JP5375850B2 - イオン交換装置 - Google Patents
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Description
そのため、圧力タンクの内部に長時間に亘って滞留水が発生しないようにする技術が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
このため、滞留水を効率よく排出することができ、且つ高品質の処理水を恒常的に得ることができるような操作条件で、圧力タンクの内部を洗浄することが望まれている。
圧力タンク本体21は、上部に開口部を有する有底の筒状体であり、処理材であるイオン交換樹脂床211を収容する。イオン交換樹脂床211は、ハロゲン系有機溶媒を使用せずに製造された陽イオン交換樹脂ビーズから形成される。
ハロゲン系有機溶媒に係る物質としては、ジクロロメタン;1,2−ジクロロエタン;シス−1,2−ジクロロエチレン;トリクロロエチレン;テトラクロロエチレン;四塩化炭素等が挙げられる。また、各物質に対する上記基準値は、「給水装置に構造及び材質の基準に関する省令」(平成22年2月17日厚生労働省令第18号)の別表第一の下欄が参照される。
圧力タンク2の詳細については後述する。
再生液である塩水W4を圧力タンク2の頂部スクリーン241へ配液しながら、底部スクリーン242で集液することにより塩水W4の下降流を生成して、イオン交換樹脂床211の全体を再生させる第1再生プロセスST4の塩水W4の流れ;及び、
塩水W4を圧力タンク2の底部スクリーン242へ配液しながら、中間部スクリーン243で集液することにより塩水W4の上昇流を生成して、イオン交換樹脂床211の下部を再生させる第2再生プロセスST6の塩水W4の流れを切り換え可能なバルブである。
具体的には、プロセス制御バルブ3は、ラインとして、原水ラインL1と、軟水ラインL2と、希釈水ラインL3と、第1塩水ラインL41と、第2塩水ラインL42と、第3塩水ラインL43と、第4塩水ラインL44と、第1排水ラインL51と、第2排水ラインL52と、第3排水ラインL53と、第4排水ラインL54と、第5排水ラインL55と、バイパスラインL6とを備える。
また、プロセス制御バルブ3は、エゼクタストレーナ321と、エゼクタ323と、第1オリフィス324と、第2オリフィス325と、軟水ストレーナ33とを備える。
原水フロースイッチ61は、プロセス制御バルブ3の外部に設けられる。原水フロースイッチ61は、原水W1の流れ(圧力)の有無を検出する。原水フロースイッチ61からの検出信号は、制御装置5へ入力される。
軟水ストレーナ33は、軟水ラインL2を第2蓋流路222から軟水W2の供給先へ向けて流通する軟水W2中の夾雑物(樹脂ビーズの破砕片、ゴミ等)を捕捉する。
エゼクタ323には、ノズル部の吐出側において、第1塩水ラインL41の下流側の端部が接続されている。エゼクタ323は、希釈水(原水W1)が前記ノズル部から吐出されるときに発生する負圧を利用して、塩水タンク4から塩水W4(例えば、塩化ナトリウムの飽和水溶液)を吸引可能に構成されている。そして、エゼクタ323において、塩水タンク4からの塩水W4は、希釈水(原水W1)によって、所定濃度(例えば、8〜12重量%)にまで希釈されるようになっている。
1本目の再生液供給ラインは、第1塩水ラインL41と、第2塩水ラインL42と、第3塩水ラインL43と、第5塩水ラインL45(原水ラインL1の一部)とから構成される。2本目の再生液供給ラインは、第1塩水ラインL41と、第2塩水ラインL42と、第4塩水ラインL44と、第6塩水ラインL46(軟水ラインL2の一部)とから構成される。
第4塩水ラインL44の下流側の端部は、接続部J21において第6塩水ラインL46(軟水ラインL2)に接続される。第4塩水ラインL44には、上流側から下流側に向けて順に、第2オリフィス325と、エゼクタ弁314と、が設けられる。
第1オリフィス324及び第2オリフィス325は、後述する第2再生プロセスST6及び第2押出プロセスST7において、再生液である塩水W4又は押出水である原水W1を第2蓋流路222及び第1蓋流路221に均等に分配するためのものである。
第3排水ラインL53の途中には、第1排水弁317が設けられる。第4排水ラインL54の途中には、第3排水弁315が設けられる。第5排水ラインL55の途中には、第2排水弁316が設けられる。
これら各運転モード間及び運転モードにおいて実行されるプロセスにおける流体の流れは、プロセス制御バルブ3によって以下のように制御される。
各運転モードは、所定の移行条件(イベント)に基づいて切り換えられる。図2中において、各運転モード間に記載した矢印は、イベントE1〜E8を示す。
イベントE1は、水処理モードから再生モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、例えば、軟水W2の積算採水量(積算使用量)が所定の設定量Q1に達した場合、原水W1の積算通水時間が所定の設定時間T1に達した場合等を挙げることができる。
イベントE2は、再生モードから洗浄モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、例えば、逆洗浄プロセスST3から第2押出プロセスST7までを完了した場合を挙げることができる。
イベントE3は、洗浄モードから補水モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、例えば、洗浄モードへ移行する直前の運転モードが再生モードであり、かつ、圧力タンク2の内部における洗浄液の積算流通時間が所定の設定時間T2に達した場合を挙げることができる。
イベントE4は、補水モードから水処理モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、例えば、補水量が所定の設定量Q2に達した場合を挙げることができる。
イベントE5は、水処理モードから洗浄モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、後述するように、圧力タンク2の内部における水の滞留時間Tが所定の設定時間T3に達した場合を挙げることができる。
イベントE6は、洗浄モードから水処理モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、洗浄モードへ移行する直前の運転モードが水処理モードであり、かつ、圧力タンク2の内部における洗浄液の流通積算時間が所定の設定時間T4に達した場合を挙げることができる。
イベントE7は、洗浄モードから待機モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、例えば、原水ラインL1における原水W1の流通なしの連続検知時間が所定の設定時間T5に達した場合を挙げることができる。
イベントE8は、待機モードから洗浄モードへ移行する場合を示す。この移行条件としては、例えば、原水ラインL1における原水W1の流通ありの連続検知時間が所定の設定時間T6に達した場合を挙げることができる。
(ST1)原水W1をイオン交換樹脂床211の全体に対して上から下へ通過させる水処理プロセス(水軟化プロセス)
(ST2)軟水ストレーナ33を逆洗浄するストレーナ洗浄プロセス
(ST3)洗浄水としての原水W1をイオン交換樹脂床211の全体に対して下から上へ通過させる逆洗浄プロセス
(ST4)再生液としての塩水W4をイオン交換樹脂床211の全体に対して上から下へ通過させる第1再生プロセス
(ST5)押出水としての原水W1をイオン交換樹脂床211の全体に対して上から下へ通過させる第1押出プロセス
(ST6)再生液としての塩水W4をイオン交換樹脂床211の上部に対して上から下へ通過させると共に、イオン交換樹脂床211の下部に対して下から上へ通過させる第2再生プロセス
(ST7)押出水としての原水W1をイオン交換樹脂床211の上部に対して上から下へ通過させると共に、イオン交換樹脂床211の下部に対して下から上へ通過させる第2押出プロセス
(ST8)洗浄液(濯ぎ水)としての原水W1をイオン交換樹脂床211の全体に対して上から下へ通過させ、圧力タンク2の内部(イオン交換樹脂床211)を洗浄する洗浄プロセス(リンスプロセス又は滞留水排出プロセス)
(ST9)原水W1を塩水タンク4へ供給する補水プロセス
(ST10)洗浄液の供給を待機する待機プロセス
なお、再生モードにおいて、逆洗浄プロセスST3の前には、軟水ストレーナ33を逆洗浄するストレーナ洗浄プロセスST2が設けられている。このストレーナ洗浄プロセスST2は、説明の便宜上、図2には記載せず、図3のみに記載してある。また、このストレーナ洗浄プロセスST2と逆洗浄プロセスST3との間には、塩水W4の供給を待機する再生待機プロセス(図示せず)が設けられている。
なお、水処理プロセスST1を除く各プロセスST2〜ST10においては、バイパス弁313が開放している。そのため、原水ラインL1における接続部J11よりも上流側を流通する過剰な原水W1は、接続部J12からバイパスラインL6へ流通し、接続部J22及び軟水ラインL2を介して、軟水W2の需要箇所へ一時的に供給される。
制御装置5からの指令信号により、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST1に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる水道水、地下水、工業用水等の原水W1は、原水ラインL1及び第1蓋流路221を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、頂部スクリーン241から配水される。頂部スクリーン241から配水された原水W1は、イオン交換樹脂床211を下降流で通過し、その過程で原水W1の硬度成分はナトリウムイオンへ置換され、原水W1は軟水化される。
制御装置5からの指令信号により、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST2に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1、接続部J11、バイパスラインL6、接続部J22、軟水ラインL2、軟水ストレーナ33、接続部J21、第4塩水ラインL44、接続部J42、第3排水ラインL53、第2排水ラインL52及び第1排水ラインL51を介して、系外へ排出される。この過程において、軟水ストレーナ33を二次側から一次側へ流れる原水W1により、軟水ストレーナ33は逆洗浄され、軟水ストレーナ33によって捕捉されていた夾雑物は、原水W1と共に、系外へ排出される。
再生プロセスは、イオン交換樹脂床211の硬度成分の除去能力(イオン交換容量)を回復させるために、逆洗浄プロセスST3〜補水プロセスST9を順次実施する(図2参照)。これらのプロセスのうち、逆洗浄プロセスST3、補水プロセスST9及び待機プロセスST10は、特許文献1、2等に開示されるように周知であるので、その説明を省略する。
制御装置5からの指令信号により、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST4に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1における接続部J11よりも上流側を流れる原水W1は、塩水W4の希釈水として、希釈水ラインL3を介して、エゼクタ323の一次側へ供給される。
この際、原水W1中の懸濁物質は、エゼクタストレーナ321により除去される。また原水W1の流量は、第1定流量弁322により所定範囲に調節される。
調製された塩水W4は、第2塩水ラインL42、第3塩水ラインL43、第5塩水ラインL45(原水ラインL1の一部)、及び第1蓋流路221を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、頂部スクリーン241から配水される。
なお、再生剤量、再生液の濃度、再生液の比重、及び再生液の供給容量は、以下の関係を有する。
再生剤量=再生液の濃度×再生液の比重×再生液の供給容量 ・・・ (1)
制御装置5からの指令信号により、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST5に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1における接続部J11よりも上流側を流れる原水W1は、押出水として、希釈水ラインL3を介して、エゼクタ323の一次側へ供給される。エゼクタ323を通過した原水W1は、第2塩水ラインL42、第3塩水ラインL43、第5塩水ラインL45(原水ラインL1の一部)、及び第1蓋流路221を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、頂部スクリーン241から配水される。
制御装置5からの指令信号により、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST6に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1における接続部J11よりも上流側を流れる原水W1は、塩水W4の希釈水として、希釈水ラインL3を介して、エゼクタ323の一次側へ供給される。
再生液である塩水W4の供給容量が設定された再生剤量に達すると、処理は終了し、第2押出プロセスST7へ移行する。
なお、再生剤量、再生液の濃度、再生液の比重、及び再生液の供給容量の関係は、上述の(1)式で示した通りである。
制御装置5からの指令信号により、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST7に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1における接続部J11よりも上流側を流れる原水W1は、押出水として、希釈水ラインL3を介して、エゼクタ323の一次側へ供給される。
エゼクタ323を通過した原水W1は、押出水として、希釈水ラインL3を介して、エゼクタ323の一次側へ供給される。エゼクタ323を通過した原水W1は、第2塩水ラインL42、第3塩水ラインL43、第5塩水ラインL45(原水ラインL1の一部)、及び第1蓋流路221を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、頂部スクリーン241から配水される。
以上の再生モードにおいて、再生液としての塩水W4及び押出水としての原水W1は、圧力タンク2の内部を洗浄する洗浄液としても機能する。
制御装置5からの指令信号により、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST8に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる水道水、地下水、工業用水等の原水W1は、原水ラインL1及び第1蓋流路221を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、頂部スクリーン241から配水される。頂部スクリーン241から配水された原水W1は、イオン交換樹脂床211を下降流で通過し、イオン交換樹脂床211を洗浄する。つまり、原水W1は、圧力タンク2の内部(イオン交換樹脂床211)を洗浄する洗浄液として機能する。原水W1の硬度成分は、原水W1がイオン交換樹脂床211を通過する過程でナトリウムイオンへ置換され、原水W1は、軟水化される。
制御装置5は、硬水軟化装置1における各部を制御する。図4に示すように、制御装置5は、プロセス制御バルブ3と電気的に接続される。また、制御装置5は、硬水軟化装置1における原水フロースイッチ61及び塩水流量計62と電気的に接続され、原水フロースイッチ61からの流通検知信号及び塩水流量計62からの流量信号を受信する。
図5に示すように、ステップST11において、滞留時間判定部52は、所定の設定時間T3をメモリ部54から読み込む。
バルブ制御部53は、イオン交換樹脂床211での原水W1(洗浄液)の線速度を5〜60m/hの範囲に設定する。洗浄液の線速度は、洗浄手段としてのプロセス制御バルブ3に組み込まれた第2定流量弁34により、圧力タンク2から排出される排水W5の流量を所定範囲に調節することにより設定される。他の構成としては、例えば第1排水弁317を比例制御弁とし、その開度を調節することによっても、線速度を所望の範囲に設定することができる。なお、原水W1(洗浄液)の線速度とは、原水W1の流量をイオン交換樹脂床211の横断面積で除したものであり、次式で示される。
線速度[m/h]=流量[m3/h]÷横断面積[m2] ・・・ (2)
本実施形態の硬水軟化装置1は、圧力タンク2と、圧力タンク2に原水W1を導入して系外に排出することにより圧力タンク2の内部を洗浄するプロセス制御バルブ3と、圧力タンク2の内部に位置する液体の滞留時間Tを算出する滞留時間算出部51と、滞留時間Tが所定の設定時間T3に達したか否かを判定する滞留時間判定部52と、滞留時間判定部52による判定結果に基づいて圧力タンク2の内部を洗浄するようにプロセス制御バルブ3を制御するバルブ制御部53と、を備える。バルブ制御部53は、イオン交換樹脂床211での原水W1の線速度を5〜60m/hの範囲に設定すると共に、イオン交換樹脂床211に対する原水W1の量を設定時間T3に応じて設定する。
例えば、前述の実施形態においては、圧力タンク2の内部を洗浄する洗浄液として、原水W1を用いるものとして説明したが、これに制限されず、軟水W2や別途調製された洗浄用の薬液であってもよい。
2 圧力タンク
3 プロセス制御バルブ(洗浄手段)
51 滞留時間算出部(滞留時間算出手段)
52 滞留時間判定部(滞留時間判定手段)
53 バルブ制御部(洗浄手段制御手段)
211 イオン交換樹脂床
L1 原水ライン(洗浄手段)
L44 第4塩水ライン(洗浄手段)
L46 第6塩水ライン(洗浄手段)
L51 第1排水ライン(洗浄手段)
L52 第2排水ライン(洗浄手段)
L53 第3排水ライン(洗浄手段)
T 滞留時間
T3 設定時間
W1 原水(洗浄液)
Claims (4)
- イオン交換樹脂床を収容し、液体が導入される圧力タンクと、
前記圧力タンクに洗浄液を導入して系外に排出することにより該圧力タンクの内部を洗浄する洗浄手段と、
前記圧力タンクの内部に位置する液体の滞留時間を算出する滞留時間算出手段と、
前記滞留時間算出手段によって算出された前記滞留時間が所定の設定時間に達したか否かを判定する滞留時間判定手段と、
前記イオン交換樹脂床での洗浄液の線速度を5〜60m/hの範囲に設定すると共に、前記イオン交換樹脂床に対する洗浄液の量を前記設定時間が長い場合には多く設定し又は前記設定時間が短い場合には少なく設定する洗浄手段制御手段であって、前記滞留時間判定手段により前記滞留時間が前記設定時間に達したと判定された場合に、前記設定された洗浄液の量で前記圧力タンクの内部を洗浄するように前記洗浄手段を制御する洗浄手段制御手段と、
を備えるイオン交換装置。 - 前記設定時間が6〜24時間に設定される場合に、前記洗浄手段制御手段は、前記イオン交換樹脂床に対する洗浄液の量を6〜12BVの範囲に設定する請求項1に記載のイオン交換装置。
- 前記圧力タンクに流通する洗浄液は、塩素を含む水であり、
前記洗浄手段制御手段は、前記イオン交換樹脂床の単位樹脂量に対して少なくとも0.5mgCl/L−Rの塩素量を接触させるように前記洗浄手段を制御する請求項2に記載のイオン交換装置。 - 前記イオン交換樹脂床は、ハロゲン系有機溶媒を使用せずに製造された陽イオン交換樹脂ビーズから形成される請求項1から3のいずれか一つに記載のイオン交換装置。
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