JP2005199135A - 液供給ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】 塗工液と共に気泡が吐出されても、その気泡がノズル先端部に付着、滞留しにくくし、これによって塗工スジの発生を防止しうる液供給ノズルを提供する。
【解決手段】 液供給ノズル21の先端部に、吐出スリット11の吐出口の両側に形成された先端平坦面Aと、先端平坦面に対して鋭角で交叉する逆傾斜面Bと、それに続く垂直面Dと、それに続く傾斜面Cを設け、塗布対象となるウェブ又はロール面13から傾斜面Cまでの距離を長くし、ウェブ又はロール面13と逆傾斜面Bに気泡が接触して付着しようとしても、その気泡が傾斜面Cにはほとんど接触できず、このため、気泡が安定して滞留できず、直ちにノズル先端部から離れる構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗工液を吐出スリットから吐出して、走行中の樹脂フィルム、金属箔等のウェブ又は回転中のコーティングロールに塗布するための液供給ノズルに関し、特に、走行中のウェブ又は回転中のコーティングロールに過剰量の塗工液を塗布し、その後、塗膜が所望の厚みとなるようにロール等にて掻き取るコーティング方式に用いるのに好適な液供給ノズルに関する。
従来、コーティング装置として、図9(a)に示すように、ウェブ1を支持して回転する支持ロール2の周面のウェブ1に対向する位置に液供給ノズル3を配置し、塗工液タンク4から送液ポンプ5で送られてくる塗工液6をウェブ1の表面に、過剰量塗布し、ウェブ1上の塗膜が所望の厚みとなるように掻き取りロール7で掻き取る方式のもの、あるいは、図9(b)に示すように、回転中のコーティングロール8に対向する位置に液供給ノズル3を配置し、コーティングロール8に過剰量の塗工液6を塗布し、コーティングロール8上の塗膜が所望の厚みとなるように掻き取りロール7で掻き取った後、その塗膜を支持ロール2で支持されて走行しているウェブ1に塗布する方式のもの等が知られている。
ところがこの種のコーティング装置において、例えば、ウェブ1に直接塗工液を塗布する方式のものでは、図10に示すように、液供給ノズル3の先端部に気泡9が付着し、その位置に留まることにより、ウェブ1の塗布面にスジ10が発生し、掻き取りロール7にて塗工液が掻き取られた後もウェブ1上に塗工スジ10が残り、面質不良となることがあった。また、コーティングロール8を使用した方式でも同様に、液供給ノズル3の先端部に気泡が付着、滞留することにより、コーティングロール8の塗布面にスジが発生し、掻き取りロール7にて塗工液が掻き取られ、ウェブ1に塗布された後もウェブ1上に塗工スジが残り、面質不良となることがあった。
液供給ノズルの先端に付着する気泡の発生原因は、塗工液タンク等で塗工液中に巻き込まれた気泡や、配管内、液供給ノズル内に滞留していた気泡が塗工液と共に流出することにある。そこで、従来は、塗工液タンク或いは配管途中に脱泡装置を設けて、塗工液内の気泡を除去する方法、あるいは、塗布を実施する前に、30分〜1時間程度の送液、循環を継続し、配管内の気泡を除去する方法などが実施されている。しかしながら、これらの方法を実施しても、塗工液内の気泡を全て除去することは困難であり、時折、気泡が塗工液と共に吐出され、その気泡が液供給ノズル先端部に付着し、その位置に留まってしまうため、塗工スジが生じていた。
気泡付着による塗工スジを防止するには、塗工液と共に吐出された塗工液が塗工液と共にウェブ或いはコーティングロールに塗布されて移動し、液供給ノズルの先端部には留まらないようにすればよい。しかしながら、従来、液供給ノズルの先端形状を、気泡が付着、滞留しないような形状とする対策は行われていない。本発明者らが従来の液供給ノズルについて確認した形状及び問題点は以下の通りであった。
(1)図11に示す液供給ノズル3A
この液供給ノズル3Aは、吐出スリット11の吐出口の両側に同一平面上に位置するよう形成された先端平坦面Aと、それに続く位置に形成され、先端平坦面Aから離れるにつれて吐出スリット11から離れるように傾斜した傾斜面C(先端平坦面Aに対してなす角度θが、90°<θ<180°、一般的には、90°<θ≦120°となるように傾斜した面)を備えた形状であり、先端平坦面Aは、塗布対象であるウェブ又はロール面13に吐出スリット11に対向する位置で接する接線14に平行になるように形成されている。この液供給ノズル3Aでは、ウェブ又はロール面13と傾斜面Cに囲まれた部分に気泡9が付着、滞留することがあり、特に、傾斜面Cが、塗布されなかった塗工液15で濡れた状態となった時に気泡9の付着、滞留が多い。
(2)図12に示す液供給ノズル3B
この液供給ノズル3Bは、先端平坦面Aと、それに続く位置に形成され、先端平坦面Aに対して直角な垂直面D(先端平坦面Aに対してなす角度θ=90°となる面)と、それに続く傾斜面Cを備えた形状であり、先端平坦面Aは、ウェブ又はロール面13の接線14に平行となるように形成されている。この液供給ノズル3Bでは、ウェブ又はロール面13と垂直面Dに囲まれた部分、或いはウェブ又はロール面13と垂直面Dと傾斜面Cに囲まれた部分に気泡9が付着、滞留することがあり、特に、垂直面D及び傾斜面Cが、塗布されなかった塗工液15で濡れた状態となった時に気泡9の付着、滞留が多い。
(3)図13に示す液供給ノズル3C
この液供給ノズル3Cは、図13(a)に示すように、先端平坦面Aと、それに鋭角で交叉するように形成された逆傾斜面B(先端平坦面Aに対してなす角度θが、0°<θ<90°、一般的には、60°≦θ<90°となるように傾斜した面)と、それに続く傾斜面Cを備えた形状であり、先端平坦面Aは、ウェブ又はロール面13の接線14に平行になるように形成されている。この液供給ノズル3Cでは、逆傾斜面Bやそれに続く傾斜面Cが塗工液で濡れていない状態では気泡付着はほとんど見られない。しかしながら、旧巻取と新巻取の切替時において、図13(b)に示すように、ウェブ1のつなぎ部1aがコート部を通過する際、液供給ノズル3Cをウェブ1から離す動作を行う必要があり、その際にウェブ又はロールに塗布されなかった塗工液15が逆傾斜面Bやそれに続く傾斜面Cに流れ出て濡らすこととなり、図13(c)に示すように、塗工液15が付着すると、ウェブ又はロール面13と逆傾斜面Bと傾斜面Cに囲まれた部分に気泡9が付着、滞留してしまう。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたもので、塗工液と共に気泡が吐出されても、その気泡がノズル先端部に付着、滞留しにくく、これによって塗工スジの発生を防止しうる液供給ノズルを提供することを課題とする。
本発明の液供給ノズルは、先端部に気泡が付着、滞留しにくくするため、ノズル先端形状を、吐出スリットの吐出口の両側に形成された先端平坦面(A)と、少なくとも前記吐出スリットの片側に位置する前記先端平坦面(A)に続く位置に形成され、該先端平坦面に対して鋭角で交叉する逆傾斜面(B)と、該逆傾斜面(B)に続く位置に形成され、前記吐出スリットに対してほぼ平行な垂直面(D)と、該垂直面(D)に続く位置に形成され、該垂直面から離れるにつれて前記吐出スリットから離れるように傾斜した傾斜面(C)を有する構成としたものである。この構成としたことにより、液供給ノズルを塗布対象となるウェブ又はロール面に対向させて且つ前記逆傾斜面(B)、垂直面(D)及び傾斜面(C)が少なくとも液供給ノズルに対する塗布対象の相対的な移動方向に関して前記吐出スリットの下流側に存在するように配置して塗布動作を行うと、吐出スリットの下流側において塗布対象となるウェブ又はロール面から傾斜面(C)までの距離が長くなり、ウェブ又はロール面(又はその上の塗工液)に接触している気泡がノズル先端部に付着しようとしても、その気泡は逆傾斜面(B)のみに接触する場合がほとんどであり、傾斜面(C)にまで接触することはほとんどなく、このため、気泡が安定して滞留することがなく、直ちにノズル先端部から離れてしまう。かくして、ノズル先端部への気泡の付着、滞留を防止でき、塗工スジの発生を防止できる。
ここで、前記先端平坦面(A)、逆傾斜面(B)、垂直面(D)及び傾斜面(C)の形状、寸法を、塗布対象の表面、前記逆傾斜面(B)及び傾斜面(C)に接する円の直径によって決まる付着可能最小気泡径(d)が、塗工液によって定まる存在可能気泡最大径(e)よりも大きくなるように設定することが好ましい。この構成とすると、ノズル先端部に付着しようとした気泡の傾斜面(C)への接触を一層良好に防止でき、ノズル先端部への気泡の付着、滞留を更に防止できる。
また、前記先端平坦面(A)と逆傾斜面(B)のなす角度θを、30°≦θ≦60°とすることが好ましい。この構成とすると、ノズル先端部に流れ出た気泡が逆傾斜面(B)に接触しにくくなり、ノズル先端への気泡の付着、滞留を更に良好に防止できる。
また、液供給ノズルを塗布対象に対して塗布を行うための所定位置に配置した状態において、前記先端平坦面(A)が、前記塗布対象に前記吐出スリットに対向する位置で接する接線に対して、平行となるか、若しくは液供給ノズルに対する前記塗布対象の相対的な移動方向に関して下流側の間隔が広がるように傾斜した状態となるように、前記先端平坦面(A)の形状を定めておくことが好ましい。この構成とすると、吐出スリットから塗工液と共に吐出された気泡が、塗布対象と先端平坦面(A)との間に引っかかって滞留するということがなく、これによっても塗工スジの発生を抑制できる。
本発明の液供給ノズルは、ノズル先端部への気泡の付着、滞留を防止することができ、脱泡装置の設置、長時間の送液、循環だけでは除去できない気泡による塗工スジ不良を無くすことが可能となる。
本発明の液供給ノズルは、図9(a)、(b)に示したような、走行中のウェブ又は回転中のコーティングロールに過剰量の塗工液を塗布し、その後、塗膜が所望の厚みとなるようにロール等にて掻き取るコーティング方式において、塗工液を塗布するのに用いるのに好適であるが、これに限らず、ウェブや平板状の基材に対して直接、塗布液を所望厚さに塗布するための液供給ノズルとして使用してもよい。また、平板状の基材に対して塗布する場合には、液供給ノズルを定位置に配置し、基材を走行させる場合に限らず、基材を定位置に配置し、液供給ノズルを基材に沿って走行させる方式で使用してもよい。以下、本発明に係る液供給ノズルを、図9(a)、(b)に示すコーティング方式のように、ウェブ又はロール面に対して過剰量の塗工液を塗布する場合を例にとって説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液供給ノズル21の先端部を示す概略断面図であり、塗工対象であるウェブ又はロール面13に対して塗工液6を塗布している状態で示している。液供給ノズル21は、吐出スリット11の吐出口の両側に同一平面上に位置するよう形成された先端平坦面Aと、その先端平坦面Aに続く位置に形成され、先端平坦面Aに対して鋭角で(すなわち、0<θ<90で)交叉する逆傾斜面Bと、その逆傾斜面Bに続く位置に形成され、吐出スリット11に対してほぼ平行な垂直面Dと、その垂直面Dに続く位置に形成され、垂直面Dから離れるにつれて吐出スリット11から離れるように傾斜した傾斜面Cを備えている。以下、各部の形状、寸法を更に詳細に説明する。
先端平坦面Aは、吐出スリット11に対して直角に形成されており、この液供給ノズル21を塗布対象であるウェブ又はロール面13に対して塗布のための所定位置に対向して配置した時、その先端平坦面Aは、ウェブ又はロール面13に、吐出スリット11に対向する位置で接する接線14に対して平行となる。なお、先端平坦面Aを吐出スリット11に対して直角とする代わりに、図2に示す液供給ノズル21Aのように、傾斜させて設けても良い。この傾斜方向は、接線14と先端平坦面Aとの間隔が、液供給ノズル21に対するウェブ又はロール面13の相対的な移動方向に関して上流側(塗布される前の側)よりも下流側(塗布された後の側)で広がるように設定しておく。このように、先端平坦面Aを接線14に対して平行或いは下流側で広がるように設定しておくと、吐出スリット11から塗工液と共に気泡が吐出されても、その気泡がウェブ又はロール面13と先端平坦面Aとの間で滞留するということがない。もし、ウェブ又はロール面13と先端平坦面Aとの間隔が下流側で小さくなる構造とした場合には、吐出スリット11から流れ出た気泡が、狭くなったウェブ又はロール面13と先端平坦面Aの下流端近傍に引っ掛かって滞留し、その気泡によって塗工スジを生じる恐れが生じるが、図1、図2に示す液供給ノズル21、21Aではそのような気泡の引っ掛かりを防止できる。図2に示すように、先端平坦面Aを接線14に対して傾斜させる場合の角度αとしては、0°<α≦10°程度とすることが好ましい。
図1において、逆傾斜面Bは、ウェブ又はロール面13と先端平坦面Aとの間を通り抜けた気泡9が逆傾斜面Bにくっついて、その位置に留まることを極力阻止するために設けたものである。この逆傾斜面Bと先端平坦面Aとのなす角度θは、小さくなる程気泡の付着防止効果が大きくなる傾向があるので、適度な付着防止効果を確保する上から75°以下とすることが好ましく、更には、60°以下とすることが一層好ましい。一方、この角度θをあまり小さくすると加工が困難となる。これらの点から、角度θは、10°≦θ≦75°の範囲とすることが好ましく、更には、30°≦θ≦60°の範囲とすることが一層好ましい。
垂直面Dは、塗布対象であるウェブ又はロール面13から傾斜面Cまでの距離を長くし、ウェブ又はロール面13(又はその上の塗工液6)と傾斜面Cに接触した状態で滞留する気泡が発生しにくくするために設けたものである。すなわち、図13(c)の従来例で示したように、ノズル先端部に気泡9が付着、滞留して塗工スジを生じる場合、その気泡9はウェブ又はロール面13(又はその上の塗工液6)と逆傾斜面Bと傾斜面Cに接触した状態で滞留するので、図1或いは図2に示すように、垂直面Dを設けて傾斜面Cをウェブ又はロール面13から遠ざけ、気泡9が傾斜面Cには接触できないようにすることで、気泡が安定して滞留できないようにしている。
次に、液供給ノズル21に対する気泡の付着、滞留の可能性を更に詳細に説明する。図3(a)に示すように、気泡9aの直径が小さく、その気泡9aがウェブ又はロール面13(又はその上の塗工液6)と逆傾斜面Bのみに接触した状態では気泡9aは不安定となって、この位置に留まれず、直ちにウェブ又はロール面13に付着して脱落してしまうか、或いは、気泡9bのように、ウェブ又はロール面13から離れ、垂直面Dと傾斜面Cに接触した状態となる(この状態では、気泡9bはウェブ又はロール面13上の塗工液6に接触しないので、塗工スジを生じさせることはなく、従って、付着していていも支障はない)。一方、図3(b)に示すように、ウェブ又はロール面13(又はその上の塗工液6)と逆傾斜面Bと傾斜面Cに接触した気泡9c(垂直面Dには接触していてもしていなくてもよい)が生じた場合、その気泡9cはその位置に留まることが多く、塗工スジの原因となる。従って、ウェブ又はロール面13(又はその上の塗工液6)と逆傾斜面Bと傾斜面Cに接する円の直径d以上の直径の気泡が生じた時には、その気泡は、図示した気泡9cと同様に、ウェブ又はロール面13(又はその上の塗工液6)と逆傾斜面Bと傾斜面Cに接触した状態となって、ノズル先端部に付着、滞留することができる。以下、この直径dを、付着可能最小気泡径という。ところで、塗工液によって形成され、安定して存在しうる気泡の大きさには、塗工液の物性(粘度、表面張力等)によって定まる限度があり、あまり大きい直径の気泡は安定して存在し得ない。従って、ノズル先端部に付着して滞留することができる気泡(例えば、図面の気泡9c)の最小径、すなわち、付着可能最小気泡径dが、安定して存在しうる気泡の最大径(以下、存在可能最大気泡径という)eよりも大きくなるように、液供給ノズル21の各部寸法や角度を設定しておけば、図3(b)に示すように、ウェブ又はロール面13(又はその上の塗工液6)と逆傾斜面Bと傾斜面Cに接触した気泡9cは発生せず、従って、ノズル先端部での気泡の付着、滞留を防止できる。
液供給ノズル21の各部寸法、すなわち図4に示す先端平坦面Aの長さL、逆傾斜面Bの長さM、垂直面Dの長さN、傾斜面Cの垂直面Dの垂線に対してなす角度η等は、基本的にはこれらのことを考慮して定めればよい。すなわち、付着可能最小気泡径dと存在可能最大気泡径eとの間に、d>eの関係が成り立つように定めれば良い。ここで、存在可能最大気泡径eは、使用する塗工液の表面張力、粘度などの物性によって定まるものであり、具体的には実験によって(例えば、気泡の付着しやすい形態の液供給ノズルを用い且つ塗工液中にエアーを吸入させて塗工を行い、液供給ノズル先端部に気泡を付着させ、その最大径を測定することによって、或いは、塗工液中に空気を吹き込んで泡立てた後、安定して残った気泡の最大径を測定することによって)、求めることができる。
液供給ノズル21の各部寸法は、基本的には上記したように、「付着可能最小気泡径d>存在可能最大気泡径e」の関係が成り立つように定めれば良く、付着可能最小気泡径dが存在可能最大気泡径eに比べて大きくなればなる程、気泡付着防止効果が増す。従って、先端平坦面Aの長さL、逆傾斜面Bの長さM、垂直面Dの長さNは、長くするほど気泡付着防止効果には有効である。しかしながら、以下の制約も受けるので、各長さL、M、Nの設定に当たってはこれらを考慮して定めれば良い。。
長さL:長すぎると、塗工面質に影響する恐れがある。
長さM:長すぎると、垂直面Dと吐出スリット11の間の幅が小さくなり、加工が困難となる。
長さN:長すぎると、垂直面Dと吐出スリット11の間の部分が細長くなり、加工が困難となる。
また、傾斜面Cの垂直面Dの垂線に対してなす角度ηの値についても制約がある。すなわち、角度ηがあまり小さすぎると、上記した付着可能最小気泡径dが小さくなるのみならず、傾斜面に塗工液が溜まりやすくなるという問題があり、角度ηが大きすぎると、傾斜面Cと吐出スリット11の間の厚みが薄くなり、加工が困難となる。これらを考慮して、角度ηの値としては、20°≦η≦60°の範囲内に設定することが好ましい。
次に、種々な先端形状の液供給ノズルを用いて塗工テストを行い、液供給ノズルの先端形状と気泡の付着の有無の関係を測定したので、その結果を示す。
(1)テスト条件
図5に示すように、ウェブ1を支持して回転する支持ロール2の周面のウェブ1に対向する位置に液供給ノズル31(先端形状は後述する)を配置し、塗工液タンク4から送液ポンプ5で送られてくる塗工液6をウェブ1の表面に、過剰量塗布し、ウェブ1上の塗膜が所望の厚みとなるように掻き取りロール7で掻き取る方式のコーティング装置を用意し、その塗工液タンク4と送液ポンプ5の間にエアー吸入用配管32及びバルブ33を接続し、塗工液中に強制的にエアーを吸入させ、気泡が発生しやすい状態として液供給ノズル先端部での気泡の付着、滞留の有無及び塗工スジの有無を測定した。吸入エアー量は、バルブ33の開度、開時間により調整した。塗工条件は次の通りとした。
ウェブ走行速度:20m/min
塗工液 :粘度3cps
:固型分比20%
固型分[金属粒子(粒径3μm)、アクリル系UV樹脂]
溶剤分(トルエン、メチルイソブチルケトン)
塗工液流量 :2.5リットル/min
液供給ノズルの吐出幅:500mm
掻き取り後のWet膜厚:10μm
(2)先端平坦面Aとそれに続く面とのなす角度θの影響確認テスト
図6(a)、(b)に示す形状の液供給ノズル3A、3Bで且つ角度θ=90°、120°、150°のものを図5のコーティング装置における液供給ノズル31として用いて塗工テストを行い、表1の実験NO.1、2、3に示す結果を得た。これらの液供給ノズルでは、エアー吸入量が少なくても、ノズル先端部への気泡の付着、滞留が生じ且つ塗工スジも見られた。
次に、図6(c)に示す形状の液供給ノズル3Cで且つ角度θ=80°について塗工テストを行い、表1の実験NO.4A、4Bに示す結果を得た。この液供給ノズルでは、エアー吸入量を多くするとノズル先端部への気泡の付着、滞留が起こった。
更に、図6(c)に示す形状の液供給ノズル3Cで且つ角度θ=20°、40°、60°について塗工テストを行ったところ、表1の実験NO.5、6、7に示すように、エアー吸入量が多くてもノズル先端部への気泡の付着、滞留は生じなかった。これらの液供給ノズルについて、ウェブからノズルを一旦離し、次いで元の位置に戻すノズル脱着動作を行い、逆傾斜面B及び傾斜面Cを塗工液で濡らした後、再度塗工テストを行ったところ、表1の実験NO.8、9、10に示すように、全ての場合に、先端部への気泡の付着が見られた。
Figure 2005199135
(3)図4及び図7に示す形状の液供給ノズル21の各部寸法の影響確認テスト
図4及び図7に示すように、逆傾斜面Bと傾斜面Cの間に垂直面Dを形成した形状の液供給ノズル21について、先端平坦面Aの長さL、逆傾斜面Bの長さM、垂直面Dの長さN、角度θ、角度η及びこれらによって定まる付着可能最小気泡径dを表2に示す数値としたものを用意し、これらを図5に示すコーティング装置の液供給ノズル31として用い、塗工テストを行った。なお、この塗工テストにおいては、液供給ノズルの脱着操作を行い、逆傾斜面B、垂直面D、傾斜面Cが塗工液で濡れた状態とした。また、エアー吸入量は「多」とした(表1に示す実験NO.5〜10の場合と同じ)。塗工テストの結果も表2に示す。
Figure 2005199135
表2に示す結果より明らかなように、付着可能最小気泡径dが大きい場合(実験NO.12、14、16)は気泡付着が全く見られなかった。また、付着可能最小気泡径dが小さい場合(実験NO.11、13、15)は、気泡付着が生じたものの、きわめて少量であり、垂直面Dを設けたことによる気泡付着防止効果が見られた。ちなみに、この実験に用いた塗工液における存在可能最大気泡径eは5mm程度であった。従って、付着可能最小気泡径dが、使用した塗工液における存在可能最大気泡径eに対して、d>eの関係が成り立つ場合に気泡付着防止効果が顕著に生じることを確認できた。
次に、「付着可能最小気泡径d>存在可能最大気泡径e」の関係が気泡付着防止効果に有益である点を更に確認するため、塗工液の固型分比を変えて、粘度及び存在可能最大気泡径eを変え、同様の実験を行った。この実験に用いた塗工液の固型分比、粘度及び存在可能最大気泡径eは次の通りである。
固型分比 :15%
粘度 :2.2cps
e :3mm程度
その他の実験条件は同じ。
実験結果を表3に示す。表3の結果から明らかなように、「付着可能最小気泡径d>存在可能最大気泡径e」の関係が成り立つ場合には気泡付着が全く生じなかった。
Figure 2005199135
(4)先端平坦面Aとウェブ面の接線14のなす角度の影響確認テスト
図8(a)、(b)に示すように、先端平坦面Aとウェブ面の接線14のなす角度を変えて塗工テストを行った。その結果を表4に示す。表4より明らかなように、角度α′が5°、10°の場合(先端平坦面Aがウェブ1の進行方向に対してくさび型形状に配置された場合)にはウェブ1と先端平坦面Aとの間に気泡が滞留し、塗工スジが生じることがあるが、角度αが0°の場合(先端平坦面Aがウェブ1の接線14に平行な場合)及び角度αが5°の場合(先端平坦面1と接線14の間隔がウェブ進行方向の上流側よりも下流側で広くなっている場合)には、ウェブ1と先端平坦面Aとの間に気泡が滞留することは無かった。特に、角度α=5°の場合が、α=0°の場合よりも、気泡が吐出スリット11から吐出された後、ウェブ上に抜けていく時間が短く、気泡の付着、滞留防止効果が高いことを確認できた。
Figure 2005199135
以上の実験結果から明らかなように、逆傾斜面Bを備えた液供給ノズルにおいて、逆傾斜面Bと傾斜面Cの間に垂直面Dを設けることで、ノズル先端部への気泡付着防止を図ることができ、特に、ノズルの各部寸法を、付着可能気泡最小径dが存在可能最大気泡径eに対して、d>e の関係が成り立つようにした場合に、気泡付着防止効果が顕著であった。また、先端平坦面Aを、ウェブ面の接線14に対して平行若しくは下流側の間隔が広がるように傾斜した形状とすることにより、ウェブ1と先端平坦面Aとの間の気泡の滞留を防止できた。
なお、以上に説明した実施形態並びに実験結果に示した液供給ノズルでは、吐出スリットの両側に形成している先端平坦面Aのそれぞれに続く位置に逆傾斜面B、垂直面D、傾斜面Cを設けて気泡付着防止を図っているが、塗工スジの原因となる気泡は主として、吐出スリット11よりも、液供給ノズルに対するウェブ又はロール面の相対的な移動方向に関して下流側に付着するので、これを防止すればよく、従って、逆傾斜面B、垂直面D、傾斜面Cは必ずしも吐出スリットの両側に設けなくてもよく、少なくとも吐出スリットよりも下流側に設けておけば良い。例えば、吐出スリットの上流側では先端平坦面Aに続く位置に垂直面Dを形成し、それに続いて傾斜面Cを形成するとか、先端平坦面Aに続く位置に逆傾斜面Bを形成し、それに続いて傾斜面Cを形成するといったように、変更しても良い。
本発明の実施形態に係る液供給ノズルの先端部分を、塗工中の状態で示す概略断面図 本発明の他の実施形態に係る液供給ノズルの先端部分を、塗工中の状態で示す概略断面図 (a)、(b)は液供給ノズル先端部への気泡付着状態を説明する概略断面図 液供給ノズルの先端部の寸法の取り方を示す概略断面図 塗工テストに用いたコーティング装置の概略構成図 (a)、(b)、(c)は塗工テストに用いた液供給ノズルを示す概略断面図 塗工テストに用いた液供給ノズルを示す概略断面図 (a)、(b)は塗工テストに用いた液供給ノズルを示す概略断面図 (a)、(b)はそれぞれ、コーティング装置を示す概略構成図 塗工中に塗工スジが生じる状態を説明するコーティング装置主要部の概略斜視図 従来の液供給ノズルの1例を示す概略断面図 従来の液供給ノズルの他の例を示す概略断面図 従来の液供給ノズルの更に他の例を示すもので、(a)、(b)、(c)は気泡が付着する状態を説明する概略断面図
符号の説明
1 ウェブ
2 支持ロール
3、31 液供給ノズル
4 塗工液タンク
5 送液ポンプ
6 塗工液
7 掻き取りロール
8 コーティングロール
9、9a、9b、9c 気泡
10 塗工スジ
11 吐出スリット
13 ウェブ又はロール面
14 接線
15 塗工液
21、21A 液供給ノズル
32 エアー吸入用配管
33 バルブ
A 先端平坦面
B 逆傾斜面
C 傾斜面
D 垂直面

Claims (4)

  1. 塗工液を吐出する吐出スリットを備えた液供給ノズルであって、前記吐出スリットの吐出口の両側に形成された先端平坦面(A)と、少なくとも前記吐出スリットの片側に位置する前記先端平坦面(A)に続く位置に形成され、該先端平坦面に対して鋭角で交叉する逆傾斜面(B)と、該逆傾斜面(B)に続く位置に形成され、前記吐出スリットに対してほぼ平行な垂直面(D)と、該垂直面(D)に続く位置に形成され、該垂直面から離れるにつれて前記吐出スリットから離れるように傾斜した傾斜面(C)を有することを特徴とする液供給ノズル。
  2. 前記先端平坦面(A)、逆傾斜面(B)、垂直面(D)及び傾斜面(C)の形状、寸法を、塗布対象の表面、前記逆傾斜面(B)及び傾斜面(C)に接する円の直径によって決まる付着可能最小気泡径(d)が、塗工液によって定まる存在可能気泡最大径(e)よりも大きくなるように設定していることを特徴とする請求項1記載の液供給ノズル。
  3. 前記先端平坦面(A)と逆傾斜面(B)のなす角度θを、30°≦θ≦60°としたことを特徴とする請求項1又は2記載の液供給ノズル。
  4. 請求項1、2又は3記載の液供給ノズルにおいて、該液供給ノズルを塗布対象に対して塗布を行うための所定位置に配置した状態において、前記先端平坦面(A)が、前記塗布対象に前記吐出スリットに対向する位置で接する接線に対して、平行となるか、若しくは液供給ノズルに対する前記塗布対象の相対的な移動方向に関して下流側の間隔が広がるように傾斜した状態となるように、前記先端平坦面(A)の形状を定めていることを特徴とする液供給ノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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