JP5371537B2 - ギアドモータ - Google Patents

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本発明は、モータと減速機構とが一体に設けられたギアドモータに関するものである。
モータと減速機構とが一体に設けられたギアドモータが知られている(特許文献1)。ギアドモータは、その用途や求める回転数等の違いにより多種多様のものがあり、その一例として挙げられるのが、歯数の異なる2枚の内歯車を軸方向に重ね、一方の内歯車(固定内歯車)を固定し他方の内歯車(可動内歯車)が回るように構成された不思議遊星歯車機構である。不思議遊星歯車機構は、太陽外歯車と固定内歯車との歯数から決まる減速比と、二つの内歯車の歯数の差が生み出す減速比が掛け合わさって全体の減速比が定まる。たとえば、前者の減速比が1/8であり後者が1/15であれば、最終的な減速比は1/120となり、通常の遊星歯車機構を軸方向に積み重ねた場合よりもコンパクトになるとともに、トルクの伝達効率も高くなるというメリットがある。不思議遊星歯車機構の出力軸は、その機構が持つ大きな減速比のため、全く回転させることができないか回転させることができても極めて大きな力が必要となる(以下、回転不能と回転困難を合わせて「セルフロック機能」という)。特許文献2には、上記のセルフロック機能を利用してシャッターカーテンの阻止状態を保持しようとする技術が開示されている。また、特許文献3には、遊星歯車機構と不思議遊星歯車機構とを組み合わせた遊星歯車減速装置が開示されている。この遊星歯車減速装置は、不思議遊星歯車機構を備えているため、上述したセルフロック機能を有しており、このままでは出力軸を回転させることができない。セルフロック機能は、上述した不思議遊星歯車機構だけでなく、遊星歯車機構その他の機構も有している。
特開2004−68994号公報(段落0005、図1参照) 特開2007−177405号公報(段落0008、0021、図2参照) 特開2002−364714号公報(段落0007、図1参照)
しかしながら、上述した不思議遊星歯車機構のセルフロック機能は、一方では次のような問題点がある。たとえば、上述したシャッターカーテンの阻止状態を解除して人力で巻き上げなければならない事態が生じたとき、セルフロック機能が邪魔をしてそれを行うことができない。そのような事態とは、たとえば、不思議遊星歯車機構に連結されたモータが停電や故障により駆動しない場合が、その典型例である。店舗火災のときにシャッターを押し上げて店舗内部に入らなければならない場合などもそのような事態に含まれる。前者の場合において、出力軸とシャッターカーテンの駆動機構との間に、その連結を解いて不思議遊星歯車のセルフロック機能を遮断する機構を設けておけば、そのような事態に対応できようが、それでは、機構をいたずらに複雑にするだけである。後者の場合においては、そもそもそのような解除機構を設けたとしてもそれを店舗外にいる者が操作することはセキュリティ面からできないようにするはずであるから、機構を設ける意味がない。また、不思議遊星歯車機構のように回転不能、とまではいかなくても、およそ減速機構を有する限り出力軸を簡単に回転させることのできるギアドモータは存在しない。これらのギアドモータのセルフロック機能を遮断して回転させやすくできるようにして欲しい、という要望もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複雑な機構を設けることなく、必要に応じてセルフロック機能を遮断して回転可能とすることのできるギアドモータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、次の特徴を備えている。なお、各請求項記載の発明を説明するに当って行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項記載の発明にも適用されるものとする。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1記載の発明に係るギアドモータ(以下、適宜「請求項1のギアドモータ」という)は、駆動軸を有する駆動モータと、当該駆動軸の回転を減速して出力軸から取り出すための減速機構と、当該減速機構を当該駆動モータに固定するためのモータブラケットと、当該減速機構と当該モータブラケットとの間に形成した、当該減速機構を当該モータブラケットに対して円周方向に回転可能とするスライド機構、当該減速機構と当該モータブラケットとの間に設けた、当該スライド機構のスライド阻止とスライド阻止を手動解除するためのロック機構と、備え当該減速機構が、当該ギアを構成する初段の太陽外歯車と、当該初段の太陽外歯車に噛み合って当該初段の太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する初段の遊星歯車と、当該の初段遊星歯車を支持する初段のキャリアと、当該初段のキャリアに併設したn段(nは自然数、すなわち、1,2,3・・)の遊星歯車機構と、n段の遊星歯車を支持する終段のキャリアと、当該n段の遊星歯車すべての周囲に配置されて当該遊星歯車のすべてが噛み合う固定内歯車と、を含めて構成してあり、当該遊星歯車機構が、前段のキャリアの回転中心に固定してある太陽外歯車と、当該太陽外歯車に噛み合って当該太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する遊星歯車と、当該遊星歯車を支持するキャリアと、を含めて構成してあり、当該出力軸を当該終段キャリアの回転中心に固定してあり、当該スライド機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に形成してあり、かつ、当該滑り内周面と、当該滑り内周面と滑り接触可能な滑り外周面とにより構成してあり、当該滑り内周面は、当該固定内歯車内面の当該モータブラケット側に環状形成してあり、当該滑り外周面は、当該モータブラケットが有するスライド円盤部の環状外周に形成してあり、当該ロック機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に設けてあり、当該ロック機構のスライド阻止を解除した際に、当該出力軸を、当該減速機構との間のセルフロック機能により当該減速機構とともに当該モータブラケットに対し回転可能に構成してある。
請求項1のギアドモータによれば、駆動モータの駆動軸の回転は、減速機構によって減速され、出力軸から取り出される。このとき、減速機構はロック機構のスライド阻止機能によってモータブラケットに対してスライド阻止の状態にある。一方、ロック機構のスライド阻止を解除すると、スライド機構の働きにより減速機構がモータブラケットに対して円周方向にスライド可能な状態になる。ここで、出力軸若しくは減速機構を時計回り若しくは反時計回りのいずれかの方向に回転させると、これとともに減速機構が回転する。減速機構と駆動軸との間にセルフロック機能が働かないこと、さらに、モータブラケットによる減速機構のスライド阻止が解除されたこと、によって可能となる。このように請求項1の機構によれば、上述したようにシンプルな構造ながら、ロック機構の操作だけで、必要に応じて減速機構のセルフロック機能を遮断して駆動軸を回転可能とすることができる。上記構造における遊星歯車機構は、一般的にその減速比が大きいため、それだけセルフロック機能が働き、出力軸を回転させるのが難しい。たとえば、減速比を150分の1以上に設定すると、出力軸を回転させるのはほぼ不可能である。このため、セルフロック機能を遮断可能とすることによって、遊星歯車機構を備えるギアドモータの用途が広がりより使い勝手のよいものとなる。さらに、滑り内周面と滑り外周面とが、滑り端面と滑り端面とが、それぞれスライド可能(摺動可能、滑り接触可能)に接触し、これによって、固定内歯車(及びこれと一体に可動内歯車)をモータブラケットの円周方向に回転可能となる。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2記載の発明に係るギアドモータ(以下、適宜「請求項2のギアドモータ」という)は、駆動軸を有する駆動モータと、当該駆動軸の回転を減速して出力軸から取り出すための減速機構と、当該減速機構を当該駆動モータに固定するためのモータブラケットと、当該減速機構と当該モータブラケットとの間に形成した、当該減速機構を当該モータブラケットに対して円周方向に回転可能とするスライド機構と、当該減速機構と当該モータブラケットとの間に設けた、当該スライド機構のスライド阻止とスライド阻止を手動解除するためのロック機構と、を備え、当該減速機構が、当該ギアを構成する太陽外歯車と、当該太陽外歯車に噛み合って当該太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する遊星歯車と、当該遊星歯車の周囲に配置されて当該遊星歯車が噛み合う固定内歯車と、当該固定内歯車に同軸にかつ軸回りに回転可能に並設されて前記遊星歯車が噛み合うとともに、当該固定内歯車と僅かに歯数が異なる可動内歯車と、を備え、前記出力軸を当該可動内歯車の回転中心に固定してある不思議遊星歯車機構によって構成してあり、当該スライド機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に形成してあり、かつ、当該滑り内周面と、当該滑り内周面と滑り接触可能な滑り外周面とにより構成してあり、当該滑り内周面は、当該固定内歯車内面の当該モータブラケット側に環状形成してあり、当該滑り外周面は、当該モータブラケットが有するスライド円盤部の環状外周に形成してあり、当該ロック機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に設けてあり、当該ロック機構のスライド阻止を解除した際に、当該出力軸を、当該減速機構との間のセルフロック機能により当該減速機構とともに当該モータブラケットに対し回転可能に構成してある。
請求項2のギアドモータによれば、駆動モータの駆動軸の回転は、減速機構によって減速され、出力軸から取り出される。このとき、減速機構はロック機構のスライド阻止機能によってモータブラケットに対してスライド阻止の状態にある。一方、ロック機構のスライド阻止を解除すると、スライド機構の働きにより減速機構がモータブラケットに対して円周方向にスライド可能な状態になる。ここで、出力軸若しくは減速機構を時計回り若しくは反時計回りのいずれかの方向に回転させると、これとともに減速機構が回転する。減速機構と駆動軸との間にセルフロック機能が働かないこと、さらに、モータブラケットによる減速機構のスライド阻止が解除されたこと、によって可能となる。このように請求項2の機構によれば、上述したようにシンプルな構造ながら、ロック機構の操作だけで、必要に応じて減速機構のセルフロック機能を遮断して駆動軸を回転可能とすることができる。上記構造における不思議遊星歯車機構は、その減速比が一般的に極めて大きいため、それだけセルフロック機能が強力に働き、出力軸を回転させることはほぼ不可能である。このため、セルフロック機能を遮断可能とすることによって、遊星歯車機構を備えるギアドモータの用途が広がりより使い勝手のよいものとなる。
さらに、滑り内周面と滑り外周面とが、滑り端面と滑り端面とが、それぞれスライド可能(摺動可能、滑り接触可能)に接触し、これによって、固定内歯車(及びこれと一体に可動内歯車)をモータブラケットの円周方向に回転可能となる。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3記載の発明に係るギアドモータ(以下、適宜「請求項3のギアドモータ」という)は、駆動軸を有する駆動モータと、当該駆動軸の回転を減速して出力軸から取り出すための減速機構と、当該減速機構を当該駆動モータに固定するためのモータブラケットと、当該減速機構と当該モータブラケットとの間に形成した、当該減速機構を当該モータブラケットに対して円周方向に回転可能とするスライド機構と、当該減速機構と当該モータブラケットとの間に設けた、当該スライド機構のスライド阻止とスライド阻止を手動解除するためのロック機構と、を備え、当該減速機構が、当該駆動軸に固定した遊星歯車機構部と、当該遊星歯車機構部に併設した不思議遊星歯車機構部と、を含めて構成してあり、当該遊星歯車機構部が、当該ギアを構成する駆動太陽外歯車と、当該駆動太陽外歯車に噛み合うとともに固定内歯車と噛み合って当該駆動太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する駆動遊星歯車と、当該駆動遊星歯車を支持するキャリアと、を備え、当該不思議遊星歯車機構部が、当該キャリアの回転中心に固定された太陽外歯車と、当該太陽外歯車に噛み合って当該太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する遊星歯車と、当該遊星歯車の周囲に配置されて当該遊星歯車が噛み合う固定内歯車と、当該固定内歯車に同軸にかつ軸回りに回転可能に並設されて当該遊星歯車が噛み合うとともに、当該固定内歯車と僅かに歯数が異なる可動内歯車と、を備え、当該出力軸を当該可動内歯車の回転中心に固定してあり、当該スライド機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に形成してあり、かつ、当該滑り内周面と、当該滑り内周面と滑り接触可能な滑り外周面とにより構成してあり、当該滑り内周面は、当該固定内歯車内面の当該モータブラケット側に環状形成してあり、当該滑り外周面は、当該モータブラケットが有するスライド円盤部の環状外周に形成してあり、当該ロック機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に設けてあり、当該ロック機構のスライド阻止の解除によって、当該出力軸が、当該減速機構及び当該駆動軸とともに当該モータブラケットに対し回転可能に構成してある。
請求項3のギアドモータによれば、駆動モータの駆動軸の回転は、減速機構によって減速され、出力軸から取り出される。このとき、減速機構はロック機構のスライド阻止機能によってモータブラケットに対してスライド阻止の状態にある。一方、ロック機構のスライド阻止を解除すると、スライド機構の働きにより減速機構がモータブラケットに対して円周方向にスライド可能な状態になる。ここで、出力軸若しくは減速機構を時計回り若しくは反時計回りのいずれかの方向に回転させると、これとともに減速機構が回転する。減速機構と駆動軸との間にセルフロック機能が働かないこと、さらに、モータブラケットによる減速機構のスライド阻止が解除されたこと、によって可能となる。このように請求項3の機構によれば、上述したようにシンプルな構造ながら、ロック機構の操作だけで、必要に応じて減速機構のセルフロック機能を遮断して駆動軸を回転可能とすることができる。上記構造における駆動軸の回転は、駆動太陽外歯車から駆動遊星歯車に伝達されて減速され、さらに、駆動遊星歯車の公転によって不思議遊星歯車機構の太陽外歯車が回転されるので、さらに減速される。ここで、出力軸(可動内歯車、固定内歯車)を回転させると、駆動遊星歯車(これらは回転しない)を介して駆動太陽外歯車を回転させるだけなので、それが可能となる。遊星歯車機構は、固定内歯車のスライドを可能とする範囲で多段組合せすることができる。さらに、滑り内周面と滑り外周面とが、滑り端面と滑り端面とが、それぞれスライド可能(摺動可能、滑り接触可能)に接触し、これによって、固定内歯車(及びこれと一体に可動内歯車)をモータブラケットの円周方向に回転可能となる。なお、駆動太陽外歯車のように「駆動」を付したのは、前記した不思議遊星歯車が有する太陽外歯車と区別し易いようにするためだけのものであり、作用的・機能的な意味を有するものではない。他の部材についても、同様とする。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るギアドモータ(以下、適宜「請求項のギアドモータ」という)は、請求項乃至いずれかのギアドモータの特徴を前提とした好ましい態様として、前記ロック機構が、前記モータブラケットによって前記固定内歯車に対して突出退出可能に支持されたスライドバーと、突出した当該スライドバーの先端部を受け入れるために前記固定内歯車に形成された受け部と、を含めて構成してある。
請求項のギアドモータによれば、請求項乃至いずれかのギアドモータの作用効果が、具体的にスライドバーと受け部によって実現する。すなわち、モータブラケットによって支持されたスライドバーが突出してその先端部が固定内歯車の受け部に受け入れられることによって、受け入れられた先端部が邪魔をしてモータブラケットに対する固定内歯車の円周方向スライドが阻止される。一方、スライドバーを退出させると、受け入れられていた先端部が受け部から退出して邪魔にならなくなりスライド阻止が解除されて同方向のスライドが可能になる。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るギアドモータ(以下、適宜「請求項のギアドモータ」という)は、請求項1乃至いずれかのギアドモータの特徴を前提とした好ましい態様として、前記ロック機構が、前記モータブラケットによって前記固定内歯車に対して突出退出可能に支持されたスライドバーと、当該スライドバーの先端に固定され前記モータブラケットに対して軸方向に突出退出可能に構成されたストッパ部材と、当該ストッパ部材との間でスライド阻止機能を発揮するために前記固定内歯車に形成されたストッパ構造と、を含めて構成してある。上記スライド阻止機能は、たとえば、ストッパ部材が有する凹凸と固定内歯車が有する凹凸同士の噛み合いなどによって発揮される。
請求項のギアドモータによれば、請求項乃至いずれかのギアドモータの作用効果が、具体的にスライドバーとストッパ部材とストッパ構造とによって実現する。すなわち、モータブラケットによって支持されたスライドバーが突出することに伴いストッパ部材が突出してストッパ構造との間でスライド阻止機能を発揮することによって、モータブラケットに対する固定内歯車の円周方向スライドが阻止される。一方、スライドバーを退出させると、スライド阻止が解除されて同方向のスライドが可能になる。
(請求項記載の発明の特徴)
請求項記載の発明に係るギアドモータ(以下、適宜「請求項のギアドモータ」という)は、請求項又はのギアドモータの特徴を前提とした好ましい態様として、前記ロック機構が、前記スライドバーを常時突出させておくための付勢部材(たとえば、コイルバネや板バネ)を含めて構成してある。
請求項のギアドモータによれば、請求項又はのギアドモータの作用効果に加え、付勢部材の働きによってスライドバーが常時突出状態、すなわち、固定内歯車のスライド阻止状態が保たれる。ここで、付勢部材の付勢力に逆らいながら手動でスライドバーを退出方向にスライドさせスライド阻止を解除した後、スライドバーの手を放すと付勢力によってスライドバーが突出し元のスライド阻止状態に復帰する。さらに付勢部材は、常時突出状態を保つことによってスライド阻止状態を簡単に解除できないように、換言すると、スライド阻止状態を確実に保つようにする機能も備えている。
本発明によれば、複雑な機構を設けることなく、必要に応じてセルフロック機能を遮断して回転可能とすることのできるギアドモータを提供することができる。
本実施形態に係るギアドモータの全体斜視図である。 図1に示すギアドモータの分解斜視図である。 図1に示すギアドモータの縦断面図である。 図1に示すギアドモータの右側面図である。 本実施形態に係るスライド機構を示す部分斜視図である。 図5に示すスライド機構の動作を示す斜視図である。 スライド機構の第1変形例に係る動作を示す斜視図である。 スライド機構の第2変形例に係る分解斜視図である。 図8に示すスライド機構の動作を示す斜視図である。 本実施形態の第1変形例を示す分解斜視図である。 図10に示す第1変形例の縦断面図である。 本実施形態の第2変形例を示す分解斜視図である。 図12に示す第1変形例の縦断面図である。 本実施形態の第3変形例を示す縦断面図である。
(ギアドモータの概略構造)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(適宜、「本実施形態」という)について説明する。図1本実施形態に係るギアドモータ1は、駆動軸4を有する駆動モータ3と、該駆動軸4の回転を減速して出力軸から取り出すための減速機構5と、減速機構5を収容するケーシング9と、減速機構5を駆動モータ3に固定するためのモータブラケット11と、を含めて構成してある。減速機構5は、遊星歯車機構部7(以下、「機構部7」と略称する場合がある)と、不思議遊星歯車機構部8(以下、「機構部8」と略称する場合がある)と、から構成してある。
(モータブラケットの構造)
図1乃至5を参照しながら、モータブラケット11について説明する。モータブラケット11は、合成樹脂若しくはアルミニウムのような金属で一体構成した円盤状の部材である。具体的なモータブラケット11は、図2が最もよく示すように、モータ3に最も近い位置にあり最も大径なフランジ部13、フランジ部13よりも小径で固定内場歯車35(後述)とほぼ同じ外径の肉厚部15と、最小径であり固定内歯車35(後述)内部に隙間少なく挿入可能な環状外周面を有するスライド円板部17と、から構成してある。モータブラケット11の中心部には、その厚み方向に貫通孔12を形成してある。貫通孔12は、駆動軸4に差し込み固定した駆動太陽外歯車23を、回転を妨げることなく収容可能な直径に形成してある(図3参照)。一方、図3が示すように、モータブラケット11の厚みは、そこから駆動太陽外歯車23が駆動太陽外歯車23と噛み合うに充分な長さだけモータブラケット11から突き出る寸法に形成してある。モータブラケット11への駆動モータ3の固定は、ネジ19によって行う。なお、符号21は、ネジ19を隠すための隠し板を示す。符号63は、後述するロック機構61の一部を構成する支持部を示す。支持部63の外周面はフランジ部13の外周面と同一面を形成しており、両者は、ケーシング9内に収納されるように構成してある。上記した、肉厚部15及びスライド円板部17の環状外周面は、後述するスライド機構51の一部を構成する。
(遊星歯車機構部の構造)
図2及び3に示すように、機構部7は、駆動軸4と、後述する機構部8が備える太陽外歯車31との間に配してある。具体的には、機構部7は、駆動軸4に差し込み固定されることによって回転される駆動太陽外歯車23と、駆動太陽外歯車23に噛み合うとともに固定内歯車35と噛み合って駆動太陽外歯車23の周囲を公転しながら自転する3個の駆動遊星歯車25と、を含めて構成してある。駆動太陽外歯車23は、減速機構5を構成するギアの1つとなる。各駆動遊星歯車25は円板状のキャリア27の一方の面から起立する3本のキャリアピン29それぞれの回りで回転するようになっており、その公転によってキャリア27の他方の面に固定された太陽外歯車31が回転されるように構成してある。機構部7は、太陽外歯車31の回転速度をその前段(駆動モータ3に近い段)において予め減速するために配したものであり、そのような減速が不要であればこれを省略することができる。他方、本実施形態のそれよりさらに減速を必要とする場合は、セルフロック機能が働かない範囲であれば機構部7を複数段積み重ねることもできる。
(不思議遊星歯車機構部の構造)
図2及び3を引き続き参照する。不思議遊星歯車機構部8(機構部8)は、太陽外歯車31をまず備える。太陽外歯車31は、上述した機構部7を介して駆動軸4によって間接的に回転される。機構部8は、この太陽外歯車31とともに、遊星歯車33を3個、キャリア37、キャリアピン39を3本及び可動内歯車41を備えている。各遊星歯車33は、円板状のキャリア37の太陽外歯車31に面する面から起立する3本のキャリアピン39の回りで回転(自転)するように構成してある。各遊星歯車33は、太陽外歯車31に噛み合って太陽外歯車31の周囲を公転しながら自転する。各遊星歯車33の公転は、遊星歯車33の周囲に配置された固定内歯車35との噛み合いによる。各遊星歯車33は、固定内歯車35の長さよりも長く、これによって、固定内歯車35から突き出して可動内歯車41と噛み合うように構成してある。すなわち、可動内歯車41は、固定内歯車35に同軸にかつ軸回りに回転可能に並設されて遊星歯車33が噛み合うように構成してある。また、可動内歯車41の歯数は、固定内歯車35のそれと僅かに異ならせてある。可動内歯車41の出力軸45側端面は閉鎖してあって、可動内歯車41の回転中心に出力軸45を軸方向に突き出るように固定してある。なお、キャリア37並びにキャリアピン39は、これらを省略することができる。これらを省略したときの遊星歯車33は、太陽歯車31及び固定内歯車35に支持されつつ、上述した機能を果たす。それにも関わらずキャリア37及びキャリアピン39を設けたのは、両者に支持させた遊星歯車は太陽歯車31にも固定内歯車35にも依存しないで自立するので、組み立てが楽になるからである。
(スライド機構の構造)
図2、3、5及び6を参照しながら、スライド機構51について説明する。スライド機構51は、固定内歯車35をモータブラケット11に対して円周方向に回転可能とするために両部材間に形成した機構である。スライド機構51は、固定内歯車35内面のモータブラケット11側に環状形成した滑り内周面53と、モータブラケット11が有するスライド円盤部17の環状外周面(滑り外周面57)と、によって構成してある。すなわち、スライド円盤部17を固定内歯車35に差し込んだときに、滑り内周面53と滑り外周面57とがスライド可能(摺動可能、滑り接触可能)に接触し、これによって、固定内歯車35(及びこれと一体に可動内歯車41)をモータブラケット11の円周方向に回転可能となる。図6に示す(a)はスライド阻止状態を示し、このとき受け部71内にスライドバー67の先端部69が受け入れられている。同(b)はスライド阻止解除状態を示し、このとき先端部69は支持部63内に引き込まれて見えない。固定内歯車35が円周方向にスライドして受け部71支持部63の位置が円周方向にずれているのが分かる。なお、固定内歯車35のモータブラケット11側端面(滑り端面55)と、肉厚部15の固定内歯車35側の端面(滑り端面59)とが摺動若しくは滑り接触する場合は、これら滑り端面55及び滑り端面59もスライド機構51の一部を構成する。
(ロック機構の構造)
図2乃至5を参照する。ロック機構61は、固定内歯車35とモータブラケット11との間に設けたスライド機構51のスライド阻止とスライド阻止解除を行うための機構である。スライド機構51は、モータブラケット11が有する支持部63と、この支持部63を軸方向に貫通する支持孔65を貫通するスライドバー67と、固定内歯車35が有する受け部71とによって構成してある。ここで、スライドバー67は、支持部63によって固定内歯車35(受け部71)に対して突出退出可能に支持され、突出したスライドバー67の先端部69は固定内歯車35に形成された受け部71に受け入れられ、この受け入れによって、モータブラケット11に対する固定内歯車35がロックされる。付勢部材であるコイルバネを示すコイルバネ75は、スライドバー67の周りに、かつ、抜けないように先端部69と支持部63との間に配してある。コイルバネ75は、スライドバー67を受け部71方向に常時突出させておくための部材である。本実施形態の受け部71は、固定内歯車35のモータブラケット11側縁部に形成した凹部(切欠)がこれに該当する。
(本実施形態の作用効果)
ギアドモータ1によれば、駆動モータ3の駆動軸4の回転は、減速機構5によって減速され、出力軸45から取り出される。すなわち、駆動軸4の回転は、駆動太陽外歯車23から駆動遊星歯車25に伝達されて減速され、さらに、駆動遊星歯車25の公転によってキャリア27を介して不思議遊星歯車機構の太陽外歯車31が回転されるので、二段階に減速される。太陽外歯車31の回転は遊星歯車33を公転・自転させる。このとき、固定内歯車35はロック機構61のスライド阻止機能によってモータブラケット11に対してスライド阻止の状態にある。ロック機構61の一部を構成するスライドバー67がコイルバネ75の付勢力によって突出してその先端となる先端部69が固定内歯車35の受け部71に受け入れられることによって、受け入れられた先端部69が邪魔をしてモータブラケット11に対する固定内歯車35の円周方向のスライドが阻止される。遊星歯車33の説明に戻る。遊星歯車33の公転は可動内歯車41を回転させ、これによって出力軸45が一体回転する。この状態で出力軸45若しくは可動内歯車41を回転させようとしても、不思議遊星歯車機構8のセルフロック機能によりそれができない。
一方、スライドバー67を手で摘んでコイルバネ75の付勢力に逆らいながら退出させると、受け入れられていた先端部69が受け部71から退出して邪魔にならなくなりロック機構61のスライド阻止が解除される。ロック機構61のスライド阻止が解除されると、スライド機構51の働きにより固定内歯車がモータブラケット11に対して円周方向にスライド可能な状態になる。すなわち、モータブラケット11のスライド円盤部17を固定内歯車35に差し込んだときに、滑り内周面53と滑り外周面57とが、滑り端面55と滑り端面59とが、それぞれスライド可能(摺動可能)に接触し、これによって、固定内歯車35(及びこれと一体に可動内歯車41)をモータブラケット11の円周方向に回転可能となる。
スライド可能となったところで、出力軸45若しくは可動内歯車41を時計回り若しくは反時計回りのいずれかの方向に回転させると、減速機構5を構成するギアの1つである駆動太陽外歯車23の回りを、これと噛み合う駆動遊星歯車25が自転しながら公転して、これによって固定内歯車35が同方向に回転(スライド)する。この回転は、セルフロック機能によって固定内歯車35が可動内歯車41と実質的に一体化している一方、固定内歯車35と駆動軸4との間にセルフロック機能が働かないことから可能となる。スライド阻止を解除した後、スライドバー67の手を放すとコイルバネ75の付勢力によってスライドバー67が突出し元のスライド阻止状態に復帰する。さらにコイルバネ75は、常時突出状態を保つことによってスライド阻止状態を簡単に解除できないようにする機能も備えている。なお、たとえば、駆動遊星歯車25との噛み合わせ抵抗が大きすぎるときに駆動遊星歯車25が一体回転する場合もある。
(ロック機構の第1変形例)
図7を参照しながら、ロック機構の第1変形例について説明する。図7に示す第1変形例に係るロック機構と図6に示す本実施形態に係るロック機構との違いは、それらの受け部の形状のみである。したがって、本実施形態と第1変形例の間で共通する部材については、図6で使用した部材番号と同じ部材番号を図7に記すとともに、共通部材についての説明を省略する。すなわち、第1変形例に係る受け部77は、固定内歯車35の外周面から突き出す2個の受け片77によって構成してある。ロック機構61の受け部となる各受け片77は、固定内歯車35のモータブラケット11側縁部に設けてあり、両者間には、所定の隙間79が設けてある。この隙間79は、スライドバー67の先端部69が突出するときにこれを受け入れ退出するときにこれを許容するように形成してある。
(ロック機構の第2変形例)
図8及び9を参照しながら、ロック機構の第2変形例について説明する。第2変形例に係るロック機構は、スライド機構の変更をも伴うので、スライド機構と併せてその説明を行う。モータブラケット11´は、フランジ部13´と、肉厚部15´と、支持部63´と、を備えている。肉厚部15´の厚みは、前述した肉厚部15のそれより幅広になっており、後述すするストッパリング87の軸方向スライドを許容するようになっている。ストッパリングのスライドは、それ自身が固定内歯車35´に対して突出退出を可能とするためである。肉厚部15´の外周面は滑り外周面83となっている。滑り外周面83を形成した理由は、後述する。滑り外周面83には、フランジ部13´から軸方向に滑り外周面83の途中まで延びる細長突片84を突出形成してある。細長突片84を形成した理由も後述する。
ストッパリング87は、肉厚部15´の外径より僅かに大きな内径を持ったリング状部材(ストッパ部材)であり、軸方向に差し込むことによって肉厚部15´(滑り外周面83)の外側に被せられるように構成してある。ストッパリング87は、その内周面(滑り内周面91)が滑り外周面83と滑り接触し、これによってストッパリング87の肉厚部15´(モータブラケット11´)に対する周方向スライドを可能にする。すなわち、滑り外周面83と滑り内周面91とによってスライド機構92が構成される。ストッパリング87のモータブラケット11側には、モータブラケット11側に開口し軸方向に延びる受け溝90を形成してある。受け溝90は、ストッパリング87を肉厚部15´の外側に被せたときに細長突片84を受け入れ、これによって、被せたストッパリング87を肉厚部15´に対して周方向の回転を阻止する一方、軸方向に突出退出可能とするためのものである。軸方向突出退出は、ストッパリング87に先端部が固定され、支持部63´によってスライド可能に支持されたスライドバー67´を、突出退出方向に操作することによって行われる。スライドバー67´の回りに配されたコイルバネ75´がスライドバー67´を常時突出方向に付勢し、これに伴い、ストッパリング87も常時突出状態に保たれる。
ストッパリング87の固定内歯車35´側の縁部には、凸部88と凹部89とが周方向に互い違いに形成してある。他方、ストッパリング87の凸部88及び凹部89と、反対の位置関係となる凹部95及び凸部93を固定内歯車35´のストッパリング87側縁部に形成してある。ストッパリング87が突出状態にあることによって凸部88と凹部95とが、凹部89と凸部93とが、それぞれ噛み合った状態になり、この噛み合いによって固定内歯車35´のモータブラケット11´に対する周方向のスライドが阻止される。一方、ストッパリング87が退出状態になることによって上記噛み合いが解除され、これによって、固定内歯車35´のモータブラケット11´に対する周方向のスライド阻止が解除されスライドが可能になる。すなわち、固定内歯車35´の凸部93と凹部95及びストッパリング87の凸部88及び凹部89によってロック機構81が構成される。
(本実施形態の第1変形例)
図10及び11を参照しながら、本実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例に係るギアドモータ1Aが前掲した本実施形態に係るギアドモータ1と異なる点は、後者が有していた遊星歯車機構部を前者が有しない点である。すなわち、ギアドモータ1Aは、不思議遊星歯車機構部8Aのみによって減速機構5Aを構成してある。このような関係にあるため、ギアドモータ1Aとギアドモータ1との間で共通する部材については、図2及び3に示す部材番号をそのまま図2及び3にて使用するにとめ、共通する部材についての説明は省略する。以下、両者異なる点について説明する。すなわち、太陽歯車23は、減速機構5Aを構成するギアの1つであって、減速機構5Aをモータブラケット11に対して回転させる際に回転せずに、それと噛み合う遊星歯車33が自転しながら公転する。なお、たとえば、遊星歯車33との噛み合わせ抵抗が大きすぎるときに遊星歯車23が一体回転する場合もあることは、ギアドモータ1の場合と異ならない。ギアドモータ1Aがギアドモータ1と主な相違点は、遊星歯車機構部を有しない分だけ、固定内歯車35Aの長さ寸法が固定内歯車35のそれより短いこと、及び、ケーシング9Aの長さ寸法がケーシング9のそれより短いことである。スライド機構11やロック機構61の構成及び作用効果について、両者間に異なることはない。遊星歯車機構を有しない分、減速機構5Aのセルフロック機能が緩和されるが、それでもなお、出力軸45(可動内歯車41)を回転させづらい状態が解消されるわけではない。このような状態は、上記構成を採用することによって大幅に改善される。
(本実施形態の第2変形例)
図12及び13を参照しながら、本実施形態の第2変形例について説明する。第2変形例に係るギアドモータ1Bが前掲した本実施形態に係るギアドモータ1と異なる点は、後者が有していた不思議遊星歯車機構部8を有しない点、さらに、遊星歯車機構部を複数段設けてある点である。このような関係にあるため、ギアドモータ1Aとギアドモータ1との間で共通する部材については、図2及び3に示す部材番号をそのまま図2及び3にて使用するにとめ、共通する部材についての説明は省略する(各段における遊星歯車機構の構成についても同じ)。以下、両者異なる点についてのみ説明する。すなわち、ギアドモータ1Bは、複数段(第2変形例では4段)の遊星歯車機構部7B(図12では全体を符号7Bで示すが、各段のそれぞれを意味する場合もある)のみによって減速機構5Bを構成してある。遊星歯車機構部7Bの段数は1段でも2段以上でもよい。具体的な減速機構5Bは、減速機構5Bの一部を構成するギアの1つである初段の太陽外歯車23と、太陽外歯車23に噛み合って太陽外歯車23の周囲を公転しながら自転する初段の遊星歯車25と、遊星歯車25を支持する初段のキャリア27(図12の一番右にある)と、初段のキャリア27に併設したn段(nは自然数)の遊星歯車機構7Bと、n段の遊星歯車を支持する終段のキャリア27(図12の一番左にある)と、を含めて構成してある。ここで、遊星歯車機構7B各々が、前段(1つ手前の段)のキャリア27の回転中心に固定してある太陽外歯車27と、当該太陽外歯車27に噛み合って当該太陽外歯車27の周囲を公転しながら自転する遊星歯車と、当該遊星歯車を支持する次の段へ繋げるためのキャリア27と、を含めて構成してある。出力軸45は終段のキャリア27の回転中心に固定してある。その他、ギアドモータ1Bがギアドモータ1と異なる点は、不思議遊星歯車機構部を有しない分と遊星歯車機構の段数を増やした分だけ、固定内歯車35Bの長さ寸法が固定内歯車35のそれと異なること、及び、ケーシング9Aの長さ寸法がケーシング9のそれと異なることである。スライド機構11やロック機構61の構成及び作用効果について、両者間に異なることはない。出力軸45を回転させづらい状態は、上記構成を採用することによって大幅に改善される。
(本実施形態の第3変形例)
図14を参照しながら、本実施形態の第3変形例について説明する。第1変形例に係るギアドモータ1Aが前掲した本実施形態に係るギアドモータ1と異なる点は、減速機構5Cの構造である。減速機構5Cは、必ずしも不思議遊星歯車機構や遊星歯車機構若しくはこれらを組み合わせたものに限るものではなく、減速機構は多種多様であり本発明が適用可能なすべての減速機構を用いることができる。減速機構5Cは、ギア23C及び受け部71Cを備えている。ギア23Cには、たとえば、ピニオンギヤやウォームギアを用いることができる。受け部71Cは、支持部63、スライドバー67、先端部69とともにロック機構61Cの一部を構成する。スライドバー67は、支持部63によって減速機構5C(受け部71C)に対して突出退出可能に支持され、突出したスライドバー67の先端部69は受け部71に受け入れられ、この受け入れによって、モータブラケット11に対する減速機構5Cがロックされる。ロックによって、モータブラケット11に対する減速機構5Cのスライドが阻止され、ロック解除によって、スライド阻止が解除される。
1・・ギアドモータ、3・・駆動モータ、4・・駆動軸、5・・減速機構、7・・遊星歯車機構部、8・・不思議遊星歯車機構部、9・・ケーシング、11・・モータブラケット、12・・貫通孔、13・・フランジ部、15・・肉厚部、17・・スライド円板部、19・・ネジ、21・・隠し板、23・・駆動太陽外歯車、25・・駆動遊星歯車、27・・キャリア、29・・キャリアピン、31・・太陽外歯車、33・・遊星歯車、35・・固定内歯車、37・・キャリア、39・・キャリアピン、41・・可動内歯車、45・・出力軸、51・・スライド機構、53・・滑り内周面、55・・滑り端面、57・・滑り外周面、59・・滑り端面、61・・ロック機構、63・・支持部、65・・支持孔、67・・スライドバー、69・・先端部、71・・受け部、75・・コイルバネ、77・・受け部、79・・隙間、83・・滑り外周面、84・・細長突片、87・・ストッパリング、88・・凸部、89・・凹部、90・・受け溝、93・・凸部、95・・凹部

Claims (6)

  1. 駆動軸を有する駆動モータと、
    当該駆動軸の回転を減速して出力軸から取り出すための減速機構と、
    当該減速機構を当該駆動モータに固定するためのモータブラケットと
    該減速機構と当該モータブラケットとの間に形成した、当該減速機構を当該モータブラケットに対して円周方向に回転可能とするスライド機構
    当該減速機構と当該モータブラケットとの間に設けた、当該スライド機構のスライド阻止とスライド阻止を手動解除するためのロック機構と、備え
    当該減速機構が、
    当該ギアを構成する初段の太陽外歯車と、
    当該初段の太陽外歯車に噛み合って当該初段の太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する初段の遊星歯車と、
    当該の初段遊星歯車を支持する初段のキャリアと、
    当該初段のキャリアに併設したn段(nは自然数)の遊星歯車機構と、
    n段の遊星歯車を支持する終段のキャリアと、
    当該n段の遊星歯車すべての周囲に配置されて当該遊星歯車のすべてが噛み合う固定内歯車と、
    を含めて構成してあり、
    当該遊星歯車機構が、前段のキャリアの回転中心に固定してある太陽外歯車と、
    当該太陽外歯車に噛み合って当該太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する遊星歯車と、
    当該遊星歯車を支持するキャリアと、を含めて構成してあり、
    当該出力軸を当該終段キャリアの回転中心に固定してあり、
    当該スライド機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に形成してあり、かつ、当該滑り内周面と、当該滑り内周面と滑り接触可能な滑り外周面とにより構成してあり、
    当該滑り内周面は、当該固定内歯車内面の当該モータブラケット側に環状形成してあり、
    当該滑り外周面は、当該モータブラケットが有するスライド円盤部の環状外周に形成してあり、
    当該ロック機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に設けてあり、
    当該ロック機構のスライド阻止の解除によって、当該出力軸が、当該減速機構及び当該駆動軸とともに当該モータブラケットに対し回転可能に構成してある
    ことを特徴とするギアドモータ。
  2. 駆動軸を有する駆動モータと、
    当該駆動軸の回転を減速して出力軸から取り出すための減速機構と、
    当該減速機構を当該駆動モータに固定するためのモータブラケットと、
    当該減速機構と当該モータブラケットとの間に形成した、当該減速機構を当該モータブラケットに対して円周方向に回転可能とするスライド機構と、
    当該減速機構と当該モータブラケットとの間に設けた、当該スライド機構のスライド阻止とスライド阻止を手動解除するためのロック機構と、を備え、
    当該減速機構が、
    当該ギアを構成する太陽外歯車と、
    当該太陽外歯車に噛み合って当該太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する遊星歯車と、
    当該遊星歯車の周囲に配置されて当該遊星歯車が噛み合う固定内歯車と、
    当該固定内歯車に同軸にかつ軸回りに回転可能に並設されて当該遊星歯車が噛み合うとともに、当該固定内歯車と僅かに歯数が異なる可動内歯車と、を備え、
    当該出力軸を当該可動内歯車の回転中心に固定してある不思議遊星歯車機構によって構成してあり、
    当該スライド機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に形成してあり、かつ、当該滑り内周面と、当該滑り内周面と滑り接触可能な滑り外周面とにより構成してあり、
    当該滑り内周面は、当該固定内歯車内面の当該モータブラケット側に環状形成してあり、
    当該滑り外周面は、当該モータブラケットが有するスライド円盤部の環状外周に形成してあり、
    当該ロック機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に設けてあ
    当該ロック機構のスライド阻止の解除によって、当該出力軸が、当該減速機構及び当該駆動軸とともに当該モータブラケットに対し回転可能に構成してある
    ことを特徴とするギアドモータ。
  3. 駆動軸を有する駆動モータと、
    当該駆動軸の回転を減速して出力軸から取り出すための減速機構と、
    当該減速機構を当該駆動モータに固定するためのモータブラケットと、
    当該減速機構と当該モータブラケットとの間に形成した、当該減速機構を当該モータブラケットに対して円周方向に回転可能とするスライド機構と、
    当該減速機構と当該モータブラケットとの間に設けた、当該スライド機構のスライド阻止とスライド阻止を手動解除するためのロック機構と、を備え、
    当該減速機構が、
    当該駆動軸に固定した遊星歯車機構部と、当該遊星歯車機構部に併設した不思議遊星歯車機構部と、を含めて構成してあり、
    当該遊星歯車機構部が、
    当該ギアを構成する駆動太陽外歯車と、
    当該駆動太陽外歯車に噛み合うとともに固定内歯車と噛み合って当該駆動太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する駆動遊星歯車と、
    当該駆動遊星歯車を支持するキャリアと、を備え、
    当該不思議遊星歯車機構部が、
    当該キャリアの回転中心に固定された太陽外歯車と、
    当該太陽外歯車に噛み合って当該太陽外歯車の周囲を公転しながら自転する遊星歯車と、
    当該遊星歯車の周囲に配置されて当該遊星歯車が噛み合う固定内歯車と、
    当該固定内歯車に同軸にかつ軸回りに回転可能に並設されて当該遊星歯車が噛み合うとともに、当該固定内歯車と僅かに歯数が異なる可動内歯車と、を備え、
    当該出力軸を当該可動内歯車の回転中心に固定してあり、
    当該スライド機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に形成してあり、かつ、当該滑り内周面と、当該滑り内周面と滑り接触可能な滑り外周面とにより構成してあり、
    当該滑り内周面は、当該固定内歯車内面の当該モータブラケット側に環状形成してあり、
    当該滑り外周面は、当該モータブラケットが有するスライド円盤部の環状外周に形成してあり、
    当該ロック機構が、当該固定内歯車と当該モータブラケットとの間に設けてあり、
    当該ロック機構のスライド阻止の解除によって、当該出力軸が、当該減速機構及び当該駆動軸とともに当該モータブラケットに対し回転可能に構成してある
    ことを特徴とするギアドモータ。
  4. 前記ロック機構が、前記モータブラケットによって前記固定内歯車に対して突出退出可能に支持されたスライドバーと、突出した当該スライドバーの先端部を受け入れるために前記固定内歯車に形成された受け部と、を含めて構成してある
    ことを特徴とする請求項乃至いずれか記載のギアドモータ。
  5. 前記ロック機構が、前記モータブラケットによって前記固定内歯車に対して突出退出可能に支持されたスライドバーと、当該スライドバーの先端に固定され前記モータブラケットに対して軸方向に突出退出可能に構成されたストッパ部材と、当該ストッパ部材との間でスライド阻止機能を発揮するために前記固定内歯車に形成されたストッパ構造と、を含めて構成してある
    ことを特徴とする請求項乃至いずれか記載のギアドモータ。
  6. 前記ロック機構が、前記スライドバーを常時突出させておくための付勢部材を含めて構成してある
    ことを特徴とする請求項又は記載のギアドモータ。
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