JP5369609B2 - 耐熱性絶縁基板およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性絶縁基板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性絶縁基板に係り、特に高温に曝される電子部品やリアクター等に使用する耐熱性絶縁基板と、その製造方法に関する。
種々のセンサが多種の分野で使用されており、例えば、温度センサは、金属基板に絶縁層を介して炭化珪素サーミスタ、白金等の検知素子や電極、配線が形成された構造となっている。
また、水素を直接電力に変換できることや、発生する熱を利用するコジェネレーションシステムにおいて高いエネルギー変換効率が可能なことから、燃料電池が近年注目されている。中でも、炭化水素系燃料を水蒸気改質して生成された水素を燃料とする携帯機器向けの小型燃料電池が注目されており、このような改質型の小型燃料電池用に、触媒を担持した種々のマイクロリアクターが開発されている。このようなマイクロリアクターでは、炭化水素系燃料の水蒸気改質に必要なエネルギーを供給するために、発熱体を備えている。この発熱体は、所望の配線とともに、絶縁層を介して金属基板上に形成されている。
上述のようなセンサやマイクロリアクターでは、金属基板に絶縁層を備えた耐熱性絶縁基板が使用されている。このような耐熱性絶縁基板は200℃以上の高温での使用に耐える必要があるため、ポリイミドやエポキシのような樹脂材料で絶縁層を形成することが不可能である。耐熱性の高い絶縁層としては、例えば、アルミナ等のセラミックス材料を溶射して形成したもの(特許文献1)、あるいは、CVD法やPVD法により形成された窒化珪素等の薄膜が公知である(特許文献2)。
特開2005−179766号公報 特開平9−251966号公報
センサでは、検知素子や配線の厚みの均一性が検出精度の大きく影響する。また、マイクロリアクターでも、発熱体はエネルギー供給源としての機能に加えて、抵抗値の変化からマイクロリアクターの温度を測定するための温度センサーとしての機能も有している。
しかし、アルミナ等のセラミックス材料を金属基板上に溶射して形成した絶縁層はポーラスで表面の平坦性が悪いため、絶縁層上に形成される検知素子や発熱体、配線の厚みの均一性が低く、抵抗値等の特性制御が難しくなり、検出精度が低くいという問題があった。
一方、CVD法やPVD法により形成した窒化珪素等の絶縁層は、ピンホールが発生し易く、また、厚膜化が困難であり、この絶縁層上に形成される配線の信頼性が低いという問題があった。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、優れた電気絶縁性と耐熱性、および良好な平坦性を有する絶縁層を備えた耐熱性絶縁基板と、この耐熱性絶縁基板を簡便に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明の耐熱性絶縁基板は、金属基板と、該金属基板の少なくとも一方の面に中間層を介して配設された絶縁層とを備え、前記中間層は陽極酸化可能な金属からなり、前記絶縁層は前記中間層を構成する前記金属の陽極酸化物からなり、前記中間層と前記絶縁層との積層体が前記金属基板上に所望のパターンで位置し、前記金属基板は、ステンレス基板、銅基板、アルミニウム基板、チタン基板、鉄基板、鉄合金基板のいずれかであり、陽極酸化可能な前記金属は、4族の遷移元素、5族の遷移元素からなる群の1種以上であり、前記中間層の厚みは1〜10μmの範囲であり、前記絶縁層の厚みは、1〜10μmの範囲であるような構成とした。
また、本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法は、金属基板に予め所望のパターンでレジストを形成し、該レジストを被覆するように前記金属基板上に陽極酸化可能な金属として4族の遷移元素、5族の遷移元素からなる群の1種以上の金属を用いて金属層を形成する工程と、前記金属基板との界面に前記金属層の一部が中間層として残存するように前記金属層を陽極酸化して絶縁層を形成する工程と、前記レジストを剥離してリフトオフによって前記中間層と前記絶縁層とからなる積層体を所望のパターンで形成する工程と、を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記金属層の形成は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法のいずれかにより行うような構成とした。
本発明の他の態様として、前記陽極酸化は、中性電解浴を使用して行うような構成とした。
本発明の耐熱性絶縁基板は、絶縁層が陽極酸化可能な金属の陽極酸化膜であるため、優れた電気絶縁性と耐熱性を有するとともに、表面の平坦性が高く、また、陽極酸化可能な金属からなる中間層によって金属基板と絶縁層との密着性が高いものとなる。
また、本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法は、陽極酸化可能な金属を用いて金属基板上に形成された金属層が金属基板に対して優れた密着性を発現し、この金属層を陽極酸化して絶縁層を形成し、この際、金属基板との界面に金属層の一部を残存させて中間層とするので、優れた電気絶縁性と耐熱性、および良好な平坦性を有する絶縁層を備えた耐熱性絶縁基板の製造が可能であり、また、中間層と絶縁層との積層体を所望の形状で形成するパターニングも可能である。さらに、陽極酸化膜は平坦性が高いものであるが、陽極酸化において中性電解浴を使用することにより、絶縁層の平坦性を更に向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[耐熱性絶縁基板]
図1は本発明の耐熱性絶縁基板の一実施形態を示す概略断面図である。図1において、耐熱性絶縁基板1は、金属基板2と、この金属基板2上に積層された中間層3、絶縁層4とを備えている。中間層3は、陽極酸化可能な金属からなり、絶縁層は中間層3を構成する金属の陽極酸化物からなる。
耐熱性絶縁基板1を構成する金属基板2は、耐熱性絶縁基板1の使用目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス基板、銅基板、アルミニウム基板、チタン基板、鉄基板、鉄合金基板等を挙げることができる。また、このような金属基板2の厚みは、耐熱性絶縁基板1の使用目的、材質等を考慮して、例えば、0.1〜10mm、好ましくは0.1〜1.0mmの範囲で適宜設定することができる。
耐熱性絶縁基板1の中間層3を構成する陽極酸化可能な金属は、アルミニウム、4族の遷移元素(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)、5族の遷移元素(バナジウム、ニオブ、タンタル)からなる群の1種以上とすることができる。特に、タンタルは延性に優れるため、金属基板2に変形が生じた場合、金属基板2と絶縁層4との応力変化の差を中間層3が吸収して絶縁層4の割れ等の破壊を防止することができる。このような中間層3の厚みは、耐熱性絶縁基板1の使用目的、金属基板2や中間層3の材質等を考慮して、例えば、1〜10μm、好ましくは1〜5μmの範囲で適宜設定することができる。中間層3の厚みが1μm未満であると、陽極酸化膜の膜厚制御が困難なうえ、中間層3が陽極酸化により部分的に消失することがあり、金属基板2と絶縁層4との密着性が不十分となる。また、中間層3の厚みが10μmを超えると、金属基板2と絶縁層4との応力変化の差を吸収できなくなる。
耐熱性絶縁基板1を構成する絶縁層4は、上述のように、中間層3を構成する金属の陽極酸化物からなり、このような絶縁層4は、5×106〜7×106V/cm程度の耐電圧を有する。このため、例えば、絶縁層4の厚みを0.1μmに設定しても、500〜700Vの帯電圧を示し、耐熱性絶縁基板1に要求される電気絶縁性が得られる。したがって、絶縁層4の厚みは任意に設定することができ、例えば、1〜10μmの範囲で適宜設定することができる。このような絶縁層4は、従来のセラミックス材料を溶射して形成した絶縁層に比べて表面の平坦性が良好で緻密あり、かつ、これらの絶縁層と同等の耐熱性を具備する。
上述のような耐熱性絶縁基板1は、絶縁層4が陽極酸化可能な金属層の陽極酸化膜であるため、優れた電気絶縁性と耐熱性を有し、かつ、表面の平坦性が良好で、また、中間層3によって金属基板2と絶縁層4との密着性が高いものとなっている。
上述の耐熱性絶縁基板の実施形態は例示であり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、図2に示すように、中間層3と絶縁層4との積層体5が金属基板2上に所望のパターンで位置するような耐熱性絶縁基板1′であってもよい。
このような本発明の耐熱性絶縁基板は、種々の用途に使用することができる。図3は、マイクロリアクターに本発明の耐熱性絶縁基板を使用した例を示す概略断面図である。
図3において、マイクロリアクター11は、本発明の耐熱性絶縁基板21と金属基板25とが接合された接合体12を有している。接合体12を構成する耐熱性絶縁基板21は、金属基板22と、この金属基板22の一方の面22a上に積層された中間層23、絶縁層24とを備えており、金属基板22の他方の面22bには微細溝部14が形成されている。また、金属基板25は、その一方の面25aに微細溝部15が形成されている。そして、微細溝部14と微細溝部15が対向するように耐熱性絶縁基板21と金属基板25とが接合接合されて接合体12が構成されている。
この接合体12の内部には、対向する微細溝部14,15で構成されたトンネル状流路13が形成されており、このトンネル状流路13の内壁面の全面に触媒担持層16を介して触媒17が担持されている。このトンネル状流路13は、接合体12内部を180度折り返して蛇行しながら連続しており、トンネル状流路13の一方の端部は原料導入口(図示せず)に連通し、他方の端部はガス排出口(図示せず)に連通している。また、耐熱性絶縁基板21の絶縁層24上には発熱体18が設けられている。
このようなマイクロリアクター11では、絶縁層24が平坦性に優れるため、発熱体18はエネルギー供給源としての機能に加えて、抵抗値の変化からマイクロリアクター11の温度を測定するための温度センサーとしての高い機能を発現できる。
[耐熱性絶縁基板の製造方法]
次に、本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法について説明する。
図4は本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。図4では、上述の耐熱性絶縁基板1を例にして説明する。
本発明の製造方法では、まず、金属基板2上に陽極酸化可能な金属を用いて金属層3′を形成する(図4(A))。
使用する金属基板2は、耐熱性絶縁基板1の使用目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス基板、銅基板、アルミニウム基板、チタン基板、鉄基板、鉄合金基板等を挙げることができる。
また、陽極酸化可能な金属としては、アルミニウム、4族の遷移元素(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)、5族の遷移元素(バナジウム、ニオブ、タンタル)からなる群の1種以上を使用することができる。金属層3′の形成は、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等により行うことができ、特に制限はない。また、形成する金属層3′の厚みは、形成する中間層3、絶縁層4の厚みに応じて設定することができ、例えば、2〜20μmの範囲で適宜設定することができる。
次に、金属層3′を陽極酸化して絶縁層4を形成するとともに、この絶縁層4と金属基板2との界面に金属層3′の一部を残存させて中間層3とする(図4(B))。
金属層3′の陽極酸化による絶縁層4の形成は、金属層3′(あるいは金属基板2)を外部電極の陽極に接続した状態で、陽極酸化浴に浸漬して陰極と対向させ通電することにより行うことができる。陽極酸化浴としては、従来公知のシュウ酸水溶液、ホウ酸水溶液、硫酸水溶液等の酸性電解浴、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸二水素アンモニウム水溶液等の中性電解浴が使用できる。特に、中性電解浴は、形成される絶縁層4がバリア性を有した稠密でピンホールがなく平坦性に優れた膜となるので好適に使用できる。この陽極酸化は、絶縁層4が所望の厚み、例えば、1〜10μmの範囲で適宜設定された厚みまで形成されたところで完了する。これにより、金属基板2と絶縁層4との間には、金属層3′が残存して中間層3が形成される。この中間層3の厚みは、金属基板2や金属層3′の材質等を考慮して、例えば、1〜10μm、好ましくは1〜5μmの範囲で適宜設定することができる。
図5は本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図である。図5では、上述の耐熱性絶縁基板1′を例にして説明する。この実施形態では、まず、金属基板2上に感光性レジストを塗布し、フォトリソグラフィー法によって所望のパターンでレジスト7を形成する(図5(A))。使用する感光性レジストは特に制限はなく、従来公知のポジ型、ネガ型の感光性レジストを用いることができる。
次に、このレジスト7を被覆するように、陽極酸化可能な金属を用いて金属層3′を形成する(図5(B))。金属層3′の材質、厚み、形成方法は、上述の実施形態と同様とすることができる。
次いで、金属層3′を陽極酸化して絶縁層4を形成するとともに、この絶縁層4と金属基板2との界面に金属層3′の一部を残存させて中間層3とする(図5(C))。この絶縁層4の形成方法、厚みは、上述の実施形態と同様とすることができる。
その後、レジスト7を剥離することによりレジスト7上の中間層3と絶縁層4も同時に除去する。このようなリフトオフによって中間層3と絶縁層4とからなる積層体5を金属基板2上に形成して本発明の耐熱性絶縁基板1′を得ることができる。
このような本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法では、陽極酸化可能な金属を用いて金属基板2上に形成された金属層3′が金属基板2に対して優れた密着性を発現する。そしてこの金属層3′を陽極酸化して絶縁層4を形成するとともに、金属基板2との界面に金属層3′の一部を残存させて中間層3とするので、優れた電気絶縁性と耐熱性、および良好な平坦性を有する絶縁層4を備えた耐熱性絶縁基板1の製造が可能である。また、中間層3と絶縁層4との積層体5を所望の形状で形成するパターニングも可能である。さらに、陽極酸化膜は平坦性が高いものであるが、陽極酸化において中性電解浴を使用することにより、絶縁層4の平坦性を更に向上させることができる。
上述の耐熱性絶縁基板の製造方法の実施形態は例示であり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
金属基板として厚み1000μmのSUS316L基板(25mm×25mm)を準備した。このSUS316L基板の一方の面にスパッタリング法によりアルミニウム層(厚み10μm)を成膜した。
次に、上記のアルミニウム層を外部電極の陽極に接続し、陽極酸化浴(アジピン酸アンモニウム水溶液)に浸漬して陰極と対向させ、下記の条件で通電することにより、酸化アルミニウム薄膜を形成して絶縁層とした。形成した絶縁層の厚みをエリプソメーターで測定した結果、5μmであり、厚み5μmのアルミニウム層が陽極酸化されずに中間層として残存した。これにより耐熱性絶縁基板を得た。
(陽極酸化の条件)
・浴温 : 30℃
・電圧 : 200V(DC)
・電流密度 : 3A/m2
[実施例2]
実施例1と同様のSUS316L基板を準備した。このSUS316L基板の一方の面にイオンプレーティング法によりチタン層(厚み10μm)を成膜した。
次に、上記のチタン層を外部電極の陽極に接続し、陽極酸化浴(リン酸二水素アンモニウム水溶液)に浸漬して陰極と対向させ、下記の条件で通電することにより、酸化チタン薄膜を形成して絶縁層とした。形成した絶縁層の厚みをエリプソメーターで測定した結果、5μmであり、厚み5μmのチタン層が陽極酸化されずに中間層として残存した。これにより耐熱性絶縁基板を得た。
(陽極酸化の条件)
・浴温 : 30℃
・電圧 : 200V(DC)
・電流密度 : 3A/m2
[実施例3]
実施例1と同様のSUS316L基板を準備した。このSUS316L基板の一方の面に真空蒸着法によりタンタル層(厚み10μm)を成膜した。
次に、上記のタンタル層を外部電極の陽極に接続し、陽極酸化浴(ホウ酸水溶液)に浸漬して陰極と対向させ、下記の条件で通電することにより、酸化タンタル薄膜を形成して絶縁層とした。形成した絶縁層の厚みをエリプソメーターで測定した結果、5μmであり、厚み5μmのタンタル層が陽極酸化されずに中間層として残存した。これにより耐熱性絶縁基板を得た。
(陽極酸化の条件)
・浴温 : 30℃
・電圧 : 200V(DC)
・電流密度 : 3A/m2
[実施例4]
実施例1と同様のSUS316L基板を準備した。このSUS316L基板の一方の面に実施例3と同様にして、タンタル層(厚み10μm)を成膜した。
次に、上記のタンタル層を外部電極の陽極に接続し、陽極酸化浴(シュウ酸水溶液)に浸漬して陰極と対向させ、下記の条件で通電することにより、酸化タンタル薄膜を形成して絶縁層とした。形成した絶縁層の厚みをエリプソメーターで測定した結果、5μmであり、厚み5μmのタンタル層が陽極酸化されずに中間層として残存した。これにより耐熱性絶縁基板を得た。
(陽極酸化の条件)
・浴温 : 30℃
・電圧 : 200V(DC)
・電流密度 : 3A/m2
[比較例1]
SUS316L基板の一方の面に形成したアルミニウム層の厚みを10μmとし、このアルミニウム層が全て酸化アルミニウム薄膜(厚み10μm)からなる絶縁層となるように陽極酸化した他は、実施例1と同様にして、耐熱性絶縁基板を作製した。
[比較例2]
SUS316L基板の一方の面に形成したチタン層の厚みを10μmとし、このチタン層が全て酸化チタン薄膜(厚み10μm)からなる絶縁層となるように陽極酸化した他は、実施例2と同様にして、耐熱性絶縁基板を作製した。
[比較例3]
SUS316L基板の一方の面に形成したタンタル層の厚みを10μmとし、このタンタル層が全て酸化タンタル薄膜(厚み10μm)からなる絶縁層となるように陽極酸化した他は、実施例3と同様にして、耐熱性絶縁基板を作製した。
[比較例4]
実施例1と同様のSUS316L基板を準備した。
このSUS316L基板の一方の面に、プラズマスプレー法によりアルミナ溶射を行って絶縁層(厚み10μm)を形成して耐熱性絶縁基板とした。
[耐熱性絶縁基板の評価]
上述のように作製した8種(実施例1〜4、比較例1〜4)の耐熱性絶縁基板について、下記の条件で密着性を評価して、結果を下記の表1に示した。
(密着性の評価)
碁盤の目テープ剥離試験(JIS D0202−1988)に準拠し、絶縁層に
10×10の100片の碁盤目状に切り込みを入れ、粘着テープ(ニチバン(株)
製 CT24)を用いて指の腹で触媒担持面に密着させた後に剥離し、絶縁層の
脱落がない(100片の碁盤目に剥離した碁盤目がない)場合を良好とし、1片
でも絶縁層の脱落がある場合を不良とする。
また、実施例1、比較例4の耐熱性絶縁基板について、下記の条件で表面粗度を測定して、結果を下記の表1に示した。
(表面粗度の測定)
耐熱性絶縁基板の絶縁層の表面を触針式表面形状測定器DEKTAK−8000
((株)ULVAC 製)を用いて触針圧10mg、測定距離100μmにて中心
線平均粗さRaを測定した。
Figure 0005369609
本発明は、200℃以上に曝される種々の電子製品等に利用することができる。
本発明の耐熱性絶縁基板の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の耐熱性絶縁基板の他の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の耐熱性絶縁基板をマイクロリアクターに使用した例を示す概略断面図である。 本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 本発明の耐熱性絶縁基板の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図である。
符号の説明
1,21…耐熱性絶縁基板
2,22…金属基板
3,23…中間層
4,24…絶縁層
3′…金属層
5…積層体
7…レジスト

Claims (4)

  1. 金属基板と、該金属基板の少なくとも一方の面に中間層を介して配設された絶縁層とを備え、前記中間層は陽極酸化可能な金属からなり、前記絶縁層は前記中間層を構成する前記金属の陽極酸化物からなり、前記中間層と前記絶縁層との積層体が前記金属基板上に所望のパターンで位置し、
    前記金属基板は、ステンレス基板、銅基板、アルミニウム基板、チタン基板、鉄基板、鉄合金基板のいずれかであり、
    陽極酸化可能な前記金属は、4族の遷移元素、5族の遷移元素からなる群の1種以上であり、
    前記中間層の厚みは1〜10μmの範囲であり、前記絶縁層の厚みは、1〜10μmの範囲であることを特徴とする耐熱性絶縁基板。
  2. 金属基板に予め所望のパターンでレジストを形成し、該レジストを被覆するように前記金属基板上に陽極酸化可能な金属として4族の遷移元素、5族の遷移元素からなる群の1種以上の金属を用いて金属層を形成する工程と、前記金属基板との界面に前記金属層の一部が中間層として残存するように前記金属層を陽極酸化して絶縁層を形成する工程と、前記レジストを剥離してリフトオフによって前記中間層と前記絶縁層とからなる積層体を所望のパターンで形成する工程と、を有することを特徴とする耐熱性絶縁基板の製造方法。
  3. 前記金属層の形成は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法のいずれかにより行うことを特徴とする請求項2に記載の耐熱性絶縁基板の製造方法。
  4. 前記陽極酸化は、中性電解浴を使用して行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の耐熱性絶縁基板の製造方法。
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