JP5377163B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクの吐出口(ノズル)が設けられたノズルプレートを備えたインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を形成する画像形成方法に関する。
近年の情報技術産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発されると共に、各々の情報処理システムに適した記録方法及び記録装置が実用化されている。
これらの中でも、インクジェット記録方法は、多種の材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から広く利用されるようになっている。そして、インクジェット記録方法を利用した記録では、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきている。また、顔料インクを用いたインクジェット記録方法は、一般に、染料インクを用いたインクジェット記録方法に比べて保存性に優れるとされている。
そのため、近年では、紙材以外の例えばプラスチックスなどの非多孔質性の基材にインクジェット法を利用して画像を形成する方法も提案されている。例えば、ポリマーの結合している顔料着色剤及び酸官能化ポリマーコロイド粒子と、285℃以下の沸点を有する揮発性共溶媒とを含む水性液体ビヒクルを含むインクジェットインクが開示されており、非多孔質基材に対する付着性に優れるとされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−220352号公報
ところが、顔料インクは、インク中の溶媒成分が気化して固形化すると、固形化したまま再溶解(再分散)しにくいため、インクジェットヘッドのインクを吐出するノズル部で固形化してしまうと目詰まりの原因となる。特に揮発性の溶剤を含有する場合、インク中の溶剤が気化しやすく、気化して溶剤が抜けると固形化したインクは再分散性が悪いため、その後のメンテナンスも難しくなる。その結果、インクの不吐出や吐出精度の低下を招くばかりか、キャップ、ワイプ部分等でインクが固形化したときにはワイピング等が困難となり、メンテナンス系に負担がかかるという課題がある。
特にインクがポリマー粒子を含む場合には、乾燥ないし固着したインクをインク自身で洗浄等してメンテナンスしようとすると、むしろ目詰まりや堆積の程度が悪化して逆効果を来たす可能性が高い。
そのため、ポリマー粒子を含むインクの乾燥物の除去は、インク以外の洗浄液等を用いて再分散させて行なうことが望ましい。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、溶剤が揮発性を有するインク組成物にポリマー粒子が含まれた組成でも長期間に亘って安定して所望画像を形成することができる画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 顔料と揮発性の水溶性有機溶剤とポリマー粒子と水とを含むインク組成物を、インクジェットヘッドの該インク組成物が加熱されたときに膜を張る温度以上に昇温されたノズルプレートから記録媒体に吐出する工程と、吐出後の前記ノズルプレートのノズル面にメンテナンス液を付与する工程と、を有する画像形成方法である。
<2>記ノズルプレートの温度が30℃以上であることを特徴とする前記<>に記載の画像形成方法である。
> 前記水溶性有機溶剤の沸点が285℃以下であることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の画像形成方法である。
> 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料であることを特徴とする前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
> 前記ポリマー粒子が自己分散性ポリマー粒子であることを特徴とする前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<6> 前記メンテナンス液が、少なくとも水を含むことを特徴とする前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
> 前記メンテナンス液が、全液量に対して5質量%〜50質量%の有機溶剤を含むことを特徴とする前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<8> 前記メンテナンス液のpHが6〜10である前記<1>〜前記<7>のいずれか1項に記載の画像形成方法。
<9> 前記メンテナンス液に含まれる有機溶剤が、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記<7>又は前記<8>に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、溶剤が揮発性を有するインク組成物にポリマー粒子が含まれた組成でも長期間に亘って安定して所望画像を形成することができる画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明の画像形成方法について詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、顔料と揮発性の水溶性有機溶剤とポリマー粒子と水とを含むインク組成物を、インクジェットヘッドの該インク組成物が加熱されたときに膜を張る温度以上に昇温されたノズルプレートから記録媒体に吐出する工程(以下、「インク吐出工程」ということがある。)と、吐出後のノズルプレートのノズル面にメンテナンス液を付与する工程(以下、「メンテナンス液付与工程」ということがある。)とを設けて構成されたものである。本発明の画像形成方法は、必要に応じて、さらに他の工程を設けて構成することができる。
本発明における「メンテナンス」には、インクジェット記録用のインク組成物を吐出するインクジェットヘッド及びその吐出性能を所期の状態もしくはそれに近い状態に保ち、持続すること(保守)に加え、記録用ヘッドを洗浄(クリーニング)して、より良好な状態に整備、維持することが含まれる。メンテナンス液には、インク組成物を洗浄する洗浄液も含まれる。
インク成分として揮発性の水溶性有機溶剤とポリマー粒子を含む場合、画像形成時にポリマー粒子が記録媒体に溶着して画像の付着性が高められる一方、画像形成する雰囲気温度が高く、インクを吐出するノズルプレートが昇温状態にあると、有機溶剤の揮発性により有機溶剤が気化してポリマー成分はノズル面に付着、乾燥して皮膜が形成されやすい状況になるため、より一層メンテナンスし難くなる。本発明においては、このような記録系の場合に、特に、吐出後のノズル面にメンテナンス液を付与する構成にすることで、インクの乾燥物が軟化、再分散、溶解等して除去しやすくなり、ポリマー粒子を含むインクでも安定した吐出が可能になる。
−インク吐出工程−
インク吐出工程は、インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を用い、顔料と揮発性の水溶性有機溶剤とポリマー粒子と水とを含むインク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)を、インクジェットヘッドの昇温されたノズルプレートから記録媒体に吐出する。
インクを吐出して画像を形成する場合、水と揮発性の水溶性有機溶剤の少なくとも一部を飛ばし、画像を定着させるために、インクを吐出するノズルプレート又はその周辺が所定温度以上に昇温ないし温調される。そのため、ノズルプレート自体が昇温することになる。ノズルプレートの温度(例えばノズル面の温度)としては、少なくともインク吐出時において、上記の理由から、インクが加熱されたときに膜を張る温度以上である。ノズルプレートが所定温度以上の温度に加熱され、その温度がインク組成物中のポリマー粒子の造膜温度以上にあることで、インク組成物中の水溶性有機溶媒が気化してノズル面に付着するポリマー成分の量が多くなるとともに、皮膜形成が生じ、ひいてはノズル目詰まりを招きやすく、インク組成物が固着することでメンテナンスを行ない難くなる。
ノズルプレート(例えばノズル面)の温度は、同様の理由から、30℃以上であることが好ましく、更には40℃以上が好ましい。ノズルプレートの温度の上限値としては、100℃が望ましい。
上記の中でも、長期間に亘って安定的にインク吐出性を維持する観点から、ノズルプレートの温度が30〜100℃であって、インク中の水溶性有機溶剤の沸点が150〜285℃である場合がより好ましく、ノズルプレートの温度が40〜70℃であって、インク中の水溶性有機溶剤の沸点が200〜250℃である場合がより好ましい。
なお、ノズルプレートの温度は、そのノズル面の温度を測定して得られる値である。
インクジェット方式としては、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。インクジェットヘッドとしては、オンデマンド方式又はコンティニュアス方式のいずれでもよく、吐出方式は、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)、及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などのいずれも挙げることができる。
ノズルプレートの温度を昇温状態にする方法については、特に制限はないが、通常用いられる加熱手段を適用することができる。例えば、乾燥風を接触させる方法が挙げられる。
−インク組成物−
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子、顔料、揮発性の水溶性有機溶剤、及び水を含有する。また、インク組成物は、必要に応じて、さらに界面活性剤などの他の成分を用いて構成することができる。
(ポリマー粒子)
本発明におけるインク組成物は、ポリマー粒子の少なくとも1種を含有する。これにより、形成される画像の耐擦過性が効果的に向上する一方、所定温度の昇温した状態のノズルプレートにより吐出する場合、インクの乾燥が進行しやすく、それに伴なって増粘、固形化等を生じやすく、メンテナンス液による洗浄効果がより奏される。
ポリマー粒子としては、例えば、熱可塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、又はフッ素系の樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系材料、あるいはそれらの共重合体又は混合物などのアニオン性基を有する樹脂の粒子が挙げられる。これらのうち、アニオン性のアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(アニオン性基含有アクリルモノマー)及び必要に応じて該アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。前記アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン基からなる群より選ばれる1以上を有するアクリルモノマーが挙げられ、中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等)が好ましく、特にはアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
ポリマー粒子としては、吐出安定性、及び顔料を用いた場合の液安定性(特に分散安定性)の観点から、自己分散性ポリマー粒子が好ましく、カルボキシル基を有する自己分散性ポリマー粒子がより好ましい。自己分散性ポリマー粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、ポリマー自身が有する官能基(特に酸性基又はその塩)によって、水性媒体中で分散状態となり得る水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの粒子を意味する。
分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルジョン)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。本発明における水不溶性ポリマーにおいては、インク組成物としたときの凝集速度と定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
自己分散性ポリマー粒子の分散状態とは、水不溶性ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)、及び水200gを混合、攪拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数200rpm、30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶媒を除去した後でも、分散状態が25℃で少なくとも1週間安定に存在することを目視で確認することができる状態をいう。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
前記水性媒体は、水を含んで構成され、必要に応じて親水性有機溶媒を含んでいてもよい。本発明においては、水と水に対して0.2質量%以下の親水性有機溶媒とから構成されることが好ましく、水から構成されることがより好ましい。
前記水不溶性ポリマーの主鎖骨格としては、特に制限は無く、例えば、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース、ポリエーテル、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネート等)を用いることができる。その中で、特にビニルポリマーが好ましい。
ビニルポリマー及びビニルポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−181549号公報及び特開2002−88294号公報に記載されているものを挙げることができる。また、解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する連鎖移動剤や重合開始剤、イニファーターを用いたビニルモノマーのラジカル重合や、開始剤或いは停止剤のどちらかに解離性基(あるいは解離性基に誘導できる置換基)を有する化合物を用いたイオン重合によって高分子鎖の末端に解離性基を導入したビニルポリマーも使用できる。
また、縮合系ポリマーと縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
自己分散性ポリマー粒子は、自己分散性の観点及び低洗浄性のインクの洗浄性向上の点から、親水性の構成単位と、芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含む水不溶性ポリマーを含むことが好ましい。
前記親水性の構成単位は、親水性基含有モノマーに由来するものであれば特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものであっても、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものであってもよい。前記親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であってもノニオン性親水性基であってもよい。
本発明において前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
親水性基含有モノマーは、自己分散性と凝集性の観点から、解離性基含有モノマーであることが好ましく、解離性基とエチレン性不飽和結合とを有する解離性基含有モノマーであることが好ましい。解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとして具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとして具体的には、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとして具体的には、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
前記解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
自己分散性ポリマー粒子は、自己分散性と酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させて画像化する場合はその凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が25〜100mgKOH/gであるポリマーを含むことがより好ましい。更に、前記酸価は、自己分散性と凝集液と接触したときの凝集速度の観点から、25〜80mgKOH/gであることがより好ましく、30〜65mgKOH/gであることが特に好ましい。
前記芳香族基含有モノマーは、芳香族基と重合性基とを含む化合物であれば特に制限はない。前記芳香族基は、芳香族炭化水素に由来する基であっても、芳香族複素環に由来する基であってもよい。本発明においては、水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であることが好ましい。また、前記重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては、水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
芳香族基含有モノマーは、芳香族炭化水素に由来する芳香族基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましい。芳香族基含有モノマーは、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記芳香族基含有モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー等が挙げられる。中でも、ポリマー鎖の親水性と疎水性のバランスとインク定着性の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
自己分散性ポリマー粒子は、芳香族基含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含み、その含有量が10質量%〜95質量%であることが好ましい。芳香族基含有(メタ)アクリレートの含有量が10質量%〜95質量%であることで、自己乳化又は分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。
本発明においては、自己分散状態の安定性、芳香環同士又は脂環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点及び洗浄効果の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
自己分散性ポリマー粒子は、例えば、芳香族基含有モノマーに由来する構成単位と、解離性基含有モノマーに由来する構成単位とを用いて構成することができる。更に、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んでもよい。
前記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、前記芳香族基含有モノマー及び解離性基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に制限はない。中でも、ポリマー骨格の柔軟性やガラス転移温度(Tg)制御の容易さの観点から、アルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量は、重量平均分子量で3000〜20万の範囲が好ましく、5000〜15万の範囲がより好ましく、10000〜10万の範囲が更に好ましい。重量平均分子量は、3000以上であると、水溶性成分量を効果的に抑制することができ、20万以下であると、自己分散性の安定化を高めることができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super HZM−H、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ200(いずれも東ソー(株)製の商品名)を用いて測定される。
自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位(好ましくは、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位)に由来する構造単位を共重合比率として自己分散性ポリマー粒子の全質量の15〜80質量%を含むことが好ましい。
また、水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートに由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことがより好ましく、更には加えて、酸価が25〜100mgKOH/gであって重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、酸価が25〜95mgKOH/gであって重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
以下、自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの具体例(例示化合物B−01〜B−20)を列挙する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、括弧内は共重合成分の質量比を表す。
B−01:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/50/15/5)
B−02:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(50/45/5)
B−03:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/35/29/6)
B−04:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/44/6)
B−05:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
B−06:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/59/6)
B−07:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(10/50/35/5)
B−08:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(55/40/5)
B−09:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体(45/47/8)
B−10:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(5/48/40/7)
B−11:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/30/30/5)
B−12:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(12/50/30/8)
B−13:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(93/2/5)
B−14:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(50/5/20/25)
B−15:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(62/35/3)
B−16:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/51/4)
B−17:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/49/6)
B−18:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/48/7)
B−19:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/47/8)
B−20:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/45/10)
本発明における自己分散性ポリマー粒子を構成する水不溶性ポリマーの製造方法としては特に制限はなく、例えば、重合性界面活性剤の存在下に、乳化重合を行い、界面活性剤と水不溶性ポリマーとを共有結合させる方法、上記親水性基含有モノマーと芳香族基含有モノマーとを含むモノマー混合物を溶液重合法、塊状重合法等の公知の重合法により、共重合させる方法を挙げることができる。前記重合法の中でも、凝集速度とインク組成物としたときの打滴安定性の観点から、溶液重合法が好ましく、有機溶媒を用いた溶液重合法がより好ましい。
自己分散性ポリマー粒子は、凝集速度の観点から、有機溶媒中で合成されたポリマーを含み、該ポリマーはカルボキシル基を有し、(好ましくは酸価が20〜100mgKOH/gであって)該ポリマーのカルボキシル基の一部又は全部は中和され、水を連続相とするポリマー分散物として調製されたものであることが好ましい。すなわち、本発明における自己分散性ポリマー粒子の製造は、有機溶媒中でポリマーを合成する工程と、前記ポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部が中和された水性分散物とする分散工程とを設けて行なうことが好ましい。
前記分散工程は、次の工程(1)及び工程(2)を含むことが好ましい。
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶媒を除去する工程
前記工程(1)は、まずポリマー(水不溶性ポリマー)を有機溶媒に溶解させ、次に中和剤と水性媒体を徐々に加えて混合、攪拌して分散体を得る処理であることが好ましい。このように、有機溶媒中に溶解した水不溶性ポリマー溶液中に中和剤と水性媒体を添加することで、強いせん断力を必要とせずに、より保存安定性の高い粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着がなく、分散安定性の高い微粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、自己分散性ポリマーが水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。自己分散性ポリマーが解離性基としてアニオン性の解離基(例えば、カルボキシル基)を有する場合、用いられる中和剤としては、有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。中でも、自己分散性ポリマー粒子の水中への分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
これら塩基性化合物は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%使用することが好ましく、10〜110モル%であることがより好ましく、15〜100モル%であることが更に好ましい。5モル%以上、更には10モル%以上、特に15モル%以上とすることで、水中での粒子の分散を安定化する効果が発現し、120モル%以下、更には110モル%以下、特に100モル%以下とすることで、水溶性成分を低下させる効果がある。
前記工程(2)においては、前記工程(1)で得られた分散体から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することで自己分散性ポリマー粒子の水性分散物を得ることができる。得られた水性分散物中の有機溶媒は実質的に除去されており、有機溶媒の量は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)の平均粒子径は、体積平均粒子径で10〜400nmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、10〜100nmの範囲が更に好ましく、特に好ましくは10〜50nmの範囲である。10nm以上の平均粒子径であることで製造適性が向上する。また、400nm以下の平均粒径とすることで保存安定性が向上する。また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、水不溶性粒子を2種以上混合して使用してもよい。
なお、ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)のインク組成物中における含有量としては、画像の耐擦過性及び光沢性などの観点から、インク組成物の全質量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。ポリマー粒子(特に自己分散性ポリマー粒子)は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
(顔料)
本発明におけるインク組成物は、顔料の少なくとも一種を含有することが好ましい。顔料としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択すればよく、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。なお、インク組成物中には、顔料に加え、色相調整等のために染料などの他の色材が含まれてもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。前記色材として顔料を用いる場合、インク中における分散安定性の観点から顔料とともに分散剤を併用するか、又は顔料として表面処理顔料を用いることが好ましい。
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
本発明におけるインク組成物においては、顔料のインク全質量中における含有割合は、0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。顔料の含有量が前記範囲である場合、洗浄性の向上効果がより奏される。顔料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〜ポリマー分散剤〜
インク組成物は、顔料を含むと共にポリマー分散剤を用いることにより、顔料をポリマー分散剤により分散して含有する態様が好ましい。これにより、顔料粒子を微粒径にして存在させることができ、分散後には高い分散安定性が得られる。本発明において、インク組成物がポリマー分散剤を含むと、インクの増粘、固化等に伴ないメンテナンス液による洗浄効果が低下し易いことから、ポリマー分散剤で分散された顔料を含む顔料インクを用いた場合に、洗浄性の向上効果がより奏される。
顔料は、必ずしも粒子表面の全体が被覆されている必要はなく、場合により粒子表面の少なくとも一部が被覆された状態であってもよい。
前記顔料の樹脂分散剤(以下、単に分散剤ともいう。)としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、インクを低粘度に保ちつつ、顔料を水溶媒に安定に分散させることができる。低分子の界面活性剤型分散剤は、分子量が2,000以下の低分子分散剤である。また、低分子の界面活性剤型分散剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、200〜2,000がより好ましい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基とは、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基とを連結するための連結基も適宜有することができる。
前記親水性基は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等である。
前記アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。また、前記カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。また、前記ノニオン性基は、ポリエチレンオキシドやポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
前記親水性基は、アニオン性基であることが好ましい。
また、低分子の界面活性剤型分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させて画像化する場合はその凝集性の観点から、pKaが3以上であることが好ましい。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaは、テトラヒドロフラン−水(3:2=V/V)溶液に低分子の界面活性剤型分散剤1mmol/Lを溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaが3以上であると、理論上pH3程度の液と接したときにアニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子の界面活性剤型分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。かかる観点からも、低分子の界面活性剤型分散剤は、アニオン性基としてカルボン酸基を有する場合が好ましい。
前記疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等の構造を有しており、特に炭化水素系であることが好ましい。また、疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また、疎水性基は、1本鎖状構造又はこれ以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
前記ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや、他の親水基を有するモノマーとの共重合体などのように、カルボキシル基が導入された水溶性分散剤が親水性高分子化合物として好ましい。
ポリマー分散剤のうち、非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000であり、更に好ましくは5,000〜40,000であり、特に好ましくは10,000〜40,000である。
ポリマー分散剤の酸価としては、自己分散性及び酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させて画像化する場合はその凝集性の観点から、100以下mgKOH/g以下が好ましい。更には、該酸価は、25〜100mgKOH/gがより好ましく、25〜80が更に好ましく、30〜65が特に好ましい。ポリマー分散剤の酸価が25以上であると、自己分散性の安定性が良好になる。
ポリマー分散剤は、自己分散性及び酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させて画像化する場合はその凝集速度の観点から、カルボキシル基を有するポリマーを含むことが好ましく、カルボキシル基を有し、酸価が25〜80mgKOH/gのポリマーを含むことがより好ましい。
顔料(p)と分散剤(s)との混合質量比(p:s)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
本発明においては、画像の耐光性や品質等の点及びインクの増粘・固化物の溶解ないし再分散性の観点から、顔料と分散剤と含むことが好ましく、有機顔料とポリマー分散剤とを含むことがより好ましく、有機顔料とカルボキシル基を含むポリマー分散剤とを含むことが特に好ましい。更には、色材として含む顔料が、カルボキシル基を有するポリマー分散剤に被覆され、水不溶性の水分散性顔料であることがインクの増粘・固化物の溶解ないし再分散性の点で好ましい。
顔料の平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好であり、10nm以上であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
なお、ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
〜顔料とポリマー分散剤との比率〜
顔料とポリマー分散剤との比率は、質量比で100:25〜100:140が好ましく、より好ましくは100:25〜100:50である。ポリマー分散剤の比率は、100:25以上であると分散安定性と耐擦性が良化する傾向が得られ、100:140以下であると分散安定性が良化する傾向が得られる。
(水)
本発明におけるインク組成物は、水系組成物であり、水を含有するものである。水のインク組成物中における含有量は、安定性及び吐出信頼性の確保の点から、10質量%以上99質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以上80質量%以下であり、更に好ましくは、50質量%以上70質量%以下である。
(揮発性の水溶性有機溶剤)
本発明におけるインク組成物は、画像形成時にはポリマー粒子が記録媒体に溶着して記録媒体への付着性が高められる点で、揮発性の水溶性有機溶剤の少なくとも一種を含有する。揮発性の水溶性有機溶剤を含むインク組成物では、画像形成時に有機溶剤が気化しやすく、画像形成時の有機溶剤の揮発により所定温度に昇温したノズルプレートのノズル面に皮膜が形成されやすい。
本発明において、「揮発性」とは、20℃での蒸気圧が1Pa以上であることをいう。
本発明における有機溶剤は、特に制限されるものではないが、揮発性の点から、沸点の低い有機溶剤が好ましく、より好ましくは沸点が285℃以下の有機溶剤である。更に好ましい有機溶剤は、沸点が250℃以下であり、200〜250℃である。この範囲の有機溶剤を用いた場合に、インクを吐出するノズルプレートの温度が40〜70℃であることが好ましい。
以下、インク組成物に含有する有機溶剤の好ましい具体例を列挙する。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 0005377163
Figure 0005377163
溶剤は、1種単独で用いるほか、2種以上混合して用いてもよい。
溶剤のインク組成物中における含有率としては、特に制限はなく、インク組成物の全質量に対して、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜35質量%が特に好ましい。有機溶剤の含有量は、5質量%以上であるとインクの安定性及び吐出信頼性が確保され、50質量%以下であると吐出信頼性の点で有利である。
(他の成分)
本発明のインク組成物は、上記成分に加え、さらに下記の他の成分を用いて構成することができる。他の成分としては、例えば、界面活性剤、水溶性有機溶媒、緩衝剤、殺生物剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤を含有することができる。また、特開2005−220352号公報の段落番号[0033]に記載の添加剤を含有してもよい。
また、上記した揮発性の水溶性有機溶剤のほか、他の溶剤として、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリグリコールエーテル、カプロラクタム、ホルムアミド、アセトアミド及び長鎖アルコールをはじめとする、一般的な種類の水溶性有機溶媒を使用することができる。そのような化合物例には、第1級脂肪族アルコール、第2級脂肪族アルコール、1,2−アルコール、1,3−アルコール、1,5−アルコール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの比較的高次の同族体、N−アルキルカプロラクタム、未置換カプロラクタム、置換及び未置換のホルムアミド、置換及び未置換のアセトアミドなどが挙げられる。また、揮発性の水溶性有機溶媒がより多く存在し、例えば7質量%より多く存在する場合には、より多くの不揮発性の水溶性有機溶媒が存在してもよい。
インク組成物は、表面張力調整剤として界面活性剤の少なくとも1種を含むことができる。界面活性剤としては、アルキルポリエチレンオキシド、アルキルフェニルポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドブロックコポリマー、アセチレンポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(ジ)エステル、ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミン、プロトン化ポリエチレンオキシドアミド、ジメチコンコポリマー、フルオロアルキルポリエチレンオキシド、置換アミンオキシドなどがある。界面活性剤を添加する場合、界面活性剤の添加量としては、0.01〜10重量%が好ましい。
含有させ得る水溶性有機溶媒及び界面活性剤に関して、例えば、炭素数5〜22の脂肪族炭化水素、シリコーン、フルオロカーボン界面活性剤などの、加湿剤(wetting agent)として機能する他の水溶性有機溶媒、湿潤剤、及び/又は界面活性剤を含むことができる。これらの成分は、表面エネルギーの低い媒体を濡らすために使用することができる。
界面活性剤の具体例については、後述するメンテナンス液に使用可能な界面活性剤と同様のものを挙げることもできる。中でも、着滴したインクの打滴干渉回避の観点からは、ノニオン系界面活性剤が好ましく、中でもアセチレンジオール誘導体が特に好ましい。
更に、重金属不純物の有害な作用をなくすために、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)などの金属イオン封鎖剤を使用することができ、インクのpHを制御するために緩衝溶液を使用することができる。この詳細については、特開2005−220352号公報の段落番号[0033]に記載されている。
〜インク組成物の物性〜
インク組成物の表面張力は、インクジェット記録に用いられる際の吐出安定性の点で、20mN/m以上60mN/m以下の範囲が好ましく、より好ましくは20mN以上45mN/m以下の範囲であり、更に好ましくは25mN/m以上40mN/m以下の範囲である。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用い、インク組成物を25℃に調整して測定されるものである。
また、インク組成物の20℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下の範囲が好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満の範囲であり、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満の範囲である。粘度は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、インク組成物を20℃に調整して測定されるものである。
本発明のインクセットは、インクジェット記録に用いられるものであり、具体的には、インクジェット記録用のインクにエネルギーを供与して、公知の受像材料(例えば、普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等)に画像を記録する場合に用いられる。
−メンテナンス液付与工程−
メンテナンス液付与工程は、前記インク吐出工程で吐出した後のノズルプレートのノズル面にメンテナンス液を付与する。
本発明の画像形成方法は、ポリマー粒子(樹脂粒子)及び顔料(好ましくは、ポリマー分散剤で顔料表面の少なくとも一部が被覆されて分散された水分散性顔料)を含むインク組成物を用いて画像を記録する態様の場合に、インク組成物を吐出するインクジェットヘッドの少なくとも一部にメンテナンス液を用いて洗浄する。メンテナンス液をインク吐出後の所定のタイミングで付与することにより、インクを吐出するヘッド及びその吐出性能を整備、維持し、所期の状態もしくはそれに近い状態に保ち、持続することができる。
メンテナンス液を用いたメンテナンスは、インクの付着汚れや目詰まり等を防止する観点から、所望の部分にメンテナンス液を付与し、固着等して付着したインクの除去が行なえる方法であれば、いずれの方法を選択してもよい。例えば、インクジェット記録装置の記録ヘッドのノズル面にメンテナンス液を付与した後、ノズル面をワイピングする方法により行なうことができる。
このとき、メンテナンス液の付与は、例えば、ローラー塗布、噴霧などにより行なえる。また、固着したインク(インク固着物)を除去する除去工程においては、メンテナンス液を付与後にワイパブレードを用いてノズル面を擦り(ワイピング)、インク固着物を掻き落とす方法、風圧やメンテナンス液等の液圧等により取り除く方法、及び布・紙類で払拭する方法が好ましく、中でも、ブレードによる掻き取り、布や紙類での払拭が好ましい。付与時のメンテナンス液の量や温度等については、液組成やインク種類、付着量など場合に応じて適宜選択することができる。
本発明の画像形成方法では、インク組成物として顔料インクを用いて画像を形成するインクジェット記録装置に適用されることが好ましい。インクジェット法による場合、例えば約20〜50μmという微小径のノズルからインクを吐出して記録するため、ノズル部近傍において、溶剤や水の気化、色材の分離、凝集等によるインクの増粘、析出物の発生が起こりやすく、画像の乱れやノズルの目詰まり等の不具合を引き起こす場合がある。このような不具合は、長期間にわたる装置の休止時に起こりやすいが、ノズルプレートが昇温された状態である場合に特に生じやすくなる。
メンテナンス液は、インクの乾燥による増粘、固化等の不具合を解消する際の方法として、長時間使用した後休止前に洗浄する、長時間休止した後、運転前に洗浄する場合に好適に使用することができる。
本発明におけるメンテナンス液は、例えば超純水やイオン交換水などの水を含むもの、更には水と有機溶剤とを含むものが好ましい。メンテナンス液は、必要に応じて、さらに界面活性剤などの他の成分を用いて構成することができる。
上記の不具合を効果的に抑制・解消できる理由については明らかではないが、例えば以下のように推察される。
メンテナンス液が有機溶剤を含有する場合、この有機溶剤がインク中のポリマー粒子に対して良好な溶解剤・軟化剤として働き、インクが乾燥して発生した増粘・固化物に迅速に浸透してこれを軟化、再分散あるいは溶解させ、メンテナンス液中にそれらの固形分(ポリマー粒子や顔料など)を速やかに溶解あるいは再分散させる効果に優れている。ノズル等に付着したインクの乾燥物(固形物など)を溶解あるいは再分散させることで、インク乾燥物の塊がほぐれ、ヘッドのノズル面から落としやすくなると考えられる。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤などが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、特に制限なく選択することができ、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジヘキシルエーテル、フラン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルが挙げられる。
また、アルコール系溶剤としては、特に制限なく、炭素数4以上の直鎖又は分岐のアルコールより選択することができ、例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール等を挙げることができる。中でも、アルコール系溶剤は、非環状の炭素数4以上の直鎖又は分岐のアルコールであるのが好ましい。
上記の中でも、インクの増粘・固化物の溶解ないし再分散性の観点から、前記エーテル系溶剤からなる群より選ばれることが好ましい。
エーテル系溶剤の中でも、インクの増粘・固化物の溶解又は再分散性、吐出性の点で、水酸基を1つとエーテル結合を1つ以上との両方を有するエーテル系溶剤がより好ましい。このようなエーテル系溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル等の(モノ又はジ)プロピレンアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等の(モノ又はジ)エチレンアルキルエーテルが挙げられる。
メンテナンス液に含まれる有機溶剤の含有量としては、メンテナンス液の全質量に対して5質量%以上の範囲が好ましい。中でも、有機溶剤の含有量は、5〜50質量%の範囲がより好ましく、8〜25質量%が更に好ましく、特には8〜15質量%が好ましい。有機溶剤の含有量が5質量%以上であると、上述した効果、すなわちインクの増粘・固化物の溶解又は再分散性、ひいては洗浄性能・回復性能が発揮され、インクジェットヘッド及びその吐出性能を所期の状態もしくはそれに近い状態を長期間安定的に保つことができる。
(水)
メンテナンス液は、水を含有する。好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
メンテナンス液は、安全性・汎用性・取り扱いやすさ等の点から、水を主に含む組成が好ましく、溶媒として水を主に含む組成中の水のメンテナンス液の全質量に占める割合は50〜92質量%の範囲が好ましく、75〜92質量%の範囲がさらに好ましい。
(界面活性剤)
メンテナンス液は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては特に制限はないが、インクとの間で凝集反応を起こさない等の観点から、アニオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。
前記アニオン性界面活性剤の具体例としては、オレイン酸メチルタウリンナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられる。また、前記ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物等のアセチレンジオール誘導体、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられる。
上記の中でも、界面活性剤はアニオン性界面活性剤が好ましく、アルキルカルボン酸ナトリウムやアルキルスルホン酸ナトリウムがより好ましく、この場合は更に、アルキル部位の炭素数が10〜20の範囲である場合が特に好ましい。
界面活性剤のメンテナンス液中における含有量としては、特に限定されるものではないが、洗浄性の観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
メンテナンス液は、メンテナンスの際のインク中への混入により記録後に記録媒体がカールするのを回避する点で保湿剤の量は少ないことが好ましく、保湿剤の含有量はメンテナンス液の全質量に対して1質量%以下であるのが好ましく、保湿剤を含まないことが特に好ましい。
保湿剤とは、低揮発性で保水能力が比較的高い水溶性化合物をいい、具体的には、ポリオール類(例:グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ペンタエリスリトール等)、ラクタム類(例:2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等)等、並びに水溶性の固体保湿剤(例:1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類、及び多糖類、並びにこれら糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸及びチオ糖等の誘導体)などが含まれる。
〜メンテナンス液の物性値等〜
メンテナンス液は、水性インク組成物と混合した際に凝集を起こさない液であることが好ましい。凝集を起こしてしまうと、インク組成物中の顔料等の成分が更にインクジェットヘッド等に固着して本発明の効果を低減させてしまうためである。
メンテナンス液のpHは、特に限定されるものではないが、インクジェット記録装置における防錆やヘッドの撥液膜劣化防止の点で、pH(25℃)6〜10の範囲が好ましく、pH(25℃)7〜9の範囲がより好ましい。pHは、pHメーター(東亜DKK(株)製のWM−50EG)を用いて25℃に調整して測定される値である。
メンテナンス液のpHを上記範囲に調整するために、必要に応じて水溶性塩基性物質などのpH調整剤を使用することができる。前記水溶性塩基性物質の具体例としては、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
メンテナンス液の25℃での粘度は、作業性の観点から、1mPa・s以上1000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1mPa・s以上500mPa・s未満であり、更に好ましくは2mPa・s以上100mPa・s未満である。粘度は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて25℃の条件下で測定される値である。
本発明におけるメンテナンス液は、顔料等の色材を含んで着色されていてもよいが、インク(すなわちインク画像)の色相を損なうおそれを回避する点で、顔料等の色材の含有量はメンテナンス液の全質量の1質量%以下であるのが好ましく、特には顔料を含まない無色の液体であることが好ましい。
メンテナンス液は、画像記録用のインクとして顔料インクを使用するインクジェット記録装置に適用され、顔料インクを吐出する吐出ノズルを備えたインクジェット記録装置の吐出ノズルの保守に用いられることが好ましい。上述のように、メンテナンス液は、優れた洗浄性を有しているため、近年利用が拡大している顔料インクを使用したインクジェット記録装置において好適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSK gel Super HZM-H、TSK gel Super HZ4000、TSK gel Super HZ200(いずれも東ソー(株)製の商品名)を用いて3本直列につなぎ、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard, polystyrene」:「F-40」、「F-20」、「F-4」、「F-1」、「A-5000」、「A-2500」、「A-1000」、「n-プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
(実施例1〜7、比較例1〜2)
(1)メンテナンス液の調製
下記表4に示す組成にて、メンテナンス液を調製した。各メンテナンス液の調製は、各成分を混合し、充分に撹拌することにより行なった。
(2)水性インクの調製
<自己分散性ポリマーB−01の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」0.72g、メチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g、イソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続けることにより重合体溶液を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は64000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)、酸価は38.9(mgKOH/g)であった。
次に、重合体溶液668.3gを秤量し、これにイソプロパノール388.3g及び1mol/LのNaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次いで、蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化した。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及び蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0%の自己分散性ポリマー粒子B−01〔フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(=50/45/5[質量比])〕の水分散物(エマルジョン)を得た。
<シアン顔料分散液C1の調製>
−水不溶性ポリマー分散剤の合成−
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成社製)4部、プレンマーPP−500(日本油脂社製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部の混合溶液を調液した。
一方、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成社製)9部、プレンマーPP−500(日本油脂社製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部からなる混合溶液を調液し、滴下ロートに入れた。
次いで、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、水不溶性ポリマー分散剤のメチルエチルケトン溶液を得た。
得られた水不溶性ポリマー分散剤の溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離して得られた固形分を、テトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、GPCにて重量平均分子量を測定した。その結果、単離された固形分は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が25,000であった。
−シアン顔料分散液の調製−
得られた水不溶性ポリマー分散剤のメチルエチルケトン溶液を固形分換算で5.0g、ピグメント・ブルー15:3(シアン顔料、大日精化工業社製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/Lの水酸化ナトリウム8.0g、及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gとともにベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)にて1000rpmで6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去されるまで減圧濃縮した。顔料濃度を10質量%になるように調整して、水不溶性ポリマー分散剤で表面が被覆された顔料よりなる着色粒子の分散液として、シアン顔料分散液C1を得た。得られたシアン顔料分散液C1の平均粒径は77nmであった。
<シアンインク1〜2の調製>
前記シアン顔料分散液C1と、前記自己分散性ポリマー粒子B−01の水性分散物と、水系媒体として、超純水、1,2−ヘキサンジオール、N−メチルピロリドン、及びジエチレングリコールと、界面活性剤とを用い、下記表3に示すインク組成になるようにシアンインクを調液した。調液後、5μmメンブランフィルタで粗大粒子を除去し、水性インク組成物としてシアンインク1〜2を得た。
Figure 0005377163
前記表3中の成分の詳細は以下の通りである。
・Zonyl FSO(Du Pont社製)
・オルフィンE1010(ノニオン系界面活性剤、日信化学工業社製)
前記シアンインク1〜2はいずれも、40℃に温めたホットプレート上に滴下すると膜を張ることを確認した。
(3)画像形成及びメンテナンス性の評価
インクジェット記録装置〔富士フイルムダイマティックス社製のダイマティクス・マテリアル・プリンター DMP−2831(カートリッジは10pl吐出用(DMC−11610)を外部から液供給できるように改造)〕に前記シアンインク1又はシアンインク2とともに前記メンテナンス液の各々を順次装填し、シアンインクを下記(1)〜(3)の条件で吐出し、画像形成した。インク吐出後、ドライヤーで乾燥風を当てることにより画像を加熱した。このとき、インクジェットヘッドのノズルプレート(ノズル面)の温度は40℃に昇温した状態であった。画像形成後、メンテナンス液をヘッドのノズル面にローラーで塗布した後、30秒間おき、布ワイプ(トレシー、東レ社製)でインクジェットヘッドのノズル面をワイピングした。
その後の再吐出性評価より合否を判定し、下記の評価基準にしたがってメンテナンス性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
〜再吐出性の評価条件〜
(1)45分連続吐出終了直後に布ワイプを1回実施し、その後の全ノズルのインク吐出率が90%以上である場合、合格。
(2)1分間吐出後30分休止し、休止後に布ワイプを1回実施し、その後の全ノズルのインク吐出率が90%以上である場合、合格。
(3)15分間吐出終了直後に布ワイプを1回実施し、その後に記録した画像に画像ムラがみられない場合、合格。
〜インク吐出率の測定方法〜
実験開始時に全ノズルからインクが吐出されていることを確認し、メンテナンスを含めた実験終了後の吐出ノズル数をカウントして、下記式から吐出率を算出した。
吐出率(%)=[メンテナンス後の吐出ノズル数]/[全ノズル数]×100
<評価基準>
◎:3項目とも合格の場合
○:2項目が合格の場合
△:1項目のみ合格の場合
×:3項目とも不合格の場合
Figure 0005377163
前記表4に示すように、実施例では、インクジェットノズルのノズルプレートが昇温した状態でも、揮発性有機溶剤を含有するインクを吐出する際の吐出性を良好に保つことができ、高画質な画像を安定的に形成することができた。一方、メンテナンス液を用いない比較例2では、吐出性が悪化して安定した画像形成が困難であった。

Claims (9)

  1. 顔料と揮発性の水溶性有機溶剤とポリマー粒子と水とを含むインク組成物を、インクジェットヘッドの該インク組成物が加熱されたときに膜を張る温度以上に昇温されたノズルプレートから記録媒体に吐出する工程と、
    吐出後の前記ノズルプレートのノズル面にメンテナンス液を付与する工程と、
    を有する画像形成方法。
  2. 前記ノズルプレートの温度が30℃以上であることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  3. 前記水溶性有機溶剤の沸点が285℃以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記顔料は、その表面の少なくとも一部がポリマー分散剤で被覆された水分散性顔料であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記ポリマー粒子が自己分散性ポリマー粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記メンテナンス液が、少なくとも水を含むことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記メンテナンス液が、全液量に対して5質量%〜50質量%の有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記メンテナンス液のpHが6〜10である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 前記メンテナンス液に含まれる有機溶剤が、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の画像形成方法。
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