JP5375851B2 - イオン交換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、硬水軟化装置等のイオン交換装置に関する。
従来より、水道水や地下水等の原水に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)や硝酸性窒素(硝酸イオン及び亜硝酸イオン)等をイオン交換樹脂により吸着して除去するイオン交換装置が知られている。これらのイオン交換装置のうち、陽イオン交換樹脂を使用して原水中の硬度成分をナトリウムイオンやカリウムイオンへ置換するものは、通常、硬水軟化装置と呼ばれる。一方、イオン交換装置のうち、陰イオン交換樹脂を使用して原水中の硝酸性窒素を塩化物イオンへ置換するものは、通常、硝酸性窒素除去装置と呼ばれる。
硬水軟化装置において、イオン交換樹脂床は、所定の採水量に達すると、イオン交換基が硬度成分でほぼ飽和状態になり、イオン交換能力を失う状態、すなわち破過状態になる。そこで、硬水軟化装置では、イオン交換樹脂床が破過状態になる前に、イオン交換樹脂床が収容される圧力タンクへ再生液として塩水を供給してイオン交換能力を回復させる再生プロセス及び押出プロセスが行われている。
硬水軟化装置においては、塩水タンクに収容された塩水を圧力タンクへ供給すると共に、供給された塩水を圧力タンクから系外へ排出させるための駆動力を得る構成として、水頭圧差を利用した構成がある。水頭圧差を利用した構成を有する硬水軟化装置としては、例えば、圧力タンクよりも上方に原水タンク及び塩水タンクを配置し、再生プロセス時には塩水タンクから塩水を圧力タンク内へ下降流として流入させ、また押出プロセス時には原水タンクから原水を圧力タンク内へ下降流として流入させる硬水軟化装置が知られている(特許文献1参照)。
特開平10−216537号公報
再生液の供給及び排出に水頭圧差を利用する構成においては、イオン交換樹脂床の再生率を安定化させる必要がある。なぜなら、イオン交換樹脂床の再生率が不安定であると、所期の採水量及び水質を恒常的に確保できなくなるからである。そのために、再生プロセス及び押出プロセスを通じて、水頭圧差の変動及び通液抵抗の変動を最小限に抑制することが肝要となる。水頭圧差の変動を少なくすることにより、イオン交換樹脂床を流通する再生液及び/又は水の線速度の変動幅が抑制され、イオン交換樹脂床の再生率を安定化することができる。水頭圧差の変動は、主として装置の構造設計や施工状態に起因するが、従来の構成のイオン交換装置では、これら要因について十分な注意が払われておらず、イオン交換樹脂床の再生率が不安定になりやすかった。
従って、本発明は、再生プロセス及び/又は押出プロセスにおいて、イオン交換樹脂床を流通する再生液及び/又は水の線速度の変動幅を最小限にすることができるイオン交換装置を提供することにある。
本発明は、イオン交換樹脂床が収容される圧力タンクと、前記イオン交換樹脂床を再生する再生液及び/又は水が貯留される液タンクと、前記圧力タンクと前記液タンクとを接続する液供給ラインと、接続端部及び大気に開放された開放末端部を有する排水ラインであって、前記接続端部において前記圧力タンクに接続され、前記液タンクから前記圧力タンクへ供給された再生液及び/又は水を前記開放末端部から排水として排出する排水ラインと、を備え、前記液タンクにおける液面と前記排水ラインにおける前記開放末端部との高さの関係が、前記液タンクにおける液面>前記開放末端部の関係になるように設定されており、前記液タンクにおける液面と前記排水ラインにおける前記開放末端部との間の水頭圧差により、前記液タンクから前記圧力タンクへ再生液及び/又は水を供給すると共に、再生液及び/又は水を前記圧力タンクから前記排水ラインへ排出するように構成され、前記液タンクから前記圧力タンクへの再生液及び/又は水の供給が終了した時の水頭圧差が、その供給を開始した時の水頭圧差に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように、前記液タンクの液面と前記排水ラインの前記開放末端部との位置が設定されるイオン交換装置に関する。
また、前記イオン交換装置は、前記イオン交換樹脂床が、架橋度が10〜12%のイオン交換樹脂ビーズからなることが好ましい。
また、前記イオン交換装置は、前記イオン交換樹脂ビーズの粒径の均一係数が、1.2以下であることが好ましい。
また、前記イオン交換装置は、前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部配液部と、前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部配液部と、前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部集液部と、前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部集液部と、原水を前記底部配液部へ配液しながら、前記頂部集液部で集液することにより原水の上昇流を生成して、処理水を製造する水処理プロセスの水の流れ;及び、再生液を前記頂部配液部へ配液しながら、前記底部集液部で集液することにより再生液の下降流を生成して、前記イオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスの再生液の流れを切り換え可能なバルブ手段と、前記水処理プロセス及び前記再生プロセスを順に切り換えるように、前記バルブ手段を制御するバルブ制御手段と、を更に備えることが好ましい。
また、前記イオン交換装置は、前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部配液部と、前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部配液部と、前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部集液部と、前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部集液部と、原水を前記頂部配液部へ配液しながら、前記底部集液部で集液することにより原水の下降流を生成して、処理水を製造する水処理プロセスの水の流れ;及び、再生液を前記底部配液部へ配液しながら、前記頂部集液部で集液することにより再生液の上昇流を生成して、前記イオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスの再生液の流れを切り換え可能なバルブ手段と、前記水処理プロセス及び前記再生プロセスを順に切り換えるように、前記バルブ手段を制御するバルブ制御手段と、を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、再生プロセス及び/又は押出プロセスにおいて、イオン交換樹脂床を流通する再生液及び/又は水の線速度の変動幅を最小限にすることができるイオン交換装置を提供することができる。
本発明のイオン交換装置の第1実施形態としての硬水軟化装置1の全体構成図である。 第1実施形態の硬水軟化装置1により実行されるプロセスを示すフローチャートである。 第1実施形態の各プロセスにおける各弁の開閉状態を示す説明図である。 本発明のイオン交換装置の第2実施形態としての硬水軟化装置1Aの全体構成図である。 第2実施形態の各プロセスにおける各弁の開閉状態を示す説明図である。
<第1実施形態>
以下、本発明のイオン交換装置の第1実施形態としての硬水軟化装置1について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のイオン交換装置の第1実施形態としての硬水軟化装置1の全体構成図である。図2は、第1実施形態の硬水軟化装置1により実行されるプロセスを示すフローチャートである。図3は、第1実施形態の各プロセスにおける各弁の開閉状態を示す説明図である。
本実施形態の硬水軟化装置1は、水道水、地下水、工業用水等の原水中に含まれる硬度成分をナトリウムイオン(又はカリウムイオン)へ置換して軟水を生成する。硬水軟化装置1は、軟水を各種の用水として需要箇所へ供給する目的で使用される。硬水軟化装置1は、家屋やマンション等の居住建物、ホテルや大衆浴場等の集客施設、ボイラやクーリングタワー等の冷熱機器、食品加工装置や洗浄装置等の水使用機器等に接続される。
また、本実施形態の硬水軟化装置1は、原水W1をイオン交換樹脂床211(後述)で軟水化して得られた処理水(軟水)W2を浴室等の需要箇所(不図示)に供給する水処理プロセスST1と、原水タンク6に原水W1を補水する第1補水プロセスST2と、排水ラインL5の内部に滞留しているエアを排出する(エア抜きする)呼び水プロセスST3と、塩水W4を供給してイオン交換樹脂床211を再生させる再生プロセスST4と、原水タンク6に原水W1を補水する第2補水プロセスST5と、イオン交換樹脂床211に供給された塩水W4を押し出す押出プロセスST6と、イオン交換樹脂床211に残留した塩水W4を洗浄するリンス・プロセスST7と、塩水タンク4に原水W1を補水する第3補水プロセスST8と、を実行可能な構成を備える。
まず、図1を参照して、本実施形態の硬水軟化装置1の全体構成について説明する。以下の説明において「ライン」とは、流路、経路、管路等の総称である。
図1に示すように、本実施形態の硬水軟化装置1は、圧力タンク2と、液タンクとしての塩水タンク4と、バルブ制御手段としての制御部5と、液タンクとしての原水タンク6と、を備える。
また、本実施形態の硬水軟化装置1は、原水通水弁311と、バイパス弁312と、軟水通水弁313と、塩水弁314と、再生排水弁315と、第1補水弁316と、第2補水弁317と、フロースイッチ321と、を備える。このうち、原水通水弁311、バイパス弁312、軟水通水弁313、塩水弁314、及び再生排水弁315は、本実施形態におけるバルブ手段を構成する。
圧力タンク2は、圧力タンク本体21を主体として構成される。圧力タンク本体21は、上部に開口部を有する有底の筒状体であり、開口部を蓋部材で密閉している。圧力タンク本体21の内部には、陽イオン交換樹脂ビーズからなるイオン交換樹脂床211、及び濾過砂利からなる支持床212が収容されている。
イオン交換樹脂床211は、原水W1を軟水化する処理材として機能する。イオン交換樹脂床211は、圧力タンク本体21の内部において、支持床212の上部に積層されている。
本実施形態におけるイオン交換樹脂床211は、架橋度が10〜12%の陽イオン交換樹脂ビーズ、より好ましくは、架橋度が10〜12%で且つ粒径の均一係数が1.2以下の陽イオン交換樹脂ビーズにより構成される。陽イオン交換樹脂ビーズは、ナトリウム型の調和平均径が0.5〜0.8mmであることが望ましく、カルシウム型からナトリウム型に変化したときの体積変化率が10%以下であることがより望ましい。
架橋度が10〜12%の条件を満たす陽イオン交換樹脂ビーズとしては、例えば、三菱化学社製:製品名「DIAION SK110」,「DIAION SK112」、ダウ・ケミカル社製:製品名「AMBERLITE IR122」,「AMBERLITE IR124」、ピュロライト社製:製品名「PUROLITE C100x10」,「PUROLITE C100x12」等が挙げられる。
また、架橋度が10〜12%且つ粒径の均一係数が1.2以下の条件を満たす陽イオン交換樹脂ビーズとしては、例えば、三菱化学社製:製品名「DIAION UBK10」,「DIAION UBK12」、ダウ・ケミカル社製:製品名「IMAC HP1220」,「AMBERJET 1220」、ピュロライト社製:製品名「PUROFINEPFC100x10」等が挙げられる。
支持床212は、イオン交換樹脂床211に対する流体の整流部材として機能する。支持床212は、圧力タンク本体21の底部側に収容されている。圧力タンク2の詳細については後述する。
原水通水弁311、バイパス弁312、軟水通水弁313、塩水弁314、及び再生排水弁315は、少なくとも、原水W1を圧力タンク2の底部スクリーン(底部配液部)241へ配液しながら、頂部スクリーン(頂部集液部)242で集液することにより原水W1の上昇流を生成して、処理水である軟水W2を製造する水処理プロセスST1の水(原水W1、軟水W2)の流れ;及び、再生液である塩水W4を頂部スクリーン(頂部配液部)242へ配液しながら、底部スクリーン(底部集液部)241で集液することにより塩水W4の下降流を生成して、イオン交換樹脂床211を再生させる再生プロセスST4の塩水W4の流れを切り換え可能なバルブである。上述した各弁の配置、機能については後述する。
塩水タンク4は、イオン交換樹脂床211を再生する再生液としての塩水W4を貯留する液タンクである。塩水W4は、陽イオン交換樹脂ビーズを用いる硬水軟化装置においては、塩化ナトリウム、塩化カリウムの各水溶液等を利用することができる。
塩水タンク4は、圧力タンク2よりも重力方向における上方に配置されている。塩水タンク4は、重力方向と直交する方向に、原水タンク6と略並列な位置に配置されている。また、塩水タンク4から圧力タンク2への塩水W4の供給が終了した時の水頭圧差heW4が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW4に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように、塩水タンク4の液面44と排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されている。
このように、本実施形態の硬水軟化装置1は、塩水タンク4の液面44と排水ラインL5の開放末端部51との間の水頭圧差hsW4〜heW4により、塩水タンク4から圧力タンク2へ塩水W4が流下するように構成されている。
制御部5は、CPU及びメモリ含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。制御部5は、フロースイッチ321から入力された検出信号等に基づいて、各弁の動作を制御する。メモリには、本実施形態の硬水軟化装置1の運転を実施する制御プログラムが予め記憶されている。この制御プログラムは、硬水軟化装置1において、例えば、水処理プロセスST1の流路や再生プロセスST4の流路を切り換えるように、各弁を制御するプログラムである。CPUは、制御プログラムに従って、水処理プロセスST1〜第3補水プロセスST8を順に切り換えるように、各弁311〜317を制御する。
原水タンク6は、原水ラインL1から接続部J11及び第1補水ラインL7を経て供給された原水W1を貯留する液タンクである。原水W1としては、水道水、地下水、工業用水等を利用することができる。
原水タンク6は、圧力タンク2よりも重力方向における上方に配置されている。また、原水タンク6から圧力タンク2への原水W1の供給が終了した時の水頭圧差heW1が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW1に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように原水タンク6の液面64と排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されている。
このように、本実施形態の硬水軟化装置1は、原水タンク6における液面64と排水ラインL5の開放末端部51との間の水頭圧差hsW1〜heW1により、原水タンク6から圧力タンク2へ原水W1が流下するように構成されている。
次に、上述した圧力タンク2、ライン/弁等、塩水タンク4、制御部5、及び原水タンク6の構成について詳細に説明する。
圧力タンク2において、圧力タンク本体21の底部には、原水ラインL1の他方の端部が配置されている。圧力タンク本体21内に配置される原水ラインL1は、合成樹脂製パイプ等を用いた集配液管231となっている。この集配液管231は、イオン交換樹脂床211を貫通して支持床212の下部に到達するように設けられている。
水処理プロセスST1において、原水ラインL1を流通する原水W1は、圧力タンク本体21の底部から圧力タンク2の内部に供給される。一方、圧力タンク本体21の頂部には、軟水ラインL2の一方の端部が配置されている。すなわち、水処理プロセスST1において、圧力タンク2の内部でイオン交換樹脂床211により処理されて得られた軟水W2は、圧力タンク2の上部から軟水ラインL2を流通する。
圧力タンク2に配置された、原水ラインL1(集配液管231)の他方の端部には、樹脂ビーズの流出を防止する底部スクリーン242が設けられている。底部スクリーン242は、樹脂ビーズよりも小さな多数の開孔を有する(後述する頂部スクリーン241も同様)。底部スクリーン242は、原水ラインL1の他方の端部と連通する。底部スクリーン242による配液位置及び集液位置は、支持床212の下部に設定される。底部スクリーン242は、水処理プロセスST1において、イオン交換樹脂床211の底部から原水W1を配液する底部配液部、及び再生プロセスST4において、イオン交換樹脂床211の底部から塩水W4を集液する底部集液部として機能する。
また、圧力タンク2に配置された、軟水ラインL2の一方の端部には、樹脂ビーズの流出を防止する頂部スクリーン241が設けられている。頂部スクリーン241は、軟水ラインL2の一方の端部と連通する。頂部スクリーン241による配液位置及び集液位置は、イオン交換樹脂床211の頂部付近に設定される。頂部スクリーン241は、再生プロセスST4において、イオン交換樹脂床211の頂部から塩水W4を配液する頂部配液部、及び水処理プロセスST1において、イオン交換樹脂床211の頂部から軟水W2を集液する頂部集液部として機能する。
硬水軟化装置1は、その内部に、各種のライン、弁等を備える。すなわち、ラインとして、原水ラインL1と、軟水ラインL2と、希釈水ラインL3と、塩水ラインL4と、排水ラインL5と、バイパスラインL6と、第1補水ラインL7と、第2補水ラインL8と、を備える。後述するように、原水ラインL1の一部は、排水ラインL5としても機能する。また、軟水ラインL2の一部は、塩水ラインL4としても機能する。
また、硬水軟化装置1は、弁として、原水通水弁311と、バイパス弁312と、軟水通水弁313と、塩水弁314と、再生排水弁315と、第1補水弁316と、第2補水弁317と、減圧弁73と、を備える。また、硬水軟化装置1は、フロースイッチ321を備える。
次に、各ライン及び各弁の構成について説明する。
原水ラインL1は、上流側において、外部の原水供給源(不図示)に接続され、下流側において、圧力タンク2の底部と連通している。原水ラインL1は、原水W1を圧力タンク本体21及び原水タンク6に供給する供給路を構成する。原水ラインL1には、原水供給源から原水W1が圧送される(例えば、原水W1が水道水であれば、水道圧により原水W1が圧送される)。原水ラインL1には、原水供給源から圧力タンク2に向けて順に、接続部J11、減圧弁73、フロースイッチ321、接続部J12、原水通水弁311、及び接続部J13が設けられている。
原水ラインL1の接続部J11には、第1補水ラインL7の上流側が接続されている。原水ラインL1の接続部J12には、バイパスラインL6の上流側の端部と、第2補水ラインL8の上流側の端部と、が接続されている。原水ラインL1の接続部J13には、排水ラインL5の上流側の端部が接続されている。後述するように、原水ラインL1において、接続部J13よりも下流側は、排水ラインL5としても機能する。
減圧弁73は、原水W1を所定の水圧まで減圧する弁である。減圧弁73は、原水ラインL1の接続部J11の下流側に設けられている。
フロースイッチ321は、原水ラインL1における減圧弁73と接続部J12との間に設けられている。フロースイッチ321は、制御部5と電気的に接続されている。フロースイッチ321は、原水ラインL1において所定の水流を検知すると、検出信号を制御部5に出力する。すなわち、フロースイッチ321は、原水ラインL1に所定流量の原水W1が流通したことを検知すると、検出信号を制御部5に出力する。
原水通水弁311は、原水ラインL1において、接続部J12と接続部J13との間に設けられている。原水通水弁311は、原水ラインL1における原水W1の流通を制御する。原水通水弁311は、弁体の駆動部が制御部5と電気的に接続されている。原水通水弁311における弁の開閉は、制御部5により制御される。
第1補水ラインL7は、上流側において、原水ラインL1の接続部J11に接続され、下流側において、原水タンク6に接続されている。第1補水ラインL7は、第1補水プロセスST2及び第2補水プロセスST5において、原水ラインL1の接続部J11から流通する原水W1を、原水タンク6に供給する供給路を構成する。
軟水ラインL2は、一方の端部において、圧力タンク2の頂部と連通し、他方の端部において、需要箇所(図示せず)に接続されている。軟水ラインL2は、イオン交換樹脂床211により処理されて得られた軟水W2を需要箇所に供給するための供給路を主として構成する。軟水ラインL2には、圧力タンク2から需要箇所に向けて順に、接続部J21、軟水通水弁313、及び接続部J22が設けられている。軟水ラインL2の接続部J21には、塩水ラインL4の下流側の端部が接続されている。軟水ラインL2において、接続部J21よりも圧力タンク2側は、塩水ラインL4としても機能する。また、軟水ラインL2の接続部J22には、バイパスラインL6の下流側の端部が接続されている。
軟水通水弁313は、軟水ラインL2において、接続部J21と接続部J22との間に設けられている。軟水通水弁313は、軟水ラインL2における軟水W2の流通を制御する。軟水通水弁313は、弁体の駆動部が制御部5と電気的に接続されている。軟水通水弁313における弁の開閉は、制御部5により制御される。
塩水ラインL4は、上流側において、塩水タンク4のタンク領域41(後述)に接続され、下流側において軟水ラインL2の接続部J21に接続されている。塩水ラインL4は、イオン交換樹脂床211を再生させるための塩水W4を圧力タンク2に供給するための供給路を構成する。
塩水ラインL4には、塩水タンク4から軟水ラインL2の接続部J21に向けて順に、第2逆止弁72と、塩水弁314と、接続部J4と、が設けられている。第2逆止弁72は、塩水W4の流れを、塩水タンク4から圧力タンク本体21へ流下させる方向へのみ規制する。塩水弁314は、塩水ラインL4における塩水W4の流通を制御する。塩水弁314は、弁体の駆動部が制御部5と電気的に接続されている。塩水弁314における弁の開閉は、制御部5により制御される。
希釈水ラインL3は、上流側において、原水タンク6の底部に接続され、下流側において、塩水ラインL4の接続部J4に接続されている。希釈水ラインL3は、主として、再生プロセスST4において塩水W4を希釈するための原水Wを塩水ラインL4に供給するため、及び、押出プロセスST6においてイオン交換樹脂床211内の塩水W4を押し出す原水W1を、圧力タンク2に供給するための供給路を構成する。希釈水ラインL3には、第1逆止弁71が設けられている。第1逆止弁71は、原水W1の流れを、原水タンク6から圧力タンク本体21へ流下させる方向へのみ規制する。
排水ラインL5の一方の端部は、大気に開放されており、開放末端部51を構成する。また、排水ラインL5の他方の端部は、原水ラインL1の接続部J13に接続されている。排水ラインL5は、各種の排水W5を系外に排水するための排水路を構成する。
原水ラインL1の下流側は、圧力タンク2の底部と連通している。前述したように、原水ラインL1において、接続部J13よりも下流側は、排水ラインL5としても機能する。従って、排水ラインL5の他方の端部は、原水ラインL1を介して圧力タンク2に接続されており、接続端部を構成する。
再生排水弁315は、排水ラインL5における接続部J13よりも下流側に設けられている。再生排水弁315は、排水ラインL5における排水W5又は塩水W4の流通を制御する。再生排水弁315は、弁体の駆動部が制御部5と電気的に接続されている。再生排水弁315における弁の開閉は、制御部5により制御される。
バイパスラインL6は、上流側において、原水ラインL1の接続部J12に接続され、下流側において、軟水ラインL2の接続部J22に接続されている。バイパスラインL6は、再生プロセスST4等において、圧力タンク2を介さずに需要箇所に原水W1を供給するための供給路を構成する。
バイパス弁312は、バイパスラインL6に設けられている。バイパス弁312は、バイパスラインL6における原水W1の流通を制御する。バイパス弁312は、弁体の駆動部が制御部5と電気的に接続されている。バイパス弁312における弁の開閉は、制御部5により制御される。
第2補水ラインL8は、一方の端部において、原水ラインL1の接続部J12に接続され、他方の端部において、塩水タンク4と連通している。第2補水ラインL8は、第3補水プロセスST8において、原水ラインL1の接続部J12から流通する原水W1を、塩水タンク4に供給する供給路を構成する。
塩水タンク4は、タンク領域41と、塩載置部42と、ネット43と、を備える。タンク領域41は、塩水タンク4における塩水W4の貯留部を構成する。塩載置部42は、タンク領域41の内部に配置されている。塩載置部42の底部には、透水性を有するネット43が設けられている。塩載置部42には、原水W1に溶解させる塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム等)が載置されている。第2補水ラインL8の他方の端部は、タンク領域41に向けて開放されている。第2補水ラインL8から供給された原水W1は、第2補水ラインL8の他方の端部からタンク領域41に向けて流下する。塩載置部42に載置された塩は、タンク領域41に貯留された原水W1により溶解され、塩水W4が生成される。
塩水タンク4の底部には、塩水ラインL4の上流側の端部が接続されている。再生プロセスST4において、タンク領域41の内部に貯留された塩水W4は、塩水タンク4における液面44と排水ラインL5の開放末端部51との間の水頭圧差hsW4〜heW4により、塩水ラインL4を流下する。この塩水W4は、塩水ラインL4の接続部J4において、希釈水ラインL3を流下した原水W1と混合して希釈される。希釈された塩水W4は、軟水ラインL2の一部を流下して圧力タンク2に供給され、頂部スクリーン241からイオン交換樹脂床211の頂部に配液される。
更に、塩水タンク4のタンク領域41には、第1検出電極45と、第1接地電極46と、が設けられている。第1検出電極45及び第1接地電極46は、タンク領域41において、塩水W4が満水か否か(すなわち、補水が必要か否か)を検出するための設備である。第1検出電極45及び第1接地電極46は、それぞれ棒状の金属部材により構成されている。
第1検出電極45は、長手方向における一方(下方)の端部がタンク領域41の内部に位置し、他方(上方)の端部がタンク領域41の外部に位置している。第1検出電極45の一方の前記端部の位置は、タンク領域41の内部に塩水W4が満水となったときの液面44と一致している。第1接地電極46は、長手方向における一方(下方)の端部がタンク領域41の底部近傍に位置し、他方(上方)の端部がタンク領域41の外部に位置している。第1検出電極45及び第1接地電極46は、それぞれ他方の前記端部において制御部5と電気的に接続されている。第1検出電極45と第1接地電極46との間には、制御部5から所定の電圧が印加されている。
後述する第3補水プロセスST8において、タンク領域41に貯留された塩水W4が満水でない場合、塩水W4の液面44は、第1接地電極46には達しても、第1検出電極45には達しない。この場合には、第1検出電極45と第1接地電極46との間が短絡しないので、制御部5は、短絡電流を検知しない。制御部5は、第3補水プロセスST8において、短絡電流を検知しない場合には、第2補水弁317を開状態として、塩水タンク4への原水W1の補水を開始する。
一方、タンク領域41に貯留された塩水W4が満水になると、塩水W4の液面44は、第1接地電極46に達するだけでなく、第1検出電極45の下方の端部に達する。この場合には、第1検出電極45と第1接地電極46との間が短絡するので、制御部5は、短絡電流を検知する。制御部5は、第3補水プロセスST8において、短絡電流を検知した場合には、第2補水弁317を閉状態として、塩水タンク4への原水W1の補水を停止する。これにより、塩水タンク4のタンク領域41には、所定量(満水)の塩水W4が貯留される。
また、塩水タンク4の上部には、オーバーフロー管(不図示)が取り付けられている。このオーバーフロー管は、上述した第1検出電極45と第1接地電極46との間において、短絡電流を正常に検知できなかった場合に、超過した塩水W4を系外に排出するための設備である。
原水タンク6には、第2検出電極65と、第2接地電極66と、が設けられている。第2検出電極65及び第2接地電極66は、原水タンク6において、原水W1が満水か否か(すなわち、補水が必要か否か)を検出するための設備である。第2検出電極65及び第2接地電極66は、それぞれ棒状の金属部材により構成されている。
第2検出電極65は、長手方向における一方(下方)の端部が原水タンク6の内部に位置し、他方(上方)の端部が原水タンク6の外部に位置している。第2検出電極65の一方の前記端部の位置は、原水タンク6の内部に原水W1が満水となったときの液面64と一致している。第2接地電極66は、長手方向における一方(下方)の端部が原水タンク6の底部近傍に位置し、他方(上方)の端部が原水タンク6の外部に位置している。第2検出電極65及び第2接地電極66は、それぞれ他方の前記端部において制御部5と電気的に接続されている。第2検出電極65と第2接地電極66との間には、制御部5から所定の電圧が印加されている。
後述する第1補水プロセスST2及び第2補水プロセスST5において、原水タンク6に貯留された原水W1が満水でない場合、原水W1の液面64は、第2接地電極66には達しても、第2検出電極65には達しない。この場合には、第2検出電極65と第2接地電極66との間が短絡しないので、制御部5は、短絡電流を検知しない。制御部5は、第1補水プロセスST2及び第2補水プロセスST5において、短絡電流を検知しない場合には、第1補水弁316を開状態として、原水タンク6への原水W1の補水を開始する。
一方、原水タンク6に貯留された原水W1が満水になると、原水W1の液面64は、第2検出電極65の下方の端部に達する。この場合には、第2検出電極65と第2接地電極66との間が短絡するので、制御部5は、短絡電流を検知する。制御部5は、第1補水プロセスST2及び第2補水プロセスST5において、短絡電流を検知した場合には、第1補水弁316を閉状態として、原水タンク6への原水W1の補水を停止する。これにより、原水タンク6には、所定量(満水)の原水W1が貯留される。
また、原水タンク6の上部には、オーバーフロー管(不図示)が取り付けられている。このオーバーフロー管は、上述した第2検出電極65と第2接地電極66との間において、短絡電流を正常に検知できなかった場合に、溢れた原水W1を系外に排出するための設備である。
制御部5は、水処理プロセスST1〜第3補水プロセスST8を順に切り換えるように、各弁を制御する。制御部5は、図示しないメモリと、演算部としてのCPUと、を備える。
メモリは、後述する水処理プロセスST1、第1補水プロセスST2、呼び水プロセスST3、再生プロセスST4、第2補水プロセスST5、押出プロセスST6、リンス・プロセスST7、及び第3補水プロセスST8の各プロセスの処理手順に関するデータ等を記憶する。
CPUは、フロースイッチ321から出力された検出信号(原水ラインL1を所定量の原水W1が流通したことを検知したときに出力される信号)やタイマ等の情報に基づいて、硬水軟化装置1で実行すべき処理を設定する。そして、CPUは、メモリに記憶された各プロセスの処理手順に関するデータに基づいて、所定の弁開閉信号を各弁311〜317に出力する。なお、各弁311〜317の開閉は、それぞれの弁に設けられた弁体の駆動部(不図示)により制御される。弁体の駆動部は、CPUにより出力された弁開閉信号に基づいて、弁体の開閉を制御する。以下の説明において、弁を開くことを「開状態」といい、弁を閉じることを「閉状態」という。
上記構成のように構成された硬水軟化装置1において、制御部5は、各弁311〜317の開閉を制御することにより、図2に示す以下のプロセスST1〜ST8を順次実施する。
(ST1)原水W1をイオン交換樹脂床211に対して下から上へ通過させる水処理プロセス(水軟化プロセス)
(ST2)再生プロセスST4に先立ち、原水タンク6に希釈水としての原水W1を補水する第1補水プロセス
(ST3)原水W1を排水ラインL5から強制排水して、排水ラインL5の内部に滞留しているエアを排出する(エア抜きする)と共に、排水ラインL5に溜まったゴミ等を除去することにより、再生不良を防止する呼び水プロセス
(ST4)再生液としての塩水W4をイオン交換樹脂床211に対して上から下へ通過させる再生プロセス
(ST5)押出プロセスST6に先立ち、原水タンク6に押出水としての原水W1を補水する第2補水プロセス
(ST6)押出水としての原水W1をイオン交換樹脂床211に対して上から下へ通過させる押出プロセス
(ST7)濯ぎ水としての原水W1をイオン交換樹脂床211に対して上から下へ通過させるリンス・プロセス
(ST8)次回の再生プロセスST4で使用する塩水W4を調製するために、塩水タンク4に原水W1を補水する第3補水プロセス
また、各弁311〜317の開閉は、図3に示すように、プロセスST1〜ST8毎に、制御部5により制御される。その結果、圧力タンク2の内部は、プロセスST1〜ST8毎に、流体の流れが生成される状態か、或いは、流体の流れが生成されない状態となる。
次に、本実施形態における硬水軟化装置1の運転方法(動作)について詳細に説明する。なお、水処理プロセスST1を除く各プロセスST2〜ST8においては、バイパス弁312が開状態となっている。そのため、原水ラインL1の接続部J11よりも下流側を流通する過剰な原水W1は、接続部J12からバイパスラインL6へ流通し、接続部J22及び軟水ラインL2を介して、軟水W2の需要箇所へ一時的に供給される。
〔水処理プロセスST1〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST1に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる水道水、地下水、工業用水等の原水W1は、原水ラインL1を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、底部スクリーン242から配水される。底部スクリーン242から配水された原水W1は、イオン交換樹脂床211を上昇流で通過する。その過程において、原水W1の硬度成分は、ナトリウムイオン(又は、カリウムイオン)へ置換され、原水W1は軟水化される。
イオン交換樹脂床211を通過した処理水(軟水W2)は、圧力タンク2の頂部で頂部スクリーン241へ集水される。その後、軟水W2は、軟水ラインL2を介して、軟水W2の需要箇所へ供給される。そして、所定量の軟水W2を採取することにより、イオン交換樹脂床211が硬度成分を置換できなくなると、制御部5は、第1補水プロセスST2以降のプロセスを実施する。
〔第1補水プロセスST2〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST2に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11を経て第1補水ラインL7を流通し、原水タンク6に補水される。ここでは、前回の押出プロセスST6で減少した原水タンク6の液位が満水になるまで原水W1が補水される。
〔呼び水プロセスST3〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST3に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J12及びJ13を経て排水ラインL5を流通し、排水W5として排水ラインL5の開放末端部から系外に排出される。
〔再生プロセスST4〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST4に示す開閉状態に設定される。その結果、塩水タンク4の内部に貯留された塩水W4は、塩水タンク4の液面44と排水ラインL5の開放末端部51との水頭圧差により、塩水ラインL4を介して流下する。同時に、原水タンク6の内部に貯留された原水W1は、原水タンク6の液面64と排水ラインL5の開放末端部51との水頭圧差により、希釈水ラインL3を介して流下する。各ラインを流下した塩水W4と原水W1とは、塩水ラインL4の接続部J4で混合され、所定濃度(約10重量%)の塩水W4となる。この塩水W4は、塩水ラインL4を介して、圧力タンク2の頂部に配置された頂部スクリーン241から配液され、圧力タンク本体21の内部を下降流で通過する。その過程において、塩水W4は、イオン交換樹脂床211を再生する。使用済みの塩水W4は、圧力タンク2の底部に配置された底部スクリーン242で集液され、排水ラインL5を介して系外に排水される。この再生プロセスST4は、所定時間実行され、所定量の塩水W4を供給することにより完了する。
〔第2補水プロセスST5〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST5に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11を経て第1補水ラインL7を流通し、原水タンク6に供給される。ここでは、再生プロセスST4で減少した原水タンク6の液位が満水になるまで原水W1が補水される。
〔押出プロセスST6〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST6に示す開閉状態に設定される。その結果、塩水W4が塩水ラインL4を介して流下しなくなり、原水タンク6の内部に貯留された原水W1のみが希釈水ラインL3及び塩水ラインL4を介して流下する。流下した原水W1は、圧力タンク2の頂部に配置された頂部スクリーン241から配水され、圧力タンク本体21の内部を下降流で通過する。その過程において、原水W1は、先行して供給された塩水W4を押し出しながら、引き続き、イオン交換樹脂床211を再生する。使用済みの塩水W4及び原水W1は、圧力タンク2の底部に配置された底部スクリーン242で集水され、排水ラインL5を介して系外に排水される。この押出プロセスST6は、所定時間実行され、所定量の原水W1を供給して塩水W4を押し出すことにより完了する。
〔リンス・プロセスST7〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST7に示す開閉状態に設定される。その結果、軟水通水弁313及びバイパス弁312が開状態になり、原水ラインL1には、原水供給源から原水W1が圧送される。この原水W1は、原水ラインL1、接続部J12、バイパスラインL6、接続部J22、軟水ラインL2を介して、圧力タンク2へ流通する。そして、原水W1は、圧力タンク2の頂部に配置された頂部スクリーン241から配水され、圧力タンク本体21の内部を下降流で通過する。その過程において、原水W1は、イオン交換樹脂床211の内部に残留する塩水W4を洗い流しながら、イオン交換樹脂床211をリンスする。使用済みの原水W1は、圧力タンク2の底部に配置された底部スクリーン242で集水され、排水ラインL5を介して系外に排水される。このリンス・プロセスST7は、フロースイッチ321による水流有りの積算検知時間が所定時間に達するまで実行され、所定量の原水W1を供給することにより完了する。
このように、リンス・プロセスST7においては、外部の原水供給源から圧送された原水W1が圧力タンク2へ流通する。従って、圧力タンク2への単位時間当たりの原水供給量は、押出プロセスST6の場合よりも大きくなる。このため、イオン交換樹脂床211の内部に残留する塩水W4は、速やかに洗い流される。
なお、呼び水プロセスST3〜リンス・プロセスST7においては、バイパス弁312が開状態となっている。このため、ユーザが軟水W2の需要箇所で蛇口等を開くと、バイパスラインL6を介して原水W1が供給される。このように、本実施形態の硬水軟化装置1では、一連の再生作動の実行時において、ユーザに原水W1を供給することができる(原水供給状態)。
〔第3補水プロセスST8〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜317は、図3のST8に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J12を経て第2補水ラインL8を流通し、塩水タンク4に供給される。ここでは、再生プロセスST4で減少した塩水タンク4の液位が満水になるまで原水W1が補水される。これにより、次回の再生プロセスST4で使用する塩水W4が調製される。制御部5は、第3補水プロセスST8が終了すると、各弁311〜317を水処理プロセスST1の状態に復帰させる。
上述した第1実施形態の硬水軟化装置1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態の硬水軟化装置1においては、塩水タンク4から圧力タンク2への塩水W4の供給が終了した時の水頭圧差heW4が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW4に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように、塩水タンク4の液面44と排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されている。
このため、再生プロセスST4において、塩水タンク4から圧力タンク2への塩水W4の供給が終了した時に、塩水タンク4における液面の減少を最小限に抑制することができる。従って、再生プロセスST4の開始から終了までの間において、イオン交換樹脂床211を流通する塩水W4の線速度の変動幅を最小限にすることができる。
なお、塩水W4の線速度とは、塩水W4の流量をイオン交換樹脂床211の横断面積で除したものであり、次式で示される。
線速度[m/h]=流量[m/h]÷横断面積[m] ・・・ (1)
また、本実施形態の硬水軟化装置1においては、原水タンク6から圧力タンク2への原水W1の供給が終了した時の水頭圧差heW1が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW1に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように原水タンク6の液面64と排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されている。
このため、再生プロセスST4及び押出プロセスST6において、原水タンク6から圧力タンク2への原水W1の供給が終了した時に、原水タンク6における液面の減少を最小限に抑制することができる。従って、再生プロセスST4及び押出プロセスST6の開始から終了までの間において、イオン交換樹脂床211を流通する塩水W4及び原水W1の線速度の変動幅を最小限にすることができる。
本実施形態の硬水軟化装置1において、イオン交換樹脂床211は、架橋度が10〜12%の陽イオン交換樹脂ビーズにより構成される。
これに対して、架橋度が10%に満たない陽イオン交換樹脂ビーズによりイオン交換樹脂床211を構成した場合には、水処理プロセスST1を繰り返すうちに、原水W1中の残留塩素や溶存酸素等により酸化を受けて樹脂母体が不可逆的に膨潤し、イオン交換樹脂床211の通液抵抗が増加する。通液抵抗が増加すると、再生プロセスST4や押出プロセスST6において、塩水W4や原水W1を規定の線速度で通液できなくなるばかりでなく、偏流やショートパスが生じやすくなり、結果としてイオン交換樹脂床211の再生率が低下することになる。また、塩水W4の供給量をタイマによる時間計測で管理している場合には、塩水W4の流量が低下することにより、規定時間内に規定量の塩水W4の供給が完了せずに、再生不良を起こす可能性がある。
更に、樹脂母体が不可逆的に膨潤すると、陽イオン交換樹脂ビーズの強度が低下して、破砕に至ることもある。このため、イオン交換樹脂床211の一部が流失し、所期の採水量と水質を確保できなくなるおそれがある。
一方、架橋度が12%を超える陽イオン交換樹脂ビーズによりイオン交換樹脂床211を構成した場合には、樹脂母体の耐酸化性は向上する。しかし、樹脂母体中の架橋剤の割合が多いために、イオン交換容量が相対的に減少する。この結果、所要の採水量を確保するためには、イオン交換樹脂床211の容量を増加させなければならないため、圧力タンク2が大型化する。また、架橋度の高い陽イオン交換樹脂ビーズは、一般的に脆くなる傾向がある。このため、水処理プロセスST1を繰り返すうちに、ビーズ間の摩擦により、陽イオン交換樹脂ビーズが破砕して、生成した軟水W2中に破砕片が混入するおそれがある。また、陽イオン交換樹脂ビーズが破砕することにより、イオン交換樹脂床211の一部が流失し、所期の採水量と水質を確保できなくなるおそれもある。
しかしながら、本実施形態のイオン交換樹脂床211は、架橋度が10〜12%の陽イオン交換樹脂ビーズにより構成されるため、上述のような不具合の発生を低減することができる。従って、本実施形態の硬水軟化装置1によれば、再生プロセスST4及び押出プロセスST6の実行中に、イオン交換樹脂床211の通液抵抗の変動を抑制して再生率を安定化させることにより、またイオン交換樹脂床211の流失を抑制することにより、所期の採水量と水質を恒常的に確保することができる。
また、本実施形態のイオン交換樹脂床211は、架橋度が10〜12%であることに加えて、粒径の均一係数が1.2以下である陽イオン交換樹脂ビーズにより構成される。
これに対して、均一係数が1.2を超える陽イオン交換樹脂ビーズによりイオン交換樹脂床211を構成した場合には、原水W1の上昇流による水処理プロセスST1や、一般的なイオン交換装置で行われている逆洗浄プロセスを実施したときに、沈降速度の違いにより、粒径の小さな陽イオン交換樹脂ビーズがイオン交換樹脂床211の上部に集中する一方で、粒径の大きな陽イオン交換樹脂ビーズがイオン交換樹脂床211の下部に集中する。
このように、粒径の不均一な陽イオン交換樹脂ビーズを用いると、イオン交換樹脂床211の内部において空隙分布が大きくなる。このため、イオン交換樹脂床211において、流体の流れやすい部分と流れにくい部分とが同時に発生し、通液抵抗が不安定になる。その結果、再生プロセスST4や押出プロセスST6において、塩水W4や原水W1を規定の線速度で通液できなくなるばかりでなく、偏流やショートパスが生じやすくなり、結果として、イオン交換樹脂床211の再生率が低下することになる。
しかしながら、本実施形態におけるイオン交換樹脂床211は、架橋度が10〜12%且つ粒径の均一係数が1.2以下の陽イオン交換樹脂ビーズにより構成されるため、上述のような不具合の発生を低減することができる。従って、本実施形態の硬水軟化装置1によれば、再生プロセスST4及び押出プロセスST6の実行中に、イオン交換樹脂床211の通液抵抗の変動を抑制して再生率を維持し、所期の採水量と水質を恒常的に確保することができる。
以上のように、本実施形態の硬水軟化装置1は、再生プロセス及び押出プロセスにおいて、水頭圧差の変動幅を最小限とするだけでなく、通液抵抗の変動を抑制するように、特定の物理化学的性質を有する陽イオン交換樹脂ビーズを用いてイオン交換樹脂床211を構成している。このため、所期の採水量と水質を得るために必要なイオン交換樹脂床211の再生率が安定して確保される。
なお、陽イオン交換樹脂ビーズとして、ナトリウム型の調和平均径が0.5〜0.8mmのものを用いた場合には、再生液である塩水W4との接触効率が向上するため、イオン交換樹脂床211の再生率がより安定するという効果を奏する。更には、陽イオン交換樹脂ビーズとして、カルシウム型からナトリウム型に変化したときの体積変化率が10%以下であるものを用いた場合には、再生プロセスST4及び押出プロセスST6を通じての経時的な通液抵抗の変化が抑制されるため、イオン交換樹脂床211の再生率が一層安定するという効果を奏する。
<第2実施形態>
図4は、本発明のイオン交換装置の第2実施形態としての硬水軟化装置1Aの全体構成図である。図5は、第2実施形態の各プロセスにおける各弁の開閉状態を示す説明図である。なお、第2実施形態の硬水軟化装置1Aにより実行されるプロセスを示すフローチャートは、第1実施形態(図2)と同じであるため説明を省略する。
第2実施形態の硬水軟化装置1Aは、第1実施形態の硬水軟化装置1に対して、圧力タンク2A及び一部ライン及び弁の構成が異なる。その他の構成は同じであり、同等部分については、第1実施形態と同一符号を付して説明する。
図4に示すように、本実施形態の圧力タンク2Aにおいて、圧力タンク2Aに配置された、原水ラインL1の他方の端部には、頂部スクリーン241Aが設けられている。頂部スクリーン241Aは、水処理プロセスST1において、イオン交換樹脂床211の頂部から原水W1を配液する頂部配液部、及び再生プロセスST4において、イオン交換樹脂床211の頂部から塩水W4を集液する頂部集液部として機能する。
また、圧力タンク2Aにおいて、圧力タンク2Aに配置された、軟水ラインL2の一方の端部には、底部スクリーン242Aが設けられている。底部スクリーン242Aは、再生プロセスST4において、イオン交換樹脂床211の底部から塩水W4を配液する底部配液部、及び水処理プロセスST1において、イオン交換樹脂床211の底部から軟水W2を集液する底部集液部として機能する。
なお、圧力タンク本体21内に配置される軟水ラインL2は、合成樹脂製パイプ等を用いた集配液管231となっており、この集配液管231がイオン交換樹脂床211を貫通して支持床212の下部に到達するように設けられている。
本実施形態では、第1実施形態の各ラインL1〜L8に加えて、第2排水ラインL9を備える。また、第1実施形態の各弁311〜317に加えて、第2排水弁318を備える。
なお、本実施形態においては、第1実施形態の再生排水弁315を「第1排水弁315」とし、第1実施形態の排水ラインL5を「第1排水ラインL5」として説明する。
第2排水ラインL9は、上流側において、軟水ラインL2の接続部J23に接続され、下流側において、第1排水ラインL5の接続部J5に接続されている。第2排水弁318は、第2排水ラインL9に設けられている。第2排水弁318は、弁体の駆動部が制御部5と電気的に接続されている。第2排水弁318における弁の開閉は、制御部5により制御される。
次に、本実施形態における硬水軟化装置1Aの運転方法(動作)について説明する。なお、水処理プロセスST1を除く各プロセスST2〜ST8においては、バイパス弁312が開状態となっている。そのため、第1実施形態と同じく、原水ラインL1の接続部J11よりも下流側を流通する過剰な原水W1は、接続部J12からバイパスラインL6へ流通し、接続部J22及び軟水ラインL2を介して、軟水W2の需要箇所へ一時的に供給される。
〔水処理プロセスST1〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST1に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる水道水、地下水、工業用水等の原水W1は、原水ラインL1を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、頂部スクリーン241Aから配液される。頂部スクリーン241Aから配液された原水W1は、イオン交換樹脂床211を下降流で通過する。その過程において、原水W1の硬度成分は、ナトリウムイオン(又は、カリウムイオン)へ置換され、原水W1は軟水化される。
イオン交換樹脂床211を通過した処理水(軟水W2)は、圧力タンク2Aの底部で底部スクリーン242Aへ集液される。その後、軟水W2は、軟水ラインL2を介して、軟水W2の需要箇所へ供給される。そして、所定量の軟水W2を採取することにより、イオン交換樹脂床211が硬度成分を置換できなくなると、制御部5は、第1補水プロセスST2以降のプロセスを実施する。
〔第1補水プロセスST2〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST2に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11を経て第1補水ラインL7を流通し、原水タンク6に補水される。ここでは、前回の押出プロセスST6で減少した原水タンク6の液位が満水になるまで原水W1が補水される。
〔呼び水プロセスST3〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST3に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J12及びJ13を経て第1排水ラインL5を流通し、排水W5として第1排水ラインL5の開放末端部から外部に排出される。
〔再生プロセスST4〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST4に示す開閉状態に設定される。その結果、塩水タンク4の内部に貯留された塩水W4は、塩水タンク4の液面44と第1排水ラインL5の開放末端部51との水頭圧差により、塩水ラインL4を介して流下する。同時に、原水タンク6の内部に貯留された原水W1は、原水タンク6の液面64と第1排水ラインL5の開放末端部51との水頭圧差により、希釈水ラインL3を介して流下する。各ラインを流下した塩水W4と原水W1とは、塩水ラインL4の接続部J4で混合され、所定濃度の塩水W4となる。この塩水W4は、塩水ラインL4を介して、圧力タンク2Aの底部に配置された底部スクリーン242Aから配液され、圧力タンク本体21の内部を上昇流で通過する。その過程において、塩水W4は、イオン交換樹脂床211を再生する。使用済みの塩水W4は、圧力タンク2Aの頂部に配置された頂部スクリーン241Aで集液され、第1排水ラインL5を介して系外に排水される。この再生プロセスST4は、所定時間実行され、所定量の塩水W4を供給することにより完了する。
〔第2補水プロセスST5〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST5に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11を経て第1補水ラインL7を流通し、原水タンク6に供給される。ここでは、再生プロセスST4で減少した原水タンク6の液位が満水になるまで原水W1が補水される。
〔押出プロセスST6〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST6に示す開閉状態に設定される。その結果、塩水W4が塩水ラインL4を介して流下しなくなり、原水タンク6の内部に貯留された原水W1のみが希釈水ラインL3及び塩水ラインL4を介して流下する。流下した原水W1は、圧力タンク2Aの底部に配置された底部スクリーン242Aから配水され、圧力タンク本体21の内部を上昇流で通過する。その過程において、原水W1は、先行して供給された塩水W4を押し出しながら、引き続き、イオン交換樹脂床211を再生する。使用済みの塩水W4及び原水W1は、圧力タンク2の頂部に配置された頂部スクリーン241Aで集水され、第1排水ラインL5を介して系外に排水される。この押出プロセスST6は、所定時間実行され、所定量の原水W1を供給して塩水W4を押し出すことにより完了する。
〔リンス・プロセスST7〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST7に示す開閉状態に設定される。その結果、原水通水弁311、バイパス弁312及び第2排水弁318が開状態になる。原水通水弁311が開状態になると、原水ラインL1には、外部の原水供給源(不図示)から原水W1が圧送される。この原水W1は、原水ラインL1を介して、圧力タンク2Aへ流通する。そして、原水W1は、圧力タンク2Aの頂部に配置された頂部スクリーン241Aから配水され、圧力タンク本体21の内部を下降流で通過する。その過程において、原水W1は、イオン交換樹脂床211の内部に残留する塩水W4を洗い流しながら、イオン交換樹脂床211をリンスする。使用済みの原水W1は、圧力タンク2Aの底部に配置された底部スクリーン242Aで集水され、軟水ラインL2、接続部J23、第2排水ラインL9、接続部J5、第1排水ラインL5を介して系外に排水される。このリンス・プロセスST7は、フロースイッチ321による水流有りの積算検知時間が所定時間に達するまで実行され、所定量の原水W1を供給することにより完了する。
このように、リンス・プロセスST7においては、外部の原水供給源から圧送された原水W1が圧力タンク2Aへ流通する。従って、圧力タンク2Aへの単位時間当たりの原水供給量は、押出プロセスST6の場合よりも大きくなる。このため、イオン交換樹脂床211の内部に残留する塩水W4は、速やかに洗い流される。
なお、呼び水プロセスST3〜リンス・プロセスST7においては、バイパス弁312が開状態となっている。このため、ユーザが軟水W2の需要箇所で蛇口等を開くと、バイパスラインL6を介して原水W1が供給される。このように、第2実施形態の硬水軟化装置1においても、一連の再生作動の実行時において、ユーザに原水W1を供給することができる(原水供給状態)。
〔第3補水プロセスST8〕
制御部5からの指令信号により、各弁311〜318は、図5のST8に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J12を経て第2補水ラインL8を流通し、塩水タンク4に供給される。ここでは、再生プロセスST4で減少した塩水タンク4の液位が満水になるまで原水W1が補水される。これにより、次回の再生プロセスST4で使用する塩水W4が調製される。制御部5は、第3補水プロセスST8が終了すると、各弁311〜318を水処理プロセスST1の状態に復帰させる。
上述した第2実施形態の硬水軟化装置1Aにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した第1及び第2実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、第1及び第2実施形態では、希釈された塩水W4の濃度を一定に保つことが容易であることから、塩水タンク4の液面44と原水タンク6の液面64とが、共に同じ高さとなるように設定しているが、これに限定されない。すなわち、塩水タンク4においては、塩水タンク4から圧力タンク2への塩水W4の供給が終了した時の水頭圧差heW4が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW4に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように、塩水タンク4の液面44と第1排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されていればよい。一方、原水タンク6においては、原水タンク6から圧力タンク2への原水W1の供給が終了した時の水頭圧差heW1が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW1に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように原水タンク6の液面64と第1排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されていればよい。従って、塩水タンク4の液面44と、原水タンク6の液面64とが、異なる高さとなるように構成することもできる。
また、塩水タンク4又は原水タンク6のいずれか一方において、上述のような水頭圧差となるように、液面と第1排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されていればよい。
更に、塩水タンク4及び原水タンク6を個別に備えるのではなく、原水タンク6を塩水タンク4と共用するように構成してもよい。この構成では、塩水タンク4において、第1検出電極45及び第1接地電極46の他に第2検出電極65を設け、3本の電極を使用して補水時の液位を検出する。第2検出電極65は、その先端位置がネット43よりも下方であって、且つ第1接地電極46の先端よりも上方になるように設定される。
そして、この構成では、第1補水プロセスST2では、第1検出電極45で満水を検知するまで補水を行うと共に、第2補水プロセスST5では、第2検出電極65で所定液位を検知するまで補水を行うように操作する。つまり、第1補水プロセスST2では、前回の第3補水プロセスST8の実施以降、蒸発等で低下した塩水W4の液位を満水に調節するため、原水W1の補水を行う。一方、第2補水プロセスST5では、押出プロセスST6で使用する原水W1を貯留するため、塩と接触させないように、ネット43よりも下方の所定液位まで補水を行う。
第1及び第2実施形態において、図1及び図4に示す各ラインや弁等の配置や接続は一例を示したものであり、図1及び図4の構成に限定されない。
前述の第1及び第2実施形態では、本発明のイオン交換装置を硬水軟化装置に適用した例について説明したが、本発明の適用はこれに制限されない。例えば、硬水軟化装置におけるイオン交換樹脂のイオン交換樹脂を、陽イオン交換樹脂から陰イオン交換樹脂へ置換すれば、硝酸性窒素除去装置として使用することができる。
1,1A 硬水軟化装置(イオン交換装置)
2,2A 圧力タンク
4 塩水タンク(液タンク)
5 制御部(バルブ制御手段)
6 原水タンク(液タンク)
211 イオン交換樹脂床
241,242A 底部スクリーン(底部配液部、底部集液部)
242,241A 頂部スクリーン(頂部配液部、頂部集液部)
L1 原水ライン
L2 軟水ライン
L3 希釈水ライン(液供給ライン)
L4 塩水ライン(液供給ライン)
L5 排水ライン,第1排水ライン
L6 バイパスライン
L7 第1補水ライン
L8 第2補水ライン
L9 第2排水ライン

Claims (5)

  1. イオン交換樹脂床が収容される圧力タンクと、
    前記イオン交換樹脂床を再生する再生液及び/又は水が貯留される液タンクと、
    前記圧力タンクと前記液タンクとを接続する液供給ラインと、
    接続端部及び大気に開放された開放末端部を有する排水ラインであって、前記接続端部において前記圧力タンクに接続され、前記液タンクから前記圧力タンクへ供給された再生液及び/又は水を前記開放末端部から排水として排出する排水ラインと、
    を備え、
    前記液タンクにおける液面と前記排水ラインにおける前記開放末端部との高さの関係が、前記液タンクにおける液面>前記開放末端部の関係になるように設定されており、
    前記液タンクにおける液面と前記排水ラインにおける前記開放末端部との間の水頭圧差により、前記液タンクから前記圧力タンクへ再生液及び/又は水を供給すると共に、再生液及び/又は水を前記圧力タンクから前記排水ラインへ排出するように構成され、
    前記液タンクから前記圧力タンクへの再生液及び/又は水の供給が終了した時の水頭圧差が、その供給を開始した時の水頭圧差に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように、前記液タンクの液面と前記排水ラインの前記開放末端部との位置が設定されるイオン交換装置。
  2. 前記イオン交換樹脂床は、架橋度が10〜12%のイオン交換樹脂ビーズからなる請求項1に記載のイオン交換装置。
  3. 前記イオン交換樹脂ビーズの粒径の均一係数は1.2以下である請求項2に記載のイオン交換装置。
  4. 前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部配液部と、
    前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部配液部と、
    前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部集液部と、
    前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部集液部と、
    原水を前記底部配液部へ配液しながら、前記頂部集液部で集液することにより原水の上昇流を生成して、処理水を製造する水処理プロセスの水の流れ;及び、再生液を前記頂部配液部へ配液しながら、前記底部集液部で集液することにより再生液の下降流を生成して、前記イオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスの再生液の流れを切り換え可能なバルブ手段と、
    前記水処理プロセス及び前記再生プロセスを順に切り換えるように、前記バルブ手段を制御するバルブ制御手段と、
    を更に備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のイオン交換装置。
  5. 前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部配液部と、
    前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部配液部と、
    前記イオン交換樹脂床の頂部に設けられる頂部集液部と、
    前記イオン交換樹脂床の底部に設けられる底部集液部と、
    原水を前記頂部配液部へ配液しながら、前記底部集液部で集液することにより原水の下降流を生成して、処理水を製造する水処理プロセスの水の流れ;及び、再生液を前記底部配液部へ配液しながら、前記頂部集液部で集液することにより再生液の上昇流を生成して、前記イオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスの再生液の流れを切り換え可能なバルブ手段と、
    前記水処理プロセス及び前記再生プロセスを順に切り換えるように、前記バルブ手段を制御するバルブ制御手段と、
    を更に備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のイオン交換装置。
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