JP2012166129A - イオン交換装置 - Google Patents

イオン交換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012166129A
JP2012166129A JP2011027730A JP2011027730A JP2012166129A JP 2012166129 A JP2012166129 A JP 2012166129A JP 2011027730 A JP2011027730 A JP 2011027730A JP 2011027730 A JP2011027730 A JP 2011027730A JP 2012166129 A JP2012166129 A JP 2012166129A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion exchange
exchange resin
water
resin bed
regeneration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011027730A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Suga
敦 菅
Hiroshi Hosokawa
宏至 細川
Katsufumi Isshiki
克文 一色
Saburo Nakamura
三郎 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miura Co Ltd filed Critical Miura Co Ltd
Priority to JP2011027730A priority Critical patent/JP2012166129A/ja
Publication of JP2012166129A publication Critical patent/JP2012166129A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

【課題】圧力タンクの構造を複雑化することなく、イオン交換樹脂床の再生効率を安定させることができるイオン交換装置を提供すること。
【解決手段】圧力タンク2の内部で再生液W4の上昇流を生成してイオン交換樹脂床211を再生させる再生プロセスにおいて、再生液供給手段L1〜L5、311〜318と、再生プロセスでイオン交換樹脂床211に供給すべき総再生液量Q1のうち、一部の分割再生液量Q2をイオン交換樹脂床211へ所定の供給時間T1供給し、その後に、イオン交換樹脂床211を再生液W4に浸漬させた状態でイオン交換樹脂床211への再生液W4の供給を所定の停止時間T2停止し、その後に、総再生液量Q1から一部の分割再生液量Q2を減じた残部の分割再生液量Q2をイオン交換樹脂床211に供給するように再生液供給手段311〜318を制御する再生液供給制御手段52と、を備える。
【選択図】図4

Description

この発明は、硬水軟化装置などのイオン交換装置に関する。
従来より、水道水や地下水等の原水に含まれる硬度成分(カルシウムイオン及びマグネシウムイオン)や硝酸性窒素(硝酸イオン及び亜硝酸イオン)等をイオン交換樹脂により吸着して除去するイオン交換装置が知られている。イオン交換装置は、一般的に、イオン交換樹脂床が収容される圧力タンクを備えている。
イオン交換装置においては、構造がシンプルであるという理由で並流再生を採用しているものが多い。しかしながら、並流再生においては、再生後の水処理プロセスで得られる処理水は、除去対象イオンのリークレベルが比較的高い。そのため、高純度の処理水を得るために、再生レベル(イオン交換樹脂1リットルあたりの再生剤使用量)を高く設定する必要がある。
並流再生に対して、向流再生は、除去対象イオンのリークレベルが低いため、処理水の純度の低下の課題を解消できる。向流再生において、圧力タンクの内部で再生液の上昇流を生成してイオン交換樹脂床を再生させる、いわゆる上向流再生を行うイオン交換装置が知られている。
上向流再生を行うイオン交換装置においては、圧力タンクの内部のイオン交換樹脂ビーズは、再生液の上昇流に随伴して浮上し、流動しやすい。イオン交換樹脂ビーズが流動すると、再生液との接触時間が短くなるため、イオン交換樹脂床の再生効率の低下を招く。そのため、再生プロセス中においては、イオン交換樹脂ビーズが流動しないように、イオン交換樹脂床を保持する必要がある。例えば、特許文献1には、上向流再生を行うイオン交換装置において、圧力タンクの内部に収容されるイオン交換樹脂床に対して押さえ水を下降流により供給して、イオン交換樹脂ビーズの流動を抑制するように構成されたものが開示されている。
特開2007−260519号公報
特許文献1に記載のイオン交換装置においては、押さえ水を下降流で供給して、イオン交換樹脂床を下方に押し付けながら、再生プロセスが行われている。つまり、再生プロセスにおいて、圧力タンクの内部には、再生液の上昇流及び押さえ水の下降流が同時に生成されている。そのため、再生液と押さえ水とを同時に排出するには、イオン交換樹脂床の表面付近に集液部(コレクタ)を設ける必要があり、集配液部を含む圧力タンクの構造が複雑になる。従って、圧力タンクの内部で再生液の上昇流を生成してイオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスにおいて、圧力タンクの構造を複雑化することなく、イオン交換樹脂床の再生効率を安定させることができるイオン交換装置が望まれている。
本発明は、圧力タンクの内部で再生液の上昇流を生成してイオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスにおいて、圧力タンクの構造を複雑化することなく、イオン交換樹脂床の再生効率を安定させることができるイオン交換装置を提供することを目的とする。
本発明は、イオン交換樹脂床が収容される圧力タンクと、前記イオン交換樹脂床を再生する再生液が貯留される再生液タンクと、前記圧力タンクと前記再生液タンクとを接続する再生液供給ラインと、前記圧力タンクの内部で再生液の上昇流を生成して前記イオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスにおいて、再生液を前記再生液タンクから前記再生液供給ラインを介して前記イオン交換樹脂床に供給する再生液供給手段と、前記再生プロセスで前記イオン交換樹脂床に供給すべき総再生液量のうち、一部の分割再生液量を前記イオン交換樹脂床へ所定の供給時間供給するように前記再生液供給手段を制御し、その後に、前記イオン交換樹脂床を再生液に浸漬させた状態で前記イオン交換樹脂床への再生液の供給を所定の停止時間停止するように前記再生液供給手段を制御し、その後に、前記総再生液量から前記一部の分割再生液量を減じた残部の分割再生液量を前記イオン交換樹脂床に供給するように前記再生液供給手段を制御する再生液供給制御手段と、を備えるイオン交換装置に関する。
また、前記イオン交換樹脂床に供給する分割再生液量は、前記イオン交換樹脂床の空隙部分に相当する量である空隙相当量以上であることが好ましい。
また、前記再生液供給制御手段は、分割再生液量を供給する際の前記供給時間が1分以上で且つ前記停止時間が5分以上になるように、前記再生液供給手段を制御することが好ましい。
また、前記再生液供給制御手段は、前記残部の分割再生液量を2〜4回に分けて前記イオン交換樹脂床に供給するように、前記再生液供給手段を制御することが好ましい。
また、前記イオン交換樹脂床は、略均一の粒径を有するイオン交換樹脂ビーズからなり、前記イオン交換樹脂床に撹拌用流体を流通させる流通手段と、前記再生プロセスの後に実行される撹拌プロセスにおいて、前記撹拌用流体を前記イオン交換樹脂床に上昇流で流通させることにより前記イオン交換樹脂ビーズを略均一に混合するように、前記流通手段を制御する流通制御手段と、を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、圧力タンクの内部で再生液の上昇流を生成してイオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスにおいて、圧力タンクの構造を複雑化することなく、イオン交換樹脂床の再生効率を安定させることができるイオン交換装置を提供することができる。
本発明のイオン交換装置の一実施形態としての硬水軟化装置1の全体構成図である。 硬水軟化装置1により実行されるプロセスを示すフローチャートである。 各プロセスにおける各弁の開閉状態を示す説明図である。 硬水軟化装置1の制御に係る機能ブロック図である。 硬水軟化装置1の制御を示すフローチャートである。
以下、本発明のイオン交換装置の一実施形態としての硬水軟化装置1について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のイオン交換装置の一実施形態としての硬水軟化装置1の全体構成図である。図2は、硬水軟化装置1により実行されるプロセスを示すフローチャートである。図3は、各プロセスにおける各弁の開閉状態を示す説明図である。
本実施形態の硬水軟化装置1は、水道水、地下水、工業用水等の原水中に含まれる硬度成分をナトリウムイオン(又はカリウムイオン)へ置換して軟水を生成する。硬水軟化装置1は、軟水を各種の用水として需要箇所へ供給する目的で使用される。硬水軟化装置1は、家屋やマンション等の居住建物、ホテルや大衆浴場等の集客施設、ボイラやクーリングタワー等の冷熱機器、食品加工装置や洗浄装置等の水使用機器等に接続される。
また、本実施形態の硬水軟化装置1は、原水W1をイオン交換樹脂床211(後述)で軟水化して得られた処理水(軟水)W2を浴室等の需要箇所(不図示)に供給する水処理プロセスST1と、イオン交換樹脂床211を逆洗浄する逆洗浄プロセスST2と、原水タンク6に原水W1を補水する第1補水プロセスST3と、第1排水ラインL5の内部に滞留しているエアを排出する(エア抜きする)呼び水プロセスST4と、塩水W4を供給してイオン交換樹脂床211を再生させる再生プロセスST5と、再生プロセスST5の実行中に排水W5の系外への排出を停止してイオン交換樹脂床211を塩水W4に浸漬させる第1通液停止プロセスST5’と、原水タンク6に原水W1を補水する第2補水プロセスST6と、イオン交換樹脂床211に供給された塩水W4を押し出す押出プロセスST7と、押出プロセスST7の実行中に排水W5の系外への排出を停止してイオン交換樹脂床211を塩水W4又は押出水(原水W1)に浸漬させる第2通液停止プロセスST7’と、イオン交換樹脂床211に残留した塩水W4を洗浄するリンス・プロセスST8と、イオン交換樹脂床211に撹拌用流体を流通させてイオン交換樹脂ビーズを撹拌する撹拌プロセスST9と、再生液タンクとしての塩水タンク4に原水W1を補水する第3補水プロセスST10と、を実行可能な構成を備える。
まず、図1を参照して、本実施形態の硬水軟化装置1の全体構成について説明する。以下の説明において「ライン」とは、流路、経路、管路等の総称である。
図1に示すように、本実施形態の硬水軟化装置1は、圧力タンク2と、再生液タンクとしての塩水タンク4と、再生液供給制御手段及び流通制御手段としてのバルブ制御部52(後述)を含む制御装置5と、原水タンク6と、を備える。
また、本実施形態の硬水軟化装置1は、原水通水弁311と、バイパス弁312と、軟水通水弁313と、塩水弁314と、第1排水弁315と、第2排水弁318と、第1補水弁316と、第2補水弁317と、フロースイッチ321と、を備える。
圧力タンク2は、圧力タンク本体21を主体として構成される。圧力タンク本体21は、上部に開口部を有する有底の筒状体であり、開口部を蓋部材で密閉している。圧力タンク本体21の内部には、陽イオン交換樹脂ビーズからなるイオン交換樹脂床211、及び濾過砂利からなる支持床212が収容されている。
イオン交換樹脂床211は、原水W1を軟水化する処理材として機能する。イオン交換樹脂床211は、圧力タンク本体21の内部において、支持床212の上部に積層されている。
本実施形態におけるイオン交換樹脂床211は、略均一の粒径を有する陽イオン交換樹脂ビーズ、例えば、粒径の均一係数が1.2以下の陽イオン交換樹脂ビーズにより構成される。
支持床212は、イオン交換樹脂床211に対する流体の整流部材として機能する。支持床212は、圧力タンク本体21の底部側に収容されている。圧力タンク2の詳細については後述する。
原水通水弁311、バイパス弁312、軟水通水弁313、塩水弁314、第1排水弁315及び第2排水弁318は、採水及び再生に関して、原水W1を圧力タンク2の頂部スクリーン241へ配液しながら、底部スクリーン242で集液することにより原水W1の下降流を生成して、処理水である軟水W2を製造する水処理プロセスST1の水(原水W1、軟水W2)の流れ;及び、再生液である塩水W4を底部スクリーン242へ配液しながら、頂部スクリーン241で集液することにより塩水W4の上昇流を生成して、イオン交換樹脂床211を再生させる再生プロセスST5の塩水W4の流れを切り換え可能なバルブである。上述した各弁の配置、機能については後述する。
塩水タンク4は、イオン交換樹脂床211を再生する再生液としての塩水W4を貯留する液タンクである。塩水W4は、陽イオン交換樹脂ビーズを用いる硬水軟化装置においては、塩化ナトリウム、塩化カリウムの各水溶液等を利用することができる。
塩水タンク4は、圧力タンク2よりも重力方向における上方に配置されている。塩水タンク4は、重力方向と直交する方向に、原水タンク6と略並列な位置に配置されている。また、塩水タンク4から圧力タンク2への塩水W4の供給が終了した時の水頭圧差heW4が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW4に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように、塩水タンク4の液面44と第1排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されている。
このように、本実施形態の硬水軟化装置1は、塩水タンク4の液面44と第1排水ラインL5の開放末端部51との間の水頭圧差hsW4〜heW4により、塩水タンク4から圧力タンク2へ塩水W4が流下するように構成されている。
詳細については後述するが、制御装置5は、フロースイッチ321から入力された検出信号等に基づいて、各弁311〜318の動作を制御する。また、制御装置5は、後述するメモリ部59に予め記憶された制御プログラムに従って、例えば、水処理プロセスST1の流路や再生プロセスST5の流路を切り換えるように、各弁311〜318を制御する。
原水タンク6は、原水ラインL1から接続部J11及び第1補水ラインL7を経て供給された原水W1を貯留する液タンクである。原水W1としては、水道水、地下水、工業用水等を利用することができる。
原水タンク6は、圧力タンク2よりも重力方向における上方に配置されている。また、原水タンク6から圧力タンク2への原水W1の供給が終了した時の水頭圧差heW1が、その供給を開始した時の水頭圧差hsW1に対して0.7〜0.9倍の範囲となるように原水タンク6の液面64と第1排水ラインL5の開放末端部51との位置が設定されている。
このように、本実施形態の硬水軟化装置1は、原水タンク6における液面64と第1排水ラインL5の開放末端部51との間の水頭圧差hsW1〜heW1により、原水タンク6から圧力タンク2へ原水W1が流下するように構成されている。
次に、上述した圧力タンク2、ライン/弁等、塩水タンク4、制御装置5、及び原水タンク6の構成について詳細に説明する。
圧力タンク2において、圧力タンク本体21の頂部には、原水ラインL1の他方の端部が配置されている。水処理プロセスST1において、原水ラインL1を流通する原水W1は、圧力タンク本体21の頂部から圧力タンク2の内部に供給される。一方、圧力タンク本体21の底部には、軟水ラインL2の一方の端部が配置されている。すなわち、水処理プロセスST1において、圧力タンク2の内部でイオン交換樹脂床211により処理されて得られた軟水W2は、圧力タンク2の底部から軟水ラインL2を流通する。
また、圧力タンク2に配置された、原水ラインL1の他方の端部には、樹脂ビーズの流出を防止する頂部スクリーン241が設けられている。頂部スクリーン241は、樹脂ビーズよりも小さな多数の開孔を有する(後述する底部スクリーン242も同様)。頂部スクリーン241は、原水ラインL1の他方の端部と連通する。頂部スクリーン241による配液位置及び集液位置は、イオン交換樹脂床211の頂部付近に設定される。頂部スクリーン241は、水処理プロセスST1において、イオン交換樹脂床211の頂部から原水W1を配液する頂部配液部、及び、再生プロセスST5において、イオン交換樹脂床211の頂部から塩水W4を集液する頂部集液部として機能する。
圧力タンク2において、圧力タンク本体21の底部には、軟水ラインL2の一方の端部が配置されている。圧力タンク本体21内に配置される軟水ラインL2は、合成樹脂製パイプ等を用いた集配液管231となっている。この集配液管231は、イオン交換樹脂床211を貫通して支持床212の下部に到達するように設けられている。
圧力タンク2に配置された、軟水ラインL2(集配液管231)の一方の端部には、樹脂ビーズの流出を防止する底部スクリーン242が設けられている。底部スクリーン242は、軟水ラインL2の一方の端部と連通する。底部スクリーン242による配液位置及び集液位置は、支持床212の下部に設定される。底部スクリーン242は、水処理プロセスST1において、イオン交換樹脂床211の底部から軟水W2を集液する底部集液部、及び、再生プロセスST5において、イオン交換樹脂床211の底部から塩水W4を配液する底部配液部として機能する。
硬水軟化装置1は、その内部に、各種のライン、弁等を備える。すなわち、ラインとして、原水ラインL1と、軟水ラインL2と、希釈水ラインL3と、再生液供給ラインとしての塩水ラインL4と、第1排水ラインL5と、第2排水ラインL9と、バイパスラインL6と、第1補水ラインL7と、第2補水ラインL8と、を備える。後述するように、原水ラインL1の一部は、第1排水ラインL5としても機能する。また、軟水ラインL2の一部は、塩水ラインL4としても機能する。
本実施形態においては、希釈水ラインL3、塩水ラインL4、軟水ラインL2及び第1排水ラインL5は、再生液供給手段として機能する。再生液供給手段は、塩水W4を塩水タンク4から塩水ラインL4を介してイオン交換樹脂床211に供給する。
また、原水ラインL1、バイパスラインL6、軟水ラインL2及び第1排水ラインL5は、圧力タンク2の内部に収容されたイオン交換樹脂床211に撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)を流通させる流通手段として機能する。
また、硬水軟化装置1は、弁として、原水通水弁311と、バイパス弁312と、軟水通水弁313と、塩水弁314と、第1排水弁315と、第2排水弁318と、第1補水弁316と、第2補水弁317と、減圧弁73と、を備える。本実施形態においては、原水通水弁311、バイパス弁312、軟水通水弁313、塩水弁314、第1排水弁315、第1補水弁316、第2補水弁317及び第2排水弁318は、再生液供給手段及び流通手段として機能する。
次に、各ライン及び各弁の構成について説明する。
原水ラインL1は、上流側において、外部の原水供給源(不図示)に接続され、下流側において、圧力タンク2の頂部と連通している。原水ラインL1は、原水W1を圧力タンク本体21及び原水タンク6に供給する供給路を構成する。原水ラインL1には、原水供給源から原水W1が圧送される。例えば、原水W1が水道水であれば、水道圧により原水W1が圧送される。原水ラインL1には、原水供給源から圧力タンク2に向けて順に、接続部J11、減圧弁73、フロースイッチ321、接続部J12、原水通水弁311、及び接続部J13が設けられている。
原水ラインL1の接続部J11には、第1補水ラインL7の上流側が接続されている。原水ラインL1の接続部J12には、バイパスラインL6の上流側の端部と、第2補水ラインL8の上流側の端部と、が接続されている。原水ラインL1の接続部J13には、第1排水ラインL5の上流側の端部が接続されている。後述するように、原水ラインL1において、接続部J13よりも下流側は、第1排水ラインL5としても機能する。
減圧弁73は、原水W1を所定の水圧まで減圧する弁である。減圧弁73は、原水ラインL1の接続部J11の下流側に設けられている。
フロースイッチ321は、原水ラインL1における減圧弁73と接続部J12との間に設けられている。フロースイッチ321は、制御装置5と電気的に接続されている。フロースイッチ321は、原水ラインL1において所定の水流を検知すると、検出信号を制御装置5に出力する。すなわち、フロースイッチ321は、原水ラインL1に所定流量の原水W1が流通したことを検知すると、検出信号を制御装置5に出力する。
原水通水弁311は、原水ラインL1において、接続部J12と接続部J13との間に設けられている。原水通水弁311は、原水ラインL1における原水W1の流通を制御する。原水通水弁311は、弁体の駆動部が制御装置5と電気的に接続されている。原水通水弁311における弁の開閉は、制御装置5により制御される。
第1補水ラインL7は、上流側において、原水ラインL1の接続部J11に接続され、下流側において、原水タンク6に接続されている。第1補水ラインL7は、第1補水プロセスST3及び第2補水プロセスST6において、原水ラインL1の接続部J11から流通する原水W1を、原水タンク6に供給する供給路を構成する。
軟水ラインL2は、一方の端部において、圧力タンク2の底部と連通し、他方の端部において、需要箇所(図示せず)に接続されている。軟水ラインL2は、イオン交換樹脂床211により処理されて得られた軟水W2を需要箇所に供給するための供給路を主として構成する。軟水ラインL2には、圧力タンク2から需要箇所に向けて順に、接続部J23、接続部J21、軟水通水弁313、及び接続部J22が設けられている。
軟水ラインL2の接続部J23には、第2排水ラインL9の上流側の端部が接続されている。軟水ラインL2の接続部J21には、塩水ラインL4の下流側の端部が接続されている。軟水ラインL2において、接続部J21よりも圧力タンク2側は、塩水ラインL4としても機能する。また、軟水ラインL2の接続部J22には、バイパスラインL6の下流側の端部が接続されている。
軟水通水弁313は、軟水ラインL2において、接続部J21と接続部J22との間に設けられている。軟水通水弁313は、軟水ラインL2における軟水W2の流通を制御する。軟水通水弁313は、弁体の駆動部が制御装置5と電気的に接続されている。軟水通水弁313における弁の開閉は、制御装置5により制御される。
塩水ラインL4は、上流側において、塩水タンク4のタンク領域41(後述)に接続され、下流側において軟水ラインL2の接続部J21に接続されている。塩水ラインL4は、圧力タンク2と塩水タンク4とを接続し、イオン交換樹脂床211を再生させるための塩水W4を圧力タンク2に供給するための供給路を構成する。
塩水ラインL4には、塩水タンク4から軟水ラインL2の接続部J21に向けて順に、第2逆止弁72と、塩水弁314と、接続部J4と、が設けられている。第2逆止弁72は、塩水W4の流れを、塩水タンク4から圧力タンク本体21へ流下させる方向へのみ規制する。塩水弁314は、塩水ラインL4における塩水W4の流通を制御する。塩水弁314は、弁体の駆動部が制御装置5と電気的に接続されている。塩水弁314における弁の開閉は、制御装置5により制御される。
希釈水ラインL3は、上流側において、原水タンク6の底部に接続され、下流側において、塩水ラインL4の接続部J4に接続されている。希釈水ラインL3は、主として、再生プロセスST5において塩水W4を希釈するための原水Wを塩水ラインL4に供給するため、及び、押出プロセスST7においてイオン交換樹脂床211内の塩水W4を押し出す原水W1を、圧力タンク2に供給するための供給路を構成する。希釈水ラインL3には、第1逆止弁71が設けられている。第1逆止弁71は、原水W1の流れを、原水タンク6から圧力タンク本体21へ流下させる方向へのみ規制する。
第1排水ラインL5の一方の端部は、大気に開放されており、開放末端部51を構成する。また、第1排水ラインL5の他方の端部は、原水ラインL1の接続部J13に接続されている。第1排水ラインL5は、各種の排水W5を系外に排水するための排水路を構成する。
原水ラインL1の下流側は、圧力タンク2の頂部と連通している。前述したように、原水ラインL1において、接続部J13よりも下流側は、第1排水ラインL5としても機能する。従って、第1排水ラインL5の他方の端部は、原水ラインL1を介して圧力タンク2に接続されており、接続端部(接続部J13)を構成する。第1排水ラインL5には、圧力タンク2から開放末端部51に向けて順に、接続部J13、第1排水弁315、及び接続部J5が設けられている。
第1排水弁315は、第1排水ラインL5における接続部J13と接続部J5との間に設けられている。第1排水弁315は、第1排水ラインL5における排水W5又は塩水W4の流通を制御する。第1排水弁315は、弁体の駆動部が制御装置5と電気的に接続されている。第1排水弁315における弁の開閉は、制御装置5により制御される。
第2排水ラインL9は、上流側において、軟水ラインL2の接続部J23に接続され、下流側において、第1排水ラインL5の接続部J5に接続されている。第2排水弁318は、第2排水ラインL9に設けられている。第2排水弁318は、弁体の駆動部が制御装置5と電気的に接続されている。第2排水弁318における弁の開閉は、制御装置5により制御される。
バイパスラインL6は、上流側において、原水ラインL1の接続部J12に接続され、下流側において、軟水ラインL2の接続部J22に接続されている。バイパスラインL6は、再生プロセスST5等において、圧力タンク2を介さずに需要箇所に原水W1を供給するための供給路を構成する。
バイパス弁312は、バイパスラインL6に設けられている。バイパス弁312は、バイパスラインL6における原水W1の流通を制御する。バイパス弁312は、弁体の駆動部が制御装置5と電気的に接続されている。バイパス弁312における弁の開閉は、制御装置5により制御される。
第2補水ラインL8は、一方の端部において、原水ラインL1の接続部J12に接続され、他方の端部において、塩水タンク4と連通している。第2補水ラインL8は、第3補水プロセスST10において、原水ラインL1の接続部J12から流通する原水W1を、塩水タンク4に供給する供給路を構成する。
塩水タンク4は、タンク領域41と、塩載置部42と、ネット43と、を備える。タンク領域41は、塩水タンク4における塩水W4の貯留部を構成する。塩載置部42は、タンク領域41の内部に配置されている。塩載置部42の底部には、透水性を有するネット43が設けられている。塩載置部42には、原水W1に溶解させる塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム等)が載置されている。第2補水ラインL8の他方の端部は、タンク領域41に向けて開放されている。第2補水ラインL8から供給された原水W1は、第2補水ラインL8の他方の端部からタンク領域41に向けて流下する。塩載置部42に載置された塩は、タンク領域41に貯留された原水W1により溶解され、塩水W4が生成される。
塩水タンク4の底部には、塩水ラインL4の上流側の端部が接続されている。再生プロセスST5において、タンク領域41の内部に貯留された塩水W4は、塩水タンク4における液面44と第1排水ラインL5の開放末端部51との間の水頭圧差により、塩水ラインL4を流下する。この塩水W4は、塩水ラインL4の接続部J4において、希釈水ラインL3を流下した原水W1と混合して希釈される。希釈された塩水W4は、軟水ラインL2の一部を流下して圧力タンク2に供給され、底部スクリーン242からイオン交換樹脂床211の底部に配液される。
更に、塩水タンク4のタンク領域41には、第1検出電極45と、第1接地電極46と、が設けられている。第1検出電極45及び第1接地電極46は、タンク領域41において、塩水W4が満水か否か(すなわち、補水が必要か否か)を検出するための設備である。第1検出電極45及び第1接地電極46は、それぞれ棒状の金属部材により構成されている。
第1検出電極45は、長手方向における一方(下方)の端部がタンク領域41の内部に位置し、他方(上方)の端部がタンク領域41の外部に位置している。第1検出電極45の一方の前記端部の位置は、タンク領域41の内部に塩水W4が満水となったときの液面44と一致している。第1接地電極46は、長手方向における一方(下方)の端部がタンク領域41の底部近傍に位置し、他方(上方)の端部がタンク領域41の外部に位置している。第1検出電極45及び第1接地電極46は、それぞれ他方の前記端部において制御装置5と電気的に接続されている。第1検出電極45と第1接地電極46との間には、制御装置5から所定の電圧が印加されている。
後述する第3補水プロセスST10において、タンク領域41に貯留された塩水W4が満水でない場合、塩水W4の液面44は、第1接地電極46には達しても、第1検出電極45には達しない。この場合には、第1検出電極45と第1接地電極46との間が短絡しないので、制御装置5は、短絡電流を検知しない。制御装置5は、第3補水プロセスST10において、短絡電流を検知しない場合には、第2補水弁317を開状態として、塩水タンク4への原水W1の補水を開始する。
一方、タンク領域41に貯留された塩水W4が満水になると、塩水W4の液面44は、第1接地電極46に達するだけでなく、第1検出電極45の下方の端部に達する。この場合には、第1検出電極45と第1接地電極46との間が短絡するので、制御装置5は、短絡電流を検知する。制御装置5は、第3補水プロセスST10において、短絡電流を検知した場合には、第2補水弁317を閉状態として、塩水タンク4への原水W1の補水を停止する。これにより、塩水タンク4のタンク領域41には、所定量(満水)の塩水W4が貯留される。
また、塩水タンク4の上部には、オーバーフロー管(不図示)が取り付けられている。このオーバーフロー管は、上述した第1検出電極45と第1接地電極46との間において、短絡電流を正常に検知できなかった場合に、超過した塩水W4を系外に排出するための設備である。
原水タンク6には、第2検出電極65と、第2接地電極66と、が設けられている。第2検出電極65及び第2接地電極66は、原水タンク6において、原水W1が満水か否か(すなわち、補水が必要か否か)を検出するための設備である。第2検出電極65及び第2接地電極66は、それぞれ棒状の金属部材により構成されている。
第2検出電極65は、長手方向における一方(下方)の端部が原水タンク6の内部に位置し、他方(上方)の端部が原水タンク6の外部に位置している。第2検出電極65の一方の前記端部の位置は、原水タンク6の内部に原水W1が満水となったときの液面64と一致している。第2接地電極66は、長手方向における一方(下方)の端部が原水タンク6の底部近傍に位置し、他方(上方)の端部が原水タンク6の外部に位置している。第2検出電極65及び第2接地電極66は、それぞれ他方の前記端部において制御装置5と電気的に接続されている。第2検出電極65と第2接地電極66との間には、制御装置5から所定の電圧が印加されている。
後述する第1補水プロセスST3及び第2補水プロセスST6において、原水タンク6に貯留された原水W1が満水でない場合、原水W1の液面64は、第2接地電極66には達しても、第2検出電極65には達しない。この場合には、第2検出電極65と第2接地電極66との間が短絡しないので、制御装置5は、短絡電流を検知しない。制御装置5は、第1補水プロセスST3及び第2補水プロセスST6において、短絡電流を検知しない場合には、第1補水弁316を開状態として、原水タンク6への原水W1の補水を開始する。
一方、原水タンク6に貯留された原水W1が満水になると、原水W1の液面64は、第2検出電極65の下方の端部に達する。この場合には、第2検出電極65と第2接地電極66との間が短絡するので、制御装置5は、短絡電流を検知する。制御装置5は、第1補水プロセスST3及び第2補水プロセスST6において、短絡電流を検知した場合には、第1補水弁316を閉状態として、原水タンク6への原水W1の補水を停止する。これにより、原水タンク6には、所定量(満水)の原水W1が貯留される。
また、原水タンク6の上部には、オーバーフロー管(不図示)が取り付けられている。このオーバーフロー管は、上述した第2検出電極65と第2接地電極66との間において、短絡電流を正常に検知できなかった場合に、溢れた原水W1を系外に排出するための設備である。
上記構成のように構成された硬水軟化装置1において、制御装置5は、各弁311〜318の開閉を制御することにより、図2に示す以下のプロセスST1〜ST10を順次実施する。制御装置5は、後述するメモリ部59に記憶された各プロセスの処理手順に関するデータに基づいて、所定の弁開閉信号を各弁311〜318に出力する。なお、各弁311〜318の開閉は、それぞれの弁に設けられた弁体の駆動部(不図示)により制御される。弁体の駆動部は、制御装置5により出力された弁開閉信号に基づいて、弁体の開閉を制御する。以下の説明において、弁を開くことを「開状態」といい、弁を閉じることを「閉状態」という。
(ST1)原水W1をイオン交換樹脂床211に対して上から下へ通過させる水処理プロセス(水軟化プロセス)
(ST2)洗浄液としての原水W1をイオン交換樹脂床211に対して下から上へ通過させる逆洗浄プロセス
(ST3)再生プロセスST5に先立ち、原水タンク6に希釈水としての原水W1を補水する第1補水プロセス
(ST4)原水W1を第1排水ラインL5から強制排水して、第1排水ラインL5の内部に滞留しているエアを排出する(エア抜きする)と共に、第1排水ラインL5に溜まったゴミ等を除去することにより、再生不良を防止する呼び水プロセス
(ST5)再生液としての塩水W4をイオン交換樹脂床211に対して下から上へ通過させる再生プロセス
(ST5’)再生プロセスST5の実行中に排水W5の排水を停止する第1通液停止プロセス
(ST6)押出プロセスST7に先立ち、原水タンク6に押出水としての原水W1を補水する第2補水プロセス
(ST7)押出水としての原水W1をイオン交換樹脂床211に対して下から上へ通過させる押出プロセス
(ST7’)押出プロセスST7の実行中に排水W5の排水を停止する第2通液停止プロセス
(ST8)濯ぎ水としての原水W1をイオン交換樹脂床211に対して上から下へ通過させるリンス・プロセス
(ST9)イオン交換樹脂床211に撹拌用流体を流通させてイオン交換樹脂床211を撹拌する撹拌プロセス
(ST10)次回の再生プロセスST5で使用する塩水W4を調製するために、塩水タンク4に原水W1を補水する第3補水プロセス
また、各弁311〜318の開閉は、図3に示すように、プロセスST1〜ST10毎に、制御装置5により制御される。その結果、圧力タンク2の内部は、プロセスST1〜ST10毎に、流体の流れが生成される状態か、或いは、流体の流れが生成されない状態となる。
次に、本実施形態における硬水軟化装置1の運転方法(動作)について詳細に説明する。なお、水処理プロセスST1を除く各プロセスST2〜ST10においては、バイパス弁312が開状態となっている。そのため、原水ラインL1の接続部J11よりも下流側を流通する過剰な原水W1は、接続部J12からバイパスラインL6へ流通し、接続部J22及び軟水ラインL2を介して、軟水W2の需要箇所へ一時的に供給される。
〔水処理プロセスST1〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST1に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる水道水、地下水、工業用水等の原水W1は、原水ラインL1を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、頂部スクリーン241から配液される。頂部スクリーン241から配液された原水W1は、イオン交換樹脂床211を下降流で通過する。その過程において、原水W1の硬度成分は、ナトリウムイオン(又は、カリウムイオン)へ置換され、原水W1は軟水化される。
イオン交換樹脂床211を通過した処理水(軟水W2)は、圧力タンク2の底部で底部スクリーン242へ集液される。その後、軟水W2は、軟水ラインL2を介して、軟水W2の需要箇所へ供給される。そして、所定量の軟水W2を採取することにより、イオン交換樹脂床211が硬度成分を置換できなくなると、制御装置5は、逆洗浄プロセスST2以降のプロセスを実施する。
〔逆洗浄プロセスST2〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST2に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11及びJ12を経てバイパスラインL6を流通し、軟水ラインL2を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、底部スクリーン242から配液される。底部スクリーン242から配液された原水W1は、イオン交換樹脂床211を上降流で通過する。その過程において、イオン交換樹脂床211を上昇流で通過する原水により、イオン交換樹脂床211は逆洗浄される。これにより、イオン交換樹脂床211に堆積したゴミや懸濁物質等は、原水W1と共に、原水ラインL1から接続部J13を経て第1排水ラインL5を流通し、排水W5として第1排水ラインL5の開放末端部51から外部に排出される。
〔第1補水プロセスST3〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST3に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11を経て第1補水ラインL7を流通し、原水タンク6に補水される。ここでは、前回の押出プロセスST7で減少した原水タンク6の液位が満水になるまで原水W1が補水される。
〔呼び水プロセスST4〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST4に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11、J12及びJ13を経て第1排水ラインL5を流通し、排水W5として第1排水ラインL5の開放末端部51から外部に排出される。
〔再生プロセスST5〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST5に示す開閉状態に設定される。その結果、塩水タンク4の内部に貯留された塩水W4は、塩水タンク4の液面44と第1排水ラインL5の開放末端部51との水頭圧差により、塩水ラインL4を介して流下する。同時に、原水タンク6の内部に貯留された原水W1は、原水タンク6の液面64と第1排水ラインL5の開放末端部51との水頭圧差により、希釈水ラインL3を介して流下する。各ラインを流下した塩水W4と原水W1とは、塩水ラインL4の接続部J4で混合され、所定濃度の塩水W4となる。この塩水W4は、塩水ラインL4を介して、圧力タンク2の底部に配置された底部スクリーン242から配液され、圧力タンク本体21の内部を上昇流で通過する。その過程において、塩水W4は、イオン交換樹脂床211を再生する。このようにして、再生プロセスST5は、圧力タンク2の内部で塩水W4(再生液)の上昇流を生成してイオン交換樹脂床211を再生させる。使用済みの塩水W4は、圧力タンク2の頂部に配置された頂部スクリーン241で集液され、第1排水ラインL5を介して系外に排水される。この再生プロセスST5は、所定時間T1実行され、所定量の塩水W4を供給することにより完了する。なお、再生プロセスST5の実行中には、第1補水プロセスST3、第2補水プロセスST6及び第3補水プロセスST10は、実行されない。
〔第1通液停止プロセスST5’〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST5’に示す開閉状態に設定される。図3のST5’に示す開閉状態は、再生プロセスST5における各弁311〜318の開閉状態から、第1排水弁315のみが開状態から閉状態へ切り換えられた状態である。その結果、再生プロセスST5における使用済みの塩水W4は、系外へ排水されずに、イオン交換樹脂床211の内部に貯留される。この第1通液停止プロセスST5’は、所定時間T2実行される。これにより、イオン交換樹脂床211は、圧力タンク2の内部に貯留された塩水W4に所定時間T2浸漬される。なお、第1通液停止プロセスST5’は、塩水W4の供給中に一時的に停止に切り換えるものであり、実質的には再生プロセスST5に包含されるプロセスである。
〔第2補水プロセスST6〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST6に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11を経て第1補水ラインL7を流通し、原水タンク6に供給される。ここでは、再生プロセスST5で減少した原水タンク6の液位が満水になるまで原水W1が補水される。
〔押出プロセスST7〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST7に示す開閉状態に設定される。その結果、塩水W4が塩水ラインL4を介して流下しなくなり、原水タンク6の内部に貯留された原水W1のみが希釈水ラインL3及び塩水ラインL4を介して流下する。流下した原水W1は、圧力タンク2の底部に配置された底部スクリーン242から配水され、圧力タンク本体21の内部を上昇流で通過する。その過程において、原水W1は、先行して供給された塩水W4を押し出しながら、引き続き、イオン交換樹脂床211を再生する。このようにして、押出プロセスST7は、圧力タンク2の内部で原水W1及び塩水W4(再生液)の上昇流を生成してイオン交換樹脂床211を再生させる。つまり、押出プロセスST7は、広義的には再生プロセスに含まれる。使用済みの原水W1及び塩水W4は、圧力タンク2の頂部に配置された頂部スクリーン241で集水され、第1排水ラインL5を介して系外に排水される。この押出プロセスST7は、所定時間T1実行され、所定量の原水W1を供給して塩水W4を押し出すことにより完了する。なお、押出プロセスST7の実行中には、第1補水プロセスST3、第2補水プロセスST6及び第3補水プロセスST10は、実行されない。
〔第2通液停止プロセスST7’〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST7’に示す開閉状態に設定される。図3のST7’に示す開閉状態は、押出プロセスST7における各弁311〜318の開閉状態から、第1排水弁315のみが開状態から閉状態へ切り換えられた状態である。その結果、押出プロセスST7における原水W1及び塩水W4は、系外へ排水されずに、イオン交換樹脂床211の内部に貯留される。この第2通液停止プロセスST7’は、所定時間T2実行される。これにより、イオン交換樹脂床211は、圧力タンク2の内部に貯留された原水W1及び塩水W4に所定時間T2浸漬される。なお、第2通液停止プロセスST7’は、原水W1の供給中に一時的に停止に切り換えるものであり、実質的には押出プロセスST7に包含されるプロセスである。
〔リンス・プロセスST8〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST8に示す開閉状態に設定される。その結果、原水通水弁311、バイパス弁312及び第2排水弁318が開状態になる。原水通水弁311が開状態になると、原水ラインL1には、外部の原水供給源(不図示)から原水W1が圧送される。この原水W1は、原水ラインL1を介して、圧力タンク2へ流通する。そして、原水W1は、圧力タンク2の頂部に配置された頂部スクリーン241から配水され、圧力タンク本体21の内部を下降流で通過する。その過程において、原水W1は、イオン交換樹脂床211の内部に残留する塩水W4を洗い流しながら、イオン交換樹脂床211をリンスする。使用済みの原水W1は、圧力タンク2の底部に配置された底部スクリーン242で集水され、軟水ラインL2、接続部J23、第2排水ラインL9、接続部J5、第1排水ラインL5を介して系外に排水される。このリンス・プロセスST8は、フロースイッチ321による水流有りの積算検知時間が所定時間に達するまで実行され、所定量の原水W1を供給することにより完了する。
このように、リンス・プロセスST8においては、外部の原水供給源から圧送された原水W1が圧力タンク2へ流通する。従って、圧力タンク2への単位時間当たりの原水供給量は、押出プロセスST7の場合よりも大きくなる。このため、イオン交換樹脂床211の内部に残留する塩水W4は、速やかに洗い流される。
〔撹拌プロセスST9〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST9に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11及びJ12を経てバイパスラインL6を流通し、軟水ラインL2を介して、圧力タンク本体21の内部に供給され、底部スクリーン242から配液される。底部スクリーン242から配液された原水W1の水流及び/又は空気流で構成される撹拌用流体は、イオン交換樹脂床211を上降流で通過する。その過程において、撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)は、イオン交換樹脂床211の陽イオン交換樹脂ビーズを略均一に混合する。ここでいう「イオン交換樹脂床211の陽イオン交換樹脂ビーズを略均一に混合する」とは、陽イオン交換樹脂ビーズの対イオン分布(Na型樹脂ビーズやCa型樹脂ビーズの分布)を略均一にするように、撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)により陽イオン交換樹脂ビーズを混合することである。陽イオン交換樹脂ビーズの物理化学的性質や使用量等に基づいて、制御装置5からの指令により、圧力タンク2に所定時間の間原水W1を供給することにより、撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)が生成されて、陽イオン交換樹脂ビーズの分布は、略均一化される。
〔第3補水プロセスST10〕
制御装置5からの指令信号により、各弁311〜318は、図3のST10に示す開閉状態に設定される。その結果、原水ラインL1を流れる原水W1は、原水ラインL1から接続部J11及びJ12を経て第2補水ラインL8を流通し、塩水タンク4に供給される。ここでは、再生プロセスST5で減少した塩水タンク4の液位が満水になるまで原水W1が補水される。これにより、次回の再生プロセスST5で使用する塩水W4が調製される。制御装置5は、第3補水プロセスST10が終了すると、各弁311〜318を水処理プロセスST1の状態に復帰させる。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る硬水軟化装置1の制御に係る機能について説明する。図4は、硬水軟化装置1の制御に係る機能ブロック図である。
制御装置5は、硬水軟化装置1における各部を制御する。図4に示すように、制御装置5は、原水通水弁311と、バイパス弁312と、軟水通水弁313と、塩水弁314と、第1排水弁315と、第2排水弁318と、第1補水弁316と、第2補水弁317と電気的に接続される。
また、制御装置5は、硬水軟化装置1における各測定装置に電気的に接続され、各測定装置から測定情報を受信する。例えば、制御装置5は、フロースイッチ321に電気的に接続され、フロースイッチ321により検出された原水流量情報を受信する。
また、制御装置5は、塩水タンク4のタンク領域41に設けられている第1検出電極45及び第1接地電極46に電気的に接続され、第1検出電極45と第1接地電極46との間に流れる短絡電流の検知信号を受信する。
また、制御装置5は、原水タンク6に設けられている第2検出電極65及び第2接地電極66に電気的に接続され、第2検出電極65と第2接地電極66との間に流れる短絡電流の検知信号を受信する。
また、制御装置5は、再生液供給手段及び流通制御手段としてのバルブ制御部52と、供給時間設定部53と、残部算出部54と、残部判定部55と、メモリ部59とを含んで構成される。
供給時間設定部53は、分割再生液量Q2をメモリ部59から読み込むと共に、メモリ部59に記憶された記憶テーブルの情報を参照して、分割再生液量Q2に基づいて、分割再生液量Q2を供給するための塩水W4の供給時間T1を設定する。分割再生液量Q2の塩水W4の供給時間T1は、再生プロセスST5のバルブ状態から第1通液停止プロセスST5’のバルブ状態に切り換えるまでの時間に対応する。
また、本実施形態における「分割再生液量Q2」とは、再生プロセスST5でイオン交換樹脂床211に供給すべき塩水W4の総再生液量のうち、一部の塩水W2の液量のことである。
また、塩水W4の分割再生液量Q2は、イオン交換樹脂床211の空隙部分に相当する量である空隙相当量以上に設定される。これは、塩水W4の分割再生液量Q2が空隙相当量以上であれば、イオン交換樹脂床211の全体を塩水W4に浸漬させることができるためである。
残部算出部54は、塩水W4の総再生液量Q1及び一部の分割再生液量Q2A(Q2)をメモリ部59から読み込むと共に、総再生液量Q1から一部の分割再生液量Q2A(Q2)を減じた残部の分割再生液量Q2B(Q2)を算出する。「残部の分割再生液量Q2B(Q2)」とは、再生プロセスST5でイオン交換樹脂床211に供給すべき塩水W4の総再生液量Q1から、一部の分割再生液量Q2A(Q2)を減じた場合における残りの塩水W2の液量のことである(Q2B=Q1−Q2A)。なお、残部の分割再生液量Q2Bは、一部の分割再生液量Q2Aと同じ量であってもよいし、異なる量であってもよい。
残部判定部55は、残部算出部54により算出された算出結果に基づいて、分割再生液量Q2Aの塩水W4が供給された後に、再生プロセスST5においてイオン交換樹脂床211に供給すべき塩水W4が残存するか否かを判定する。
バルブ制御部52は、フロースイッチ321から出力された検出信号(原水ラインL1を所定量の原水W1が流通したことを検知したときに出力される信号)、第1検出電極45及び第1接地電極46の短絡電流の検出信号、第2検出電極65及び第2接地電極66の短絡電流の検出信号、タイマ等の情報に基づいて、メモリ部59を参照して、硬水軟化装置1で実行すべき処理を設定する。
バルブ制御部52は、硬水軟化装置1で実行すべき処理により、水処理プロセスST1、逆洗浄プロセスST2、第1補水プロセスST3、呼び水プロセスST4、再生プロセスST5、第1通液停止プロセスST5’、第2補水プロセスST6、押出プロセスST7、第2通液停止プロセスST7’、リンス・プロセスST8、撹拌プロセスST9及び第3補水プロセスST10を切り換えるように、原水通水弁311、バイパス弁312、軟水通水弁313、塩水弁314、第1排水弁315、第2排水弁318、第1補水弁316及び第2補水弁317を切り換える。
バルブ制御部52は、再生プロセスST5において、各弁311〜318を次のように制御する。すなわち、まずバルブ制御部52は、イオン交換樹脂床211に供給すべき総再生液量Q1の塩水W4のうち、一部の分割再生液量Q2Aの塩水W4をイオン交換樹脂床211へ所定の供給時間T1供給するように、各弁311〜318を再生プロセスST5のバルブ状態に制御する。そして、その後に、バルブ制御部52は、イオン交換樹脂床211を塩水W4に浸漬させた状態で、イオン交換樹脂床211への塩水W4の供給を所定の停止時間T2停止するように、各弁311〜318を第1通液停止プロセスST5’のバルブ状態に制御する。そして、その後に、バルブ制御部52は、残部算出部54の算出結果に基づいて、総再生液量Q1から一部の分割再生液量Q2Aを減じた残部の分割再生液量Q2Bの塩水W4をイオン交換樹脂床211に供給するように、各弁311〜318を再生プロセスST5のバルブ状態に制御する。
具体的には、バルブ制御部52は、分割再生液量Q2の塩水W4を供給する際の供給時間T1が1分以上で且つ塩水W4の停止時間T2が5分以上になるように、各弁311〜318を制御する。例えば、本実施形態においては、分割再生液量Q2の塩水W4を供給する際の供給時間T1は、6分に設定される。また、塩水W4の供給を停止する停止時間T2は、10分に設定される。
また、バルブ制御手段52は、残部の分割再生液量Q2Bの塩水W4を2〜4回に分けてイオン交換樹脂床211に供給するように、各弁311〜318を制御する。これにより、バルブ制御手段52は、総再生液量Q1の塩水W4を2回に分けて供給することができると共に、更に、残部の分割再生液量Q2Bを2〜4回に分けることにより、総再生液量Q1の塩水W4を3〜5回に分けて供給することもできる。
また、バルブ制御部52は、再生プロセスST5の後に実行される撹拌プロセスST9において、撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)をイオン交換樹脂床211に上昇流で流通させることにより陽イオン交換樹脂ビーズを略均一に混合するように、各弁311〜318を制御する。具体的には、バルブ制御部52は、メモリ部59に記憶されたイオン交換樹脂ビーズの物理化学的性質や使用量等の情報に基づいて、圧力タンク2に所定時間の間、原水W1を供給することにより撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)を生成して、陽イオン交換樹脂ビーズの分布を略均一化する。
メモリ部59は、硬水軟化装置1の制御に必要な制御プログラムや各種データ等を記憶する。具体的には、メモリ部59は、硬水軟化装置1の各種運転モードを動作させる制御プログラム、各種計算値、各種設定値(例えば、1回の総再生液量Q1、分割再生液量Q2)、記憶テーブル(例えば、分割再生液量Q2に対応する供給時間T1)等を記憶する。
次に、本実施形態の硬水軟化装置1の動作について、図2及び図5を参照しながら説明する。図5は、硬水軟化装置1の制御を示すフローチャートである。
本実施形態では、図2における水処理プロセスST1〜呼び水プロセスST4まで順次実行された後のフローについて説明する。また、本実施形態においては、再生プロセスST5において、総再生液量Q1の塩水W4を3等分に分割した分割再生液量Q2の塩水W4を、3回に分けて供給する場合(Q1=Q2×3)について説明する。
図5に示すように、図2に示す呼び水プロセスST4の実行後のステップST101において、供給時間設定部53は、総再生液量Q1及び分割再生液量Q2を読み込む。分割再生液量Q2は、イオン交換樹脂床211の空隙部分に相当する量である空隙部分相当量以上に設定される。
ステップST102において、供給時間設定部53は、メモリ部59に記憶された情報を参照して、1回目に供給する分割再生液量Q2の塩水W4の供給時間T1を設定する。
ステップST103において、バルブ制御部52は、呼び水プロセスST4から再生プロセスST5に切り換えるように、各弁311〜318を制御する。そして、各弁311〜318は、図3のST5に示す開閉状態に設定される。
ステップST104において、バルブ制御部52は、再生プロセスST5を供給時間T1実行する。供給時間T1は、分割再生液量Q2の塩水W4を圧力タンク2に供給する時間である。本実施形態においては、例えば、供給時間T1は、6分に設定される。再生プロセスST5が供給時間T1実行されることで、イオン交換樹脂床211には、イオン交換樹脂床211の空隙相当量以上の分割再生液量Q2の塩水W4が供給される。これにより、イオン交換樹脂床211の全体は、分割再生液量Q2の塩水W4に接触した状態で浸漬される。そして、イオン交換樹脂床211は、その全体が塩水W4に接触した状態で再生される。
ステップST105において、バルブ制御部52は、再生プロセスST5から第1通液停止プロセスST5’に切り換えるように、各弁311〜318を制御する。具体的には、再生プロセスST5における各弁311〜318の開閉状態から、第1排水弁315のみを開状態から閉状態に切り換える。そして、各弁311〜318は、図3のST5’に示す開閉状態に設定される。
ステップST106において、バルブ制御部52は、第1通液停止プロセスST5’を停止時間T2実行する。本実施形態においては、例えば、停止時間T2は、10分に設定される。第1通液停止プロセスST5’が停止時間T2実行されることで、イオン交換樹脂床211は、停止時間T2の間、塩水W4に浸漬される。これにより、供給時間T1に加えて、停止時間T2の分だけ陽イオン交換樹脂ビーズと塩水W4の接触時間が延長され、イオン交換樹脂床211の再生効率を向上させることができる。
ステップST107において、残部判定部55は、再生プロセスST5で供給すべき塩水W4が残存するか否かを判定する。
具体的には、残部算出部54は、総再生液量Q1から分割再生液量Q2Aを減じた残部の分割再生液量Q2Bを算出する。そして、残部判定部55は、残部算出部54により算出された算出結果に基づいて、分割再生液量Q2Aの塩水W4が供給された後に、再生プロセスST5で供給すべき塩水W4が残存するか否か(すなわち、残部の分割再生液量Q2Bがゼロか否か)を判定する。
残部判定部55により再生プロセスST5で供給すべき塩水W4が残存すると判定された(YES)場合には、処理は、ステップST103に戻り、再生プロセスST5に切り替えられる。そして、総再生液量Q1から供給済みの分割再生液量を減じた残部の塩水W4がなくなるまで、ステップST103からステップST107までの処理が繰り返して行われる。本実施形態においては、分割再生液量Q2の塩水W4が3回に分けて供給されるため、分割再生液量Q2を供給する再生プロセスST5及び第1通液停止プロセスST5’は、3回繰り返し行われる。つまり、第1通液停止プロセスST5’を含むトータルの再生プロセスST5の実行時間は、「(T1+T2)×3」となる。一方、残部判定部55により1回の再生プロセスST5で供給すべき塩水W4が残存しないと判定された(NO)場合には、処理は、図2に示す第2補水プロセスST6に進む。
このように、総再生液量Q1の塩水W4を分割再生液量Q2に分割し、断続的にイオン交換樹脂床211に供給することにより、塩水W4の供給中に浮上した陽イオン交換樹脂ビーズを定期的に沈降させる。そのため、一度に連続して総再生液量Q1の塩水W4をイオン交換樹脂床211に供給する場合と比べて、陽イオン交換樹脂ビーズの流動が抑制される。これにより、再生プロセスST5におけるイオン交換樹脂床211の再生効率を安定させることができる。
ステップST107の判断がNOの場合には、第2補水プロセスST6の実行後、図2に示すように、第2通液停止プロセスST7’を含む押出プロセスST7が行われる。押出プロセスST7及び第2通液停止プロセスST7’においては、各弁311〜318の切り換え状態が異なるのみで、前述の図5に示すステップST101からステップST107の動作と同じである。つまり、「再生プロセスST5」を「押出プロセスST7」とし、「第1通液停止プロセスST5’」を「第2通液停止プロセスST7’」とした場合と同様である。そのため、押出プロセスST7及び第2通液停止プロセスST7’の説明は、再生プロセスST5及び第1通液停止プロセスST5’の説明を援用して説明を省略する。なお、図5において、総再生液量Q1は、総押出水量Q1(押出プロセスST7でイオン交換樹脂床211に供給すべき総押出水量Q1)と読み替えるものとし、また分割再生液量Q2は、分割押出水量Q2と読み替えるものとする。因みに、総再生液量と総押出水量は、通常は異なる量に設定される。一方、分割再生液量と分割押出水量は、押出プロセスが広義の再生プロセスであるので、両者を同じ量に設定して供給時間T1を一致させるのが望ましい。
図2に示すように、押出プロセスST7の後、リンス・プロセスST8、撹拌プロセスST9、第3補水プロセスST10が順次行われる。リンス・プロセスST8及び第3補水プロセスST10については、前述の説明どおりである。ここでは、撹拌プロセスST9についてのみ簡単に説明する。
図2に示す撹拌プロセスST9において、イオン交換樹脂床211に撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)を上昇流で流通させることにより陽イオン交換樹脂ビーズを略均一に混合する。具体的には、バルブ制御部52は、撹拌プロセスST9に切り換えるように、各弁311〜318を制御する。そのため、プロセス制御バルブ3の各弁311〜318は、図3のST9に示す開閉状態に設定される。そして、バルブ制御部52は、撹拌プロセスST9を所定時間実行する。
これにより、撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)は、イオン交換樹脂床211の陽イオン交換樹脂ビーズを略均一に混合する。従って、圧力タンク2には、所定時間の間、原水W1が供給されて撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)が生成されることにより、陽イオン交換樹脂ビーズの分布は略均一化される。これにより、その後の水処理プロセスST1において、原水W1は、安定した純度の軟水W2に軟水化される。従って、撹拌プロセスST9を設けることで、軟水W2の純度を安定化させることができる。
なお、撹拌用流体として空気流(単相流又は二相流)を生じさせる場合には、例えば、原水ラインL1に外気を吸入させる吸気弁を設けたり、ブロワやエアコンプレッサを使用して原水ラインL1に空気を送ったりすることにより、実施が可能である。
上述した第1実施形態の硬水軟化装置1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態の硬水軟化装置1においては、圧力タンク2の内部で塩水W4の上昇流を生成してイオン交換樹脂床211を再生させる再生プロセスST5において、塩水W4を再生液タンク4から再生液供給ラインL4を介してイオン交換樹脂床211に供給する再生液供給手段(各ラインL1〜L5、各弁311〜318)と、再生プロセスでイオン交換樹脂床211に供給すべき総再生液量Q1のうち、一部の分割再生液量Q2をイオン交換樹脂床211へ所定の供給時間T1供給するように、各弁311〜318を制御し、その後に、イオン交換樹脂床211を塩水W4に浸漬させた状態でイオン交換樹脂床211への塩水W4の供給を所定の停止時間T2停止するように、各弁311〜318を制御し、その後に、総再生液量Q1から一部の分割再生液量Q2Aを減じた残部の分割再生液量Q2Bをイオン交換樹脂床211に供給するように、各弁311〜318を制御するバルブ制御部52と、を備える。
この構成では、総再生液量Q1の塩水W4を分割再生液量Q2(Q2A、Q2B)に分割し、断続的にイオン交換樹脂床211に供給することにより、塩水W4の供給中に浮上した陽イオン交換樹脂ビーズを定期的に沈降させる。そのため、一度に連続して総再生液量Q1の塩水W4をイオン交換樹脂床211に供給する場合と比べて、陽イオン交換樹脂ビーズの流動が抑制される。これにより、再生プロセスST5におけるイオン交換樹脂床211の再生効率を安定させることができる。
また、この構成では、塩水W4を所定の供給時間T1供給した後、塩水W4の供給を所定の停止時間T2停止する。そのため、供給時間T1に加えて、停止時間T2の分だけ陽イオン交換樹脂ビーズと塩水W4との接触時間が延長される。これにより、イオン交換樹脂床211の再生効率を向上させることができる。
更に、この構成では、陽イオン交換樹脂ビーズの流動を抑制するための押さえ水を必要としない。そのため、従来のように、イオン交換樹脂床211の表面付近に集液部を設けることなく、バルブ操作のみで陽イオン交換樹脂ビーズの流動が抑制される。これにより、集配液部を含む圧力タンク2の構造を複雑化することなく、再生プロセスST5を実施することができる。
また、本実施形態の硬水軟化装置1においては、イオン交換樹脂床211に供給する分割再生液量Q2は、イオン交換樹脂床211の空隙部分に相当する量である空隙相当量以上である。そのため、イオン交換樹脂床211の全体は、分割再生液量Q2の塩水W4に接触した状態で浸漬される。これにより、イオン交換樹脂床211は、その全体が塩水W4に接触した状態で再生される。従って、イオン交換樹脂床211の再生効率を一層向上させることができる。
また、本実施形態の硬水軟化装置1においては、バルブ制御部52は、分割再生液量Q2の塩水W4を供給する際の供給時間T1が1分以上で且つ塩水W4の停止時間T2が5分以上になるように、各弁311〜318を制御する。そのため、1分以上の供給時間T1でイオン交換樹脂床211の通液再生が行われると共に、5分以上の停止時間T2でイオン交換樹脂床211の浸漬再生が行われる。従って、イオン交換樹脂床211の再生効率を一層向上させることができる。
また、本実施形態の硬水軟化装置1においては、バルブ制御部52は、残部の分割再生液量Q2を2〜4回に分けてイオン交換樹脂床211に供給するように、各弁311〜318を制御する。そのため、分割再生液量Q2の塩水W4を2〜4回に分けて供給することで、1回あたりの供給時間T1が短縮され、イオン交換樹脂ビーズの流動を一層抑制することができる。従って、イオン交換樹脂床211の再生効率を一層向上させ且つ安定させることができる。
また、本実施形態の硬水軟化装置1においては、イオン交換樹脂床211は、略均一の粒径を有するイオン交換樹脂ビーズからなり、イオン交換樹脂床211に撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)を流通させる流通手段と、再生プロセスST5の後に実行される撹拌プロセスST9において、撹拌用流体(原水W1の水流及び/又は空気流)をイオン交換樹脂床211に上昇流で流通させることによりイオン交換樹脂ビーズを略均一に混合するように、各弁311〜318を制御するバルブ制御部52と、を備える。そのため、撹拌プロセス9において、イオン交換樹脂ビーズの対イオン分布(Na型樹脂ビーズやCa型樹脂ビーズの分布)は均一化される。これにより、その後の水処理プロセスST1において、原水W1は、安定した純度の軟水W2に軟水化される。従って、撹拌プロセスST9を設けることで、軟水W2の純度を安定化させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態では、再生プロセスST5で供給すべき総再生液量Q1の塩水W4を3等分に分割し、分割再生液量Q2の塩水W4を3回に分けて供給する場合について説明したが、これに制限されない。再生プロセスST5で供給すべき総再生液量Q1の塩水W4を、2回、4回又は5回の分割再生液量Q2の塩水W4に分けて供給するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、塩水W4の分割再生液量Q2は、総再生液量Q1を均等に分割する例について説明したが、これに制限されず、分割再生液量Q2それぞれが異なっていてもよい。
前述の実施形態において、図1に示す各ラインや弁等の配置や接続は一例を示したものであり、図1の構成に限定されない。
前述の実施形態では、本発明のイオン交換装置を硬水軟化装置に適用した例について説明したが、本発明の適用はこれに制限されない。例えば、硬水軟化装置におけるイオン交換樹脂のイオン交換樹脂を、陽イオン交換樹脂から陰イオン交換樹脂へ置換すれば、硝酸性窒素除去装置として使用することができる。
1 硬水軟化装置(イオン交換装置)
2 圧力タンク
4 塩水タンク(再生液タンク)
5 制御部
6 原水タンク(液タンク)
52 バルブ制御部(再生液供給制御手段、流通制御手段)
211 イオン交換樹脂床
311 原水通水弁(再生液供給手段、流通手段)
312 バイパス弁(再生液供給手段、流通手段)
313 軟水通水弁(再生液供給手段、流通手段)
314 塩水弁(再生液供給手段、流通手段)
315 第1排水弁(再生液供給手段、流通手段)
316 第2補水弁(再生液供給手段、流通手段)
317 第2補水弁(再生液供給手段、流通手段)
318 第2排水弁(再生液供給手段、流通手段)
L1 原水ライン(再生液供給手段、流通手段)
L2 軟水ライン(再生液供給手段、流通手段)
L3 希釈水ライン(再生液供給手段)
L4 塩水ライン(再生液供給手段)
L5 第1排水ライン(再生液供給手段、流通手段)
L6 バイパスライン(流通手段)
W4 塩水(再生液)

Claims (5)

  1. イオン交換樹脂床が収容される圧力タンクと、
    前記イオン交換樹脂床を再生する再生液が貯留される再生液タンクと、
    前記圧力タンクと前記再生液タンクとを接続する再生液供給ラインと、
    前記圧力タンクの内部で再生液の上昇流を生成して前記イオン交換樹脂床を再生させる再生プロセスにおいて、再生液を前記再生液タンクから前記再生液供給ラインを介して前記イオン交換樹脂床に供給する再生液供給手段と、
    前記再生プロセスで前記イオン交換樹脂床に供給すべき総再生液量のうち、一部の分割再生液量を前記イオン交換樹脂床へ所定の供給時間供給するように前記再生液供給手段を制御し、その後に、前記イオン交換樹脂床を再生液に浸漬させた状態で前記イオン交換樹脂床への再生液の供給を所定の停止時間停止するように前記再生液供給手段を制御し、その後に、前記総再生液量から前記一部の分割再生液量を減じた残部の分割再生液量を前記イオン交換樹脂床に供給するように前記再生液供給手段を制御する再生液供給制御手段と、
    を備える
    イオン交換装置。
  2. 前記イオン交換樹脂床に供給する分割再生液量は、前記イオン交換樹脂床の空隙部分に相当する量である空隙相当量以上である
    請求項1に記載のイオン交換装置。
  3. 前記再生液供給制御手段は、分割再生液量を供給する際の前記供給時間が1分以上で且つ前記停止時間が5分以上になるように、前記再生液供給手段を制御する
    請求項1又は2に記載のイオン交換装置。
  4. 前記再生液供給制御手段は、前記残部の分割再生液量を2〜4回に分けて前記イオン交換樹脂床に供給するように、前記再生液供給手段を制御する
    請求項1〜3のいずれかに記載のイオン交換装置。
  5. 前記イオン交換樹脂床は、略均一の粒径を有するイオン交換樹脂ビーズからなり、
    前記イオン交換樹脂床に撹拌用流体を流通させる流通手段と、
    前記再生プロセスの後に実行される撹拌プロセスにおいて、前記撹拌用流体を前記イオン交換樹脂床に上昇流で流通させることにより前記イオン交換樹脂ビーズを略均一に混合するように、前記流通手段を制御する流通制御手段と、
    を更に備える
    請求項1〜4のいずれかに記載のイオン交換装置。
JP2011027730A 2011-02-10 2011-02-10 イオン交換装置 Withdrawn JP2012166129A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011027730A JP2012166129A (ja) 2011-02-10 2011-02-10 イオン交換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011027730A JP2012166129A (ja) 2011-02-10 2011-02-10 イオン交換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012166129A true JP2012166129A (ja) 2012-09-06

Family

ID=46970838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011027730A Withdrawn JP2012166129A (ja) 2011-02-10 2011-02-10 イオン交換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012166129A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015174047A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社三進製作所 イオン交換樹脂再生装置、および、イオン交換樹脂再生システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015174047A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社三進製作所 イオン交換樹脂再生装置、および、イオン交換樹脂再生システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5403532B2 (ja) 水路を改善した洗濯機
JP4432122B1 (ja) 軟水化装置の運転方法および軟水化装置
WO2019193901A1 (ja) 水処理装置および水処理方法
CN112774737A (zh) 软水树脂再生控制方法及软水机水路系统
JP6221865B2 (ja) イオン交換装置
JP2012166129A (ja) イオン交換装置
CN214528259U (zh) 软水装置
JP5375850B2 (ja) イオン交換装置
JP5714278B2 (ja) 軟水化装置およびイオン交換樹脂再生装置、軟水化装置の再生システム
JP5030025B2 (ja) 塩水生成貯留装置
JP5375842B2 (ja) イオン交換装置
JP2012130848A (ja) イオン交換装置
JP2015166067A (ja) イオン交換装置
JP5375851B2 (ja) イオン交換装置
JP6015737B2 (ja) 再生型イオン交換装置の運転方法
KR20130000713A (ko) 재생수 제조 장치 및 이를 이용한 재생수 제조 방법
CN112573621A (zh) 软水装置及软水控制方法
JP2012143663A (ja) イオン交換装置
JP2012166135A (ja) イオン交換装置
JP3982086B2 (ja) 軟水器の制御方法
JP2012166133A (ja) イオン交換装置
JP4927670B2 (ja) エッチング廃液の再生方法及び再生装置
KR101086538B1 (ko) 연수기의 재생수 제조 유니트
JP2017136538A (ja) イオン交換装置
JP2010029778A (ja) イオン交換システム

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120810

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120810

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140513