JP5380219B2 - ボイラ伝熱管のメタル温度推定方法ならびに寿命推定方法 - Google Patents

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本発明は、例えば火力発電用ボイラ装置やゴミ焼却用ボイラ装置などの高温部伝熱管のメタル温度推定方法ならびに寿命推定方法に関するものである。
図1は火力発電用ボイラ装置の概略構成図である。同図に示すように、ボイラ本体1の下部側には多数のバーナ2が設置され、またバーナ2の燃焼によって生成される燃焼ガスが流通する煙道内3には過熱器4や再熱器5などの各種熱交換器が設置されている。これら過熱器4や再熱器5などの熱交換器は、多数本の伝熱管を所定のピッチで垂直方向に配置して構成した図示しない伝熱パネルの組み合わせから構成されている。
図2は、過熱器伝熱管の拡大横断面図である。
前記過熱器4や再熱器5は高温・高圧の水蒸気を発生させる熱交換器であり、それを構成する伝熱管6の内側には過熱蒸気9(図3参照)が流通する関係上、伝熱管6の内面には水蒸気酸化スケール7が生成、堆積し、一方、伝熱管6の外面には高温酸化スケール8が生成、堆積する。
前記水蒸気酸化スケール7は、酸化スケール中の酸素又は金属成分(Fe,Crなど)の拡散がスケール成長の律則になるため、温度が一定の場合、水蒸気酸化スケール7の成長は時間に対して放物線則に従う。このため過熱器4や再熱器5で多用されている伝熱管材料の腐食しろは、温度条件に応じて試算し、初期肉厚設定に反映されていた。
しかしながら、図2から明らかなように、同じ伝熱管6でも、熱負荷の影響により燃焼ガス流れ方向上流側の方が、燃焼ガス流れ方向下流側よりも、伝熱管6の内面に生成する水蒸気酸化スケール7の厚さが厚い。このように水蒸気酸化スケール7が厚く生成すると、燃焼ガス流れ方向下流側の伝熱管6に比べて伝熱管6のメタル温度が上昇し、加速酸化減肉およびクリープ損傷を引き起こす場合がある。
図3は、高温酸化スケール8ならびに水蒸気酸化スケール7の生成によるメタル温度の変化を示すモデル図である。図中の符号10はスケール生成前の温度分布(点線)、符号11はスケール生成後の温度分布(実線)である。
酸化スケールの熱伝導率は管材の熱伝導率の約1/20〜1/50で、非常に低い値であるため、特に熱負荷が高い燃焼ガス流れ方向上流側伝熱管6のメタル温度は、スケール上での点線と実線の温度差から明らかなように、酸化スケールによる熱伝阻害で上昇する。そしてこのメタル温度の上昇とスケール成長加速が繰り返されることにより、内圧応力が高まり、クリープ損傷が加速し、設計段階で想定されたクリープ寿命よりも早期に寿命に達し、最終的にはクリープ噴破することがある。
従って、熱負荷が高い伝熱管の材料選定や腐食しろの試算は、酸化スケール生成によるメタル温度上昇を考慮した寿命診断に基づいて行なう必要があり、そのためには実際に設置されている伝熱管のメタル温度を高精度に推定する必要がある。
特開2004−116810号公報 特開2006−300601号公報 特開2003−344261号公報
前記課題を解決するため、運転中の伝熱管メタル温度を推定する方法として以下に示すような提案がなされている。
特許文献1(特開2004−116810号公報)では、伝熱管パネルの異なるメタル温度を簡便かつ低コストで検知する方法が提案されているが、排熱回収ボイラ装置の吊り下げ伝熱管という特定装置、部位を対象としており、そのために汎用性がない。
また特許文献2(特開2006−300601号公報)では、使用後の鋼材に析出した析出物質の含有率変化を利用して、使用温度を推定する方法が提案されている。しかし、析出物質の含有率を測定するために、析出物質のみをICP発光分析およびX線回折分析により同定および定量する必要があり、そのために操作が煩雑である。
さらに特許文献3(特開2003−344261号公報)では、フェライト系耐熱鋼の時効による硬さの変化を利用した温度の推定方法が提案されている。しかしこの方法は、温度、時間とともに硬さが単調に低下するフェライト系耐熱鋼のみに適用可能であり、従って伝熱管の材質に制限があり、汎用性がない。
このように熱負荷が高いボイラ伝熱管のメタル温度および寿命診断を簡便に推定する有効な手段がないのが現状である。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、簡便で、汎用性があり、しかも実際に設置されている伝熱管のメタル温度を高精度に推定することのできるボイラ伝熱管のメタル温度推定方法ならびにそれに基づく寿命推定方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、燃焼ガス流れ方向の上流側と下流側伝熱管のメタル温度を推定する方法において、
伝熱管のメタル温度とボイラ運転時間と伝熱管の内面あるいは外面に形成される酸化スケールの厚さとの関係式を予め求めておき、
前記ガス下流側伝熱管の前記酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から、前記関係式を用いて当該ガス下流側伝熱管のメタル温度を推定し、
その推定したメタル温度を、前記ガス上流側伝熱管の初期メタル温度として、その初期メタル温度と当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から前記関係式を用いて、当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールによるメタル温度上昇を求めて、当該ガス上流側伝熱管のメタル温度を推定することを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記酸化スケールが伝熱管の内面に生成した水蒸気酸化スケールであることを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は、燃焼ガス流れ方向の上流側と下流側伝熱管の寿命を推定する方法において、
伝熱管のメタル温度とボイラ運転時間と伝熱管の内面あるいは外面に形成される酸化スケールの厚さとの関係式を予め求めておき、
前記ガス下流側伝熱管の前記酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から、前記関係式を用いて当該ガス下流側伝熱管のメタル温度を推定し、
その推定したメタル温度を、前記ガス上流側伝熱管の初期メタル温度として、その初期メタル温度と当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から前記関係式を用いて、当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールによるメタル温度上昇を求めて、当該ガス上流側伝熱管のメタル温度を推定し、
予め求めておいた伝熱管のメタル温度とクリープ破断時間と応力との関係式を用いて、前記推定したガス上流側伝熱管のメタル温度と応力と実測ボイラ運転時間から、当該ガス上流側伝熱管のクリープ寿命を推定することを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、前記酸化スケールが伝熱管の内面に生成した水蒸気酸化スケールであることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、簡便で、汎用性があり、しかも実際に設置されている伝熱管のメタル温度を高精度に推定することのできるボイラ伝熱管のメタル温度推定方法ならびにそれに基づく寿命推定方法を提供することができる。
火力発電用ボイラ装置の概略構成図である。 過熱器伝熱管の拡大横断面図である。 高温酸化スケールならびに水蒸気酸化スケールの生成による伝熱管メタル温度の変化を示すモデル図である。 本発明の実施例において、内面酸化スケールの厚さとボイラ運転時間からメタル温度を推定するための特性図である。 本発明の実施例において、内面酸化スケール厚さとメタル温度から等価時間を算出して、スケール成長を予測する考え方を説明するための図である。 本発明の実施例において、前記等価時間からスケールの成長を予測する計算を時間ステップ毎に繰り返して行い、その計算結果を纏めた図である。 本発明の実施例において、ボイラ運転時間から伝熱管のメタル温度を推定するための特性図である。 本発明の実施例において、推定したメタル温度および水蒸気酸化スケール厚さと伝熱管の寸法ならびに伝熱管の内圧から求めたボイラ運転時間と伝熱管のクリープ損傷率との関係を示す特性図である。 本発明の実施例において、UTスケール厚さ測定装置を用いた伝熱管のメタル温度および寿命推定システムを説明するための概略構成図である。
次に本発明の実施例について式および図面を用いて詳細に説明する。
本発明の実施例では、過熱器用あるいは再熱器用伝熱管の材質としてSTBA24のフェライト系低合金鋼(Cr−Mo鋼)を使用し、ボイラ運転時間が50,000時間、ガス上流側伝熱管の水蒸気酸化スケール測定厚さが0.8mm、ガス下流側伝熱管の水蒸気酸化スケール測定厚さが0.5mmである場合を例にとって説明する。
まず、熱負荷が低いガス下流側伝熱管のメタル温度を推定する。
熱負荷が低い場合、水蒸気酸化スケール生成による温度上昇の影響がほとんどないため、メタル温度は一定とみなすことができる。この場合、水蒸気酸化スケールの成長は、酸化スケール中の酸素又は金属成分(Fe,Crなど)の拡散が水蒸気酸化スケール成長の律則になるため、水蒸気酸化スケールの厚さは下記の(1)式に示すように時間に対して放物線則に従う。
Y=√(Kp×t)・・・・(1)
ここでYは酸化スケールの厚さ(μm)、Kpは放物線則速度定数、tは時間(時間)である。また放物線則速度定数Kpの対数は下記の(2)式で表される。
log(Kp)=a/T+b・・・・(2)
ここでTは温度(K)、a,bは定数である。この定数a,bは、鋼種毎に実験データに基づいて算出され、データベース化されている。
ここで、前記STBA24(Cr−Mo鋼)のa値を21、b値を−1.7×104とすると、図4に示すように伝熱管の内面に形成される水蒸気酸化スケールの厚さはメタル温度とボイラ運転時間で決定される。図中の曲線Aはメタル温度が580℃、曲線Bはメタル温度が560℃、曲線Cはメタル温度が540℃、曲線Dはメタル温度が520℃の場合の特性曲線である。図中の△印で示したように本実施例の場合はボイラ運転時間が50,000時間であるため、前述のように0.5mmのスケール厚さとなるメタル温度は560℃と推定される。
この図の特性曲線A,B,C,D・・・のように、伝熱管のメタル温度とボイラ運転時間と伝熱管の内面に形成される水蒸気酸化スケールの厚さとの関係は予め求められて、式化あるいはテーブル化されている。
次に、熱負荷が高いガス上流側伝熱管のメタル温度を推定する。
水蒸気酸化スケールが生成していないボイラ運転初期段階のガス上流側部分のメタル温度は、熱負荷による温度上昇は発生しないため、ガス下流側伝熱管のメタル温度(前述のように本実施例では560℃)とみなすことができる。まず、この初期メタル温度を用いて、熱負荷および水蒸気酸化スケールによって発生するメタル温度上昇を以下の方法で推定する。
ボイラ運転初期のメタル温度を560℃とし、時間ステップ毎にスケール厚さと温度上昇から決まるメタル温度を求め、その温度でのスケールの成長を計算する。スケールの成長は前記(1),(2)式で求まる各温度でのスケール成長カーブ(特性曲線)を用いて予測するが、メタル温度が刻々と変化する場合、時間ステップ毎にスケール厚さとメタル温度から等価時間を算出して、スケール成長を予測する必要がある。
図5を用いてその考え方を説明する。同図の横軸は時間、縦軸は内面酸化スケールの厚さをとっている。同図においてメタル温度が温度T1から温度T2に変化する場合、時間t1でのスケール厚さと等しくなる等価時間(t2)を計算し、その時間からスケールの成長を予測する。この計算を予め決められた時間ステップ(本実施例では4000時間)毎に繰り返して計算し、その計算結果を纏めたのが図6である。
図中の曲線Eは温度上昇60℃/mm、曲線Fは温度上昇40℃/mm、曲線Gは温度上昇20℃/mm、曲線Hは温度上昇0℃/mmの特性曲線である。この特性図を基に、運転時間50,000時間でスケール厚さが0.8mmとなる温度上昇は曲線Fの40℃/mmであると推定される。このように温度上昇が分かれば、スケール厚さの変化より、下記の(3)式から図7に示すようにガス上流側伝熱管のメタル温度を推定することができる。
Tm=Tf+Ys×ΔT・・・・(3)
ここでTmはガス上流側伝熱管のメタル温度(℃)、Tfはボイラ運転初期のメタル温度(℃)、Ysはスケール厚さ(mm)、ΔTは水蒸気酸化スケールの付着による温度上昇(℃/mm)である。
次に、推定したガス上流側伝熱管のメタル温度及びスケールの厚さから、クリープ寿命を推定する。クリープ損傷による破断時間(tr)は温度・時間パラメータである下記の(4)式に示すLMP(ラーソンミラーパラメータ)で整理でき、またLMPは下記の(5)式に示す応力(MPa)の関数で近似される。
LMP=T×〔log(tr)+C〕・・・・(4)
ここでTはメタル絶対温度(K)、trはクリープ破断時間(時間)、Cは定数である。
LMP=A+A×logσ+A×(logσ)2+A×(logσ)3・・・・(5)
ここでσは応力(MPa)、A,A,A,Aは定数である。
前記応力σは伝熱管の外径と肉厚および内圧により、下記の(6)式に示す平均径の式を用いて応力を算出する。
σ=〔P×(D−d)〕/(2×d)・・・・(6)
ここでσは応力(MPa)、Pは伝熱管の内圧(MPa)、Dは伝熱管の外径(mm)、dは伝熱管の肉厚(mm)である。この伝熱管の肉厚dはスケールが生成すると減少する。一般にスケール厚さの半分が減肉量となるため、肉厚dは下記の(7)式で表せられる。
d=df−Ys/2・・・・(7)
ここでdfはスケール生成前の初期肉厚(mm)、Ysはスケール厚さ(mm)である。
すなわち、(4)〜(7)式と推定したメタル温度と内面酸化スケール厚さと伝熱管の寸法(外径、肉厚)ならびに伝熱管の内圧が分かると、伝熱管のクリープ破断時間(tr)を得ることができる。
従って、時間ステップ毎に推定したメタル温度および水蒸気酸化スケール厚さからクリープ破断時間(tr)を計算し、ステップ時間分のスケールの付着による温度上昇ΔTによるクリープ寿命消費率を下記の(8)式で計算する。
クリープ寿命消費率=ΔT/tr・・・・(8)
時間ステップ毎にこの(8)式の計算を行い、各ステップ時のクリープ寿命消費率を総合したものをクリープ損傷率とする。
推定したメタル温度および水蒸気酸化スケール厚さと伝熱管の寸法(外径:50mm、肉厚:5mm)ならびに伝熱管の内圧を6MPaとし、前記LMPの常数をC=19,A=1.9×104,A=4.5×10,A=−2.3×103,A=0として計算した結果を図8の特性曲線Iに示す。同図の横軸はボイラ運転時間、縦軸は伝熱管のクリープ損傷率を示している。
なお、図中の特性曲線Jは前記温度上昇を加味しないメタル温度が580℃と推定した場合の、従来の方法によって求められたボイラ運転時間と伝熱管のクリープ損傷率との関係を示す特性曲線、特性曲線Kは同じく前記温度上昇を加味しないメタル温度が560℃と推定した場合の、従来の方法によって求められたボイラ運転時間と伝熱管のクリープ損傷率との関係を示す特性曲線である。
前記特性曲線Iから明らかなように、温度上昇を考慮したクリープ損傷率は、ボイラ運転時間50,000時間では0.1となり、クリープ寿命(クリープ損傷率=1.0)に達するボイラ運転時間は96,000時間と推定することができる。これに対して従来の方法(特性曲線J、K)では、クリープ寿命に達するボイラ運転時間が96,000時間と推定することができず、誤った推定となる可能性がある。
前述のように本発明の特徴は、ガス上流側ならびにガス下流側伝熱管の管内面水蒸気酸化スケール厚さを測定することのみで、熱負荷が高いガス上流側伝熱管のメタル温度を推定することであり、簡便かつ汎用性のあるメタル温度推定方法である。また、このメタル温度推定方法を応用することで、メタル温度変化を考慮したクリープ寿命評価を正確に行なうことができる。
前述のメタル温度の推定に必要な管内面水蒸気酸化スケールの厚さ測定は、装置を用いることで抜管調査をしなくても、定期点検などのボイラ装置の停止中に実施することができる。従ってガス上流側とガス下流側伝熱管のスケール厚さを同時に測定し、かつ伝熱管の材質およびボイラ運転時間を入力することで、瞬時にガス上流側とガス下流側伝熱管のメタル温度を推定できるメタル温度評価や寿命推定機能が付いたUTスケール厚さ測定装置を活用することで、大量にデータが取得でき、ボイラ装置の信頼性向上に寄与することができる。
図9は、UTスケール厚さ測定装置を用いた伝熱管のメタル温度および寿命推定システムを説明するための概略構成図である。
図中の符号12は熱負荷、13は酸化スケール除去部、14は探触子部、15はUTスケール厚さ測定装置、16はメタル温度・クリープ寿命計算装置である。なお、熱負荷12の矢印の大小で熱負荷の高低を表している。
同図に示すように、ガス上流側および下流側伝熱管6の管外面に形成された高温酸化スケール8を部分的に除去して酸化スケール除去部13を形成し、その酸化スケール除去部13にUTスケール厚さ測定装置15の探触子部14を当てて、高温酸化スケール8の肉厚を算出する。
UTスケール厚さ測定装置15で算出したデータは肉厚測定データとして、メタル温度・クリープ寿命計算装置16に送信する。このメタル温度・クリープ寿命計算装置16には、ボイラ運転時間、伝熱管6の管内圧、管外径、管肉厚などのメタル温度およびクリープ寿命の計算に必要な外的データが予め格納されている。そして、前記高温酸化スケールの肉厚測定データとメタル温度およびクリープ寿命の計算に必要な外的データに基づいて、当該伝熱管6のメタル温度およびクリープ寿命の計算が行なわれ、その計算結果がメタル温度・クリープ寿命計算装置16の表示部(図示せず)に表示されるシステムになっている。
前記実施例では、伝熱管の内面に生成、堆積する水蒸気酸化スケールの厚さを測定して伝熱管のメタル温度の推定などを行なったが、伝熱管の外面に生成、堆積する高温酸化スケールの厚さを測定して伝熱管のメタル温度の推定などを行うことも可能である。
1・・・ボイラ本体、
2・・・バーナ、
3・・・煙道、
4・・・過熱器、
5・・・再熱器、
6・・・伝熱管、
7・・・水蒸気酸化スケール、
8・・・高温酸化スケール、
9・・・過熱蒸気、
10・・・スケール生成前の温度分布、
11・・・スケール生成後の温度分布、
12・・・熱負荷、
13・・・酸化スケール除去部、
14・・・探触子部、
15・・・UTスケール厚さ測定装置、
16・・・メタル温度・クリープ寿命計算装置。

Claims (4)

  1. 燃焼ガス流れ方向の上流側と下流側伝熱管のメタル温度を推定する方法において、
    伝熱管のメタル温度とボイラ運転時間と伝熱管の内面あるいは外面に形成される酸化スケールの厚さとの関係式を予め求めておき、
    前記ガス下流側伝熱管の前記酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から、前記関係式を用いて当該ガス下流側伝熱管のメタル温度を推定し、
    その推定したメタル温度を、前記ガス上流側伝熱管の初期メタル温度として、その初期メタル温度と当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から前記関係式を用いて、当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールによるメタル温度上昇を求めて、当該ガス上流側伝熱管のメタル温度を推定することを特徴とする伝熱管のメタル温度推定方法。
  2. 請求項1に記載の伝熱管のメタル温度推定方法において、前記酸化スケールが伝熱管の内面に生成した水蒸気酸化スケールであることを特徴とする伝熱管のメタル温度推定方法。
  3. 燃焼ガス流れ方向の上流側と下流側伝熱管の寿命を推定する方法において、
    伝熱管のメタル温度とボイラ運転時間と伝熱管の内面あるいは外面に形成される酸化スケールの厚さとの関係式を予め求めておき、
    前記ガス下流側伝熱管の前記酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から、前記関係式を用いて当該ガス下流側伝熱管のメタル温度を推定し、
    その推定したメタル温度を、前記ガス上流側伝熱管の初期メタル温度として、その初期メタル温度と当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールの実測厚さと実測ボイラ運転時間から前記関係式を用いて、当該ガス上流側伝熱管の酸化スケールによるメタル温度上昇を求めて、当該ガス上流側伝熱管のメタル温度を推定し、
    予め求めておいた伝熱管のメタル温度とクリープ破断時間と応力との関係式を用いて、前記推定したガス上流側伝熱管のメタル温度と応力と実測ボイラ運転時間から、当該ガス上流側伝熱管のクリープ寿命を推定することを特徴とする伝熱管の寿命推定方法。
  4. 請求項3に記載の伝熱管の寿命推定方法において、前記酸化スケールが伝熱管の内面に生成した水蒸気酸化スケールであることを特徴とする伝熱管の寿命推定方法。
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