JP2008155344A - 液状光重合性組成物、それを用いたナノ構造物およびその製造方法 - Google Patents

液状光重合性組成物、それを用いたナノ構造物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ナノインプリント工程に用いる光ラジカル重合性モノマ組成物の粘度を低下させて、工程に要する時間を短縮する。
【解決手段】1000nm以下の最小加工寸法を有する微細構造物であって、該微細構造物はビニルエーテル化合物とアクリレート化合物又はメタクリレート化合物との共重合体からなる熱可塑性重合体からなることを特徴とするナノ構造物。前記ナノ構造物は基体と一体化されていてもよく、支持体上に基体とともに又は独立して形成されても良い。
前記ナノ構造物は、ビニルエーテル化合物、アクリレートエステル化合物又はメタクリレート化合物及び光ラジカル重合触媒を含む組成物を重合させて得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細なパターンの形成を目的とした光ナノインプリントに用いる光硬化性レジスト材料、および、これを用いて作製した微細な樹脂構造パターン、並びにその製造方法に関するものである。
数十nmから数百nmの微細な構造物を作製する方法としては、従来より光や電子線を利用したリソグラフィー法が知られており、このような方法を利用することによって種々の半導体デバイスが製造されている。
前者の光リソグラフィー法では、所望の配線構造に対応したUV光のパターンをレジスト膜表面に縮小して露光し、引き続いて露光した像を現像するというプロセスを含んでいる。このような方法は、煩瑣な工程を含んでいる上、光の回折現象によって原理的に加工可能な寸法の下限が決められるという本質的な問題を有している。また、微細加工が100nm以下となる領域では用いる光学系が極めて高価となり、これが微細加工工程におけるコストに反映して、光リソグラフィー法の適用範囲を実質的に制限している。
一方、後者の電子線リソグラフィー法では、UV光によるよりもさらに小さい寸法での加工が可能となるものの、直接電子ビームにより描画するため、多数の基板に書き込むには多大の時間を要する。これらの理由から、上記したような従来のリソグラフィー法を用いた場合には、一般に高いスループットを得るのが困難である。
これに対して、近年、ナノインプリントと呼ばれる微細構造を作製する方法がスループットの高い方法として、例えば非特許文献1に報告されている。この方法は、通常、サブミクロン以下の寸法の凹凸パターンを予めSi基板や金属板上に描いておき、これをガラス転移点付近以上に加熱されている樹脂膜の表面に押し当てて原盤(モールド)の凹凸像を樹脂膜上に写すもので、原盤の凹凸像に対して逆転した凹凸像が樹脂膜上に形成される。このような方法は、普通、熱ナノインプリント法と呼ばれている。
このような目的に用いられる樹脂膜の材料としては、例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート)やポリカーボネート、或いはポリスチレンといった熱可塑性樹脂が用いられるのをはじめ、これらの架橋体ポリマーや場合によってはポリイミドなどの熱硬化性樹脂も用いられる。このようなナノインプリント法によって、数十nm〜数百nmの径を有する樹脂の柱(ピラー)が基板上に並んだ構造や、窪みや溝のパターンなどが作られる。
このような工程では、先に述べた光リソグラフィー法で用いられるような高価な光学部品を用いることもなく、また、転写操作によって同じ原盤から微細な構造を有する多数の樹脂膜を得ることができることから、比較的安価な微細加工手段として期待されている。しかしながら、加工すべき寸法が小さくなり、例えば直径数十nmのピラーを立てるような加工を高分子レジスト膜に施すような場合には、モールドをより高い圧力で押し付ける必要が生じる。
その結果モールド表面や、折角形成した微細なレジストパターン構造が壊されやすくなるといった問題が生じる。また、上記したようなナノインプリントによる場合には、元々変形しやすいレジストを用いる必要があるため、逆に形成された後のピラーが剛直さを欠くことになり、微細な形状を維持できない場合が少なくない。また、レジスト膜を予めガラス転移点以上まで加熱しておく必要があるため、1サイクルの工程を短縮する上でも限界がある。
このような高分子膜に対して行なうナノインプリント法に対して、光重合性のレジスト単量前駆体の組成物を用いる方法が知られており、例えば、非特許文献2に記載されている。ここで、前駆体と呼ぶのは、光硬化によって始めてレジストとしての機能を獲得することによっており、この前駆体は、1種もしくは複数種の光重合可能な単量体、もしくは例外的にはオリゴマーから成る組成物である。
この方法は、光ナノインプリント法と呼ばれるもので、例えば、液状のレジスト前駆体を基板に滴下し、ついで、モールドを押し当てて液状レジスト前駆体をモールドの表面凹凸形状に従わせ、その後該レジスト前駆体にUV光を照射して光硬化させるものである。ここで、液状レジスト前駆体は、先に述べた液状モノマ組成物を指す。
このような光によるナノインプリントの方法では、レジストが液状の前駆体の形をとっているため、比較的小さい圧力でモールドを押し当ててもモールド表面の形状が容易に転写されるという大きい利点がある。光ナノインプリント法のさらなる重要な利点は、UV光の照射に際して、精密な光学系を一切使用する必要が無いことで、このため、パターン形成のプロセス全体を低コストで実施することが可能となる。レジストを基板に滴下する替わりにモールド表面に滴下し、その後、基板を押し付ける方法も可能である。
また、上記したレジストの加工の形状や寸法が、予めモールドの表面に形成された微細な凹凸によって決定されるため、照射するUV光の波長によって加工可能な寸法が左右されるという問題がない。このような著しい特徴から、光ナノインプリント法は、先に述べた熱ナノインプリント法による場合よりも、より微細な構造の形成を対象とした場合に用いられることが多い。
モールドとして、例えば広範な波長範囲のUV光を透過する石英板を使用すれば、この石英モールドを透して露光させることが可能である。また、同様にUV光を透過する基板を用いれば、基板を介して露光することも可能となる。
このような目的で用いられるレジスト前駆体は、先にも述べたように、まず、液状である必要がある。光ナノインプリントに用いられる光硬化性のレジスト前駆体は、モールドの押し当てによって容易に押し拡げられる必要がある。このようなことを容易にするため、通常、該レジスト前駆体の液体をスピン塗布などの方法で液膜としておくのが1つの方法である。このような目的で用いられる液膜の厚さは、加工寸法の関係から決められ、通常50nm乃至100nmの厚さであることが多い。あるいは、液体ディスペンサーなどの装置や、インクジェットプリンターなどを用いて、予め設定した量だけ基板上に塗布することも可能である。
上記したような液状のレジスト前駆体が具備すべき重要な性質としては、UV光の照射によって速やかに硬化する性質が挙げられる。アクリレートモノマやメタクリレートモノマは、UV光の照射で速やかにラジカル重合して硬化することが知られており、優れたレジスト前駆体となりうる性質を有している。
特開2001−302744号公報 Journal of Vacuum Science and Technology, B 14, 4129 (1996). Journal of Vacuum Science andTechnology,B22,131,(2004)
液状のレジスト前駆体が具備すべき別の重要な性質としては、液体が容易にモールド表面の微細な凹凸形状に追随して速やかに拡がりうるか否かということである。このような性質は、基板上に設けたレジスト前駆体の液膜あるいは液滴にモールドを押し当てた際に、液膜がモールドの凹凸形状に追随しつつモールドと基板の間の全空間を満たすのに要する圧力や時間に直接関わる。このことから、レジスト前駆体の液膜がモールド表面で拡がり易いか否かということは、光ナノインプリント工程全体の生産性を支配する最も重要な因子の1つとなる。
液状のレジスト前駆体の形状追随性や流れ易さを支配する最も重要な因子はその粘度である。より低い粘度を得るには、一般的にはより小さい分子量を有するレジスト前駆体モノマ成分を用いることである。しかしながら、分子量を小さくすると、一般に液体の沸点も同時に低下するため、レジスト前駆体モノマ組成物の液膜の蒸発が顕著になり、不都合である。
特に、基板表面にインクジェット法やスピンコート法によって展開された液膜は、液膜の小さい体積の割合には極めて大きい表面積を有しているため、大気圧下でも体積あたりの成分の蒸発速度が大きく、上記したような成分組成の変化が無視できなくなる。
本発明の目的は、上記したようなジレンマを解消して液状のレジスト前駆体組成物の蒸発速度を高めずに粘度を低下させる手段を見出し、光ナノインプリントに適用することによって微細な形状を作製する方法を提供することにある。
本発明の目的とする光ナノインプリントによる加工の対象は、1000nm以下、場合によっては20nm以下の最小加工寸法を有する微細構造であり、作製された微細構造は十分な機械的強度を有していなければならない。従って、上記課題の解決策はこの条件を満たすものでなければならない。
本発明の課題の解決には、(1)液状のレジスト前駆体組成物の蒸発速度を低く維持しつつ、また、(2)系の全体重合性を維持しつつ、さらに、(3)20nm以下の領域まで重合体の均一性を維持しつつ、粘度を低下させる手法を提供することが必要である。ここで、「系の全体重合性」とは、液状のレジスト前駆体の組成物を構成する成分分子が、開始剤分子を除いてすべて基本的に重合性を示す性質を意味するもので、硬化後の膜の力学的強度に大きく寄与する因子である。
本発明は、ビニルエーテル化合物及びアクリレートエステル化合物又はメタクリレートエステル化合物を含む液状モノマ組成物を光ラジカル重合することによって作製することを特徴とする1000nm以下の最小加工寸法を有する微細樹脂構造体ならびにその製造方法を提供するものである。
本発明は更に、アクリレートエステル化合物又はメタクリレートエステル化合物と、主として1つ以上の重合性官能基を有する1種以上のビニルエーテル化合物及び光重合触媒を含有することを特徴とする特徴とする光重合性液状組成物を提供するものである。
本発明により、(1)液状のレジスト前駆体組成物の蒸発速度を低く維持し、(2)系の全体重合性を確保し、さらに、(3)20nm以下の領域まで重合体の均一性を維持しつつ、粘度を低下させる方法を得ることができる。
前記ビニルエーテル化合物は、代表的には1乃至3つの重合性官能基を持つものから1種以上が選ばれる。例えば、1つの官能基をもつものとして、下記一般式(1)で示されるものがあり、
Figure 2008155344
式中、Rはメチル基、エチル基、nープロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、1,4−フェニレンジメチレン基、アラルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチレン基、オリゴ(エチレングリコール)基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロフェニル基、パーフルオロフェニルメチレン基、パーフルオロシクロヘキシルメチレン基のいずれか又は2種以上が選択される。
また、2つの官能基を持つものとして下記一般式(2)で示されるものがあり、
Figure 2008155344
式中、Rは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン ジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメチレン基、オキシジエチレン基、ポリエチレングリコール基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレンジメチレン基、パーフルオロ−1,4−シクロヘキシレンメチレン基のいずれか又は2種以上が選択される。
更に、3つの官能基を有するものとして、下記一般式(3)で示されるものがあり、
Figure 2008155344
式中、Rは、トリメチロールメタン基、トリメチロールエタン基、トリメチロールプロパン基、トリメチロールブタン基などのトリメチロールアルキル基、トリメチロールアラルキル基、トリメチロールベンジル基、シクロヘキシルメチレン基、トリメチロールメチルビニルエーテル基、トリメチロールメチルアクリレート基、トリメチロールメチルメタクリレート基のいずれかで示されるビニルエーテル化合物から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
ここでは、1乃至3つの重合性官能基を持つものの例を挙げたが、1分子中に含まれる重合性官能基の数は原理的には4以上の数とすることも可能であり、本発明では重合性官能基を1つ以上有していれば良い。ただし、分子のサイズが大きくなると、一般に粘度が高くなるといった事情から、主として1乃至3の官能基数を有するモノマを用いることが一般に有利である。
本発明における共重合体の構造は、1官能性ないし多官能性ビニルエーテルモノマと、1官能性ないし多官能性のアクリルレート又はメタクリレートモノマとの組合せによって様々な構造をとりうる。基本的には、一般式(4)に示すようなアクリレートモノマ(A)とビニルエーテル化合物(V)とのランダム重合体であり、その構造を模式的に示すと、図4、図5のようになる。即ち、図4に示すアクリレートモノマまたはメタクリレートモノマとビニルエーテルモノマとを共重合させて得られるものが、図5に示すものである。図5はあくまでも説明のための模式図である。一般式(4)において、a,bはそれぞれアクリレート又はメタクリレートの残基を示し、1以上であり、l及びmは、a,bの繰り返し数を示し1以上である。
Figure 2008155344
本発明の実施例による組成物は、モールドと基板の間に挟まれた該液状モノマ組成物がより速やかにモールド−基板面全体に拡がることとなり、その結果、光ナノインプリントにおける転写工程に要する時間、ひいてはコストを大幅に短縮することが可能となるという利点がある。また、転写工程において液状モノマ組成物を拡げる目的でモールドを押し当てる際、これに要する圧を低くすることができ、モールドの磨耗や損耗を低減することができる。さらに本発明の実施例によって粘度を低下させた液状モノマ組成物を用いる重要な利点は、光ナノインプリント工程において、モールドの形状をより忠実に再現しうることであり、場合によっては2nm以下の精度で転写することができる。
前記の課題の観点から検討を加えた結果、アクリレートやメタクリレートなどの光ラジカル重合性化合物に、特定の群から選ばれたビニルエーテル化合物を混合し、光ラジカル共重合を起こさせることによって、前記条件を満たす微細構造体を作製しうることを見出した。
本発明によれば、アクリレートエステルもしくはメタクリレートエステルのモノマ10〜99.5重量%と、下記一般式(1)、一般式(2)および/又は一般式(3)で示されるビニルエーテル化合物を1種以上0.05〜90重量%及び光ラジカル重合触媒を上記モノマの合計量に対し、0.1重量%以上添加した組成物が提供される。
上記一般式(1)は、1官能基のビニルエーテル化合物で、その具体例として、
Figure 2008155344
式中、Rはメチル基、エチル基、nープロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、1,4−フェニレンジメチレン基、アラルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチレン基、オリゴ(エチレングリコール)基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロフェニル基、パーフルオロフェニルメチレン基、パーフルオロシクロヘキシルメチレン基のいずれか又は2種以上である。
また、前記一般式(2)は2官能基のビニルエーテル化合物で、その具体例は、
Figure 2008155344
式中、Rは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレンジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメチレン基、オキシジエチレン基、ポリエチレングリコール基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレンジメチレン基、パーフルオロ−1,4−シクロヘキシレンメチレン基のいずれか又は2種以上である。
更に、前記一般式(3)は、3官能基のビニルエーテル化合物で、その具体例は、
Figure 2008155344
式中、Rは、トリメチロールメタン基、トリメチロールエタン基、トリメチロールプロパン基、トリメチロールブタン基などのトリメチロールアルキル基、トリメチロールアラルキル基、トリメチロールベンジル基、シクロヘキシルメチレン基、トリメチロールメチルビニルエーテル基、トリメチロールメチルアクリレート基、トリメチロールメチルメタクリレート基のいずれか又は2種以上である。
本発明に用いうるアクリレートの例としては、ベンジルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、ネオペンチルグリコール ジアクリレート、ビスフェノールA エトキシレート ジアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロー1,6−ヘキシル ジアクリレート、1,4−ブタンジオール ジアクリレート、エチレンジアクリレート、ジエチレングリコール ジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカンジメタノール ジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカン ジメタノールアクリレート、トリメチロールプロパン トリアクリレート、ジシクロペンテニル アクリレート、などが挙げられる。
本発明に用いうるメタクリレートの例としては、ビスフェノールA エトキシレート ジメタクリレート、エチレングリコール ジメタクリレート、ベンジル メタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロー1、6−ヘキシル ジメタクリレート、トリプロピレングリコール ジメタクリレート、エチレングリコール ジメタクリレート、ジエチレングリコール ジメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカンジメタノール ジメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカンジメタノール メタクリレート、トリメチロールプロパン トリメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、などが挙げられる。
本発明の重要な点は、光ラジカル重合可能なモノマ組成物に対して、本来カチオン重合性のビニルエーテルモノマを加えて組成物の粘度を低下させるとともに、光ラジカル共重合しうる組成物とすることである。従って、本発明の目的を達成する手段は、上記に挙げた例に限定されるものではない。
ビニルエーテル化合物の添加による粘度の低下は、必ずしも各成分単体の粘度の単純な線形結合で決定されることはなく、加えるビニルエーテル化合物の種類を適宜選定することにより、組成物の蒸発速度を増加させずに、あるいは、蒸発速度の増加を最小限に留めつつ、組成物全体の粘度を大幅に低下させうる場合があることが分かった。
上記一般式(1)に示した一般式で本発明に供しうる化合物の一部を例示すると、n−プロピル ビニルエーテル、n‐ブチルビニルエーテル、n‐ヘキシルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アリール ビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチレングリコール ブチルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ポリエチレングリコール メチルビニルエーテル、トリエチレングリコール メチルビニルエーテル、などが挙げられる。
上記一般式(2)に示した一般式で本発明の供しうる化合物の一部を例示すると、トリエチレングリコール ジビニルエーテル、ブタンヒオール ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノール ジビニルエーテル、ジエチレングリコール ジビニルエーテル、ヘキサンジオール ジビニルエーテル、テトラエチレングリコール ジビニルエーテル、1,4−ブタンジオール ジビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカンジメタノール ジビニルエーテルがある。
上記一般式(3)に示した一般式で本発明の供しうる化合物の一部を例示すると、トリメチロールプロパン トリビニルエーテル、などが挙げられる。
アクリレートエステルやメタクリレートエステルのモノマにビニルエーテル化合物を混合して光ラジカル重合性組成物として用いた例が特許文献1に記載されている。しかしながらこの例においては、用いるアクリレートエステルやメタクリレートエステル化合物が、水酸基、アミノ基、アミド基、ウレタン基、イソシアネート基のいずれかを有することを必須条件としており、実際これらの化学基が反応すると強固な化学構造が形成される。
しかしながら、このような化学組成を本発明に適用することは困難である。本発明が対象とする最小加工寸法1000nm以下の微細加工においては、モールドもしくはその表面処理剤に対して付着性のある化学基が樹脂成分に含まれると、モールドからの離型が困難となり、離型時に微細構造の1部が損傷を受ける可能性がある。このような樹脂成分の付着性は、多くは水素結合の形成によるものであり、従って、本発明に用いる重合性モノマ成分には、水素結合のもととなる水酸基やアミノ基を含む組成を避ける必要がある。
また、モールドを押し当てて光硬化させて得られる微細構造体が十分な構造強度を有するためには、可能な限り多くの高分子鎖が単位断面積に含まれることが必要である。この点、光硬化反応に際してバルキーな化学構造が形成される場合には、たとえ化学結合的に大きい強度があるとしても、1000nm以下の加工寸法を有する微細構造体とするには不向きとなる場合が多い。また、上記特許文献からも明らかなように、例示された重合性組成物の粘度は、いずれも高く、本発明による組成が有する基本的な性質とは大きく異なる。
このような比較的バルキーな構造が形成される代表的な例としては、アクリレートモノマやメタクリレートモノマがイソシアネート基など大きい付加構造や環構造を形成する化学基を持つ場合で、微細な空間での硬化反応にこれらの反応が介在すると微視的な構造が乱れて高分子鎖密度が低下する。このような点が、加工寸法のレベルによって要求される樹脂の分子構造が異なってくる理由の1つである。最小加工寸法が1000nm以下であったり、あるいはさらに小さい最小加工寸法を有する場合には、構造体の機械的強度を確保するためには、高分子構造の稠密性を考慮する必要が生じる。
また、粘度に関しても、最小加工寸法によって要求されるレベルが大きく異なるため、用いる材料選択の原則も異なってくる場合が多い。本発明では5mPa・s程度以下の粘度を必要としており、材料選択に際しては大きい粘度を許容する場合とは自ずと対象が違ってくる。このような理由によって、本発明においては、μm以上の比較的大きい加工を行なう場合とは異なった考え方に基づいて材料選択を行なわねばならない。
図1に、本発明による液状モノマ組成物を用いて光ナノインプリントによる微細構造を作製する工程を示す。図1(a)は、基板1上にスピン塗布法あるいはインクジェット法などによって液状モノマ組成物の液膜2を形成したものである。(b)は、この液膜2に対して表面に微細な凹凸パターンを有するモールド3を押し当てた状態を示すもので、液膜2はモールドの形状にパターン化される。(c)は、照射しようとするUV光に対して透明なモールド3を透してUV光4を照射する様子を示したものである。また、基板1が透明な場合には、基板側から光照射しても良い。
透明なモールドの材料としては、通常、石英などを用いうる。(d)は、UV光の照射によって、液膜2が硬化して樹脂膜のパターン5となり、モールド3を基板1の表面から引き剥がした様子を示している。パターン5を形成する際、通常、パターン化されない層(基部)6が残留する。通常、ベース層と呼ばれ、(d)の工程のあと、イオン照射等によるエッチング(e)によって除かれる。それにより、基板上に独立したナノ構造物8が形成される。その際、本来のパターン5の上表面も同様にエッチングを受けるため、予めこうした効果を考慮して微細構造の設計を行なう必要がある。又、工程(f)に示すように、ナノ構造物を、それぞれ分離して、ディスクリートなナノ構造物9としても良い。
本発明によるナノ構造物は、少なくとも、基板1とナノ構造物5及びナノ構造物と一体化した基部6が一体化したもの〔図1(d)〕、基部を除去したもの(図1(e)),図1(d)において、基板1を除去して、ナノ構造物5と基部6とからなるもの、ディスクリートなナノ構造物〔図1(f)〕を含む。
図1(a)では、液膜2を設ける替わりに液滴を基板上に落とし、次いで(b)でモールドを押し当てることによって実質的に液膜2と同様な形態にすることも可能である。また、最小加工寸法20nm以下となるような微細な光ナノインプリントでは、モールドの表面に形成される構造も微細であるため、基板との間に介在する液状モノマ組成物の液膜を押してパターンする際、モールドが基板と接触することによって損耗や磨耗を受け易い。この工程は、前記図1(b)に対応する。
もし、モールドを液状モノマ組成物の液膜に押し当てる際、より小さい圧力で該液膜を押し拡げることができれば、モールドの損耗や磨耗を低減することができ、経済的である。さらに、基板とモールドの間で液膜をより速やかに押し拡げることができれば、光ナノインプリントの転写工程をより素早く行なうことができることになり、この点でも経済的に効果が大きい。従って、用いる液状モノマ組成物の粘度を低くすることは極めて重要である。薄板間で液膜が拡がる速度は、該液膜の粘度の逆数に比例することが知られており、小さい圧力による液膜の薄層化を可能にするには、液状モノマ組成物の粘度を低下させるのが最も重要である。
有機化合物の液体の粘度はその分子構造や分子量と深く関わっており、類似の構造を有する有機化合物の間では、分子量を小さくすることによってより低い粘度を得ることができることは経験的に良く知られた事実である。従って、例えばアクリレート化合物などの液状のモノマ組成物を用いる際、可能な限り分子量の小さい群から選ぶことが重要になる。しかしながら、分子量を小さくすると、一般に液体の沸点も同時に低下することも良く知られた事実である。
もし、液状のレジスト前駆体の沸点が低いと、該前駆体の蒸発が起こり、不都合である。通常、液状モノマ組成物あるいは液状のレジスト前駆体としては、複数の単量体成分の混合物が用いられる。しかし、それぞれ異なる沸点を有する場合が多いため、より低い沸点を有する特定の成分のみがより蒸発し易いことになり、予め設定したモノマ成分の組成が変化し、レジストとしての硬化特性に好ましくない影響がもたらされることになる。
液体組成物の粘度低下を図る方法として、沸点はさほど低くないものの、液状モノマ成分よりも粘度が低い液体成分を粘度低下剤として混合させる方法がある。しかしながら、このような手段をとると、光硬化に寄与しない緩衝成分となるため、光硬化で形成された微細な構造が剛直性を欠き、その結果微細構造が軟弱になったり崩れ易くなるという問題が生じる。あるいは、しばしば微細な構造自身が形成されないという事態に到ることがある。このような問題は、光硬化反応に関与しない非重合性の物質がレジスト前駆体中に実質的な濃度で存在したため、構造の脆弱性を招いた結果によるものである。このような問題が顕在化するのは、加工寸法が1000nm以下、特に50nm以下という、本発明が対象とする極めて微細な構造の形成に特有の現象である。前記した「全体重合性」は、このような事情に基づいて導き出された原則である。
上記した事情から、粘度低下の目的で添加する成分も母体の液状のレジスト前駆体とともに重合硬化する性質を有していなければならない。20nm程度以下の寸法領域においても、組成の均一性が高く且つ剛直で強度に優れた硬化樹脂を得るためには、このような全体重合性を確保することが必須の条件となる。このような事情が、最小加工寸法がμm以上という従来の比較的大きい光硬化樹脂構造体の作製における手法を適用できない理由の1つである。
アクリレートモノマを例にとれば、低分子量のアクリレート化合物を、母体の組成物に対して許容される沸点の下限まで加えることは可能である。しかしながら、許容しうる沸点の下限まで達した組成を、さらに低粘度化するのは困難である。
一方、全く異なる重合系の化合物を添加すると、相互に異なる化学的性質によって相分離が起こることが少なくない。もし、μmオーダー程度の最小加工寸法を有する場合に、このような相分離を避けることができたとしても、100nm以下の寸法領域においても相分離を避け得るということは自明ではない。もし、この小さい寸法領域で相分離が発生すると、100nm以下の形状を有する構造は均一性を失い、その結果、十分な強度が得られなかったり、微細な形状の形成そのものが困難になったりする。従って、数nm程度という極めて微細な寸法領域まで均一性の保証された構造を形成するには、通常のμmオーダー以上の寸法領域における構造均一性を得る場合とは基本的に異なった材料技術に基づかねばならない。
上記したようなナノ領域における相分離は、化学的性質の異なるモノマ単位がある程度空間的に分離されて重合する結果生じることが多い。従って、異種の化合物系に属する複数のモノマ成分、例えばAモノマとBモノマからなる組成物の系を重合する際、相分離を避けるために留意すべき第1の点としては、A成分およびB成分が高分子鎖上で空間的に偏るような重合の仕方を避けることである。100nm以下、あるいは5nm程度の微細領域での組成均一性を獲得するためには、このような数nm領域での重合組成の均一化を最大限図らねばならない。
上記したようなA、B両成分が空間的に偏った重合を起こすようなメカニズムとしては、AまたはB成分の高分子鎖活性末端が同種のモノマとより高い反応性を示す場合に起こる。このような同種選択性が介在すると、高分子鎖上に局所的に特定のモノマ成分の濃度が高められ、その結果相分離構造が現れることがある。従って、このような原因による相分離を避けるには、モノマ成分の反応性を極力等しくすることが肝要である。このような光重合における反応性の偏りは、μm領域での均一性の確保においては問題とならない場合が少なくないが、数十nm以下の寸法領域での重合体の均一性を確保するには極めて重大な阻害因子となりうる。
一般に、アクリレート化合物やメタクリレート化合物はラジカル重合性であり、実際これらの液状モノマに光ラジカル開始剤を混合してUV光を照射すると重合する。一方、ビニルエーテル化合物は、一般にカチオン重合性として知られ、光カチオン開始剤の添加のもとUV光を照射すると重合する。
本発明者は、特定のアクリレートモノマやメタクリレートモノマの組成物に、ある群から選ばれたビニルエーテル化合物を混合し、光ラジカル開始剤を加えてUV光を照射したところ、この組成物は上記した全体重合性を示すことを見出した。それと同時に、20nm以下の領域まで重合体の均一性を維持して相分離等の不均一性の兆候を示さないことを見出した。このような重合体の20nm以下の領域での均一性は、例えば原子間力顕微鏡(AFM)を用いて容易に確認することができる。このような微細構造を作製する上で好適な重合の状態の実現には、それぞれのモノマ成分の種類と組成の選定が極めて重要な鍵を握っている。
上記したように、アクリレートモノマやメタクリレートモノマとビニルエーテル化合物を混合した組成物の光ラジカル重合で、相分離の無い均一な組成が20nm以下の寸法領域まで得られたことは、本発明で選定した組成が、上記した諸条件を満たしたことによる。
もし、エステル基とエーテル基という異なった化学構造からなる両者がそれぞれ異なったメカニズムで重合したとすると、空間的にも互いに分離された重合が起こり易くなるため、相分離構造をとりやすくなる。もっとも、意図的に相分離構造を導入しようとする場合には、化学構造の異なる両者をそれぞれ異なるメカニズムで重合することが重要な手段ともなりうる。このような相分離構造を、モールドが与える微細構造に対する付加的な微細構造を得る手段として積極的に利用することも可能である。あるいは、意図的に形成した相分離構造のみを利用することも可能となる。
このような相分離構造を光硬化樹脂に導入する1つの方法は、上記したように、化学構造の異なる2種以上のモノマに対して、それぞれ異なる重合メカニズムを与える開始剤によって重合を起こさせることである。例えば、アクリレートモノマやメタクリレートモノマとビニルエーテルモノマの混合組成物に対して、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤の双方を添加しておき、光照射によって異なる2種のメカニズムによる重合反応を起こさせるものである。
通常、異なる重合メカニズムは、それぞれ異なる反応速度を有するため、時間的には一方の重合反応が先行し、遅れて別の重合メカニズムによる反応が進行することとなる。このような異なった硬化反応速度の効果を、初期のモノマ組成比の適切な選択と組み合わせることにより、種々の相分離構造をチューニングできることになる。このようにして得られる相分離構造は、μm以上の寸法領域の特徴形状を有するものから、数nmの領域のものまで広範な範囲で選択できる。
本発明におけるビニルエーテルモノマの添加は、対象とする液状モノマ組成物を構成するモノマの内のより粘度の高い成分を置き換える形で実施するのが効果的である。その際、粘度以外の物性の変化を最小に抑えるには、置き換え合うモノマの官能基の数や環状構造などを可能な限り類似させるのが重要である。このような配慮は、硬化した際の架橋度などをさほど変えない形で置き換えうることになり、材料使用手法として有効である。
アクリレートモノマやメタクリレートモノマを用いた光重合に際して、20nm以下の領域まで組成の均一性や硬化物の剛直性を維持するには、通常、単官能性のモノマばかりでなく、2官能性や場合によっては3官能性以上のモノマを組成物に含ませることが有効である。また、アルキル基やアルキレン基の水素原子をフッ素原子で置換した置換基を有するアクリレートモノマやメタクリレートモノマの添加も、モールドの微細形状への追随性をさらに良くする上で有効である。また、フッ素原子の導入は、本発明によるビニルエーテル化合物の水素原子をフッ素原子で置換する形で行なうことも可能である。
本発明を実施する際に用いる開始剤としては、i−線に対応した光ラジカル開始剤のほか、種々の波長特性を有する材料から選ぶことができる。このような本発明に用いることのできる光ラジカル開始剤の例としては、2,4,6−トリメチルジフェニルフォスフィンオキサイ、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2―ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2―(ジメチルアミノ)―2―[(4−メチルフェニル)メチル]―1―[4―(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2―ヒドロキシ―2―メチル―1―フェニル―プロパン―1―オン、2―ヒドロキシ―2―メチル―1―フェニル―プロパン―1―オンなどが挙げられる。しかし、本発明の趣旨に照らして、本発明の範囲がここに掲げた光ラジカル開始剤の使用に限定されることはない。
(実施例)
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
〔実施例1〕
ビスフェノールA エトキシレート ジアクリレート(新中村化学工業(株)製)、ネオペンチルグリコール(新中村化学工業(株)製)、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)、をそれぞれ表1に示した配合で混合し、遮光下1時間撹拌した後、孔径20nmのテフロン(登録商標)フィルターを用いてろ過した。こうして得られた液状モノマ組成物を、HAAKE製粘度測定装置を用いて粘度を測定した。結果を表1に併記した。
同表より明らかなように、ビスフェノールA エトキシレート ジアクリレートをトリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(BASF製)で部分的に置き換えた組成物〔2〕および〔3〕は、置き換えを行なわなかった組成物〔1〕に比較して粘度が低下しているのが分かる。次いで、光ラジカル開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ製)を、表1の組成物〔1〕〜〔3〕の総重量の4%に相当する量をそれぞれ加え、前記した方法と同様の方法でろ過した。こうして、光硬化性液状モノマ組成物〔1p〕〜〔3p〕が得られた。
これらの液状モノマ組成物〔1p〕〜〔3p〕を用いた光ナノインプリント工程による微細構造作製の試験は以下の要領で実施した。液状のモノマ組成物を、洗浄した直径1インチのガラス円盤上に同一円周上で中心に対して8回対称となる等間隔の位置8点に、0.1μLづつディスペンサーを用いて滴下した。次いで、このガラス基板の上に、同じ外径で、径20nm、深さ50nmの微細孔を有するモールドを押し当て、その上部より0.5kNの圧を基板面全体で均等になるように制御しつつ印加した。モールドを基板に押し当てた際、液滴が基板前面に拡がるのに要した時間を表1に併記した。次に、500W高圧水銀灯を用いて、UV光をガラス基板側から5秒間照射したあと、基板からモールドを離型した。このようにして得られた基板表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察し、上記〔1〕〜〔3〕のいずれの組成物を用いた場合にも配列した樹脂の突起からなる良好な微細パターンが形成されているのを観察した。観察された微細パターンの概略及びその寸法(高さ、径)を図2に示す。この例ではナノピラーのアスペクト比は2.5である。
上記した結果は、本発明による組成物〔2〕および〔3〕を用いた場合には、微細構造を作製するに当たってより短い時間で行なうことが可能になることを示している。また、ビニルエーテルの添加によって微細構造の形成を阻害するような硬化体の不均一性や組成の不連続性を生じていないことを示しており、本発明の有効性を示すものである。
Figure 2008155344
〔実施例2〕
ジエチレングリコール ジアクリレート(アルドリッチ製)、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール ジアクリレート(新中村化学工業(株)製)、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロー1,6−ヘキシル ジアクリレート(SynQuest製)、を用いて表2に記載した組成物〔4〕を2種類、実施例1と同様な手順で調製した。次いで、組成物〔4〕の一方に、その組成物の重量の8%に相当する量のジエチレングリコール ジビニルエーテル(BASF製)を加えて組成物〔5〕とした。組成物〔4〕および〔5〕をそれぞれ良く撹拌混合したのち孔径20nmのテフロンフィルターを用いてろ過した。こうして得られた液状モノマ組成物〔4〕と〔5〕について、HAAKE製粘度測定装置を用いて粘度を測定した。結果を表2に併記した。同表より明らかなように、ジエチレングリコール ジビニルエーテルを添加した組成物〔5〕では、添加しない組成物〔4〕に比較して粘度が低下しているのが分かる。
次いで、実施例1と同様な操作で光ラジカル開始剤2―ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノンを〔4〕、〔5〕の各重量の4%に相当する重量だけそれぞれ加え、前記した方法と同様の方法でろ過した。こうして、光硬化性液状モノマ組成物〔4p〕、〔5p〕が得られた。これらのモノマ組成物を用いて、実施例1に記したのと同様の方法でガラス基板上に滴下した後、モールドを押し当ててUV光を照射し、離型した。モールドを押し当てた際に、モノマ液膜が基板全体に拡がるのに要する時間を表2に併記した。
同表から明らかなように、本発明の方法による液状モノマ組成物〔5p〕を用いると、液膜をガラス基板の全面に押し拡げるのに要する時間が短くなることが分かる。ガラス基板上に形成された微細構造を、AFMを用いて観察し、〔4p〕、〔5p〕いずれの場合も、実施例1の場合と同様、径20nm、深さ50nmのモールド表面の微細孔に対応するピラーの形成を認めた。〔5p〕を用いて作製した微細構造におけるピラーは、〔4p〕から作製したピラー同様、少なくとも3nmの領域まで組織の不連続性が見られず、高い均一性を示した。
Figure 2008155344
〔実施例3〕
前記実施例2で調製した液状モノマ組成物〔4p〕、〔5p〕を、円柱状(高さ1.5mm、直径6.5mm)のアルミニウム製の容器2個にそれぞれ34.9mg(曲線1)および33.5mg(曲線2)を入れ、両容器を減圧度10mmHgの真空容器に室温で静置して重量変化を調べ、結果を図3に示した。
同図より明らかなように、〔4p〕、〔5p〕いずれの組成物とも時間の経過とともにほぼ並行した減量の様子を示しており、実施例2においてジエチレングリコール ジビニルエーテルを添加された〔5p〕の蒸発速度が、ジエチレングリコール ジビニルエーテルを添加していない〔4p〕の場合と実質的に同じであることが分かった。これより、本発明で用いたビニルエーテル化合物の添加による粘度低下の方法が、液状モノマ組成物の蒸発速度を少なくとも増加させていないことが明らかである。
〔実施例4〕
ネオペンチルグリコール(新中村化学工業(株)製)、ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)、トリメチロールプロパン トリアクリレート(アルドリッチ製)、ジエチレングリコール ジビニルエーテル(BASF製)、トリシクロ[5.2.1.02、6]デカンジメタノール ジビニルエーテル(丸善石油化学(株)製)、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロー1,6−ヘキシル ジアクリレート(SynQuest製)、を表3に示した配合で混合した。次いで、実施例1と同様の方法でろ過した後、粘度を測定したところ、粘度1.81mPa・sが得られた。次いで、このモノマ組成物に、光ラジカル開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ製)を、表3の組成物の総重量の5%に相当する重量をそれぞれ加え、実施例1に記した方法と同様の方法でろ過した。こうして、光硬化性液状モノマ組成物〔6〕を得た。
次に、孔径20nm、深さ50nmの配列した多数の微細孔を有する石英製の径1インチのモールドを用意した。前記組成物〔6〕を径1インチのガラス基板上に滴下して、実施例1に述べたのと同じ方法でモールドを押し当て、その上部より0.5kNの圧を基板面全体で均等になるように制御しつつ印加した。その際、組成物〔6〕が基板全面に拡がる速度は0.6秒であった。このモールドを介して実施例1と同様にUV光を4秒間照射してモールドを離型し、基板表面をAFMで観察した。その結果、モールドに設けられた微細孔に対応したピラーの配列が見られた。このピラー配列の高さの分布は、46nmを中心に、標準偏差1.5nmのバラツキを有するものであった。
Figure 2008155344
〔実施例5〕
ビスフェノールA エトキシレート メタクリレート(新中村化学工業(株)製)、ベンジルメタクリレートレート(共栄社化学(株))、ジエチレングリコール ジメタクリレート(アルドリッチ製)、用いて表4に記載した組成物〔7〕を2つ実施例1と同様な手順で調製した。次いで、組成物〔7〕の一方に、その組成物の重量の8%に相当する量のジエチレングリコール ジビニルエーテル(BASF製)を加えて組成物〔8〕とした。組成物〔7〕および〔8〕をそれぞれ良く撹拌混合したのち孔径20nmのテフロンフィルターを用いてろ過した。こうして得られた液状モノマ組成物〔7〕と〔8〕について、HAAKE製粘度測定装置を用いて粘度を測定した。結果を表4に併記した。同表より明らかなように、トリエチレングリコール ジビニルエーテルを添加した組成物〔8〕では、添加しない組成物〔4〕に比較して粘度が低下しているのが分かる。
次いで、このモノマ組成物〔7〕と〔8〕に光ラジカル開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ製)をそれぞれ組成物の重量の3%に相当する量を加え、前記実施例1と同様の方法でろ過して光硬化性液状モノマ組成物〔7p〕と〔8p〕を得た。この〔7p〕と〔8p〕を用いて、光照射時間を50秒とした他は実施例1と同様の方法でモールドを用いてガラス基板上に硬化した樹脂微細構造体を形成した。この微細構造体をAFMで観察し、20nmの径を有するピラーの配列を確認した。この微細構造体には、少なくとも2nmのサイズ領域まで、相分離等の不均一な構造は認められなかった。
Figure 2008155344
〔比較例1〕
表3に掲げた組成物のうち、ジエチレングリコール ジビニルエーテルとトリシクロ[5.2.1.02、6]デカンジメタノール ジビニルエーテルのみを加えない組成物を調製して用いた他は実施例4と同様の実験を行なった。その結果、組成物の粘度は4.8mPa・sを示した。次いで、実施例4と同様の方法で光ラジカル開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(チバスペシャリティケミカルズ製)を組成物の総重量の5%に相当する重量を加え、実施例1に記した方法と同様の方法でろ過した。こうして、光硬化性液状モノマ組成物〔9〕を得た。実施例4に記したのと同様の方法でモールドを押し当てたところ、組成物〔9〕が基板全面に拡がるのに要した時間は3.8秒であった。このように、ビニルエーテル化合物を含ませない組成物では、液滴が基板面全体に拡がるのに要する時間が長くなり、その結果、光ナノインプリントの工程により長い時間を要することが明らかである。
以上、実施例および比較例に記したように、本発明により得られる利点は明白である。
本発明によって、光ナノインプリントの工程をより短時間で行いうることは、より安価に製品を製造できることを意味しており、産業上重要な利点である。また、液状モノマ組成物の粘度が小さいことは、モールドにおける印加圧などの負担を軽減しうることにもなり、一般に高価であるモールドの寿命を長くすることができる。
本発明の実施例による共重合体の物性の代表的なものを挙げる。
(1)高い透明性
本発明で用いた共重合物は、いずれも近紫外域から可視域全般にわたって実質的に光吸収性を示さず、透明である。
(2)高いガラス転移温度
2官能性および3官能性モノマのモル分率が増加するのに伴い、ガラス転移温度が直線的に上昇する。また、粘弾性測定における保存弾性率と損失弾性率の比(tanδ)のピーク温度も、官能数の増加とともに直線的に上昇する。これらは、多官能性モノマが占める分率の増加とともに、共重合物体が硬くなることを示している。逆に、この多官能性モノマの分率を任意に選択することによって、得られる共重合体の硬度を調節しうることを意味している。
(3)大きい体積収縮率
2官能性および3官能性のモノマの仕込み比率が高くなるに従って、光重合に際して起こる体積収縮の程度が大きくなる。5%程度の2官能性モノマと95%の1官能性モノマからなる共重合体では、体積収縮率が5%程度であったのに対して、2官能性モノマと3官能性モノマを併せて40%含むモノマ組成を用いると、体積収縮率は15%に上った。光ナノインプリントにおける体積収縮は、個別の構造の配置が変化しないように規定されるため、体積収縮の影響は主として硬化空間内のバルクについて重要となる。このような特徴は、光硬化した後、モールドを離型する際に重要となる。すなわち、体積収縮の顕著な系では、これによって重合体とモールドの間の接触が弱まり、その結果モールドの離型がより容易になるという利点がある。同時に、上記したように、体積収縮の大きい系では、一般に光硬化物の硬度も大きくなるので、形成した微細構造の維持に都合が良い。このような事情から、比較的大きい多官能性モノマの仕込み比率が採用されることになる。
光ナノインプリント工程の概略図。 光ナノインプリント工程によって形成された微細構造体を示す図。 減圧下における液状モノマ組成物の減量の様子を示す図。 本発明によるビニルエーテルモノマの概略構造を示す図。 本発明による共重合体の模式図。
符号の説明
1…基板、2…液状モノマ組成物の液膜、3…モールド、4…照射されたUV光、5…樹脂膜のパターン、6…ベース層、7…形成された樹脂の突起。

Claims (27)

  1. 1000nm以下の最小加工寸法を有する微細構造物であって、該微細構造物はビニルエーテル化合物とアクリレート化合物又はメタクリレート化合物との共重合体からなることを特徴とするナノ構造物。
  2. 基体部とそれに一体化した1000nm以下の最小加工寸法を有する微細構造物を備えた構造物であって、前記微細構造物はビニルエーテル化合物とアクリレート化合物又はメタクリレート化合物との共重合体からなることを特徴とするナノ構造物。
  3. 支持体とそれに連接した微細構造物とを有し、前記微細構造物はビニルエーテル化合物とアクリレート化合物又はメタクリレート化合物との共重合体であることを特徴とするナノ構造物。
  4. 支持体と、該支持体に連接した基体部と、該基体部に一体化した1000nm以下の最小加工寸法を有する微細構造物を備えた構造物であって、前記微細構造物はビニルエーテル化合物とアクリレート化合物又はメタクリレート化合物との共重合体からなることを特徴とするナノ構造物。
  5. 前記共重合体は、0.5〜90重量%の前記ビニルエーテル化合物と10〜99.5重量%のアクリレート化合物又はメタクリレート化合物とを含む重合性組成物を光ラジカル重合したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のナノ構造物。
  6. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(1)で示される化合物の1種以上であることを特徴とする請求項5記載のナノ構造物。
    Figure 2008155344
    式中、Rはメチル基、エチル基、nープロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、1,4−フェニレンジメチレン基、アラルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチレン基、オリゴ(エチレングリコール)基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロフェニル基、パーフルオロフェニルメチレン基、パーフルオロシクロヘキシルメチレン基のいずれかである。
  7. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(2)で示される化合物の1種以上であることを特徴とする請求項5記載のナノ構造物。
    Figure 2008155344
    式中、Rは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン ジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメチレン基、オキシジエチレン基、ポリエチレングリコール基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレンジメチレン基、パーフルオロ−1,4−シクロヘキシレンメチレン基のいずれかである。
  8. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(3)で示される化合物の1種以上であることを特徴とする請求項5記載のナノ構造物。
    Figure 2008155344
    式中、Rは、トリメチロールメタン基、トリメチロールエタン基、トリメチロールプロパン基、トリメチロールブタン基などのトリメチロールアルキル基、トリメチロールアラルキル基、トリメチロールベンジル基、シクロヘキシルメチレン基、トリメチロールメチルビニルエーテル基、トリメチロールメチルアクリレート基、トリメチロールメチルメタクリレート基のいずれかである。
  9. 基板面と、1000nm以下の最小加工寸法を有するモールドと接触した状態で、ビニルエーテル化合物とアクリレート化合物又はメタクリレート化合物とを含む液状組成物を、光ラジカル重合することを特徴とするナノ構造物の製造方法。
  10. 1000nm以下の最小加工寸法を有するパターンを形成したモールドのパターン面にビニルエーテル化合物、アクリレート化合物又はメタクリレート化合物および光ラジカル重合触媒を含む液状組成物を付着させる工程と、基板面を該モールド面の液状組成物に押し当てる工程と、該モールドもしくは該基板を介し該液状組成物に光を照射して、光ラジカル重合させる工程と、該モールドを前記基板面から引き剥がす工程を含むことを特徴とするナノ構造物の製造方法。
  11. 基板面にビニルエーテル化合物、アクリレート化合物又はメタクリレート化合物および光ラジカル重合触媒を含む液状組成物を付着させる工程と、1000nm以下の最小加工寸法を有するパターンを形成したモールドのパターン面を押し当てる工程と、該モールドもしくは該基板を介し該液状組成物に光を照射して、光ラジカル重合させる工程と、該モールドを基板から引き剥がす工程を含むことを特徴とするナノ構造物の製造方法。
  12. 更に、引き剥がされたナノ構造物の前記パターン間に残存する不要部を除去する工程を含む請求項9〜11のいずれかに記載のナノ構造物の製造方法。
  13. 前記液状組成物は10〜99.5重量%のアクリレートエステル又はメタクリレートエステルと、0.5〜90重量%のビニルエーテル化合物と、前記重合性モノマの0.1重量%以上の光ラジカル重合触媒を含有することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のナノ構造物の製造方法。
  14. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(1)で示されるものである請求項9〜11のいずれかに記載のナノ構造物の製造方法。
    Figure 2008155344
    式中、Rはメチル基、エチル基、nープロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、1,4−フェニレンジメチレン基、アラルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチレン基、オリゴ(エチレングリコール)基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロフェニル基、パーフルオロフェニルメチレン基、パーフルオロシクロヘキシルメチレン基のいずれかである。
  15. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(2)で示されるものである請求項9〜11のいずれかに記載のナノ構造物の製造方法。
    Figure 2008155344
    式中、Rは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン ジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメチレン基、オキシジエチレン基、ポリエチレングリコール基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレンジメチレン基、パーフルオロ−1,4−シクロヘキシレンメチレン基のいずれかである。
  16. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(3)で示されるものである請求項9〜11のいずれかに記載のナノ構造物の製造方法。
    Figure 2008155344
    式中、Rは、トリメチロールメタン基、トリメチロールエタン基、トリメチロールプロパン基、トリメチロールブタン基などのトリメチロールアルキル基、トリメチロールアラルキル基、トリメチロールベンジル基、シクロヘキシルメチレン基、トリメチロールメチルビニルエーテル基、トリメチロールメチルアクリレート基、トリメチロールメチルメタクリレート基のいずれかである。
  17. 前記液状モノマ組成物に含まれるアクリレートエステル化合物もしくはメタクリレートエステル化合物が、水酸基および窒素原子を有する化学基を実質的に含まないことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のナノ構造物の製造方法。
  18. モールドから引き剥がされたパターン化された樹脂表面に対して、エッチング処理を加えることによって基板上に蝕刻された1000nm以下の最小加工寸法を有する微細構造物を形成することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のナノ構造物の製造方法。
  19. アクリレートエステル化合物又はメタクリレートエステル化合物と、1つ以上の重合性官能基を有する1種以上のビニルエーテル化合物及び光重合触媒を含有することを特徴とする特徴とする光重合性液状組成物。
  20. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(1)で示されることを特徴とする請求項19記載の光重合性組成物。
    Figure 2008155344
    式中、Rはメチル基、エチル基、nープロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、1,4−フェニレンジメチレン基、アラルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンメチレン基、オリゴ(エチレングリコール)基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロフェニル基、パーフルオロフェニルメチレン基、パーフルオロシクロヘキシルメチレン基のいずれかである。
  21. 前記ビニルエーテル化合物は、下記一般式(2)で示されることを特徴とする請求項19記載の光重合性組成物。
    Figure 2008155344
    式中、Rは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン ジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメチレン基、オキシジエチレン基、ポリエチレングリコール基、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレン基、パーフルオロ−1,4−フェニレンジメチレン基、パーフルオロ−1,4−シクロヘキシレンメチレン基のいずれかである。
  22. ビニルエーテル化合物は、下記一般式(3)で示されることを特徴とする請求項19記載の光重合性組成物。
    Figure 2008155344
    式中、Rは、トリメチロールメタン基、トリメチロールエタン基、トリメチロールプロパン基、トリメチロールブタン基などのトリメチロールアルキル基、トリメチロールアラルキル基、トリメチロールベンジル基、シクロヘキシルメチレン基、トリメチロールメチルビニルエーテル基、トリメチロールメチルアクリレート基、トリメチロールメチルメタクリレート基のいずれかである。
  23. 前記光ラジカル触媒をモノマの合計量に対し0.1重量%以上含むことを特徴とする請求項19〜22のいずれかに記載の光重合性組成物。
  24. 前記光ラジカル触媒を除いて、非重合性化合物を含まないことを特徴とする請求項19〜23のいずれかに記載の光重合性液状組成物。
  25. 前記熱可塑性共重合体は、0.5〜90重量%の前記ビニルエーテル化合物と10〜99.5重量%のアクリレート化合物又はメタクリレート化合物とを含む重合性組成物を光ラジカル重合したものであることを特徴とする請求項19に記載の光重合性液状組成物。
  26. 前記光ラジカル重合に加えて光カチオン重合触媒を含むことを特徴とする請求項19〜25のいずれかに記載の光重合性液状組成物。
  27. 前記液状モノマ組成物に含まれるアクリレートエステル化合物もしくはメタクリレートエステル化合物が、水酸基および窒素原子を有する化学基を含まないことを特徴とする請求項19〜26のいずれかに記載の光重合性樹脂組成物。
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