JP4023834B2 - 温床式脱塩装置におけるイオン交換樹脂の保管方法と運転準備方法 - Google Patents

温床式脱塩装置におけるイオン交換樹脂の保管方法と運転準備方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、混床式脱塩装置におけるイオン交換樹脂の保管方法に係り、特に汽力発電プラントの復水系浄化のために使用している混床式復水脱塩装置が停止又は休止状態にあるときの脱塩塔内のイオン交換樹脂の保管方法と運転準備方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオン交換樹脂は、主にスチレンとDVBの共重合体に官能基を付与したものであり、その製造過程において未反応物質や副生物等の有機物を含んでおり、各工程において充分に洗浄を行なっているが保管中に樹脂内部よりこれらの有機物が溶出してくる。
更に、イオン交換樹脂は、長期間使用することにより、水中の溶存酸素などにより酸化を受けて、マトリックスの一部や官能基の一部が脱落し、有機物として溶出することがある。
【0003】
一方、汽力発電プラントの復水系浄化のために使用している復水脱塩装置は、プラントの定期点検などにより1〜6ケ月の長期間に渡り停止状態が続くことがある。
復水脱塩塔の中のイオン交換樹脂は混床式であるため、アニオン樹脂と、カチオン樹脂が混在状態にある。
このため、停止期間中にアニオン樹脂は、カチオン樹脂からのTOC成分等の溶出物により表面汚染を受けやすく、イオン交換性能が低下する。これによりプラント起動時の水質が向上せず、プラント起動日程に大きな影響を及ぼすことが起っている。
【0004】
そこで、従来、特にBWR型原子力発電所における混床式脱塩装置においては、これらの有機物を除去するため、次のような運転をしていた。
(1)イオン交換樹脂充填時にカチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂を夫々カチオン樹脂再生塔、アニオン樹脂再生塔に、ホッパーより水を使用し、充填する。(2)充填したイオン交換樹脂は夫々の再生塔で空気攪拌(スクラビング)逆洗により溶出物を洗浄し、樹脂貯槽に移送し、アニオン樹脂、カチオン樹脂を混合し、最終洗浄を行なう。最終洗浄の終点は導電率により、1μs/cm以下であることを確認する。
【0005】
(3)最終洗浄後の樹脂は脱塩塔に移送し満水且つ混合状態で保管する。
(4)保管が長期に渡る場合は、保管中や保管後に脱塩塔内の内包水を抜き新らしい水に置換するためのボトムドレン操作を行なう。
(5)脱塩塔通水時は約1時間程度の再循環運転を行ない導電率が0.1μs/cm以下になった時点で採水運転を開始する。
【0006】
ところが、上記の運用においては、次のような理由により脱塩塔内のイオン交換樹脂が溶出物により表面汚染を受けて、プラント起動時に水質が向上せずプラント起動日程に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(1)経年使用のカチオン樹脂からの溶出物は長鎖であり比較的分子量が大きくアニオン樹脂の表面にからみつき、アニオン樹脂の表面汚染を引き起し水質を悪化させる。
(2)保管中の脱塩塔内のイオン交換樹脂は、アニオンとカチオンが混合状態にあるため、(1)項の理由によりアニオン樹脂は表面汚染を受ける可能性が高い。
【0007】
(3)保管中の脱塩塔内のイオン交換樹脂は、内包水中の溶存酸素の影響により、酸化を受け有機物を溶出するがカチオンに比較しアニオンからの溶出物は、官能基が中心となり、比較的低分子であること及び一部イオン化しカチオンに吸着されることにより、カチオン樹脂に対する表面汚染の影響は少ない。
一方、カチオンからの溶出物は、前述の通り、長鎖であり比較的分子量が大きく、アニオン樹脂の表面にからみつき、アニオン樹脂の表面汚染を引き起し水質を悪化させる。
【0008】
(4)保管が長期に渡る場合は、脱塩塔内に蓄積した溶出物を排出するため、脱塩塔内の内包水を抜き、新らしい水に置換するためのボトムドレン操作を行なっているが、混床状態で行なうためカチオン樹脂からの溶出物が、保管中並びにドレン中にアニオン樹脂表面にからみつき、アニオン樹脂の表面汚染を引き起し、水質を悪化させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解消し、長期保管においてもイオン交換樹脂が汚染せず、また、運転再開における汚染も排除した混床式脱塩装置におけるイオン交換樹脂の保管方法と運転準備方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、混床式復水脱塩装置の2塔以上の脱塩塔群が停止又は休止状態にあるときの脱塩塔内のイオン交換樹脂の保管方法において、前記停止又は休止状態となった脱塩装置の脱塩塔群のイオン交換樹脂を、再生処理を施すことなく使用していた状態のままで脱塩塔外のイオン交換樹脂再生施設のイオン交換樹脂分離装置を用いて、前記脱塩塔群の混合状態のイオン交換樹脂をアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の比重の違いを利用して、上方にアニオン層、下方にカチオン層に分離し、該分離したアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を前記夫々の脱塩塔に移送して別々に保管することを特徴とするイオン交換樹脂の保管方法としたものである。
【0011】
前記保管方法において、前記比重の違いを利用する分離は、逆洗手段により行い、停止又は休止による脱塩塔内への通水停止後、24時間以内、特に2〜3時間以内に行うのがよい。
また、前記分離状態のままでの保管においては、連続又は定期的に脱塩塔上部より下部に向けて、洗浄水をSV=0.5〜10H−1で流すのがよい。
【0014】
そして、上記の保管方法でイオン交換樹脂を保管している混床式復水脱塩装置の運転準備方法において、まずイオン交換樹脂を保管している各脱塩塔内の内包水を全量排出後、洗浄水を脱塩塔上部よりSV=0.1〜10H 1で樹脂層上面まで注水して行う洗浄を10分〜120分程度行った後、イオン交換樹脂再生施設の分離装置にそれぞれの脱塩塔から洗浄したイオン交換樹脂を移送し、当初のアニオン交換樹脂量及びカチオン交換樹脂量に調整して混合した後、再び各脱塩塔に戻し、脱塩塔を満水にした後、通水運転に供するのがよい。
【0015】
上記のように、本発明は汽力発電プラントの復水系浄化のために使用している混床式復水脱塩装置が停止又は保管状態にあるとき、脱塩塔内のイオン交換樹脂を逆洗などの手段により、上方にアニオン層、下方にカチオン層に夫々の樹脂の比重の違いを利用し分離し、アニオン樹脂へのカチオン樹脂からのTOC成分等の溶出物による表面汚染を回避し、プラント起動時の水質の向上とそれに伴なうプラント起動日程の短縮を図るものである。
【0016】
また、上述の保管状態において連続又は定期的に脱塩塔上部より下部へ向けて、即ち、アニオン層よりカチオン層に向けて、洗浄水をSV=0.5〜10H-1程度で流し、カチオン樹脂からのTOC成分等の溶出物がアニオン樹脂層に拡散するのを防止するものである。
また、当該混床式復水脱塩装置を使用する場合、一旦脱塩塔内の内包水を脱塩塔上部より下部へ向けて全量ドレンした後、純水を脱塩塔上部より樹脂層上部まで張り、脱塩塔下部よりN2 ガス又は空気を注入し、アニオン樹脂、カチオン樹脂を十分に混合する。
【0017】
次に再度脱塩塔内の内包水を脱塩塔上部より下部へ向けて全量ドレンした後、純水を脱塩塔上部より注入し脱塩塔を満水にした後、通水運転に供する。これによりアニオン樹脂へのカチオン樹脂からのTOC成分等の溶出物による表面汚染を回避し、プラント起動時の水質の向上と、それに伴なうプラント起動日程の短縮を図るものである。
【0018】
また前述の保管のためのイオン交換樹脂分離操作が完了後、脱塩塔内の内包水を完全にドレンして水抜き状態にしておき、当該混床式復水脱塩装置を使用する場合、脱塩塔上部よりSV=0.1〜10H-1程度で樹脂層上面まで水張を行った後、引き続きダウンフローによる洗浄を10〜120分程度行った後、前述の操作により混床をつくり通水運転に供する。これにより、アニオン樹脂へのカチオン樹脂からのTOC成分等の溶出物による表面汚染を回避し、プラント起動時の水質の向上とそれに伴なうプラント起動日程の短縮を図るものである。
【0019】
【作用】
本発明は、脱塩塔の停止又は保管期間アニオン樹脂とカチオン樹脂を逆洗により物理的に分離した状態にすることにより、カチオン樹脂から溶出してくるTOC成分が極力、アニオン樹脂に接触しアニオン樹脂表面に吸着し、表面汚染を起こすのを防止するものであり、また、保管状態において、連続又は定期的に脱塩塔上部より下部へ向けて、即ち、アニオン層よりカチオン層に向けて、洗浄水を流し(SV=0.5〜10H-1程度)、カチオン樹脂からのTOC成分等の溶出物がアニオン樹脂層に拡散するのを防止する手段も併せて行ない効果アップを図る。
【0020】
また、当該混床式復水脱塩装置に通水して運転に供する場合も、カチオンからのTOC成分等の溶出物が、アニオン樹脂に吸着しない様に次の手順で行う。
▲1▼ 脱塩塔内の内包水を脱塩塔上部より下部へ向けて、全量ドレンした後、純水を脱塩塔上部より樹脂層上部まで張る。
▲2▼ 脱塩塔下部よりN2 ガス又は空気を注入し、アニオン樹脂、カチオン樹脂を十分に混合する。
▲3▼ 再度脱塩塔内の内包水を脱塩塔上部より下部へ向けて全量ドレンする。
▲4▼ 純水を脱塩塔上部より注入し、脱塩塔を満水にした後通水運転に供する。
【0021】
また、前述の保管のためのイオン交換樹脂分離操作が完了後、脱塩塔内の内包水を完全にドレンして、水抜き状態にしておき、当該混床式復水脱塩装置を通水に供する場合、脱塩塔上部よりSV=0.1〜10H-1程度で樹脂層上面まで水張を行った後、引き続きダウンフローによる洗浄を10〜120分程度行った後前述の▲1▼〜▲4▼の操作により混床をつくり通水運転を行うことにより、アニオン樹脂の表面汚染を防止することができる。
【0022】
更に、本発明は、イオン交換樹脂再生施設のイオン交換樹脂分離装置を用いて、脱塩塔の停止又は保管期間、アニオン樹脂とカチオン樹脂を完全に物理的に分離した状態にすることにより、アニオン樹脂及びカチオン樹脂から溶出してくるTOC成分が相対するイオン交換樹脂に接触し樹脂表面に吸着し、表面汚染を起こすのを防止するものである。
また、上記において、混床式復水脱塩装置に通水して運転に供する場合も、アニオン及びカチオンからのTOC成分等の溶出物が、相対するイオン交換樹脂に吸着しない様に次の手順で行う。
【0023】
▲1▼ 脱塩塔内の内包水を脱塩塔上部より下部へ向けて、全量ドレンした後、純水を脱塩塔上部より樹脂層上部まで張る。
▲2▼ 更に、脱塩塔上部よりSV=0.1〜10H-1程度で注水して行う洗浄を10〜120分程度行う。
▲3▼ 各々の脱塩塔に保管されている同種類のイオン交換樹脂を、脱塩塔外のイオン交換樹脂再生施設に移送し、当初のアニオン樹脂量及びカチオン樹脂量に調整、混合した後、脱塩塔に戻す。
▲4▼ 純水を脱塩塔上部より注入し、脱塩塔を満水にした後通水運転に供する。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例により図面を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
図1は、混床式復水脱塩装置の概略構成図である。
図1において、アニオン樹脂とカチオン樹脂との混床2を有する脱塩塔1が並列に複数配備され、それらの脱塩塔1に復水が復水入口管3から注水され、脱塩塔を通水して復水出口管4から排出される。
【0025】
図2、図3に、脱塩塔1の拡大図を示す。これを用いて、参考例1の方法を説明する。
図2は、イオン交換樹脂床2が混床の場合であり、図3はイオン交換樹脂床2がアニオン層2aとカチオン層2bとに分離している場合を示す。
図2、図3において、脱塩塔1には上部にヘッダーラテラル5が設けられており、樹脂床2の下部にはストレーナ6と多孔板7が設置されている。また復水入口管3には、弁9とリンス水入口管11、空気入口管12、ドレン管15、ベント管17がそれぞれ弁18、19、22、24を介して接続されている。また、復水出口管4には樹脂ストレーナと弁10及び水入口管13、空気入口管14、ドレン管16がそれぞれ弁20、21、23を介して接続されている。
【0026】
次に、図2と図3を用いて参考例1の操作を説明する。
(1)脱塩塔停止
図2において、脱塩塔1が満水状態であり、全ての弁が全閉である。(弁9、10、18〜24閉)。
(2)脱塩塔内樹脂の逆洗分離
図2において、脱塩塔1下部より、水入口管13の弁20を開として、LV=0.5〜10m/h程度で水を注入し、10分〜120分程度逆洗を行い、イオン交換樹脂をアニオン層2aとカチオン層2bの2層に分離し、図3の状態になる。(弁20、22開)
この状態で全ての弁を全閉にして保管状態に入る。(弁9、10、18〜24閉)
【0027】
(3)リンス保管
図3の状態において、リンス水入口管により弁18を開として脱塩塔1上部より下部に向けて、即ち、アニオン層2aよりカチオン層2bに向けて、SV=0.5〜10H-1程度で洗浄水を連続又は断続的に注水し、カチオン層2bからのTOC成分等の溶出物がアニオン層2aに拡散するのを防止する。(弁11、23開)
なお、一般に断続的なリンス場合は、リンス間隔は、1〜10日、特に2〜3日が望ましい。
(4)脱塩塔通水前ドレン
脱塩塔1に通水して運転に供する前に、脱塩塔1内の内包水を脱塩塔上部より下部に向けて、空気入口管12の弁19を開として、ドレン出口管16より全量をドレンする。(弁19、23開)
【0028】
(5)混合前水張り
樹脂の混合操作を行なう前に、リンス水入口管11の弁18を開として、樹脂層2上約10cm程度まで水を注水する。(弁18、24開)
(6)脱塩塔混合
脱塩塔下部より、空気入口管14の弁21を開として、またベント管17の弁24を開として、N2 ガス又は空気を注入しアニオン樹脂とカチオン樹脂を十分に混合する(弁21、24開)。図2の状態になる。
なお、混合条件は空気又はN2 ガスのタンク断面積基準の線流速は20Nm/h〜100Nm/hとし、混合時間は10分〜120分とする。
【0029】
(7)混合後のドレン
脱塩塔混合完了後、脱塩塔内の内包水を、空気入口管12の弁19を開として脱塩塔上部より下部に向けて空気を流し全量ドレンする。(弁19、23開)
これによりアニオン・カチオン樹脂からの溶出物を完全に除去する。
(8)脱塩塔満水
脱塩塔上部より弁18を開として純水を注入し脱塩塔を満水にした後、通水運転に供する。(弁18、24開)
なお、通水運転に供する前には、定格流量の1/3〜1/2程度で20分〜60分程度リサイクル運転を行う。その後、所定の水質が確認された時点で通水運転に入れる。
【0030】
次に、上記した方法に基づく、アニオン樹脂の汚染度合を示す脱塩率の変化を測定する。
ここで脱塩率とは、イオン交換樹脂の動的反応速度である。即ち、比較的イオン濃度の低い領域でのイオン交換反応はイオン交換樹脂表面の境膜での反応が支配的となり、イオン交換樹脂表面が有機物などで汚染を受けると、イオン交換が十分に行なわれず処理水質が悪化する。この事象は特にアニオン樹脂におこりやすい。このため、上記脱塩率を測定することにより汚染の度合を把握することが可能となる。
【0031】
保管条件は、参考例方法は10年間BWRプラントで使用したアニオン樹脂及びカチオン樹脂を分離状態(アニオン上層、カチオン下層)で脱塩塔内に保管し、脱塩塔上部より下部に向けて1週間に1度程度、SV=1(1/h)程度で1時間通水を繰り返し行う。
保管水中の溶存酸素量は約5000ppbである。
比較のための従来方法の条件は、10年間BWRプラントで使用したアニオン樹脂及びカチオン樹脂を混合状態で脱塩塔内に満水保管する。
保管水中の溶存酸素量は約5000ppbである。
【0032】
2 SO4 基準脱塩率の測定結果を表1及び図4に示す。なお、脱塩率(反応速度)の測定方法はシャロウ ベッド(Shallow Bed)試験法(社団法人 火力原子力発電技術協会 関東支部、第8回新技術発表概要 8頁 昭和56年11月18日及び J.A.C.S. 69、P2836)を用いた。
【0033】
【表1】
Figure 0004023834
【0034】
実施例
図5は、塔外方式イオン交換樹脂再生設備の概略構成図である。
図5において、塔外方式イオン交換樹脂再生設備は陽イオン樹脂再生塔CR、陰イオン樹脂再生塔AR、樹脂貯槽RSから構成されており、脱塩塔1で通水運転が完了した樹脂は、まず、陽イオン樹脂再生塔CTに移送され、塔下部よりLV=6〜15m/hで逆洗水を注入し、アニオン樹脂A及びカチオン樹脂Cに分離される。分離されたアニオン樹脂Aのみを陰イオン樹脂再生塔ATに移送し、陽イオン樹脂再生塔CR及び陰イオン樹脂再生塔ARで夫々イオン交換樹脂に付着している汚れを取り除く操作(スクラビング→逆洗→フリーボードドレン)をくり返し行った後、再生剤(カチオン樹脂Cは8%硫酸、アニオン樹脂Aは4%苛性ソーダ)を通薬し、その後、洗浄を行う。
【0035】
洗浄が完了したイオン交換樹脂は、夫々、陽イオン樹脂再生塔CR及び陰イオン樹脂再生塔ARより樹脂貯槽RSに移送される。樹脂貯槽RSに移送されたイオン交換樹脂は、混合され、洗浄された後、脱塩塔1に返送される。
本発明は、上記塔外方式イオン交換樹脂再生設備を利用し、脱塩塔のイオン交換樹脂をアニオン樹脂A、カチオン樹脂Cに分離した後、同種のイオン交換樹脂を複数塔分づつ、脱塩塔に戻して保管するものである。
【0036】
以上の背景にもとづき、本発明の方法を図5を用いて説明する。ここでは、脱塩塔を2塔で説明するが、3塔以上の場合も同様にできる。
なお、以下の説明で弁は開と表示した以外のものはすべて閉である。
(1)混床式脱塩塔群(2塔以上)が停止又は休止状態にあるとき、任意の脱塩塔1aのイオン交換樹脂(アニオン樹脂量、カチオン樹脂量は同じ)を、陽イオン樹脂再生塔CRに弁25を開として移送する。
【0037】
(2)陽イオン樹脂再生塔CRのイオン交換樹脂に対し塔下部より逆洗水(LV=6〜15m/h)を注入し、アニオン樹脂A及びカチオン樹脂Cの比重差を利用し、2層に分離する。(上層:アニオン樹脂A、下層:カチオン樹脂C)
(3)分離されたアニオン樹脂Aを陽イオン樹脂再生塔CRより陰イオン樹脂再生塔ARに弁27を開として移送する。
(4)陽イオン樹脂再生塔CRに残留している陽イオン樹脂Cを樹脂貯槽RSに弁28を開として移送する。
(5)任意の脱塩塔1bのイオン交換樹脂(アニオン樹脂量、カチオン樹脂量は同じ)を陽イオン樹脂再生塔CRに弁26を開として移送する。
【0038】
(6)陽イオン樹脂再生塔CRのイオン交換樹脂に対し、塔下部より逆洗水(LV=6〜15m/h)を注入し、アニオン樹脂A及びカチオン樹脂Cの比重差を利用し、2層に分離する。(上層:アニオン樹脂、下層:カチオン樹脂)
(7)分離されたアニオン樹脂Aを陽イオン樹脂再生塔CRより陰イオン樹脂再生塔ARに弁27を開として移送する。
(8)陽イオン樹脂再生塔CRに残留している陽イオン樹脂Cを樹脂貯槽RSに弁28を開として移送する。
(9)樹脂貯槽RSに収容されている2塔分のカチオン樹脂Cを脱塩塔1aに弁30を開として移送する。
【0039】
(10)陰イオン樹脂再生塔ARに収容されている2塔分のアニオン樹脂Aを弁29を開として樹脂貯槽RSに送り、ここを経由して弁31を開として脱塩塔1bに移送する。
(11)脱塩塔1a、脱塩塔1bのイオン交換樹脂を満水状態で保管する。
(12)(1)〜(11) 項の操作を繰り返し行い、脱塩塔群に保管するイオン交換樹脂を同種類のものにする。これら作業は、混床式脱塩塔群が停止又は休止状態になった後、速やかに実施することが望ましく、また、その効果も大きいものとなる。
【0040】
(13)上記の保管中の脱塩塔群を運転に供する場合、まず当初、脱塩塔1a及び1bの内包水を全量排出し、塔内に蓄積されたイオン交換樹脂からの溶出物を除去し、引き続き、洗浄水を脱塩塔上部より注水して60分程度イオン交換樹脂の洗浄を行う。
(14)脱塩塔1aに保管されている2塔分のカチオン樹脂Cを弁25開で陽イオン樹脂再生塔CRを経由し、弁27を開として陰イオン樹脂再生塔ARと次で弁28を開として樹脂貯槽RSに夫々移送する。
【0041】
(15)脱塩塔1bに保管されている2塔分のアニオン樹脂Aを弁26開で陽イオン樹脂再生塔に移送し、引き続き弁28開として1塔分のみを樹脂貯槽RSに移送する。
(16)樹脂貯槽RSに収容された1塔分のアニオン樹脂A及びカチオン樹脂Cを混合洗浄した後、脱塩塔1aに弁30を開として移送する。
(17)陽イオン樹脂再生塔CRに収容されている1塔分のアニオン樹脂A及び陰イオン樹脂再生塔ARに収容されている1塔分のカチオン樹脂Cを夫々弁28、29を開として樹脂貯槽RSに移送する。
【0042】
(18)樹脂貯槽RSに収容された1塔分のアニオン樹脂A及びカチオン樹脂Cを混合、洗浄した後、脱塩塔1bに弁31を開として移送する。
(19)脱塩塔1a及び1bを満水にした後、通水運転に供する。
(20)脱塩塔数が2塔以上の場合は、上記方法を繰り返すことにより脱塩塔群全体に対し、実施することが可能となる。
また、脱塩塔のアニオン樹脂量、カチオン樹脂量が異なる場合は、脱塩塔数を樹脂量比に応じて、区分けし、同種類樹脂として保管することも可能である。
【0043】
次に、上記した方法に基づき、特に、BWR型発電プラントにおいて大きな問題となっているアニオン樹脂の汚染度合を示す脱塩率の変化を測定する。
ここで脱塩率とは、イオン交換樹脂の動的反応速度である。即ち、比較的イオン濃度の低い領域でのイオン交換反応はイオン交換樹脂表面の境膜での反応が支配的となり、イオン交換樹脂表面が有機物などで汚染を受けると、イオン交換が十分に行なわれず処理水質が悪化する。この事象は特にアニオン樹脂におこりやすい。このため、上記脱塩率を測定することにより汚染の度合を把握することが可能となる。
【0044】
保管条件は、本発明方法は10年間BWRプラントで使用したアニオン樹脂及びカチオン樹脂を夫々、個別の脱塩塔内に満水状態で保管する。
保管水中の溶存酸素量は約5000ppbである。
比較のための従来方法の条件は、10年間BWRプラントで使用したアニオン樹脂及びカチオン樹脂を混合状態で脱塩塔内に満水保管する。
保管水中の溶存酸素量は約5000ppbである。
2 SO4 基準脱塩率の測定結果を表2及び図6に示す。なお、脱塩率(反応速度)の測定方法は参考例1と同じである。
【0045】
【表2】
Figure 0004023834
【0046】
【発明の効果】
本発明により、BWRプラントの定検工事の期間(約3ケ月)中、上記実施例の通り保管を行った脱塩塔を使用し、浄化運転を行ない原子炉の立上げを行ったところ、原子炉の導電率の上昇を最大0.23μs/cmに抑えることが出来、また、浄化運転開始から100%出力までの期間を従来より10日程度短縮できた。
【0047】
これにより、BWRプラントにおいて10年以上使用したアニオン樹脂、カチオン樹脂を使用した混床式脱塩装置においても、本発明による保管方法を採用すれば水質が向上しないなどの問題もなく円滑な運転が可能となり、イオン交換樹脂の有効利用の面からも優れた効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】混床式脱塩装置の概略構成図。
【図2】復水脱塩塔の混床状態の拡大構成図。
【図3】復水脱塩塔の分離状態の拡大構成図。
【図4】 参考例1の脱塩塔保管時の陰イオン樹脂脱塩率の変化を示すグラフ。
【図5】イオン交換樹脂再生施設を用いる保管方法の説明図。
【図6】 実施例の脱塩塔保管時の陰イオン樹脂脱塩率の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1、1a、1b:脱塩塔、2:イオン交換樹脂混床、2a:アニオン層、2b:カチオン層、3:復水入口管、4:復水出口管、5:ヘッダーラテラル、6:ストレーナ、7:多孔板、8:樹脂ストレーナ、9:復水入口弁、10:復水出口弁、11:リンス水入口管、12:空気入口管、13:水入口管、14:空気入口管、15,16:ドレン出口管、17:ベント出口管、18〜31:弁、CR:陽イオン樹脂再生塔、AR:陰イオン樹脂再生塔、RS:樹脂貯槽、

Claims (2)

  1. 混床式復水脱塩装置の2塔以上の脱塩塔群が停止又は休止状態にあるときの脱塩塔内のイオン交換樹脂の保管方法において、前記停止又は休止状態となった脱塩装置の脱塩塔群のイオン交換樹脂を、再生処理を施すことなく使用していた状態のままで脱塩塔外のイオン交換樹脂再生施設のイオン交換樹脂分離装置を用いて、前記脱塩塔群の混合状態のイオン交換樹脂をアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の比重の違いを利用して、上方にアニオン層、下方にカチオン層に分離し、該分離したアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を前記夫々の脱塩塔に移送して別々に保管することを特徴とするイオン交換樹脂の保管方法。
  2. 請求項1記載の保管方法でイオン交換樹脂を保管している混床式復水脱塩装置の運転準備方法において、まずイオン交換樹脂を保管している各脱塩塔内の内包水を全量排出後、洗浄水を脱塩塔上部よりSV=0.1〜10H−1で樹脂層上面まで注水して行う洗浄を10分〜120分程度行った後、イオン交換樹脂再生施設の分離装置にそれぞれの脱塩塔から洗浄したイオン交換樹脂を移送し、当初のアニオン交換樹脂量及びカチオン交換樹脂量に調整して混合した後、再び各脱塩塔に戻し、脱塩塔を満水にした後、通水運転に供することを特徴とする運転準備方法。
JP2493594A 1993-08-31 1994-01-28 温床式脱塩装置におけるイオン交換樹脂の保管方法と運転準備方法 Expired - Lifetime JP4023834B2 (ja)

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