JP5375574B2 - シールドコネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の電気装置等へのワイヤーハーネス等のケーブルの接続に関し、特にその電気装置におけるプリント基板やアンテナ等に接続されるシールドケーブルの端末部分に接続されるシールドコネクタに関するものである。
近年、カーナビゲーションシステム等の自動車の電気装置に内蔵される電子部品やIC(集積回路)等が実装された制御用のプリント基板へ伝送される電気信号は高速化(高周波化)され、また、そのプリント基板に形成された回路パターンも密集し高密度化されてきている。一般的に、このような高周波の電気信号を伝送するためにシールドケーブルが用いられるが、伝送される電気信号の更なる高周波化に伴って、このシールドケーブルに接続されるシールドコネクタにも更なる高周波化対応の要求が高まっている。
シールドケーブルの例として、いわゆる同軸ケーブルと呼ばれるものがある。一般的に用いられている同軸ケーブルは、電気信号等の伝送路として複数の素線を撚り束ねた内部導体と、同じく複数の素線を編んだ編組線よりなるシールド導体(外部導体)と、これら導体の間に介在される絶縁体と、シールド導体の外周を覆うように被覆された絶縁性のシース(外皮)とが同軸状に配された構造になっており、シールド導体が内部導体の外周を隙間なく覆うことで電磁的に遮蔽(シールド)されている。
通常、このような高周波信号を伝送する同軸ケーブルの端末部分に接続されるシールドコネクタには、高周波信号を伝達する内部導体と接続される内導体端子と、編組線などのシールド導体(外部導体)と接続される共に内導体端子の外周を覆う外導体端子と、これら内導体端子と外導体端子の間に介在される所定の比誘電率を有する誘電体とが備えられており、同軸ケーブルの端末部分の絶縁体とシースが剥ぎ取られて露出された内部導体とシールド導体にそれぞれ内導体端子と外導体端子が接続される。
このようなシールドコネクタの例としては、下記特許文献1に開示されているものがある。図17はこのシールドコネクタの縦断面を示している。図示されるように、同軸ケーブルWの絶縁体WbとシースWeが剥ぎ取られて内部導体Waとシールド導体Wdが露出した部分にシールドコネクタ50が接続されている。内導体端子51は圧着部51aを介して内部導体Waと接続され、外導体端子53は圧着部53aを介してシールド導体Wdと接続されており、これら両端子を絶縁状態にする誘電体52が両端子間に介在して設けられている。
一般的に、高周波信号の伝送における同軸ケーブルの特性インピーダンスは、例えば50Ωというように設定されて、接続対象である電気装置の回路基板等の特性インピーダンスとの整合(マッチング)が図られている。高周波信号の伝送経路中に特性インピーダンスが整合していない部分(不整合部)が存在すると、その不整合部での信号の反射による伝送効率の低下及びノイズの発生等の不具合が生じる。したがって、シールドコネクタの特性インピーダンスにおいても同軸ケーブルの特性インピーダンスと整合されている必要がある。
通常、シールドコネクタの特性インピーダンスは、「外導体端子のシェル部内径と内導体端子の端子部外径の比」および「誘電体の比誘電率」を調整して、同軸ケーブルとのインピーダンス整合が図られているが、図17に示されるように内導体端子51の圧着加工後の圧着部51aの外径は、内部導体Waとの電気的な接続信頼性を優先したサイズ・形状となっており、通常、端子部51bの外径よりも小径になるため、圧着部51a位置における「外導体端子53のシェル部53b内径と内導体端子51の圧着部51a外径の比」と、端子部51b位置における「外導体端子53のシェル部53b内径と内導体端子51の端子部51b外径の比」とが同じになっていない。このため、内導体端子51の圧着部51aにおける特性インピーダンスが同軸ケーブルWの特性インピーダンスと整合されておらず、同軸ケーブルWの特性インピーダンスに比べて高い特性インピーダンスになってしまっていた。
このようなシールドコネクタの特性インピーダンスが同軸ケーブルのそれとは等しくない部分では、伝送された電気信号の反射や放射が起こり、信号が正しく伝送されなかったりノイズの原因になったりするなどの不具合が生じたりする。特に数GHzの高周波信号の伝送においてはその傾向が著しいものとなる。
これを改善するためには、内導体体端子の圧着部位置における特性インピーダンスを同軸ケーブルの特性インピーダンスと整合するように低くすれば良いことから、内導体端子の圧着加工後の圧着部の外径を端子部の外径程度に大きくすることでインピーダンス整合を図ることが可能である。従来、この圧着部の外径を大きくする方法として、その圧着部に筒状の金属スリーブを装着する方法が採られてきた。
特開2000−173725号公報
しかしながら、圧着部に筒状の金属スリーブを装着してその圧着部の外径を大きくする方法は、内導体端子の圧着部の圧着加工前に金属スリーブを同軸ケーブルの剥き出しになった絶縁体上に先通ししておかなければならないことから、この先通しする作業が煩雑になるという問題があった。
また、内導体端子の圧着部に同軸ケーブルの内部導体を圧着する構成においては、内部導体の外径が細くなると、圧着力が弱くなり、内部導体と内導体端子の結合強度が低下するという問題がある。つまり、圧着片による圧着力を維持するためには、圧着片が内部導体に密着している必要があるが、内部導体の外径が細くなると、圧着片を内部導体に密着させるように変形させることが困難になる。また、圧着片を塑性変形させた後に、圧着片がスプリングバックにより元の形状に戻ろうとすることがあり、この場合、内部導体の外径が細いと、圧着片がわずかに元の形状に戻ろうとしただけであっても、圧着片による圧着力が大きく低下する。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、内導体端子の圧着部と他の部分とのインピーダンス整合を図ると共に、シールドケーブルの内部導体の外径が細い場合でも圧着片による圧着力の維持または向上を図ることができるシールドコネクタを提供することである。
上記課題を解決するため本発明は、内部導体と該内部導体を電磁的に遮蔽するシールド導体を備えるシールドケーブルの端末部に接続されるシールドコネクタであって、一対の圧着片が設けられた圧着部を有する内導体端子と、前記内導体端子を収容する誘電体と、前記内導体端子が収容された前記誘電体を収容し前記シールド導体に接続される外導体端子と、前記圧着部の圧着後の外形寸法を大きくするために圧着前において前記内部導体に筒状に巻回されると共に前記圧着片によって前記圧着部に圧着される導電性の被圧着部材を備え、前記被圧着部材の外周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されていることを要旨とするものである。
このような構成を有するシールドコネクタによれば、内導体端子の圧着部の圧着後の外形寸法を大きくするために圧着前において内部導体に筒状に巻回されると共に圧着片によって圧着部に圧着される導電性の被圧着部材を備えているので、内部導体と圧着部との間に被圧着部材が介在されている分だけ圧着後の圧着部の外径寸法を大きくすることができる。
これにより、内導体端子の圧着部の外径寸法を端子部の外径寸法に近づけることができる(=圧着部の外径寸法と端子部の外径寸法の差を小さくすることができる)か、または略同じ寸法にすることができる。したがって、内導体端子の端子部よりも小径であった圧着部付近の高いインピーダンスが低くされて、シールドケーブルとのインピーダンス不整合を小さく、または解消することが可能となる。
更に、シールドケーブルの内部導体の外径が細い場合でも、その内部導体を被圧着部材の巻回によって太くすることができるので、圧着片による圧着力の維持または向上を図ることが可能である。
この場合、被圧着部材の外周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されているので、内部導体に筒状に巻回された被圧着部材に内導体端子の圧着部が圧着される際に、その被圧着部材の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がスムーズになり、溝が形成されていない場合と比べて、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうなどの圧着不良を低減でき、内部導体と内導体端子の接続信頼性を安定させることができる。
また、本発明は、内部導体と該内部導体を電磁的に遮蔽するシールド導体を備えるシールドケーブルの端末部に接続されるシールドコネクタであって、一対の圧着片が設けられた圧着部を有する内導体端子と、前記内導体端子を収容する誘電体と、前記内導体端子が収容された前記誘電体を収容し前記シールド導体に接続される外導体端子と、前記圧着部の圧着後の外形寸法を大きくするために圧着前において前記内部導体に筒状に巻回されると共に前記圧着片によって前記圧着部に圧着される導電性の被圧着部材を備え、前記被圧着部材の内周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されていることを要旨とするものである。
このような構成を有するシールドコネクタによれば、同様に内部導体と圧着部との間に被圧着部材が介在されている分だけ圧着後の圧着部の外径寸法を大きくすることができる。これにより、内導体端子の圧着部の外径寸法を端子部の外径寸法に近づけることができ、内導体端子の端子部よりも小径であった圧着部付近の高いインピーダンスが低くされて、シールドケーブルとのインピーダンス不整合を小さく、または解消することが可能となる。更に、シールドケーブルの内部導体の外径が細い場合でも、その内部導体を被圧着部材の巻回によって太くすることができるので、圧着片による圧着力の維持または向上を図ることが可能である。
この場合、被圧着部材の内周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されているので、内部導体に筒状に巻回された被圧着部材に内導体端子の圧着部が圧着される際に、その被圧着部材の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がスムーズになり、溝が形成されていない場合と比べて、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうなどの圧着不良を低減でき、内部導体と内導体端子の接続信頼性を安定させることができる。また、被圧着部材の内周面の隣り合う溝の間に形成されることになる凸部を、被圧着部材の径方向内側への圧縮の際に内部導体に食い込ませることができるので、被圧着部材と内部導体の接続信頼性を向上させることができる。
更に、本発明は、内部導体と該内部導体を電磁的に遮蔽するシールド導体を備えるシールドケーブルの端末部に接続されるシールドコネクタであって、一対の圧着片が設けられた圧着部を有する内導体端子と、前記内導体端子を収容する誘電体と、前記内導体端子が収容された前記誘電体を収容し前記シールド導体に接続される外導体端子と、前記圧着部の圧着後の外形寸法を大きくするために圧着前において前記内部導体に筒状に巻回されると共に前記圧着片によって前記圧着部に圧着される導電性の被圧着部材を備え、前記被圧着部材の内周面および外周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿ってそれぞれ均等の間隔になるように形成されていることを要旨とするものである。
このような構成を有するシールドコネクタによれば、同様に内部導体と圧着部との間に被圧着部材が介在されている分だけ圧着後の圧着部の外径寸法を大きくすることができる。これにより、内導体端子の圧着部の外径寸法を端子部の外径寸法に近づけることができ、内導体端子の端子部よりも小径であった圧着部付近の高いインピーダンスが低くされて、シールドケーブルとのインピーダンス不整合を小さく、または解消することが可能となる。更に、シールドケーブルの内部導体の外径が細い場合でも、その内部導体を被圧着部材の巻回によって太くすることができるので、圧着片による圧着力の維持または向上を図ることが可能である。
また、被圧着部材の外周面および内周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿ってそれぞれ均等の間隔になるように形成されているので、内部導体に筒状に巻回された被圧着部材に内導体端子の圧着部が圧着される際に、その被圧着部材の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がよりスムーズになり、溝が形成されていない場合と比べて、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうなどの圧着不良を更に低減でき、内部導体と内導体端子の接続信頼性を安定させることができる。また、被圧着部材の内周面の隣り合う溝の間に形成されることになる凸部を、内導体導体に食い込ませることができるので、被圧着部材と内部導体の接続信頼性を向上させることができる。
この場合、前記被圧着部材の外周面に形成された複数条の溝と内周面に形成された複数条の溝が、周方向に沿ってそれぞれ対向するように配置されている構成にすれば、被圧着部材の外径寸法はそのままに外周面の溝と内周面の溝との間の肉厚を薄くすることができるので、被圧着部材の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がよりスムーズになる。
また、前記被圧着部材の外周面に形成された複数条の溝と内周面に形成された複数条の溝が、周方向に沿ってそれぞれ互い違いとなるように配置されている構成にすれば、被圧着部材の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)のスムーズさを保ちつつ、被圧着部材の肉厚を厚くすることができるので、上述した被圧着部材の外周面に形成された複数条の溝と内周面に形成された複数条の溝が、周方向に沿ってそれぞれ対向するように配置されている構成よりも被圧着部材の機械的強度を向上させることができる。
そして、前記被圧着部材は、前記内部導体が載置される底部と該底部から上方に向かって末広がり状に立設された一対の巻回片を有して圧着によって前記内部導体に筒状に巻回されている構成にすれば、被圧着部材を内部導体に簡便に巻回させることができる。また、このような被圧着部材の外周面や内周面には、複数状の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されて巻回片が折れ曲がり易くなっているので、被圧着部材を圧着により精度良く円形状に成形することができる。
本発明に係るシールドコネクタによれば、シールドケーブルの内部導体と内導体端子の圧着部との間に被圧着部材が介在されている分だけ圧着後の圧着部の外径寸法を大きくすることができる。これにより、内導体端子の圧着部の外径寸法を端子部の外径寸法に近づけることができ、内導体端子の端子部よりも小径であった圧着部付近の高いインピーダンスが低くされて、シールドケーブルとのインピーダンス不整合を小さく、または解消することが可能となる。
また、このような被圧着部材の外周面や内周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されているので、内部導体に筒状に巻回された被圧着部材に内導体端子の圧着部が圧着される際に、その被圧着部材の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がスムーズになり、溝が形成されていない場合と比べて、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうなどの圧着不良を低減でき、内部導体と内導体端子の接続信頼性を安定させることができる。更に、シールドケーブルの内部導体の外径が細い場合でも、その内部導体を被圧着部材の巻回によって太くすることができるので、圧着片による圧着力の維持または向上を図ることが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るシールドコネクタの縦断面である。 図1に示した被圧着部材の外観斜視図である。 図2に示した被圧着部材を同軸ケーブルの内部導体に巻回する手順を示しており、(a)は巻回前の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(b)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(c)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の縦断面図である。 図3に示した巻回後の被圧着部材に内導体端子の圧着部を圧着する手順を示した図であり、(a)は圧着前の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(b)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(c)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るシールドコネクタの縦断面である。 図5に示した被圧着部材の外観斜視図である。 図6に示した被圧着部材を同軸ケーブルの内部導体に巻回する手順を示しており、(a)は巻回前の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(b)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(c)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の縦断面図である。 図7に示した巻回後の被圧着部材に内導体端子の圧着部を圧着する手順を示した図であり、(a)は圧着前の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(b)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(c)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の縦断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るシールドコネクタの縦断面である。 図9に示した被圧着部材の外観斜視図である。 図10に示した被圧着部材を同軸ケーブルの内部導体に巻回する手順を示しており、(a)は巻回前の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(b)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(c)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の縦断面図である。 図11に示した巻回後の被圧着部材に内導体端子の圧着部を圧着する手順を示した図であり、(a)は圧着前の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(b)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(c)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の縦断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るシールドコネクタの縦断面である。 図13に示した被圧着部材の外観斜視図である。 図14に示した被圧着部材を同軸ケーブルの内部導体に巻回する手順を示しており、(a)は巻回前の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(b)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の横断面図、(c)は巻回後の被圧着部材と同軸ケーブルの内部導体の縦断面図である。 図15に示した巻回後の被圧着部材に内導体端子の圧着部を圧着する手順を示した図であり、(a)は圧着前の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(b)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の横断面図、(c)は圧着後の被圧着部材と内導体端子の圧着部の縦断面図である。 従来から用いられているシールドコネクタの概略構成を示した縦断面図である。
以下に、本発明の実施形態に係るシールドコネクタについて図面を参照して詳細に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係るシールドコネクタについて図1〜図4を用いて説明する。尚、以下の説明において、図示しない相手側コネクタとの接続側を前として説明する。例えば、図1においては、左側が前方および右側が後方となる。
図1に示されるようにシールドコネクタ1は、同軸ケーブルWの端末において、同軸ケーブルWの内部導体Waに内導体端子2が接続され、この内導体端子2を誘電体5が収容保持し、この誘電体5を外導体端子6が内装し、外導体端子6が同軸ケーブルWのシールド導体Wdに接続されたもので構成されている。
同軸ケーブルWは、電気信号等の伝送路として複数の素線を撚り合わせて束ねられた内部導体Waと、同じく複数の素線を編んだ編組線よりなるシールド導体(外部導体)Wdと、これら導体の間に介在される絶縁体Wbと、シールド導体Wdの外周を覆う絶縁性のシース(外皮)Weとが同軸状に配された構造になっており、シールド導体Wdが内部導体Waの外周を隙間なく覆うことで内部導体Waが電磁的にシールドされている。
図示されるように同軸ケーブルWは、シースWeが所定長さ皮剥されてシールド導体Wdが露出され、露出されたシールド導体Wdが所定長さ皮剥されて絶縁体Wbが露出され、露出された絶縁体Wbが所定長さ皮剥されて内部導体Waが露出されている。
内部導体Waに接続されるシールドコネクタ1の内導体端子2は、導電性の板材が折り曲げ加工されて一体的に成形されたもので、いわゆるメス型の端子形状を有しており、内部導体Waが接続される圧着部3を後方に備え、図示しない相手側コネクタのオス型内導体端子に接続される端子部4を前方に備えている。
図4(a)にも示されるように、圧着加工前の内導体端子2の圧着部3には、その底部3aから上方に向かって延設された帯形状を有する一対の圧着片3b,3bが形成されている。この圧着片3b,3bは、上方に向かって末広がり状に拡開しており、後述する被圧着部材9に巻き付けできるような十分な長さを有している。
図1に示されるように内導体端子2の端子部4は略筒形状を有しており、端子部4の内部に折り返されることにより形成された一対の弾性接触片4a,4aが設けられている。これら弾性接触片4a,4aは弾性的に撓み変形可能となっており、図示しない相手側コネクタのオス型内導体端子のタブ部が弾性接触片4a,4aの間に挿入されると弾性的に接触して電気信号の受け渡しができるようになる。また、端子部4の上面には、係止片4bが上方に向けて弾性的に撓み変形可能に突設されている。
このような内導体端子2を収容保持する誘電体5は、所定の比誘電率を有する絶縁性の合成樹脂により略円柱形状に一体的に成形されており、この誘電体5によって内導体端子2と外導体端子6との間が絶縁状態にされる。この誘電体5の内部には、前後方向に開口した端子収容室5aが貫通形成されており、この端子収容室5a内に内導体端子2が収容保持される。この端子収容室5aの後方の天井面には、内導体端子2の係止片4bが係止される係止孔5bが形成されており、この係止孔5bに内導体端子2の係止片4bが係止されると、内導体端子2は端子収容室5aから容易に抜けないように保持される。そして、誘電体5の後方の下面には、ロック突部5cが下方に向けて突設されている。
このような誘電体5が内装される外導体端子6は、導電性の板材が折り曲げ加工されて一体的に成形されたもので、誘電体5が内装される略円筒状のシェル部7を前方に備え、同軸ケーブルWが圧着加工により固定される圧着部8を後方に備えている。
シェル部7の前方側下面には、図示しないコネクタハウジングの収容部に外導体端子6が収容される際に、コネクタハウジングの収容部の底面に形成されているスリットに挿入されるスタビライザー7aが下方に突出して形成されている。このスタビライザー7aにより外導体端子6のコネクタハウジング内への挿入方向が規制される。また、スタビライザー7aの形成により生じた開口部7bの先端には、外導体端子6がコネクタハウジング内に挿入される際に、スタビライザー7aがコネクタハウジングの収容部の底面スリットに案内される案内片7cがテーパ形状に形成されている。
そして、シェル部7の後方側下面には、誘電体5の後方側下面に突設されたロック突部5cと係合するロック片7dが上方に向けて撓み変形可能に形成されており、誘電体5が外導体端子6のシェル部7内に前方から挿入されると、誘電体5は容易に抜けないように保持される。尚、シェル部7の左右両側壁には、相手側コネクタの外導体端子の外壁と弾性的に接触する図示しない舌片状の接触片が形成されている。
外導体端子6の圧着部8は、同軸ケーブルWのシールド導体Wd端末部分及びシースWe端末部分が適切に載置されるように段差状に形成されている。この圧着部8には、圧着部8の底面から上方に向かって延設形成された帯形状の一対のシールド導体圧着片8a,8aと、同じく帯形状の一対のシース圧着片8b,8bが前後に順になって設けられている。これら圧着片8a,8bは、種々なる径の同軸ケーブルに巻き付けできるような十分な長さを有している。
シールド導体Wd端末部分が載置される圧着部8のシールド導体圧着片8a位置の底面の中央には貫通孔8cが形成されており、シールド導体圧着片8b,8bによりシールド導体Wd端末部分が圧着されると、シールド導体Wdの一部がこの貫通孔8c内に入り込むようになっている。
このような構成のシールドコネクタ1が備える内導体端子2の圧着部3と同軸ケーブルWの内部導体Waとの間には、筒状の被圧着部材9が介在されており、圧着部3と内部導体Waは、この被圧着部材9を介して導通接続されている。
被圧着部材9は、図2に示されるように導電性の帯板の下面に、プレス加工や切削加工等によって複数条の溝9aを、長手方向に沿って均等の間隔となるように凹設し、これを折り曲げて断面略V字形状となるように成形した導電性の部材である。この場合、断面略V字形状に成形された被圧着部材9の外周面には、複数状の溝9aが均等の間隔になるように配置されると共に、隣り合う溝9a間には外側に突出した凸部9bが形成されている。
図示されるように、圧着により同軸ケーブルWの内部導体Waに巻回される前の被圧着部材9には、その底部9cから上方に向かって延設された帯形状を有する一対の巻回片9d,9dが設けられている。この巻回片9d,9dは、上方に向かって末広がり状に拡開しており、内部導体Waに圧着により巻き付けできるような十分な長さを有している。
この場合、図3(a)に示されるように、被圧着部材9の底部9c上に同軸ケーブルWの内部導体Waを載置し、図示しない圧着機によって巻回片9d,9dを内側に円弧状に折り曲げると、図3(b)および図3(c)に示されるように、巻回片9d,9dの先端どうしが当接されて、被圧着部材9が内部導体Waに円形状に巻回されるようになっている。
このような被圧着部材9の外周面には、複数状の溝9aがその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されて巻回片9d,9dが折れ曲がり易くなっているので、被圧着部材9を圧着により精度良く円形状に成形することができるようになっている。
そして、次に、図4(a)に示されるように、内部導体Waに巻回された被圧着部材9を、内導体端子2の圧着部3の底部3a上に載置し、図示しない圧着機によって圧着片3b,3bを内側に円弧状に折り曲げると、図4(b)および図4(c)に示されるように、圧着片3b,3bの先端どうしが当接されて、内導体端子2の圧着部3が被圧着部材9に円形状に圧着される。
この場合、被圧着部材9の外周面には、軸方向に沿った複数条の溝9aがその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されているので、内部導体Waに巻回された被圧着部材9に内導体端子2の圧着部3が圧着される際に、その被圧着部材9の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がスムーズになり、溝9aが形成されていない場合と比べて、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうような圧着不良を低減できるようになっている。
したがって、被圧着部材9を径方向内側に圧縮して潰しても被圧着部材9が座屈により破断しないので、内部導体Waと被圧着部材9の間および被圧着部材9と圧着部3との間には所望の固着力が得られ、その結果、被圧着部材9を介して接続された内部導体Waと内導体端子2の圧着部3との接続信頼性が安定するようになっている。
次に、本発明の第2の実施形態に係るシールドコネクタについて図5〜図8を用いて説明する。尚、上述した実施の形態のシールドコネクタと同一の構成については同符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図5に示されるシールドコネクタ10が備える内導体端子2の圧着部3と同軸ケーブルWの内部導体Waとの間には、筒状の被圧着部材11が介在されており、圧着部3と内部導体Waは、この被圧着部材11を介して導通接続されている。
被圧着部材11は、図6に示されるように導電性の帯板の上面に、プレス加工や切削加工等によって複数条の溝11aを、長手方向に沿って均等の間隔となるように凹設し、これを折り曲げて断面略V字形状となるように成形した導電性の部材である。この場合、断面略V字形状に成形された被圧着部材11の内周面には、複数状の溝11aが均等の間隔になるように配置されると共に、隣り合う溝11a間には内側に突出した凸部11bが形成されている。
図示されるように、圧着により同軸ケーブルWの内部導体Waに巻回される前の被圧着部材11には、その底部11cから上方に向かって延設された帯形状を有する一対の巻回片11d,11dが設けられている。この巻回片11d,11dは、上方に向かって末広がり状に拡開しており、内部導体Waに圧着により巻き付けできるような十分な長さを有している。
この場合、図7(a)に示されるように、被圧着部材11の底部11c上に同軸ケーブルWの内部導体Waを載置し、図示しない圧着機によって巻回片11d,11dを内側に円弧状に折り曲げると、図7(b)および図7(c)に示されるように、巻回片11d,11dの先端どうしが当接されて、被圧着部材11が内部導体Waに円形状に巻回されるようになっている。
このような被圧着部材11の内周面には、複数状の溝11aがその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されて巻回片11d,11dが折れ曲がり易くなっているので、被圧着部材11を圧着により精度良く円形状に成形することができるようになっている。
そして、次に、図8(a)に示されるように、内部導体Waに巻回された被圧着部材11を、内導体端子2の圧着部3の底部3a上に載置し、図示しない圧着機によって圧着片3b,3bを内側に円弧状に折り曲げると、図8(b)および図8(c)に示されるように、圧着片3b,3bの先端どうしが当接されて、内導体端子2の圧着部3が被圧着部材11に円形状に圧着される。
この場合、被圧着部材11の内周面には、軸方向に沿った複数条の溝11aがその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されているので、内部導体Waに巻回された被圧着部材11に内導体端子2の圧着部3が圧着される際に、その被圧着部材11の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がスムーズになり、溝11aが形成されていない場合と比べて、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうような圧着不良を低減できるようになっている。
したがって、被圧着部材11を径方向内側に圧縮して潰しても被圧着部材11が座屈により破断しないので、内部導体Waと被圧着部材11の間および被圧着部材11と圧着部3との間には所望の固着力が得られ、その結果、被圧着部材11を介して接続された内部導体Waと内導体端子2の圧着部3との接続信頼性が安定するようになっている。
この場合、被圧着部材11の内周面の隣り合う溝11a間に形成されることになる凸部11bを、被圧着部材11の径方向内側への圧縮の際に、内部導体Waに食い込ませることができるので、被圧着部材11と内部導体Waの接続信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係るシールドコネクタについて図9〜図12を用いて説明する。尚、上述した実施の形態のシールドコネクタと同一の構成については同符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図9に示されるシールドコネクタ20が備える内導体端子2の圧着部3と同軸ケーブルWの内部導体Waとの間には、筒状の被圧着部材21が介在されており、圧着部3と内部導体Waは、この被圧着部材21を介して導通接続されている。
被圧着部材21は、図10に示されるように導電性の帯板の上面に、プレス加工や切削加工等によって複数条の溝21aを、長手方向に沿って均等の間隔となるように凹設すると共に、下面に複数条の溝21bを、長手方向に沿って均等の間隔となるように凹設し、これを折り曲げて断面略V字形状となるように成形した導電性の部材である。
断面略V字形状に成形された被圧着部材21の内周面および外周面には、複数状の溝21aおよび複数条の溝21bがそれぞれ均等の間隔になるように配置されると共に、隣り合う溝21a間には内側に突出した凸部21cと同じく隣り合う溝21b間には外側に突出した凸部21dが形成されている。
この場合、被圧着部材21の内周面に形成された複数条の溝21aと外周面に形成された複数条の溝21bが、周方向に沿ってそれぞれ対向するように配置されると共に、被圧着部材21の内周面の複数条の溝21a間に形成された凸部21cと外周面の複数条の溝21b間に形成された凸部21dも、同様に周方向に沿ってそれぞれ対向するように配置されている。したがって、被圧着部材21の外径寸法を、上述した第1の実施形態の被圧着部材9および第2の実施形態の被圧着部材11の外径寸法と同じのままに、内周面の溝21aと外周面の溝21bとの間の肉厚が薄くされている。
図示されるように、圧着により同軸ケーブルWの内部導体Waに巻回される前の被圧着部材21には、その底部21eから上方に向かって延設された帯形状を有する一対の巻回片21f,21fが設けられている。この巻回片21f,21fは、上方に向かって末広がり状に拡開しており、内部導体Waに圧着により巻き付けできるような十分な長さを有している。
この場合、図11(a)に示されるように、被圧着部材21の底部21e上に同軸ケーブルWの内部導体Waを載置し、図示しない圧着機によって巻回片21f,21fを内側に円弧状に折り曲げると、図11(b)および図11(c)に示されるように、巻回片21f,21fの先端どうしが当接されて、被圧着部材21が内部導体Waに円形状に巻回されるようになっている。
このような被圧着部材21の内周面および外周面には、複数状の溝21aおよび複数条の溝21bがその周方向に沿ってそれぞれ均等の間隔になるように形成されて巻回片21f,21fが折れ曲がり易くなっているので、被圧着部材21を圧着により精度良く円形状に成形することができるようになっている。
そして、次に、図12(a)に示されるように、内部導体Waに巻回された被圧着部材21を、内導体端子2の圧着部3の底部3a上に載置し、図示しない圧着機によって圧着片3b,3bを内側に円弧状に折り曲げると、図12(b)および図12(c)に示されるように、圧着片3b,3bの先端どうしが当接されて、内導体端子2の圧着部3が被圧着部材21に円形状に圧着される。
この場合、被圧着部材21の内周面に形成された複数条の溝21aと外周面に形成された複数条の溝21bが、周方向に沿ってそれぞれ対向するように配置されている構成なので、被圧着部材21の外径寸法を、上述した第1の実施形態の被圧着部材9および第2の実施形態の被圧着部材11の外径寸法と同じのままに、内周面の溝21aと外周面の溝21bとの間の肉厚を薄くすることができるようになっている。これにより、被圧着部材21の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がよりスムーズになり、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうような圧着不良がより低減できる。
したがって、被圧着部材21を径方向内側に圧縮して潰しても被圧着部材21が座屈により破断するおそれがないので、内部導体Waと被圧着部材21の間および被圧着部材21と圧着部3との間には所望の固着力が得られ、その結果、被圧着部材21を介して接続された内部導体Waと内導体端子2の圧着部3との接続信頼性が安定するようになっている。
この場合、被圧着部材21の内周面の隣り合う溝21a間に形成されることになる凸部21cを、被圧着部材21の径方向内側への圧縮の際に、内部導体Waに食い込ませることができるので、被圧着部材21と内部導体Waの接続信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係るシールドコネクタについて図13〜図16を用いて説明する。尚、上述した実施の形態のシールドコネクタと同一の構成については同符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図13に示されるシールドコネクタ30が備える内導体端子2の圧着部3と同軸ケーブルWの内部導体Waとの間には、筒状の被圧着部材31が介在されており、圧着部3と内部導体Waは、この被圧着部材31を介して導通接続されている。
被圧着部材31は、図14に示されるように導電性の帯板の上面に、プレス加工や切削加工等によって複数条の溝31aを、長手方向に沿って均等の間隔となるように凹設すると共に、下面に複数条の溝31bを、長手方向に沿って均等の間隔となるように凹設し、これを折り曲げて断面略V字形状となるように成形した導電性の部材である。
断面略V字形状に成形された被圧着部材31の内周面および外周面には、複数状の溝31aおよび複数条の溝31bがそれぞれ均等の間隔になるように配置されると共に、隣り合う溝31a間には内側に突出した凸部31cと同じく隣り合う溝31b間には外側に突出した凸部31dが形成されている。
この場合、被圧着部材31の内周面に形成された複数条の溝31aと外周面に形成された複数条の溝31bが、周方向に沿ってそれぞれ互い違い(千鳥状)に配置されると共に、被圧着部材31の内周面の複数条の溝31a間に形成された凸部31cと外周面の複数条の溝31b間に形成された凸部31dも、同様に周方向に沿ってそれぞれ互い違い(千鳥状)に配置されている。
したがって、この被圧着部材31は、上述した第3の実施形態の被圧着部材21と同等の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)のスムーズさを保ちつつ、被圧着部材31の肉厚を、上述の被圧着部材21よりも厚くすることができる。これにより、第3の実施形態のような被圧着部材21の内周面に形成された複数条の溝21aと外周面に形成された複数条の溝21bが、周方向に沿ってそれぞれ対向するように配置されている構成よりも被圧着部材31はその機械的強度が向上している。
図示されるように、圧着により同軸ケーブルWの内部導体Waに巻回される前の被圧着部材31には、その底部31eから上方に向かって延設された帯形状を有する一対の巻回片31f,31fが設けられている。この巻回片31f,31fは、上方に向かって末広がり状に拡開しており、内部導体Waに圧着により巻き付けできるような十分な長さを有している。
この場合、図15(a)に示されるように、被圧着部材31の底部31e上に同軸ケーブルWの内部導体Waを載置し、図示しない圧着機によって巻回片31f,31fを内側に円弧状に折り曲げると、図15(b)および図15(c)に示されるように、巻回片31f,31fの先端どうしが当接されて、被圧着部材31が内部導体Waに円形状に巻回されるようになっている。
このような被圧着部材31の内周面および外周面には、複数状の溝31aおよび複数条の溝31bがその周方向に沿ってそれぞれ互い違い(千鳥状)になるように形成されて巻回片31f,31fが折れ曲がり易くなっているので、被圧着部材31を圧着により精度良く円形状に成形することができるようになっている。
そして、次に、図16(a)に示されるように、内部導体Waに巻回された被圧着部材31を、内導体端子2の圧着部3の底部3a上に載置し、図示しない圧着機によって圧着片3b,3bを内側に円弧状に折り曲げると、図16(b)および図16(c)に示されるように、圧着片3b,3bの先端どうしが当接されて、内導体端子2の圧着部3が被圧着部材31に円形状に圧着される。
この場合、被圧着部材31の内周面に形成された複数条の溝31aと外周面に形成された複数条の溝31bが、周方向に沿ってそれぞれ互い違い(千鳥状)に配置されている構成なので、被圧着部材31の外径寸法を、上述した第1の実施形態の被圧着部材9および第2の実施形態の被圧着部材11の外径寸法と同じのままに、上述した第3の実施形態の被圧着部材21と同等の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)のスムーズさを保ちつつ、被圧着部材31の肉厚を、上述の被圧着部材21よりも厚くしてその機械的強度が向上している。これにより、被圧着部材31の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がよりスムーズになり、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうような圧着不良がより低減されている。
したがって、被圧着部材31を径方向内側に圧縮して潰しても被圧着部材31が座屈により破断するおそれがないので、内部導体Waと被圧着部材31の間および被圧着部材31と圧着部3との間には所望の固着力が得られ、その結果、被圧着部材31を介して接続された内部導体Waと内導体端子2の圧着部3との接続信頼性が安定するようになっている。
この場合、被圧着部材31の内周面の隣り合う溝31a間に形成されることになる凸部31cを、被圧着部材31の径方向内側への圧縮の際に、内部導体Waに食い込ませることができるので、被圧着部材31と内部導体Waの接続信頼性を向上させることができる。
以上説明したシールドコネクタ1,10,20,30によれば、同軸ケーブルWの内部導体Waと内導体端子2の圧着部3との間に被圧着部材9,11,21,31が介在されている分だけ圧着後の圧着部3の外径寸法を大きくすることができる。これにより、内導体端子2の圧着部3の外径寸法を端子部4の外径寸法に近づけることができ、内導体端子2の端子部4よりも小径であった圧着部3付近の高いインピーダンスが低くされて、同軸ケーブルWとのインピーダンス不整合を小さく、または解消することが可能となる。更に、同軸ケーブルWの内部導体Waの外径が細い場合でも、その内部導体を被圧着部材9,11,21,31の巻回によって太くすることができるので、内導体端子2の圧着片3による圧着力の維持または向上を図ることが可能である。
また、このような被圧着部材9,11,21,31の内周面や外周面には、軸方向に沿った複数条の溝9a,11a,21a,21b,31a,31bがその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されているので、内部導体Waに筒状に巻回された被圧着部材9,11,21,31に内導体端子2の圧着部3が圧着される際に、その被圧着部材9,11,21,31の径方向内側への圧縮による変形(潰れ)がスムーズになり、溝が形成されていない場合と比べて、圧縮により一部が座屈してその部分で破断してしまうなどの圧着不良を低減でき、内部導体Waと内導体端子2の接続信頼性を安定させることができる。
以上、本発明に係るシールドコネクタの実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、上述した実施形態ではシールドケーブルとして同軸ケーブルに適用されるシールドコネクタについて説明したが、内部導体を複数本備えた多芯のシールドケーブルなどにも適用することができ、上述した実施の形態には限定されない。
1,10,20,30 シールドコネクタ
2 内導体端子
3 圧着部
3b 圧着片
4 端子部
4a 弾性接触片
5 誘電体
5a 端子収容室
6 外導体端子
7 シェル部
8 圧着部
8a シールド導体圧着片
8b シース圧着片
9,11,21,31 被圧着部材
9a,11a,21a,21b,31a、31b 溝
9b,11b,21c,21d,31c,31d 凸部
9c,11c,21e,31e 底部
9d,11d,21f,31f 巻回片
W 同軸ケーブル
Wa 内部導体
Wb 絶縁体
Wd シールド導体
We シース

Claims (6)

  1. 内部導体と該内部導体を電磁的に遮蔽するシールド導体を備えるシールドケーブルの端末部に接続されるシールドコネクタであって、一対の圧着片が設けられた圧着部を有する内導体端子と、前記内導体端子を収容する誘電体と、前記内導体端子が収容された前記誘電体を収容し前記シールド導体に接続される外導体端子と、前記圧着部の圧着後の外形寸法を大きくするために圧着前において前記内部導体に筒状に巻回されると共に前記圧着片によって前記圧着部に圧着される導電性の被圧着部材を備え、前記被圧着部材の外周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されていることを特徴とするシールドコネクタ。
  2. 内部導体と該内部導体を電磁的に遮蔽するシールド導体を備えるシールドケーブルの端末部に接続されるシールドコネクタであって、一対の圧着片が設けられた圧着部を有する内導体端子と、前記内導体端子を収容する誘電体と、前記内導体端子が収容された前記誘電体を収容し前記シールド導体に接続される外導体端子と、前記圧着部の圧着後の外形寸法を大きくするために圧着前において前記内部導体に筒状に巻回されると共に前記圧着片によって前記圧着部に圧着される導電性の被圧着部材を備え、前記被圧着部材の内周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿って均等の間隔になるように形成されていることを特徴とするシールドコネクタ。
  3. 内部導体と該内部導体を電磁的に遮蔽するシールド導体を備えるシールドケーブルの端末部に接続されるシールドコネクタであって、一対の圧着片が設けられた圧着部を有する内導体端子と、前記内導体端子を収容する誘電体と、前記内導体端子が収容された前記誘電体を収容し前記シールド導体に接続される外導体端子と、前記圧着部の圧着後の外形寸法を大きくするために圧着前において前記内部導体に筒状に巻回されると共に前記圧着片によって前記圧着部に圧着される導電性の被圧着部材を備え、前記被圧着部材の外周面および内周面には、軸方向に沿った複数条の溝がその周方向に沿ってそれぞれ均等の間隔になるように形成されていることを特徴とするシールドコネクタ。
  4. 前記被圧着部材の外周面に形成された複数条の溝と内周面に形成された複数条の溝が、周方向に沿ってそれぞれ対向するように配置されていることを特徴とする請求項3に記載のシールドコネクタ。
  5. 前記被圧着部材の外周面に形成された複数条の溝と内周面に形成された複数条の溝が、周方向に沿ってそれぞれ互い違いとなるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載のシールドコネクタ。
  6. 前記被圧着部材は、前記内部導体が載置される底部と該底部から上方に向かって末広がり状に立設された一対の巻回片を有して圧着によって前記内部導体に筒状に巻回されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のシールドコネクタ。
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