JP5380006B2 - 繊維補強セメント複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、繊維補強セメント複合材料(FRCC)及びその製造方法に係り、特に、施工性に優れ、硬化後に長期間安定的に性能(強度、伸び、ひび割れ分散性、耐久性)を維持することが可能な技術に関する。
図13は、硬化したセメント系材料の一軸直接引張応力下におけるひずみと引張応力との関係を示すグラフである。
図13に示すように、セメント系材料には、一軸直接引張応力下において、初期ひび割れ発生後に引張応力が上昇する挙動(擬似ひずみ硬化)を示すものや、初期ひび割れ発生直後あるいは擬似ひずみ硬化後に、引張応力が下降する挙動(ひずみ軟化)を示すものがある。
これらの材料のうち、セメント系材料に繊維を添加することにより補強した繊維補強セメント複合材料(Fiber Reinforced Cementitious Composite;以下、FRCCという)であって、擬似ひずみ硬化を示すとともに、微細で高密度の複数ひび割れ(マルチプルクラック)を形成するような高靱性を有する材料を、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(High Performance Fiber Reinforced Cement Composite;以下、HPFRCCという)と呼んでいる。
ところで、2007年3月に社団法人土木学会により、HPFRCCについての設計・施工指針(案)が制定された。
その指針(案)によれば、HPFRCCの条件として、構造物を構築するために要求される基本的性能を備えることはもとより、一軸直接引張試験において、引張終局ひずみの平均値が0.5%以上であって、平均ひび割れ幅が0.2mm以下になることが要求されている。ここで、引張終局ひずみとは軟化開始点のひずみをいい、軟化開始点とは、一軸直接引張試験において複数ひび割れが発生した後、特定のひび割れの拡幅を伴いながら、荷重が大きく低下し始める点のことをいう。また、平均ひび割れ幅とは、引張終局ひずみの特性値に相当する引張ひずみにおいて発生したひび割れの幅の平均値をいい、終局時の平均ひび割れ幅とは、引張終局ひずみに相当する引張ひずみにおいて発生したひび割れ幅の平均値をいう。終局時の平均ひび割れ幅の方が、平均ひび割れ幅に比べて大きな値となる。
そして、このような特性を具備させるためにHPFRCCに配合する繊維の原料として、従来よりポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol;以下、PVAという)が使用されている。
例えば、特許文献1又は2には、水、セメント、細骨材、混和材料等を所定の条件で調合したマトリックスに、所定の寸法及び強度を有するPVA繊維を、所定の添加率で混合することにより、引張終局ひずみが1%以上となるクラック分散型のFRCCが開示されている。
特許第3872288号公報 特開2000−7395号公報
ところで、特許文献1又は2に記載されるFRCCに使用されるPVA繊維の条件は、繊維直径を50μm以下(特許文献1)もしくは40〜50μm(特許文献2)、繊維長さを5〜20mm、繊維引張強度を1000〜1500MPa未満(特許文献1)もしくは1500〜2400MPa(特許文献2)としている。
しかしながら、FRCCの作製にあたり、上記条件のPVA繊維をマトリックスに混合してしまうと、PVA繊維自体が硬いため粘性が上昇して、PVA繊維が無配合のマトリックスに比べて流動性が低下したり、またPVA繊維がマトリックス中で凝集して玉状になるため、練り混ぜ後にマトリックスと分離してしまうことなどの不具合が生じてしまい、施工に困難を要することがあった。
また、PVA繊維の配合がなされるセメントは高アルカリ性(PH値:12.5〜13.5)を有することから、FRCCの硬化後において、PVA繊維がアルカリ環境下におかれることで劣化してしまい、FRCCの一軸直接引張応力に抵抗する強度および伸びが、材齢の経過とともに低下する傾向にあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、施工性に優れ、施工後に長期間安定的に性能(強度、伸び、ひび割れ分散性、耐久性)を維持することが可能な繊維補強セメント複合材料、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、繊維補強セメント複合材料であって、
水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材との重量比(S/B)を0.5〜0.95で調合したマトリックスに、270MPa以上の繊維引張強度と、35〜70μmの繊維直径と、5〜18mmの繊維長さとを有する、ポリオレフィン系合成樹脂からなるポリプロピレン繊維を、2.0〜4.0体積%の添加率で配合してなり、
一軸直接引張応力下において、引張終局ひずみの平均値が0.5%以上、かつ、終局時の平均ひび割れ幅が0.2mm以下であることを特徴とする。
本発明の繊維補強セメント複合材料によれば、2007年3月に社団法人土木学会により制定された設計・施工指針(案)に適合する複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)を作製することができる。
また、HPFRCCに配合される繊維にポリプロピレン繊維(以下、PP繊維という)が使用されていることにより、PP繊維はPVA繊維よりも柔軟性を有する素材であるので、マトリックスに混合してもフレッシュ状態の時に、PVA繊維を配合したHPFRCCよりも材料の流動性に優れるともに、材料がマトリックス中で凝集して玉状になりにくいため、練り混ぜ後にマトリックスと分離することなく一体化し、施工に際して取り扱いが容易である。
さらに、PP繊維は、PVA繊維よりも耐アルカリ性に優れるので、セメントに配合されても、硬化後に長期間安定的に引張終局ひずみを維持することができる。
また、本発明において、前記細骨材の粒径は、1.3mm以下であり、かつその中央値が10〜100μmであることとしてもよい。
細骨材は、通常、10mmふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量で85%以上含まれる骨材を指すが、HPFRCCに調合された際にその粒径が大きいと、細骨材の界面が欠陥となって微細で高密度の複数ひび割れ(マルチプルクラック)が生じにくくなる。これに対して、本発明のHPFRCCによれば、通常よりも粒径の小さい細骨材を使用しているので、マルチプルクラックが発生しやすい。
また、本発明は、繊維補強セメント複合材料であって、
水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材との重量比(S/B)を0.5〜0.95で調合したマトリックスに、1.0〜2.5体積%の、270MPa以上の繊維引張強度と、35〜70μmの繊維直径と、5〜18mmの繊維長さとを有するポリプロピレン繊維と、0.5〜1.5体積%のポリビニルアルコール系合成樹脂からなるポリビニルアルコール繊維とを配合してなり、
一軸直接引張応力下において、引張終局ひずみの平均値が0.5%以上、かつ、終局時の平均ひび割れ幅が0.2mm以下であることを特徴とする。
また、本発明において、前記ポリプロピレン繊維は、前記ポリオレフィン系合成樹脂のフィラメントが分離可能に連結した連糸形状の繊維からなることとしてもよい。
また、本発明は、一軸直接引張応力下において、引張終局ひずみが0.5%以上、かつ、終局時の平均ひび割れ幅が0.2mm以下である繊維補強セメント複合材料の製造方法であって、
水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材との重量比(S/B)を0.5〜0.95で調合したマトリックスに、
270MPa以上の繊維引張強度と、35〜70μmの繊維直径と、5〜18mmの繊維長さとを有する、ポリオレフィン系合成樹脂からなるポリプロピレン繊維を、2.0〜4.0体積%の添加率で配合することを特徴とする。
本発明によれば、施工性に優れ、施工後に長期間安定的に性能(強度、伸び、ひび割れ分散性、耐久性)を維持することが可能な繊維補強セメント複合材料、及びその製造方法を提供できる。
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
本実施形態に係る複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(High Performance Fiber Reinforced Cement Composite;以下、HPFRCCという)は、所定の条件に調合したマトリックスに、PP繊維を配合したものである。なお、マトリックスとは、HPFRCCを構成する材料のうち、セメントや混和材料などの粉体材料及び骨材の総称である。
図1は、HPFRCCに使用するマトリックスの調合条件及びPP繊維の仕様をまとめた表である。
図1に示すように、本実施形態に係るHPFRCCに使用するマトリックスは、水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材との重量比(S/B;細骨材結合材重量比という)を0.5〜0.95で調合したものである。
ここで、結合材は、例えば、セメント、フライアッシュや膨張材などの粉体材料である。なお、細骨材は、一般的に10mmふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量で85%以上含まれる骨材を指すが、本実施形態においては、特に粒径が1.3mm以下であり、かつ、その中央値が10〜100μmであるものを用いることが好ましい。
PP繊維としては、繊維引張強度が270MPa以上を有するものを用いる。かかるPP繊維としては、例えば、特許第3167900号に開示される特許発明「セメント強化用ポリプロピレン繊維」を用いることができる。なお、セメント強化用ポリプロピレン繊維は、PP繊維のフィラメントを分離可能な連糸形状に連結したものである。
なお、ここで使用するPP繊維は、特に、その繊維直径が35〜70μm、繊維長さが5〜18mmとなるように作製したものを用いる。
本実施形態のHPFRCCに配合する繊維としてPP繊維を選定した理由の一つとして、耐薬品性に優れることが挙げられる。
図2は、合成樹脂の耐薬品性をまとめた表である(出展;旭化成アミダス株式会社/共編,「プラスチック」編集部/共編,「プラスチック・データブック」,株式会社工業調査会,1999年12月,pp.191)。
図2の表に示すように、各種薬品に対する合成樹脂の耐性が、性能の良い方から順に、二重丸印(◎)、丸印(○)、三角印(△)、バツ印(×)の4段階で評価されており、同表によれば、PPはアルカリ性の薬品に対して特に耐性が優れていることがわかる。
そして、本実施形態に係るHPFRCCは、上記調合したマトリックスに、上記仕様のPP繊維を2.0〜4.0体積%の添加率で配合することにより作製される。
これにより作製されたHPFRCCは、2007年3月に社団法人土木学会により制定された設計・施工指針(案)(以下、土木学会指針(案)という)に適合するようになる。すなわち、一軸直接引張応力下において、初期ひび割れ発生後に引張応力が上昇する挙動(擬似ひずみ硬化)を示すとともに、微細で高密度の複数ひび割れを形成し、その時の引張終局ひずみの平均値が0.5%以上、かつ平均ひび割れ幅が0.2mm以下となる。
本発明者は、土木学会指針(案)に適合するHPFRCCのマトリックスの調合及び繊維の仕様を、各種試験を行うことにより見出した(以下、仕様選定試験という)。以下にその詳細について説明する。
仕様選定試験では、マトリックスに添加する繊維として、本実施形態に係るPP繊維と、比較対象として従来から広くセメント補強用の繊維として使用される素材であるポリビニルアルコール(以下、PVAという)とを用いた。
PP繊維としては、具体的に上記特許第3167900号に開示される特許発明「セメント強化用ポリプロピレン繊維」と同様のものを用いた。
図3は、仕様選定試験に使用したPP繊維の物性の一例をまとめた表である。
図3に示すように、仕様選定試験では、例えば、0.91g/cmの密度と、13decitexのフィラメント単糸当りの繊度と、12mmの繊維長と、約450MPaの繊維引張強度とを有するPP繊維を用いた(後述の図5の実施例6及び9参照)。なお、仕様選定試験では、試験体によりPP繊維の繊度(もしくは繊維直径)や繊維長等の寸法を変更しており、これにより上記繊維の物性も変化する。
一方、PVA繊維としては、一般にセメント配合用の繊維として市販されるもので、密度が1.30g/cmを有するものを用いた。
図4は、仕様選定試験に用いた材料及びその物性をまとめた表である。
図4に示すように、結合材(B)として、普通ポルトランドセメント(C)、フライアッシュ(FA)、及び膨張材(EX)を、また細骨材(S)として珪石粉を用いた。なお、細骨材(S)には、目開き0.07mmのふるい通過量が80質量%以上で、ブレーン比表面積が3900±300cm/gのものを用いた。
図5は、仕様選定試験に用いた試験体を構成するセメント複合材料の条件、及びその材料についての各試験結果をまとめた表である。
図5の表に示すように、マトリックスについて、水結合材比、又は細骨材結合材重量比を変更し、繊維について、繊維の種類(PP繊維もしくはPVA繊維)、繊維の寸法(繊維直径もしくは繊維長さ)又は繊維の添加率を変更することにより、14種類のセメント複合材料を作製した。なお、同表中に示す実施例とは、マトリックスにPP繊維を添加したものを示し、比較例とはマトリックスにPVA繊維を添加したものを示す。
そして、これらセメント複合材料に対し、先ず、セメント複合材料のフレッシュ状態における、繊維のマトリックスへの分散性及び流動性を確認する試験を行った。
分散性の試験は、セメント複合材料の作製時における試験流体中の繊維の分散の程度を目視により判定するものである。その評価については、繊維が凝集して玉状にならなかった場合に分散性が良好であるとして丸印(○)、繊維が凝集して玉状になった場合に分散性が不良であるとしてバツ印(×)と表記した。
なお、仕様選定試験においては、各試験流体とも、水(W)とセメント(C)とフライアッシュ(FA)と膨張材(EX)と細骨材(S)とを強制練り2軸ミキサを使用して練り混ぜ、その後、PP繊維又はPVA繊維を添加して、更に練り混ぜた。
流動性の試験としては、モルタルフロー値を測定した。モルタルフロー値は、「セメントの物理試験方法(JIS R5201−1981)」であって、混合物の流動性判定に用いられる方法である。具体的には、フローテーブルの上に置かれたフローコーン内に試験流体を充填し、フローコーンを引き上げるとともに、フローテーブルを所定回数だけ上下に振動(タッピング)させたときの、試験流体の広がり径を測定するというものである。すなわち、広がり径が大きいほど流動性が良好であることを示す。
流動性の試験では、このような手順で各試験流体についてタッピングを0打及び15打した時のモルタルフロー値を測定した。その評価については、タッピングを0打及び15打の各場合において、所定径以上の広がり径となる場合に流動性が良好であるとして丸印(○)、一方、所定径未満の広がり径となる場合に流動性が不良であるとしてバツ印(×)と表記した。
また、各実施例のセメント複合材料によりダンベル形の供試体を作製し、一軸直接引張試験を行うことにより、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅を求めた。なお、これら試験の具体的手順や方法は、土木学会指針(案)に準拠した。
また、流動性の評価が良好でなかったセメント複合材料については、実質的に施工に利用できないものとして一軸直接引張試験による評価を行わなかった。
引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅の評価は、土木学会指針(案)の評価の基準(引張終局ひずみ:0.5%以上,平均ひび割れ幅の評価:0.2mm以下)を採用し、基準を充分に満たす場合(良好)に丸印(○)、基準を満たすがそのひずみが基準の閾値近傍であるためにこの仕様を用いたセメント複合材料で構造物の設計をする際に設計範囲が制約されるおそれがある場合に三角印(△)、基準を満たさない場合(不良)をバツ印(×)と表記した。
以下、各実施例及び比較例についての試験結果を、図5の表にしたがって説明する。
先ず、実施例1は、水結合材比(52.0重量%)及び細骨材結合材重量比(0.90)が他の例と比較して大きい場合である。セメント複合材料は、水結合材比を大きくするほど、硬化時に強度が低下する傾向を有するが、流動性が向上するため細骨材結合材重量比を大きくすることができる。しかしながら、水結合材比と細骨材結合材重量比との双方を大きくすると細骨材の界面に欠陥が生じやすくなる。
実施例1では、評価が分散性及び流動性についての評価は良好(○)であったが、引張終局ひずみと終局時の平均ひび割れ幅については三角印(△)であった。
比較例1と実施例2と実施例3とでは、繊維の寸法による評価を行っている。すなわち、水結合材比(47.0重量%)と細骨材結合材重量比(0.83)とが共通であるが、比較例1がPVA繊維を用いた場合、実施例2がPP繊維の直径及び長さの寸法を他の例と比べて大きくした場合、反対に実施例3がPP繊維の直径及び長さの寸法を他の例と比べて小さくした場合を示す。
比較例1は、本分散性の試験では繊維が凝集して玉状になり、不良(×)の評価となった。また、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅については、ともにその評価が三角印(△)であった。
実施例2では、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅がともに基準を満たさず、不良(×)の評価となった。これは、添加率に対してPP繊維の直径及び長さを大きくした結果、マトリックス中に分散する繊維の数が減少し、付着面積が小さくなったため、引張荷重に充分に抵抗できなかったと考えられる。
実施例3では、流動性が不良(×)の評価であった。これは、PP繊維の直径及び長さを小さくした結果、マトリックス中に分散する繊維の数が増加したためであると考えられる。
実施例4〜7では、PP繊維の添加率による評価を行っている。すなわち、水結合材比(47.0重量%)と細骨材結合材重量比(0.83)とが共通であるが、実施例4が添加率を1.0体積%とした場合、実施例5が添加率を2.0体積%とした場合、実施例6が添加率を3.0体積%とした場合、実施例7が添加率を5.0体積%とした場合を示す。
実施例4では、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅の評価がともに不良(×)であった。これは、繊維の添加量が少ないために引張荷重に充分に抵抗できなかったものと考えられる。
一方、実施例5及び6のように、繊維の添加率が増加するにつれて、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅の評価が向上している。
しかしながら、実施例7のようにPP繊維を5.0体積%の添加率で添加した場合では、セメント複合材料の分散性及び流動性が確保できなくなった。
比較例2及び実施例8〜10も、同様にPP繊維の添加率による評価を行っているが、水結合材比及び細骨材結合材重量比を、実施例4〜7の場合よりも低下させた場合である。すなわち、水結合材比を42.0重量%、細骨材結合材重量比を0.69として、比較例2がPVA繊維の添加率を2.0体積%とした場合、実施例8がPP繊維の添加率を1.0体積%とした場合、実施例9がPP繊維の添加率を3.0体積%とした場合、実施例10がPP繊維の添加率を5.0体積%とした場合を示す。
比較例2は、本分散性の試験では、繊維が凝集して玉状になってしまい、評価が不良(×)となった。
実施例8のようにPP繊維の添加率を1.0体積%とした場合では、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅の評価がともに不良(×)であった。これは、実施例4の理由と同様に、繊維の添加量が少ないために充分に引張荷重に抵抗できなかったものと考えられる。
一方、実施例9のように繊維添加率を3.0体積%とした場合では、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅の評価が向上し、基準を充分に満たしている。
しかしながら、実施例10のように繊維添加率を5.0体積%とした場合では、実施例7の場合と同様に、セメント複合材料の分散性及び流動性を確保できなくなった。
実施例11及び12は、水結合材比が他の例と比較して小さく、細骨材結合材重量比をゼロ(すなわち、細骨材を配合しない)とした場合である。具体的には、水結合材比を実施例11では30.0重量%、実施例12では20.0重量%としている。セメント複合材料は、水結合材比が小さくなるほど硬化時に強度を発現する。しかしながら、強度が大きくなるにつれて、引張終局ひずみが小さくなり、また、終局時の平均ひび割れ幅が大きくなる傾向になる。
試験結果は、実施例11及び12の両者とも、分散性と流動性は良好(○)であったが、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅が基準を満たさず、バツ印(×)の評価となった。
図6は、これら試験結果のうち、すべての評価が良好(○)であった実施例6及び実施例9についての一軸直接引張試験の引張応力とひずみとの関係を示すグラフである。また、図7は、図6のグラフから各物性を読み取った数値をまとめた表である。
図6及び図7に示すように、実施例6及び実施例9はともに、ダンベル形の供試体を夫々5個作製し、それぞれについて一軸直接引張試験を行っている。
これら一軸直接引張試験の結果によれば、引張終局ひずみの平均値は、実施例6については2.56%、実施例9については3.50%となり、両者とも基準である0.5%以上を充分に満たしている。また、終局時の平均ひび割れ幅も、実施例6については0.19mm、実施例9については0.17mmとなり、同様に両者とも平均ひび割れ幅の基準である0.2mm以下を満たしている。
以上のような各試験結果を踏まえて勘案した結果、本発明人は、土木学会指針(案)に適合するHPFRCCの条件として、水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材重量比(S/B)を0.5〜0.95となるようにマトリックスを調合し、このマトリックスに35〜70μmの繊維直径と5〜18mmの繊維長さとを備えるPP繊維を、2.0〜4.0体積%の添加率で配合することとした。
次に、上記のような条件からなるPP繊維を用いたHPFRCCと、従来からよく用いられるPVA繊維を用いたHPFRCCとについて、フレッシュ状態における分散性、流動性及び材料分離抵抗性、並びに硬化状態における長期引張特性に関する比較試験を行ったので、以下にその詳細について説明する。
なお、本比較検討で行った試験に使用したセメント複合材料を構成する繊維については図3に示した物性と同様のものを、マトリックスについては図4に示した物性と同様のものを用いた。ここで、各試験に使用したPP繊維は、繊度(単糸当り)が13decitexで長さが12mmのもの、PVA繊維は、繊度が15decitexで長さが12mmのものを用いた。また、分散性及びモルタルフロー値の試験については、先に述べた仕様選定試験で行った方法に準拠した。
図8は、フレッシュ状態における繊維のマトリックスへの分散性を確認する試験に用いた試験流体の配合条件をまとめた表である。
図8に示すように、PP繊維及びPVA繊維のどちらの場合も、セメント複合材料を1m作製する際に、427kgの水(W)と、854kgのセメント(C)と、675kgの細骨材(S)とを混合してなる、水結合材比(W/B)が50.0重量%に調合されたマトリックスを用いることとし、これらにPP繊維を27.3kg(3体積%)、又はPVA繊維を26.0kg(2体積%)を夫々添加することにより、各試験流体を作製した。ここで、PP繊維を配合された試験流体は、さきに述べた本実施形態のHPFRCCの条件を満たしている。
なお、試験流体の作製にあたり、両試験流体とも、水(W)とセメント(C)とを強制練り2軸ミキサを使用して練り混ぜ、その後、PP繊維又はPVA繊維を添加して傾胴式ミキサを用いて練り混ぜた。
そして、このようにして作製した試験流体について目視により分散性を判定した結果、PVA繊維が2体積%添加されたセメント複合材料は、繊維がマトリックス中で凝集して玉状となることが視認されたが、PP繊維が3体積%添加されたセメント複合材料は、繊維がマトリックス中で良好に分散しているのが確認された。
図9は、試験流体の配合条件及び測定したモルタルフロー値をまとめた表である。
図9に示すように、PP繊維及びPVA繊維のどちらの場合も、セメント複合材料を1m作製する際に、380kgの水(W)と、675kgのセメント(C)と、169kgのフライアッシュ(FA)と、717kgの細骨材(S)とを混合してなる、水結合材比(W/B)が45.0重量%に調合されたマトリックスを用いることとし、これらにPP繊維を37.3kg(3体積%)、又はPVA繊維を26.0kg(2体積%)を夫々添加することにより、各試験流体を作製した。ここで、PP繊維を配合された試験流体は、さきに述べた本実施形態のHPFRCCの条件を満たしている。なお、試験流体の作製にあたり、両試験流体とも、強制練り2軸ミキサを用いて練り混ぜた。
そして、これら試験流体について、タッピングが0打及び15打時のモルタルフロー値を測定した。
モルタルフロー値の試験によれば、PVA繊維が2体積%添加されたセメント複合材料のモルタルフロー値が、0打で106×105mm、15打で178×171mmであるのに対し、PP繊維が添加されたセメント複合材料は、その添加量が3体積%とPVA繊維よりも多いにもかかわらず、モルタルフロー値が、0打で156×152mm、15打で221×217mmといずれも大きく、流動性が高い結果となった。これは、PP繊維の方がPVA繊維よりも軟らかいためであると考えられる。
図10は、セメント複合材料のフレッシュ時における繊維とマトリックスとの材料分離抵抗性を確認する試験に用いた試験流体の配合条件をまとめた表である。
図10に示すように、PP繊維及びPVA繊維のどちらの場合も、セメント複合材料を1m作製する際に、385kgの水(W)と、573kgのセメント(C)と、680kgの細骨材(S)とを混合してなる、水結合材比(W/B)が47.0重量%に調合されたマトリックスを用いることとし、これらにPP繊維を27.3kg(3体積%)、又はPVA繊維を26.0kg(2体積%)を夫々添加することにより、各試験流体を作製した。ここで、PP繊維を配合した試験流体は、さきに述べた本実施形態のHPFRCCの条件を満たしている。
なお、試験流体の作製にあたり、両試験流体とも強制練り2軸ミキサを用いて練り混ぜた。
そして、このようにして作製した試験流体について目視により判定した結果、PVA繊維が2体積%添加されたセメント複合材料では、繊維とマトリックスとが分離した状態になってしまったが、PP繊維が3体積%添加されたセメント複合材料では、繊維がマトリックスと良好に混合して一体化する状態を視認できた。
硬化状態における長期引張特性に関する試験では、具体的に、上記の実施例6のセメント複合材料と、実施例6で用いたPP繊維を2.0体積%の添加率のPVA繊維に変更したセメント複合材料とについて夫々、硬化後材齢28日、材齢56日、材齢91日における一軸直接引張試験を行った。なお、再現性を確認するため、試験体の材齢及び種類毎に供試体を3個作製して試験を行った。
図11は、一軸直接引張応力下における応力とひずみとの関係と材齢の影響を示すグラフであり、同図(a)はPP繊維が添加された試験体(実施例6)のグラフ、同図(b)はPVA繊維が添加された試験体のグラフである。
図11に示すように、PP繊維を添加した試験体は、引張終局ひずみがどの材齢においてもPVA繊維を添加した試験体よりも大きい。また、引張終局ひずみの材齢の経過による低下も小さい。このように、PP繊維を添加したセメント複合材料の材齢による引張終局ひずみの低下が小さいのは、PPはPVAよりも耐アルカリ性に優れることが一因として考えられる。
以上説明したように、本実施形態に係るHPFRCCによれば、水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材結合材重量比(S/B)を0.5〜0.95で調合したマトリックスに、270MPa以上の繊維引張強度と、35〜70μmの繊維直径と、5〜18mmの繊維長さとを有する、ポリオレフィン系合成樹脂からなるポリプロピレン繊維を、2.0〜4.0体積%の添加率で配合したことにより、土木学会指針(案)に適合する複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料(HPFRCC)を作製することができる。
また、HPFRCCに配合される繊維にPP繊維が使用されていることにより、PP繊維はPVA繊維よりも柔軟性を有する素材であるので、マトリックスに混合してもフレッシュ状態の時に、PVA繊維を配合したHPFRCCよりも材料の流動性に優れるともに、材料がマトリックス中で凝集して玉状になりにくい。
また、PP繊維は、PVA繊維と比べて練り混ぜ後にマトリックスと分離することなく一体化するため、施工に際して取り扱いが容易である。
さらに、PP繊維は、PVA繊維よりも耐アルカリ性に優れるので、セメントに配合されても、硬化後に長期間安定的に引張終局ひずみを維持することができる。
本実施形態に係るHPFRCCでは、材料に用いる細骨材の粒径は、1.3mm以下であり、かつその中央値が10〜100μmである。細骨材は、通常、10mmふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量で85%以上含まれる骨材を指すが、HPFRCCに調合された際にその粒径が大きいと、細骨材の界面が欠陥となって微細で高密度の複数ひび割れ(マルチプルクラック)が生じにくくなる。これに対して、本実施形態のHPFRCCによれば、通常よりも粒径の小さい細骨材を使用しているので、マルチプルクラックが発生しやすい。
なお、本実施形態の複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料は、配合としてPP繊維のみを配合するとしたが、これに限らず、PP繊維とPVA繊維とを同時に配合してもよい。
その場合、上記説明した条件に調合されたマトリックスに、1.0体積%以上のPP繊維と、1.0体積%未満のPVA繊維とを配合する。これにより作製されたHPFRCCは、土木学会指針(案)に適合するようになる。
本発明者は、PP繊維とPVA繊維とを同時に配合した場合についても、土木学会指針(案)に適合するHPFRCCのマトリックスの調合及び繊維の仕様を、各種試験を行うことにより見出した。以下にその詳細について説明する。
図12は、PP繊維とPVA繊維とを同時に配合したセメント複合材料の条件、及びその材料についての各試験結果をまとめた表である。
図12に示すように、水結合材比が50.0重量%、細骨材結合材重量比が0.93のマトリックスに、添加率をPP繊維が0〜4.0体積%、PVA繊維が0〜2.0体積%の範囲で変更した繊維を添加することにより、実施例13〜23の11種類のセメント複合材料を作製した。なお、試験に使用したPP繊維は、繊度(単糸当り)が13decitexで長さ12mmのもの、PVA繊維は、繊度が15decitexで長さ12mmのものを用いた。
そして、これら実施例に対し、先に述べた試験方法と同様の方法で、フレッシュ状態における、分散性及び材料分離抵抗性の試験、並びに硬化時において一軸直接引張試験を行った。
なお、表中に示す評価において、分散性の評価に関して、丸印(○)とバツ印(×)については先に述べた場合と同じであるが、三角印(△)については、繊維のうち一部が凝集して玉状になった場合を示す。また、材料分離抵抗性の評価については、繊維とマトリックスとが分離せずに一体となった場合に丸印(○)、繊維とマトリックスとが一部分離した場合に三角印(△)と表記した。
その他引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅の評価については、さきに述べた基準と同じである。
以下、各実施例についての試験結果を、図12の表にしたがって説明する。
実施例13〜16は、PP繊維を全く添加せず、PVAの添加率を実施例の順番に0.5〜2.0体積%に増加させている。試験結果は、すべての実施例について分散性及び分離抵抗性の試験の評価は良好(○)であったが、実施例13及び実施例14は引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅は基準を満たさなかった(×)。これは、セメント複合材料中に、引張荷重に抵抗するための繊維量が不足しているからと考えられる。
実施例17〜19は、PP繊維の添加率を1.0体積%に固定し、PVAの添加率を実施例の順番に、0.5〜1.5体積%に増加させている。試験結果は、分散性については、PVA繊維が1.5体積%添加された実施例19のみが評価が三角印(△)であった。これは、セメント複合材料に添加する繊維量の合計が多くなるにつれて、繊維同士が凝集して玉状になりやすいためであると考えられる。一方、その他の実施例は評価が良好(○)であった。
また、材料分離抵抗性については、すべての実施例の評価は良好(○)であった。また、引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅については、実施例17及び実施例18の評価が三角印(△)であり、実施例19のみの評価が良好(○)であった。
実施例20〜23は、PP繊維の添加率を2.0〜4.0体積%に増加させるとともに、PVA繊維の添加率を0〜0.9体積%の範囲で変更している。試験結果は、分散性については、実施例22及び実施例23で繊維が一部凝集して玉状になる状態が視認され、三角印(△)の評価となった。材料分離抵抗性については、実施例23のみが一部材料と繊維が分離する状態(△)が視認されたが、その他実施例20〜22は評価が良好(○)であった。引張終局ひずみ及び終局時の平均ひび割れ幅については、実施例20のみの評価が三角印(△)であったが、その他実施例21〜23についてはHPFRCCに適合する性能を示した。
以上の結果を勘案することにより、発明者は、先に説明した条件に調合されたマトリックスに、1.0体積%以上のPP繊維と、1.0体積%未満のPVA繊維とを同時に配合することにより、土木学会指針(案)に適合するHFRCCを作製できることを見出した。
HPFRCCに使用するマトリックスの調合条件及びPP繊維の仕様をまとめた表である。 合成樹脂の耐薬品性をまとめた表である。 仕様選定試験に使用したPP繊維の物性の一例をまとめた表である。 仕様選定試験に用いた材料及びその物性をまとめた表である。 仕様選定試験に用いた試験体を構成するセメント複合材料の条件、及びその材料についての各試験結果をまとめた表である。 実施例6及び実施例9についての一軸直接引張試験の引張応力とひずみとの関係を示すグラフである。 図6のグラフから各物性を読み取った数値をまとめた表である。 フレッシュ状態における繊維のマトリックスへの分散性を確認する試験に用いた試験流体の配合条件をまとめた表である。 試験流体の配合条件及び測定したモルタルフロー値をまとめた表である。 セメント複合材料のフレッシュ時における繊維とマトリックスとの材料分離抵抗性を確認する試験に用いた試験流体の配合条件をまとめた表である。 一軸直接引張応力下における応力とひずみとの関係と材齢の影響を示すグラフであり、同図(a)はPP繊維が添加された試験体(実施例6)のグラフ、同図(b)はPVA繊維が添加された試験体のグラフである。 PP繊維とPVA繊維とを同時に配合したセメント複合材料の条件、及びその材料についての各試験結果をまとめた表である。 硬化したセメント系材料の一軸直接引張応力下におけるひずみと引張応力との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 繊維補強セメント複合材料であって、
    水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材との重量比(S/B)を0.5〜0.95で調合したマトリックスに、270MPa以上の繊維引張強度と、35〜70μmの繊維直径と、5〜18mmの繊維長さとを有する、ポリオレフィン系合成樹脂からなるポリプロピレン繊維を、2.0〜4.0体積%の添加率で配合してなり、
    一軸直接引張応力下において、引張終局ひずみの平均値が0.5%以上、かつ、終局時の平均ひび割れ幅が0.2mm以下であることを特徴とする繊維補強セメント複合材料。
  2. 前記細骨材の粒径は、1.3mm以下であり、かつその中央値が10〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の繊維補強セメント複合材料。
  3. 繊維補強セメント複合材料であって、
    水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材との重量比(S/B)を0.5〜0.95で調合したマトリックスに、1.0〜2.5体積%の、270MPa以上の繊維引張強度と、35〜70μmの繊維直径と、5〜18mmの繊維長さとを有するポリプロピレン繊維と、0.5〜1.5体積%のポリビニルアルコール系合成樹脂からなるポリビニルアルコール繊維とを配合してなり、
    一軸直接引張応力下において、引張終局ひずみの平均値が0.5%以上、かつ、終局時の平均ひび割れ幅が0.2mm以下であることを特徴とする繊維補強セメント複合材料。
  4. 前記ポリプロピレン繊維は、前記ポリオレフィン系合成樹脂のフィラメントが分離可能に連結した連糸形状の繊維からなることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の繊維補強セメント複合材料。
  5. 一軸直接引張応力下において、引張終局ひずみの平均値が0.5%以上、かつ、終局時の平均ひび割れ幅が0.2mm以下である繊維補強セメント複合材料の製造方法であって、
    水結合材比(W/B)を35重量%以上、細骨材と結合材との重量比(S/B)を0.5〜0.95で調合したマトリックスに、
    270MPa以上の繊維引張強度と、35〜70μmの繊維直径と、5〜18mmの繊維長さとを有する、ポリオレフィン系合成樹脂からなるポリプロピレン繊維を、2.0〜4.0体積%の添加率で配合することを特徴とする繊維補強セメント複合材料の製造方法。
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