JP5379882B2 - 自動車用ドアのシール構造 - Google Patents
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また、後部座席側に限らず、前部座席側においても乗降用開口部を拡大して乗降時の便宜を図るようにしたものもある(例えば、特許文献1)。
また、従来、サイドドアとルーフドア間のシール性を十分確保した状態で、いずれか一方のドア、例えばルーフドアを先閉めあるいは後閉めできるようにした自動車用ドアのシール構造は存在しなかった。なお、特許文献1には、サイドドアとルーフドア間をシールする構造は一切記載されていない。
すなわち、サイドドア1の閉時には、図8に示すように、ウェザーストリップ10の取付基部11の車内側に一体成形された中空シール部12は、ボディパネル3の車内側面に形成された凸部3aに弾接するように位置決めされるとともにその断面形状が設定され、また取付基部11の車外側に一体成形された断面略舌状のシールリップ部13は、その背面側の面(ボディパネル3側の面)がボディパネル3の車外側面に弾接してシールリップ部13の先端が車外側に向けて湾曲するように位置決めされるとともにその断面形状が設定されている。
また、シールリップ部13の先端の延びる方向,シールリップ部13が弾接するボディパネル3の車外側面の延びる方向,及びボディパネル3をルーフドアに見立てた場合のボディパネル3の上方からの進入方向の関係によっては、図9に示すように、シールリップ部13の先端を車内側に巻き込んで反転させ、シール機能を低下させるといった問題もあった。
そのため、サイドドア1に設けられたウェザーストリップ10を、左右方向に開閉するサイドドア1と上下方向に開閉するルーフドアの間にそのまま適用するだけでは十分なシール性を確保することができなかった。
前記サイドドア(21)に取付けられ、前記サイドドア(21)とルーフドア(23)の閉時に前記ルーフドア(23)に弾接して両ドア(21,23)間をシールするウェザーストリップ(30)を備え、
前記ウェザーストリップ(30)は、前記サイドドア(21)のドアサッシュ(22)の外周上端部に取付けられた取付基部(31)と、前記取付基部(31)の車内側から上方に向けて膨出湾曲するように設けられ前記両ドア(21,23)の閉時に前記ルーフドア(23)の側端部における車内側面(23X)に弾接するメインシール部(32)を有し、
前記メインシール部(32)が前記ルーフドア(23)に最初に接する接触部位(P)の接線(L)を、前記接触部位(P)で交差する、前記サイドドア(21)の進入軌跡(X)と前記ルーフドア(23)の進入軌跡(Y)における鋭角側の角度(θ2)を略1/2の角度(θ1)に分ける直線に設定したことを特徴とする。
前記シールリップ部(33)の先端(33a)が前記ルーフドア(23)に最初に接するリップ接触部位(Q)の接線(N)を、前記リップ接触部位(Q)で交差する、前記サイドドア(21)の進入軌跡(X’(=X))と前記ルーフドア(23)の進入軌跡(Y’(=Y))における鋭角側の角度(θ3(=θ2))内に納まるように設定したことを特徴とする。
このような自動車用ドアのシール構造を採用することで、サイドドアとルーフドア間のシール性を十分確保した状態で、サイドドア及びルーフドアのうちいずれか一方のドアを先閉めあるいは後閉めできるようにした、従来、存在しない自動車用ドアが提供される。
さらに、近接して設けられたウェザーストリップのシールリップ部と中空シール部は、ルーフドアの車内側面の凸部を挟む位置で弾接するので、弾接位置がずれることも防止される。
なお、ルーフドア23の材質は特に限定されるものではないが、本実施形態では繊維強化プラスチックから形成されている。
取付基部31は、サイドドア21のドアサッシュ22の外周上端部でドアサッシュ22の延びる方向に沿って取付けられている。
また中空シール部32は、取付基部31の車内側から上方、すなわちルーフドア23側に向けて膨出湾曲するように設けられ、両ドア21,23の閉時にはルーフドア23の側端部における車内側面23Xに弾接するようになっている。
またシールリップ部33は断面略舌状で、取付基部31の車外側から上方に向けて突出するように設けられ、両ドア21,23の閉時にはルーフドア23の側端部における車外側面23Yに弾接するようになっている。
なお、ここでは、接線Nを角度θ3を略1/2の角度に分ける直線と一致するように、すなわち接線Nは、接線Lに対して略平行になるように設定しているが、鋭角側の角度θ3内に納まればよいので接線Nは、角度θ3を略1/2の角度に分ける直線よりサイドドア21の進入軌跡X’側、あるいはルーフドア23の進入軌跡Y’に寄ったものであってもよい。
そして、さらにルーフドア23が閉じられ、完全に閉鎖された状態となると、図4に示すように、中空シール部32は、ルーフドア23の側端部に形成された車内側面23Xの凹部23bを中心に弾接して撓むので十分なシール性能が得られ、また自動車の走行時にサイドドア21を車外側に移動する方向に力が作用しても、中空シール部32は、車内側面23Xの凹部23bの車外側に連設して形成された凸部23aで係止されるので撓み形状は安定した状態となる。また、シールリップ部33は、その先端33aが従来例(図9)で示したように車内側に巻き込まれることなく、先端付け根部33bから車外側に向けて湾曲するので十分なシール性能が得られる。
そして、さらにサイドドア21が閉じられ、完全に閉鎖された状態となると、図4に示すように、中空シール部32は、ルーフドア23の側端部に形成された車内側面23Xの凹部23bを中心に弾接して撓むので十分なシール性能が得られ、また自動車の走行時にサイドドア21を車外側に移動する方向に力が作用しても、中空シール部32は、車内側面23Xの凹部23bの車外側に連設して形成された凸部23aで係止されるので撓み形状は安定した状態となる。また、シールリップ部33は、その先端33aが従来例(図9)で示したように車内側に巻き込まれることなく、先端付け根部33bから車外側に向けて湾曲するので十分なシール性能が得られる。
しかも、サイドドア21が先閉めされルーフドア23が後閉めされるときには、ルーフドア23の側端部における車内側面23X及び車外側面23Yがそれぞれ中空シール部32及びシールリップ部33に、他の部位に当接することなく直接当接し、逆にルーフドア23が先閉めされサイドドア21が後閉めされるときにも、中空シール部32及びシールリップ部33がそれぞれルーフドア23の側端部における車内側面23X及び車外側面23Yに、他の部位に当接することなく直接当接するようにしたので、中空シール部32を不要に変形させることはない。
2 ドアサッシュ
3 ボディパネル
3a 凸部
10 ウェザーストリップ
11 取付基部
12 中空シール部(メインシール部)
13 シールリップ部
21 サイドドア
22 ドアサッシュ
23 ルーフドア
23a 凸部
23b 凹部
23X 車内側面
23Y 車外側面
24 ヒンジ機構
30 ウェザーストリップ
31 取付基部
32 中空シール部
32a 車内側の付け根部
32b 車外側の付け根部
33 シールリップ部
33a 先端
33b 先端付け根部
33c シールリップ部の付け根部
P 接触部位
Q リップ接触部位
Claims (7)
- 左右方向に開閉するサイドドアのドア開口部の上方に、自動車の中心寄りに設けられたヒンジ機構を介して側端側が上下方向に開閉するルーフドアのルーフ開口部が連設された自動車において、
前記サイドドアに取付けられ、前記サイドドアとルーフドアの閉時に前記ルーフドアに弾接して両ドア間をシールするウェザーストリップを備え、
前記ウェザーストリップは、前記サイドドアのドアサッシュの外周上端部に取付けられた取付基部と、前記取付基部の車内側から上方に向けて膨出湾曲するように設けられ前記両ドアの閉時に前記ルーフドアの側端部における車内側面に弾接するメインシール部を有し、
前記メインシール部が前記ルーフドアに最初に接する接触部位の接線を、前記接触部位で交差する、前記サイドドアの進入軌跡と前記ルーフドアの進入軌跡における鋭角側の角度を略1/2の角度に分ける直線に設定したことを特徴とする自動車用ドアのシール構造。 - 前記ルーフドアの側端部における車内側面と車外側面の間には、前記両ドアの閉時に前記メインシール部側に向けて突出する凸部が形成され、前記メインシール部が弾接する前記ルーフドアの側端部における車内側面は、前記凸部から車内側に連続して形成された凹部であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドアのシール構造。
- 前記取付基部の車外側から上方に向けて突出するように設けられ前記両ドアの閉時に前記ルーフドアの側端部における車外側面に弾接する断面略舌状のシールリップ部を有し、
前記シールリップ部の先端が前記ルーフドアに最初に接するリップ接触部位の接線を、前記リップ接触部位で交差する、前記サイドドアの進入軌跡と前記ルーフドアの進入軌跡における鋭角側の角度内に納まるように設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ドアのシール構造。 - 前記サイドドアが先閉めされ前記ルーフドアが後閉めされるときには、前記ルーフドアの側端部における車内側面及び車外側面がそれぞれ前記メインシール部及び前記シールリップ部に直接当接し、逆に前記ルーフドアが先閉めされ前記サイドドアが後閉めされるときには、前記メインシール部及び前記シールリップ部がそれぞれ前記ルーフドアの側端部における車内側面及び車外側面に直接当接するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の自動車用ドアのシール構造。
- 前記メインシール部は中空シール部であり、前記シールリップ部の付け根部は、前記中空シール部の車外側の付け根部に接続されてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の自動車用ドアのシール構造。
- 前記両ドアの閉時に前記シールリップ部は、前記メインシール部よりも先にもしくは前記メインシール部と同時に前記ルーフドアの側端部に弾接することを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか一つに記載の自動車用ドアのシール構造。
- 前記シールリップ部の先端が延びる方向は、前記シールリップ部の付け根部から延びる方向に対して車外側に傾いていることを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか一つに記載の自動車用ドアのシール構造。
Priority Applications (4)
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JP2012103866A JP5379882B2 (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 自動車用ドアのシール構造 |
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JP2012103866A JP5379882B2 (ja) | 2012-04-27 | 2012-04-27 | 自動車用ドアのシール構造 |
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Family Cites Families (3)
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JPS6295932U (ja) * | 1985-12-06 | 1987-06-18 | ||
JPH0360488U (ja) * | 1989-10-12 | 1991-06-13 |
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- 2012-04-27 JP JP2012103866A patent/JP5379882B2/ja active Active
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