JP5374010B2 - 無機繊維用粉塵飛散防止剤およびそれを用いた粉塵飛散防止方法および無機繊維含有建材の剥離除去処理方法 - Google Patents

無機繊維用粉塵飛散防止剤およびそれを用いた粉塵飛散防止方法および無機繊維含有建材の剥離除去処理方法 Download PDF

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本発明は、無機繊維用粉塵飛散防止剤およびそれを用いた粉塵飛散防止方法および無機繊維含有建材の剥離除去処理方法に関するものであり、さらに詳しくは、石綿などの無機繊維に浸透し石綿繊維間を湿潤化させることにより粉塵の発生を抑制する無機繊維用粉塵飛散防止剤およびその使用方法に関するものである。
従来、石綿は、耐熱性、耐薬品性、絶縁性などの優れた特性により建築資材の繊維素材を中心として自動車、電気製品、家庭用品などの多用途に利用展開されてきた。しかし、1980年代に肺がんなどの重大な健康被害を引き起こすことが明らかになり、日本でも、2003年に石綿あるいは石綿含有資材の使用が全面的に禁止された。また、吹付アスベストおよびアスベスト保温材などの飛散性石綿が使用されている建築物の改修や解体の際は、石綿の暴露防止および飛散防止処理を実施することが義務付けられ、安全な処理方法が求められている。
前記飛散性石綿の粉塵飛散防止方法には、石綿の表面固化および湿潤化の処置が一般的にとられる。表面固化には、酢酸ビニル系の樹脂エマルジョンを石綿層に吹き付けその表面を固化させる方法がとられている。湿潤化には、従来、水および界面活性剤からなる湿潤化薬剤が使用されている。石綿除去の際には、これらの薬剤を、石綿層に吹付け、浸透させた後湿潤状態の石綿を剥離する作業が行われる。
近年では、主に湿潤化が石綿粉塵飛散防止方法として利用され、薬剤の浸透性と保湿性を向上させるための方法が提案されている。例えば、変性ポリビニルアルコール水溶液を含浸させる方法(特許文献1参照)、カルボキシル基あるいは酸無水物の水溶液とアルカリ性物質の水溶液とを散布する方法(特許文献2参照)、ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョンおよび界面活性剤からなる薬剤(特許文献3参照)、増粘作用を有する高分子物質を含有する薬剤(特許文献4参照)、界面活性剤と水溶性高分子を含有する低粘性の発泡性組成物(特許文献5参照)を用いる技術などが挙げられる。
しかしながら、これら界面活性剤と高分子の組合せからなる粉塵飛散防止剤では、石綿繊維に対する表面張力が大きく、例え表面張力を小さくしても薬剤の展着性が悪く、表面石綿層に吹付けられた際に繊維を完全に被覆することができずに繊維表面に部分的に薬剤が付着するため、粉塵飛散防止効果の重要なファクターである浸透力や保湿効果を十分に発揮することができなかった。
特開平1−250558号公報 特開平2−28403号公報 特開平2−140288号公報 特開平3−166288号公報 特開平8−210077号公報
本発明の第1の目的は、かかる従来技術の問題点を解決し、石綿繊維などの無機繊維に対する優れた浸透性や展着性を有し、保湿効果を十分に発揮して石綿繊維などの無機繊維の飛散を防止できる無機繊維用粉塵飛散防止剤を提供することであり、
本発明の第2の目的は、かかる無機繊維用粉塵飛散防止剤を用い石綿などの無機繊維に浸透させ石綿などの無機繊維間を湿潤化させることにより粉塵の発生を抑制する粉塵飛散防止方法を提供することであり、
本発明の第3の目的は、かかる無機繊維用粉塵飛散防止剤を用い石綿などの無機繊維含有建材を処理し粉塵の飛散を防止しながら剥離除去する無機繊維含有建材の剥離除去処理方法を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するための鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表される構造単位を有する(共)重合体を含有する無機繊維用粉塵飛散防止剤が、石綿繊維に対する優れた展着力を有し粉塵飛散防止効果を発揮することを見出し、本発明の完成に至った。
前記課題を解決するための本発明の請求項1記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する(共)重合体および、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選択される一種以上の界面活性剤を含有することを特徴とする。
Figure 0005374010
(削除)
本発明の請求項2記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、請求項1に記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤において、前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤のエーテル類型であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される、水溶媒に0.1質量%存在するときの表面張力が30mN/m以下の界面活性剤であることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、請求項1あるいは請求項2に記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤において、前記一般式(1)で表される構造単位が、N−ビニルホルムアミド単位であり、前記(共)重合体が5〜100モル%のN−ビニルホルムアミド単位を含有する(共)重合体であることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤において、前記(共)重合体が、0〜95モル%の一級アミノ基および/またはカルボキシル基を含有することを特徴とする。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機繊維用粉塵防止剤を、無機繊維含有建材に噴霧することを特徴とする粉塵飛散防止方法である。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機繊維用粉塵防止剤を、無機繊維含有建材に塗布し、所要の時間養生させた後、前記無機繊維含有建材を剥離することを特徴とする無機繊維含有建材の剥離除去処理方法である。
本発明の請求項1記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、前記一般式(1)で表される構造単位を有する(共)重合体および、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選択される一種以上の界面活性剤を含有することを特徴とするものであり、
石綿繊維などの無機繊維に対して優れた浸透性および展着性を有するので、石綿などの無機繊維に容易に浸透して展着し、石綿などの無機繊維間を湿潤化させ保湿効果を十分に発揮するので、石綿繊維などの無機繊維の飛散を防止、抑制できるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、請求項1に記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤において、前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤のエーテル類型であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される、水溶媒に0.1質量%存在するときの表面張力が30mN/m以下の界面活性剤であることを特徴とするものであり、
石綿繊維などの無機繊維に対してより優れた浸透性を発揮し、石綿繊維などの無機繊維に容易に浸透して展着するので、石綿繊維などの無機繊維の飛散をより防止、抑制できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、請求項1あるいは請求項2に記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤において、前記一般式(1)で表される構造単位が、N−ビニルホルムアミド単位であり、前記(共)重合体が5〜100モル%のN−ビニルホルムアミド単位を含有する(共)重合体であることを特徴とするものであり、
石綿繊維などの無機繊維に対してより優れた展着性を有するので、石綿繊維などの無機繊維の飛散をより防止、抑制できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤において、前記(共)重合体が、0〜95モル%の一級アミノ基および/またはカルボキシル基を含有することを特徴とするものであり、
石綿繊維などの無機繊維に対してさらに優れた展着性を有し、保水性の向上も期待できるので、石綿繊維などの無機繊維の飛散をさらに防止、抑制できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機繊維用粉塵防止剤を、無機繊維含有建材に噴霧することを特徴とする粉塵飛散防止方法であり、
石綿繊維などの無機繊維含有建材に対して噴霧すると容易に浸透して展着し、石綿などの無機繊維間を湿潤化させ保湿効果を十分に発揮するので、建材に含まれる石綿繊維などの無機繊維の飛散を防止、抑制できるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機繊維用粉塵防止剤を、無機繊維含有建材に塗布し、所要の時間養生させた後、前記無機繊維含有建材を剥離することを特徴とする無機繊維含有建材の剥離除去処理方法であり、
粉塵防止剤を石綿などの無機繊維を含有する建材に塗布し、所要の時間養生すると、石綿などの無機繊維に容易に浸透して展着し、石綿などの無機繊維間を湿潤化させ保湿効果が十分に発揮されるので、その後、前記無機繊維含有建材を剥離すれば、石綿繊維などの無機繊維の飛散を防止、抑制しつつ無機繊維含有建材を剥離除去できるという、顕著な効果を奏する。
本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤に含有される前記(共)重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位を有する単量体の重合体、あるいはその部分加水分解物、あるいは前記単量体と共重合可能な単量体との共重合体であり、石綿などの無機繊維への薬剤の展着性を向上させる目的で含有されるものである。
前記一般式(1)で表される構造単位を有する単量体は、N−ビニルカルボン酸アミドである。
ビニルカルボン酸アミドは、具体的には、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドである。
このうち、特に好ましくはN−ビニルホルムアミドであり、N−ビニルホルムアミド(共)重合体は、特に石綿繊維に対する展着性に優れる。
前記重合体の部分加水分解物としては、第1級アミノ基を有する重合体が挙げられる。具体的には、N−ビニルカルボン酸アミド重合体の部分加水分解物である。
前記単量体と共重合可能な単量体としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性のビニル単量体が挙げられる。
具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルスクシイミド、ビニルイミダゾール、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、ジメチルアミノエチルプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタアクリル酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、エチレングリコールメタクリレートホスフェートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記(共)重合体では、一般式(1)の構造単位を有する単量体は好ましくは5〜100モル%含有される。特に好ましくは、10〜100モル%である。
5モル%未満では、展着性が不十分である恐れがある。また、更に好ましいのは、前記(共)重合体がイオン性基を有するか、もしくはイオン性基を有する重合体が共存する場合である。この場合、前記(共)重合体による石綿などの無機繊維に対する展着性に加え保水性の向上も期待できる。この時の前記単量体のモル比は25〜99モル%が好ましい。
本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤に含有される前記(共)重合体は、0.001〜50質量%であることが好ましく、さらに特に好ましくは、0.005〜30質量%である。0.001質量%未満では、無機繊維用粉塵飛散防止剤の展着性が不十分であり、50質量%を超えると無機繊維用粉塵飛散防止剤の粘性が高くなり、使用に適さない恐れがある。
本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、浸透剤として界面活性剤を含有する。
前記界面活性剤は、石綿などの無機繊維層への前記薬剤の浸透力を向上させる目的で含有されるものであり、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤から選択される一種以上の界面活性剤を用いることができる。
ノニオン性界面活性剤の例としては、エーテル型、エステル型、エーテルエステル型、アルキルアルカノールアミド、アミンアルキレンオキサイドが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の例としては、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては第4級アンモニウム塩類、アミン塩類が挙げられる。
これらの界面活性剤のうち、ノニオン性界面活性剤のエーテル類型であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルの使用が好ましく、特に好ましくは、0.1質量%の表面張力が30mN/m以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルである。
界面活性剤の表面張力は、キャンパスディスク法などで得られる界面活性剤の浸透速度と良好な相関が得られ、界面活性剤の浸透力の指標として有効である。 本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤に含有される界面活性剤は、0.1〜20質量%であることが好ましい。
0.1質量%未満では浸透効果が弱く実用にならない恐れがあり、20質量%を超えても浸透効果は向上せず、逆に低下する恐れがある。
本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、必要に応じて保水剤として、デンプン系、セルロース系などの天然多糖類、あるいはポリビニルアルコール系、アクリレート系、アクリルアミド系、シリコーン系などの合成水溶性高分子と組合せて使用することができる。
また、本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤には、発泡剤、起泡剤、硬化剤、保護コロイド剤、アルカリ剤、防臭剤、消臭剤、防腐剤、殺菌剤、殺虫剤、粘度調整剤、消泡剤、酸化防止剤などを含有していても良い。
本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、処理対象物にエアスプレー、エアガン、高圧水、ローラー、刷毛、こてなどを使用して、吹付けあるいは塗布して使用する。
前記保水剤は、前記無機繊維用粉塵飛散防止剤に混合した後吹付けてもよいし、単独に吹付けてもよい。
例えば、基体に吹付けられた石綿などの処理であれば、前記無機繊維用粉塵飛散防止剤を吹付けあるいは塗布後、石綿層が乾燥しないうち剥離除去作業を行う。
以下に、本発明を、実施例にて詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
脱イオン水を溶媒として、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル4.0質量%、シリコーン系樹脂(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名DC−67、以下樹脂A)0.5質量%、N−ビニルホルムアミド重合体(以下、重合体A)0.05質量%となるように調製した。
この調製液を脱イオン水で5倍希釈した後、100mlのメスシリンダーに基線まで満たした。
ロックウール0.6質量部を、シリンダーを振動させないように希釈液に添加してシリンダーの底に到達するまでの秒数を測定し、ロックウールの沈降速度を算出した。
また、前記希釈液を、噴霧器に仕込み、ロックウールに噴きかけて12時間風乾させた後、マイクロスコープでロックウール繊維への展着性を観察した。結果を表1に示す。
図1は実施例1の前記希釈液を、ロックウール繊維に噴きかけ、12時間風乾させた後、ロックウール繊維への無機繊維用粉塵飛散防止剤の展着性をマイクロスコープで観察した結果を模式的に示す説明図である。
図2は、比較のために前記希釈液を、ロックウール繊維に噴きかける前のロックウール繊維のマイクロスコープでの観察結果を模式的に示す説明図である。
(実施例2)
重合体AをN−ビニルホルムアミドのモル比が90モル%のN−ビニルホルムアミド/アクリル酸共重合体に変えた以外は実施例1と同様の方法で浸透性と展着性を試験した。結果を表1に示す。
(参考例1)
重合体AをN−ビニル−2−ピロリドン重合体に変えた以外は実施例1と同様の方法で浸透性と展着性を試験した。結果を表1に示す。
(参考例2)
重合体AをN−ビニルホルムアミド/N−ビニル−2−ピロリドン/アクリル酸共重合体に変えた以外は実施例1と同様の方法で浸透性と展着性を試験した。結果を表1に示す。
(実施例3)
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルをポリアルキレン分岐デシルエーテルに変えた以外は実施例2と同様の方法で浸透性と展着性を試験した。結果を表1に示す。
(比較例1)
脱イオン水を溶媒として、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルを4.5質量%となるように調製した。重合体Aと樹脂Aは加えずに浸透性と展着性を実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
(比較例2)
脱イオン水を溶媒として、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルを4.5質量%、樹脂Aを0.5質量%、アクリル酸ナトリウム重合体0.4質量%となるように調製した。浸透性と展着性を実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
図3に、比較例2の希釈液を、ロックウール繊維に噴きかけ、12時間風乾させた後、ロックウール繊維への展着性をマイクロスコープで観察した結果を模式的に示す説明図である。
(比較例3)
アクリル酸ナトリウム重合体をアクリルアミド重合体に変えた以外は比較例2と同様の方法で浸透性と展着性を試験した。結果を表1に示す。
(比較例4)
アクリル酸ナトリウム重合体をアクリルアミドのモル比が90モル%のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体に変えた以外は比較例2と同様の方法で浸透性と展着性を試験した。結果を表1に示す。
(比較例5)
ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルをポリアルキレン分岐デシルエーテルに変えた以外は比較例1と同様の方法で浸透性と展着性を試験した。結果を表1に示す。
(比較例6)
重合体A単独で用い、浸透性と展着性を実施例1と同様の方法で試験した。結果を表1に示す。
Figure 0005374010
図1は実施例1の希釈液を、ロックウール繊維1に噴きかけ、12時間風乾させた後、ロックウール繊維1への無機繊維用粉塵飛散防止剤2の展着性をマイクロスコープで観察した結果を模式的に示す説明図であり、ロックウール繊維1の表面に薬剤(無機繊維用粉塵飛散防止剤2)が面状に展着し、ロックウール繊維1の全面を覆うことができることが判る。
図2は、比較のために実施例1の希釈液を、ロックウール繊維1に噴きかける前のロックウール繊維1のマイクロスコープでの観察結果を模式的に示す説明図である。
これに対し、比較例2を吹付けた図3では、ロックウール繊維1の表面に薬剤(粉塵飛散防止剤2A)が粒状に展着し、ロックウール繊維1に部分的に付着しているのみである。
以上の試験結果から、従来技術と比較して、本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤は優れた展着性を有することが判る。
本発明の無機繊維用粉塵飛散防止剤は、石綿繊維などの無機繊維に対して優れた浸透性および展着性を有するので、石綿などの無機繊維に容易に浸透して展着し、石綿などの無機繊維間を湿潤化させ保湿効果を十分に発揮するので、石綿繊維などの無機繊維の飛散を防止、抑制できるという、顕著な効果を奏し、
本発明の無機繊維用粉塵防止剤を、石綿繊維などの無機繊維含有建材に対して噴霧すると容易に浸透して展着し、石綿などの無機繊維間を湿潤化させ保湿効果を十分に発揮するので、建材に含まれる石綿繊維などの無機繊維の飛散を防止、抑制できるという、顕著な効果を奏し、そして、
本発明の無機繊維用粉塵防止剤を、石綿などの無機繊維含有建材に塗布し、所要の時間養生させると、石綿などの無機繊維に容易に浸透して展着し、石綿などの無機繊維間を湿潤化させ保湿効果が十分に発揮されるので、その後、前記無機繊維含有建材を剥離すれば、石綿繊維などの無機繊維の飛散を防止、抑制しつつ無機繊維含有建材を剥離除去できるという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
本発明の無機繊維用粉塵防止剤をロックウール繊維に噴きかけ、12時間風乾させた後、ロックウール繊維への展着性をマイクロスコープで観察した結果を模式的に示す説明図である。 比較のために本発明の無機繊維用粉塵防止剤をロックウール繊維に噴きかける前のロックウール繊維のマイクロスコープでの観察結果を模式的に示す説明図である。 比較例2の希釈液を、ロックウールに噴きかけ、12時間風乾させた後、ロックウール繊維への展着性をマイクロスコープで観察した結果を模式的に示す説明図である。
1 ロックウール繊維
2 無機繊維用粉塵防止剤
2A 粉塵防止剤

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位を有する(共)重合体および、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選択される一種以上の界面活性剤を含有することを特徴とする無機繊維用粉塵飛散防止剤。
    Figure 0005374010
  2. 前記界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤のエーテル類型であるポリオキシエチレンアルキルエーテルから選択される、水溶媒に0.1質量%存在するときの表面張力が30mN/m以下の界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤。
  3. 前記一般式(1)で表される構造単位が、N−ビニルホルムアミド単位であり、前記(共)重合体が5〜100モル%のN−ビニルホルムアミド単位を含有する(共)重合体であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤。
  4. 前記(共)重合体が、0〜95モル%の一級アミノ基および/またはカルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無機繊維用粉塵飛散防止剤。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機繊維用粉塵防止剤を、無機繊維含有建材に噴霧することを特徴とする粉塵飛散防止方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の無機繊維用粉塵防止剤を、無機繊維含有建材に塗布し、所要の時間養生させた後、前記無機繊維含有建材を剥離することを特徴とする無機繊維含有建材の剥離除去処理方法。
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