JP5380807B2 - スライドカーテン塗布装置及びスライドカーテン塗布方法 - Google Patents

スライドカーテン塗布装置及びスライドカーテン塗布方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続走行するウェブ上に塗布液を塗布するスライドカーテン塗布装置及びス
ライドカーテン塗布方法に関する。
カーテン塗布装置は、写真フィルム等の写真感光材料等の製造によく用いられている。
図1に、従来のカーテン塗布装置の一例を示す。図1に示すカーテン塗布装置(カーテン
塗工ヘッド)4は、塗布液6を吐出する吐出手段として、スリットSを一つ以上有し、複
数のスリットSから塗布液6をスライド面1上に吐出させることにより、スライド面1上で塗布液6が積層される。積層された塗布液6は、スライド面1から自由落下し、連続走行するウェブ5上に塗布膜を形成する。このとき、ウェブ5は、図示しない搬送手段を用いて搬送される。なお、カーテン塗布装置は、スライド面エッジガイド2、及びカーテン部エッジガイド3を備えている。本願発明は、この種のカーテン塗布装置の改良に係るものである。
また、本願発明に係るカーテン塗布方法は、上述したカーテン塗布装置を用いた、多層塗工において、各々の機能の異なる塗布液を各々のスリットから吐出させ、スライド面上で積層し、その積層した塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させることにより、多層塗工する方法である。
ところで、従来のこの種の方法では、図1に示す様に、各々の塗布液がスライド面を流れる際に、該スライド面の両端部で塗布液の流れが遅い部分が発生し、図1中、Aで示すように、その流速差により、端部の液が中心側に縮流する現象を起こす。このため、前記塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に衝突させながら塗布膜を形成させると、該塗布膜における幅方向端部での前記塗布液の付着量が多くなるといった欠点がある。このため、前記塗布膜の乾燥時に未乾燥部分が生じて、製品巻き取り時にブロッキングが発生したり、端部が盛り上がることにより、巻き取り時にウェブが切れたりして、生産効率が低下する。これに対し、乾燥温度を高くすることも考えられるが、例えば、感熱紙の塗工では、塗膜の温度が高くなると発色し、製品不良を生じるという問題があり、乾燥温度上昇という手段は使えない場合が多い。
このような塗工端部における前記塗布液の付着量が多くなる現象を防止するために、特許文献1〜4には、スライド面両端のエッジ部に沿って補助液を流し、該スライド面両端における塗布液の流速を中心流速に近づける方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では、エッジガイドに沿って前記補助液を流すため、該補助液の量を多くすることが必要であり、スライド面端部における前記塗布液が前記補助液と混合し易くなったり、前記エッジガイドに沿っている前記補助液の流れにムラが出たりして、塗工端部における前記塗布液の付着量が安定せず、製品不良となったりするという問題があり、また、塗布装置も複雑になるという難点がある。
特開2000−513号公報 特開2000−218209号公報 特開2001−104856号公報 特表2005−512768号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、連続走行するウェブ上に塗布液を積層状態に塗布するスライドカーテン塗工において、スライド面上で前記塗布液が縮流することを抑制し、前記塗布液による塗布膜の幅方向端部において、前記塗布液の付着量の多い部分が生じるのを抑制することができるスライドカーテン塗布装置及びスライドカーテン塗布方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 塗布液をスリットから吐出する吐出手段、該吐出された塗布液が流れるスライド面、及び該スライド面の幅方向両側に設けられ、該スライド面を流れる前記塗布液を案内するエッジガイドを少なくとも有するスライドカーテン塗布装置において、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から補助液を流し出す液供給機構を備えたことを特徴とするスライドカーテン塗布装置である。
該<1>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、1層以上の前記塗布液を各々の前記スリットから吐出させ、前記スライド面上で積層し、その積層した前記塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布する際、前記液供給機構が、前記スライド面の幅方向両側に設けられた前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から前記補助液を流し出すので、前記塗布液により形成された塗布膜の幅方向端部における前記塗布液の付着量(以下、「端部付着量」と称することがある。)が多くなるのを防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。また、前記スライドカーテン塗布装置の前記スライド面の幅方向両側に設けられた前記エッジガイドにおける、前記塗布液と接する面全体から前記補助液を流し出すことにより、補助液量を少なくすることが可能となり、前記塗布液と前記補助液との混合部分が殆どなく、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合ムラが生じるのを抑制することができる。
<2> スライド面両端の前記エッジガイドにおける塗布液と接する面の部材が、多孔質体からなる多孔質体部材である前記<1>に記載のスライドカーテン塗布装置である。
該<2>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面の部材を、前記多孔質体部材とすることにより、前記補助液の膜厚を小さくし、前記補助液の流れのムラを小さくすることができ、前記塗布液による塗布膜の幅方向端部における前記塗布液の付着量ムラの発生を抑制することできる。
<3> 多孔質体部材の平均細孔径が、50μm以下である前記<2>に記載のスライドカーテン塗布装置である。該<3>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記多孔質体部材の平均細孔径を50μm以下にして、前記塗布液を塗布することにより、前記補助液の流れのムラを小さくすることができ、塗布液端部の流速が安定して速くなり、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<4> 多孔質体部材の気孔率が、30%以上である前記<2>に記載のスライドカーテン塗布装置である。該<4>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記多孔質体部材の気孔率を30%以上にして、前記塗布液を塗布することにより、前記補助液の流れのムラを小さくすることができ、塗布液端部の流速が安定して速くなり、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<5> 多孔質体部材の高さが、塗布液膜厚と同等である前記<2>に記載のスライドカーテン塗布装置である。該<5>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記多孔質体部材の高さを塗布液膜厚と同等にして、前記塗布液を塗布することにより、前記塗布液と前記補助液とが混合しにくく、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じるのを防止することができ、端部混合ムラの発生を抑制することができる。
<6> 多孔質体部材の高さが、塗布液膜厚と同等であり、かつエッジガイドと塗布液との接触面と同面上であって前記多孔質体部材の上に、補助液に対して接触角90°以上の規制部材を備えた前記<2>に記載のスライドカーテン塗布装置である。該<6>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記多孔質体部材の高さを塗布液膜厚と同等とし、かつ前記エッジガイドと前記塗布液との接触面と同面上であって前記多孔質体部材の上に、前記補助液に対して接触角90°以上の前記規制部材を設けて、前記塗布液を塗布することにより、前記スライド面における幅方向端部の塗布液高さが中心部と同等となり、前記端部付着量が多くなる現象を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<7> スライド面両端の前記エッジガイドにおける塗布液と接する面から流す補助液の高さが、塗布液膜厚と同等に調節可能である前記<1>に記載のスライドカーテン塗布装置である。該<7>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流す前記補助液の高さを、前記塗布液膜厚と同等とすることにより、前記塗布液と前記補助液とが混合しにくく、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じるのを防止することができ、端部混合ムラの発生を抑制することができる。
<8> 1層以上の塗布液を各々のスリットから吐出させ、スライド面上で積層し、その積層した塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布するスライドカーテン塗布方法において、前記<1>から<7>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記塗布液を塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法である。
<9> スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から流す補助液の高さを、塗布液膜厚と同等として前記塗布液を塗布する前記<8>に記載のスライドカーテン塗布方法である。
これら上記スライドカーテン塗布方法によって、スライドカーテン塗布装置使用時に、前記塗布液の端部付着量が多くなることを防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。また、前記スライドカーテン塗布装置の前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から、前記補助液を流すことにより、補助液量を少なくすることができ、前記塗布液と前記補助液との混合部分が殆ど生じることなく、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合ムラが発生するのを抑制することができる。
<10> スライド面両端のエッジガイド下流側に設けた爪によって前記スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面から流した補助液を掻き取る掻取機構を備えた前記<1>に記載のスライドカーテン塗布装置である。
該<10>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流した前記補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側に爪を設けて、該爪を用いて掻き取りながら前記塗布液を塗布するので、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じることなく、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<11> スライド面両端のエッジガイドにおける補助液が流れる面を、その面に対しての前記補助液の膜厚分だけ、前記スライド面側の前記エッジガイド端面から前記補助液が流れる面と反対方向に移動させ、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側に設けた爪によって、流した前記補助液を掻き取る掻取機構を備えた前記<1>に記載のスライドカーテン塗布装置である。
該<11>に記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記補助液が流れる面を、その面に対しての前記補助液の膜厚分だけ、前記スライド面側の前記エッジガイド端面から前記補助液が流れる面と反対方向に移動させ、流した前記補助液をそのスライド面両端の前記エッジガイド下流側に設けた爪により、前記補助液を掻き取りながら前記塗布液を塗布するので、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じることなく、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<12> スライド面両端のエッジガイド下流の爪の長さが、前記スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面から流した補助液の接する面に対しての膜厚と同等である前記<10>から<11>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置である。
該<12>の記載のスライドカーテン塗布装置においては、前記スライド面両端の前記エッジガイド下流に設けた前記爪の長さを、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流した前記補助液の接する面に対しての膜厚と同等とすることにより、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じることなく、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象の発生を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<13> スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面から流した補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引する吸引機構を備えた前記<1>に記載のスライドカーテン塗布装置である。
該<13>に記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流した前記補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引しながら前記塗布液を塗布することにより、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じることなく、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<14> スライド面両端のエッジガイドにおける補助液が流れる面を、その面に対しての前記補助液の膜厚分だけ、前記スライド面側の前記エッジガイド端面から前記補助液が流れる面と反対方向に移動させ、流した前記補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引する吸引機構を備えた前記<1>に記載のスライドカーテン塗布装置である。
該<14>に記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記補助液が流れる面を、その面に対しての前記補助液の膜厚分だけ、前記スライド面側の前記エッジガイド端面から前記補助液が流れる面と反対方向に移動させ、流した前記補助液をそのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引しながら、前記塗布液を塗布することにより、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じることなく、前記塗布液の端部付着量が多くなったり、少なくなったりする現象が発生するのを防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<15> 掻取機構が掻き取った補助液を、スライド面両端のエッジガイド下流側で吸引する吸引機構を備えた前記<10>から<12>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置である。該<15>に記載のスライドカーテン塗布装置を用いると、掻き取った前記補助液を吸引しながら、前記塗布液を塗布することにより、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液と前記補助液との混合部分が生じることなく、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
<16> 1層以上の塗布液を、各々のスリットから吐出させ、スライド面上で積層し、その積層した塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布するスライドカーテン塗布方法において、前記<14>から<15>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流した前記補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引しながら塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法である。
<17> 1層以上の塗布液を各々のスリットから吐出させ、スライド面上で積層し、その積層した塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布するスライドカーテン塗布方法において、前記<14>に記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、前記スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記補助液が流れる面を、その面に対しての前記補助液の膜厚分だけ、前記スライド面側の前記エッジガイド端面から前記補助液が流れる面と反対方向に移動させ、流した前記補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引しながら塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法である。
<18> 前記<10>から<12>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流した前記補助液を、前記スライド面両端の前記エッジガイド下流側にて、爪によって掻き取りながら前記塗布液を塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法である。
<19> 前記<10>から<12>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記補助液が流れる面を、その面に対しての前記補助液の膜厚分だけ、前記スライド面側の前記エッジガイド端面から前記補助液が流れる面と反対方向に移動させ、前記補助液を前記スライド面両端の前記エッジガイド下流側にて、爪によって掻き取りながら前記塗布液を塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法である。
<20> 爪によって掻き取った補助液を、スライド面両端のエッジガイド下流側で吸引しながら塗布液を塗布する前記<18>から<19>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布方法である。
<21> スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から流す補助液の高さを、塗布液膜厚と同等として前記塗布液を塗布する前記<16>から<20>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布方法である。
本発明の前記<16>から<21>に記載のスライドカーテン塗布方法によれば、カーテン塗布装置使用時に、既述したような、前記塗布液の端部付着量が多くなるのを防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。また、前記スライドカーテン塗布装置の前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から前記補助液を流すことにより、補助液量を少なくすることができ、前記塗布液と前記補助液との混合部分が殆ど生じることなく、前記ウェブ上に塗布後の塗布液による塗布膜の幅方向端部における、前記塗布液と前記補助液との混合ムラの発生を抑制することができる等の効果が得られる。そして、これに加えて、更に、前記補助液を吸引しながら塗布する、前記エッジガイドにおける前記補助液が流れる面を、その面に対しての前記補助液の膜厚分だけ、前記スライド面側の前記エッジガイド端面から移動させる、或いは、前記エッジガイド下流側で前記爪によって掻き取りながら塗布する、等の要素を単独にあるいは適宜選択的に組み合わせて取り入れることによって、夫々の場合に相応した追加的な性能向上効果が得られる。更に、前記補助液の高さを塗布液膜厚と同等として塗布することで、より好適な結果が得られる。
<22> 補助液の静的表面張力が、塗布液の静的表面張力に対して、+30mN/m〜−10mN/mの範囲である前記<8>、<9>、及び<16>から<21>のいずれかに記載のスライドカーテン塗布方法である。該<22>に記載のスライドカーテン塗布方法においては、前記補助液の静的表面張力が、前記塗布液の静的表面張力に対して、+30mN/m〜−10mN/mの範囲とすることにより、前記塗布液及び前記補助液の表面張力の釣り合いが取れ、表面張力差による、前記塗布液の端部付着量が多くなる現象の発生を防止することができ、塗布ウェブ巻き取り時のブロッキングやウェブ切れが無くなり、生産効率が上昇する。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決でき、スライド面上で前記塗布液が縮流することを抑制し、前記塗布液による塗布膜の幅方向端部において、前記塗布液の付着量の多い部分が生じるのを抑制することができるスライドカーテン塗布装置及びスライドカーテン塗布方法を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
〔第1実施形態〕
図2に、本発明のスライドカーテン塗布装置の第1の実施形態を示す。図2に示すスライドカーテン塗布装置4は、図1の装置同様、塗布液6を吐出する吐出手段として、スリットSを一つ以上有しており、該吐出された塗布液6が流れるスライド面1と、該スライド面1の両側に設けられ、該スライド面を流れる塗布液6を案内するスライド面エッジガイド2Aと、その下流端に続くカーテン部エッジガイド3Aとを有しており、これら既知構成部分に加えて、特に本実施形態のスライドカーテン塗布装置では、スライド面エッジガイド2Aにおける塗布液6と接する内側の面(2c)全体から補助液7を流し出す液供給機構を備えている。なお、スライドカーテン塗布装置4の下部では、ウェブ5が、図示しない搬送手段を用いて搬送される。
図3は、図2に示すスライドカーテン塗布装置の断面図を示している(対称な片側は省略)。図3に示すように、スライド面エッジガイド(以下、単に「エッジガイド」と称する)2Aの内部には、補助液7が通る中空部2aが形成されている。また、塗布液6と接する面の壁部材8は、例えば、細孔を設けたり微細なスリットを多数形成しておく等によって補助液7が浸透可能に形成してあり、中空部2a内の補助液7が滲み出して壁部材8の表面(エッジガイド2Aにおける塗布液6と接する内側の面)に、常に適量が滞留するようになっている。なお、補助液7は、不図示の補助液供給部から供給される。
複数のスリットSからスライド面1上に吐出された塗布液6は、スライド面1上で積層
される。この積層された塗布液6は、重力作用でスライド面1上を下流側に移動する。こ
のとき、積層された塗布液6は、スライド面1の幅方向両側端部分で補助液7に接していて、流動を妨げられないため、従来みられた縮流は抑制され、塗布液6の幅方向端部に、付着量の多い部分が生じるのが抑制される。スライド面1の下流側端部に達した塗布液6は、スライド面1から自由落下し、連続走行するウェブ5上に塗布される。
このスライドカーテン塗布装置4では、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面2c全体から補助液7を流すことにより、スライド面1の幅方向端部に位置する塗布液6の流速が速くなり、また、スライド面1の幅方向中心部における塗布液6との流速差を小さくすることにより、端部の液が中心側に縮流する現象の発生を抑制し、塗布液6の端部付着量が多くなるのを防止することができる。
また、このスライドカーテン塗布装置4では、塗布装置4のスライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面2c全体から補助液7を流すことにより、補助液量を少なくすることができ、塗布液6と補助液7との混合部分がほとんどなく、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部において、塗布液6と補助液7との混合ムラの発生を抑制することができている。
なお、上述したスライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面2cから流す補助液7としては、液体で流動性が有ればよく、特に限定されるものではないが、例えば、塗布液6が水系液の場合、水や、水に樹脂、界面活性剤等を混合した調合液が好ましく、溶剤系液の場合、その塗布液6に含有する溶媒や、その溶媒に樹脂、界面活性剤等を混合した調合液を用いるのが好ましい。
また、この補助液7は、静的表面張力が、塗布液6の静的表面張力に対して、+30mN/m〜−10mN/mであるのが好ましく、+20mN/m〜−5mN/mであるのがより好ましい。これは、補助液7の静的表面張力が、塗布液6の静的表面張力より低いと(−10mN/m未満であると)、スライド面1上で補助液7が塗布液6に引っ張られ、ウェブ5上に塗布された塗布膜の端部に、無視することができない、塗布液6と補助液7との混合部分ができてしまう慮があるし、逆に、補助液7の静的表面張力が、塗布液6の静的表面張力より高いと(+30mN/mを超えると)、スライド面1上で塗布液6が補助液7に引っ張られ、引っ張られた塗布液6の近傍の塗布液量が少なくなり、ウェブ5上に形成された塗布膜の端部に、無視することができない、塗布液6の付着量が少ない部分ができてしまう慮があるからである。
本発明のスライドカーテン塗布方法は、例えば、このスライドカーテン塗布装置4を使用して実施することができ、基本的なプロセスとしては、図2で示されている様にその塗布装置4のスライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面全体から補助液7を流し、スライド面1の両端のエッジガイド部に、薄膜の補助液7の流れを作り出すことにより、スライド面1の幅方向端部に位置する塗布液6の流速が速くなり、スライド面1の幅方向中心部に位置する塗布液6との流速差を小さくすることにより、前記端部の塗布液6が中心側に縮流する現象が生じるのを抑制することができ、塗布液6の端部付着量が多くなる現象を防止することができる。
また、スライドカーテン塗布装置4のスライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面全体から補助液7を流すことにより、補助液量を少なくすることが可能となり、塗布液6と補助液7との混合部分が殆ど無く、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部において、塗布液6と補助液7との混合ムラの発生を抑制することもできている。
更には、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面から流す補助液7の高さを、図3に示すように、塗布液膜厚と同等として塗布するようにコントロールすることにより、塗布液6と補助液7とが混合しにくく、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部に、塗布液6と補助液7との混合部分が生じるのを防止することができ、端部混合ムラの抑制を一段と適切にすることができる。
〔第2実施形態〕
上記構成において、図4に示すように、更にスライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面の壁部材8として、多孔質体材料を用いるようにするのが好ましい。壁部材(多孔質体部材)8をこのように構成することにより、補助液7の膜厚を小さくし、補助液7の流れのムラを小さくすることができ、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部において、塗布液6の付着量ムラを、より適切に抑制することができる。この多孔質体部材8の材料としては、セラミック、テフロン(登録商標)、ステンレス、アルミニウム等が挙げられる。
特に、多孔質体部材8の高さを、図4に示すように、塗布液膜厚と同等とすることによって、塗布液6と補助液7とが混合しにくくなり、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部に、塗布液6と補助液7との混合部分が生じるのを防止することができ、端部混合ムラを効果的に抑制することができる。更には、多孔質体部材8の平均細孔径を50μm以下としたり、多孔質体部材8の気孔率を30%以上とすることにより、補助液7の流れのムラを小さくすることができ、スライド面1の幅方向端部における塗布液6の流速が安定して速くなり、塗布液6の端部付着量が多くなる現象の発生を防止することができる。
〔第3実施形態〕
スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する隔壁面の多孔質体部材8の高さを、塗布液膜厚と同等とした上記構成において、更に図5に示すように、同隔壁面上の多孔質体部材8の上に、補助液7に対して接触角90°以上の規制部材9を配設した構成として、塗布液6を塗布するようにするのが好ましい。このように構成することにより、図6の対比説明図に示すように、規制部材9が無い場合(図6A参照)に比べて、規制部材9を設けた場合(図6B参照)では、スライド面1の端部での塗布液高さが中心部と同等となり、塗布液6の端部付着量が多くなる現象の発生を防止することができる。この規制部材9の材質としては、セラミック、テフロン(登録商標)、ステンレス、アルミニウム等が好適に挙げられる。
〔第4実施形態〕
上記構成において、更に吸引機構を設けるようにするのが、より好ましい。この第4の実施形態では、図7に示すように、適宜選択された不図示の吸引機構によって、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面から流した補助液7を、そのスライド面1の両端のエッジガイド2Aの下流側部位で吸引することにより、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部に、塗布液6と補助液7との混合部分が生じることなく、塗布液6の端部付着量が多くなる現象の発生を防止することができる。
〔第5実施形態〕
更には、図8に示すように、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける補助液7が流れる面を、その面に対しての補助液7の膜厚分だけ、スライド面1側のエッジガイド2A端面から補助液7が流れる面と反対方向に(幅方向外側に)奥まった位置から(すなわち、吸い込み位置を外側に移動させて設定する)流した補助液7を、そのスライド面1両端のエッジガイド2A下流側で吸引しながら、塗布膜をウェブ上に塗布するようにしてもよい。このようにすることで、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部に、塗布液6と補助液7との混合部分が生じることなく、塗布液6の端部付着量が多くなる現象の発生を、より効果的に防止することができる。
〔第6実施形態〕
更なる実施形態として、図9に示すように、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面から流した補助液7を、そのスライド面1の両端のエッジガイド2Aの下流側に設けた爪10により補助液7を掻き取りながら、塗布液6を塗布するようにすることができる。このように構成することにより、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部において、塗布液6と補助液7との混合部分が生じることなく、塗布液6の端部付着量が多くなる現象の発生を防止することができる。
更にこれらのスライド面1の両端のエッジガイド2Aの下流に設けた爪10の長さを、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面から流した補助液7の接する面に対しての膜厚と同等の長さとすることにより、塗布液6と補助液7との混合部分を生じさせないことができる。
〔第7実施形態〕
更に他の実施形態について説明する。この実施形態では、図10に示すように、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける補助液7が流れる面を、その面に対しての補助液7の膜厚分だけ、スライド面1側のエッジガイド2A端面から補助液7が流れる面と反対方向に移動させ、流した補助液7を、そのスライド面1の両端のエッジガイド2A下流側に設けた爪10により掻き取りながら塗布する。
このようにしても、塗布液6と補助液7との混合部分が生じることなく、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部に、塗布液6と補助液7との混合部分が生じることなく、塗布液6の端部付着量が多くなる現象の発生を防止することができる。この実施形態では、その掻き取った補助液7を吸引する機構を更に備えるようにしている。これによって、更に塗布液6と補助液7との混合部分が生じないので、ウェブ5上に塗布後の塗布液6による塗布膜の幅方向端部に、塗布液6と補助液7との混合部分が発生することなく、塗布液6の端部付着量が多くなる現象の発生が、より効果的に防止される。
なお、上記の構成においても、スライド面1の両端のエッジガイド2A下流に設けた爪10の長さを、スライド面1の両端のエッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面から流した補助液7の接する面に対しての膜厚と同等の長さとすることができ、塗布液6と補助液7との混合部分を生じさせないことができる。
これまでの説明からも判るように、本発明の前記スライドカーテン塗布方法では、1層以上の前記塗布液を各々のスリットから吐出させ、前記スライド面上で積層し、その積層した前記塗布液を自由落下させ、連続走行する前記ウェブ上に塗布するスライドカーテン塗布方法において、前記スライド面両端の前記エッジガイドにおける塗布液と接する面全体から前記補助液を流し、前記塗布液を塗布するようにしているので、前記スライド面上で前記塗布液が縮流するのを抑制し、前記塗布液により形成される塗布膜の幅方向端部に、前記塗布液の付着量の多い部分が生じるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図2及び図3に示すように、スライド面エッジガイド2Aにおける塗布液6と接する面に、多孔質体部材8として、高さ5mmのセラミック(平均細孔径50μm、気孔率52%)を取り付けた。そして、セラミック面全体から、補助液7として、水(静的表面張力72.6mN/m:FACE自動表面張力計(「CBVP−A3型」;協和界面科学(株)製)で測定)を流し、スライドカーテン塗布方式にて、下記組成の塗布液をウェブ(紙)に、塗工速度400mm/min、塗工幅250mm、ノズルスリット吐出塗布液流量3,000g/minの条件で塗工した。そして、その塗工サンプルの幅方向(中心より片側のみ)の付着量を、分光測色濃度計(「938」;X−Rite社製)で測定(シアンフィルター使用、測定径5mm)し、その平均膜厚における幅方向のバラツキを計算した。その結果を、図11に示す。また、塗布液による塗布膜の端部における、塗布液と補助液との混合ムラを目視で確認した。その結果を、表1に示す。
−塗布液の組成−
(塗布液:粘度300mPa・s、静的表面張力35mN/m)
ポリビニルアルコール・・・・・85質量部
緑顔料・・・・・5質量部
水・・・・・915質量部
(実施例2)
実施例1におけるセラミックの高さを、塗布液膜厚と同じ2.5mmとした以外は、実施例1と同様にして塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(実施例3)
実施例1におけるセラミックの高さを、塗布液膜厚と同じ2.5mmとし、図5に示すように、そのセラミックの上に、規制部材9として、厚さ5mmのテフロン(登録商標)(水に対しての接触角127°:FACE接触角計(「CA−D型」;協和界面科学(株)製で測定)を挟んだ以外は、実施例1と同様にして塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(実施例4)
実施例1における補助液を、そのスライド面両端のエッジガイド下流側で吸引しながら、実施例1と同様にして、塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(実施例5)
実施例4において、スライド面両端のエッジガイドを、図8に示すように、その面に対しての補助液の膜厚と同じ0.5mmだけ、スライド面側のエッジガイド端面から補助液が流れる面と反対方向に移動させた以外は、実施例4と同様にして、塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(実施例6)
実施例2において、スライド面両端のエッジガイド下流側に、長さ0.5mmの爪を付け、補助液を掻き取りながら吸引した以外は、実施例2と同様にして、塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(実施例7)
実施例6において、スライド面両端のエッジガイドを、図10に示すように、その面に対しての補助液の膜厚と同じ0.5mmだけ、スライド面側のエッジガイド端面から補助液が流れる面と反対方向に移動させた以外は、実施例6と同様にして、塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(実施例8)
実施例4において、補助液として、水に界面活性剤を入れて、静的表面張力が54mN/mとなるように調整した液を使用した以外は、実施例4と同様にして、塗布液の塗工を行った。その結果を、図12及び表1に示す。
(実施例9)
実施例4において、補助液として、水に界面活性剤を入れて、静的表面張力が28mN/mとなるように調整した液を使用した以外は、実施例4と同様にして、塗布液の塗工を行った。その結果を、図12及び表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、スライド部エッジガイドから補助液を流さなかった以外は、実施例1と同様にして塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、スライド部エッジガイド上方からスライド部エッジガイドに沿って、補助液として水を流した以外は、実施例1と同様にして、塗布液の塗工を行った。その結果を、図11及び表1に示す。
(評価方法及び評価結果)
図11より、スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から補助液を流すことにより、塗布液による塗布膜の幅方向端部における塗布液の付着量を、問題ない付着量バラツキ±5%以内に抑制可能であることが明確になった。また、塗布膜の幅方向端部における、塗布液と補助液との混合ムラも、スライド面両端のエッジガイド下流で補助液を捕集することにより、なくすことが可能であることを明確にすることができた。
図12より、補助液の静的表面張力を、塗布液の静的表面張力とほぼ同等とすることにより、塗膜の幅方向端部における塗布液の付着量バラツキを、更に小さくすることができることが判った。
本発明のスライドカーテン塗布装置及びスライドカーテン塗布方法は、スライド面上で前記塗布液が縮流することを抑制し、前記塗布液による塗布膜の幅方向端部において、前記塗布液の付着量の多い部分が生じるのを抑制することができるので、写真フィルム等の写真感光材料などの製造に好適に使用することができる。
図1は、従来のカーテン塗布装置を示す図である。 図2は、本発明のスライドカーテン塗布装置の一実施形態例を示す図である。 図3は、図2のスライドカーテン塗布装置におけるエッジガイド部分を示す拡大断面図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係るスライドカーテン塗布装置におけるエッジガイド部の他の構造例を示す拡大断面図である。 図5は、第3実施形態に係るスライドカーテン塗布装置におけるエッジガイド部の他の構造例を示す拡大断面図である。 図6Aは、第3実施形態におけるエッジガイド部の他の構造例(その1)を説明する拡大断面図である。 図6Bは、第3実施形態におけるエッジガイド部の他の構造例(その2)を説明する拡大断面図である。 図7は、第4実施形態におけるエッジガイド部の他の構造例を説明する拡大断面図である。 図8は、第5実施形態におけるエッジガイド部の他の構造例を説明する拡大断面図である。 図9は、第6実施形態おけるエッジガイド部の他の構造例を説明する拡大断面図である。 図10は、第7実施形態におけるエッジガイド部の他の構造例を説明する拡大断面図である。 図11は、実施例及び比較例における塗膜端部からの距離に対する塗膜の付着量のバラツキを示す関係図である。 図12は、実施例における塗膜端部からの距離に対する塗膜の付着量のバラツキを示す関係図である。
符号の説明
1 スライド面
2A スライド面エッジガイド
3A カーテン部エッジガイド
4 スライドカーテン塗布装置(カーテン塗工ヘッド)
5 ウェブ
6 塗布液
7 補助液
8 壁部材(多孔質体部材)
9 接触部材
10 爪
S スリット

Claims (19)

  1. 塗布液をスリットから吐出する吐出手段、該吐出された塗布液が流れるスライド面、及び該スライド面両端に設けられ、該スライド面を流れる前記塗布液を案内するエッジガイドを少なくとも有するスライドカーテン塗布装置において、
    前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から補助液を流し出す液供給機構を備え
    スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面の部材が、多孔質体からなる多孔質体部材であり、
    多孔質体部材の高さが、塗布液膜厚と同等であり、かつエッジガイドと塗布液との接触面と同面上であって前記多孔質体部材の上に、補助液に対して接触角90°以上の規制部材を備えたことを特徴とするスライドカーテン塗布装置。
  2. 多孔質体部材の平均細孔径が、50μm以下である請求項1に記載のスライドカーテン塗布装置。
  3. 多孔質体部材の気孔率が、30%以上である請求項1に記載のスライドカーテン塗布装置。
  4. スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面から流す補助液の高さが、塗布液膜厚と同等に調節可能である請求項1に記載のスライドカーテン塗布装置。
  5. 1層以上の塗布液を各々のスリットから吐出させ、スライド面上で積層し、その積層した塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布するスライドカーテン塗布方法において、
    請求項1から4のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記塗布液を塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法。
  6. スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から流す補助液の高さを、塗布液膜厚と同等として前記塗布液を塗布する請求項5に記載のスライドカーテン塗布方法。
  7. スライド面両端のエッジガイド下流側に設けた爪によって前記スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面から流した補助液を掻き取る掻取機構を備えた請求項1に記載のスライドカーテン塗布装置。
  8. スライド面両端のエッジガイドにおける補助液を流し出す面が、互いに塗布液の幅と、両端の前記補助液の膜厚分とを加えた距離離間して設けられ、前記エッジガイド下流側に設けた爪によって、流した前記補助液を掻き取る掻取機構を備え、前記爪がそれぞれ前記エッジガイドにおける補助液を流し出す面よりも前記補助液の膜厚分、前記塗布液の幅方向内側に位置する請求項1に記載のスライドカーテン塗布装置。
  9. スライド面両端のエッジガイド下流の爪の長さが、前記スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面から流した補助液の接する面に対しての膜厚と同等である請求項7から8のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置。
  10. スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面から流した補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引する吸引機構を備えた請求項1に記載のスライドカーテン塗布装置。
  11. スライド面両端のエッジガイドにおける補助液を流し出す面が、互いに塗布液の幅と、両端の前記補助液の膜厚分とを加えた距離離間して設けられ、流した前記補助液を、前記スライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引する吸引機構を備えた請求項1に記載のスライドカーテン塗布装置。
  12. 掻取機構が掻き取った補助液を、スライド面両端のエッジガイド下流側で吸引する吸引機構を備えた請求項7から9のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置。
  13. 1層以上の塗布液を、各々のスリットから吐出させ、スライド面上で積層し、その積層した塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布するスライドカーテン塗布方法において、
    請求項11から12のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流した前記補助液を、そのスライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引しながら塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法。
  14. 1層以上の塗布液を各々のスリットから吐出させ、スライド面上で積層し、その積層した塗布液を自由落下させ、連続走行するウェブ上に塗布するスライドカーテン塗布方法において、
    請求項11に記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、前記スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記補助液を流し出す面が、互いに塗布液の幅と、両端の前記補助液の膜厚分とを加えた距離離間して設けられ、流した前記補助液を、前記スライド面両端の前記エッジガイド下流側で吸引しながら塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法。
  15. 請求項7から9のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記塗布液と接する面から流した前記補助液を、前記スライド面両端の前記エッジガイド下流側にて、爪によって掻き取りながら前記塗布液を塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法。
  16. 請求項7から9のいずれかに記載のスライドカーテン塗布装置を用いて、スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から補助液を流し、前記スライド面両端のエッジガイドにおける前記補助液を流し出す面が、互いに塗布液の幅と、両端の前記補助液の膜厚分とを加えた距離離間して設けられ、前記補助液を前記スライド面両端の前記エッジガイド下流側にて、爪によって掻き取りながら前記塗布液を塗布することを特徴とするスライドカーテン塗布方法。
  17. 爪によって掻き取った補助液を、スライド面両端のエッジガイド下流側で吸引しながら塗布液を塗布する請求項15から16のいずれかに記載のスライドカーテン塗布方法。
  18. スライド面両端のエッジガイドにおける塗布液と接する面全体から流す補助液の高さを、塗布液膜厚と同等として前記塗布液を塗布する請求項13から17のいずれかに記載のスライドカーテン塗布方法。
  19. 補助液の静的表面張力が、塗布液の静的表面張力に対して、+30mN/m〜−10mN/mの範囲である請求項5、6、及び13から18のいずれかに記載のスライドカーテン塗布方法。
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