JP5380058B2 - インプリント材料及びインプリント方法 - Google Patents

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Description

本発明は、常温(0℃〜50℃)での圧力の付与により流動性を示し、成形可能な圧力可塑性ポリマー(以下、「バロプラスチック」と称することもある)を用いたインプリント材料及びインプリント方法に関する。
半導体製造分野のリソグラフィ技術として、S.Y.Chouらによって開示された、流体の排出を基本原理とする、ナノインプリント方式(非特許文献1参照)は、シンプルなプロセスで高解像度が達成され、また環境にも優しいという特徴のため次世代半導体の微細加工技術として注目されている。
ナノインプリント方式では、シリコンウエハやガラス基板上に形成された被転写材料の薄膜に微細な凹凸が形成されたモールドを押し付けることにより、モールドの凸部の流体が排除され凹部に移動しパターン形状が形成される。
ナノインプリント方式には、熱を利用する熱ナノインプリント方式と、光を利用する光ナノインプリント方式がある。
前記熱ナノインプリント方式は、ホットエンボス技術や射出成形技術と呼ばれる高分子加工技術をナノレベルの微細加工に応用したものである。
S.Y.Chouらのナノインプリント方式は、この熱インプリント方式である。一般に、この方式では被転写材料として、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂が利用されている。
熱ナノインプリント方式では、これらの被転写材料のガラス転移温度以上でインプリント処理を行うため、200℃程度の高温が得られるヒーターが必要となる。
また、モールドとしては、シリコン、石英等が利用されている。これらのモールドは基本的には硬い材質が選択されている。
しかし、前記熱ナノインプリント技術は、200℃もの高温により熱可塑性樹脂を溶融させ、その後冷却することによるエネルギーのロス、レジストの昇温及び冷却にかかる時間(dead time)によるスループットの低下、温度差による寸法変化、転写パターンの精度の低下、熱膨張によるアライメントの低下などの問題点を有しており技術的に未完成といわざるを得ない。
一方、J.Haismaらによって開発された光ナノインプリント方式(非特許文献2参照)は、光で化学反応が起こり硬化する光硬化性樹脂を被転写材料としている。なお、光源としては、通常、紫外光が利用されている。この光ナノインプリント方式は熱ナノインプリント方式よりもプロセスが短時間で終了するという利点がある。
光ナノインプリント方式では、パターンの形成を紫外線照射のみで行うことが可能となるため、熱ナノインプリントプロセスに比べ温度による寸法精度の低下を防ぐことができるという利点もある。
しかし、光ナノインプリントの場合にも紫外線光を透過するためにモールドが石英などに限定される点、光インプリント方式の被転写材料として利用される光硬化性樹脂はモールドとの接着性が一般的に高く、被転写材料とモールドの剥離が難しいことに起因するモールドの汚染が発生しやすくパターンの欠陥の原因となる、などの問題点を有している。
そこで、高粘性材料としてスピンオンガラスの一種であるオルガノシリカを用いて、モールドを押しつけ、剥離することでパターン転写を完了させる“室温ナノインプリントリソグラフィ”と呼ばれる方法が松井らによって報告されている(型押し圧力15MPa、3分間)(非特許文献3参照)。この方法によれば、高粘性材料のためにモールドを剥離した後も形状が保持される。また光ナノインプリントに比べて紫外光を照射する時間が不要なためスループットが高い。
しかし、前記“室温ナノインプリントリソグラフィ”も、高粘性材料を用いているため、被転写材料とモールドの剥離が難しい、転写された形状の長期保存性など改善しなければならない課題がある。
一方、常温で固い(高ガラス転移温度(Tg))高分子と柔らかい(低Tg)高分子について、ある種の組み合わせは圧力下でそれらの高分子の融点以下で流動性を示し、成形することが可能である。このような性質を持つ高分子材料はバロプラスチック(baroplastic)と呼ばれている。例えば、特許文献1には、バロプラスチックについて開示しており、圧力を加えることによって処理できるブロック共重合体組成を開示している。また、重合体混和物及びブロック共重合体の位相図を予測する方法も開示している。用途としては圧力成型体、エラストマー、感圧接着剤が応用領域として挙げられている。
また、非特許文献4には、バロプラスチック重合体を製造するプロセスが開示されている。このバロプラスチック重合体は、周囲温度下で低温成形性を獲得し、劣化なしで再成形することができる。
また、非特許文献5には、バロプラスチック重合体の特性が更に開示されており、特に、組成、粒度、及び構造が機械的挙動に及ぼす影響について論究されている。
しかしながら、前記先行技術文献に記載のバロプラスチックは、いずれも保存性及び成形安定性を得るため、重量平均分子量が100,000以上の高分子量のものを用いており、固体状態での利用を主眼としている。このような高分子量のバロプラスチックは、インプリント方法において塗布により薄膜のレジスト層を形成することは塗布液の粘度が高いことから困難であり、また圧力成形性が十分ではなく、更にモールドとレジスト層との剥離性が劣るので、そのままではインプリント方法に適用できず、もともとインプリント法に用いることを全く予定していないものである。
したがって常温(0℃〜50℃)での圧力の付与により良好に成形可能であり、かつ成形エネルギーを低減でき、高解像のパターンを再現性よく得ることができるインプリント材料及びインプリント方法が未だ提供されていないのが現状である。
米国特許第6632883号明細書 S.Y.Chou、P.R.Krauss and P.J.Renstron、Appl.Phys.Lett.、67(21)、3114(1995) J.Haisma、M.Verheijen、K.Van der Heuvel and J.Van den Berg、J.Vac.Sci.&Technol. B、14(6)4124(1996) S.Matui、Y.Igaku、H.Ishigaki、J.Fujita、M.Ishida、Y.Ochiai、M.Komuro、H.Hiroshima、J.Vac.Sci.&Technol.B19.2801(2001) J.A.Gonzalez-Leon、M.H.Acar、S.-W.Ryu、A.-V.G.Ruzette、A.Mayes、Nature、426、424-428、2003 J.A.Gonzalez-Leon、S.-W.Ryu、S.A.Hewlett、S.H.Ibrahim、A.Mayes、Macromolecules,38、8036-8044、2005.
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、常温(0℃〜50℃)での圧力の付与により良好に成形可能であり、かつ成形エネルギーを低減でき、高解像のパターンを再現性よく得ることができるインプリント材料及び該インプリント材料を用いたインプリント方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、インプリント材料として圧力可塑性ポリマーを用いると、常温(0℃〜50℃)下、モールドを密着させる圧力により良好に成形可能であり、かつ成形エネルギーを低減できることを知見した。
このような圧力可塑性ポリマーとしては、(1)高Tg樹脂成分と低Tg樹脂成分が相分離状態を形成している場合、その樹脂は、圧力に対し可塑挙動を示し、一定以上の加圧下においては常温(0℃〜50℃)領域でも流動性を示すもの、及び(2)低Tg樹脂及び高Tg樹脂より形成されたコアシェル構造を有する、圧力可塑化(Pressure Induced Miscibility)を示すコアシェル粒子とがある。
このような圧力可塑性ポリマーをインプリント材料として用いると、常温(0℃〜50℃)下、圧力可塑化流動挙動は促進され、より低圧の加圧下でも必要な樹脂流動性を得ることができる。あわせて、圧力可塑性ポリマーに一定以上の圧力を印加して流動性を付与し、それ以下の圧力においては、固体的に振舞わせることにより、インプリント方法における転写工程で、高い信頼性を確保できると共に、エネルギー消費量の低減を図ることができ、信頼性と経済性の両立が可能となることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> インプリントによりモールドの凹凸パターンを転写するのに用いられるインプリント材料であって、
圧力の付与により流動性を示し、成形可能な圧力可塑性ポリマーを含有することを特徴とするインプリント材料である。
<2> 圧力の付与が、0℃〜50℃の温度で行われる前記<1>に記載のインプリント材料である。
<3> 圧力可塑性ポリマーが相分離構造を有するブロック共重合体であり、ガラス転移温度が30℃〜150℃の高Tg成分と、該高Tg成分よりもガラス転移温度が20℃以上低い低Tg成分とを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のインプリント材料である。
<4> 相分離構造が、10nm〜100nmのドメインを有する前記<3>に記載のインプリント材料である。
<5> 高Tg成分を構成するモノマーがスチレン類であり、低Tg成分を構成するモノマーが(メタ)アクリル酸エステル類である前記<3>から<4>のいずれかに記載のインプリント材料である。
<6> 高Tg成分と低Tg成分とのモル比率(高Tg成分:低Tg成分)が、30:70〜70:30である前記<3>から<5>のいずれかに記載のインプリント材料である。
<7> 圧力可塑性ポリマーがコアシェル構造を有し、コアを構成する樹脂のガラス転移温度とシェルを構成する樹脂のガラス転移温度との差が、絶対値で20℃以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインプリント材料である。
<8> シェルを構成する樹脂のガラス転移温度が30℃〜150℃であり、コアを構成する樹脂のガラス転移温度が前記シェルを構成する樹脂のガラス転移温度より20℃以上低い前記<7>に記載のインプリント材料である。
<9> シェルを構成する樹脂のモノマーがスチレン類であり、コアを構成する樹脂のモノマーが(メタ)アクリルエステル類である前記<7>から<8>のいずれかに記載のインプリント材料である。
<10> 圧力可塑性ポリマーの重量平均分子量が50,000以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインプリント材料である。
<11> 基板上に前記<1>から<10>のいずれかに記載のインプリント材料からなるレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
モールドの凹凸パターンをレジスト層に接触させて加圧することにより該モールドの凹凸パターンを前記レジスト層に転写する転写工程と、
を含むことを特徴とするインプリント方法である。
<12> 溶液状態のインプリント材料を基板上に塗布してレジスト層を形成する前記<11>に記載のインプリント方法である。
<13> 粉末状態のインプリント材料を基板上に付与してレジスト層を形成する前記<11>に記載のインプリント方法である。
<14> 加圧が、0℃〜50℃の温度で行われる前記<11>から<13>のいずれかに記載のインプリント方法である。
<15> 基板上のレジスト層を除去するレジスト層除去工程を含む前記<11>から<14>のいずれかに記載のインプリント方法である。
本発明によると、熱ナノインプリント技術における問題点である、エネルギーのロス、スループットの低下、温度差による寸法変化、転写パターンの精度の低下、熱膨張によるアライメントの低下など、温度に起因する諸問題は圧力可塑性ポリマーを用いることにより常温(0℃〜50℃)で処理可能であるために解決することができる。
また、本発明によると、光ナノインプリント技術における問題点である、インプリント材料からなるレジスト層とモールドの剥離が難しいことに起因するパターンの欠陥の原因などは、圧力可塑性ポリマーが圧力を解放すると固体に戻るために容易にモールドから剥離することが可能であり、欠陥の発現を抑制することができる。また常温で処理可能であるためにモールドの選択も自由である。
更に、本発明によると、高粘性材料を用いる“室温ナノインプリント”技術における問題点である、インプリント材料からなるレジスト層とモールドの剥離が難しいという問題点も同様に解決することができる。転写された形状の保持なども圧力可塑性ポリマーが圧力を解放すると固体に戻るために解決することができる。
したがって本発明によると、前記従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、常温(0℃〜50℃)での圧力の付与により良好に成形可能であり、かつ成形エネルギーを低減でき、高解像のパターンを再現性よく得ることができるインプリント材料及び該インプリント材料を用いたインプリント方法を提供することができる。
(インプリント材料)
本発明のインプリント材料は、インプリントによりモールドの凹凸パターンを転写するのに用いられ、圧力の付与により流動性を示し、成形可能な圧力可塑性ポリマーを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記インプリントには、ナノインプリントからマイクロインプリント、更にはミリメートルオーダーのインプリントまで幅広く含まれる。
<圧力可塑性ポリマー>
前記圧力可塑性ポリマーとは、常温(0℃〜50℃)での圧力の付与により流動性を示し、成形可能なポリマーであり、具体的には、下記2つによって定義されるポリマーを意味する。
(1)高Tg樹脂成分と低Tg樹脂成分が相分離構造を有するブロック共重合体
(2)低Tg樹脂からなるコアと高Tg樹脂からなるシェルからなるコアシェル粒子
ここで、前記圧力可塑性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、特に制限はなく、公知の方法により測定することができ、例えば、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)により測定することができる。
ここで、前記(1)の圧力可塑性ポリマーについて説明する。
<<ブロック共重合体>>
前記(1)の圧力可塑性ポリマーは、相分離構造を有するブロック共重合体であって、一方の樹脂のガラス転移温度(Tg)と、他方の樹脂のTgとが20℃以上異なる部分をポリマー構造中に有することを特徴とする。
前記相分離構造は、10nm〜100nmのサイズのドメインを有することが好ましく、10nm〜75nmがより好ましく、10nm〜50nmが更に好ましい。前記ドメインのサイズが、10nm未満であると、ほぼ相溶した状態になるため保存性に悪影響を及ぼすことがあり、100nmを超えると、ほぼ分離した状態であり、圧力成形性を示さないことがある。
前記相分離構造を有することは、例えば、圧力可塑性ポリマーをフィルム化したサンプルを四酸化ルテニウムで染色した後に走査型透過電子顕微鏡(STEM)で断面観察する方法、小角X線散乱測定(SAXS)、などにより確認することができる。
前記圧力可塑性ポリマーにおいて、Tgの高い方の成分を高Tg成分、Tgの低い方の成分を低Tg成分という。
前記高Tg成分のTgは、30℃〜150℃が好ましく、40℃〜130℃がより好ましい。
前記高Tg成分のTgが30℃以上であると、保管性に優れ、輸送適性があるため好ましい。一方、前記高Tg成分のTgが150℃以下であると、転写時の圧力が適度であり、モールドへのダメージを生じにくいため好ましい。
前記低Tg成分のTgは、前記高Tg成分のTgより20℃以上低いことが好ましく、30℃以上低いことがより好ましく、40℃以上低いことが更に好ましい。前記高Tg成分と前記低Tg成分のTg差が20℃未満であると、圧力可塑化挙動が十分観測されにくくなり、転写時の温度が高くなり、エネルギー消費量が増大し、信頼性が低下することがある。
<ブロック共重合体の製造方法>
−使用できるモノマー−
前記ブロック共重合体としては、非結晶性樹脂であり、かつ高Tg成分と低Tg成分のガラス転移温度の差が20℃以上異なっていれば特に制限はないが、非結晶性の付加重合型樹脂であることが好ましく、非結晶性である、エチレン性不飽和単量体の共重合体であることがより好ましい。
ここで、結晶性樹脂における「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。
一方、吸熱ピークの半値幅が6℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)である。
前記ブロック共重合体を構成する単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、ブテン、ブタジエン等のオレフィン類;β−カルボキシエチルアクリレートなどが挙げられる。なお、これらを2種以上共重合して得られる共重合体、更にはこれらの混合物を使用することができる。
本発明のインプリント材料は、下記一般式(1)で表される部分構造を有する圧力可塑性ポリマーを少なくとも含有することが好ましい。
一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、A及びBは、いずれもビニルモノマーに由来する重合単位を表す。Aは高Tg成分に対応し、Bは低Tg成分に対応する。A及びBは単一のビニルモノマーに由来する重合単位であっても、互いに異なる複数のビニルモノマーに由来する重合単位であってもよい。
Aで表される重合単位は総量として、部分構造中に合計で30質量%〜70質量%の範囲で導入されていることが好ましく、35質量%〜65質量%であることがより好ましく、40質量%〜60質量%であることが更に好ましい。
前記一般式(1)で表される部分構造を有する圧力可塑性ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で50,000以下が好ましく、3,000〜50,000がより好ましく、5,000〜45,000が更に好ましい。前記重量平均分子量が50,000を超えると、粘度が上昇するために塗布適性、成形性、及びモールドとの剥離性のいずれかもしくはすべてが悪化することがある。
また、前記圧力可塑性ポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.5以下が更に好ましい。前記比(Mw/Mn)が2.0を超えると、圧力可塑性ポリマーとしてのブロック共重合体の均一性が低下する傾向がある。
ここで、前記重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定することができる
以下に、前記一般式(1)で表される圧力可塑性ポリマー(P−1)〜(P−16)を例示するが、本発明は以下の具体例によって何ら制限されるものではない。下記表中、l〜nはそれぞれの単位構造の含有率(モル%)を表す。
また、下記表中右欄に重合単位A及びBのガラス転移温度(K)を記載した。このガラス転移温度は、“POLYMER HANDBOOK FOURTH EDITION”及び“光硬化技術データブック、テクノネット社”に記載の温度にしたがっている。
ガラス転移温度(Tg)が20℃以上異なり、相分離構造を形成する組み合わせとしては、具体的には、ポリスチレンとポリブチルアクリレート、ポリスチレンとポリブチルメタアクリレート、ポリスチレンとポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ポリスチレンとポリヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートとエチルアクリレート、ポリイソプレンとポリブチレン、ポリイソプレンとポリブチレン、ポリ2−エチルエチレンとポリエチレン・プロピレンなどが挙げられる。
これらの中でも、ブロック共重合体の高Tg成分を構成するモノマーがスチレン類であり、低Tg成分を構成するモノマーが(メタ)アクリル酸エステル類であることが好ましい。
前記高Tg成分と前記低Tg成分とのモル比率(高Tg成分:低Tg成分)は、30:70〜70:30であることが好ましく、35:65〜65:35であることがより好ましく、40:60〜60:40であることが更に好ましい。
上記例示したポリマー(P−1)〜(P−16)における各構成単位の含有量(モル%)及び重量平均分子量を下記表Fに示した。
−重合−
本発明で用いられる圧力可塑性ポリマーとしてのブロック共重合体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量を制御できるという観点から、制御重合を用いることが好ましい。
前記制御重合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、リビング重合、実質的にリビングとみなせる重合、リビング的な性格を有する重合のいずれも挙げることができる。具体的には、リビングアニオン重合、配位アニオン重合、連鎖移動剤を用いるラジカル重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、開環メタセシス重合、その他各種の金属触媒による重合を挙げることができる。アニオン重合としては、具体的には、特開平11−335432号公報に記載の方法を、希土類金属錯体を用いたリビング重合としては、特開平10−17633号公報に記載の方法を挙げることができる。
これらの中でも、リビングラジカル重合がブロック共重合体の分子量及び構造制御の点並びに架橋性官能基を有する単量体を共重合できる点から好ましい。
前記リビングラジカル重合とは、狭義においては、末端が常に活性を持ち続ける重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にある擬リビング重合も含まれる。本発明においては、リビングラジカル重合は、重合末端が活性化されたものと不活性化されたものが平衡状態で維持されるラジカル重合方法を用いるのが好ましい。
前記リビングラジカル重合としては、ポリスルフィド等の連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体(Journal of American Chemical Society,1994年,第116巻,7943頁)やニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules,1994年,第27巻,7228頁)、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:以下「ATRP」と略記する)、可逆的付加脱離連鎖移動(Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer:以下「RAFT」と略記する)重合法、などが挙げられる。
前記RAFT重合法については、例えば、国際公開第98/01478号パンフレット、国際公開第99/05099号パンフレット、国際公開第99/31144号パンフレット、Macromolecules,1998年,31巻,5559ページ、Macromolecules,1999年,32巻,2071ページ、Macromolecules,1999年,32巻,6977ページ、及びMacromolecules,2000年,33巻,243ページなどに、反応機構も含めその詳細が記載されている。
前記ATRP重合については、例えばMatyjaszewskiら,Journal of American Chemical Society,1995年,第117巻,5614頁、及び、Macromolecules,1995年,第28巻,7901頁、更に、Science,1996年,第272巻,866頁、また、特開2001−200026号公報に示される重合方法を好ましく用いることができる。最近ではChem.Rev.,2001年、第101号、2921頁、2001年、第101号、3689頁、2007年、第107号、2270頁、に総説がまとめられており、これに示されている重合方法も同様に好ましく用いることができる。
本発明において、これらのうちのいずれの方法を使用するかは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、制御の容易さなどから原子移動ラジカル重合が好ましい。
なお、ブロック共重合体を製造する他の方法として、各重合体ブロックを別々に合成し、それを後でカップリングさせる方法も挙げられる。
重合によって得られた反応液は、重合体と金属錯体の混合物となっており、金属錯体を除去する必要がある。前記金属錯体の除去方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2003−147015号公報に示されるような有機酸を用いる処理方法が好ましく使用される。
本発明においては、重合体ブロックに導入された単量体のエステル部位を官能基変換反応させてカルボキシル基、酸無水物基を導入したアクリル系ブロック共重合体を用いてもよい。
カルボキシル基を有するブロック共重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばメタアクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリメチルシリルなどのような、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有する単量体を含むブロック共重合体を合成し、加水分解もしくは酸分解など公知の所定の化学反応、例えば特開平10−298248号公報や特開2001−234146号公報などに記載の方法によってカルボキシル基を生成させる方法がある。
また、以下に示す方法のような酸無水物基を加水分解してカルボキシル基を生成させる方法もある。
前記酸無水物基を有するブロック共重合体の合成方法としては、カルボキシル基を有するブロック共重合体を、加熱により脱水もしくは脱アルコール反応を行わせることで、隣り合った単量体のエステル部位をカルボン酸無水物に変換させる方法がある。また、メタアクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリメチルシリルなどのような、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有する単量体を含むブロック共重合体を合成し、上記のように加熱により脱アルコール反応を行わせることで、隣り合った単量体のエステル部位をカルボン酸無水物に変換させる方法がある。
このような方法により得られる酸無水物基を有するブロック共重合体は、例えばオートクレーブ中で精製水と加熱することで加水分解することができ、酸無水物基をカルボキシル基に変換することができる。加水分解は、例えば200℃で2時間加熱することにより行うことができる。
メタアクリル系重合体ブロック(A1)、又はメタアクリル系重合体ブロック(A2)中にt−ブチル基が含有される場合は、上記記載方法により、カルボン酸基のみを含むブロック、又はカルボン酸基と酸無水物基の両方を有するブロックに変換することができる。
次に、前記(2)の圧力可塑性ポリマーについて説明する。
<<コアシェル粒子>>
前記(2)の圧力可塑性ポリマーは、コアシェル構造を有する樹脂粒子(以下、単に「コアシェル粒子」ともいう)もしくはコアシェル粒子を凝集して得られる複合樹脂及び混合物であって、コアとシェルを構成する樹脂がいずれも非結晶性樹脂であり、コアを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)とシェルを構成する樹脂のTgとの差が、絶対値で20℃以上異なることを特徴とする。
この場合、コアを構成する樹脂とシェルを構成する樹脂において、Tgの高い方のコア又はシェルを高Tg相、Tgの低い方のコア又はシェルを低Tg相という。
前記高Tg相のTgは、30℃〜150℃が好ましく、40℃〜130℃がより好ましく、50℃〜120℃が更に好ましい。
前記高Tg相のTgが30℃以上であると、保管性に優れ、輸送適性があるため好ましい。一方、前記高Tg相のTgが150℃以下であると、転写時の圧力が適度であり、モールドへのダメージを生じにくいため好ましい。
前記低Tg相のTgは、高Tg相のTgより20℃以上低いことが好ましく、30℃以上低いことがより好ましく、40℃以上低いことが更に好ましい。前記高Tg相と低Tg相のTg差が20℃未満であると、圧力可塑化挙動が十分観測されにくくなり、転写時の温度が高くなり、エネルギー消費量が増大し、信頼性が低下することがある。
この場合、輸送・保管時などの耐久性を両立するためには、シェルが高Tg相、コアが低Tg相であることが好ましい。
乳化重合において、2ステージフィードと呼ばれるモノマーを段階的に重合系へ供給する方法などを用いると、コアとシェルが異なるTgの樹脂からなるコアシェル粒子を得ることができる。その際に環境負荷の観点からも、水などを媒体とする水系媒体中で粒子化する製法が適している。ここで得られた樹脂を結着樹脂として、溶解懸濁法や乳化重合凝集法によって凝集化するには、電子写真分野における従来から公知の製法を用いることができる。
コアとシェルが異なるTgの樹脂からなるコアシェル粒子の製造方法としては、例えばCore-Shell Polymer Nanoparticles for Baroplastic Processing,Macromolecules 2005,38,8036-8044、Preparation and Characterization of Core-Shell Particles Containing Perfluoroalkyl Acrylate in the Shell,Macromolecules 2002,35,6811-6818、Complex Phase Behavior of a Weakly Interacting Binary Polymer Blend,Macromolecules 2004,37,5851-5855等が例示できる。
本発明に用いることができるコアシェル粒子に用いることができる樹脂としては、非結晶性樹脂であり、かつコアに用いる樹脂とシェルに用いる樹脂とのTgが20℃以上異なっていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非結晶性の付加重合型樹脂であることが好ましく、非結晶性であり、エチレン性不飽和単量体の単独重合体又は共重合体であることがより好ましい。
これらの単独重合体又は共重合体を構成する単量体としては、例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、ブテン、ブタジエン等のオレフィン類;β−カルボキシエチルアクリレートなどが挙げられる。これらの単量体からなる単独重合体、又はこれらを2種以上共重合して得られる共重合体、更にはこれらの混合物を使用することができる。
ガラス転移温度(Tg)が20℃以上異なる樹脂の組み合わせとしては、具体的には、ポリスチレンとポリブチルアクリレート、ポリスチレンとポリブチルメタアクリレート、ポリスチレンとポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ポリスチレンとポリヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートとエチルアクリレート、ポリイソプレンとポリブチレンなどの組み合わせが好ましく例示できる。
これらの中でも、シェルを構成する樹脂のモノマーがスチレン類であり、コアを構成する樹脂のモノマーが(メタ)アクリルエステル類であることが好ましく、シェルを構成する樹脂の80質量%以上がスチレン類から構成され、コアを構成する樹脂の80質量%以上がアクリル酸エステル類から構成されることが特に好ましい。
前記コアシェル粒子における樹脂の重合反応には、水系媒体を用いて行ってもよい。前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば蒸留水、イオン交換水等の水;エタノール、メタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エタノールや水であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。
前記水系媒体には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えばアセトン、酢酸などが挙げられる。
前記樹脂の重合反応には、有機溶剤を用いて行ってもよい。前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトルエン等のハロゲン系溶媒;3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒;ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;フェニルスルフィド、チオアニソール等のチオエーテル溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、安息香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒;ジフェニルエーテル、4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテル;4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル;4−メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メトキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル;ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
コアに用いられる樹脂の重量平均分子量は、50,000以下が好ましく、3,000〜50,000がより好ましく、5,000〜45,000が更に好ましい。上記範囲であると、転写性と転写後の残膜強度が両立しやすくなることから好ましい。
シェルに用いられる樹脂の重量平均分子量は、50,000以下が好ましく、3,000〜50,000がより好ましく、5,000〜45,000が更に好ましい。上記範囲であると、転写性とモールドへの付着による汚染抑制を両立しやすいことから好ましい。
コアシェル粒子の含有量は、インプリント材料の固形分全質量に対し、20質量%以上であることが、目的の達成のために好ましく、30質量%〜98質量%の範囲であることがより好ましく、50質量%〜98質量%の範囲であることが更に好ましい。上記範囲であると、残膜安定性が良好であるため好ましい。
コアシェル粒子において、コアを構成する樹脂とシェルを構成する樹脂との質量比率(コア:シェル)は、10:90〜90:10が好ましく、20:80〜80:20がより好ましく、30:70〜70:30が更に好ましい。上記範囲であると、転写性が良好であるため好ましい。
前記コアシェル粒子のメジアン径は、0.01μm〜1.0μmが好ましく、0.05μm〜0.7μmがより好ましく、0.1μm〜0.5μmが更に好ましい。
前記コアシェル粒子のメジアン径は、特に制限はなく、公知の方法により測定することができ、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
これら圧力可塑性のコアシェル粒子は単独で用いることもできるし、従来型の乳化重合による樹脂粒子と混合して用いることもできる。この場合の、コアシェル粒子の比率は、全樹脂中の30質量%以上であることが、目的の達成のために好ましく、40質量%〜100質量%がより好ましく、50質量%〜100質量%が更に好ましい。
本発明においては、単量体と予め作製しておいた単量体のプレポリマーとの重縮合又は重合反応とを含むこともできる。前記プレポリマーは、前記単量体に溶融又は均一混合できるポリマーであれば特に限定されない。
本発明に用いることができる樹脂は、前述した単量体の単独重合体、上述した単量体を含む単量体を2種以上組み合わせた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していてもよい。
コアシェル粒子における樹脂には、必要に応じて架橋剤を添加し、架橋樹脂とすることもできる。前記架橋剤としては、分子内に2以上のエチレン型重合性不飽和基を有する多官能単量体が代表的であり、具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多官能ビニルエステル類などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
前記架橋剤の含有量は、重合性単量体総量の0.05質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜1.0質量%がより好ましい。
前記コアシェル粒子における樹脂のうち、重合性単量体のラジカル重合により製造することができるものはラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類;2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類;1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン、などが挙げられる。
また、前記コアシェル粒子における樹脂の製造において、水系媒体中にて重縮合及び/又は重合を行う場合に、単量体の粒子エマルジョンをなすには、例えば、共界面活性剤を加えた単量体溶液(油相)と、界面活性剤の水系媒体溶液(水相)とを、ピストンホモジナイザー、マイクロ流動化装置(例えば、マイクロフルー、ディックス社製、「マイクロフルーダイザー」)、超音波分散機等の剪断混合装置によって均一に混合し、乳化させる方法が例示できる。その際、水相に対する油相の仕込み量は、水相と油相との合計量に対して0.1質量%〜50質量%程度であることが好ましい。界面活性剤の使用量は、形成されるエマルジョンの存在下において臨界ミセル濃度(CMC)未満とすることが好ましく、又、共界面活性剤の使用量は、油相100質量部に対して、0.1質量部〜40質量部が好ましく、0.1質量部〜20質量部がより好ましい。
なお、前述のように、臨界ミセル濃度(CMC)未満の界面活性剤量及び共界面活性剤の併用による単量体エマルジョンの重合開始剤の存在下での該単量体の重合である“ミニエマルジョン重合法”は、単量体粒子(油滴)内で付加重合性単量体が重合することから均一な重合体粒子が形成されるので好ましい。更に、本発明において、重縮合性/付加重合性複合重合体においても、“ミニエマルジョン重合法”では、重合過程において単量体の拡散が不要なことから、重縮合性重合体はそのまま重合体粒子内に存在し得る利点を有する。
また、例えば、J.S.Guo,M.S.El-Aasser,J.W.Vanderhoff;J.Polym.Sci.:Polym.Chem.Ed.,第27巻,691頁(1989)等に記載されている、粒子径5〜50nmの粒子の所謂“マイクロエマルジョン重合法”は、本発明における“ミニエマルジョン重合法”と同様の分散構造及び重合機構を有するものであり、本発明において使用することができる。“マイクロエマルジョン重合法”は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の界面活性剤を多量に使用するものであり、得られる重合体粒子中に多量の界面活性剤が混入するとか、又はその除去のために水洗浄、酸洗浄、或いはアルカリ洗浄等の工程に多大な時間を要する等の問題が生じる場合がある。
更に、樹脂の製造において水系媒体中にて重縮合及び/又は重合を行う場合に、共界面活性剤を用いることが好ましく、単量体総量に対し0.1質量%〜40質量%の共界面活性剤を用いることがより好ましい。共界面活性剤は、所謂ミニエマルジョン重合において、オストワルト熟成を減少させるために添加される。共界面活性剤としては、一般にミニエマルジョン法の共界面活性剤として公知のものを使用できる。
前記共界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の炭素数8〜30のアルカン類;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数8〜30のアルキルアルコール類;ラウリルメルカプタン、セチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等の炭素数8〜30のアルキルメルカプタン類;その他、アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類とこれらのポリマー、ポリスチレン、ポリエステル等のポリマー又はポリアダクト類;カルボン酸類、ケトン類、アミン類、などが挙げられる。
以上に例示した共界面活性剤のうち、好ましく使用されるものとしては、例えばヘキサデカン、セチルアルコール、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、ポリエステル、ポリスチレンである。特に、揮発性有機物質の発生を回避する目的では、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、ポリエステル、ポリスチレンが更に好ましい。
上記共界面活性剤に使用できる、重合体、重合体を含む組成物には、例えば、他の単量体との共重合体、ブロック共重合体、混合物等を含むことができる。また、複数の共界面活性剤を併用することもできる。
前記共界面活性剤は、油相及び水相のいずれにも添加することができる。
また、前記樹脂の製造において、例えば、前記懸濁重合法における分散時の安定化、前記乳化重合凝集法における樹脂粒子分散液等の分散安定を目的として界面活性剤を用いることができる。
前記界面活性剤としては、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤がより好ましい。
前記コアシェル粒子における樹脂においては、一般的にはアニオン系界面活性剤は分散力が強く、樹脂粒子、の分散に優れている。また、離型剤を分散させるための界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤を用いることが有利である。
非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えばラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えばラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
前記界面活性剤の分散液中における含有量としては、本発明を阻害しない程度であればよく、一般的には少量であり、具体的には0.01質量%〜3質量%が好ましく、0.05質量%〜2質量%がより好ましく、0.1質量%〜2質量%が更に好ましい。前記含有量が上記範囲内であると、樹脂粒子分散液及び離型剤粒子分散液等の各分散液が安定であり、凝集や特定粒子の遊離も生じず、また、カルシウム化合物の添加量に影響を与えず、本発明の効果が十分に得られる。一般的には粒子径の大きい懸濁重合分散物は、界面活性剤の使用量が少量でも安定である。
前記懸濁重合法等に用いる前記分散安定剤としては、難水溶性で親水性の無機微粉末を用いることができる。使用できる無機微粉末としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム(ヒドロキシアパタイト)、クレイ、ケイソウ土、ベントナイト等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム等は微粒子の粒度形成の容易さと、除去の容易さの点で好ましい。
また、常温で固体の水性ポリマー等も分散安定剤として用いることができる。具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系化合物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デンプン、アラビアゴムなどが使用できる。
本発明においては、前記コアシェル粒子以外に他の樹脂を用いることもできる。
前記他の樹脂としては、例えばエチレン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらの共重合樹脂が挙げられる。これらの中でも、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらの共重合樹脂が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、前述したコアシェル粒子に用いることができるポリエステルを好ましく挙げることができる。ポリエステル樹脂の製造方法としては、前述の方法の他、例えば、「重縮合」(化学同人、1971年刊)、「高分子実験学(重縮合と重付加)」(共立出版、1958年刊)や「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社編、1988年刊)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、また、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は、組み合わせて用いて合成することができる。
また、前記他の樹脂としては、付加重合型樹脂も有用である。付加重合型樹脂を作製する付加重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体、カチオン重合性単量体、アニオン重合性単量体が挙げられ、ラジカル重合性単量体であることが好ましく、エチレン性不飽和単量体であることがより好ましい。ラジカル重合型樹脂としては、スチレン系樹脂及び(メタ)アクリル樹脂、特にスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂が好ましく例示できる。
前記スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂としては、例えばエチレン性不飽和基を有する芳香族単量体(スチレン系単量体)60質量部〜90質量部、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体((メタ)アクリル酸エステル系単量体)10質量部〜40質量部、及びエチレン性不飽和酸単量体1質量部〜3質量部よりなる単量体混合物を重合して得られる共重合体を界面活性剤で分散安定化したラテックスを好ましく使用することができる。
前記共重合体のガラス転移温度は、0℃〜200℃が好ましく、30℃〜150℃がより好ましく、50℃〜120℃が更に好ましい。前記ガラス転移温度が上記範囲内であると、粉体特性の悪化を防止し、転写時の離型剤のしみだしを容易にすることができる。
前記他の樹脂の作製において、好適に使用することできる重合性単量体について、以下に説明する。
スチレン系単量体としては、例えばスチレン、ビニルナフタレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン;2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン;4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレン系単量体としては、スチレンが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸n−ブチルが特に好ましい。
ここで、上記の「(メタ)アクリル酸エステル」の表記は、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの両方の構造を取り得ることを表す省略的表記である。
エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基、酸無水物等の酸性基を含有するエチレン性不飽和単量体である。
前記スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合樹脂にカルボキシル基を含有させる場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体とともに共重合させることによって得ることができる。
カルボキシル基含有重合性単量体としては、例えばアクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メタクリル酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸などが挙げられる。これらの中でも、重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
前記他の樹脂として用いる付加重合型樹脂の重量平均分子量は、50,000以下が好ましく、5,000〜50,000がより好ましく、5,000〜45,000が更に好ましい。
前記重量平均分子量が上記範囲内であると、粉体特性を良好に保ち、保存時の融着を防止することができるので好ましい。
前記コアシェル粒子における樹脂の製造に乳化凝集合法を用いた場合、凝集工程においてpH変化により凝集を発生させ、粒子を調製することができる。同時に粒子の凝集を安定に、また迅速に、又はより狭い粒度分布を持つ凝集粒子を得るため、凝集剤を添加してもよい。
前記凝集剤としては一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩;酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸;芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩;アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族;芳香族アミン類の無機酸塩類、などが挙げられる。
凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮した場合、凝集剤としては、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。具体的には、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩などが挙げられる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合、樹脂全量に対して3質量%以下程度、二価の場合は1質量%以下程度、三価の場合は0.5質量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物を用いることが好ましい。
前記コアシェル粒子における樹脂には、必要に応じて、離型剤を添加してもよい。該離型剤は一般に離型性を向上させる目的で使用される。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の添加量としては、樹脂の全量に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。上記範囲であると、離型剤の効果が十分であり、また樹脂粒子が破壊されにくいため好ましい
本発明のインプリント材料には、更に必要に応じて、塗布適性を調整するための各種高分子、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ホスファイト等に代表される酸化防止剤、可塑剤、エポキシシラン、メルカプトシラン、(メタ)アクリルシラン等に代表されるシランカップリング剤等を、各種特性を改良する目的で配合することもできる。
(インプリント方法)
本発明のインプリント方法は、レジスト層形成工程と、転写工程とを含み、レジスト層除去工程、剥離工程、エッチング工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明においては、インプリント材料として圧力可塑性ポリマーを用い、その圧力可塑化効果を積極的に利用して、常温(0℃〜50℃)下で圧力を付与することにより良好に成形可能であり、成形エネルギーを低減できると共に、高解像のパターンを再現性よく得ることができる。
−レジスト層形成工程−
前記レジスト層形成工程は、基板上に本発明の前記のインプリント材料からなるレジスト層を形成する工程である。
前記レジスト層を形成する方法としては、(1)溶液状態のインプリント材料を基板上に塗布してレジスト層を形成する態様、(2)粉末状態のインプリント材料を基板上に付与してレジスト層を形成する態様、などがある。
前記(1)の溶液状態のインプリント材料を基板上に塗布してレジスト層を形成する方法としては、ポリマー含有溶液を基板にコートする公知の手法が利用できるが、コートする際には圧力可塑性ポリマーの熱分解温度よりも低い温度で行うことが必要である。
前記インプリント材料を基板上に成膜する方法としては、溶液プロセスにより成膜することが特に好ましい。
溶液プロセスによる成膜とは、前記インプリント材料を溶媒中に溶解させ、その溶液を基板上に塗布し乾燥させて成膜する方法を指す。具体的には、キャスト法、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング(浸漬)コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スピンコート法、ラングミュア−ブロジェット(Langmuir−Blodgett)(LB)法などが挙げられる。これらの中でも、キャスト法、スピンコート法、及びインクジェット法が特に好ましい。
前記溶媒としては、水及び有機溶媒の少なくともいずれかを用いることができる。
前記有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,2−ジクロロベンゼン等の炭化水素系溶媒;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒;例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒;例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒などを用いることができる。
その塗布液中のポリマーの濃度は、0.1質量%〜80質量%が好ましく、0.1質量%〜50質量%がより好ましく、0.1質量%〜10質量%が更に好ましい。これにより任意の厚さの膜を形成できる。
例えば、スピンコート法でインプリント材料を基板にコートする場合、インプリント材料を溶剤に溶解させてインプリント材料の溶液を作製する際の温度及びそのインプリント材料の溶液をスピンコート法でコートした後の溶媒を乾燥除去する温度が圧力可塑性ポリマーの熱分解温度よりも低い温度である。
前記基板としては、特に制限はなく、公知のものを利用することができる。例えば、シリコン基板、ガラス基板、石英基板、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム;ポリイミドフィルム、セラミック、などの種々の材料を基板として用いることができ、用途に応じていかなる基板を選択してもよい。また、基板は単一の材質である必要はなく、複数の材質で構成されていても構わない。例えば、フレキシブルな素子の用途の場合にはフレキシブル基板を用いることができる。なお、基板の厚さは特に限定されない。
前記(2)の粉末状態のインプリント材料を基板上に付与してレジスト層を形成する方法としては、例えば基板上にインプリント材料からなる粉末を堆積する方法、基板上にインプリント材料からなる粉末を静電気で付着させる方法(電子写真などで用いられる静電付着法)、などが挙げられる。
−転写工程−
前記転写工程は、モールドの凹凸パターンをレジスト層に接触させて加圧することにより該モールドの凹凸パターンを前記レジスト層に転写する工程である。
加圧は、0℃〜50℃の温度で行われることが好ましく、5℃〜45℃がより好ましく、10℃〜40℃が更に好ましい。
なお、0℃〜50℃の温度範囲内であれば、温度を昇温する昇温工程を含んでいてもよい。この場合でも、従来と比べて低温化しているので、作業時間を著しく短縮することができる。
加圧条件は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100kPa〜10MPaが好ましく、90kPa〜5MPaがより好ましく、50kPa〜1MPaが更に好ましい。
前記モールドは、基板の表面に、該表面を基準として複数の凸部が配列されることによって形成された凹凸部(凹凸パターン)を有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
前記モールドの材質として、例えばシリコン、石英、炭化珪素、タンタル、サファイア、ダイアモンド、ガラス等の硬質の材料のみならず、テフロン(登録商標)のようなアモルファスフルオロポリマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のエラストマーを利用することができる。なお、1H、1H、2H、2H−パーフルオロデシル−トリクロロシラン(FDTS)等の界面活性剤で表面処理したモールドを使用しても構わない。
ここで、図1A〜図1Cは、本発明で用いられるモールドの断面模式図である。
モールドの断面形状は、図1Aに示すような矩形に限定されるものではなく、図1Bや図1Cに示すような傾きを有するものや波状のものでも構わない。なお、図1Bや図1Cのような断面形状のモールドを利用することにより、モールド凸部の側面からインプリント材料への熱の伝播を抑制できるために、より精度の高いパターン形成が可能となる。
前記剥離工程は、転写後のモールドをレジスト層から剥離する工程である。
前記剥離方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、専用冶具による物理的剥離などの方法が利用できる。
前記エッチング工程は、パターニングされたレジスト層をマスクとして基板にパターンを形成する工程である。
前記エッチング方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウェットエッチング、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどが挙げられる。なお、基板上に残った残膜が分解しない温度でエッチングを行うことが好ましい。
前記レジスト層除去工程、基板上に残存するレジスト層を除去する工程である。
前記レジスト層の除去方法としては、特に制限はなく、公知のレジスト除去方法から適宜選択することができ、例えばレジスト層を溶解可能な溶液を付与する方法などが挙げられる。
また、異なるレジスト層の除去方法として、基板を加熱して、基板上に存在するレジスト層を分解除去する方法がある。これにより、洗浄等の工程なしにレジスト層を除去することが可能となる。
ここで、図2に基づいて、本発明のインプリント方法について説明する。
図2の(1)では、基板30、該基板上に形成されたレジスト層20、及びモールド10を備え、前記レジスト層20は圧力可塑性ポリマーを含有するインプリント材料からなる。モールド10は、基板30のレジスト層20が形成された面側に配置されている。
図2の(2)は、モールド10をレジスト層20に密着させて、インプリントを行う工程を示している。
図2の(3)は、モールド10の凸部を基板30に最も近づけてインプリントを完全に行った後、モールド10の凹凸に従うパターンがレジスト層20にインプリントされた基板30からモールド10が剥離される工程を示している。この工程においては、加熱することなく、常温(0℃〜50℃)でインプリントする。
モールド10の凸部を基板30に最も近づけた場合、いわゆるストップポイントを示している。この時、モールド10の凸部と基板30の間には残膜40が存在する。
従来の一度のインプリントのプロセスで加熱と冷却を必要とする熱インプリント方式に比して、この図1の形態では、モールド10及びレジスト層20にインプリントされた基板30を加熱及び冷却する必要がないために、作業時間を著しく短縮することができる。
図2の(4)は、基板30のレジスト層20にパターンを形成した後の基板30のエッチング工程により残膜を除去して、基板30の表面を露出させることを説明する図である。
図2の(5)、(6)は、レジスト層を除去した後の基板30のエッチング工程を説明する基板の断面模式図である。
図2の(5)は、エッチング後の基板の断面模式図である。パターンが形成された部分、即ちレジスト層が無い部分の基板がエッチングされ、基板の表面にパターンが形成される。
図2の(6)は、基板上のレジスト層を除去した後の基板の断面模式図である。エッチング後、基板上のレジスト層は基板から除去される。
以上により、基板表面にモールドの凹凸パターンが高精度に効率よく転写される。
本発明のインプリント方法は、常温(0℃〜50℃)下で圧力を付与することにより良好に成形可能であり、成形エネルギーを低減でき、ナノサイズからマイクロサイズまでの様々なサイズのパターンを高精度に再現性よく形成できるので、例えば半導体分野、磁気記録媒体分野等の各種分野に幅広く用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、ポリマー(非晶質樹脂)のDSCによるガラス転移温度は、自動接線処理システムを備えた株式会社島津製作所製の示差走査熱量計(DSC−50)等により、ASTM D3418に準拠して測定した。測定条件を以下に示す。
〔測定条件〕
・試料:3mg〜15mg(好ましくは5mg〜10mg)
・測定法:試料をアルミニウムパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウムパンを用いた。
・温度曲線:昇温(20℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
・上記温度曲線において昇温時に測定される吸熱曲線から、ガラス転移温度を測定した。そして、ガラス転移温度とは、吸熱ピークの曲線の微分値が極大となる温度である。
(合成例1)
−ポリスチレンマクロ開始剤(A−1)の合成−
三口フラスコ内に、モノマーとしてスチレン30g、開始剤として2−ブロモプロピオン酸メチル0.96g、触媒として塩化銅(I)0.29g、及び配位子としてN,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.49gを加えて、窒素雰囲気下、100℃で1時間攪拌した。その後、酢酸エチルを10g添加して高分子を溶解させた後、メタノールで再沈殿した反応液をろ過してポリスチレンマクロ開始剤(A−1)を合成した。GPCの結果からリビング重合が良好に進行したと考えられる。
<NMRの結果>
HNMR(300MHz、CDCl)δ7.36〜6.87、6.87〜6.27(br、300H)、δ3.55〜3.36(m、3H)、δ2.40〜1.66、1.66〜1.18、1.05〜0.81(m、br、184H)
<GPCの結果>
GPC(THF):重量平均分子量(Mw)7,958、数平均分子量(Mn)6,564、Mw/Mn=1.21
<SC/DSC(Tg)の結果>
SC/DSC(Tg):98.0℃
(合成例2)
−ポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−2)の合成−
三口フラスコ内に、合成例1のポリスチレンマクロ開始剤(A−1)10g、溶媒としてトルエン10g、モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレートを10g、触媒として塩化銅(I)0.10g、及び配位子としてN,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.17gを加えて、窒素雰囲気下100℃で5時間攪拌した。その後、酢酸エチルを10g添加した後、メタノールで再沈殿した反応液をろ過して、ポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−2)を合成した。GPCの結果及びDSCのガラス転移温度に由来するピークが2つ観測されることから、リビング重合が良好に進行してブロック共重合体が得られたと考えられる。
<NMRの結果>
HNMR(300MHz、CDCl)δ7.39〜6.85、6.85〜6.22(br、300H)、δ4.17〜3.65(br、d、44H)、δ3.56〜3.35(m、3H)、δ2.48〜2.13、2.13〜1.99、1.99〜1.70、1.70〜1.08、1.08〜0.653(m、br、586H)
<GPCの結果>
GPC(THF):重量平均分子量(Mw)11,675、数平均分子量(Mn)7,879、Mw/Mn=1.48
<SC/DSC(Tg)の結果>
SC/DSC(Tg):−65.8℃及び98.0℃
(合成例3)
−ポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−3)の合成−
三口フラスコ内に、モノマーとしてスチレン30g、溶媒としてトルエン10g、開始剤として2−ブロモプロピオン酸メチル0.96g、触媒として塩化銅(I)0.29g、及び配位子としてN,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.49gを加えて、窒素雰囲気下100℃で6.5時間攪拌して、スチレンの消失を確認した。90℃まで降温後、モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレートを30g添加して、窒素雰囲気下90℃で9時間攪拌して、2−エチルヘキシルアクリレートの消失を確認した。その後、酢酸エチルを10g添加して高分子を溶解させた後、メタノールで再沈殿した反応液をろ過して、ポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−3)を合成した。GPCの結果及びDSCのガラス転移温度に由来するピークが2つ観測されることから、リビング重合が良好に進行してブロック共重合体が得られたと考えられる。
<NMRの結果>
HNMR(300MHz、CDCl)δ7.34〜7.23、7.23〜6.26(br、325H)、δ4.12〜3.65(br、d、70H)、δ3.56〜3.35(m、3H)、δ2.48〜2.15、2.15〜2.01、2.01〜1.70、1.70〜1.14、1.14〜0.567(m、br、829H)
<GPCの結果>
GPC(THF):重量平均分子量(Mw)16,600、数平均分子量(Mn)10,600、Mw/Mn=1.57
<SC/DSC(Tg)の結果>
SC/DSC(Tg):−68.9℃及び62.3℃
(合成例4)
−ポリ2−エチルヘキシルアクリレート−ポリスチレンブロック共重合体(A−4)の合成−
三口フラスコ内に、モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート30g、溶媒としてトルエン10g、開始剤として2−ブロモプロピオン酸メチル0.96g、触媒として塩化銅(I)0.29g、及び配位子としてN,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.49gを加えて、窒素雰囲気下90℃で3時間攪拌して、2−エチルヘキシルアクリレートの消失を確認した。100℃まで昇温後、モノマーとしてスチレンを30g添加して、窒素雰囲気下100℃で6.5時間攪拌して、スチレンの消失を確認した。その後、酢酸エチルを10g添加して高分子を溶解させた後、メタノールで再沈殿した反応液をろ過して、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート−ポリスチレンブロック共重合体(A−4)を合成した。GPCの結果及びDSCのガラス転移温度に由来するピークが2つ観測されることからリビング重合が良好に進行してブロック共重合体が得られたと考えられる。
<NMRの結果>
HNMR(300MHz、CDCl)δ7.39〜6.85、6.85〜6.22(br、270H)、δ4.10〜3.72(br、d、54H)、δ3.65(s、3H)、δ2.54〜2.14、2.14〜2.02、2.02〜1.74、1.74〜1.18、1.18〜0.628(m、br、652H)
<GPCの結果>
GPC(THF):重量平均分子量(Mw)15,700、数平均分子量(Mn)12,100、Mw/Mn=1.30
<SC/DSC(Tg)の結果>
SC/DSC(Tg):−69.7℃及び69.3℃
次に、合成例3の共重合体(A−3)及び合成例4の共重合体(A−4)をホットプレスでフィルム化し、四酸化ルテニウムでスチレン部分を染色した後に走査型透過電子顕微鏡(STEM;日立ハイテクノロジーズ社製、HD−2300)での断面観察を行った。合成例3の共重合体(A−3)からなるフィルムのSTEM断面写真を図3に、合成例4の共重合体(A−4)からなるフィルムのSTEM断面写真を図4に示す。いずれも20nm程度のサイズの海島構造(ドメイン)が確認された。
次に、小角X線散乱測定(SAXS)(BRUKER AXS社製、NanoStar)により、合成例3の共重合体(A−3)及び合成例4の共重合体(A−4)の相分離構造の周期を測定した結果、上記STEMの結果を支持する相分離構造を有することが確認できた。結果を図5に示す。図5の結果から、共重合体(A−3)の相分離構造の周期は22.1nm(点線)、共重合体(A−4)の相分離構造の周期は19.9nm(実線)であった。
(合成例5)
三口フラスコ中に、300質量部のイオン交換水と、1.5質量部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド)を入れ、30分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルアクリレート40質量部を加え、さらに30分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド)0.5質量部を予め、10質量部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で3時間保持し、スチレンモノマー60質量部と、n−ブチルアクリレートモノマー10質量部、アクリル酸2質量部、及び0.8質量部のドデカンチオールを0.5質量部のTTABを溶解したイオン交換水100質量部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了し、平均粒子径150nm、固形分量25質量%のコアシェル型樹脂粒子分散液(B−1)を合成した。
<GPCの結果>
GPC(THF)重量平均分子量(Mw)25,000、数平均分子量(Mw)8,000、Mw/Mn=3.13
<SC/DSCの結果>
SC/DSC(Tg):−50.1℃及び60.0℃
なお、GPC及びSC/DSCの結果については、分散液を乾燥凍結させて得られた樹脂粉末(B−2)のガラス転移温度を測定した。
(実施例1)
−圧力の付与による成形−
合成例2のポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−2)の粉末1.0gをフローテスター(島津製作所製、CFT−500D)により30℃、49.05MPaの圧力で直径1mmの穴のついたダイで押出成形した。その結果、30℃で圧力を付与するだけで成形可能であることが分かった。その際、911.3秒〜2834.5秒の間において、表1に示すデータを得た。
(実施例2)
−圧力の付与による成形−
合成例3のポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−3)の粉末1.0gをフローテスター(島津製作所製、CFT−500D)により30℃、49.05MPaの圧力で直径1mmの穴のついたダイで押出成形した。その結果、図6左図が成形前の共重合体(A−3)粉末、図6右図が押し出し成形後の状態であり、30℃で圧力を付与するだけで成形可能であることが分かった。その際、3639秒〜5745秒の間において、表2に示すデータを得た。
(実施例3)
−圧力の付与による成形−
合成例4のポリ2−エチルヘキシルアクリレート−ポリスチレンブロック共重合体(A−4)の粉末1.0gをフローテスター(島津製作所、CFT−500D)により30℃、49.05MPaの圧力で直径1mmの穴のついたダイで押出成形したところ、実施例2と同様に成形可能であった。その際、3754秒〜5927秒の間において、表3に示すデータを得た。
(実施例4)
−マイクロインプリント方法−
特開2005−161531号公報に基づき、PET基板上にUV硬化樹脂でプリズム形状(ピッチ50μm)を形成し、凹凸面に金を蒸着した凹凸状シートモールドを作製した。
次いで、ポリイミドフィルムに合成例3のポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−3)0.3gを挟み、130℃、2MPa、2分間ホットプレスしてフィルムを作製した。
得られたフィルムを上記凹凸状シートモールドに載せ、ポリイミドフィルムで挟み込み、これを25℃、20MPaで5分間プレスした。放圧後、共重合体(A−3)が溶融成形されていることを確認した。放置した後にフィルムをモールドから剥離して、成形品を得た。光学顕微鏡で観察した。
シート状モールド及び成形品を光学顕微鏡(KEYENCE社製、デジタルマイクロスコープVHX−200/100F)で観察した。図7及び図8に顕微鏡写真を示す。図7及び図8の結果から、シート状モールドの凹凸パターンが成形品に高精度に形成できていることが分かった。
(実施例5)
−ナノインプリント方法−
シリコン基板上に、ポリスチレン−ポリ2−エチルヘキシルアクリレートブロック共重合体(A−3)/クロロホルム溶液(1/10(重量比))を塗布し、100℃で10分間アニールさせて樹脂層を形成した。その後、ナノインプリンター(NM−0401、明昌機工株式会社製)を用いて、樹脂層に対してニッケルモールド(凹パターン、ライン/スペース200nm)をプレス圧力20MPa(5,000Nの荷重)にて室温(25℃)で60秒間押し付けた。その後、モールドを剥離することにより、基板上の樹脂層にパターン状の構造体を形成した。その後、パターニングされた樹脂層をマスクとしてArガスを用いて基板にドライエッチングを施した。次いで、基板上に残存する樹脂層を除去した。その結果、電子顕微鏡による観察で、基板表面に凸パターンが高精度に形成されていた。
(実施例6)
−圧力の付与による成形−
合成例5のポリスチレン−ポリブチルアクリレートブロック共重合体(B−2)の粉末1.0gをフローテスター(島津製作所製、CFT−500D)により、30℃、49.05MPaの圧力で直径1mmの穴のついたダイで押出成形した。その結果、30℃で圧力を付与するだけで成形可能であることが分かった。
(比較例1)
−圧力の付与による成形−
合成例1のポリスチレンマクロ開始剤(A−1)の粉末1.0gをフローテスター(島津製作所製、CFT−500D)により、30℃、49.05MPaの圧力で直径1mmの穴のついたダイで押出成形を試みたが、24時間経過した段階で押し出されることはなく、成形性を確認することはできなかった。
本発明のインプリント材料は、常温(0℃〜50℃)での圧力の付与により良好に成形可能であり、かつ成形エネルギーを低減でき、高解像のパターンを再現性よく得ることができるので、各種インプリント方法に好適に用いることができる。
図1Aは、本発明で用いられるモールドの断面模式図である。 図1Bは、本発明で用いられるモールドの他の断面模式図である。 図1Cは、本発明で用いられるモールドの更に他の断面模式図である。 図2は、圧力可塑性ポリマーを含むインプリント材料を用いたインプリント方法を示す説明図である。 図3は、合成例3の共重合体(A−3)からなるフィルムの走査型透過電子顕微鏡による断面写真である。 図4は、合成例4の共重合体(A−4)からなるフィルムの走査型透過電子顕微鏡による断面写真である。 図5は、合成例3の共重合体(A−3)及び合成例4の共重合体(A−4)の相分離構造の周期を測定した結果を示すグラフである。 図6左図は、成形前の共重合体(A−3)粉末、図6右図は、押し出し成形後の状態を示す写真である。 図7は、シート状モールドの光学顕微鏡写真である。 図8は、成形品の光学顕微鏡写真である。
符号の説明
10 モールド
20 レジスト層
30 基板
40 残膜

Claims (13)

  1. インプリントによりモールドの凹凸パターンを転写するのに用いられるインプリント材料であって、
    圧力の付与により流動性を示し、成形可能な圧力可塑性ポリマーを含有し、
    前記圧力可塑性ポリマーが相分離構造を有するブロック共重合体であり、前記圧力可塑性ポリマーの重量平均分子量が50,000以下であることを特徴とするインプリント材料。
  2. 圧力の付与が、0℃〜50℃の温度で行われる請求項1に記載のインプリント材料。
  3. 圧力可塑性ポリマーが、ガラス転移温度が30℃〜150℃の高Tg成分と、該高Tg成分よりもガラス転移温度が20℃以上低い低Tg成分とを含む請求項1から2のいずれかに記載のインプリント材料。
  4. 相分離構造が、10nm〜100nmのドメインを有する請求項1から3のいずれかに記載のインプリント材料。
  5. 高Tg成分を構成するモノマーがスチレン類であり、低Tg成分を構成するモノマーが(メタ)アクリル酸エステル類である請求項3から4のいずれかに記載のインプリント材料。
  6. 高Tg成分と低Tg成分とのモル比率(高Tg成分:低Tg成分)が、30:70〜70:30である請求項3から5のいずれかに記載のインプリント材料。
  7. 圧力可塑性ポリマーの重量平均分子量が5,000〜45,000である請求項1から6のいずれかに記載のインプリント材料。
  8. 圧力可塑性ポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.0以下である請求項1から7のいずれかに記載のインプリント材料。
  9. 基板上に請求項1から8のいずれかに記載のインプリント材料からなるレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
    モールドの凹凸パターンをレジスト層に接触させて加圧することにより該モールドの凹凸パターンを前記レジスト層に転写する転写工程と、
    を含むことを特徴とするインプリント方法。
  10. 溶液状態のインプリント材料を基板上に塗布してレジスト層を形成する請求項9に記載のインプリント方法。
  11. 粉末状態のインプリント材料を基板上に付与してレジスト層を形成する請求項9に記載のインプリント方法。
  12. 加圧が、0℃〜50℃の温度で行われる請求項9から11のいずれかに記載のインプリント方法。
  13. 基板上のレジスト層を除去するレジスト層除去工程を含む請求項9から12のいずれかに記載のインプリント方法。
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