JP5376276B2 - ズームレンズ、カメラおよび携帯情報端末装置 - Google Patents
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ここで、小型化という面では、まず、使用時のレンズ全長(最も物体側のレンズ面から像面までの距離)を短縮することが必要であり、また、各レンズ群の厚みを短縮して、収納時の全長を抑えることも重要である。さらに、高性能化という面では、少なくとも、700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を全ズーム域にわたって有することが必要である。
また、撮影レンズの広画角化を望むユーザも多く、ズームレンズの広角端の半画角は、38度以上であることが望ましい。半画角38度は、35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離で28mmに相当する。
さらに、変倍比についてもなるべく大きなものが望まれている。35mm銀塩カメラ換算の焦点距離で28〜200mm相当程度(約7.1倍)のズームレンズであれば、一般的な撮影のほとんど全てをこなすことが可能と考えられる。
このタイプのズームレンズの従来例として、変倍に際して第1群が固定、または、第1群が像側に凸の弧状に往復移動するタイプがあるが、この場合、変倍作用の多くを負担する第2レンズ群の移動量を大きく確保しようとすると、第3レンズ群近傍に配設される絞りが広角端においても第1レンズ群から離れることになり、広角・高変倍化のためには第1レンズ群が非常に大きなものとなってしまう。よって、広角・高変倍且つ小型のズームレンズを実現するためには、広角端から望遠端への変倍に際して第1レンズ群を物体側に移動するタイプが望ましい。広角端でのレンズ全長を望遠端に比べて短くすることにより、第1レンズ群の大型化を抑制しつつ、十分な広角化が可能となる。
また、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を配設し、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が増大するように、少なくとも第1レンズ群および第3レンズ群が物体側へ移動するズームレンズを使用したズームレンズとして、特許文献4(特開2004−212616号公報)や特許文献5(特開2006−337592号公報)に記載されたものがある。
また、特許文献4に記載された可変焦点距離レンズ系は、広角端における半画角は、34度〜37度程度であるが、変倍比の面では、大きなものでも4倍強に留まっており、高変倍化の面でなお改良の余地がある。
また、特許文献5に開示されたズームレンズは、半画角が38度以上と十分に広画角であり、4.5倍以上の変倍比を有するものの、400万〜800万画素程度の撮像素子に対応した解像力に留まっており、高解像力化の面で、なお、改良の余地がある。
特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することを目的としている。
請求項2に記載の発明は、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、5群構成で、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有し、特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することを目的としている。
請求項3に記載の発明は、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、4群構成で、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有し、特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することを目的としている。
請求項4に記載の発明は、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、5群構成で、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有し、特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することを目的としている。
請求項5に記載の発明は、より簡単に製造可能な低コストで高性能のズームレンズを提供することを目的としている。
請求項6に記載の発明は、色収差・単色収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することを目的としている。
請求項7に記載の発明は、色収差をより良好に補正し、安定した性能の得やすい、高性能なズームレンズを提供することを目的としている。
請求項8に記載の発明は、さらに軸外性能を向上した、小型で高性能なズームレンズを提供することを目的としている。
請求項11に記載の発明は、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が10程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した、小型で高画質のカメラを提供することを目的としている。
請求項12に記載の発明は、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズをカメラ機能部の撮影光学系として使用した、小型で高画質の携帯情報端末装置を提供することを目的としている。
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足する。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.40<La1−a2 W/L a1−sW<0.70
0.80<La1−a2T/La1−sT<1.00
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−a2Wは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−a2Tは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg,F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7(例えば、株式会社オハラ硝種名NSL7)と硝種F2(例えば、株式会社オハラ硝種名PBM2)を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。
請求項2に記載のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折率を有する第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.40<La1−a2 W/L a1−sW<0.70
0.80<La1−a2T/La1−sT<1.00
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−a2Wは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−a2Tは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg、F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。
なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。
請求項3に記載のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.10<Ls−a3W/La1−sW<0.40
0.00<Ls−a3T/La1−sT<0.20
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、Ls−a3Wは、広角端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離、Ls−a3Tは、望遠端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg、F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。
なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。
請求項4に記載のズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折率を有する第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.10<Ls−a3W/La1−sW<0.40
0.00<Ls−a3T/La1−sT<0.20
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、Ls−a3Wは、広角端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離、Ls−a3Tは、望遠端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg、F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。
なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。
ν d >60.0
Δθ g,F >0.003
を満足しないことを特徴とする。
請求項6に記載のズームレンズは、請求項5に記載のズームレンズにおいて、fapを請求項1に記載の条件式
ν d >60.0
Δθ g,F >0.003
を満足する前記第1レンズ群の正レンズの焦点距離、fWを広角端における全系の焦点距離とするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
7.0<fap/fW<17.0
請求項7に記載のズームレンズは、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側より曲率の絶対値が大きな面を向けた正レンズ、物体側に像側より曲率の絶対値が大きな面を向けた正レンズの3枚で構成され、最も像側の正レンズに非球面が設けられたことを特徴とする。
請求項8に記載のズームレンズは、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、その開口絞りは隣接するレンズ群とは独立に移動することを特徴とする。
請求項10に記載のズームレンズは、請求項9に記載のズームレンズにおいて、前記第3レンズ群の最も像側に、像側に凹面を向けた負レンズを配設すると共に、R3Rを前記第3レンズ群の最も像側の面の曲率半径とするとき、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.70<|R3R|/fW<1.30
本発明の請求項11に記載のカメラは、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することを特徴とする。
本発明の請求項12に記載の携帯情報端末装置は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のズームレンズを、カメラ機能部の撮影用光学系として有することを特徴とする。
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
νdを第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数とし、Δθg、Fをその正レンズの異常分散性(アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg,F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差という)とし、ng、nF、nCをそれぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率としたとき、
νd>60.0
Δθg,F>0.003
La1−a2Wは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−a2Tは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値としたとき、
0.40<La1−a2 W/L a1−sW<0.70
0.80<La1−a2T/La1−sT<1.00
なる条件式を満足する構成とすることにより、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、4群構成で、構成枚数が10程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有し、特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することができ、延いては、どのズームポジションで撮影しても、より良好な描写の得られる高画質のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折率を有する第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
νdを第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数とし、Δθg、Fをその正レンズの異常分散性(アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg,F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差という)とし、ng、nF、nCをそれぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率としたとき、
νd>60.0
Δθg,F>0.003
La1−a2Wは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−a2Tは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値としたとき、
0.40<La1−a2 W/L a1−sW<0.70
0.80<La1−a2T/La1−sT<1.00
なる条件式を満足する構成とすることにより、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、5群構成で、構成枚数が10程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有し、特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することができ、延いては、どのズームポジションで撮影しても、より良好な描写の得られる高画質のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
請求項3に記載の発明によれば、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
νdを第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数とし、Δθg、Fをその正レンズの異常分散性(アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg,F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差という)とし、ng、nF、nCをそれぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率としたとき、
νd>60.0
Δθg,F>0.003
La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、Ls−a3Wは、広角端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離、Ls−a3Tは、望遠端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値としたとき、
0.10<Ls−a3W/La1−sW<0.40
0.00<Ls−a3T/La1−sT<0.20
なる条件式を満足する構成とすることにより、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、4群構成で、構成枚数が10程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有し、特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することができ、延いては、どのズームポジションで撮影しても、より良好な描写の得られる高画質のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
請求項4に記載の発明によれば、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折率を有する第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
νdを第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数とし、Δθg、Fをその正レンズの異常分散性(アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg,F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差という)とし、ng、nF、nCをそれぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率としたとき、
νd>60.0
Δθg,F>0.003
La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、Ls−a3Wは、広角端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離、Ls−a3Tは、望遠端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値としたとき、
0.10<Ls−a3W/La1−sW<0.40
0.00<Ls−a3T/La1−sT<0.20
なる条件式を満足する構成とすることにより、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、5群構成で、構成枚数が10程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有し、特に、単色収差をより良好に補正すると共に、変倍域全体にわたって収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することができ、延いては、どのズームポジションで撮影しても、より良好な描写の得られる高画質のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
ν d >60.0
Δθ g,F >0.003
を満足しないことにより、より簡単に製造可能な低コストで高性能のズームレンズを提供することができる、延いては、より低価格で高画質のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載のズームレンズにおいて、fapを、前記条件式
ν d >60.0
Δθ g,F >0.003
を満足する前記第1レンズ群の前記正レンズの焦点距離とし、fwを、広角端における全系の焦点距離としたとき、
7.0<fap/fw<17.0
なる条件を満足することにより、色収差・単色収差をバランス良く補正した、高性能なズームレンズを提供することができる、延いては、広角端における画面周辺部の色ずれや、望遠端における画面全体にわたる色にじみ等をさらに抑えつつ、解像力にも優れたカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側より曲率の絶対値が大きな面を向けた正レンズ、物体側に像側より曲率の絶対値が大きな面を向けた正レンズの3枚で構成され、最も像側の正レンズに非球面が設けられた構成としたので、色収差をより良好に補正し、安定した性能の得やすい、高性能なズームレンズを提供することができ、延いては、ばらつきなく良好な描写の得られるカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、その開口絞りは、隣接するレンズ群とは独立に移動するように構成したので、さらに軸外性能を向上した、小型で高性能なズームレンズを提供することができ、延いては、画面全体にわたって高い解像度を有する、より高画質で小型のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
R3Rを、前記第3レンズ群の最も像側の面の曲率半径としたとき、
0.70 <|R3R|/ fW < 1.30
なる条件式を満足することにより、各収差をさらに良好に補正した、高性能なズームレンズを提供することができ、延いては、さらに高い解像力を有する高画質のカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することにより、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が10程度と少なく、小型で且つ700万〜1,000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮影光学系として使用した、小型で高画質のカメラを提供ことができるため、ユーザは携帯性に優れたカメラで高画質な画像を撮影することができる。
図1〜図4は、本発明の第1〜第4の実施の形態に係るズームレンズの構成を示す断面図であり、このうち、特に、図1は、本発明に係る実施例1の構成、図2は、実施例2の構成、図3は、実施例3の構成、図4は、実施例4の構成をそれぞれ示す断面図である。
図1〜図4に示すように、本発明の実施例1〜実施例4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3および正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配置されている。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大し、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するタイプのズームレンズである。
この場合、第1レンズL1〜第3レンズL3は、第1レンズ群G1を構成し、第4レンズL4〜第6レンズL6は、第2レンズ群G2を構成し、第7レンズL7〜第9レンズL9は、第3レンズ群G3を構成し、第10レンズL10は、第4レンズ群G4を構成しており、それぞれ各群毎に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際しては、各群毎に一体的に動作する。また、図1〜図4には、各光学面の面番号R1〜R20を示している。
開口絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に配設され、ズーミングに際してその位置が可変とされている。
このようなレンズ構成を有する本発明に係るズームレンズは、以下のような特徴を持つものである。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔DAは大きくなり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔DB+DCは小さくなって、第2レンズ群G2・第3レンズ群G3の倍率(絶対値)はどちらも増加し、変倍作用を互いに分担する。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
ただし、νdは、第1レンズ群G1中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg、Fは、その正レンズの異常分散性を表す。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg,F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7(株式会社オハラ硝種名NSL7)と硝種F2(株式会社オハラ硝種名PBM2)を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差をいう。なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。
一般に、軸上色収差の二次スペクトルを低減するためには、軸上光線高さが高いレンズ群に異常分散ガラスを用いると効果が大きい。第1レンズ群G1は、最も軸上光線高さが高く、その中の正レンズに低分散の異常分散ガラスを採用することによって、軸上色収差の二次スペクトルを十分に低減することが可能となる。しかし、低分散の異常分散ガラスは一般に屈折率が低く、単色収差の補正能力が低下してしまう。よって、第1レンズ群G1を少ない枚数で構成しながら、単色収差・色収差をバランス良く低減しようとする場合、異常分散ガラスの使用だけでは必ずしも十分な効果を上げられない。
そこで、本発明の実施の形態においては、第1レンズ群G1中に少なくとも1面の非球面を配設し、単色収差の補正に対する自由度を確保した。この非球面は、広角端においては歪曲収差や非点収差の、望遠端において球面収差やコマ収差の補正に効果があり、屈折率が低い特殊低分散ガラスの使用による単色収差の補正能力の低下を、十分にリカバリすることができる。また、変倍に際して第1レンズ群G1が移動するため、非球面を通過する光線の状態を、この移動によってもコントロールでき、第1レンズ群G1が固定されている場合に比べて、非球面の効果は相対的に大きくなる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、第1レンズ群G1を計3枚の少ない枚数で構成しながら、色収差の二次スペクトルを低減し、且つ、単色収差の十分な補正も可能となるため、その増加した自由度を使って、例えば、より小型のズームレンズを実現することができる。このとき、νdが、60以下であると色収差の補正が不十分となり、Δθg,Fが、0.003以下であると色収差の二次スペクトルの補正が不十分となる。
本発明のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1の非球面は、正レンズに設けるのが良い。また、その非球面を設けた正レンズは、前記の条件式
ν d >60.0
Δθ g,F >0.003
を満足しないことが望ましい。
第1レンズ群G1の負レンズは、色収差補正の都合上、高屈折率・高分散の硝種となるが、高屈折率・高分散の硝種を用いた非球面レンズは、その加工が困難である。ガラスを高温で軟化させて成型するガラスモールドタイプの場合は、それに適した高屈折率・高分散の硝種が限られている。また、球面研磨レンズの面上に紫外線硬化型樹脂で非球面層を形成するハイブリッドタイプの場合は、高屈折率・高分散の硝種の特徴である紫外線透過率の悪さが問題となる。
本発明のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1の異常分散ガラスで構成された正レンズは、以下の条件式を満足するような屈折力を有することが望ましい。
7.0<fap/fW<17.0
ただし、fapは、前記条件式のν d およびΔθ g,F の値を満足する第1レンズ群G1の正レンズの焦点距離、fWは、広角端における全系の焦点距離を表す。
fap/fWが、17.0以上であると、異常分散ガラスを使用したレンズの屈折力が二次スペクトルを十分に低減するには足らず、十分な色収差補正が行えない場合がある。一方で、fap/fWが、7.0以下であると、色収差補正と、望遠端における球面収差等の単色収差補正のバランスを取ることが難しくなる。
広角域を含む正先行ズームレンズの第1レンズ群G1の構成としては、上記のような物体側から負・正・正の構成が収差補正能力に優れている。また、非球面レンズは、径が小さい方が精度良く作りやすいことを考えると、2枚の正レンズのうち、物体側を異常分散ガラス製のレンズ、像側を非球面レンズとするのが、最も理にかなった構成である。第1レンズ群G1は、ズームレンズの最初に基本となる実像を結ぶという点で重要なレンズ群であるが、上述の構成をとることによって、十分な収差補正が可能となる。
本発明のズームレンズにおいては、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間に開口絞りSを配設し、その開口絞りSを隣接するレンズ群(G2とG3)とは独立に移動させることができる。このような構成により、6.5倍以上という大きな変倍領域のどのポジションにおいても、より最適な光線経路の選択が可能となるため、特にコマ収差や像面湾曲等の補正の自由度が向上し、軸外性能の向上を達成することができる。
上述した理由により、開口絞りSと第3レンズ群G3との間隔を、広角端において望遠端よりも広くする場合、その間隔に関して以下の条件式を満足することが望ましい。
0.05 < dSW / fT < 0.20
ただし、dSWは、広角端における開口絞りSと第3レンズ群G3の最も物体側の面との軸上間隔、fTは、広角端における全系の焦点距離を表す。
dSW / fTを、0.05以下とすると、広角端において第1レンズ群G1を通過する光線高さが大きくなり、第1レンズ群G1の大型化を招きやすくなるのに加え、第3レンズ群G3の軸外収差に対する寄与が小さくなってしまう。一方、dSW / fTを、0.20以上とすると、広角端において第3レンズ群G3を通過する光線高さが大きくなりすぎ、像面がオーバーに倒れたり、樽型の歪曲収差が大きくなりやすい等、どちらにしろ広角域における性能確保が難しくなる。
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の非球面は、以下の条件式を満足するように設けるのが良い。
0.40<La1−a2W/La1−sW<0.70
0.80<La1−a2T/La1−sT<1.00
ただし、La1−a2Wは、広角端における第1レンズ群G1の非球面から第2レンズ群G2の非球面までの距離、La1−sWは、広角端における第1レンズ群G1の非球面から開口絞りSまでの距離、La1−a2Tは望遠端における第1レンズ群G1の非球面から第2レンズ群G2の非球面までの距離、La1−sTは、望遠端における第1レンズ群G1の非球面から開口絞りSまでの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ開口絞りSに最も近い非球面についての数値とする。
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3の非球面は、以下の条件式を満足するように設けるのが良い。
0.10<Ls−a3W/La1−sW<0.40
0.00<Ls−a3T/La1−sT<0.20
ただし、Ls−a3Wは、広角端における開口絞りSから第3レンズ群G3の非球面までの距離、Ls−a3Tは、望遠端における開口絞りSから第3レンズ群G3の非球面までの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ開口絞りSに最も近い非球面についての数値とする。
もちろん、第1レンズ群G1・第2レンズ群G2・第3レンズ群G3のそれぞれに設ける非球面が、上記計4つの条件式を満足するように配置されるのが最も望ましい。非球面の効果が最大限に発揮でき、より小型化を進めても、良好な結像性能の確保が可能となる。
本発明のズームレンズにおいては、第3レンズ群G3が2枚の正レンズL7、L8と1枚の負レンズL9で構成されることが望ましい。第3レンズ群G3は、変倍作用と結像作用を共に有する重要なレンズ群であり、1枚ないし2枚の構成では、単色収差・色収差を良好に補正することが難しくなる。一方で、4枚以上のレンズで構成することは、小型化の点で不利となる。
より良好な収差補正のためには、第3レンズ群G3の最も像側に、像側に凹面を向けた負レンズL9を配設すると共に、以下の条件式を満足することが望ましい。
0.70<|R3R|/fW<1.30
ただし、R3Rは、第3レンズ群G3の最も像側の面の曲率半径を表す。
さらに、広角化・長焦点化のために重要な第1レンズ群G1の移動量に関連して、以下の条件式を満足することにより、十分な収差補正が可能となる。
0.20 < X1 / fT < 0.50
ただし、X1は、広角端から望遠端への変倍に際しての第1レンズ群G1の総移動量、fTは、望遠端における全系の焦点距離を表す。
X1 / fTを、0.20以下とすると、第2レンズ群G2の変倍への寄与が小さくなって第3レンズ群G3の負担が増加するか、第1レンズ群G1・第2レンズ群G2の屈折力を強めなければならなくなって、いずれにせよ、各種収差の悪化を招く。また、広角端におけるレンズ全長が長くなって、第1レンズ群G1を通過する光線高さが増加し、第1レンズ群G1の大型化を招く。一方、X1 / fTを、0.50以上とすると、広角端での全長が短くなりすぎるか、望遠端での全長が長くなりすぎることになる。広角端での全長が短くなりすぎると、第3レンズ群G3の移動スペースが限定され、第3レンズ群G3の変倍への寄与が小さくなって、全体の収差補正が困難となる。望遠端での全長が長くなりすぎると、全長方向の小型化の妨げになるだけでなく、望遠端での周辺光量確保のために径方向が大型化したり、また、鏡胴の倒れ等の製作誤差による像性能の劣化も招きやすくなる。
0.25< X1 / fT < 0.45
第3レンズ群G3の移動量に関しては、以下の条件式を満足することが望ましい。
0.10 < X3 / fT < 0.35
ただし、X3は、広角端から望遠端への変倍に際する第3レンズ群G3の総移動量を表す。
X3 / fTを、0.10以下とすると、第3レンズ群G3の変倍への寄与が小さくなって、第2レンズ群G2の負担が増加するか、第3レンズ群G3自体の屈折力を強めなければならなくなって、いずれにせよ、各種収差の悪化を招く。一方、X3 / fTを、0.35以上とすると、広角端におけるレンズ全長が長くなって、第1レンズ群G1を通過する光線高さが増加し、第1レンズ群G1の大型化を招く。
0.15<X3/fT<0.30
加えて、収差補正の上から、各群の屈折力に関する以下の条件式を満足することが望ましい。
0.50<|f2|/f3<0.85
4.5<f1/fW<7.5
ただし、f1は、第1レンズ群G1の焦点距離、f2は、第2レンズ群G2の焦点距離、f3は、第3レンズ群G3の焦点距離、fWは、広角端における全系の焦点距離を表す。
|f2|/f3を、0.50以下とすると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなりすぎ、|f2|/f3を、0.85以上とすると、第3レンズ群G3の屈折力が強くなりすぎて、いずれにしろ変倍に際する収差変動が大きくなりやすくなる。
f1/fWを、4.5以下とすると、第2レンズ群G2の結像倍率が等倍に近付いて変倍効率が上がり、高変倍化には有利であるが、第1レンズ群G1の各レンズに大きな屈折力が必要になって、特に望遠端での色収差が悪化する等の弊害があるばかりか、第1レンズ群G1が厚肉化・大口径化して、特に収納状態での小型化にとって不利となる。
一方、f1/fWを、7.5以上とすると、第2レンズ群G2の変倍への寄与が小さくなってしまい、高変倍化が難しくなる。
第2レンズ群G2は物体側から順に、像側に曲率の大きな面を向けた負レンズL4、像側に曲率の大きな面を向けた正レンズL5、物体側に曲率の大きな面を向けた負レンズL6の3枚からなることが望ましい。
このとき、第2レンズ群G2の各レンズは、以下の条件式を満足することが望ましい。
1.80 < N21 < 2.15 、25 < ν21 < 50
1.80 < N22 < 2.15 、15 < ν22 < 30
1.80 < N23 < 2.15 、25 < ν23 < 50
ただし、N2iは、第2レンズ群G2中で物体側から数えてi番目のレンズの屈折率、ν2iは、第2レンズ群G2中で物体側から数えてi番目のレンズのアッベ数を表す。
このような屈折率およびアッベ数を持つ硝種を選択することにより、単色収差・色収差のより良好な補正が可能となって、ひいては第2レンズ群G2をより薄型化することができるようになる。
良好な収差補正を保ちながらより小型化を進めるためには非球面が不可欠であり、少なくとも第2レンズ群G2および第3レンズ群G3には、それぞれ1面以上の非球面を有することが望ましい。特に第2レンズ群G2においては、最も物体側の面と最も像側の面の双方を非球面とすると、広角化に伴って増大しがちな歪曲収差・非点収差等をの補正に高い効果が得られる。
なお、非球面レンズとしては、光学ガラスや光学プラスチックを成型したもの(ガラスモールド非球面、プラスチックモールド非球面)や、ガラスレンズの面上に薄い樹脂層を成型し、その表面を非球面としたもの(ハイブリッド非球面、レプリカ非球面等と称される)等が使用できる。
尚、上述した本発明の第1〜第4の実施の形態は、正・負・正・正の4群構成、即ち、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群からなる、4群構成であるが、以下に第5の実施の形態として、正・負・正・正・負の5群構成、即ち、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群からなる5群構成からなるズームレンズについて、以下に説明する。
図5に示すように、本発明の第5の実施の形態は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、正の屈折力を有する第4レンズ群G4および負の屈折力を有する第5レンズ群G5が配置されている。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大し、第5レンズ群G5が固定されて移動せず、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するタイプのズームレンズである。
この場合、第1レンズL1〜第3レンズL3は、第1レンズ群G1を構成し、第4レンズL4〜第6レンズL6は、第2レンズ群G2を構成し、第7レンズL7〜第9レンズL9は、第3レンズ群G3を構成し、第10レンズL10は、第4レンズ群G4を構成し、第11レンズL11は、第5レンズ群G5を構成しており、それぞれ各群毎に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際しては、各群毎に一体的に動作する。また、図5には、各光学面の面番号R1〜R22を示している。
開口絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に配設され、ズーミングに際してその位置が可変とされている。
このようなレンズ構成を有する本発明に係る第5の実施の形態のズームレンズは、以下のような特徴を持つものである。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔DAは大きくなり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔DB+DCは小さくなって、第2レンズ群G2・第3レンズ群G3の倍率(絶対値)はどちらも増加し、変倍作用を互いに分担する。
νd > 60.0
Δθg,F > 0.003
ただし、νdは、第1レンズ群G1中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg、Fは、その正レンズの異常分散性を表す。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg,F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7(株式会社オハラ硝種名NSL7)と硝種F2(株式会社オハラ硝種名PBM2)を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差をいう。なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。
一般に、軸上色収差の二次スペクトルを低減するためには、軸上光線高さが高いレンズ群に異常分散ガラスを用いると効果が大きい。第1レンズ群G1は、最も軸上光線高さが高く、その中の正レンズに低分散の異常分散ガラスを採用することによって、軸上色収差の二次スペクトルを十分に低減することが可能となる。しかし、低分散の異常分散ガラスは一般に屈折率が低く、単色収差の補正能力が低下してしまう。よって、第1レンズ群G1を少ない枚数で構成しながら、単色収差・色収差をバランス良く低減しようとする場合、異常分散ガラスの使用だけでは必ずしも十分な効果を上げられない。
そこで、本発明の第5の実施の形態においては、上述した第1〜第4の実施の形態と同様、第1レンズ群G1中に少なくとも1面の非球面を配設し、単色収差の補正に対する自由度を確保した。この非球面は、広角端においては歪曲収差や非点収差の、望遠端において球面収差やコマ収差の補正に効果があり、屈折率が低い特殊低分散ガラスの使用による単色収差の補正能力の低下を、十分にリカバリすることができる。また、変倍に際して第1レンズ群G1が移動するため、非球面を通過する光線の状態を、この移動によってもコントロールでき、第1レンズ群G1が固定されている場合に比べて、非球面の効果は相対的に大きくなる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、第1レンズ群G1を計3枚の少ない枚数で構成しながら、色収差の二次スペクトルを低減し、且つ、単色収差の十分な補正も可能となるため、その増加した自由度を使って、例えば、より小型のズームレンズを実現することができる。このとき、νdが、60以下であると色収差の補正が不十分となり、Δθg,Fが、0.003以下であると色収差の二次スペクトルの補正が不十分となる。
本発明のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1の非球面は、正レンズに設けるのが良い。また、その非球面を設けた正レンズは、前記条件式
ν d >60.0
Δθ g,F >0.003
を満足しないことが望ましい。
第1レンズ群G1の負レンズは、色収差補正の都合上、高屈折率・高分散の硝種となるが、高屈折率・高分散の硝種を用いた非球面レンズは、その加工が困難である。ガラスを高温で軟化させて成型するガラスモールドタイプの場合は、それに適した高屈折率・高分散の硝種が限られている。また、球面研磨レンズの面上に紫外線硬化型樹脂で非球面層を形成するハイブリッドタイプの場合は、高屈折率・高分散の硝種の特徴である紫外線透過率の悪さが問題となる。
ν d >60.0
Δθ g,F >0.003
を満足するような異常分散ガラスは、その組成がガラスモールドに適しておらず、また、やわらかく傷が付きやすいため、後加工が必要なハイブリッドにも適さない。
本発明のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1の異常分散ガラスで構成された正レンズは、以下の条件式を満足するような屈折力を有することが望ましい。
7.0<fap/fW<17.0
ただし、fapは、前記条件式ν d およびΔθ g,F の値を満足する第1レンズ群G1の正レンズの焦点距離、fWは、広角端における全系の焦点距離を表す。
fap/fWが、17.0以上であると、異常分散ガラスを使用したレンズの屈折力が二次スペクトルを十分に低減するには足らず、十分な色収差補正が行えない場合がある。一方で、fap/fWが、7.0以下であると、色収差補正と、望遠端における球面収差等の単色収差補正のバランスを取ることが難しくなる。
以下に本発明のズームレンズの具体的な実施例(第1〜第5の実施例)を示す。なお、全ての実施例において最大像高は4.05mmである。
第1〜第4の実施例にあっては、第4レンズ群G4の像面側に、第5の実施例にあっては、第5レンズG5の像面側に、それぞれ配設される平行平板OFは、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、CCDセンサ等の受光素子のカバーガラス(シールガラス)を想定したものである。
実施例の収差は、十分に補正されており、700万〜1,000万画素の受光素子に対応することが可能となっている。本発明のようにズームレンズを構成することで、十分な小型化を達成しながら非常に良好な像性能を確保し得ることは、実施例より明らかである。
実施例における記号の意味は以下の通りである。
f :全系の焦点距離
F :Fナンバ
ω :半画角
R :曲率半径
D :面間隔
Nd :屈折率
νd :アッベ数
K :非球面の円錐定数
A4 :4次の非球面係数
A6 :6次の非球面係数
A8 :8次の非球面係数
A10 :10次の非球面係数
A12 :12次の非球面係数
A14 :14次の非球面係数
A16 :16次の非球面係数
A18 :18次の非球面係数
ただし、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、次式で定義される。
図1は、本発明の実施例1に係るズームレンズの光学系の構成を示す断面図である。
図1の上段は、本発明の実施例1に係るズームレンズの光学系の広角端、中段は中間焦点距離、下段は、望遠端における構成を示している。
図1に示すズームレンズは、物体側から順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、開口絞りS、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10および光学フィルタOFの順で配列されており、各種の光学フィルタリング機能を有する光学フィルタOFの背後に結像される。この場合、第1レンズL1〜第3レンズL3は、第1レンズ群G1を構成し、第4レンズL4〜第6レンズL6は、第2レンズ群G2を構成し、第7レンズL7〜第9レンズL9は、第3レンズ群G3を構成し、第10レンズL10は、第4レンズ群G4を構成しており、それぞれ各群光学系毎に適宜なる支持枠等によって支持され、ズーミング等に際しては、各レンズ群毎に一体的に動作する。
第10レンズL10は、物体側に曲率の大きな面を向けた両凸レンズであり、この第10レンズL10のみにより第4レンズ群G4を構成しており、正の焦点距離、つまり正の屈折力を有する。
広角端(短焦点端)から望遠端(長焦点端)への焦点距離の変倍に際しては、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大し、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動させて行う。
最も像側に配置されている平行平板からなる光学フィルタOFは、水晶ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等のフィルタ類である。
焦点距離変化に伴う各レンズ群G1〜G4の移動により、各レンズ群間の可変間隔、すなわち、第1レンズ群G1の最も像側の面、つまり第3レンズL3の像側の面(面番号R5)と第2レンズ群G2の最も物体側の面(面番号R6)との間隔DA、第2レンズ群G2の最も像側の面、つまり第6レンズL6の像側の面(面番号R10)と開口絞りSとの間隔DB、この開口絞りSと第3レンズ群G3の最も物体側の面(面番号R12)との間隔DC、第3レンズ群G3の最も像側の面、つまり第9レンズL9の像側の面(面番号R16)と第4レンズ群G4の最も物体側の面、つまり第10レンズL10の像側の面(面番号R17)との間隔DD、第4レンズ群G4の最も像側の面、つまり第10レンズL10の像側の面(面番号R18)と光学フィルタOFの物体側の面(面番号R19)との間隔DEがそれぞれ変化する。
全系の焦点距離f: 5.16〜35.09
Fナンバ(F値): 3.49〜5.49
半画角: 39.34〜6.50
と変化する。
各光学面の特性は、次表(表1)の通りである。
非球面;第4面
K = 0.0,
A4 = −2.99145×10−6,
A6 = −2.31719×10−8,
A8 = 1.30994×10−10,
A10 = −1.04295×10−12
非球面;第6面
K = 0.0,
A4 = 5.30475×10−5,
A6 = −3.02550×10−6,
A8 = 1.75806×10−7,
A10 = −4.41619×10−9
A12 = −5.03303×10−11,
A14 = 2.21259×10−12
K = 0.0,
A4 = −5.72615×10−4,
A6 = 2.64313×10−7,
A8 = −1.43524×10−6,
A10 = −4.40696×10−8
非球面;第12面
K = 0.0,
A4 = −7.86511×10−4,
A6 = 2.14725×10−5,
A8 = −1.35163×10−6,
A10 = 4.22984×10−8
非球面;第13面
K = 0.0,
A4 = 4.01016×10−4,
A6 = 2.39857×10−5,
A8 = −1.41367×10−6,
A10 = 4.90779×10−8
K = 0.0,
A4 = −8.52233×10−5,
A6 = 1.17201×10−5,
A8 = −4.70061×10−7,
A10 = 8.05532×10−9
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間の可変間隔DB、開口絞りSと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DD、第4レンズ群G4と光学フィルタOFとの間の可変間隔DEは、ズーミングに伴って次表(表2)のように変化させられる。
条件式数値
νd、Δθg,F :表1の通り
fap / fW = 11.1
La1−a2W / La1−sW = 0.566
La1−a2T / La1−sT = 0.962
Ls−a3W / La1−sW = 0.219
Ls−a3T / La1−sT = 0.027
|R3R|/ fW = 0.938
X1 / fT = 0.356
X3 / fT = 0.226
|f2| / f3 = 0.665
f1 / fW = 5.81
dSW / fT = 0.109
従って、この実施例1における図1に示した先に述べた条件式に係るパラメータの値は、条件式の範囲内である。
各収差曲線図中、球面収差図における破線は、正弦条件をあらわし、非点収差図における実線は、サジタル、破線は、メリディオナルをあらわしている。
これらの図6〜図8の収差曲線図によれば、上述した本発明の実施例1に係る図1に示した構成のズームレンズにより、収差は、良好に補正されあるいは抑制されていることが分かる。
このようにすれば、正−負−正−正の4群のズームレンズにおいて、諸収差の良好な補正が可能で、広角端の半画角が38度以上と充分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを提供することができる。
そして、このズームレンズを備えることにより、小型且つ高画質で、通常の撮影領域を十分にカバーし得る変倍域を有したカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
図2は、本発明の実施例2に係るズームレンズの光学系のそれぞれ短焦点端(広角端)、中間焦点距離、長焦点端(望遠端)における構成を示している。
図2に示すズームレンズは、図1に示したズームレンズと、基本的構成が共通であるので、その構成と動作についての重ねての説明は、省略する。
尚、図2に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例毎に独立に用いており、そのため、図2において図1と共通の参照符号を付していてもそれらは実施例1とは具体的には、同一であるわけではない。
この実施例2においては、広角端から望遠端への焦点距離変化に伴って、
全系の焦点距離f: 5.16〜35.09
Fナンバ: 3.49〜5.49
半画角ω: 39.32〜6.53
と変化する。
各光学面の特性は、次表(表3)の通りである。
非球面;第4面
K = 0.0,
A4 = −4.49172×10−6,
A6 = −1.89922×10−8,
A8 = −2.51390×10−11,
A10 = −3.42764×10−13
非球面;第6面
K = 0.0,
A4 = 4.22736×10−5,
A6 = −3.36978×10−6,
A8 = 2.28125×10−7,
A10 = −7.59455×10−9
A12 = 8.48001×10−11
K = 0.0,
A4 = −4.35735×10−4,
A6 = −1.90121×10−6,
A8 = −3.37380×10−7,
A10 = −3.96486×10−8
非球面;第12面
K = 0.0,
A4 = −6.85996×10−4,
A6 = 1.46020×10−5,
A8 = −9.03857×10−7,
A10 = 3.76431×10−8
K = 0.0,
A4 = 3.36919×10−4,
A6 = 2.03718×10−5,
A8 = −1.32828×10−6,
A10 = 5.88476×10−8
非球面;第17面
K = 0.0,
A4 = −9.17625×10−5,
A6 = 1.09530×10−5,
A8 = −4.30254×10−7,
A10 = 7.41524×10−9
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間可変間隔DB、開口絞りSと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DD、第4レンズ群G4と光学フィルタOFとの間の可変間隔DEは、ズーミングに伴って次表(表4)のように変化させられる。
条件式数値
νd、Δθg,F : 表3に記載の通り
fap / fW = 13.4
La1−a2W / La1−sW = 0.538
La1−a2T / La1−sT = 0.964
Ls−a3W / La1−sW = 0.234
Ls−a3T / La1−sT = 0.026
|R3R|/ fW = 0.949
X1 / fT = 0.345
X3 / fT = 0.247
|f2| / f3 = 0.686
f1 / fW = 6.17
dSW / fT = 0.120
図9〜図11は、上述した実施例2に係る図2に示したズームレンズにおける各収差の収差曲線図を示しており、図9は、広角端における収差曲線図、図10は、中間焦点距離における収差曲線図、そして、図11は、望遠端における収差曲線図である。
各収差曲線図中、球面収差図における破線は、正弦条件をあらわし、非点収差図における実線は、サジタル、破線は、メリディオナルをあらわしている。
これらの図9〜図11の収差曲線図によれば、上述した本発明の実施例2に係る図2に示した構成のズームレンズにより、収差は、良好に補正されあるいは抑制されていることが分かる。
このようにすれば、正−負−正−正の4群のズームレンズにおいて、諸収差の良好な補正が可能で、広角端の半画角が38度以上と充分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを提供することができる。
そして、このズームレンズを備えることにより、小型且つ高画質で、通常の撮影領域を十分にカバーし得る変倍域を有したカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
図3は、本発明の実施例3に係るズームレンズの光学系のそれぞれ短焦点端(広角端)、中間焦点距離、長焦点端(望遠端)における構成を示している。
図3に示すズームレンズは、図1に示したズームレンズと、基本的構成が共通であるので、その構成と動作についての重ねての説明は、省略する。
尚、図3に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例毎に独立に用いており、そのため、図3において図1と共通の参照符号を付していてもそれらは実施例1とは具体的には、同一であるわけではない。
この実施例3においては、広角端から望遠端への焦点距離変化に伴って、
全系の焦点距離f: 5.16〜35.09
Fナンバ: 3.50〜5.29
半画角ω: 39.33〜6.50
と変化する。
各光学面の特性は、次表(表5)の通りである。
非球面;第4面
K = 0.0,
A4 = −3.86254×10−6,
A6 = −2.31255×10−8,
A8 = 9.87125×10−11,
A10 = −7.57988×10−13
非球面;第6面
K = 0.0,
A4 = 1.45622×10−4,
A6 = −6.88560×10−6,
A8 = 3.08656×10−7,
A10 = −6.72175×10−9
A12 = −4.03500×10−11,
A14 = 2.26201×10−12
K = 0.0,
A4 = −4.85100×10−4,
A6 = −5.63898×10−6,
A8 = −4.17876×10−7,
A10 = −5.85888×10−8
非球面;第12面
K = 0.0,
A4 = −7.23884×10−4,
A6 = 1.77639×10−5,
A8 = −9.37789×10−7,
A10 = 5.36548×10−8
非球面;第13面
K = 0.0,
A4 = 4.78008×10−4,
A6 = 2.52291×10−5,
A8 = −1.67212×10−6,
A10 = 9.81679×10−8
K = 0.0,
A4 = −5.42838×10−5,
A6 = 9.52406×10−6,
A8 = −3.66158×10−7,
A10 = 6.05533×10−9
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間可変間隔DB、開口絞りSと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DD、第4レンズ群G4と光学フィルタOFとの間の可変間隔DEは、ズーミングに伴って次表(表6)のように変化させられる。
条件式数値
νd、Δθg,F :表5に記載の通り
fap / fW = 12.7
La1−a2W / La1−sW = 0.545
La1−a2T / La1−sT = 0.962
Ls−a3W / La1−sW = 0.244
Ls−a3T / La1−sT = 0.027
|R3R|/ fW = 0.938
X1 / fT = 0.317
X3 / fT = 0.217
|f2| / f3 = 0.657
f1 / fW = 5.69
dSW / fT = 0.117
従って、この実施例3における先に述べた条件式に係るパラメータの値は、条件式の範囲内である。
各収差曲線図中、球面収差図における破線は、正弦条件をあらわし、非点収差図における実線は、サジタル、破線は、メリディオナルをあらわしている。
これらの図12〜図14の収差曲線図によれば、上述した本発明の実施例3に係る図3に示した構成のズームレンズにより、収差は、良好に補正されあるいは抑制されていることが分かる。
このようにすれば、正−負−正−正の4群のズームレンズにおいて、諸収差の良好な補正が可能で、広角端の半画角が38度以上と充分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを提供することができる。
そして、このズームレンズを備えることにより、小型且つ高画質で、通常の撮影領域を十分にカバーし得る変倍域を有したカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
図4は、本発明の実施例4に係るズームレンズの光学系のそれぞれ短焦点端(広角端)、中間焦点距離、長焦点端(望遠端)における構成を示している。
図4に示すズームレンズは、図1に示したズームレンズと、基本的構成が共通であるので、その構成と動作についての重ねての説明は、省略する。
尚、図4に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例毎に独立に用いており、そのため、図4において図1と共通の参照符号を付していてもそれらは実施例1とは具体的には、同一であるわけではない。
この実施例4においては、広角端から望遠端への焦点距離変化に伴って、
全系の焦点距離f: 5.16〜35.10
Fナンバ: 3.51〜5.52
半画角ω: 39.31〜6.56
と変化する。
各光学面の特性は、次表(表7)の通りである。
非球面;第4面
K = 0.0,
A4 = −2.37737×10−6,
A6 = −1.32783×10−8,
A8 = 4.71055×10−11,
A10 = −3.79840×10−13
非球面;第6面
K = 0.0,
A4 = 5.31335×10−5,
A6 = −3.39028×10−6,
A8 = 1.84162×10−7,
A10 = −5.02309×10−9
A12 = 4.90722×10−11
K = 0.0,
A4 = −3.82769×10−4,
A6 = −4.86262×10−6,
A8 = 8.55590×10−8,
A10 = −3.09753×10−8
非球面;第12面
K = 0.0,
A4 = −5.46320×10−4,
A6 = 1.08094×10−5,
A8 = −5.68446×10−7,
A10 = 1.87292×10−8
非球面;第13面
K = 0.0,
A4 = 4.18671×10−4,
A6 = 8.36986×10−6,
A8 = −8.57805×10−8,
A10 = −1.45620×10−9
K = 0.0,
A4 = 2.54680×10−4,
A6 = 1.91839×10−6,
A8 = −1.47697×10−7,
A10 = 3.98032×10−9
非球面;第18面
K = −52.73201
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間の可変間隔DB、開口絞りSと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DD、第4レンズ群G4と光学フィルタOFとの間の可変間隔DEは、ズーミングに伴って次表(表8)のように変化させられる。
条件式数値
νd、Δθg,F :表7に記載の通り
fap / fW = 11.1
La1−a2W / La1−sW = 0.510
La1−a2T / La1−sT = 0.964
Ls−a3W / La1−sW = 0.216
Ls−a3T / La1−sT = 0.026
|R3R|/ fW = 0.942
X1 / fT = 0.309
X3 / fT = 0.240
|f2| / f3 = 0.701
f1 / fW = 6.27
dSW / fT = 0.116
従って、この実施例4における先に述べた条件式に係るパラメータの値は、条件式の範囲内である。
各収差曲線図中、球面収差図における破線は、正弦条件をあらわし、非点収差図における実線は、サジタル、破線は、メリディオナルをあらわしている。
これらの図15〜図17の収差曲線図によれば、上述した本発明の実施例4に係る図4に示した構成のズームレンズにより、収差は、良好に補正されあるいは抑制されていることが分かる。
このようにすれば、正−負−正−正の4群のズームレンズにおいて、諸収差の良好な補正が可能で、広角端の半画角が38度以上と充分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が10枚程度と少なく、小型で且つ700万〜1000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを提供することができる。
そして、このズームレンズを備えることにより、小型且つ高画質で、通常の撮影領域を十分にカバーし得る変倍域を有したカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
図5は、本発明の実施例5に係るズームレンズの光学系の構成を示す断面図である。
図5の上段は、本発明の実施例5に係るズームレンズの光学系の広角端、中段は中間焦点距離、下段は、望遠端における構成を示している。
図5に示すズームレンズは、物体側から順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、開口絞りS、第7レンズL7、第8レンズL8、第9レンズL9、第10レンズL10第11レンズL11および光学フィルタOFの順で配列されており、各種の光学フィルタリング機能を有する光学フィルタOFの背後に結像される。この場合、第1レンズL1〜第3レンズL3は、第1レンズ群G1を構成し、第4レンズL4〜第6レンズL6は、第2レンズ群G2を構成し、第7レンズL7〜第9レンズL9は、第3レンズ群G3を構成し、第10レンズL10は、第4レンズ群G4を構成しており、それぞれ各群光学系毎に適宜なる支持枠等によって支持され、ズーミング等に際しては、各レンズ群毎に一体的に動作する。
第10レンズL10は、物体側に曲率の大きな面を向けた両凸レンズであり、この第10レンズL10のみにより第4レンズ群G4を構成しており、正の焦点距離、つまり正の屈折力を有する。
第11レンズL11は、物体側に曲率の大きな面を向けた負メニスカスレンズであり、この第10レンズL10のみにより第5レンズ群G5を構成しており、負の焦点距離、つまり負の屈折力を有する。
広角端(短焦点端)から望遠端(長焦点端)への焦点距離の変倍に際しては、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大し、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動させて行う。
最も像側に配置されている平行平板からなる光学フィルタOFは、水晶ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等のフィルタ類である。
焦点距離変化に伴う各レンズ群G1〜G4の移動により、各レンズ群間の可変間隔、すなわち、第1レンズ群G1の最も像側の面、つまり第3レンズL3の像側の面(面番号R5)と第2レンズ群G2の最も物体側の面(面番号R6)との間隔DA、第2レンズ群G2の最も像側の面、つまり第6レンズL6の像側の面(面番号R10)と開口絞りSとの間隔DB、この開口絞りSと第3レンズ群G3の最も物体側の面(面番号R12)との間隔DC、第3レンズ群G3の最も像側の面、つまり第9レンズL9の像側の面(面番号R16)と第4レンズ群G4の最も物体側の面、つまり第10レンズL10の像側の面(面番号R17)との間隔DD、第4レンズ群G4の最も像側の面、つまり第10レンズL10の像側の面(面番号R18)と第5レンズ群G5の物体側の面(面番号R19)との間隔DEがそれぞれ変化する。
この実施例5においては、広角端から望遠端への焦点距離変化に伴って、
全系の焦点距離f: 5.16〜35.10
Fナンバ: 3.51〜5.52
半画角ω: 39.31〜6.56
と変化する。
各光学面の特性は、次表(表9)の通りである。
非球面;第4面
K = 0.0,
A4 = −1.05372×10−7,
A6 = −1.08491×10−8,
A8 = 1.01529×10−10,
A10 = −4.57835×10−13
非球面;第6面
K = 0.0,
A4 = −1.48758×10−5,
A6 = 8.67499×10−7,
A8 = −5.63699×10−8,
A10 = 6.10824×10−10
K = 0.0,
A4 = −4.33693×10−4,
A6 = −2.85998×10−6,
A8 = −2.00782×10−7,
A10 = −3.42078×10−8
非球面;第12面
K = 0.0,
A4 = −7.73201×10−4,
A6 = 4.83062×10−6,
A8 = −2.60149×10−7,
A10 = −3.28255×10−8
K = 0.0,
A4 = 2.36156×10−4,
A6 = 2.50539×10−6,
A8 = −2.77879×10−8,
A10 = −3.56150×10−8
非球面;第17面
K = 0.0,
A4 = −8.58174×10−5,
A6 = 7.68289×10−6,
A8 = −3.48643×10−7,
A10 = 6.55382×10−9
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りSとの間の可変間隔DB、開口絞りSと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DD、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間の可変間隔DEは、ズーミングに伴って次表(表10)のように変化させられる。
条件式数値
νd、Δθg,F :表9に記載の通り
fap / fW = 9.51
La1−a2W / La1−sW = 0.527
La1− a2T / La1−sT = 0.963
Ls−a3W / La1−sW = 0.276
Ls−a3T / La1−sT = 0.027
|r3R|/ fW = 1.032
X1 / fT = 0.307
X3 / fT = 0.223
|f2| / f3 = 0.624
f1 / fW = 5.86
dSW / fT = 0.136
従って、この実施例5における先に述べた条件式に係るパラメータの値は、条件式の範囲内である。
各収差曲線図中、球面収差図における破線は、正弦条件をあらわし、非点収差図における実線は、サジタル、破線は、メリディオナルをあらわしている。
これらの図18〜図20の収差曲線図によれば、上述した本発明の実施例5に係る図5に示した構成のズームレンズにより、収差は、良好に補正されあるいは抑制されていることが分かる。
実施例5のようにすれば、正−負−正−正−負の5群のズームレンズにおいて、諸収差の良好な補正が可能で、広角端の半画角が38度以上と充分に広画角でありながら、6.5倍以上の変倍比を有し、構成枚数が11枚と少なく、小型で且つ700万〜1000万画素の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを提供することができる。
そして、このズームレンズを備えることにより、小型且つ高画質で、通常の撮影領域を十分にカバーし得る変倍域を有したカメラおよび携帯情報端末装置を実現することができる。
図21(a)、(b)、(c)に示すように、カメラ1は、撮影レンズ2、シャッタボタン3、ズームレバー4、ファインダ5、ストロボ6、液晶モニタ7、操作ボタン8、電源スイッチ9、メモリ/通信カードスロット10等を備えている。さらに、図22に示すように、カメラ1は、受光素子12、信号処理装置13、画像処理装置14、中央演算装置(CPU)15、半導体メモリ16および通信カード等17も備えている。
受光素子12の出力は、中央演算装置15によって制御される信号処理装置13によって処理され、ディジタル画像情報に変換される。信号処理装置13によってディジタル化された画像情報は、やはり中央演算装置15によって制御される画像処理装置14において所定の画像処理が施された後、不揮発性メモリ等の半導体メモリ16に記録される。この場合、半導体メモリ16は、メモリ/通信カードスロット10に装填されたメモリカードでもよく、カメラ本体に内蔵された半導体メモリでもよい。液晶モニタ7には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ16に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ16に記録した画像は、メモリ/通信カードスロット10に装填した通信カード等17を介して外部へ送信することも可能である。
多くの場合、シャッタボタン3の半押し操作により、フォーカシングがなされる。シャッタボタン3をさらに押し込み全押し状態とすると撮影が行なわれ、その後に上述した通りの処理がなされる。
半導体メモリ16に記録した画像を液晶モニタ7に表示させたり、通信カード等17を介して外部へ送信させる際には、操作ボタン8を所定のごとく操作する。半導体メモリ16および通信カード等17は、メモリ/通信カードスロット10等のような、それぞれ専用または汎用のスロットに装填して使用される。
上述のようなカメラ装置または携帯情報端末装置には、既に述べた通り、実施例1〜実施例5に示されたようなズームレンズを用いた撮影レンズ2を撮影用の光学系として使用することができる。したがって、700〜1000万画素のクラスの受光素子を使用した高画質で小型のカメラ装置または携帯情報端末装置を実現することができる。
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
L8 第8レンズ
L9 第9レンズ
L10 第10レンズ
L11 第11レンズ
OF 光学フィルタ
S 開口絞り
1 カメラ
2 撮影レンズ
3 シャッタボタン
4 ズームレバー
5 ファインダ
6 ストロボ
7 液晶モニタ
8 操作ボタン
9 電源スイッチ
10 メモリ/通信カードスロット
12 受光素子
13 信号処理装置
14 画像処理装置
15 中央演算装置
16 半導体メモリ
17 通信カード等
Claims (12)
- 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.40<La1−a2 W/L a1−sW<0.70
0.80<La1−a2T/La1−sT<1.00
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−a2Wは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−a2Tは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg、F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。
なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。 - 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.40<La1−a2 W/L a1−sW<0.70
0.80<La1−a2T/La1−sT<1.00
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−a2Wは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−a2Tは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記第2レンズ群の非球面までの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg、F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。
なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。 - 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.10<Ls−a3W/La1−sW<0.40
0.00<Ls−a3T/La1−sT<0.20
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、Ls−a3Wは、広角端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離、Ls−a3Tは、望遠端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg、F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。
なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。 - 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、負の屈折力を有する第5レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化し、前記第1レンズ群および前記第3レンズ群が広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズで構成されると共に、前記第1レンズ群に非球面を有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のそれぞれに、少なくとも1面の非球面を有し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
νd>60.0
Δθg,F>0.003
0.10<Ls−a3W/La1−sW<0.40
0.00<Ls−a3T/La1−sT<0.20
ただし、νdは、前記第1レンズ群中の少なくとも1枚の正レンズのアッベ数、Δθg,Fは、その正レンズの異常分散性、
La1−sWは、広角端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、La1−sTは、望遠端における前記第1レンズ群の非球面から前記開口絞りまでの距離、Ls−a3Wは、広角端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離、Ls−a3Tは、望遠端における前記開口絞りから前記第3レンズ群の非球面までの距離を表し、1つのレンズ群が複数の非球面を有する場合には、それぞれ前記開口絞りに最も近い非球面についての数値とする。
ここで、異常分散性Δθg,Fとは、アッベ数νdを横軸とし、部分分散比θg、F=(ng−nF)/(nF−nC)を縦軸としたグラフにおいて、硝種K7と硝種F2を結ぶ直線を標準線とするときの、当該硝種の標準線からの偏差である。
なお、ng、nF、nCは、それぞれ、g線、F線、C線に対する屈折率である。 - 請求項1に記載のズームレンズにおいて、前記第1レンズ群の非球面は正レンズに設けられており、その非球面を設けた前記正レンズは、請求項1に記載の条件式
νd>60.0
Δθg,F>0.003
を満足しないことを特徴とするズームレンズ。 - 請求項5に記載のズームレンズにおいて、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
7.0<fap/fw<17.0
ただし、fapは、請求項1に記載の条件式
νd>60.0
Δθg,F>0.003
を満足する前記第1レンズ群の前記正レンズの焦点距離、fwは、広角端における全系の焦点距離を表す。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に像側より曲率の絶対値が大きな面を向けた正レンズ、物体側に像側より曲率の絶対値が大きな面を向けた正レンズの3枚で構成され、最も像側の正レンズに非球面が設けられたことを特徴とするズームレンズ。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配設され、その開口絞りは、隣接するレンズ群とは独立に移動することを特徴とするズームレンズ。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、前記第3レンズ群が2枚の正レンズと1枚の負レンズで構成されることを特徴とするズームレンズ。
- 請求項9に記載のズームレンズにおいて、前記第3レンズ群の最も像側に、像側に凹面を向けた負レンズを配設すると共に、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
0.70<|r3R|/fW<1.30
ただし、r3Rは、前記第3レンズ群の最も像側の面の曲率半径を表す。 - 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することを特徴とするカメラ。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のズームレンズを、カメラ機能部の撮影用光学系として有することを特徴とする携帯情報端末装置。
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