JP5381343B2 - 熱伝導性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器の部品等から発生する熱を効果的に放熱部材等に伝える熱伝導性と、高い表面絶縁性と、柔軟性とを兼ね備えた熱伝導性フィルムに関するものである。
従来、電子機器の各種部品から発生する熱を放散させる手段としては、各種部品等と、ヒートシンクや放熱フィン等の放熱部材との間に、熱伝導性の良いフィルムを設けて、各種部品等において発生する熱を、効率良く放熱部材に伝導するという手段が、一般的に用いられている。
このような熱伝導性の良いフィルムとしては、有機マトリックス材料中に、熱伝導率の大きな金属や酸化物等からなる熱伝導性フィラーを分散配合したものが知られている。このような熱伝導性フィルムは、有機マトリックス材料中に熱伝導性フィラーを分散配合された混合組成物を、プレス成形法、射出成形法、押出成形法、カレンダー成形法、ロール成形法、ドクターブレード成形法等の成形方法により、フィルム状に成形することによって製造されている。
ここで、熱伝導性フィラーとしては、熱伝導性の高いカーボンや金属粉のような導電性の熱伝導性フィラーが、従来から多く使われてきた(例えば、特許文献1〜3)。
しかし、熱伝導性フィルムは、各種電子部品に使われるため、絶縁性に優れるものの方が、より好適である。そこで、熱伝導性を保ちつつ、絶縁性を実現するため、熱伝導性フィルムには、窒化ホウ素のように絶縁性の熱伝導性フィラーが使用されることも多い(例えば、特許文献4)。
ただし、絶縁性の熱伝導性フィラーは、導電性の熱伝導性フィラーに比べ、熱伝導性が低く、更には、価格も高いという問題がある。
そこで、導電性の熱伝導性フィラーを含有した熱伝導性のシートの表面に、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを積層し、絶縁層とする方法が提案されている(例えば、特許文献5)。
特開2003−113272号公報 特開2005−150362号公報 特開2006−28276号公報 特開2003−60134号公報 特開2002−176126号公報
しかしながら、上記の方法では、熱伝導性のシートの製造に加え、PETフィルムを積層する工程が加わるため、製品のコストアップに繋がり、経済的に不利である。また、伸びの少ないPETフィルムを積層するために、例え、熱伝導性のシートが柔軟性を有していても、熱伝導性のシートの変形を阻害してしまい、表面形状追従性を著しく低下させてしまうという問題がある。
本発明者は、上記のような問題を解決すべく種々研究した結果、導電性と熱伝導性を有するフィラーを10〜90体積%含有してなる所定の熱伝導性樹脂層と、絶縁層とを共押出成形することにより、高い表面絶縁性と熱伝導性を兼ね備えた熱伝導性フィルムを、安定して製造し得ることを見出して、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、導電性と熱伝導性を有するフィラーを10〜90体積%含有する熱伝導性樹脂層と、少なくとも、前記熱伝導性樹脂層の片面に設けられた絶縁層とが、共押出成形により積層されており、前記熱伝導性樹脂層を構成する樹脂が、エチレンおよびオクテンを主成分としたブロックコポリマーであり、前記熱伝導性樹脂層を構成する樹脂の密度が0.85〜0.90g/cm 3 、DSC融点が110〜140℃、曲げ弾性率が5〜100MPa、メルトインデックスが、1〜30g/10minであることを特徴とする、熱伝導性フィルムである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記絶縁層を構成する樹脂が、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の熱伝導性フィルムである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記熱伝導性フィルムの厚みが、10〜800μmであることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の熱伝導性フィルムである。
本発明によれば、高い絶縁性と熱伝導性を併せ持つ熱伝導性フィルムを、共押出成形により安定して、経済的にも有利に製造することが可能となる。
すなわち、本発明に係る熱伝導性フィルムは、熱伝導性樹脂層の少なくとも片面に絶縁層が設けられているため高い絶縁性を有し、熱伝導性樹脂層には、絶縁性の熱伝導性フィラーに比べて熱伝導性がより高い導電性の熱伝導性フィラーを含有するため、高い熱伝導性を有するものである。
また、熱伝導性樹脂層と絶縁層を共押出成形により積層製膜するため、各層を別々に製造して積層する場合よりも工程が少なくなり、安定した製膜が、より経済的に行えることになる。更に、熱伝導性樹脂層に含有させる導電性の熱伝導性フィラーは、通常、絶縁性の熱伝導性フィラーよりも安価であるため、さらに経済的に有利となる。
本発明に係る熱伝導性フィルムは、導電性と熱伝導性を有するフィラーを10〜90体積%含有してなる熱伝導性樹脂層の少なくとも片面に、絶縁層が設けられていることを基本構成とする。絶縁層は、熱伝導性樹脂層の片面だけに設けられていても良く、あるいは、両面に設けられても良い。
本発明の熱伝導性フィルムの厚みは、10〜800μmであることが好ましく、50〜600μmであることが、より好ましい。厚みが10μm未満では、押出成形時の安定性が低くなって厚み精度が低下してしまい、一方、厚みが800μmを超える場合は、押出成形による製造が難しくなるからである。
次に、本発明に係る熱伝導性フィルムを構成する材料、および製造方法について説明する。
[熱伝導性樹脂層]
熱伝導性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、熱によって溶融し、押出機の押出ダイ等から押出可能であり、更に、相互に熱融着し得る熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマー、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
また、熱伝導性樹脂層を構成する樹脂には、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加することができ、更に、必要に応じて、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して調整することもできる。
上記の樹脂の中でも、本発明に係る熱伝導性樹脂層を構成する樹脂としては、ポリオレフィン樹脂であることが好ましく、より好ましくは、密度が0.85〜0.90g/cm3、DSC融点が110〜140℃、曲げ弾性率が5〜100MPaのポリオレフィン樹脂である。
密度が0.85g/cm3未満の場合や、曲げ弾性率が5MPa未満の場合は、ポリオレフィン樹脂の柔軟性、粘着性が高くなり過ぎて加工に支障をきたすため、好ましくない。一方、密度が0.90g/cm3を超える場合や、曲げ弾性率が100MPaを超える場合は、ポリオレフィン樹脂とフィラーの密着性が低下し、また、フィルムの柔軟性も低下するため、安定した成形が難しく、製品の取扱い性も低下するため、好ましくない。
また、ポリオレフィン樹脂のDSC融点が110℃未満の場合、熱伝導性フィルムとして必要な耐熱性が不足し、一方、140℃を越えると、密度が高くなり、柔軟性の低下に繋がるため、好ましくない。なお、DSC融点とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量計)ピークに相当するものとして、あるいは二つ以上のピークを示すポリマーの混合物の場合には、最大DSCピークに相当するものとして識別される温度のことである。
前記ポリオレフィン樹脂のメルトインデックスは、1〜30g/10minであることが好ましく、さらに5〜20g/10minであることが、より好ましい。ポリオレフィン樹脂のメルトインデックスが1g/10min未満の場合には、流動性が低くなり過ぎてしまい、一方、30g/10minを超える場合には、樹脂の流動性が高くなり過ぎてしまい、いずれの場合も安定した押出成形が難しくなるからである。
なお、メルトインデックス(Melt index)とは、ヒーターで加熱された円筒容器内で一定量の合成樹脂を、定められた温度で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部から10分間あたりに押出された樹脂量を測定した値であり、他に、メルトフローレート(Melt flow rate)とも呼ばれるものである。
上記の条件を満たす樹脂の具体例としては、エチレンおよびオクテンを主成分とした、ブロックコポリマーであるダウ・ケミカル社製のINFUSE(登録商標)D9807.15が挙げられる。
なお、熱伝導性樹脂層の厚みは8〜798μmが好ましく、より好ましくは、40〜600μmである。8μm未満では、押出成形時の安定性が低くなって厚み精度が低下してしまい、798μmを超えると、押出成形による製造が難しくなるためである。
[フィラー]
次に、本発明に係る熱伝導性フィルムを構成するフィラーについて説明する。
前記フィラーの材料としては、導電性と熱伝導性を有していれば、特に限定されず、一般に、熱伝導性樹脂組成物中に配合されるものであれば用いることができ、例えば、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や、これらの2種以上からなる金属合金類、カーボン等の炭素系材料が挙げられる。また、無機材料粒子に銀や銅等の金属材料を表面被覆したものや、金属材料粒子に無機材料や炭素材料を表面被覆したもの等も挙げられる。
前記フィラーは単独、又は2種類以上を併用しても良く、前記のように導電性と熱伝導性を有しているフィラーに加えて、熱伝導性であって絶縁性のフィラーを添加しても良い。前記絶縁性のフィラーとしては、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類や、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、ダイヤモンド等の絶縁性炭素系材料、石英、石英ガラス等のシリカ粉類が挙げられる。
また、前記フィラーは、ポリオレフィン樹脂との親和性を向上させるためにシラン処理等の各種表面処理を行っても良い。
熱伝導性樹脂における前記フィラーの含有量は、10〜90体積%が好ましく、より好ましくは、15〜60体積%である。10体積%未満であると効率的な熱伝導性を得にくくなり、90体積%を超えると樹脂組成物の柔軟性が低下し、発熱体や放熱体の表面の凹凸への形状追従性が悪くなり、効率的な熱伝導性が得られなくなるため、好ましくない。
なお、本発明に係る熱伝導性フィルムには、必要に応じて、物性調整剤、可塑剤等が加えられても良い。
前記物性調整剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等の各種シランカップリング剤が挙げられる。
また、前記可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル等の脂肪酸一塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類やポリエチレングリコール類等のポリエーテル類、ポリα−オレフィン等の液状炭化水素類、クロロフルオロカーボン類、シリコンオイル等の公知の可塑剤が挙げられ、これらは単独、又は2種以上を併用することが出来る。
本発明に係る熱伝導性フィルムには、さらに、難燃剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、溶剤、香料、顔料、染料等が添加されても良い。
[絶縁層]
絶縁層を構成する樹脂としては、例えば、熱によって溶融し、押出機の押出ダイ等から押出可能であり、熱伝導性樹脂層と相互に熱融着し、更に、相互に熱融着し得る熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマー、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
また、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加することができ、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加することもできる。
絶縁層を構成する樹脂としては、共押出の製膜性や柔軟性の観点から、ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
絶縁層の厚みは1〜100μmが好ましく、より好ましくは、5〜50μmである。1μm未満では、押出成形時の安定性が低くなって厚み精度が低下してしまい、更に、絶縁効果が低下するためである。一方、100μmを超える場合は、熱伝導性フィルムの熱伝導性が低下するためである。
[熱伝導性フィルムの製造方法]
次に、本発明に係る熱伝導性フィルムの製造方法について説明する。
本発明に係る熱伝導性フィルムは、Tダイ共押出機、インフレ−ション共押出機等を使用して押出成形することにより、製造することができる。
本発明に係る熱伝導性フィルムの製造にあたっては、事前にポリオレフィン樹脂および熱伝導性フィラーを混練・混合した熱伝導性樹脂組成物を製造することが好ましい。また、必要に応じて、物性調整剤、可塑剤、その他の添加物についても、予め混練・混合しておいても良い。
前記のような熱伝導性樹脂組成物を製造するために、ポリオレフィン樹脂、熱伝導性フィラー、および、その他の添加物を、混練・混合させる方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、混練機、押出機、ミキサー、ロール、ニーダー、攪拌機等の一般的な装置を用いることが出来る。また、必要に応じて混練・混合時に装置内を減圧、脱気しても良い。
次に、本発明について、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
(1)まず、熱伝導性樹脂層の樹脂として、オレフィンブロックコポリマー(ダウ・ケミカル社製INFUSE(登録商標)D9507.10、メルトインデックス:5g/10min、密度:0.866g/cm3、DSC融点:119℃、曲げ弾性率:13.9MPa)50重量部を用い、熱伝導性フィラーとして、黒鉛(中越黒鉛工業所製WF−025、平均粒径:25μm、密度:2.2g/cm3)50重量部を用い、両者を混練・混合して、熱伝導性フィラー含有量が29体積%となる熱伝導性樹脂組成物を調製した。
(2)また、絶縁層の樹脂として、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製ノバテック(登録商標)LC522、メルトインデックス:3.5g/10min、密度:0.924g/cm3)100重量部の絶縁性樹脂を準備した。
(2)次に、上記で調製した熱伝導性樹脂組成物、および絶縁性樹脂を使用し、3種3層のTダイ共押出製膜機により、絶縁層、熱伝導性樹脂層、絶縁層の順で積層し、熱伝導性樹脂層の厚みが160μmに、両絶縁層の厚みが各々20μmになるように共押出製膜して、総厚200μmとなる本発明に係る熱伝導性フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
(3)製造した熱伝導性フィルムについて、抵抗率計(三菱化学社製ハイレスターUP MCP−HT450)を用い、JIS K−6911に準拠して、表面抵抗を測定した。また、熱物性測定装置(Netzsch社製NanoFlash LFA447)を用いて、熱伝導率を求めた。結果を表1に示す。
(実施例2)
共押出製膜機により製膜する際に、熱伝導性樹脂層の厚みが180μmに、両絶縁層の厚みが各々10μmとなるように共押出製膜して、総厚200μmにした以外は、実施例1と同様にして本発明に係る熱伝導性フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
製造した熱伝導性フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
共押出製膜機により製膜する際に、絶縁層の樹脂として、エチレン−α・オレフィン共重合体(株式会社プライムポリマー製エボリュー(登録商標)SP2020、メルトインデックス:1.5g/10min、密度:0.916g/cm3)100重量部からなる樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明に係る熱伝導性フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
製造した熱伝導性フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
共押出製膜機により製膜する際に、熱伝導性樹脂層の厚みが180μm、両絶縁層の厚みが各々10μmとなるように共押出製膜して、総厚200μmにした以外は、実施例3と同様にして本発明の放熱フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
製造した熱伝導性フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
共押出製膜機により製膜する際に、熱伝導性樹脂層の樹脂組成物として、オレフィンブロックコポリマー(ダウ・ケミカル社製INFUSE(登録商標)D9507.10、メルトインデックス:5g/10min、密度:0.866g/cm3、DSC融点:119℃、曲げ弾性率:13.9MPa)67重量部と、炭素繊維(密度:2.2g/cm3 繊維径:8〜10μm、平均繊維長:50μm)33重量部からなる樹脂組成物(フィラー含有量17体積%)を調製した以外は、実施例1と同様にして本発明に係る熱伝導性フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
製造した熱伝導性フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
共押出製膜機により製膜する際、熱伝導性樹脂層の厚みが180μm、両絶縁層の厚みが各々10μmとなるように共押出製膜して、総厚200μmにした以外は、実施例5と同様にして本発明に係る熱伝導性フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
製造した熱伝導性フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
単層のTダイ押出製膜機により、熱伝導性樹脂層を、厚みが200μmとなるように押出製膜して、絶縁層のない熱伝導性フィルムを製膜した以外は、実施例1と同様にして熱伝導性フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
製造した熱伝導性フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
単層のTダイ押出製膜機により、熱伝導性樹脂層を、厚みが200μmとなるように押出製膜して、絶縁層のない熱伝導性フィルムを製膜した以外は、実施例5と同様にして熱伝導性フィルムを製造したところ、安定した製膜が可能であった。
製造した熱伝導性フィルムについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005381343
表1に示すように、本発明に係る熱伝導性フィルムの実施例1〜6においては、いずれも表面抵抗が1.0×1014[Ω/□]以上となり、比較例1〜2に比べ、高い絶縁性が確認された。
また、実施例1〜6においては、熱伝導率が、比較例1〜2に比べ、低い値のものもあるが、熱伝導性フィルムとしては充分な熱伝導性を有しているものであった。

Claims (3)

  1. 導電性と熱伝導性を有するフィラーを10〜90体積%含有する熱伝導性樹脂層と、少なくとも、前記熱伝導性樹脂層の片面に設けられた絶縁層とが、共押出成形により積層されており、
    前記熱伝導性樹脂層を構成する樹脂が、
    エチレンおよびオクテンを主成分としたブロックコポリマーであり、
    前記熱伝導性樹脂層を構成する樹脂の密度が0.85〜0.90g/cm 3 、DSC融点が110〜140℃、曲げ弾性率が5〜100MPa、メルトインデックスが、1〜30g/10minであることを特徴とする熱伝導性フィルム。
  2. 前記絶縁層を構成する樹脂が、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性フィルム。
  3. 前記熱伝導性フィルムの厚みが、10〜800μmであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の熱伝導性フィルム。
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