JP2855032B2 - 塗布方法及び装置 - Google Patents

塗布方法及び装置

Info

Publication number
JP2855032B2
JP2855032B2 JP28104092A JP28104092A JP2855032B2 JP 2855032 B2 JP2855032 B2 JP 2855032B2 JP 28104092 A JP28104092 A JP 28104092A JP 28104092 A JP28104092 A JP 28104092A JP 2855032 B2 JP2855032 B2 JP 2855032B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
liquid
support
rod
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28104092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06106122A (ja
Inventor
章弘 鈴木
徳夫 柴田
啓司 繁定
伸輔 高橋
美喜男 都丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP28104092A priority Critical patent/JP2855032B2/ja
Publication of JPH06106122A publication Critical patent/JPH06106122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2855032B2 publication Critical patent/JP2855032B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗布方法及び装置に関
し、特に、移動中の支持体表面に付着している異物を除
去しつつ、支持体表面に向けて連続的に供給した所定の
塗布液を、支持体表面に均一な厚さをもって塗布する塗
布方法及び塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光性塗布液や磁気記録媒体の製造
工程においては、感光塗布液や磁性塗布液を塗布する以
外にも種々の塗布液を塗布することが行われている。こ
れらの塗布液は有機溶剤系の塗布液であり、例えば磁性
塗布液、またはこれらの下塗液、バック層塗布液、表面
保護・帯電防止あるいは滑性用塗布液、さらには支持体
表面の洗浄液等であり、その代表的な製品としては、各
種写真フィルム、印画紙、磁気テープの如き磁気記録媒
体等である。前記塗布液を可撓性の支持体の上に薄層塗
布する方法としては、各種ロッドコータ、ワイヤバーコ
ータ、ブレードコータ、エクストルージョンコータ等が
知られている。
【0003】上述の方法においては、例えば移動中の支
持体表面に付着している異物を除去する技術として、二
つのブレードで溶剤と共に異物を掻き落す技術(特開昭
59-150571 号公報)、溶剤で湿潤された逆回転ロッドで
異物を転着させる技術(特開昭62-60749号公報)、コイ
ルバーの前後で液を一定量供給し、前側で異物を掻き落
し、後側で、湿潤膜を保持する技術(特公平3-61509 号
公報)、さらにはメタリング部材の前後でほぼ同一組成
の液を塗布し、前側で異物を掻き落し、後側で湿潤膜を
維持する技術(特開昭58-205561 号公報)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の特
開昭59-150571 号公報および特開昭62-60749号公報に開
示された異物除去方法及び装置では、効果的に支持体表
面に付着した異物を除去することはできるが、異物を除
去するだけであって、塗布液を必要な厚みに塗布するこ
とはできないものであった。一方特公平3-61509 号公報
に示された技術では、必要な塗布液をコイルバーの後側
で必要な厚みに塗布することができるが、メタリング以
前に支持体表面及び塗布液内に異物が付着混入した場
合、コイルバーの溝にトラップされスジ等の発生原因と
なる。したがって、支持体の異物除去を別な場所で確実
に行わなければならず、その為の設備が増加してしま
う。又、この技術においては、流れ落ちる塗布液を正確
にコントロールすることは極めて困難であるために、塗
膜の厚み(塗布量)を正確にすることは極めて困難であ
った。
【0005】また、特開昭58-205561 号公報に開示され
た塗布方法及び装置では、上流側スリットのエッジ上が
プレコート液により液封されるため、塗布層へのエア同
伴が遮断され、高速での薄層塗布を実現することができ
る。しかし、下流側スリットのエッジと支持体との間が
加圧状態となり、塗布層がスムージングされるため、支
持体の幅方向不均一がある場合には、塗布膜厚みも幅方
向に不均一なものとなる。さらに、支持体上やプレコー
ト塗布液あるいは塗布層塗布液中に異物が混入していた
場合、下流側スリットのエッジ上にトラップされやす
く、それによりスジが発生しやすい。
【0006】本発明の目的は、上記のごとき従来の塗布
方法及び装置における問題点を解消すべくなされたもの
であり、支持体表面に付着している異物を効果的に除去
しつつ、塗布液を必要な厚みに塗布する際にスジ発生や
支持体の幅方向不均一による幅方向塗膜厚み変動を抑え
て、安定して塗布する塗布方法及び装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、連
続的に走行する支持体上にプレコート液を塗設した後、
該プレコート液を塗設した側に該プレコート液とほぼ同
質の下塗層あるいは記録層を層設する塗布方法におい
て、前記支持体に接触しかつ該支持体走行方向に対して
対向する方向に回転するロッドにより前記プレコート液
を支持体進入側に掻き落とすとともに、前記ロッド下流
側で該ロッドに沿って前記下塗層あるいは前記記録層を
供給しつつ非加圧状態にて塗布する塗布方法により達成
することができる。
【0008】また、同様の目的は、連続的に走行する支
持体上にプレコート液を塗設した後、該プレコート液を
塗設した側に該プレコート液とほぼ同質の下塗層あるい
は記録層を層設する塗布装置において、前記支持体に所
定ラップ角を持って接触し、支持体走行方向に対して逆
方向に回転するロッドが設けられ、かつ少なくとも前記
ロッドを回転可能に支えるホルダーブロック及び該ホル
ダーブロックの下流側のブロックにより該ロッド背面側
に前記下塗層或は前記記録層を形成するための給液用の
スリットが形成され、かつ該スリットにおける下流側ブ
ロックのエッジ先端部が前記ロッドの上端部よりも段差
を持って反支持体側に後退しており、前記下塗層或は前
記記録層を非加圧状態で塗布するように構成されたこと
を特徴とする塗布装置によって達成される。
【0009】
【実施態様】以下、本発明の一実施態様について説明す
る。図1に示す塗布装置30は、プラスチックフィルム
等の可撓性の支持体1の走行方向に逆方向(反時計回り
方向)に回転しながら該支持体1に接触するロッド2
と、該ロッド2を回転可能に支えるホルダーブロック3
並びに該ブロック3との間にスリット5を形成する下流
側ブロック6が設けられている。そして、前記下流側ブ
ロック6のエッジ先端部7は前記ロッド2の上端部より
も段差tを持って反支持体側(図中下方側)に後退して
おり、例えば下塗層あるいは記録層を形成すべく前記ス
リット5から吐出された塗布液12を非加圧状態で塗布
し易いように構成されている。
【0010】前記ロッド2の径は0.5mmφ〜6mm
φの範囲に構成するのが適当であり、又、その材質はス
テンレススチール,鉄材,真鍮などの母材に表面硬質化
処理を施したものや超硬合金やセラミックスを用い、且
つその面長は支持体の全幅よりも大きく設定されてい
る。さらに前記ロッド2の回転数は正確には、後述する
ように前記ロッド2の外周面と前記支持体1の表面との
間隔ho 等を鑑みて設定することができるが、その範囲
は例えば逆方向に20〜200r.p.mの範囲に設定
することができる。また、前記スリット5のクリアラン
スは塗布する液の種類によって決めることが出るが、
0.05mm〜1.0mm程度とすることができる。前
記下流側ブロック6は前記ロッド2との後方側まで延び
た構成であって前記スリット5から供給された前記塗布
液12を前記支持体1まで導く構造でり、また、前記
エッジ先端部7と前記ロッド2の上端部との前記段差t
は、0.02〜2mmの範囲に設定することができる。
【0011】連続的に走行する前記支持体1上に別の適
宜塗布装置(図示せず)によって塗布されたプレコート
液11は、前記ロッド2の逆回転作用によって大部分が
掻き落とされる。この結果、支持体表面に付着していた
異物は掻き落とされた前記プレコート液11とともに除
去される。なお、前記ホルダーブロック3の前側壁9を
伝って流れ落ちた前記プレコート液11は、図示しない
回収手段により回収され、濾過されて再び塗布装置側へ
供給される。送液系は、前記プレコート液11や前記塗
布液12の性質に応じた公知の技術を用いることができ
る。特に、前記塗布液12が磁性塗布液の場合には、一
般的には高い凝集性を持っており、したがって、凝集を
しない程度の剪断を与えることが好ましい。具体的に
は、例えば特願昭63-63601号、特開昭62-95174号公報な
どに示された送液系を用いることができる。
【0012】なお、本発明における支持体としては、一
般に巾が数cm及至数m、長さが数10m以上、厚さが
数μm及至数100μmのポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロース
ダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロー
スプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、等の
プラスチックフィルム;紙にポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10の
α−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙;ア
ルミニウム、銅、錫等の金属箔からなる可撓性帯状物、
あるいは該帯状物を基材としてその表面に予備的な加工
層を形成せしめてある帯状物が含まれる。
【0013】本発明における前記プレコート液11並び
に前記塗布液12としては水系及び有機溶剤系のどちら
も適用可能であるが、有機溶剤系としては、例えばメチ
ルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サノン等を主成分として、必要に応じて界面活性剤や異
物の溶解能を持つ物質を添加し、物理的剥離作用に化学
的な異物除去作用を加えて洗浄効果を助長することもで
きる。又、前記プレコート液11および前記塗布液12
の粘度は、異物除去精度を向上するためには20cp以
下が良く、さらに望ましくは10cp以下がよい。
【0014】前記プレコート液11及び前記塗布液12
が例えばメチルエチルケトン等を主体とした上記の如く
低粘度の液の場合には実質的にニュートン流体に近いも
のとして取り扱うことができる。しかし、前記塗布液1
2が下塗液や磁性塗布液の場合には、例えばバインダー
や磁性粒子等を含有した非ニュートン流体となるが、こ
の非ニュートン流体の場合にも、特に、塗布点において
実質的に20cp以下の粘度であれば前記有機溶剤の場
合と同様に取り扱うことができる。なお、ここにおいて
言う塗布点とは、前記ロッド2の直後の部分(スリット
5から吐出された液が支持体に塗着されるスリット開口
部の上方部分)を指すものである。
【0015】非ニュートン流体の場合の塗布において
は、例えば前記塗布液12を塗布するときに、前記塗布
点での実質的な粘度を低くするために該塗布液12に剪
断力を加えればよいが、該塗布点において剪断力を加え
ることは塗布液圧が高くなるために好ましくない。前記
塗布液12の前記支持体に対する塗布点の塗布液圧Pを
0.25 kgw/cm 2 以下にすることが好ましい。したがっ
て、前記塗布点よりも前の所において剪断履歴を加える
ことにより塗着時の実質粘度を低くすることができ、例
えば塗布装置の直前の送液系において適宜剪断力を加え
たり、あるいは塗布装置の液溜内、更には前記スリット
5を出口側(図中において上方側)に向かってスリット
クリアランスを小さくするようなテーパ構造のスリット
とすることにより、前記塗布液12の実質粘度を低下さ
せることができる。また、前記支持体1と前記下流側ブ
ロック6のエッジ先端部7との間隔( 距離t0 ) を0.0
1 mmから2.0mm の範囲にすることにより、エッジ先端部
7により塗布液の加圧がない状態で前記塗布液12を良
好に塗布することができる。
【0016】上述の異物の除去ならびに塗布作用につい
てさらに詳しく述べる。前記ロッド2の前方において連
続的に供給された前記プレコート液11により前記支持
体1の塗布面が濡らされて、該支持体1に付着していた
異物はプレコート液11内に浮き上がり該ロッドにより
ロッド前方側(上流側)に掻き落とされるが、この際、
実際には前記ロッド2の外周面と前記支持体1の表面と
の間に前記プレコート液11の一部が進入して僅かな間
隙が形成される。すなわち、前記プレコート液11内に
浮き上がった異物は、この間隙を通過することができ
ず、供給された液の過剰分と共に前記ロッド2の回転の
作用も加わりロッド外周面を伝わり、この掻き落とし部
分にトラップされることなく、完全に掻き落とされ除去
される。さらに、間隙を通過した液は支持体表面を濡ら
しているので、前記ロッド2の後側(下流側)にて連続
塗布される前記塗布液12の塗り付け性を向上させるこ
とができる。又、前記ロッド2の回転力は、前記塗布液
12が前記スリット5から吐出されるときの該塗布液1
2の移動方向に順じた力として作用し、該塗布液12の
塗着をさらに円滑にできるものと推定される。
【0017】ここで、前記ロッド2による異物除去効果
を向上させるには、この間隙を減少させることを指向す
ればよい。この間隙は、ロッド径、回転数、ラップ角
度、支持体走行速度、液粘度、支持体張力、支持体剛性
により制御することができ、基本的には下式によって表
すことができる。 ho =KR・(6μU/T)2/3 ただし、ho :ロッドの外周面と支持体表面との間隙、 μ:プレコート液の液粘度、 U:ロッドの外周面と支持体表面との相対速度、 T:支持体張力 K:ラップ角度、支持体剛性等により決まる定数、 R:ロッド半径 つまり、異物除去効果を向上させるべく前記間隙を減少
させるためには、ロッド細径化、相対速度を小さく、支
持体張力を大きくすればよいことがわかる。この間隙よ
りも大きな支持体塗布面の付着物は、この間隙を通過す
ることができないため、前述したように完全に掻き落と
され除去される。ここで、本態様の方法においては、こ
の間隙よりも小さな支持体塗布面の異物(付着物)も、
ロッドの前方で支持体の塗布面が濡らされるために、前
記プレコート液11中に浮き上がるか、又は支持体表面
への付着力が弱まり、更に液が間隙を通過するときの剪
断力の作用により、相当小さいものでも掻き落とされ除
去される。
【0018】このように異物や付着物を掻き落としたの
に引き続いて、前記ロッド2の後側において前記塗布液
12を塗布することができることにより、前記塗布液1
2の塗布は単にクリーンな支持体表面に塗布できるだけ
でなく、前記プレコート液11により液封された状態で
あり、かつ非加圧状態にて行うことができる。したがっ
て、濡れた面への塗布となるので前記塗布液12の塗り
付けが円滑にでき、非加圧状態によって該塗布液12の
挙動が安定して良好な塗布ができ、さらに、従来のよう
な異物トラップによるスジと塗布膜厚み変動の発生を抑
えることができ、良好塗布をすることができる。
【0019】前記実施態様においては、前記プレコート
液11は前記塗布装置30の上流側で、別の塗布ヘッド
によって塗布したが、本発明はロッドが配置された領域
にプレコート液を供給する別のスリットから液を供給し
て塗布するように構成してもよい。この構成について
は、図2に示す。図2に示す塗布装置40は、図1に示
したホルダーブロック3よりも前方側に上流側ブロック
10を設けてスリット13を形成した構造である。そし
て、前記スリット13からプレコート液11を前記ロッ
ド2の前方に吐出する。吐出された前記プレコート液1
1は前記ロッド2と前記支持体1との接触領域において
適宜ビードを形成しながら前記上流側ブロック10の外
壁14を伝わって落下する。作用効果に関しては前記実
施態様と同様である。
【0020】なお、前記上流側ブロック10の先端部8
は後方のエッジ先端部7と同様に前記ロッド2の上端部
分とは適当な段差t1 を有しつつも、前記支持体1にか
なり接近できるように張り出しており、前記プレコート
液11の塗着を容易にしている。そして、前記段差t1
は例えば0.02〜2mm程度に設定することができ、
また、前記スリット13のクリアランスは0.05〜1
mm程度に設定するこができるが、液粘度や供給流量に
よって適切な条件を選べば良く、これには限らない。
【0021】前記塗布液12としては、写真感光乳剤塗
布液、磁性塗布液、下塗り液、保護層塗布液、潤滑層塗
布液、バック層塗布液、接着剤層塗布液、着色層塗布
液、防錆層塗布液など、その用途に応じて種々の液組成
のものが含まれる。前記プレコート液11は、前記実施
態様においては、主に異物除去の洗浄を目的とした洗浄
液や下塗り液や潤滑層塗布液などが好ましいが、本発明
におけるプレコート液はこれには限らない。
【0022】本発明の塗布方法における前記塗布液12
が最終的な塗布液(例えば磁気記録媒体を製造するとき
の磁性液)でない場合には、さらに、グラビアコータ、
ロールコータ、ブレードコータ、エクストルージョンコ
ータなどの一般的に用いられている公知の塗布装置ある
いは本発明の前記塗布装置30、40を用いて、前記塗
布液12の上に最終的な塗布液を塗布することができ
る。本発明が対象とする塗布液の層構成としては、例え
ば磁気記録媒体においては、磁性層のみの場合と、磁性
層が重層構造になっているものと、磁性層と非磁性層の
組み合わせで少なくとも磁性層を一層含む構成になって
いるものを含む。磁気記録媒体以外においても、同様に
公知の層構成が可能である。本発明における前記プレコ
ート液と同系の塗布液としては、該プレコート液が水性
の場合は水性有機溶剤系のものであれば有機溶剤系であ
ることを意味し、磁気記録媒体の製造においては磁性塗
布液の下塗液やバック層塗布液、表面処理液等の20c
p程度以下の比較的低粘度塗布液又は磁性塗布液を含
む。
【0023】
【発明の効果】以上のべたように、本発明の塗布方法及
び装置は、ホルダーブロック上にロッドを支持体走行方
向と反対方向に回転可能に支承し、支持体をラップ角を
持ってロッドに接するように連続的に走行させ、該ロッ
ドの支持体走行方向下流側壁に沿ってスリットを設け、
プレコート液を前記ロッドにて掻き落とし該プレコート
液により液封しつつこの液封状態下のロッド下流側にお
いて前記スリットから吐出供給された塗布液が下流側ブ
ロックのエッジの先端部分にて押圧されることなく非加
圧状態で塗布できるものである。したがって、回転する
前記ロッドによって大部分のプレコート液とともに支持
体に付着していた異物を効果的に掻き落とすことがで
き、合わせて前記ロッドを通過したプレコート液により
支持体表面が濡らされ且つ液封されているので、ロッド
後方側での前記塗布液の塗り付け性が向上するとともに
非加圧状態で塗布液の挙動を安定にでき高速塗布性も格
段によくなる。このように、本発明によれば、支持体の
表面に異物が付着していたり幅方向不均一がある場合で
も、支持体表面に付着している異物を効果的に除去しつ
つ、塗布液を必要な厚みに塗布するので、スジ発生や支
持体の幅方向不均一による幅方向塗膜厚み変動を抑え
て、安定して塗布することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の効果を実施例を用いて更に明
らかにすることが出来る。 (実施例−1)本実施例においては、非磁性の支持体と
して 材質:ポリエチレンテレフタレートフィルム 厚さ:15μm 幅 :500mm のものを使用し、その張力は 張力:10kg/全幅 とし、塗布速度:600m/分とした。 また、本実施例における塗布装置により塗布する塗布液
並びにプレコート液としてメチルエチルケトンを用い
た。なお、このメチルエチルケトンの粘度は0.4cpで
ある。塗布厚みは4 μmとした。
【0025】なお、塗布装置としては、図1及び図2に
示す塗布装置を使用し、そして、その装置の諸寸法およ
び設定値は、下記に示す。ロッド(2)の直径を1m
m、ロッド逆回転の回転数を100rpm、ラップ角度α=20
°、両スリット(11,12)のクリアランスを共に
0.2mm、ロッド前側のエッジ先端部とロッドとの段
差(t1 )を0.3mm、ロッド後側のエッジ先端部と
ロッドとの段差(t)を0.1mmとした。又、図1の
場合の塗布装置においてはプレコート液は図示しない塗
布装置により塗布した。図1及び図2に示す塗布装置に
て塗布液を塗布した後に、引き続いて磁性塗布液を塗布
した。ここで用いた磁性塗布液は、下記表1に示す組成
の各成分をボールミルに入れて十分に混合分散させた
後、エポキシ樹脂(エポキシ当量500)を30重量部
加えて均一に混合分散させて磁性分散液としたもので、
ロトビスコ粘度計にて粘度を測定したところ、各剪断速
度において、チキソトロピックな粘度特性を示した。
【0026】
【表1】
【0027】また、比較例として特公平3-61509 号公報
に示されたコイルバーを用いた装置(図3及び図4)を
使用した。なお、その諸寸法および設定は、コイルバー
(22)の直径3mm、コイル(21)の径0.1m
m、コイルバーの逆回転回転数100rpm、ラップ角
度β=20°、ロッド前後のスリット(24,25)の
クリアランス0.3mm、ロッド上面と上流側エッジ先
端部との段差(26b)を0.6mm、ロッド上面と下
流側エッジ先端部との段差(26a)を1.5mmとし
た。また、本比較例においては塗布速度は200 m/分で
前記実施例に比べて低速度である。他の条件は前記実施
例と同じにした。
【0028】前記プレコート液および前記塗布液を実施
例及び比較例の塗布装置を用いて塗布した直後に、特開
昭63-20069号公報記載の塗布装置(図5)にて磁性塗布
液Fを塗布乾燥させて、その面性を評価した。なお、図
5に示した塗布装置50はフロントエッジの厚みW1 は0.
6 mm、R は2.0mm 、バックエッジの厚みW 2も1.0
mmとし、スリットの間隙L1 は0.7mm,L0 は0.
2 mm、バックエッジ先端部分の角度θは55°とし
た。そして、塗布後の評価を行った結果、図1に示した
塗布装置及び図2に示した塗布装置を用いた実施例にお
いては、ともに塗布長10,000mにスジ発生は皆無
であり良好を塗布面性がえられた。これに比べて比較例
では塗布速度が遅いだけでなく、塗布長が10,000
mに対し途中からスジが発生し始め、3本のスジが発生
した。
【0029】(実施例−2)図1および図2に示す塗布
装置30、40を使用して前記プレコート液並びに前記
塗布液の塗布液圧Pおよび前記段差tの臨界値を測定し
た(図1に示した装置ではプレコート液は他の塗布装置
により予め塗布)。なお、塗布液圧Pの値は下流側ブロ
ックを図中における上下方向に移動させて調整した。ま
た、塗膜の厚み変動値は、 (支持体幅方向厚み変動最大値/厚み平均)×100
(%) とし、この値が8%以下の場合を○印、8%〜12%の
範囲を△印、12%以上の場合を×印として評価した。
塗布液12の塗布厚みは5〜30cc/m2 とした。塗
布速度は100〜600m/分とした。他の条件は実施
例1と同じとした。そして、目視によってスジの発生状
況を評価した。図1に示す塗布装置30を使用した場合
の結果を表2及び表に3に示し、図2に示す塗布装置4
0を使用した場合を表4及び表5に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】表2乃至表5から判るように、塗布液圧P
は0.25kgw/c m2 以下、0.01 mm から2.0mm の範囲
にして塗布することにより良好の塗布ができた。
【0035】(実施例−3)図1および図2に示す塗布
装置30、40を使用したときの、前記プレコート液並
びに前記塗布液の粘度の適正値について測定した。測定
条件は実施例1に準じるものであり、プレコート液及び
塗布液の粘度調節は、メチルエチルケトンを主体にてバ
インダーの量を調整することにより調節した。又、目視
によってスジの発生状況を評価した。なお、表中の○印
はスジの発生がなく極めて良好な塗布、△印は多少のス
ジの発生はあったが実用的には可の状態、×印はスジが
多発した状態を表わす。図1に示す塗布装置30を使用
した場合の結果を表6に、図2に示す塗布装置40を使
用した場合を表7に示す。
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】表6及び表7から判るように、プレコート
液及び塗布液の粘度は共に20cp以下のときに良好な
塗布ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様における塗布装置の要部の
概略断面図である。
【図2】本発明の他の実施態様における塗布装置の要部
の概略断面図である。
【図3】従来の塗布装置の概略図である。
【図4】図3に示した装置に使用されるコイルバーの概
略図である。
【図5】本発明の実施例において磁性塗布液を塗布する
のに使用した塗布装置の側面図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 ロッド 3 ホルダーブロック 5 塗布液用のスリット 6 下流側ブロック 7 エッジ先端部 9 ホルダーブロックの外側壁 10 上流側ブロック 11 プレコート液 12 塗布液 13 プレコート液用のスリット 14 外壁 21 コイル 22 コイルバー 23 ホルダーブロック 24,25 スリット α,β ラップ角度 26a 後段差 26b 前段差 t ロッド上端部と下流側ブロックのエッジ先端部との
段差 t0 支持体と下流側ブロックのエッジ先端部との距離 t1 ロッド上端部と上流側ブロックのエッジ先端部と
の段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 伸輔 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 都丸 美喜男 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−22543(JP,A) 特開 平5−177159(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/00 - 5/04 B05C 7/00 - 21/00 B05D 1/00 - 7/26 G11B 5/842

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に走行する支持体上にプレコート
    液を塗設した後、該プレコート液を塗設した側に該プレ
    コート液とほぼ同質の下塗層あるいは記録層を層設する
    塗布方法において、前記支持体に接触しかつ該支持体走
    行方向に対して対向する方向に回転するロッドにより前
    記プレコート液を支持体進入側に掻き落とすとともに、
    前記ロッド下流側で該ロッドに沿って前記下塗層あるい
    は前記記録層を供給しつつ非加圧状態にて塗布する塗布
    方法。
  2. 【請求項2】 連続的に走行する支持体上にプレコート
    液を塗設した後、該プレコート液を塗設した側に該プレ
    コート液とほぼ同質の下塗層あるいは記録層を層設する
    塗布装置において、前記支持体に所定ラップ角を持って
    接触し、支持体走行方向に対して逆方向に回転するロッ
    ドが設けられ、かつ少なくとも前記ロッドを回転可能に
    支えるホルダーブロック及び該ホルダーブロックの下流
    側のブロックにより該ロッド背面側に前記下塗層或は前
    記記録層を形成するための給液用のスリットが形成さ
    れ、かつ該スリットにおける下流側ブロックのエッジ先
    端部が前記ロッドの上端部よりも段差を持って反支持体
    側に後退しており、前記下塗層或は前記記録層を非加圧
    状態で塗布するように構成されたことを特徴とする塗布
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の塗布方法において、前記プレ
    コート液が有機溶剤系の液を主体とする液で、その粘度
    を20cp以下とする塗布方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項3に記載の塗布方法
    において、前記下塗層若しくは前記記録層の塗布時の実
    質粘度を20cp以下とする塗布方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項3又は請求項4に記載
    の塗布方法において、前記下塗層若しくは前記記録層の
    前記支持体に対する塗布点の塗布液圧Pを0.25 kgw/cm
    2 以下にすると共に、前記支持体と前記下流側のブロッ
    クのエッジ先端部との間隔を0.01 mm から2.0mm の範囲
    にして塗布する塗布方法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の塗布装置において、前
    記ホルダーブロックと該ブロックの上流側のブロックと
    により、前記プレコート液を塗設するための給液用のス
    リットが形成された塗布装置。
JP28104092A 1992-09-28 1992-09-28 塗布方法及び装置 Expired - Fee Related JP2855032B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28104092A JP2855032B2 (ja) 1992-09-28 1992-09-28 塗布方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28104092A JP2855032B2 (ja) 1992-09-28 1992-09-28 塗布方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06106122A JPH06106122A (ja) 1994-04-19
JP2855032B2 true JP2855032B2 (ja) 1999-02-10

Family

ID=17633463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28104092A Expired - Fee Related JP2855032B2 (ja) 1992-09-28 1992-09-28 塗布方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2855032B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592931B2 (en) 1998-10-27 2003-07-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Coating method

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06106122A (ja) 1994-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5306523A (en) Method of applying organic solvent-based coating solution
JP2581975B2 (ja) 塗布装置
JPS6320069A (ja) 塗布装置
JPH0361509B2 (ja)
JPH058065B2 (ja)
JPH0146186B2 (ja)
JP3224113B2 (ja) 塗布方法
JP3122568B2 (ja) 塗布装置
JP3343153B2 (ja) 塗布方法
JP4046808B2 (ja) ベースフィルムの除塵方法及び装置
JPH03131364A (ja) 塗布装置及び方法
JP2855032B2 (ja) 塗布方法及び装置
JP2520769B2 (ja) カ―テン塗布方法及び装置
JP3357140B2 (ja) 塗布方法
JP3161569B2 (ja) 塗布方法
JP4743482B2 (ja) 塗布液の塗布方法、および塗布装置
JP3340768B2 (ja) 押出し塗布方法およびその装置
JP4319364B2 (ja) 塗布装置および塗布方法
JPH0418912B2 (ja)
JP2655366B2 (ja) 塗布方法
JP2753851B2 (ja) 塗布装置
JPS62132566A (ja) 塗布方法
JPH02164476A (ja) 塗布方法及び装置
JP2822291B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2001259501A (ja) 塗布方法及び塗布装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071120

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071120

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081120

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees