JP5378101B2 - フロート式ドレントラップ - Google Patents

Description

本発明は、蒸気や圧縮空気やガス配管系に発生するドレンをフロートの浮上降下によって自動的に排出するフロート式ドレントラップに関し、特にフロートが開閉する排出通路内面に付着した流体中の異物を掃除できるものに関する。

従来のフロート式ドレントラップは、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する排出通路を弁室下部に形成し、弁室内に排出通路を開閉するフロートを設け、外部から手動で進退操作可能な操作部材を排出通路内に配置し、操作部材を進退せしめて排出通路内面に付着した異物を掃除するものである。

実公昭４９−３６７４７号公報

上記従来のフロート式ドレントラップは、手動により操作部材を進退せしめるものであるので、排出通路内面に付着した異物を掃除するのに手間隙の掛かる問題点があった。

したがって本発明が解決しようとする課題は、自動的に操作部材を進退せしめて排出通路内面に付着した異物を掃除できるようにすることである。

上記の課題を解決するために、本発明のフロート式ドレントラップは、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する排出通路を弁室下部に形成し、弁室内に排出通路を開閉するフロートを設け、進退操作可能な操作部材を排出通路内に配置し、操作部材に圧力応動部材を連結して圧力応動部材の背面に圧力室を形成した下方フロート式ドレントラップと、弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室を出口側に連通する排出通路を弁室下部に形成し、弁室内に排出通路を開閉するフロートを設けた上方フロート式ドレントラップを具備し、上方フロート式ドレントラップの出口を下方フロート式ドレントラップの圧力室に連通したことを特徴とするものである。

本発明によれば、進退操作可能な操作部材を排出通路内に配置し、操作部材に圧力応動部材を連結して圧力応動部材の背面に圧力室を形成した下方フロート式ドレントラップの上方に、上方フロート式ドレントラップを配置し、上方フロート式ドレントラップの出口を下方フロート式ドレントラップの圧力室に連通することにより、下方フロート式ドレントラップの排出通路内面に異物が付着してドレンを排出できなくなると、上方フロート式ドレントラップからドレンが排出され、この上方フロート式ドレントラップから排出されるドレンが圧力室に導入されて圧力室の圧力が高圧になって圧力応動部材が前進し、これにより操作部材が前進して排出通路内面に付着した異物を自動的に掃除することができるという優れた効果を奏する。

本発明の実施の形態に係わるフロート式ドレントラップの断面図である。

以下、本発明の実施の形態について、図１を参照して説明する。下方フロート式ドレントラップＡは、本体１に蓋２をボルト３で締結して弁ケーシング形成し、内部に弁室４を形成する。本体１は入口５と出口通路６と出口７を有し、入口５は弁室４の上部に連通する。入口５と出口７は水平方向に同一軸上に形成する。弁室４の下部の蓋２に排出通路８を開けた弁座部材９をねじ結合する。排出通路８は弁室４側端の小径の先端部と、先端部の下流の下流に向かって径の拡がったテーパー部と、テーパー部の下流の大径の後端部から成る。蓋２は出口通路１０を有し、弁室４の下部は排出通路８から出口通路１０，６を介して出口７に連通する。弁室４内に弁座部材９の弁室側端面に離着座して排出通路８を開閉する中空球形のフロート１１を自由状態で配置する。フロート１１が排出通路８を閉じた位置で当接するフロート座１２をフロート１１の下方に、図面の手前側と向う側に２つ設ける。排出通路８の先端部の開口面積は対応するフロート１１が送気初期から通常運転時までの全圧力範囲にわたって発生するドレンを排出できる大きさに形成する。蓋２に弁座部材９と同一軸上にプラグ１３をねじ結合する。プラグ１３で形成する圧力室１４に排出通路８の軸方向に変位可能に圧力応動部材としてのピストン１５を収容する。排出通路８内を進退可能な操作部材１６をピストン１５に固着する。弁座部材９とピストン１５の間にピストン１５をプラグ１３側に付勢するコイルバネ１７を配置する。ピストン１５に逃がし孔１９を開ける。逃がし孔１９の流路面積は下記の出口配管４２ｂの流路面積よりも小さく形成する。

上方フロート式ドレントラップＢは、本体２１に蓋２２をボルト２３で締結して弁ケーシング形成し、内部に弁室２４を形成する。本体２１は入口２５と出口通路２６と出口２７を有し、入口２５は弁室２４の上部に連通する。入口２５と出口２７は水平方向に同一軸上に形成する。弁室２４の下部の蓋２２に排出通路２８を開けた弁座部材２９をねじ結合する。排出通路２８は弁室２４側端の小径の先端部と、先端部の下流の下流に向かって径の拡がったテーパー部と、テーパー部の下流の大径の後端部から成る。蓋２２は出口通路３０を有し、弁室２４の下部は排出通路２８から出口通路３０，２６を介して出口２７に連通する。弁室２４内に弁座部材２９の弁室側端面に離着座して排出通路２８を開閉する中空球形のフロート３１を自由状態で配置する。フロート３１が排出通路２８を閉じた位置で当接するフロート座３２をフロート３１の下方に、図面の手前側と向う側に２つ設ける。排出通路２８の先端部の開口面積は下方フロート式ドレントラップＡの排出通路８の先端部と同径で対応するフロート３１が送気初期から通常運転時までの全圧力範囲にわたって発生するドレンを排出できる大きさに形成する。下方フロート式ドレントラップＡの入口５は垂直方向の入口配管４１の下端から水平方向に曲がった入口配管４１ａに接続し、上方フロート式ドレントラップＢの入口５は垂直方向の入口配管４１から水平方向に分岐した入口配管４１ｂに接続する。下方フロート式ドレントラップＡの出口７に出口配管４２ａを接続し、上方フロート式ドレントラップＢの出口２７に出口配管４２ｂを接続する。上方フロート式ドレントラップＢの出口配管４２ｂは下方フロート式ドレントラップＡの圧力室１４に連通する。下方のフロート式ドレントラップＡの上方に上方フロート式ドレントラップＢを位置させる。入口配管４１の入口配管４１ｂが分岐した部位よりも上流側に入口配管４１を開閉するバルブ４３を配置する。

次に本実施の形態のフロート式ドレントラップの動作について説明する。入口配管４１に配置したバルブ４３は通常開弁状態で使用する。入口配管４１の復水は入口配管４１ａを通して下方のフロート式ドレントラップＡの入口５から弁室４内に流入して溜り、液面に応じてフロート１１が浮上降下して弁座部材９に離着座して排出通路８を開閉する。排出通路８が開けられると弁室４内のドレンが排出通路８、出口通路６，１０を通して出口７に排出され、排出通路８が閉じられると弁室４内の気体の漏出が防止される。下方のフロート式ドレントラップＡの弁座部材９の排出通路８内面に異物が付着してドレンを排出できなくなると、入口配管４１の復水は流入配管４１ｂを通して上方フロート式ドレントラップＢの入口２５から弁室２４内に流入して溜り、液面に応じてフロート３１が浮上降下して弁座部材２９に離着座して排出通路２８を開閉する。排出通路２８が開けられると弁室２４内のドレンが排出通路２８、出口通路２６，３０を通して出口２７に排出される。

上方フロート式ドレントラップＢから排出されるドレンが出口配管４２ｂを通して下方フロート式ドレントラップＡの圧力室１４に導入されて圧力室１４の圧力が高圧になってピストン１５が前進し、これにより操作部材１６が前進して排出通路８内面に付着した異物を自動的に掃除する。

本発明は、蒸気や圧縮空気やガス配管系に発生するドレンをフロートの浮上降下によって自動的に排出するフロート式ドレントラップに利用することができる。

Ａ 下方フロート式ドレントラップ
１ 本体
２ 蓋
４ 弁室
５ 入口
７ 出口
８ 排出通路
１１ フロート
１４ 圧力室
１５ ピストン
１６ 操作部材
Ｂ 上方フロート式ドレントラップ
２１ 本体
２２ 蓋
２４ 弁室
２５ 入口
２７ 出口
２８ 排出通路
３１ フロート

Claims (1)

1. 弁ケーシング（１＋２）で入口（５）と弁室（４）と出口（７）を形成し、弁室（４）を出口（７）側に連通する排出通路（８）を弁室（４）下部に形成し、弁室（４）内に排出通路（８）を開閉するフロート（１１）を設け、進退操作可能な操作部材（１６）を排出通路（８）内に配置し、操作部材（１６）に圧力応動部材（１５）を連結して圧力応動部材（１５）の背面に圧力室（１４）を形成した下方フロート式ドレントラップ（Ａ）と、弁ケーシング（２１＋２２）で入口（２５）と弁室（２４）と出口（２７）を形成し、弁室（２４）を出口（２７）側に連通する排出通路（２８）を弁室（２４）下部に形成し、弁室（２４）内に排出通路（２８）を開閉するフロート（３１）を設けた上方フロート式ドレントラップ（Ｂ）を具備し、上方フロート式ドレントラップ（Ｂ）の出口（２７）を下方フロート式ドレントラップ（Ａ）の圧力室（１４）に連通し、上方フロート式ドレントラップ（Ｂ）の入口（２５）は垂直方向の入口配管（４１）から水平方向に分岐した入口配管（４１ｂ）に接続し、下方フロート式ドレントラップ（Ａ）の入口（５）は入口配管（４１ｂ）の分岐部よりも下方において入口配管（４１）から水平方向に曲がった入口配管（４１ａ）に接続したことを特徴とするフロート式ドレントラップ。

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