JP2937690B2 - 酸化タンタル膜の形成方法 - Google Patents
酸化タンタル膜の形成方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陽極酸化法による酸
化タンタル膜の形成方法に関する。より詳しくは、タン
タル金属膜の上に高抵抗な酸化タンタル膜を形成し、表
面近傍の酸化タンタル膜に窒素を含有させ得る、陽極酸
化法による酸化タンタル膜の形成方法に関する。
化タンタル膜の形成方法に関する。より詳しくは、タン
タル金属膜の上に高抵抗な酸化タンタル膜を形成し、表
面近傍の酸化タンタル膜に窒素を含有させ得る、陽極酸
化法による酸化タンタル膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタル金属の陽極酸化法は化成条件に
より緻密で欠陥の少ない酸化膜を、他の方法に比べ容易
に作製でき、しかも膜厚も化成電圧を変えることにより
容易に制御できる特徴を有している。また、陽極酸化で
化成したタンタル酸化膜と、化成されなかったタンタル
金属膜との界面の急逡性が良く、そのために化成されな
かった金属部は化成による影響を殆ど受けない。したが
って、化成されなかった金属部を配線材とし、陽極酸化
膜を配線絶縁膜とする構造が広く用いられており、より
高抵抗のタンタル陽極酸化膜が必要とされている。
より緻密で欠陥の少ない酸化膜を、他の方法に比べ容易
に作製でき、しかも膜厚も化成電圧を変えることにより
容易に制御できる特徴を有している。また、陽極酸化で
化成したタンタル酸化膜と、化成されなかったタンタル
金属膜との界面の急逡性が良く、そのために化成されな
かった金属部は化成による影響を殆ど受けない。したが
って、化成されなかった金属部を配線材とし、陽極酸化
膜を配線絶縁膜とする構造が広く用いられており、より
高抵抗のタンタル陽極酸化膜が必要とされている。
【0003】更に、タンタル酸化膜を絶縁膜として用い
るときには、一般的に酸化膜に酸化珪素や窒化珪素をプ
ラズマCVD法などにより積層させ、絶縁膜を二層以上
の構造として用いる。そのために、プラズマCVD雰囲
気中でも絶縁性が劣化しないことが要求される。従来の
陽極酸化法により酸化タンタル膜を作製すると、膜中の
酸素が不足し、高抵抗のタンタル陽極酸化膜が得られな
いことが知られており、陽極酸化される金属タンタル中
に窒素をドープし、酸素の不足を補うことにより高抵抗
でかつ安定なタンタル陽極酸化膜を得る方法が知られて
いる。
るときには、一般的に酸化膜に酸化珪素や窒化珪素をプ
ラズマCVD法などにより積層させ、絶縁膜を二層以上
の構造として用いる。そのために、プラズマCVD雰囲
気中でも絶縁性が劣化しないことが要求される。従来の
陽極酸化法により酸化タンタル膜を作製すると、膜中の
酸素が不足し、高抵抗のタンタル陽極酸化膜が得られな
いことが知られており、陽極酸化される金属タンタル中
に窒素をドープし、酸素の不足を補うことにより高抵抗
でかつ安定なタンタル陽極酸化膜を得る方法が知られて
いる。
【0004】従来、窒素ドープの方法として、タンタル
をスパッタリング法により成膜する際に窒素を含むスパ
ッタガスを用いる方法が行なわれていた。しかしこの方
法ではタンタル陽極酸化膜の高抵抗が実現できるもの
の、配線材として用いられる陽極酸化されない金属タン
タル膜中にも窒素が含まれ、そのために金属タンタルの
比抵抗値が高く、配線材として好ましくない。したがっ
て、この方法はタンタル陽極酸化膜/金属タンタルを配
線絶縁材/配線材として用いるには不適切である。
をスパッタリング法により成膜する際に窒素を含むスパ
ッタガスを用いる方法が行なわれていた。しかしこの方
法ではタンタル陽極酸化膜の高抵抗が実現できるもの
の、配線材として用いられる陽極酸化されない金属タン
タル膜中にも窒素が含まれ、そのために金属タンタルの
比抵抗値が高く、配線材として好ましくない。したがっ
て、この方法はタンタル陽極酸化膜/金属タンタルを配
線絶縁材/配線材として用いるには不適切である。
【0005】そこで、タンタル膜表面に窒化タンタル膜
を成膜して二重構造にしたり、あるいはタンタル膜表面
に窒素をイオン注入することにより、タンタル表面の化
成される領域にのみ窒素を含む領域を作製する方法が考
案された。しかしながら、窒化タンタル/タンタル二重
構造の方法では、窒化タンタル成膜後にタンタル配線部
を、ドライエッチングあるいはウェットエッチングによ
りパターニングを行なうために、テーパー部に窒素の含
まれない部分ができ、その部分のタンタル陽極酸化膜の
絶縁性が低くなる。またイオン注入法ではパターニング
後にイオン注入を行なうが、テーパー部は窒素濃度が低
くなり、その部分のタンタル陽極酸化膜の絶縁性が低く
なり、この方法もタンタル陽極酸化法/金属タンタルを
配線絶縁膜/配線材として用いるには不適切である。
を成膜して二重構造にしたり、あるいはタンタル膜表面
に窒素をイオン注入することにより、タンタル表面の化
成される領域にのみ窒素を含む領域を作製する方法が考
案された。しかしながら、窒化タンタル/タンタル二重
構造の方法では、窒化タンタル成膜後にタンタル配線部
を、ドライエッチングあるいはウェットエッチングによ
りパターニングを行なうために、テーパー部に窒素の含
まれない部分ができ、その部分のタンタル陽極酸化膜の
絶縁性が低くなる。またイオン注入法ではパターニング
後にイオン注入を行なうが、テーパー部は窒素濃度が低
くなり、その部分のタンタル陽極酸化膜の絶縁性が低く
なり、この方法もタンタル陽極酸化法/金属タンタルを
配線絶縁膜/配線材として用いるには不適切である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、タンタル陽極
酸化膜/金属タンタルを配線絶縁膜/配線材として用い
る場合には、タンタル酸化膜は陽極酸化により作製され
るタンタル陽極膜中の酸素不足を補うため窒素をその表
面近傍に含有し、かつ配線材として化成されない金属タ
ンタルは窒素を含有しないことが必要である。これによ
って、タンタル酸化膜は高抵抗かつ熱安定性のよいもの
となり、金属タンタルは低抵抗性を維持できる。
酸化膜/金属タンタルを配線絶縁膜/配線材として用い
る場合には、タンタル酸化膜は陽極酸化により作製され
るタンタル陽極膜中の酸素不足を補うため窒素をその表
面近傍に含有し、かつ配線材として化成されない金属タ
ンタルは窒素を含有しないことが必要である。これによ
って、タンタル酸化膜は高抵抗かつ熱安定性のよいもの
となり、金属タンタルは低抵抗性を維持できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして、この発明は酸
化タンタル膜の表面近傍に窒素含有層を安定して得るた
めに、基板上に形成されたタンタル膜を、窒素酸化物陰
イオンの存在下で陽極酸化して、酸化タンタル膜を形成
することを特徴とする酸化タンタル膜の形成方法を提供
する。
化タンタル膜の表面近傍に窒素含有層を安定して得るた
めに、基板上に形成されたタンタル膜を、窒素酸化物陰
イオンの存在下で陽極酸化して、酸化タンタル膜を形成
することを特徴とする酸化タンタル膜の形成方法を提供
する。
【0008】この発明の基板は、窒素酸化物陰イオンの
水溶液に電気化学的に安定な平板であればよく、特に限
定されないが、例えばガラスなどが挙げられる。この上
に、任意にモリブデン膜等を介して陽極酸化されるタン
タル金属膜を設ける。タンタル金属膜は、ベータ・タン
タルでも使用できるが、配線材を用いるためには、低抵
抗のアルファ構造とすることが好ましい。アルファ化す
る方法は、公知の方法例えば、モリブデン金属の上にア
ルゴンガス等をスパッタガスとして、タンタル金属を積
層することによって作製できる。金属膜の厚さは、陽極
酸化タンタル膜厚さ以上であれば特に限定されないが、
例えば3000オングストロームが用いられる。この金
属の一端よりリード線が取り出され直流電源に接続され
る。
水溶液に電気化学的に安定な平板であればよく、特に限
定されないが、例えばガラスなどが挙げられる。この上
に、任意にモリブデン膜等を介して陽極酸化されるタン
タル金属膜を設ける。タンタル金属膜は、ベータ・タン
タルでも使用できるが、配線材を用いるためには、低抵
抗のアルファ構造とすることが好ましい。アルファ化す
る方法は、公知の方法例えば、モリブデン金属の上にア
ルゴンガス等をスパッタガスとして、タンタル金属を積
層することによって作製できる。金属膜の厚さは、陽極
酸化タンタル膜厚さ以上であれば特に限定されないが、
例えば3000オングストロームが用いられる。この金
属の一端よりリード線が取り出され直流電源に接続され
る。
【0009】この発明の窒素酸化物陰イオンとしては、
硝酸イオン、亜硝酸イオンなどが挙げられる。窒素酸化
物陰イオンは、例えば硝酸カルシウム、硝酸カリウムお
よび硝酸ナトリウムなどの塩を水溶液にすることにより
形成される。水溶液中での窒素酸化物陰イオン濃度は
1.0〜10.0モル/リットルが好ましい。イオン濃
度が1.0モル/リットル以下では、窒素が陽極酸化膜
表面近傍に取込まれる(ドープと略)のに長時間を要し
たり、ドープが十分でなかったりする。イオン濃度が1
0.0モル/リットルを越えると、かえって陽極酸化膜
の性状が悪くなり不適当である。
硝酸イオン、亜硝酸イオンなどが挙げられる。窒素酸化
物陰イオンは、例えば硝酸カルシウム、硝酸カリウムお
よび硝酸ナトリウムなどの塩を水溶液にすることにより
形成される。水溶液中での窒素酸化物陰イオン濃度は
1.0〜10.0モル/リットルが好ましい。イオン濃
度が1.0モル/リットル以下では、窒素が陽極酸化膜
表面近傍に取込まれる(ドープと略)のに長時間を要し
たり、ドープが十分でなかったりする。イオン濃度が1
0.0モル/リットルを越えると、かえって陽極酸化膜
の性状が悪くなり不適当である。
【0010】この発明の陽極酸化膜を作製する装置は公
知のもの、例えばMilesおよびSmithが J.Electrochem.
Soc. 110(1963)pp1240に記載した装置などが適用でき
る。さらに同様の機構をもつ装置であれば使用できる。
これら装置を用いて、常法により陽極酸化膜を作製す
る。例えば、図3を参照して、水溶液中に前記タンタル
を有する基板と対向電極が設置され、直流電源に接続さ
れる。ついで、前記タンタルのリード線より直流電流が
印加され、タンタル金属表面で、主として水の電気化学
的分解によって生じた酸素とタンタル金属が陽極酸化反
応して酸化タンタル(Ta2O5等)を形成する。このと
きの陽極酸化条件は、酸化タンタル膜の表面近傍で窒素
濃度が1×1021〜1×1022atoms/cm3 となるよう調
節することが好ましい。この発明において、陽極酸化膜
表面近傍における近傍とは約500〜3000オングス
トロームをいう。この窒素濃度を得る陽極酸化法におけ
る電流密度および陽極酸化時間は、使用する水溶液中で
の窒素酸化物陰イオンの種類および濃度等で異なるが、
例えば0.5モル/リットルの硝酸カルシウム水溶液を
用いて、1.0モル/リットルの硝酸イオン濃度にした
ときは、0.1mA/cm2一定電流で電圧が160Vになる
まで陽極酸化を行ない、更にその後160V一定電圧で
陽極酸化し、合計約3時間化成することで得られる。酸
化タンタル膜表面近傍の窒素濃度を1×1021atoms/cm
3 以下としたときは、窒素のドープ量が十分ではなく、
また窒素濃度を1×1022atoms/cm3 以上にしても化成
時間が長くかかるのに比して、窒素ドープの効果が少な
い。
知のもの、例えばMilesおよびSmithが J.Electrochem.
Soc. 110(1963)pp1240に記載した装置などが適用でき
る。さらに同様の機構をもつ装置であれば使用できる。
これら装置を用いて、常法により陽極酸化膜を作製す
る。例えば、図3を参照して、水溶液中に前記タンタル
を有する基板と対向電極が設置され、直流電源に接続さ
れる。ついで、前記タンタルのリード線より直流電流が
印加され、タンタル金属表面で、主として水の電気化学
的分解によって生じた酸素とタンタル金属が陽極酸化反
応して酸化タンタル(Ta2O5等)を形成する。このと
きの陽極酸化条件は、酸化タンタル膜の表面近傍で窒素
濃度が1×1021〜1×1022atoms/cm3 となるよう調
節することが好ましい。この発明において、陽極酸化膜
表面近傍における近傍とは約500〜3000オングス
トロームをいう。この窒素濃度を得る陽極酸化法におけ
る電流密度および陽極酸化時間は、使用する水溶液中で
の窒素酸化物陰イオンの種類および濃度等で異なるが、
例えば0.5モル/リットルの硝酸カルシウム水溶液を
用いて、1.0モル/リットルの硝酸イオン濃度にした
ときは、0.1mA/cm2一定電流で電圧が160Vになる
まで陽極酸化を行ない、更にその後160V一定電圧で
陽極酸化し、合計約3時間化成することで得られる。酸
化タンタル膜表面近傍の窒素濃度を1×1021atoms/cm
3 以下としたときは、窒素のドープ量が十分ではなく、
また窒素濃度を1×1022atoms/cm3 以上にしても化成
時間が長くかかるのに比して、窒素ドープの効果が少な
い。
【0011】この通電の結果、水溶液表面のタンタルは
電気化学的な陽極酸化反応によって、Ta2O5を主成分
とする膜厚500〜3000オングストロームの酸化膜
が形成される。このとき、前記陽極酸化反応に髄伴し
て、電解質である酸イオン、例えば硝酸イオン、亜硝酸
イオンなどが、水溶液と陽極酸化膜表面近傍の酸化タン
タル膜にドープされる。ところが、これら酸イオンとタ
ンタル金属との化合物は非常に不安定であり、硝酸タン
タル等の生成は困難である。そこで、例えば硝酸イオン
は容易に窒素イオンと酸素イオンに分解されるものと思
われる。分解の結果として、陽極酸化膜表面近傍の酸化
タンタル膜中に、窒素イオンが残留し、窒素イオンがド
ープされることになる。
電気化学的な陽極酸化反応によって、Ta2O5を主成分
とする膜厚500〜3000オングストロームの酸化膜
が形成される。このとき、前記陽極酸化反応に髄伴し
て、電解質である酸イオン、例えば硝酸イオン、亜硝酸
イオンなどが、水溶液と陽極酸化膜表面近傍の酸化タン
タル膜にドープされる。ところが、これら酸イオンとタ
ンタル金属との化合物は非常に不安定であり、硝酸タン
タル等の生成は困難である。そこで、例えば硝酸イオン
は容易に窒素イオンと酸素イオンに分解されるものと思
われる。分解の結果として、陽極酸化膜表面近傍の酸化
タンタル膜中に、窒素イオンが残留し、窒素イオンがド
ープされることになる。
【0012】ここで、陽極酸化法による窒素ドープでは
電気化学的に酸化されるタンタル膜中にのみ限定され、
従来の窒素のドープ方法、例えばスパッタガスによる方
法などでは、金属タンタル層までドープされるのと異な
る。従って、この方法によって成型された酸化タンタル
は、酸化タンタル層にのみ十分な窒素がドープされた良
好な絶縁層となり、金属タンタル層にはドープされない
ので導電層を維持できることとなり、優秀な配線材料を
形成できる。
電気化学的に酸化されるタンタル膜中にのみ限定され、
従来の窒素のドープ方法、例えばスパッタガスによる方
法などでは、金属タンタル層までドープされるのと異な
る。従って、この方法によって成型された酸化タンタル
は、酸化タンタル層にのみ十分な窒素がドープされた良
好な絶縁層となり、金属タンタル層にはドープされない
ので導電層を維持できることとなり、優秀な配線材料を
形成できる。
【0013】
実施例1 この実施例では、水溶液に硝酸カルシウムの溶液を用い
た。13cm×13cmのガラス基板上に、図2に示すイン
ライン式平行平板型DCマグネトロンスパッタリング装
置を用いて、まずアルゴンをスパッタガスとして入力電
力0.5KWでDCスパッタ法でモリブデンを100オン
グストローム成膜し、更にアルゴンをスパッタガスとし
て2.0KWでDCスパッタ法を用いて膜厚3000オン
グストロームのタンタルを12cm×12cm成膜した。成
膜時の真空度は、0.4Paとした。ただし、モリブデン
はタンタルをα−Ta(アルファタンタル)単相に揃え
る下地として成膜した。このときタンタルは、比抵抗2
0μΩのα−Ta単相であった。
た。13cm×13cmのガラス基板上に、図2に示すイン
ライン式平行平板型DCマグネトロンスパッタリング装
置を用いて、まずアルゴンをスパッタガスとして入力電
力0.5KWでDCスパッタ法でモリブデンを100オン
グストローム成膜し、更にアルゴンをスパッタガスとし
て2.0KWでDCスパッタ法を用いて膜厚3000オン
グストロームのタンタルを12cm×12cm成膜した。成
膜時の真空度は、0.4Paとした。ただし、モリブデン
はタンタルをα−Ta(アルファタンタル)単相に揃え
る下地として成膜した。このときタンタルは、比抵抗2
0μΩのα−Ta単相であった。
【0014】次に、図3に示す装置を用いて陽極酸化を
行なった。水溶液として、濃度0.1,0.3,0.5
および0.7mol/lit の硝酸カルシウム水溶液を用い
た。なお、硝酸カルシウムは溶液中で電離し、溶液中に
は溶かした硝酸カルシウムの二倍のモル濃度の硝酸イオ
ンが存在する。
行なった。水溶液として、濃度0.1,0.3,0.5
および0.7mol/lit の硝酸カルシウム水溶液を用い
た。なお、硝酸カルシウムは溶液中で電離し、溶液中に
は溶かした硝酸カルシウムの二倍のモル濃度の硝酸イオ
ンが存在する。
【0015】陽極酸化条件は、図4に示すように5cm×
10cmの面積が陽極酸化されるようにプラスチックコー
トを行ない、0.1mA/cm2一定電流で電圧が160Vに
なるまで陽極酸化を行ない、更にその後160V一定電
圧で陽極酸化し、開始から合計3時間化成を行なった。
このとき酸化タンタルの膜厚は3000Åであった。
10cmの面積が陽極酸化されるようにプラスチックコー
トを行ない、0.1mA/cm2一定電流で電圧が160Vに
なるまで陽極酸化を行ない、更にその後160V一定電
圧で陽極酸化し、開始から合計3時間化成を行なった。
このとき酸化タンタルの膜厚は3000Åであった。
【0016】次に、プラズマCVD法による窒化珪素成
膜と同じ条件にするために、水素雰囲気中623゜Kで
30分間の熱処理を行なった。このときの真空度は20
Paとした。
膜と同じ条件にするために、水素雰囲気中623゜Kで
30分間の熱処理を行なった。このときの真空度は20
Paとした。
【0017】図5に二次イオン質量分析法による各タン
タル酸化膜中の窒素分布を示す。また、熱処理による窒
素分布の違いは認められなかった。次に、陽極酸化膜の
絶縁性をしらべるために、酸化膜表面に1mm2 のアルミ
ニウムを蒸着し、電極として、I−V特性を測定した。
タル酸化膜中の窒素分布を示す。また、熱処理による窒
素分布の違いは認められなかった。次に、陽極酸化膜の
絶縁性をしらべるために、酸化膜表面に1mm2 のアルミ
ニウムを蒸着し、電極として、I−V特性を測定した。
【0018】図6に蒸着したアルミニウムを上部電極、
陽極酸化されなかった金属タンタルを下部電極として、
アルミニウムに+20V、タンタルに0Vの電圧を印加
し続け、20分後のリーク電流値から求めた膜方向の比
抵抗値を示す。図5、6より硝酸カルシウムで0.5mo
l/lit、硝酸イオンで1.0mol/lit以上が存在する水溶
液中で陽極酸化を行なったものは、水溶液と陽極酸化膜
表面近傍の酸化タンタル膜に、窒素濃度が1×1021at
oms/cm3 以上ドープしていた。この陽極酸化タンタル膜
は、比抵抗値が1016Ωcm以上と高く、絶縁性の熱安定
性が高いことが分った。
陽極酸化されなかった金属タンタルを下部電極として、
アルミニウムに+20V、タンタルに0Vの電圧を印加
し続け、20分後のリーク電流値から求めた膜方向の比
抵抗値を示す。図5、6より硝酸カルシウムで0.5mo
l/lit、硝酸イオンで1.0mol/lit以上が存在する水溶
液中で陽極酸化を行なったものは、水溶液と陽極酸化膜
表面近傍の酸化タンタル膜に、窒素濃度が1×1021at
oms/cm3 以上ドープしていた。この陽極酸化タンタル膜
は、比抵抗値が1016Ωcm以上と高く、絶縁性の熱安定
性が高いことが分った。
【0019】実施例2 この実施例では、水溶液に硝酸カリウムの水溶液を用い
た。水溶液として、濃度0.2,0.6,1.0および
1.4mol/lit の硝酸カリウム水溶液を用いた以外は実
施例1と同様条件にて陽極酸化タンタル膜を作製した。
なお、硝酸カリウムは水溶液中で完全に電離し、溶解し
た硝酸カリウムのモル濃度と同等の硝酸イオンが存在す
るものと考えられる。陽極酸化条件と熱処理も、実施例
1と同一条件にて行なった。
た。水溶液として、濃度0.2,0.6,1.0および
1.4mol/lit の硝酸カリウム水溶液を用いた以外は実
施例1と同様条件にて陽極酸化タンタル膜を作製した。
なお、硝酸カリウムは水溶液中で完全に電離し、溶解し
た硝酸カリウムのモル濃度と同等の硝酸イオンが存在す
るものと考えられる。陽極酸化条件と熱処理も、実施例
1と同一条件にて行なった。
【0020】図7に二次イオン質量分析法による各タン
タル酸化膜中の窒素分布を示す。また、熱処理による窒
素分布の違いは認められなかった。次に、陽極酸化タン
タル膜の絶縁性をしらべるために、酸化膜表面に1mm2
のアルミニウムを蒸着し、電極として、I−V特性を測
定した。
タル酸化膜中の窒素分布を示す。また、熱処理による窒
素分布の違いは認められなかった。次に、陽極酸化タン
タル膜の絶縁性をしらべるために、酸化膜表面に1mm2
のアルミニウムを蒸着し、電極として、I−V特性を測
定した。
【0021】図8に蒸着したアルミニウムを上部電極、
陽極酸化されなかった金属タンタルを下部電極として、
アルミニウムに+20V、タンタルに0Vの電圧を印加
し続け、20分後のリーク電流値から求めた膜方向の比
抵抗値を示す。図7、8より硝酸カリウムで1.0mol/
lit、即ち硝酸イオンで1.0mol/lit以上が存在する水
溶液中で陽極酸化を行なったものは、水溶液と陽極酸化
膜表面近傍の酸化タンタル膜に、窒素濃度が1×1021
atoms/cm3 以上ドープしていた。この陽極酸化タンタル
膜は、比抵抗値が1016Ωcm以上と高く、絶縁性の熱安
定性が高いことが分った。
陽極酸化されなかった金属タンタルを下部電極として、
アルミニウムに+20V、タンタルに0Vの電圧を印加
し続け、20分後のリーク電流値から求めた膜方向の比
抵抗値を示す。図7、8より硝酸カリウムで1.0mol/
lit、即ち硝酸イオンで1.0mol/lit以上が存在する水
溶液中で陽極酸化を行なったものは、水溶液と陽極酸化
膜表面近傍の酸化タンタル膜に、窒素濃度が1×1021
atoms/cm3 以上ドープしていた。この陽極酸化タンタル
膜は、比抵抗値が1016Ωcm以上と高く、絶縁性の熱安
定性が高いことが分った。
【0022】
【発明の効果】かくして、本発明の製造方法によって、
陽極酸化膜表面近傍の酸化タンタル膜を、窒素濃度を1
×1021〜1×1022atoms/cm3 とドープすることがで
き、その結果得られた陽極酸化タンタル膜は、比抵抗が
高く、絶縁性の熱安定性が高いものが得られた。この発
明の製造方法によるタンタル陽極酸化膜/金属タンタル
を配線絶縁膜/配線材として用いたとき、極めて良好な
素材となった。
陽極酸化膜表面近傍の酸化タンタル膜を、窒素濃度を1
×1021〜1×1022atoms/cm3 とドープすることがで
き、その結果得られた陽極酸化タンタル膜は、比抵抗が
高く、絶縁性の熱安定性が高いものが得られた。この発
明の製造方法によるタンタル陽極酸化膜/金属タンタル
を配線絶縁膜/配線材として用いたとき、極めて良好な
素材となった。
【図1】従来法のタンタルをスパッタリング方法の概略
図である。
図である。
【図2】インライン式平行平板型DCマグネトロンスパ
ッタリング装置の概略図である。
ッタリング装置の概略図である。
【図3】陽極酸化装置の概略図である。
【図4】プラスチックコートの概略図である。
【図5】実施例1の二次イオン質量分析法による陽極酸
化膜中の窒素分布図である。
化膜中の窒素分布図である。
【図6】実施例1の硝酸カルシウム濃度と膜方向の比抵
抗値の関係を表す図である。
抗値の関係を表す図である。
【図7】実施例2の二次イオン質量分析法による陽極酸
化膜中の窒素分布図である。
化膜中の窒素分布図である。
【図8】実施例2の硝酸カリウム濃度と膜方向の比抵抗
値の関係を表す図である。
値の関係を表す図である。
1 タンタルターゲット 2 ガラス基板 3 基板加熱用ヒーター 4 入力電源 5 排気系(クライオポンプ) 6 アルゴンガス 7 窒素ガス 8 隔離バルブ 9 モリブデンターゲット 10 ガラス上のタンタル 11 一定電流源 12 陰極導電板 13 水溶液 14 テフロン容器 15 プラスチックコート(斜線部) 16 タンタル陽極酸化部
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に形成されたタンタル膜を、窒素
酸化物陰イオンの存在下で陽極酸化して、酸化タンタル
膜を形成することを特徴とする酸化タンタル膜の形成方
法。 - 【請求項2】 窒素酸化物陰イオンが、水溶液中で1.
0〜10.0モル/リットルで存在し、かつ酸化タンタ
ル膜がその表面近傍に1×1021〜1×10 22atoms/cm
3 の窒素濃度を含有する請求項1に記載された酸化タン
タル膜の形成方法。 - 【請求項3】 窒素酸化物陰イオンが硝酸イオンである
請求項2に記載された酸化タンタル膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10470193A JP2937690B2 (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 酸化タンタル膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10470193A JP2937690B2 (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 酸化タンタル膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06316788A JPH06316788A (ja) | 1994-11-15 |
JP2937690B2 true JP2937690B2 (ja) | 1999-08-23 |
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ID=14387792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10470193A Expired - Fee Related JP2937690B2 (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 酸化タンタル膜の形成方法 |
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JP (1) | JP2937690B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109338329A (zh) * | 2018-10-22 | 2019-02-15 | 赵德伟 | 一种钛基钽涂层生物植入物材料的制备方法 |
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---|---|---|---|---|
JP4738591B2 (ja) * | 2000-12-13 | 2011-08-03 | キャボットスーパーメタル株式会社 | タンタル又はニオブの化成膜の形成方法 |
JP5369609B2 (ja) * | 2007-11-07 | 2013-12-18 | 大日本印刷株式会社 | 耐熱性絶縁基板およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP10470193A patent/JP2937690B2/ja not_active Expired - Fee Related
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