が人物の顔272の位置と一致しており、人物の顔にフォーカスが追従させられて画像が撮影されている。このため、画像271においては、人物の顔272は鮮明に表示されている。
一方、画像291では、AF追従枠293が画面中央に位置しており、人物の顔292の位置と一致していない。このため、画像291においては、画像281と比較して人物の顔292は不鮮明に表示されているものの、背景の山は鮮明に表示されている。
図9の例の場合、ユーザが閾値を超える高速の速度でズーム操作を行ったことにより、AFモードの切り替えが行なわれて画像291が撮影されたのである。すなわち、画像281は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像であり、画像291は、通常AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
しかし、図9の例の場合、画像261が撮影されている状態で、画像291に対応するズーム操作と同じズーム速度でズーム操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれない。すなわち、画像271は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
つまり、図9の例においては、画面中央に人物の顔の画像が表示された状態で、ズーム操作される場合には、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値が高く設定されているのである。画面中央に人物の顔の画像が表示された状態で、高速のズーム速度でズーム操作を行ったとしても、人物の顔が画面の外に出てしまう可能性は低いと考えられるからである。
図10は、図9を参照して上述したように、AFモードの切り替えが行なわれる場合のAFモード切り替え判定処理の例を説明するフローチャートである。この処理は、図4のステップS25の処理として実行される処理の一例である。
ステップS81において、被写体情報取得部202は、被写体検出部131により検出された被写体(例えば、人物の顔)の位置を特定する情報を取得する。このとき、例えば、図9に示されるAF追従枠263またはAF追従枠283の左上角の座標位置を特定する情報が取得される。
ステップS82において、閾値設定部203は、ステップS81の処理で取得された被写体の位置に対応する閾値を設定する。例えば、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離に応じて予め設定された閾値が選択されて設定されるようになされている。あるいはまた、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離の値をパラメータとした関数などにより、デフォルトの閾値から減算すべき値が算出されて、閾値が設定されるようにしてもよい。
ステップS83において、制御部141は、ズーム速度判定処理を実行する。これにより、ズーム速度が閾値を超えたか否かが判定される。なお、ステップS83のズーム速度判定処理の詳細な説明は、図6を参照して上述した処理と同じ内容となるので、省略する。ただし、いまの場合、ステップS42の処理での判定に用いられる閾値が、被写体の位置に応じて異なる値とされることになる。
従って、例えば、図9の画像281が撮影されている状態で、ユーザが閾値を超える高速の速度でズーム操作を行うと、AFモードの切り替えが行なわれて画像291が撮影されることになる。一方、画像261が撮影されている状態で、ユーザが、画像291に対応するズーム操作と同じズーム速度でズーム操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれず、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像271が撮影されることになる。
AFモード切り換え判定処理は、このようにして実行されるようにしてもよい。このようにすることで、例えば、図6を参照して上述したAFモード切り換え判定処理より、高い操作性をユーザに実感させることができる。
ところで、図9を参照して上述した例においては、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態で、高速のズーム速度でズーム操作が行われたとき、ズーム操作に伴う画角の変化によって、人物の顔が画面の外に出てしまうという問題が生じ易いと説明した。
しかし、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態で、ズーム操作が行われたとしても、もともと表示されていた人物の顔の画像の大きさが充分に小さいときは、ズーム操作によって、人物の顔が画面の外に出てしまう可能性は低くなる。
このため、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態であっても、もともと表示されていた人物の顔の画像の大きさが充分に小さいときは、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値は高く設定してもよいと考えられる。
図11は、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合のAFモードの切り替えのさらに別の方式について説明する図である。
図11の画像301、画像311、画像321、および画像331は、それぞれ図9の画像261、画像271、画像281、および画像291と同様のものなので、詳細な説明は省略する。ただし、図11の場合、画像301および画像321において、いずれも画面の端部に顔302および顔322が表示されている。そして、画像321では、もともと表示されていた顔322の画像の大きさが充分に小さいものとされるのに対し、画像301では、顔302の画像の大きさが充分に小さいものとはいえない。
図11の例において、画像331では、AF追従枠333の位置が人物の顔332の位置と一致しており、人物の顔にフォーカスが追従させられて画像が撮影されている。このため、画像331においては、人物の顔332は鮮明に表示されている。
一方、画像311では、AF追従枠313が画面中央に位置しており、人物の顔312の位置と一致していない。このため、画像311においては、画像301と比較して人物の顔312は不鮮明に表示されているものの、背景の山は鮮明に表示されている。
図11の例の場合、ユーザが閾値を超える高速の速度でズーム操作を行ったことにより、AFモードの切り替えが行なわれて画像311が撮影されたのである。すなわち、画像301は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像であり、画像311は、通常AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
しかし、図11の例の場合、画像321が撮影されている状態で、画像311に対応するズーム操作と同じズーム速度でズーム操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれない。すなわち、画像331は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
つまり、図11の例においては、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態であっても、もともと表示されていた人物の顔の画像の大きさが充分に小さいときは、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値が高く設定されているのである。このような場合、高速のズーム速度でズーム操作を行ったとしても、人物の顔が画面の外に出てしまう可能性は低いと考えられるからである。
図12は、図11を参照して上述したように、AFモードの切り替えが行なわれる場合のAFモード切り替え判定処理の例を説明するフローチャートである。この処理は、図4のステップS25の処理として実行される処理の一例である。
ステップS101において、被写体情報取得部202は、被写体検出部131により検出された被写体(例えば、人物の顔)の位置を特定する情報を取得する。このとき、例えば、図11に示されるAF追従枠303またはAF追従枠323の左上角の座標位置を特定する情報が取得される。
ステップS102において、被写体情報取得部202は、被写体検出部131により検出された被写体の大きさを特定する情報を取得する。このとき、例えば、図11に示されるAF追従枠303またはAF追従枠323の面積を特定する情報が取得される。
ステップS103において、閾値設定部203は、ステップS101の処理で取得された被写体の位置およびステップS102の処理で取得された被写体の大きさに対応する閾値を設定する。例えば、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離、およびAF追従枠の面積に応じて予め設定された閾値が選択されて設定されるようになされている。あるいはまた、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離の値、およびAF追従枠の面積の値をパラメータとした関数などにより、デフォルトの閾値から減算すべき値が算出されて、閾値が設定されるようにしてもよい。
ステップS104において、制御部141は、ズーム速度判定処理を実行する。これにより、ズーム速度が閾値を超えたか否かが判定される。なお、ステップS104のズーム速度判定処理の詳細な説明は、図6を参照して上述した処理と同じ内容となるので、省略する。ただし、いまの場合、ステップS42の処理での判定に用いられる閾値が、被写体の位置および大きさに応じて異なる値とされることになる。
従って、例えば、図11の画像301が撮影されている状態で、ユーザが閾値を超える高速の速度でズーム操作を行うと、AFモードの切り替えが行なわれて画像311が撮影されることになる。一方、画像321が撮影されている状態で、ユーザが、画像311に対応するズーム操作と同じズーム速度でズーム操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれず、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像331が撮影されることになる。
AFモード切り換え判定処理は、このようにして実行されるようにしてもよい。このようにすることで、例えば、図10を参照して上述したAFモード切り換え判定処理より、さらに高い操作性をユーザに実感させることができる。
ところで、図9を参照して上述した例においては、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態で、高速のズーム速度でズーム操作が行われたとき、ズーム操作に伴う画角の変化によって、人物の顔が画面の外に出てしまうという問題が生じ易いと説明した。また、図7を参照して上述した例においては、ズーム操作としてズームアウトされる場合、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値は高く設定してもよいと考えられると説明した。
そうすると、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態であっても、ズームアウトされる場合は、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値は高く設定してもよいと考えられる。このような場合、高速のズーム速度でズーム操作を行ったとしても、人物の顔が画面の外に出てしまう可能性は低いと考えられるからである。
図13は、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合のAFモードのさらに別の切り替えの別の方式について説明する図である。
図13の画像341、画像351、および画像361は、それぞれ図7の画像231、画像241、および画像251と同様のものなので、詳細な説明は省略する。ただし、図13の場合、画像341において、画面の端部に顔342が表示されている。
図13の例において、画像351では、AF追従枠353の位置が人物の顔352の位置と一致しており、人物の顔にフォーカスが追従させられて画像が撮影されている。このため、画像351においては、人物の顔352は鮮明に表示されている。
一方、画像361では、AF追従枠363が画面中央に位置しており、人物の顔362の位置と一致していない。このため、画像361においては、画像341と比較して人物の顔362は不鮮明に表示されているものの、背景の山は鮮明に表示されている。
図13の例の場合、ユーザが閾値を超える高速の速度でズームイン操作を行ったことにより、AFモードの切り替えが行なわれて画像361が撮影されたのである。すなわち、画像341は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像であり、画像361は、通常AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
しかし、図13の例の場合、画像341が撮影されている状態で、画像361に対応するズーム操作と同じズーム速度でズームアウト操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれない。すなわち、画像351は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
つまり、図13の例においては、人物の顔の画像が画面の端部などに表示された状態であっても、ズームアウトされる場合は、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値が高く設定されているのである。このような場合、高速のズーム速度でズーム操作を行ったとしても、人物の顔が画面の外に出てしまう可能性は低いと考えられるからである。
図14は、図13を参照して上述したように、AFモードの切り替えが行なわれる場合のAFモード切り替え判定処理の例を説明するフローチャートである。この処理は、図4のステップS25の処理として実行される処理の一例である。
ステップS121において、ズーム情報取得部201は、操作部142を介して入力される信号に基づいて取得されたズーム操作のズーム方向を特定する情報に基づいて、ズーム方向を判定する。
ステップS121において、ズームインされていると判定された場合、処理は、ステップS122に進み、被写体情報取得部202は、被写体検出部131により検出された被写体(例えば、人物の顔)の位置を特定する情報を取得する。このとき、例えば、図13に示されるAF追従枠343の左上角の座標位置を特定する情報が取得される。
ステップS123において、閾値設定部203は、ステップS122の処理で取得された被写体の位置に対応する閾値を設定する。例えば、ズームイン操作に対応する閾値であって、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離に応じて予め設定された閾値が選択されて設定されるようになされている。あるいはまた、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離の値をパラメータとした関数などにより、デフォルトの閾値から減算すべき値が算出されて、閾値が設定されるようにしてもよい。
一方、ステップS121において、ズームアウトされていると判定された場合、処理は、ステップS124に進み、被写体情報取得部202は、被写体検出部131により検出された被写体(例えば、人物の顔)の位置を特定する情報を取得する。このとき、例えば、図13に示されるAF追従枠343の左上角の座標位置を特定する情報が取得される。
ステップS125において、閾値設定部203は、ステップS124の処理で取得された被写体の位置に対応する閾値を設定する。例えば、ズームアウト操作に対応する閾値であって、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離に応じて予め設定された閾値が選択されて設定されるようになされている。あるいはまた、AF追従枠の中央の画素の位置と画面の中央の画素の位置との距離の値をパラメータとした関数などにより、デフォルトの閾値から減算すべき値が算出されて、閾値が設定されるようにしてもよい。
なお、ステップS123で設定される閾値は、ステップS125で設定される閾値より低い値とされる。すなわち、被写体の位置が同じであり、かつ同じズーム速度で操作した場合であっても、ズームインされる場合は、閾値を超えたと判定され、ズームアウトされる場合は、閾値を超えていないと判定されることがある。
ステップS126において、制御部141は、ズーム速度判定処理を実行する。これにより、ズーム速度が閾値を超えたか否かが判定される。なお、ステップS126のズーム速度判定処理の詳細な説明は、図6を参照して上述した処理と同じ内容となるので、省略する。ただし、いまの場合、ステップS42の処理での判定に用いられる閾値が、ズーム方向および被写体の位置に応じて異なる値とされることになる。
従って、例えば、図13の画像341が撮影されている状態で、ユーザが閾値を超える高速の速度でズームイン操作を行うと、AFモードの切り替えが行なわれて画像361が撮影されることになる。一方、画像341が撮影されている状態で、ユーザが、画像361に対応するズーム操作と同じズーム速度でズームアウト操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれず、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像351が撮影されることになる。
AFモード切り換え判定処理は、このようにして実行されるようにしてもよい。このようにすることで、例えば、図8または図10を参照して上述したAFモード切り換え判定処理より、さらに高い操作性をユーザに実感させることができる。
以上においては、ズーム方向、被写体の位置、被写体の大きさに応じてAFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値を設定する例について説明したが、これらを全部組み合わせてズーム速度の閾値を設定するようにしてもよい。
ここまで、ズーム方向、被写体の位置、被写体の大きさに応じてAFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値を設定する例について説明してきた。これは、ズーム操作によって画面の中での被写体の位置や大きさが変化し、被写体の検出に時間を要したり、被写体が画面外に出てしまう事が多いので、ズーム方向、被写体の位置、被写体の大きさに応じた閾値の設定が好適と考えられるからである。また、そもそもズーム操作を行う場合、撮影者であるユーザは、顔検出された被写体の人物よりも、背景や他の被写体に注目していることが多いと考えられるからである。
しかしながら、例えば、ユーザが被写体を指定した場合、ズーム操作を行う場合であっても、撮影者であるユーザが、顔検出された被写体の人物よりも、背景や他の被写体に注目しているとは考え難い。
すなわち、上述した例においては、被写体検出部131が画像を解析して人物の顔の画像などを自動的に被写体として検出する場合の被写体追従AFモードを前提として説明してきた。しかし、被写体検出部131がユーザにより指定された画像に対応する物体などを自動的に被写体として検出する場合の被写体追従AFモードにおいては、さらに別の方式で、ズーム操作を行った場合のAFモードの切り替えが行なわれるようにしてもよい。
図15は、デジタルカメラ100において、ズーム操作を行った場合のAFモードの切り替えのさらに別の方式について説明する図である。
同図において、画像371、画像381、画像391、および画像401は、それぞれデジタルカメラ100により撮影された画像とされる。画像371、画像381、画像391、および画像401では、主たる被写体として人物、背景として山と木が撮影されている。
また、画像381と画像401は、それぞれ画像371と画像391が撮影されている状態で、ユーザがズーム操作を行った結果、撮影された画像とされる。すなわち、デジタルカメラ100のユーザが、画像371が撮影されている状態で、操作部142を操作してズームイン操作を行ったことにより、画像381が撮影されたのである。また、デジタルカメラ100のユーザが、画像391が撮影されている状態で、操作部142を操作してズームイン操作を行ったことにより、画像401が撮影されたのである。これにより、画像381または画像401においては、画像371または画像391と比較して、人物の画像が大きく表示されている。
また、画像371、画像381、画像391、および画像401では、被写体検出部131により検出された被写体として人物の顔372、顔382、顔392、および顔402が撮影されている。なお、顔372、顔382、顔392、および顔402は、同一人物の顔とされる。画像371、画像381、画像391、および画像401には、被写体を表示するための矩形の枠であって、AF追従枠373、AF追従枠383、AF追従枠393、およびAF追従枠403が表示されている。
画像371と画像391は、同じ人物と同じ背景を撮影した画像とされ、被写体である人物の顔が表示されている位置もそれぞれ同じとされる。また、画像381と画像401は、同じズーム速度でズームインされた画像とされ、被写体である人物の顔が表示されている位置もそれぞれ同じとされる。
ただし、画像371、および画像381におけるAF追従枠373、およびAF追従枠383は、被写体検出部131がユーザにより指定された画像に対応する物体などを自動的に被写体として検出することにより表示されているものとされる。画像371において、アイコン374が表示されており、顔372の画像がアイコン374により指定されている。すなわち、画像371において、ユーザが顔372の画像を被写体として選択(指定)したのである。
図15の例の場合、ユーザの操作に対応するズーム速度は、画像371から画像381へのズーム操作でも、画像391から画像401へのズーム操作でも同じとされる。すなわち、画像371が撮影されている状態で、所定のズーム速度でズームイン操作が行われたことにより、画像381が撮影されたものとされる。そして、画像391が撮影されている状態で、同じズーム速度でズームイン操作が行われたことにより、画像401が撮影されたものとされる。
同図の例において、画像381では、AF追従枠383の位置が人物の顔382の位置と一致しており、人物の顔にフォーカスが追従させられて画像が撮影されている。このため、画像381においては、人物の顔382は鮮明に表示されている。
一方、画像401では、AF追従枠403が画面中央に位置しており、人物の顔402の位置と一致していない。このため、画像401においては、画像391と比較して人物の顔402は不鮮明に表示されているものの、背景の山は鮮明に表示されている。
図15の例の場合、画像391が撮影されている状態で、ユーザが閾値を超える高速の速度でズーム操作を行ったことにより、AFモードの切り替えが行なわれて画像401が撮影されたのである。すなわち、画像391は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像であり、画像401は、通常AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
しかし、図15の例の場合、画像371が撮影されている状態で、画像381に対応するズーム操作と同じズーム速度でズーム操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれない。すなわち、画像381は、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像として撮影された画像である。
つまり、図15の例においては、ユーザにより指定された画像に対応する被写体が検出されている場合、AFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値が高く設定されているのである。このような場合、ユーザは、その被写体に注目している可能性が高いと考えられるからである。
図16は、図15を参照して上述したように、AFモードの切り替えが行なわれる場合のAFモード切り替え判定処理の例を説明するフローチャートである。この処理は、図4のステップS25の処理として実行される処理の一例である。
ステップS141において、制御部141は、ユーザによる被写体の指定があったか否かを判定する。例えば、画像371に示されるように、顔372の画像がアイコン374により指定された場合、ステップS141では、ユーザによる被写体の指定があったと判定される。
ステップS141において、ユーザによる被写体の指定があったと判定された場合、処理は、ステップS142に進む。
ステップS142において、閾値設定部203は、ユーザによる被写体の指定があった場合の閾値Thmを設定する。
一方、ステップS141において、ユーザによる被写体の指定がなかったと判定された場合、処理は、ステップS143に進む。
ステップS143において、閾値設定部203は、ユーザによる被写体の指定がなかった場合の閾値Thaを設定する。
なお、閾値Thaは、閾値Thmより低い値とされる。すなわち、同じズーム速度で操作した場合であっても、ユーザによる被写体の指定がなかったときは、閾値を超えたと判定され、ユーザによる被写体の指定があったときは、閾値を超えていないと判定されることがある。
ステップS144において、制御部141は、ズーム速度判定処理を実行する。これにより、ズーム速度が閾値を超えたか否かが判定される。なお、ステップS144のズーム速度判定処理の詳細な説明は、図6を参照して上述した処理と同じ内容となるので、省略する。ただし、いまの場合、ステップS42の処理での判定に用いられる閾値が、ユーザによる被写体の指定があったか否かに応じて異なる値とされることになる。
従って、例えば、図15の画像391が撮影されている状態で、ユーザが閾値を超える高速の速度でズーム操作を行うと、AFモードの切り替えが行なわれて画像401が撮影されることになる。一方、画像371が撮影されている状態で、ユーザが、画像401に対応するズーム操作と同じズーム速度でズーム操作を行っても、AFモードの切り替えは行なわれず、被写体追従AFモードでフォーカスされた画像381が撮影されることになる。
AFモード切り換え判定処理は、このようにして実行されるようにしてもよい。このようにすることで、さらに高い操作性をユーザに実感させることができる。
なお、ユーザによる被写体の指定があったか否かに加えて、ズーム方向、被写体の位置、被写体の大きさに応じてAFモードの切り替えの判定のためのズーム速度の閾値が設定されるようにすることも可能である。
以上においては、デジタルカメラ100が、例えば、デジタルビデオカメラとして構成されるものとして説明したが、デジタルスチルカメラとして構成されるようにしてもよい。
また、以上において、被写体検出部131により検出される被写体として、例えば、人物の顔の場合の例について説明したが、勿論、他の被写体が検出されるようにしても構わない。
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータにネットワークや記録媒体からインストールされる。また、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図17に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
図17において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707が接続されている。また、入出力インタフェース705には、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着されている。そして、それらのリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
なお、この記録媒体は、図17に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。