JP5371396B2 - 積層配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、導電部を有する配線基板を2つ以上積層してなる積層配線基板に関し、さらに詳しくは、多層化しても、薄型で可撓性に優れた積層配線基板に関するものである。
従来、複数の配線基板を積層してなる積層配線基板では、基板を貫通するスルーホールを設け、このスルーホールを介して配線基板同士を接続していた。
また、RFID(Radio Frequency Identification)と称される非接触型データ受送信体(非接触型ICカードなど)は、基材にアンテナをパターン形成して、ICチップを搭載したインレットと称されるものを他の基材に貼着して作製される。
このような非接触型データ受送信体では、例えば、紙材やフィルムなどをベース基材としたインレットにおいて通信のためにアンテナパターンを複数巻き回してループ状あるいはスパイラル状に形成するのが一般的であり、アンテナパターンの両端の接点間に、アンテナパターンを跨いで設けられた絶縁層を介してジャンパ配線を交差させてICチップを搭載することが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、絶縁層は、アンテナパターンとジャンパ配線との短絡を防止するために設けられる。
また、非接触型データ受送信体において、アンテナパターンとジャンパ配線との短絡を防止するために、アンテナパターンを跨いで絶縁層を設けるのではなく、基材に設けられたスルーホールを経由して、基材のアンテナパターンが形成されている面とは反対側の面に、スルーホールに接続したジャンパ配線を設けることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、連接する3つの領域を有する基材と、その第一領域に配置されたアンテナパターン、および、第三領域に配置されたジャンパ配線とを備えた通信用回路保持体であり、基材を折り曲げることにより、3つの領域を重ね合わせた際に、アンテナパターンの両端部とジャンパ配線の両端部とが電気的に接続するように配設されてなるものが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−074310号公報 特開2003−006589号公報 特開2005−241011号公報
しかしながら、従来の積層配線基板は、スルーホールを介して、複数の配線基板が積層されているため、配線基板同士の導通の確保が難しいという問題があった。また、積層配線基板を製造するには、スルーホールを形成する必要があるため、製造工程が多く、製造コストが高いという問題があった。
また、特許文献1に開示されている非接触型データ受送信体は、アンテナパターンを跨いで絶縁層が設けられ、さらに、この絶縁層上にジャンパ配線が設けられているため、製造工程が多く、製造コストが高いという問題があった。
また、特許文献2に開示されている非接触型データ受送信体は、スルーホールを介して、アンテナパターンとジャンパ配線が接続されているため、アンテナパターンとジャンパ配線の導通の確保が難しいという問題があった。また、この非接触型データ受送信体を製造するにも、スルーホールを形成する必要があるため、製造工程が多く、製造コストが高いという問題があった。
さらに、特許文献3に開示されている通信用回路保持体は、基材を折り曲げた後、第一領域のアンテナパターンと、第三領域のジャンパ配線との導通を確保するために、重ね合わせた基材を圧着する必要があり、圧着時の力の加減によっては、前記の導通を十分に確保できないことがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、スルーホールを介することなく、積層された複数の配線基板の間にて、それぞれの配線基板の導電部を電気的に接続することができる積層配線基板を提供することを目的とする。
本発明の積層配線基板は、連接する2つ以上の領域からなる基材と、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って前記基材の一方の面に設けられた凹部と、前記基材の一方の面の外縁部において、前記凹部内を通り、前記2つ以上の領域にわたって設けられた導電部と、前記凹部内に配置された前記導電部のうち互いに対向し離隔する部分のそれぞれに接するとともに、その長さ方向が前記境界線に沿うように前記凹部内に配置されて互いに離隔し、かつ、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って、前記基材を、前記導電部が設けられている一方の面側に折り曲げて、前記2つ以上の領域のうち隣接する領域を重ね合わせたとき、前記導電部の互いに対向する位置を通るように配置された一対の柱状の導電体と、を備え、前記導電体は、前記凹部内に設けられた前記導電部上に配置され、前記2つ以上の領域のうち隣接する2つの領域が、前記導電部が対向するように前記境界線にて折り曲げられ、前記隣接する2つの領域が近接されたことを特徴とする。
また、本発明の積層配線基板は、連接する2つ以上の領域からなる基材と、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って前記基材の他方の面に設けられた凹部と、前記基材の一方の面の外縁部において、前記凹部に重なる部分を通り、前記2つ以上の領域にわたって設けられた導電部と、前記凹部に重なる位置に配置された前記導電部のうち互いに対向し離隔する部分のそれぞれに接するとともに、その長さ方向が前記境界線に沿うように配置されて互いに離隔し、かつ、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って、前記基材を、前記導電部が設けられている一方の面側に折り曲げて、前記2つ以上の領域のうち隣接する領域を重ね合わせたとき、前記導電部の互いに対向する位置を通るように配置された一対の柱状の導電体と、を備え、前記導電体は、前記基材の一方の面において、前記凹部に対向する位置に設けられた前記導電部上に配置され、前記2つ以上の領域のうち隣接する2つの領域が、前記導電部が対向するように前記境界線にて折り曲げられ、前記隣接する2つの領域が近接されたことを特徴とする。
本発明の積層配線基板によれば、2つ以上の領域からなる基材と、該基材の一方の面に設けられた導電部と、前記2つ以上の領域の境界線に沿って、前記導電部上に配置された導電体と、を備え、前記2つ以上の領域のうち隣接する2つの領域が、前記導電部が対向するように前記境界線にて折り曲げられ、前記隣接する2つの領域が近接されたので、重ねられた2つの領域の間にて、導電部同士の導通を確保することができる。すなわち、積層配線基板の折り曲げによって、導電部に亀裂などが生じ、折り曲げ部分にて導電部が断線したとしても、導電体を介して、導電部同士を確実に導通させることができる。また、従来の積層配線基板のようにスルーホールを形成する必要がないので、製造工程を簡略化し、製造コストを低減することができる。さらに、本発明の積層配線基板は、スルーホールが設けられていないので、多層化しても、薄型で可撓性に優れている。
本発明の積層配線基板の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(1)第一の実施形態
図1は、本発明の積層配線基板の第一の実施形態を示し、積層配線基板を構成する基材を展開した状態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。図2は、本発明の積層配線基板の第一の実施形態の一例を示す側面図である。図3は、本発明の積層配線基板の第一の実施形態の他の例を示す側面図である。
この実施形態の積層配線基板10は、第一領域11Aおよび第二領域11Bからなる基材11と、2つの第一領域11Aおよび第二領域11Bの境界線15に沿って、基材11の一方の面11aに設けられた凹部13と、基材11の一方の面11aに設けられたループ状の導電部12と、境界線15に沿って、導電部12上に配置された円柱状の導電体14、14とから概略構成されている。
導電部12は基材11の一方の面11aに設けられた凹部13内にも設けられている。
また、2つの導電体14、14は、導電部12の互いに対向する位置を通るように設けられた凹部13内に配置され、この凹部13内にて、導電体14、14が導電部12に接している。言い換えれば、導電体14、14は、その長さ方向が境界線15に沿うように、凹部13内に配置されている。
凹部13の断面形状は特に限定されないが、例えば、半円形状、三角形状、四角形状などが挙げられる。
また、凹部13の幅は特に限定されないが、積層配線基板10に要求される折り曲げ量に応じて適宜調整される。
導電体14の長さは特に限定されないが、導電部12の幅とほぼ等しいことが好ましい。
また、導電体14の外径は特に限定されないが、導電部12の厚みに応じて適宜調整される。
このような積層配線基板10において、境界線15を境界として基材11を折り曲げて第一領域11Aの一方の面11aと第二領域11Bの一方の面11aを重ね合わせることにより、第一領域11Aと第二領域11Bが積層されて、図2に示す積層配線基板10が構成される。
このように第一領域11Aと第二領域11Bを重ね合わせることにより、導電部12を2層にすることができるだけでなく、導電部12が非接触型データ受送信体のアンテナをなす場合、そのアンテナが共振する周波数を調整することができる。
また、積層配線基板10において、境界線15を境界として基材11を折り曲げて第一領域11Aの一方の面11aと第二領域11Bの一方の面11aを、所定の間隔を置いて近接させることにより、第一領域11Aと第二領域11Bが所定の間隔を置いて配置され、図3に示す積層配線基板10が構成される。
このように第一領域11Aと第二領域11Bが所定の間隔を置いて、近接配置することにより、導電部12を2層にすることができるだけでなく、導電部12が非接触型データ受送信体のアンテナをなす場合、そのアンテナ長を変えることなく、すなわち、通信距離を短くすることなく、積層配線基板10を小型化することができる。なお、第一領域11Aと第二領域11Bの間隔は特に限定されず、導電部12からなるアンテナが共振する周波数に応じて適宜調整される。
基材11の第一領域11Aと第二領域11Bを積層、固定する手段(以下、「固定手段」と略す。)としては、特に限定されないが、第一領域11Aと第二領域11Bを一緒に挟み込むような機械的手段、第一領域11Aと第二領域11Bを接着する接着剤、第一領域11Aの一方の面11aおよび/または第二領域11Bの一方の面11aに設けられた樹脂層などが挙げられる。
固定手段として接着剤を用いる場合、第一領域11Aの一方の面11aおよび/または第二領域11Bの一方の面11aに、接着剤が設けられる。
このような接着剤としては、特に限定されないが、貼着後は剥離困難または剥離不可な非剥離性感圧接着剤が好適に用いられる。
このような非剥離性感圧接着剤としては、従来の感圧接着剤として慣用されているものが用いられ、これらの中でも220gf/25mm以上の剥離力を有する接着剤が挙げられる。このような非剥離性感圧接着剤としては、例えば、天然ゴムに、スチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックスが挙げられる。この天然ゴムラテックスは、耐ブロッキング性、耐熱性、耐磨耗性などの点で、積層配線基板10に好適な接着剤である。
固定手段として樹脂層を用いる場合、第一領域11Aの一方の面11aおよび/または第二領域11Bの一方の面11aに、樹脂層が設けられる。そして、加熱により樹脂層を溶融して、第一領域11Aと第二領域11Bを融着する。
このような樹脂層を形成する樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられるが、これらの中でも、比較的融点の低い熱可塑性樹脂が好ましい。
基材11としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した被覆部材や、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材、(ガラス)エポキシ樹脂基材などのプラスチック基材や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。
導電部12は、基材11の一方の面11aに、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンにスクリーン印刷により形成してなるもの、溶剤揮発型導電インクを用いてインクジェット印刷により所定のパターンを形成した後、焼成してなるもの、もしくは、導電性箔を所定のパターンにエッチングしてなるもの、金属メッキにより所定のパターンを形成してなるものである。
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが用いられる。
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度で導電部12をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。導電部12をなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜をなす導電微粒子が互いに接触することによる形成され、この塗膜の抵抗値は10-5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型かあるいは架橋/熱可塑併用型(ただし熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型かあるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
溶剤揮発型導電インクとしては、例えば、揮発溶剤に平均粒子径1〜10nmの金属ナノ粒子を50〜80質量%配合されたものや熱分解型金属塩が10〜50質量%配合されたものなどが用いられる。
また、導電部12をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、導電部12をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
導電体14を構成する材料としては、銅、銀、金、白金、アルミニウムなどの金属が挙げられる。
この積層配線基板10によれば、2つの第一領域11Aおよび第二領域11Bからなる基材11と、第一領域11Aと第二領域11Bの境界線15に沿って、基材11の一方の面11aに設けられた凹部13と、基材11の一方の面11aに設けられた導電部12と、境界線15に沿って、導電部12上に配置された導電体14と、を備え、境界線15にて折り曲げられ、第一領域11Aと第二領域11Bが近接されたので、重ねられた第一領域11Aと第二領域11Bの間にて、導電部12同士の導通を確保することができる。すなわち、例え、積層配線基板10の折り曲げによって、導電部12に亀裂などが生じ、折り曲げ部分にて導電部12が断線したとしても、導電体14を介して、導電部12同士を確実に導通させることができる。また、従来の積層配線基板のようにスルーホールを形成する必要がないので、製造工程を簡略化し、製造コストを低減することができる。さらに、積層配線基板10は、スルーホールが設けられていないので、多層化しても、薄型で可撓性に優れている。
なお、この実施形態では、第一領域11Aと第二領域11Bからなる基材11を備え、境界線15を境界として基材11を折り曲げて第一領域11Aの一方の面11aと第二領域11Bの一方の面11aを近接された積層配線基板10を例示したが、本発明の積層配線基板はこれに限定されない。本発明の積層配線基板にあっては、3つ以上の領域からなる基材を備え、3つ以上の領域のうち隣接する2つの領域が、導電部が対向するように境界線にて折り曲げられ、隣接する2つの領域が近接されていてもよい。
また、この実施形態では、境界線15に沿って基材11の一方の面11aに設けられた凹部13を備え、この凹部13内に2つの導電体14、14が配置された積層配線基板10を例示したが、本発明の積層配線基板はこれに限定されない。本発明の積層配線基板にあっては、基材に凹部が設けられていなくてもよく、導電体は基材の領域の境界線に沿って、基材の一方の面に設けられた導電部上に設けられていればよい。
また、この実施形態では、導電部12と導電体14を備えた積層配線基板10を例示したが、本発明の積層配線基板はこれに限定されない。本発明の積層配線基板にあっては、ICチップなどの電子部品、各種表示素子、各種受光素子を備えていてもよい。
(2)第二の実施形態
図4は、本発明の積層配線基板の第二の実施形態を示す側面図である。
この実施形態の積層配線基板20は、第一領域21Aおよび第二領域21Bからなる基材21と、2つの第一領域21Aおよび第二領域21Bの境界線25に沿って、基材21の他方の面21bに設けられた凹部23と、基材21の一方の面21aに設けられた導電部22と、境界線25に沿って、導電部22上に配置された円柱状の導電体24とから概略構成されている。
また、導電体24は、基材21の一方の面21aにいて、基材21の他方の面21bに設けられた凹部23に対向する位置に配置され、この位置にて、導電体24が導電部22に接している。言い換えれば、導電体24は、その長さ方向が境界線25に沿うように、導電部22上に配置されている。
凹部23の断面形状は特に限定されないが、例えば、半円形状、三角形状、四角形状などが挙げられる。
また、凹部23の幅は特に限定されないが、積層配線基板20に要求される折り曲げ量に応じて適宜調整される。
導電体24の長さは特に限定されないが、導電部22の幅とほぼ等しいことが好ましい。
また、導電体24の外径は特に限定されないが、導電部22の厚みに応じて適宜調整される。
このような積層配線基板20において、境界線25を境界として基材21を折り曲げて第一領域21Aの一方の面21aと第二領域21Bの一方の面21aを重ね合わせることにより、第一領域21Aと第二領域21Bが積層された積層配線基板20が構成される。
このように第一領域21Aと第二領域21Bを重ね合わせることにより、導電部22を2層にすることができるだけでなく、導電部22が非接触型データ受送信体のアンテナをなす場合、そのアンテナが共振する周波数を調整することができる。
また、積層配線基板20において、境界線25を境界として基材21を折り曲げて第一領域21Aの一方の面21aと第二領域21Bの一方の面21aを、所定の間隔を置いて近接させることにより、第一領域11Aと第二領域11Bが所定の間隔を置いて配置された積層配線基板20が構成される。
このように第一領域21Aと第二領域21Bが所定の間隔を置いて、近接配置することにより、導電部22を2層にすることができるだけでなく、導電部22が非接触型データ受送信体のアンテナをなす場合、そのアンテナ長を変えることなく、すなわち、通信距離を短くすることなく、積層配線基板20を小型化することができる。なお、第一領域21Aと第二領域21Bの間隔は特に限定されず、導電部22からなるアンテナが共振する周波数に応じて適宜調整される。
基材21の第一領域21Aと第二領域21Bを積層、固定する手段(以下、「固定手段」と略す。)としては、上述の第一の実施形態と同様の手段が用いられる。
基材21としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
導電部22を形成する材料としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
導電体24を構成する材料としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
この積層配線基板20によれば、2つの第一領域21Aおよび第二領域21Bからなる基材21と、第一領域21Aと第二領域21Bの境界線25に沿って、基材21の他方の面21bに設けられた凹部23と、基材21の一方の面21aに設けられた導電部22と、境界線25に沿って、導電部22上に配置された導電体24と、を備え、境界線25にて折り曲げられ、第一領域21Aと第二領域21Bが近接されたので、重ねられた第一領域21Aと第二領域21Bの間にて、導電部22同士の導通を確保することができる。すなわち、積層配線基板20の折り曲げによって、導電部22に亀裂などが生じ、折り曲げ部分にて導電部22が断線したとしても、導電体24を介して、導電部22同士を確実に導通させることができる。また、従来の積層配線基板のようにスルーホールを形成する必要がないので、製造工程を簡略化し、製造コストを低減することができる。さらに、積層配線基板20は、スルーホールが設けられていないので、多層化しても、薄型で可撓性に優れている。
なお、この実施形態では、境界線25に沿って基材21の他方の面21bに設けられた凹部23を備え、この凹部23に対向する位置に導電体24が配置された積層配線基板20を例示したが、本発明の積層配線基板はこれに限定されない。本発明の積層配線基板にあっては、基材に凹部が設けられていなくてもよく、導電体は基材の領域の境界線に沿って、基材の一方の面に設けられた導電部上に設けられていればよい。
本発明の積層配線基板の第一の実施形態を示し、積層配線基板を構成する基材を展開した状態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 本発明の積層配線基板の第一の実施形態の一例を示す側面図である。 本発明の積層配線基板の第一の実施形態の他の例を示す側面図である。 本発明の積層配線基板の第二の実施形態を示す側面図である。
符号の説明
10,20・・・積層配線基板、11,21・・・基材、11A,21A・・・第一領域、11B,21B・・・第二領域、12,22・・・導電部、13,23・・・凹部、14,24・・・導電部、15,25・・・境界線。

Claims (2)

  1. 連接する2つ以上の領域からなる基材と、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って前記基材の一方の面に設けられた凹部と、前記基材の一方の面の外縁部において、前記凹部内を通り、前記2つ以上の領域にわたって設けられた導電部と、前記凹部内に配置された前記導電部のうち互いに対向し離隔する部分のそれぞれに接するとともに、その長さ方向が前記境界線に沿うように前記凹部内に配置されて互いに離隔し、かつ、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って、前記基材を、前記導電部が設けられている一方の面側に折り曲げて、前記2つ以上の領域のうち隣接する領域を重ね合わせたとき、前記導電部の互いに対向する位置を通るように配置された一対の柱状の導電体と、を備え、
    前記導電体は、前記凹部内に設けられた前記導電部上に配置され、
    前記2つ以上の領域のうち隣接する2つの領域が、前記導電部が対向するように前記境界線にて折り曲げられ、前記隣接する2つの領域が近接されたことを特徴とする積層配線基板。
  2. 連接する2つ以上の領域からなる基材と、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って前記基材の他方の面に設けられた凹部と、前記基材の一方の面の外縁部において、前記凹部に重なる部分を通り、前記2つ以上の領域にわたって設けられた導電部と、前記凹部に重なる位置に配置された前記導電部のうち互いに対向し離隔する部分のそれぞれに接するとともに、その長さ方向が前記境界線に沿うように配置されて互いに離隔し、かつ、前記2つ以上の領域のそれぞれの境界線に沿って、前記基材を、前記導電部が設けられている一方の面側に折り曲げて、前記2つ以上の領域のうち隣接する領域を重ね合わせたとき、前記導電部の互いに対向する位置を通るように配置された一対の柱状の導電体と、を備え、
    前記導電体は、前記基材の一方の面において、前記凹部に対向する位置に設けられた前記導電部上に配置され、
    前記2つ以上の領域のうち隣接する2つの領域が、前記導電部が対向するように前記境界線にて折り曲げられ、前記隣接する2つの領域が近接されたことを特徴とする積層配線基板。
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