JP5380215B2 - 復水脱塩装置及び復水脱塩方法 - Google Patents

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本発明は、原子力発電プラントの復水脱塩装置による復水処理に関し、カチオン交換樹脂から溶出する有機性不純物由来の硫酸イオン濃度の低い、高純度な処理水質を長期間に渡り安定的に得ることを目的とする復水脱塩装置及び復水脱塩方法に関するものである。
原子力発電プラントであるBWRプラントでは、原子炉内の核分裂により発生した熱により冷却水を加熱し、発生させた蒸気により直接、発電用タービンを駆動させ発電を行う。タービンを駆動させた蒸気は、主復水器において海水により冷却され復水に戻される。復水は主復水器直下のホットウエルに集められ、低圧復水ポンプにより復水浄化設備を構成する復水ろ過器や復水脱塩装置に通水され、水中のイオン性不純物及び懸濁性不純物等が除去され、高純度純水となる。復水浄化設備により処理された復水は、高圧復水ポンプ、給水加熱器、原子炉給水ポンプなどを経由し、再度、原子炉に供給される。この循環サイクルよって、1次冷却水は高純度に維持され、復水は繰り返し使用されている。
この復水脱塩装置は、1次冷却水を全量処理することにより、原子炉の水環境に大きな影響を及ぼす水中の塩素、硫酸、ナトリウムなどのイオン性不純物、並びにプラント構成材料に起因する金属酸化物(クラッド)を同時に吸着除去し、原子炉水水質の高純度維持を図るものであり、復水入口母管より分岐された各枝管より流入する復水をH型カチオン交換樹脂とOH型アニオン交換樹脂が混合状態で充填された複数の復水脱塩塔を備えて構成されている。
なお、PWRプラントでは、復水脱塩装置が処理する復水が2次冷却水であるという違いがあるものの、復水脱塩装置自体の基本構成は前述のものと共通する。
近年、原子力発電プラントの高経年化が進み、プラントの健全性に影響を及ぼすような事象が顕在化してきており、その一つに炉内構造物の応力腐食割れ(IGSCC)が挙げられている。IGSCCは、国内のBWRプラントにおいても既に確認されており、炉内構造物の取り替えなどの対策が取られている。またPWRプラントにおいても蒸気発生器で同様に対処されている。このような事象はプラント稼働率を低下させるのみならず、信頼性にも影響を及ぼしかねないものであり、抜本的対策の早急な確立が迫られている。IGSCCの発生は、水環境、材料、応力の3つの要因が重畳することにより発生すると考えられ、その1つである水環境を支配する主因子は、復水脱塩装置で使用されているカチオン交換樹脂の酸化劣化により溶出するポリスチレンスルホン酸に起因する炉水硫酸イオン濃度の上昇にある。
従来のBWRプラントにおける復水脱塩装置に使用されているカチオン交換樹脂は強酸性ゲル型イオン交換樹脂であり、通常は架橋度8%品が使用されている。一方のアニオン交換樹脂は、通常は架橋度8%相当の強塩基性ゲル型イオン交換樹脂が使用されている。尚、ここで言う架橋度とは、イオン交換樹脂コポリマーを製造する上で使用するスチレンと架橋剤であるDVBのうち、DVBの占める重量比率のことであり、通常、高架橋度とは架橋度が10%を越えるものを指す。
原子炉水質を高純度にするためには、イオン交換樹脂が充填されている脱塩塔から溶出するポリスチレンスルホン酸のリーク量を少なくする必要がある。
これを解決する方法としては、特許文献1(特開平11−352283号公報)に開示されているような、架橋度が通常使用されている8%より高い12〜16%の強酸性ゲル型カチオン交換樹脂を適用する方法や、特許文献2(特開2001−314855号公報)に開示されているようなアニオン交換樹脂を樹脂層下層部に配してカチオン交換樹脂から溶出するTOC(ここで、カチオン交換樹脂から溶出するTOCは、ほぼポリスチレンスルホン酸である。)を吸着する方法、或いは特許文献3(特開平8−224579号公報)に開示されているような強酸性ゲル型カチオン交換樹脂と粒径分布がガウス分布のポーラス型アニオン交換樹脂にて混床を形成する方法、などが提案されている。
特開平11−352283号公報 特開2001−314855号公報 特開平8−224579号公報
しかし、架橋度の高い強酸性ゲル型カチオン交換樹脂を使用しても、長期間の使用により酸化劣化が進行して有機性不純物であるポリスチレンスルホン酸の溶出は徐々に増加するため、使用開始初期に比べて水質の低下は避けられない。また、アニオン交換樹脂を樹脂層下層部に配する方法では、カチオン交換樹脂から溶出する平均分子量1000以下の低分子量の有機性不純物は低減できるが、2000以上の高分子量の有機性不純物の除去能力は十分ではない。また、ポーラス型アニオン交換樹脂はマクロポアを有するため有機性不純物の吸着能力はある程度有しているが、従来から原子力発電プラントの復水脱塩装置で通常使用されているポーラス型イオン交換樹脂(例えば、ロームアンドハース日本社製のIRA900(商品名)や三菱化学社製のPA312(商品名)などのポーラス型アニオン交換樹脂)は、マクロポアを有するがために、樹脂マトリックスの部分は非常に緻密な構造を有しており、樹脂粒内への吸蔵能力は決して高くない。
一般にカチオン交換樹脂から酸化劣化などにより溶出するポリスチレンスルホン酸(PSS)の一部は、アニオン交換樹脂により吸着されることは定性的には知られていた。
しかしながら、この能力は比較的短期間で消滅してしまうため、この能力を長期間に渡り有効に活用する手段は見出せないでいた。
また、近年では、原子炉水中の硫酸イオン、塩素イオン、ナトリウムイオンなどのイオン性不純物を常時監視可能なオンライン型イオンクロマトグラフィーなどの分析機器を設置しているプラントが増加しており、問題となる硫酸イオン濃度の管理も可能となったが、ポリスチレンスルホン酸を溶出する復水脱塩装置側での対応としては、酸化劣化したカチオン交換樹脂の交換やカチオン交換樹脂の高架橋度化などが主な対策であり、カチオン交換樹脂より溶出するポリスチレンスルホン酸の分子量分布を測定し、それらのデータに基づき効率的にポリスチレンスルホン酸を吸着するアニオン交換樹脂をカラムなどによる吸着試験データに基づき選定する方法は想定できなかった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、原子炉及び蒸気発生器の水質の更なる高純度維持を達成するため、これらの水質に最も影響を与えている復水脱塩装置の水質改善、とりわけ、処理水中の有機性不純物であるポリスチレンスルホン酸の低減を図る目的で為されたものであり、カチオン交換樹脂から溶出する有機性不純物由来の硫酸イオン濃度の低い、高純度な処理水質を長期に渡り安定的に得ることのできる復水脱塩装置を提供する。
発明者らは、この課題に着目して鋭意研究を進めた結果、カチオン交換樹脂から溶出するポリスチレンスルホン酸の分子量の違いにより、主にアニオン交換樹脂表面に留まるもの、樹脂表面経由で内部に取り込まれるものがあることを、定量的に把握することができるようになった。即ち、種々アニオン交換樹脂について、ポリスチレンスルホン酸の各分子量に対する粒内への取り込み能力を測定し、能力の大きいものを選別することにより、ポリスチレンスルホン酸によりアニオン交換樹脂表面が飽和し、吸着性能が低下する事象を緩和することができ、通水期間の大幅な延長ができるようになる。このような定量的視点に基づき、最適なアニオン交換樹脂を選定し、復水脱塩装置から溶出する有機物を低減させるための積極的な取り組みは、現在まで、一切行われていなかった。
本発明は、原子力発電プラントの復水脱塩装置による復水処理に関し、処理水質の高度化に関するものであり、以下の手段によって前記の課題を解決することができる。
本発明は、原子力発電プラントの復水をイオン交換樹脂で脱塩処理する復水脱塩装置において、
復水脱塩処理を行うイオン交換樹脂を収容する脱塩塔を備え、
前記イオン交換樹脂はアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂を含み、
前記アニオン交換樹脂は、分子量4000以下のポリスチレンスルホン酸含有水溶液を、層高10cmの前記アニオン交換樹脂の層を有するカラムに通水線流速50200m/hの範囲で通水したときに、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が50%以上であることを特徴とする復水脱塩装置を提供する。
本発明の復水脱塩装置において、前記アニオン交換樹脂は、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が70%以上であることが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記カチオン交換樹脂は、架橋度10%を超える高架橋度ゲル型カチオン交換樹脂であることが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記カチオン交換樹脂の架橋度が12%〜16%の範囲であることが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記アニオン交換樹脂の架橋度が1〜6%であることが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記アニオン交換樹脂の母体構造がポーラス構造であることが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記アニオン交換樹脂は、BET法による比表面積が0.1〜10m/gであることが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記カチオン交換樹脂の粒径分布は、平均粒径が450〜550μmであり、平均粒径値から±100μmの範囲に90%以上の粒径が存在し均一係数が1.2以下であり、前記アニオン交換樹脂の粒径分布は355〜1180μmの粒度範囲のガウス分布であり、且つ、前記カチオン交換樹脂と前記アニオン交換樹脂の混合比が混床全域に渡って設計基準値±10%以内となる混床状態を形成することが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記復水脱塩装置は、復水脱塩塔を通水運転に入れる前に通水運転時の通水線流速1/3〜1/2の線流速により20分以上の再循環運転を行うことが好ましい。
本発明の復水脱塩装置において、前記復水脱塩装置は、前記イオン交換樹脂を再生するための再生塔を有する再生設備と、前記アニオン交換樹脂及び/又は前記カチオン交換樹脂を前記復水脱塩塔と前記再生設備内の再生塔との間、又は、該再生塔間で移送する移送手段とを備え、送り側の塔の底部より注入するスルーシング水の線流速をタンク断面積基準で1〜5m/hの範囲内とすると共に、受け側の塔の底部に100mm以上の水位を確保し、且つ、それぞれの塔を接続する配管内を平均線流速5m/sec以下の固液2相流の状態で移送することが好ましい。
また本発明は、原子力発電プラントの復水をアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂が充填された脱塩塔内に通水することにより脱塩する復水脱塩方法において、
前記アニオン交換樹脂は、分子量4000以下のポリスチレンスルホン酸含有水溶液を、層高10cmの前記アニオン交換樹脂の層を有するカラムに通水線流速50200m/hの範囲で通水したときに、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が50%以上であることを特徴とする復水脱塩方法を提供する。
本発明の復水脱塩方法において、前記アニオン交換樹脂は、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が70%以上であることが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記カチオン交換樹脂は、架橋度10%を超える高架橋度ゲル型カチオン交換樹脂であることが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記カチオン交換樹脂の架橋度が12%〜16%の範囲であることが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記アニオン交換樹脂の架橋度が1〜6%であることが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記アニオン交換樹脂の母体構造がポーラス構造であることが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記アニオン交換樹脂は、BET法による比表面積が0.1〜10m/gであることが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記カチオン交換樹脂の粒径分布は、平均粒径が450〜550μmであり、平均粒径値から±100μmの範囲に90%以上の粒径が存在し均一係数が1.2以下であり、前記アニオン交換樹脂の粒径分布は355〜1180μmの粒度範囲のガウス分布であり、且つ、前記カチオン交換樹脂と前記アニオン交換樹脂の混合比が混床全域に渡って設計基準値±10%以内となる混床状態を形成することが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記脱塩塔に通常運転として復水を通水する前に、当該脱塩塔に通常運転時の通水線流速の1/3〜1/2の線流速により20分以上の再循環運転を行うことが好ましい。
本発明の復水脱塩方法において、前記イオン交換樹脂を前記脱塩塔と前記イオン交換樹脂を再生する再生塔を有する再生設備との間、又は、該再生塔間で移送する際に、送り側の塔の底部より、タンク断面積基準で1〜5m/hの線流速でスルーシング水を供給し、受け側の塔の底部に100mm以上の水位を確保し、両塔のタンクを接続する移送管内を平均線流速5m/sec以下の固液2相流の状態で移送することが好ましい。
本発明によれば、原子力発電プラントの復水脱塩装置に関し、カチオン交換樹脂から溶出する有機性不純物由来の硫酸イオン濃度の低い高純度な処理水質を長期にわたって得ることが可能となる。また、本発明は新設、既存を問わず、全ての復水脱塩装置に容易に適用可能であり、且つ大きな効果が期待できる。
BWR原子力発電プラントの一例を示す概略フロー構成図である。 本発明の復水脱塩装置の一実施形態を示す概略フロー構成図である。 本発明の復水脱塩装置におけるイオン交換樹脂を再生する再生設備の一例を示す概略フロー図である。 実復水脱塩装置にて使用されたカチオン交換樹脂の経年使用年数と、そのカチオン交換樹脂から溶出したポリスチレンスルホン酸の平均分子量との関係を示すグラフである。 実復水脱塩装置にて使用されたカチオン交換樹脂の平均分子量と、原子炉水中の硫酸イオン濃度との関係を示すグラフである。 アニオン交換樹脂によるポリスチレンスルホン酸の除去率測定に用いた実験装置の概略構成図である。
以下、発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1は、BWR原子力発電プラントの一例を示す概略フロー構成図である。図1中、符号1は原子炉、2及び3はタービン、4は湿分分離器、5は復水器、6は復水ろ過装置、7は復水脱塩装置、8は原子炉浄化系を表している。
このBWR原子力発電プラントでは、原子炉1で蒸気を発生させ、その蒸気でタービン2,3を回転させて発電する。タービン3から出た蒸気は、復水器5で冷却して水に戻し、浄化設備である復水ろ過器6及び復水脱塩装置7で浄化し、原子炉1に給水している。加圧水型(PWR)原子力発電プラントもBWR原子力発電プラントと二次系の構成は類似しており、蒸気発生器で蒸気を発生させタービンで発電して復水器で水に戻して浄化して蒸気発生器に給水している。
図2は、本発明の復水脱塩装置の一実施形態を示す概略フロー構成図である。図2中、符号7は復水脱塩装置、10は脱塩塔、11はイオン交換樹脂床、12は樹脂ストレーナ、13は再循環ポンプ、14はイオン交換樹脂再生設備、15は振動ふるい式樹脂洗浄装置、16はイオン交換樹脂移送配管(以下、移送管と記す。)を表している。この復水脱塩装置7は、系統流量2000〜7000m/hの復水を3〜10塔の脱塩塔10で処理している。1つの脱塩塔10には、処理流量により2000〜15000Lのイオン交換樹脂が充填されており、被処理水の条件によりカチオン交換樹脂/アニオン交換樹脂体積比で1/2〜3/1程度の範囲で混ぜた混床としてイオン交換樹脂床11が形成されている。イオン交換樹脂床11の床高は、90〜200cmの範囲とされ、通常は100cm程度である。また、通水線流速は50〜200m/hの範囲とされ、通常は100m/h程度である。
図3は、本実施形態において用いられるイオン交換樹脂再生設備(以下、再生設備と略記する。)の一例を示す概略フロー図である。この再生設備14は、酸性溶液を供給することによりカチオン交換樹脂を再生するカチオン交換樹脂再生塔17と、アルカリ性溶液を供給することによりアニオン交換樹脂を再生するアニオン交換樹脂再生塔18と、再生されたイオン交換樹脂を貯留する樹脂貯槽19とを備えて構成されている。
脱塩塔10からの移送管16は、カチオン交換樹脂再生塔17に接続され、カチオン交換樹脂再生塔17からは、塔底から樹脂貯槽19への移送管24、中段からアニオン交換樹脂再生塔18への移送管23がそれぞれ接続されている。アニオン交換樹脂再生塔18の塔底からは、樹脂貯槽19への移送管25が接続されている。樹脂貯槽19の塔底からは、脱塩塔10へ再生したイオン交換樹脂を移送するための移送管16が接続されている。なお、イオン交換樹脂再生設備14には、必要に応じて、図2に示すように振動ふるい式樹脂洗浄装置15が接続される。
また、復水脱塩装置7には、加圧空気供給手段20が備えられており、加圧空気供給手段20から加圧空気が各脱塩塔10のタンクや、供給管21を通して各再生塔17,18、樹脂貯槽19へ供給されるようになっている。これら、各移送管16,23,24,25、加圧空気供給手段19、供給管21等によりイオン交換樹脂移送手段が構成されている。
原子力発電プラントの復水脱塩装置で通常使用されているイオン交換樹脂は、復水脱塩装置の主たる設置目的である復水中に存在する海水成分由来の塩化ナトリウムなどのイオン性不純物の除去を主眼として選定されており、例えば、アニオン交換樹脂としては、三菱化学社製のDIAION/SA10BN(OH)(商品名)や、ダウケミカル社製のDOWEX/SBR−PC(OH)(商品名)などが使用されている。これらのイオン交換樹脂の性能管理手段としては、静的な性能であるイオン交換容量と動的な性能である反応速度、物理的特性である押し潰し強度や粒径分布などの項目が事前検査により確認されているが、有機性不純物を想定した管理は行われていない。また、有機性不純物に対するアニオン交換樹脂の除去特性に関する明確な分析方法は見出されておらず、勿論、アニオン交換樹脂の納入前管理項目として設定されたものはない。
一方、カチオン交換樹脂から溶出するポリスチレンスルホン酸を主とする有機性不純物については、溶出するTOC(全有機炭素)量を評価する方法(特許3526172号公報)や、溶出するポリスチレンスルホン酸の分子量を測定する方法(特開2008−281509号公報)等があるが、これらの従来技術には、溶出するポリスチレンスルホン酸の分子量に応じてアニオン交換樹脂を選定・管理するという技術思想はなかった。
図4は、実復水脱塩装置にて使用されたカチオン交換樹脂の経年使用年数と、そのカチオン交換樹脂から溶出したポリスチレンスルホン酸の平均分子量との関係を示すグラフである。この試験は次のように行った。
まず、実復水脱塩装置にて使用したそれぞれ経年使用年数の異なるカチオン交換樹脂からポリスチレンスルホン酸を次の1〜3の手順にて溶出させた。
1.カチオン交換樹脂を100mL採取し、400mLの純水に浸漬する。
2.恒温槽中に置き、60℃中にて2週間放置する。
3.浸漬していた純水をろ別し、浸漬液を得る。これを分子量分布測定用試料とする。
そして、測定用試料中のポリスチレンスルホン酸の分子量分布は、次の1の装置及び2〜4の条件にて測定し、標準分子量を有するポリスチレンスルホン酸を用い校正を行うことで、各試料中のポリスチレンスルホン酸の平均分子量を測定した。
1.使用ゲル浸透クロマトグラフ装置:Waters社社system2690(商品名)
2.溶離液:0.05moL/L−NaSO+0.001moL/L−NaOH
3.注入量:25μL
4.検出波長:229nm
図4からわかるように、経年使用と共に溶出するポリスチレンスルホン酸の平均分子量値が増加傾向を示すことがわかり、徐々にカチオン交換樹脂の酸化劣化が進行していることがわかる。
また、図5は、以上のように求めた各試料の平均分子量と、各試料のカチオン交換樹脂を採取した復水脱塩装置が適用されて、復水が処理され給水系より供給され給水が濃縮される原子炉水中の硫酸イオン濃度との関係を示すグラフである。
図5から分かるように、カチオン交換樹脂から溶出するポリスチレンスルホン酸の分子量と硫酸イオン濃度には相関があることがわかる。
近年、原子炉水中の硫酸イオン濃度を2μg/L以下に維持することが求められている。すると、これに対するカチオン交換樹脂から溶出するポリスチレンスルホン酸の平均分子量は、図5から、4000以下であると言える。従って、4000以下の分子量を有するポリスチレンスルホン酸を用いてアニオン交換樹脂の性能を評価・管理することが望ましいと言える。
そこで、ポリスチレンスルホン酸、特に実際の復水脱塩装置で使用されているカチオン交換樹脂から溶出する平均分画分子量2000〜4000のポリスチレンスルホン酸をアニオン交換樹脂表面にて吸着し粒内に取り込むメカニズムに基づき、効率的、且つ安定的に長期間に渡り除去可能なアニオン交換樹脂を選定・適用することで、復水脱塩装置からリークするポリスチレンスルホン酸の量を低減することが可能となり、安定的に長期間に渡り高純度な水質を得ることが可能となる。
原子力発電プラントの復水脱塩の用途に限らず、一般に市販・使用されているアニオン交換樹脂の種類としては、構造的にはゲル型樹脂とポーラス型樹脂、架橋度としては1〜8%程度、表面積は0.01〜100m/gの範囲ものがあるが、後述する実施例により優れた性能が確認されたアニオン交換樹脂としては、1〜6%の低架橋度アニオン交換樹脂、ポーラス型アニオン交換樹脂、或は、物性上の特徴として、BET法による比表面積測定の結果が0.1〜10m/gの比表面積を有するアニオン交換樹脂が挙げられる。なお、ここでいうポーラス型又はポーラス構造とは、一般にポーラス構造、ハイポーラス構造、MR(マクロレティキュラー)構造などと呼ばれる構造を含む。
一般に、イオン交換樹脂のイオン捕捉能力は、その樹脂の表面積が大きいほど大きくなる。そして、架橋度が高くなるほどに樹脂の表面積は小さくなる傾向にあり、また、ポーラス型樹脂はゲル型樹脂よりも表面積が大きい。ただし、架橋度が低くなると樹脂が物理的に弱くなり、物理的強度が劣る傾向があり、またポーラス型樹脂はゲル型樹脂に較べ脆く、耐磨耗性に劣る。つまり、架橋度のより低いポーラス型樹脂ほど表面積がより大きく、イオン捕捉能力が高い傾向にあるが、原子力発電プラントの復水脱塩に用いられるイオン交換樹脂は、再生塔との間の移送もあり、物理的耐久性や磨耗に対する対策を施さなくてはならない。また、表面積が増えるということは、樹脂内部の構造が緻密になることを意味しており、特に分子量の大きなポリスチレンスルホン酸等に対しては樹脂内部の吸蔵能力が劣ってしまう。
前述のような本発明に適用可能なアニオン交換樹脂は、平均分画分子量4000以下のポリスチレンスルホン酸含有水溶液を用い、通水線流速=120m/hで層高10cmのアニオン交換樹脂層に通水した時のポリスチレンスルホン酸の除去率が50%以上、望ましくは70%以上あることにより、脱塩装置からのポリスチレンスルホン酸の溶出を防止し、硫酸イオン濃度の低い高純度な処理水質を長期にわたって得ることを可能とする。更に、このようなアニオン交換樹脂と組み合わせるカチオン交換樹脂としては、耐酸化性に優れ、経年使用により溶出する平均分画分子量が4000を越えることがない高架橋度のゲル型カチオン交換樹脂であることが望ましい。
更に、カチオン交換樹脂の粒径分布を、平均粒径が450〜550μmであり、平均粒径値から±100μmの範囲に90%以上の粒径が存在し均一係数が1.2以下とするものとし、且つアニオン交換樹脂は粒径分布を355〜1180μmの粒度範囲のガウス分布にすることにより、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合比が混床全域に渡って設計基準値±10%以内となるような良好な混床状態を形成することや、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を、アニオン/カチオン体積比(Na型、Cl型基準)で2/1〜1/2の範囲内で組み合わせることにより、混床、或はカチオンオーバーレイ床(カチオン交換樹脂層+混床)、或はアニオンアンダーレイ床(混床+アニオン交換樹脂層)、或いはカチオンオーバーレイ+アニオンアンダーレイ床(カチオン交換樹脂層+混床;アニオン交換樹脂層)、或いはカチオン交換樹脂層+アニオン交換樹脂層+カチオン交換樹脂層+アニオン交換樹脂層の4床、などを形成せしめた復水脱塩塔群に脱塩塔内径基準の線流速70m/h〜200m/hにより通水運転を行うことが望ましい。
前述のような復水脱塩装置7の運転は、次のように行われる。発電用タービン2,3を駆動した水蒸気は、復水器5にて海水冷却されて復水となり、復水脱塩装置7へ導入される。復水脱塩装置7内の複数の脱塩塔10のうち少なくとも1基は、常に清浄な形で待機状態にある。通水線流速は50〜200m/hの範囲で通常は100m/h程度である。復水中に含まれているイオン性不純物や懸濁性固形分は、脱塩塔10内の樹脂層を通過する間に捕捉される。この復水は下流側の高圧復水ポンプを経由して原子炉1へ戻される。
イオン交換樹脂の交換能力が飽和に達した時点で、当該の脱塩塔10は運転系列から切り離し、待機中の脱塩塔10に切替えられる。切替に当たっては、待機中の脱塩塔10を使用状態にコンディショニングするため、再循環ポンプで調整される。
飽和点に達したイオン交換樹脂は、脱塩塔下部のスルーシング水供給口から水を供給しながら、塔の上部から加圧空気を供給することによって、移送管16を通って樹脂再生装置14内のカチオン交換樹脂再生塔17に移送される。同塔内で、加圧空気によるスクラビング、逆洗などの操作を行なって樹脂を洗浄すると共に、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを密度差によって二層に分離する。上層に位置するアニオン交換樹脂をアニオン交換樹脂再生塔18へ移送した後、それぞれの塔内で必要に応じてさらにスクラビング、逆洗などを行なう。そして、樹脂の薬通再生を行う場合には更に、カチオン交換樹脂は酸性溶液で、またアニオン交換樹脂はアルカリ性溶液で再生し、十分洗浄後、樹脂貯槽19へ移送する。再生された樹脂は、樹脂貯槽19への加圧空気の供給により脱塩塔10へと移送され、当該脱塩塔10が待機状態に入る。
なお、振動ふるい式樹脂洗浄装置15が接続されている場合には、カチオン交換樹脂再生塔17にてスクラビング、逆洗が行われたアニオン、カチオン両交換樹脂共に振動ふるい式樹脂洗浄装置15に移送されるように接続されており、振動ふるい式樹脂洗浄装置15で洗浄された樹脂は薬通されることなく樹脂貯槽19に移送される。
イオン交換樹脂としてポーラス型樹脂を使用する場合には、ポーラス型樹脂は一般に耐磨耗性に劣るため、樹脂の磨耗、破砕による影響を回避するために、脱塩塔10を通常運転可能な状態にコンディショニングするために、脱塩塔10に通常運転として通水運転を行う前に通常運転の通水線流速(70m/h〜200m/h)の1/3〜1/2の線流速により20分以上の再循環運転を実施し、通水運転時の衝撃による微細樹脂や破砕樹脂の流出による水質悪化を防止することが望ましい。また、イオン交換樹脂の各塔間(脱塩塔⇔再生塔、或は再生塔間)の樹脂移送時においては、樹脂の磨耗や破砕を極力防止し、通水運転時の微細樹脂や破砕樹脂の流出による水質悪化を防止するため、送り側の塔の底部より注入するスルーシング水の線流速を1〜5m/h(タンク断面積基準)の範囲内とすると共に、受け側の塔の底部に100mm以上の水位を確保して、送り側の塔に加圧空気や水を注入することにより、移送管内の平均線流速が5m/sec以下の固液2相流の状態で移送することが望ましい。これは、特に架橋度の低いポーラス型樹脂の移送を行う場合に、樹脂の磨耗、破砕を防ぐために有効である。また、イオン交換樹脂の通薬再生や逆洗再生においては、樹脂の磨耗や破砕を極力防止し、通水運転時の微細樹脂や破砕樹脂の流出による水質悪化を防止するため、再生塔17,18での空気によるスクラビングの線流速を80Nm/h以下とし、1回のスクラビング時間を10分以下とすると共に、逆洗時の線流速を10m/h以上とすることが望ましい。
また、通水運転中にイオン交換樹脂床11に捕捉された懸濁性不純物、並びに経年使用により発生する破砕樹脂および微粒子を効率的に除去する手段として、振動式ふるいを装備したイオン交換樹脂洗浄方式を適用することもできる。
以上のことより、長期に渡り、安定的に有機性不純物濃度の低い処理水質が得られることとなる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明に適用し得る複数のアニオン交換樹脂を用意し、ポリスチレンスルホン酸の除去率を測定した。以下のケース2〜4が本発明に適用し得るものであり、ケース1は従来の復水脱塩装置に用いられていたアニオン交換樹脂を用いた比較例である。また、下記の比表面積は、BET法により液体窒素温度による窒素吸着により測定したものである。
ケース1:強塩基性ゲル型8%架橋度アニオン交換樹脂(比表面積:0.02m/g)
ケース2:強塩基性ゲル型4%架橋度アニオン交換樹脂(比表面積:0.2m/g)
ケース3:強塩基型ポーラス型6%架橋度アニオン交換樹脂(比表面積:2m/g)
ケース4:強塩基性ポーラス型1.5%架橋度アニオン交換樹脂(比表面積:5m/g)
アニオン交換樹脂によるポリスチレンスルホン酸の除去率は、図6に示す試験装置により、種々の分子量を有するカチオン交換樹脂から溶出したポリスチレンスルホン酸、又は、標準分子量を有するポリスチレンスルホン酸を含有する原水を用いカラム通水試験を行うことにより求めた。図6に示す試験装置は、原水タンク26内の原水を、アニオン交換樹脂を充填したガラスカラム27にポンプ28で一定の流速で供給し、ガラスカラム27内を流下した水をサンプリングする構造である。
また、この通水試験の条件は以下の1〜6の通りとした。
1.カラム内径:16mmφ
2.アニオン交換樹脂層高:10cm
3.アニオン交換樹脂量:20mL
4.通水線流速:120m/h
5.通水流量:400mL/min
6.原水ポリスチレンスルホン酸濃度:100μg/L
また、原水としては以下の4種のものを用いた。
原水1:ダウエックスHCR−W2(H)(商品名、ダウケミカル社製)溶出液:ポリスチレンスルホン酸の平均分子量1900
原水2:ダウエックスHCR−W2(H)(商品名、ダウケミカル社製)酸化劣化樹脂溶出液:ポリスチレンスルホン酸の平均分子量4000
原水3:標準ポリスチレンスルホン酸添加液:ポリスチレンスルホン酸の平均分子量1640
原水4:標準ポリスチレンスルホン酸添加液:ポリスチレンスルホン酸の平均分子量4000
それぞれの原水及びそれらを通水した時のカラム出口水を採取し、島津製作所製社のTOC計であるTOC−5000(商品名)でTOC濃度を測定し、ポリスチレンスルホン酸の除去率を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0005380215
表1からわかるように、従来技術であるケース1は、除去率がいずれの原水に対しても40%以下と低く、特に平均分子量4000のポリスチレンスルホン酸(原水2、4)に対しては、除去率が15〜20%前後と非常に低い。これは同じ線流速(120m/h)において、樹脂の層高が3倍の30cmあったとしても、半分以上のポリスチレンスルホン酸がアニオン交換樹脂に捕捉されることなく、脱塩塔外に排出されることになる。
なお、脱塩塔のイオン交換樹脂の層高やそのイオン交換樹脂中のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の比率にもよるが、一般的な原子力発電プラント向け脱塩装置においては、アニオン交換樹脂単体では30cm程度の層高に相当する。
これに対して、本発明に適用可能なケース2〜4のアニオン交換樹脂による除去率は、平均分子量4000のポリスチレンスルホン酸(原水2、4)に対しても50%以上であり、これは同じ線流速(120m/h)において、樹脂の層高が3倍の30cmになれば85%以上のポリスチレンスルホン酸が捕捉されることになる。特にケース4のアニオン交換樹脂では、70%以上の高い除去率を示しており、同じく30cmの層高で95%以上の捕捉が可能な計算になる。
以上、本発明の一実施形態を実施例を参照しながら説明した。そして、本実施形態の原子力発電プラントとしてはBWRプラントを例にとって説明したが、本実施形態の復水脱塩装置は、BWRプラントに限らずPWRプラントにも適用可能である。
本発明は、原子力発電プラントの復水をイオン交換樹脂で脱塩処理する復水脱塩方法において、カチオン交換樹脂から溶出する有機性不純物由来の硫酸イオン濃度の低い、高純度な処理水質を長期に渡り安定的に得ることのできる復水脱塩装置を提供することができる。
1 原子炉
2,3 タービン
4 湿分分離器
5 復水器
6 復水ろ過装置
7 復水脱塩装置
8 原子炉浄化系
10 脱塩塔
11 イオン交換樹脂床
12 樹脂ストレーナ
13 再循環ポンプ
14 イオン交換樹脂再生装置
15 振動ふるい式樹脂洗浄装置
16,23,24,25 移送管
17 カチオン交換樹脂再生塔
18 アニオン交換樹脂再生塔
19 樹脂貯槽
20 加圧空気供給手段
21 供給管
26 原水タンク
27 ガラスカラム
28 ポンプ

Claims (20)

  1. 原子力発電プラントの復水をイオン交換樹脂で脱塩処理する復水脱塩装置において、
    復水脱塩処理を行うイオン交換樹脂を収容する脱塩塔を備え、
    前記イオン交換樹脂はアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂を含み、
    前記アニオン交換樹脂は、分子量4000以下のポリスチレンスルホン酸含有水溶液を、層高10cmの前記アニオン交換樹脂の層を有するカラムに通水線流速50200m/hの範囲で通水したときに、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が50%以上であることを特徴とする復水脱塩装置。
  2. 前記イオン交換樹脂は、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の復水脱塩装置。
  3. 前記カチオン交換樹脂は、架橋度10%を超える高架橋度ゲル型カチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の復水脱塩装置。
  4. 前記カチオン交換樹脂の架橋度が12%〜16%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の復水脱塩装置。
  5. 前記アニオン交換樹脂の架橋度が1〜6%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
  6. 前記アニオン交換樹脂の母体構造がポーラス構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
  7. 前記アニオン交換樹脂は、BET法による比表面積が0.1〜10m/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
  8. 前記カチオン交換樹脂の粒径分布は、平均粒径が450〜550μmであり、平均粒径値から±100μmの範囲に90%以上の粒径が存在し均一係数が1.2以下であり、前記アニオン交換樹脂の粒径分布は355〜1180μmの粒度範囲のガウス分布であり、且つ、前記カチオン交換樹脂と前記アニオン交換樹脂の混合比が混床全域に渡って設計基準値±10%以内となる混床状態を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
  9. 前記復水脱塩装置は、復水脱塩塔を通水運転に入れる前に通水運転時の通水線流速1/3〜1/2の線流速により20分以上の再循環運転を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
  10. 前記復水脱塩装置は、前記イオン交換樹脂を再生するための再生塔を有する再生設備と、前記アニオン交換樹脂及び/又は前記カチオン交換樹脂を前記復水脱塩塔と前記再生設備内の再生塔との間、又は、該再生塔間で移送する移送手段とを備え、送り側の塔の底部より注入するスルーシング水の線流速をタンク断面積基準で1〜5m/hの範囲内とすると共に、受け側の塔の底部に100mm以上の水位を確保し、且つ、それぞれの塔を接続する配管内を平均線流速5m/sec以下の固液2相流の状態で移送することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の復水脱塩装置。
  11. 原子力発電プラントの復水をアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂が充填された脱塩塔内に通水することにより脱塩する復水脱塩方法において、
    前記アニオン交換樹脂は、分子量4000以下のポリスチレンスルホン酸含有水溶液を、層高10cmの前記アニオン交換樹脂の層を有するカラムに通水線流速50200m/hの範囲で通水したときに、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が50%以上であることを特徴とする復水脱塩方法。
  12. 前記イオン交換樹脂は、前記水溶液に含有されるポリスチレンスルホン酸の除去率が70%以上であることを特徴とする請求項11に記載の復水脱塩方法。
  13. 前記カチオン交換樹脂は、架橋度10%を超える高架橋度ゲル型カチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項11又は12に記載の復水脱塩方法。
  14. 前記カチオン交換樹脂の架橋度が12%〜16%の範囲であることを特徴とする請求項13に記載の復水脱塩方法。
  15. 前記アニオン交換樹脂の架橋度が1〜6%であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の復水脱塩方法。
  16. 前記アニオン交換樹脂の母体構造がポーラス構造であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の復水脱塩方法。
  17. 前記アニオン交換樹脂は、BET法による比表面積が0.1〜10m/gであることを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の復水脱塩方法。
  18. 前記カチオン交換樹脂の粒径分布は、平均粒径が450〜550μmであり、平均粒径値から±100μmの範囲に90%以上の粒径が存在し均一係数が1.2以下であり、前記アニオン交換樹脂の粒径分布は355〜1180μmの粒度範囲のガウス分布であり、且つ、前記カチオン交換樹脂と前記アニオン交換樹脂の混合比が混床全域に渡って設計基準値±10%以内となる混床状態を形成することを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載の復水脱塩方法。
  19. 前記脱塩塔に通常運転として復水を通水する前に、当該脱塩塔に通常運転時の通水線流速の1/3〜1/2の線流速により20分以上の再循環運転を行うことを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の復水脱塩方法。
  20. 前記イオン交換樹脂を前記脱塩塔と前記イオン交換樹脂を再生する再生塔を有する再生設備との間、又は、該再生塔間で移送する際に、送り側の塔の底部より、タンク断面積基準で1〜5m/hの線流速でスルーシング水を供給し、受け側の塔の底部に100mm以上の水位を確保し、両塔のタンクを接続する移送管内を平均線流速5m/sec以下の固液2相流の状態で移送することを特徴とする請求項11〜19のいずれか1項に記載の復水脱塩方法。
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