JP5369508B2 - 水素分離方法及び水素分離装置 - Google Patents
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Description
従来、天然ガスや石炭ガス化ガスなどの炭化水素から水素を製造するには、部分酸化法や、炭素シフト反応と水性シフト反応とを組み合わせた方法などが採用されている。これらの方法では、炭化水素からCO2とH2とを製造した後、CO2を除去することで水素(H2)を製造しており、多くの単位操作が必要となる。また、各単位操作での操作温度も、1000℃以上の高温から150℃程度の比較的低い温度まで幅広い温度域が必要であり、各単位操作毎に、その温度環境を異ならせる必要があった。
この鉄系触媒は、アルミナ系担体に、鉄含有物質と、周期律表第IIa族金属、第VIIa族金属及び希土類金属から選ばれた少なくとも一種の金属を含む物質と、を担持させたものである。
この水素分離方法によれば、炭化水素ガス中の炭素を炭素分離膜の一方の面側から膜中に溶解させることで膜内に取り込んだ後、他方の面側に透過させるので、炭素分離膜自体の劣化がほとんどない。
また、炭化水素ガスを炭素分離膜に接触させることで炭化水素ガスから水素を分離することができ、したがって分離した水素を回収するだけで水素の製造が可能になる。
700℃以上で例えば1000℃以下程度の温度雰囲気に炭素分離膜を配し、このような温度雰囲気にて炭化水素ガスを炭素分離膜に接触させることにより、炭素分離膜によって炭化水素ガスから炭素を効率良く取り込むことができ、その分水素の製造を効率的に行うことが可能になる。
このようにすれば、炭素分離膜の他方の面側に透過してきた炭素を消費することで、炭素分離膜中に炭素が蓄積されてしまうことが防止され、したがって炭素分離膜の劣化が抑えられる。また、炭素を酸化(燃焼)することにより、この酸化(燃焼)によって得られる反応熱で炭素分離膜が配される雰囲気の温度を例えば700℃以上にすることができ、したがってエネルギーコストが低く抑えられる。
このようにすれば、プロセスをより簡素化してコスト低減を図ることができる。
この水素分離装置によれば、炭素分離膜の一方の面に炭化水素ガスを接触させ、炭化水素ガス中の炭素を膜中に溶解させることで膜内に取り込ませることにより、炭素を他方の面側に選択的に透過させることができるので、炭素分離膜自体の劣化を抑えることができる。
また、炭化水素ガスを炭素分離膜に接触させることで炭化水素ガスから水素を分離するので、水素回収手段によって分離した水素を回収することにより、水素の製造が容易になる。
加熱手段によって反応室内を700℃以上で例えば1000℃以下程度の温度雰囲気にし、このような温度雰囲気にて炭化水素ガスを炭素分離膜に接触させることにより、炭素分離膜によって炭化水素ガスから炭素を効率良く取り込むことができ、その分水素の製造を効率的に行うことが可能になる。
このようにすれば、酸化ガス供給手段によって酸化ガスを供給することで、炭素分離膜の他方の面側に透過してきた炭素を消費し、炭素分離膜中に炭素が蓄積されてしまうことを防止することができ、したがって炭素分離膜の劣化を抑えることができる。また、炭素を酸化(燃焼)することにより、この酸化(燃焼)によって得られる反応熱で炭素分離膜が配される雰囲気の温度を例えば700℃以上にすることができ、したがってエネルギーコストを低く抑えることができる。
このようにすれば、装置構成をより簡素化し、水素の製造コスト低減を図ることができる。
また、炭化水素ガスを炭素分離膜に接触させることによって炭化水素ガスから水素を分離するので、分離した水素を回収するだけで水素の製造が可能になり、したがって、操作が単純でプロセスが簡素化し、この方法を実施する装置についても装置構成を簡易にすることができる。
図1は、本発明の水素分離方法を模式的に示した説明図であり、図1において符号1は炭素分離膜である。
炭素分離膜1は、炭素を溶解し拡散するもので、金属やセラミックスの薄膜からなるものである。特に、700℃以上1000℃以下程度の温度範囲において、炭素を溶解し拡散する金属が好適に用いられ、このような金属として具体的には、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、イットリウム(Y)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、Pd(パラジウム)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等が挙げられる。
また、前記の金属の中では、特に鉄及びニッケルが、他の金属に比べて比較的安価であり、700℃〜1000℃程度の温度範囲における炭素の溶解量も比較的多いことなどから、好ましい。ここで、鉄(Fe)が炭化水素ガスとしてのメタンガス(CH4)と反応し、炭化鉄となるとともに水素を発生する過程は、以下の式によって示される。
3Fe+CH4 → 2H2+Fe3C
すると、このような温度雰囲気で炭化水素ガスを炭素分離膜1の面2に接触させることにより、炭素分離膜1は炭化水素ガスから炭素を選択的に溶解し、膜中に効率良く取り込むようになる。そして、取り込んだ炭素を膜中で拡散させ、他方の面3側に透過させるようになる。
このように酸化ガスを炭素分離膜1の他方の面3側に供給すると、この他方の面3側には一旦炭素分離膜1中に取り込まれた炭素が透過してくることから、この炭素と酸化ガス中の酸素とが反応し、二酸化炭素(CO2)となる。炭素の酸化反応は、炭素分離膜1が配される温度雰囲気が700℃〜1000℃と高温になっていることから、容易に起こる。
一方、炭素分離膜1の一方の面2側では、炭化水素ガスから炭素が選択的に除去されることで、水素(H2)が分離生成される。したがって、この水素を回収することで、炭化水素ガスから水素を製造することができる。
また、炭化水素ガスを炭素分離膜1に接触させることによって炭化水素ガスから水素を分離するので、分離した水素を回収するだけで水素の製造が可能になり、したがって、操作が単純でプロセスが簡素化し、この方法を実施する装置についても装置構成を簡易にすることができる。
また、炭素を酸化(燃焼)することにより、特に初期において加熱手段で所望温度に加熱した後には、炭素の酸化熱(燃焼熱)で環境の温度を所望温度に保持することができ、したがってエネルギーコストを低く抑えることができる。
次に、炭化水素ガス供給手段13によって炭化水素ガス(本実施形態ではメタンガス)を反応室11内に供給するとともに、酸化ガス供給手段14によって空気を反応室11内に供給する。なお、炭化水素ガスの供給量、及び空気の供給量については、予め実験やシミュレーション等によって適正な量を求めておき、求めた量でそれぞれを供給する。
また、炭素分離膜12の他方の面12b側に空気(酸化ガス)を供給し、他方の面12b側に透過してきた炭素を酸化してこれを消費するので、炭素分離膜12中に炭素が蓄積されてしまうことを防止し、これによって炭素分離膜12の劣化を抑えることができる。
また、酸化ガスについても、空気に代えて酸素を直接用いるようにしてもよい。
Claims (4)
- 炭化水素ガスを、炭素を溶解し拡散する炭素分離膜の一方の面に接触させ、該炭素分離膜の他方の面側に炭素を選択的に透過させることにより、該炭素分離膜の一方の面側に水素を分離する水素分離方法において、
前記炭素分離膜を700℃以上の温度雰囲気に配して、該温度雰囲気にて前記炭化水素ガスを前記炭素分離膜に接触させ、
前記炭素分離膜の他方の面側に酸素を含む酸化ガスを供給し、前記酸素を、前記炭素分離膜の他方の面側に透過してきた前記炭素と反応させることにより、該炭素を酸化することを特徴とする水素分離方法。 - 前記酸化ガスが空気であることを特徴とする請求項1記載の水素分離方法。
- 炭素を溶解し拡散する炭素分離膜と、
前記炭素分離膜の一方の面側に炭化水素ガスを供給し、該一方の面に炭化水素ガスを接触させる炭化水素ガス供給手段と、
前記炭素分離膜の他方の面側に炭素が選択的に透過することで該炭素分離膜の一方の面側に分離した水素を回収する水素回収手段と、
前記炭素分離膜の他方の面側に酸素を含む酸化ガスを供給し、前記酸素を、前記炭素分離膜の他方の面側に透過してきた前記炭素と反応させることにより、該炭素を酸化する酸化ガス供給手段と、を備え、
前記炭素分離膜が反応室内に設けられ、該反応室には、該反応室内を700℃以上の温度雰囲気に加熱する加熱手段が備えられていることを特徴とする水素分離装置。 - 前記酸化ガス供給手段は、前記酸化ガスとして空気を供給することを特徴とする請求項3記載の水素分離装置。
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