JP5370289B2 - 非水系電池用セパレーター及びそれを用いた非水系電池 - Google Patents
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Description
(1)樹脂繊維を含有してなる不織布と、非導電性フィラーと、結着剤とを含んでなり、
前記樹脂繊維が、2−ノルボルネンを含むノルボルネン系単量体を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の99%以上を水素添加してなる、融点が110〜145℃の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を主成分とするものである、非水系電池用セパレーター。
本発明に用いる不織布は、後述する結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を主成分とする樹脂繊維を含有してなる。樹脂繊維は、短繊維であってもよいし、長繊維であってもよい。
本発明に用いる樹脂繊維は、2−ノルボルネンを含むノルボルネン系単量体を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の99%以上を水素添加してなる、融点が110〜145℃の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を主成分とする。なお、本発明における「結晶性」は、示差走査熱量計を用いてDSC測定することにより判定することができる。具体的には、DSC測定によりDSC曲線を得、当該DSC曲線がショルダーを有さず、かつ、1つの最大吸熱ピークを示し、単一の吸熱ピーク温度(融点Tm)を特定できる場合に、「結晶性」であると判定することができる。
本発明に用いるノルボルネン系単量体は、オレフィンとのメタセシス反応により直鎖構造を生成する、ノルボルネン構造を有する単量体であり、2−ノルボルネンと、脂肪族性の炭素−炭素二重結合を含まない置換基を有する2−ノルボルネンとで構成されることが好ましい。開環重合体に分岐構造を導入するには、後述するように分岐剤存在下で重合すればよい。
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−フェニル−2−ノルボルネン)等の芳香環を有するノルボルネン類;
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン)、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、2−メチルプロピオン酸5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、2−メチルオクタン酸5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシイソプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−カルボキシ−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等の酸素原子を含む極性基を有するノルボルネン類;
5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−カルボキシ−5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等の窒素原子を含む極性基を有するノルボルネン類;等が挙げられる。
具体的には、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン等のジシクロペンタジエン類;
テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンとも言う)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(「1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセン」ともいう。)等の芳香環を有するノルボルネン類;
テトラシクロドデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペンチルテトラシクロドデセン等の無置換又はアルキル基を有するテトラシクロドデセン類;
8−フェニルテトラシクロドデセン等の芳香環を有するテトラシクロドデセン類;
8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセン、8−カルボキシテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物等の酸素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−シアノテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−クロロテトラシクロドデセン等のハロゲン原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
8−トリメトキシシリルテトラシクロドデセン等のケイ素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;
ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデセン等の無置換又はアルキル基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−フェニルヘキサシクロヘプタデセン等の芳香環を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−メチル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−ヒドロキシメチルヘキサシクロヘプタデセン、12−カルボキシヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸無水物等の酸素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−シアノヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−クロロヘキサシクロヘプタデセン等のハロゲン原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;
12−トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセン等のケイ素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;等が挙げられる。
脂肪族性の炭素−炭素二重結合を含まない置換基を有するノルボルネン単量体は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
exo−trans−exo−ペンタシクロ[8.2.1.14,7.02,9.03,8]テトラデカ−5,11−ジエン(以下、「NB−dimer」ということがある。)、4,4a,4b,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ビスメタノ−1H−フルオレン、1α,4α:5α,8α−ジメタノ−1,4,4a,5,8,8a,9,9a,10,10a−デカヒドロアントラセン、5,5’−ビ(ノルボルナ−2−エン)、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4,9−ジエン、1,4,4a,5,8,8a,9,9a,10,10a−デカヒドロ−1,4:5,8:9,10−トリメタノアントラセン等のような分子内に2つのノルボルネン構造を有する単量体;
1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、4−(2−プロペニル)−1,6−ヘプタジエン、3−ビニル−1,4−ペンタジエン、3−ビニル−1,5−ヘキサジエン、1,3,5−トリビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,2,4,5−テトラビニルベンゼン等のような分子内に3つ以上の末端炭素−炭素二重結合を有する単量体;等が挙げられる。
[η]Braは分岐状の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の極限粘度、[η]Linは同一の重量平均分子量である直鎖状の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の極限粘度である。ここで極限粘度[η]は、シクロヘキサンに溶解した試料を60℃で測定した値である。
ノルボルネン系単量体の開環共重合は、無溶媒又は適当な溶媒中で、メタセシス重合触媒の存在下に実施することができる。
ノルボルネン系単量体の開環共重合に関しては、例えば、WO2009/107784号公報に特に記載された方法で行うことができる。
得られたノルボルネン系開環重合体は、次の水素添加反応工程へ供される。後述するように、開環重合を行った反応溶液に水素添加触媒を添加して、ノルボルネン系開環重合体を単離することなく、連続的に水素添加反応を行うこともできる。
触媒の使用量は、ノルボルネン系開環重合体100質量部に対し、通常0.05〜10質量部である。
凝固法は、重合体溶液を重合体の貧溶媒と混合することにより、重合体を析出させる方法である。用いる貧溶媒としては、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;等の極性溶媒が挙げられる。
凝固して得られた粒子状の成分は、例えば、真空中又は窒素中若しくは空気中で加熱して乾燥させて粒子状にするか、さらに必要に応じて溶融押出機から押し出してペレット状にすることができる。
直接乾燥法は、重合体溶液を減圧下加熱して溶媒を除去する方法である。この方法には、遠心薄膜連続蒸発乾燥機、掻面熱交換型連続反応器型乾燥機、高粘度リアクタ装置等の公知の装置を用いて行うことができる。真空度や温度はその装置によって適宜選択され、限定されない。
以上のようにして、本発明に用いる結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を得ることができる。
本発明に用いる結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物は、ノルボルネン系開環重合体中の炭素−炭素二重結合の水素添加率が通常99%以上、好ましくは99.5%以上、より好ましくは99.9%以上である。上記の範囲にあると、結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物中に残留二重結合がほとんど含まれないため、電池の充放電時の耐酸化性に優れる。水素添加率が上記範囲未満であると、電池の充放電時の電気化学的酸化に対する耐性が低下し、サイクル寿命特性等の電池特性が低下する。
結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の水素添加率は、溶媒に重クロロホルムを用い、1H−NMRにより測定して求めることができる。
本発明に用いる非導電性フィラーは、非水系電池(リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池など)の使用環境下で安定に存在し、電気化学的にも安定であることが望まれる。非導電性フィラーとしては、例えば、各種の無機粒子や有機粒子を使用することができる。電池の性能に悪影響を及ぼす金属のコンタミネーションが少ない粒子を低コストで製造できる点からは、有機粒子が好ましい。
非導電性フィラーとして有機粒子を用いる場合、その融解温度は、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上、特に好ましくは180℃以上である。有機粒子の融解温度を上記範囲内とすることで、熱暴走時に不織布が溶融した際、有機粒子が形状を維持することにより、短絡せずに内部抵抗が上昇し、優れたシャットダウン特性を示すと共に本発明のセパレーターに形状保持効果を持たせることができる。
非導電性フィラーに用いる無機粒子としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チタン、BaTiO2、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物粒子;窒化アルミニウム、窒化硼素等の窒化物粒子;シリコーン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶粒子;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;タルク、モンモリロナイトなどの粘土微粒子等が用いられる。これらの粒子は必要に応じて元素置換、表面処理、固溶体化等されていてもよく、また単独でも2種以上の組合せからなるものでもよい。これらの中でも、非水系電池を製造した際の電解液中での安定性と電位安定性の観点から酸化物粒子であることが好ましい。
非導電性粒子として、金属異物の含有量が100ppm以下のものを用いることが好ましい。金属異物または金属イオンが多く含まれる非導電性粒子を用いると、後述するセパレーター形成用スラリーまたはセパレーター形成用樹脂繊維含有スラリーにおいて、前記金属異物又は金属イオンが溶出し、これが該スラリー中のポリマーとイオン架橋を起こし、該スラリーが凝集し、結果としてセパレーターの多孔性が下がり出力特性が悪化する恐れがある。前記金属としては、特にイオン化しやすいFe、NiおよびCr等の含有が最も好ましくない。従って、非導電性粒子中の金属含有量としては好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。上記含有量が少ないほど電池特性の劣化が起こりにくくなる。ここでいう「金属異物」とは、非導電性粒子以外の金属単体を意味する。非導電性粒子中の金属異物の含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma)を用いて測定することができる。
結着剤は、非導電性フィラーを不織布に保持するための成分であり、通常結着性を有するバインダー(重合体)粒子が分散媒(水または有機溶媒)に溶解または分散された溶液または分散液の状態で用いられる(以下、これらを総称して「バインダー分散液」と記載することがある)。本発明においては、環境の観点に優れることから分散媒として水を用いることが好ましい。また、分散媒として有機溶媒を用いる場合、N−メチルピロリドン(NMP)等の有機溶剤が用いられる。
ジエン系重合体とは、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンを重合してなる単量体単位を含む重合体である。ジエン系重合体中の共役ジエンを重合してなる単量体単位の割合は通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。重合体としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体;共役ジエンと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。前記共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体; 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類; N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物が挙げられる。
アクリル系重合体とは、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを重合してなる単量体単位を含む重合体である。アクリル系重合体中のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを重合してなる単量体単位の割合は、通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上である。重合体としては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの単独重合体、これと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。前記共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸類;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの2つ以上の炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸エステル類;スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;アクリルアミド、N−メチロールアクエイルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル化合物;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体; 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類; N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物が挙げられる。
本発明の非水系電池用セパレーターには、上記成分のほかに、さらに任意の成分が含まれていてもよい。かかる任意の成分としては、分散剤、レベリング剤、酸化防止剤、上記結着剤以外のその他の結着剤、増粘剤、消泡剤や、電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の成分を挙げることができる。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
本発明の非水系電池用セパレーターを製造する方法としては、(1)非導電性フィラー、結着剤及び溶媒を含むセパレーター形成用スラリーを、樹脂繊維を含有してなる不織布上に塗布し、次いで乾燥する方法;(2)非導電性フィラー、結着剤及び溶媒を含むセパレーター形成用スラリーを、樹脂繊維を含有してなる不織布に浸漬後、これを乾燥する方法;(3)樹脂繊維、非導電性フィラー及び結着剤を溶媒中に分散してセパレーター形成用樹脂繊維含有スラリーを得、その後漉き上げることにより本発明のセパレーターとして用いることができる非導電性フィラー含有不織布を製造する方法;が挙げられる。この中でも、(1)セパレーター形成用スラリーを不織布に塗布し、次いで乾燥する方法と(3)セパレーター形成用樹脂繊維含有スラリーを漉き上げることによりセパレーターを形成する方法が、(1)はセパレーターの厚みを制御しやすいため厚み精度に優れることから好ましく、(3)はセパレーターの厚みを薄くすることができ、更に非導電性フィラーをセパレーター中に均一に存在させることから膜強度が向上するため好ましい。その中でも特に(3)が最も好ましい。
セパレーター形成用スラリーは、固形分として上述の非導電性フィラー、結着剤及び任意の成分を、溶媒に均一に分散したものである。また、セパレーター形成用樹脂繊維含有スラリーは、固形分として上述の樹脂繊維、非導電性フィラー、結着剤及び任意の成分を、溶媒に均一に分散したものである。溶媒としては、固形分(樹脂繊維、非導電性フィラー、結着剤及び任意の成分)、を均一に分散し得るものであれば特に制限されない。上記スラリーに用いる溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。
セパレーター形成用スラリーの製法は、特に限定はされず、上記非導電性フィラー、結着剤、溶媒、及び必要に応じ添加される任意の成分を混合して得られる。また、セパレーター形成用樹脂繊維含有スラリーの製法は、特に限定されず、上記樹脂繊維、非導電性フィラー、結着剤、溶媒、及び必要に応じ添加される任意の成分を混合して得られる。本発明においては上記成分を用いることにより混合方法や混合順序にかかわらず、非導電性フィラーが高度に分散されたセパレーター用スラリーを得ることができる。
(1)の方法では、セパレーター形成用スラリーを、樹脂繊維を含有してなる不織布上に塗布し、乾燥することで本発明のセパレーターは製造される。該スラリーを不織布上に塗布する方法は特に制限されず、例えば、ドクターブレード法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。中でも、均一なセパレーターが得られる点でグラビア法が好ましい。
乾燥方法としては、上述の(1)の方法での乾燥方法と同じ方法が挙げられる。
乾燥方法としては、上述の(1)の方法での乾燥方法と同じ方法が挙げられる。
本発明の非水系電池は、正極、負極、電解液及び上記のセパレーターを備えてなる。非水系電池としては、リチウム金属電池やリチウムイオン二次電池等が挙げられるが、長期サイクル特性の向上・出力特性の向上等の性能向上が最も求められていることから用途としてはリチウムイオン二次電池が好ましい。以下、リチウムイオン二次電池に使用する場合について説明する。
リチウムイオン二次電池用電極に用いられる電極活物質は、電解質中で電位をかける事により可逆的にリチウムイオンを挿入放出できるものであればよく、無機化合物でも有機化合物でも用いることができる。
ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などジエン系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;
液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などビニル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;
フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;
天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
電解液としては、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、特に制限はないが、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。これらは、二種以上を併用してもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本実施例における部および%は、特記しない限り質量基準である。
実施例および比較例において、各種物性は以下のように評価する。
ICPによりセパレーター中の金属元素の濃度を測定する。金属元素の濃度が1ppm以下の場合を「良好」とし、1ppmを超えた場合を「不良」とした。
得られたコイン型のリチウムイオン二次電池を用いて、25℃から200℃まで10℃/分で昇温し、180℃での電気抵抗値を測定する。電気抵抗値が大きい方がシャットダウン特性に優れている。
A:5,000Ω/cm2以上
B:1,000Ω/cm2以上5,000Ω/cm2未満
C:100Ω/cm2以上1,000Ω/cm2未満
D:10Ω/cm2以上100Ω/cm2未満
E:1Ω/cm2以上10Ω/cm2未満
F:1Ω/cm2未満
得られたコイン型のリチウムイオン二次電池を用いて、25℃及び60℃で0.1Cで3Vから4.3Vまで充電し、次いで0.1Cで4.3Vから3Vまで放電する充放電を、100サイクル繰り返し、5サイクル目の0.1C放電容量に対する100サイクル目の0.1C放電容量の割合を百分率で算出した値を容量維持率とし、下記の基準で判断する。この値が大きいほど放電容量減が少なく、サイクル特性に優れている。
A:70%以上
B:60%以上70%未満
C:50%以上60%未満
D:40%以上50%未満
E:30%以上40%未満
F:30%未満
得られたコイン型のリチウムイオン二次電池を用いて、25℃で0.1Cの定電流法によって4.3Vまで充電し、その後0.1Cにて3.0Vまで放電し、0.1C放電容量を求める。その後、0.1Cにて4.3Vまで充電し、その後10Cにて3.0Vまで放電し、10C放電容量を求める。これらの測定をコイン型のリチウムイオン二次電池10セルについて行い、各測定値の平均値を、0.1C放電容量a、10C放電容量bとする。10C放電容量bと0.1C放電容量aの電気容量の比(b/a(%))で表される容量保持率を求め、これを出力特性の評価基準とし、以下の基準により判定する。この値が高いほど出力特性に優れている。
A:50%以上
B:30%以上50%未満
C:10%以上30%未満
D:1%以上10%未満
E:1%未満
結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の水素添加率は、溶媒に重クロロホルムを用い、1H−NMRにて水素添加前の炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度aと、水素添加後の炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度bとを測定し、それらの比((a−b)/a(%))により求めた。
結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の融点は、示差走査熱量分析計(製品名「DSC6220SII」、ナノテクノロジー社製)を用いて、JIS K 7121(1987)に基づき、試料を融点より30℃以上高い温度に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で測定した
結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の作製
(開環重合)
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン700部に、1−ヘキセン0.89部、ジイソプロピルエーテル1.06部、トリイソブチルアルミニウム0.34部、及びイソブチルアルコール0.13部を室温で反応器に入れ混合した。そこへ、2−ノルボルネン(2−NB)250部、5−ビニル−2−ノルボルネン(以下、「VNB」とすることがある。)1.25部及び六塩化タングステン1.0%トルエン溶液26部を、55℃に保ちながら、2時間かけて連続的に添加し重合を行い、開環重合体を得た。重合転化率は、ほぼ100%であった。なお、分岐剤であるVNBの配合量は、ノルボルネン系単量体である2−NBの合計100モル%としたときに、0.39モル%であった。
上記で得た開環重合体を含む反応溶液を耐圧の水素化反応器に移送し、そこへ、ケイソウ土担持ニッケル触媒(T8400、ニッケル担持率58%、ズードヘミー触媒社製)1.0部を加え、200℃、水素圧4.5MPaで6時間反応させた。この溶液を、珪藻土を濾過助剤としてステンレス製金網を備えた濾過器により濾過し、触媒を除去した。得られた反応溶液を3000部のイソプロピルアルコール中に撹拌下に注いで水素化物を沈殿させ、濾別して回収した。さらに、アセトン500部で洗浄したのち、0.13×103Pa以下、100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、重合体として結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を190部得た。
得られた結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の水素添加率は99.9%、融点は136℃であった。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、n−ブチルアクリレート93.8部、アクリロニトリル2部、アリルグリシジルエーテル1.0部、メタクリル酸2.0部、N−メチロールアクリルアミド1.2部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、結着剤として固形分濃度40%の重合体水分散液Aを得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体水分散液Aのガラス転移温度は−46℃であった。
円状ノズルを用いて、上記の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を、紡糸温度200 ℃ で溶融押出し、延伸せずに巻取り、4デシテックスのフィラメントを得た後、該フィラメントを切断し長さ5mm の短繊維を得た。また、非導電性フィラーとして架橋MMA(積水化成工業社製SSX−101、平均粒子径1.0μm、平均円形度0.95)を用い、短繊維と非導電性フィラーと重合体水分散液Aとを固形分相当比で、70:25:5になるように混合し、次いで固形分濃度が3%になるように水を加えビーズミルを用いて分散させてセパレーター形成用樹脂繊維含有スラリーを調製した。
得られたセパレーター形成用樹脂繊維含有スラリーを網状のネット上に漉き上げてフリースを形成した。形成したフリースをカレンダーロールに通し、セパレーター(目付け15g/m2 、膜厚20μm)を得た。得られたセパレーター中の金属元素の濃度をICPにより測定した。結果を表1に示す。
正極活物質としてスピネル構造を有するマンガン酸リチウム92部と、アセチレンブラック5部、結着剤としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を固形分相当で3部とを加え、さらにNMPで固形分濃度87%に調整した後にプラネタリーミキサーで60分混合した。さらにNMPで固形分濃度84%に調整した後に10分間混合してスラリー状の正極用電極組成物(正極合剤層形成用スラリー)を調製した。この正極用電極組成物を厚さ18μmのアルミニウム箔に塗布し、120℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ50μmの正極合剤層を有する正極電極を得た。
次いで、得られた正極電極を直径13mmΦの円形に、厚さ0.5mmのリチウム金属箔を直径16mmΦの円形に、得られたセパレーターを18mmΦの円形に、それぞれ打ち抜いた。そして、正極電極の活物質層面にセパレーター、負極としてリチウム金属膜をこの順に積層し、積層体を作製した。この積層体をポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器中に収納した。この容器中に電解液(EC/DEC=1/2、1M LiPF6)を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約3.2mmのコイン型のリチウムイオン二次電池を製造した(コインセルCR2032)。得られた電池について、シャットダウン特性、サイクル特性及び出力特性を測定した。結果を表1に示す。
短繊維と非導電性フィラーと重合体水分散液Aとの比率を固形分相当比で、78:17:5にしたこと以外は、実施例1と同様にセパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の非導電性フィラーとしてアルミナ粒子(平均粒子径0.8μm、平均円形度0.98)を用い、短繊維と非導電性フィラーと重合体水分散液Aとの比率を固形分相当比で、60:35:5にしたこと以外は、実施例1と同様にセパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
以下の方法でセパレーターの作製を行ったこと以外は実施例1と同様に電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
セパレーターの作製
円状ノズルを用いて、実施例1の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を、紡糸温度200℃で溶融押出し、延伸せずに巻取り、4デシテックスのフィラメントを得た。得られたフィラメントの引張クリープひずみは75%であった。該フィラメントを切断し、長さ50mmの短繊維を得、この短繊維をカード機にてウェブ化しニードルパンチで交絡させ、さらにカレンダーロールを通すことにより不織布を得た。
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン700部に、1−ヘキセン0.89部、ジイソプロピルエーテル1.06部、トリイソブチルアルミニウム0.34部、及びイソブチルアルコール0.13部を室温で反応器に入れ混合した。そこへ、2−ノルボルネン(2−NB)240部、ジシクロペンダジエン(DCP)10部、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)0.75部及び六塩化タングステン1.0%トルエン溶液26部を、55℃に保ちながら、2時間かけて連続的に添加し重合を行い、開環重合体を得た。重合転化率は、ほぼ100%であった。なお、分岐剤であるVNBの配合量は、ノルボルネン系単量体である2−NBとDCPの合計100モル%としたときに、0.23モル%であった。
実施例1のVNBの配合量を37.5部にしたこと以外は実施例1と同様にして開環共重合体を得、セパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた開環重合体の重合転化率は、ほぼ100%であり、分岐剤であるVNBの配合量は、ノルボルネン系単量体である2−NBの合計100モル%としたときに11.7モル%であった。また、得られた結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の水素添加率は99.9%、融点は110℃であった。
結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の代わりにポリプロピレン(PP)を用い、短繊維と非導電性フィラーと重合体水分散液Aとの比率を固形分相当比で、70:35:5したこと以外は、実施例1と同様にセパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、PPの融点は170℃であった。
結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の代わりにアラミドを用いた以外は、比較例1と同様にセパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、アラミドの融点は265℃であった。
非導電性フィラーを用いず、短繊維と重合体水分散液Aとの比率を固形分相当比で、95:5にしたこと以外は、実施例1と同様にセパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の開環重合体の代わりに以下の開環重合体を用いて水素添加反応を行ったこと以外は、実施例1と同様にセパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた開環重合体水素化物の水素添加率は、99.9%であった。また、明確な融点は存在せず、ガラス転移点(Tg)は100℃であった。
実施例1において、分岐剤を配合せずに開環重合体を得、水素添加反応を以下のように行ったこと以外は、実施例1と同様にセパレーター及び電池を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた重合体である結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物の水素添加率は、99.9%、融点は148℃であった。
得られた開環重合体を含む反応溶液を耐圧の水素添加反応器に移送し、触媒としてPd/CaCO3(Pd量:5%)(Strem社製)5.25部を加え、100℃、水素圧3.5MPaで48時間反応させた。この溶液を、ケイソウ土をろ過助剤としてステンレス製金網を備えたろ過器によりろ過し、触媒を除去した。得られた反応溶液を3000部のイソプロピルアルコール中に攪拌下に注いで水素化物を沈殿させ、ろ別して回収した。さらに、アセトン500部で洗浄した後、0.13×103Pa以下、100℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、重合体として結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を190部得た。
一方、ノルボルネン樹脂繊維を用いていないもの(比較例1、2)はサイクル特性及び出力特性に劣り、非導電性フィラーを含まないセパレーター(比較例3)はシャットダウン特性及び出力特性に劣る。また、比較例4の非結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を用いたセパレーターは、シャットダウン特性、サイクル特性及び出力特性の全てについて本発明のセパレーターに劣る。また、融点が範囲外である比較例5の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を用いたセパレーターは、紡糸加工が困難であるため不織布を作製できず、セパレーターを形成することができない。
Claims (4)
- 樹脂繊維を含有してなる不織布と、非導電性フィラーと、結着剤とを含んでなり、
前記樹脂繊維が、2−ノルボルネンを含むノルボルネン系単量体を開環重合して得られる開環重合体の、炭素−炭素二重結合の99%以上を水素添加してなる、融点が110〜145℃の結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物を主成分とするものである、非水系電池用セパレーター。 - 前記樹脂繊維の含有量が50〜98質量%であり、前記非導電性フィラーの含有量が1〜50質量%であり、前記結着剤の含有量が0.5〜10質量%である請求項1に記載の非水系電池用セパレーター。
- 前記非導電性フィラーが、平均粒子径5nm〜10μmかつ平均円形度0.90〜0.995の微粒子である請求項1または2に記載の非水系電池用セパレーター。
- 正極、負極、電解液及び請求項1〜3のいずれかに記載のセパレーターを備えてなる非水系電池。
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