JP5368868B2 - 脱硫器の脱気方法、脱硫方法及び改質システム - Google Patents

脱硫器の脱気方法、脱硫方法及び改質システム Download PDF

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Description

本発明は脱硫器の脱気方法、脱硫方法及び改質システムに関し、特に改質される原料を脱硫する脱硫剤を担持する担体に付着している気体を簡便に排出することができる脱硫器の脱気方法、その後に原料を脱硫する脱硫方法及び改質システムに関する。
例えば燃料電池における電気化学的反応に用いられる水素は、純水素を供給するインフラが十分に普及していないこともあり、炭化水素系の原料を改質して得られるのが一般的である。原料として石油製品に代表される炭化水素系の液体を用いると、同じ量の水素を製造するのに要する炭化水素系の気体に比べて容積が小さくて済むため、貯蔵に好都合である。石油製品には硫黄分が含まれているが、燃料電池に供給される水素を主成分とするガスに硫黄分が含まれていると燃料電池の電極が被毒して劣化してしまう。そのため、水素を主成分とするガスに改質される原料は、担体に担持された脱硫剤により脱硫されて、燃料電池の電極が被毒しない程度に硫黄分が除去される(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−315628号公報(段落0021等)
一般に、上述の脱硫剤は担体に形成された細孔に担持されて脱硫器に収容されている。脱硫器が現場(設置場所)に設置されて運転が開始されると、担体の細孔に入り込んでいた気体が徐々に離脱して、脱硫器から改質器へ脱硫済の原料を送るポンプに入って送液が不安定になったり、計器類での測定が正しく行えないなどの不都合が生じる。特に、単位体積当たりのカロリーが比較的高い石油製品では、微少流量制御が必要になる場合があり、不都合が顕著となる。このため、脱硫器の運転前に担体の細孔に入り込んでいた気体を除去することが好ましいが、例えば現場に脱硫器を設置後に担体の細孔内の気体を真空引きしようとすると大掛かりな装置が必要になり煩雑である。他方、工場で担体の細孔内の気体を除去して原料を充填した状態で現場へ輸送することも考えられるが、通常原料は危険物に該当するために原料を充填した状態で現場へ輸送するのは困難であった。
本発明は上述の課題に鑑み、大掛かりな装置を必要とせずに脱硫剤を担持する担体に付着している気体を排出することができる脱硫器の脱気方法、その後に原料を脱硫する脱硫方法及び改質システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る脱硫器の脱気方法は、例えば図1及び図2を参照して示すと、硫黄分を含有する炭化水素系の液体の原料kを脱硫する脱硫器11から気体を除去する脱硫器の脱気方法であって;脱硫器11は、原料kを加熱する加熱器13と、脱硫剤が担持された担体12とを有し;脱硫器11内に原料kを充填する充填工程(ST1)と;脱硫器11内に充填された原料kを脱硫器11内に貯留した状態で加熱し担体12に付着していた気体を離脱させて脱硫器11から排出する加熱脱気工程(ST2、ST3)とを備える。「貯留した状態」とは、例えばポンプ等で強制的に流動させないことであり、原料の温度変化による流動は不問とする。
このように構成すると、脱硫器内に充填された原料を脱硫器内に貯留した状態で加熱し担体に付着していた気体を離脱させて脱硫器から排出するので、原料の脱硫時に悪影響を与える担体に付着した気体を、特別な装置を要することなく除去することができる。
また、本発明の第2の態様に係る脱硫方法は、例えば図1を参照して示すと、上記本発明の第1の態様に係る脱硫器の脱気方法で脱硫器11内の気体を排出する脱気工程と;脱気工程の後に、原料kを脱硫器11へ上方から供給する原料供給工程と;脱硫器11に供給された原料kを上方から下方に移動させる際に脱硫剤に接触させつつ加熱して脱硫する脱硫工程と;脱硫器11の下部に集まった脱硫された原料mを脱硫器11から取り出す取出工程とを備える。
このように構成すると、下部に集まった脱硫済原料が脱硫器から取り出される構造となっているため、脱気中及び脱硫器の脱気後に原料の脱硫を開始した際に脱気時に離脱した気体が脱硫器の二次側(吐出側)に侵入し難くなり、脱硫剤を担持する担体から離脱した気体が脱硫器の二次側に導出されることを低減することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第3の態様に係る改質システムは、例えば図1に示すように、硫黄分を含有する炭化水素系の液体の原料kを脱硫する脱硫器11であって、原料kを加熱する加熱器13と脱硫剤が担持された担体12とを有する脱硫器11と;脱硫器11で脱硫された原料mを導入して改質する改質器20と;脱硫器11で脱硫された原料mを改質器20に搬送する原料ポンプ51と;加熱器13及び原料ポンプ51を制御する制御装置60であって、担体12に付着していた気体を担体12から離脱させる際に原料ポンプ51を作動させずに加熱器13を作動させる制御装置60とを備える。
このように構成すると、担体に付着していた気体を担体から離脱させる際に原料ポンプを作動させずに加熱器を作動させるので、原料の脱硫時に悪影響を与える担体に付着した気体を、特別な装置を要することなく除去することができる。
また、本発明の第4の態様に係る改質システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第3の態様に係る改質システム1において、脱硫器11が、導入された原料kが下方に移動する際に担体12に担持された脱硫剤に接触して脱硫され、下部に集まった脱硫された原料mが脱硫器11から取り出されるように構成されている。
このように構成すると、下部に集まった脱硫された原料が脱硫器から取り出される構造となっているため、脱気時に離脱した気体が二次側に侵入し難い構造となっており、担体から離脱した気体が原料ポンプに混入することを低減することができる。
本発明によれば、原料の脱硫時に悪影響を与える担体に付着した気体を、特別な装置を要することなく除去することができる。
本発明の実施の形態に係る改質システムの模式的系統図である。 改質システムの脱気措置を説明するフローチャートである。 変形例に係る脱硫器の概略構成を示す縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る改質システム1を説明する。図1は、改質システム1の模式的系統図である。改質システム1は、原料kを脱硫する脱硫器11と、脱硫済原料mを改質して水素を主成分とする改質ガスgを生成する改質器20と、脱硫済原料mを改質器20へ搬送する原料ポンプ51と、制御装置60とを備えている。改質システム1はさらに、脱硫器11に導入される前の原料kを一旦貯留するサービスタンク15を備えている。本実施の形態では、改質器20で生成された改質ガスgが燃料電池30に供給されることとなっている。
原料kは、硫黄分を含有する炭化水素系の液体(炭化水素を主成分とする液体)であり、例えばメタノール、石油製品(灯油、ガソリン、ナフサ、LPG等)等が用いられ、その中でも典型的には灯油(好適には1号灯油)が用いられる。脱硫済原料mは、燃料電池30の電極が被毒しない程度に硫黄分が低減された炭化水素系の液体である。
脱硫器11は、脱硫剤が担持された担体12と、加熱器としての電気ヒータ13とが、筒状の容器14内に収容されて構成されている。容器14は、典型的には細長い円筒状に形成されているが、軸直角断面が矩形等の多角形であってもよい。容器14には、一方の端面に原料kを導入する導入口14aが形成され、他方の端面には原料kが脱硫されて生成された脱硫済原料mを導出する導出口14bが形成されている。また、本実施の形態では、導入口14aが形成されている面に、脱気口14cも形成されている。担体12は、典型的にはアルミナ(Al)が球状に形成された多孔質となっている。担体12に担持されている脱硫剤は、脱硫する原料kの種類に応じて適切に選定されるが、典型的には金属(例えばNi)又は金属酸化物が用いられる。電気ヒータ13は、原料kを150℃程度に上昇させることができる電気容量を有している。電気ヒータ13は、制御装置60と信号ケーブルで接続されており、制御装置60からの指令により発熱が制御されるように構成されている。脱硫器11は、典型的には導入口14aが上側で容器14の軸が鉛直になるように配置されている。
改質器20は、脱硫済原料mと改質用水(不図示)とを導入し水蒸気改質反応により水素に富む改質ガスgを生成する改質部25と、脱硫済原料mの水蒸気改質反応に用いる改質熱を発生する加熱部23とを備えている。水素に富む改質ガスgとは、水素を主成分とするガスであり、水素を40体積%以上、典型的には70〜80体積%程度含んだ、例えば燃料電池30に供給するガスである。改質ガスg中の水素濃度は80体積%以上でもよく、本実施の形態では燃料電池30に供給したときに酸化剤ガスt中の酸素との電気化学的反応により発電可能な濃度であればよい。
改質部25には、改質触媒が充填されており、水蒸気改質反応を促進させるように構成されている。改質触媒としては、典型的には、ニッケル系改質触媒やルテニウム系改質触媒が用いられる。改質触媒の作用により脱硫済原料mが改質され、生成された水素に富むガスに所定量以上の一酸化炭素が含まれていると、燃料電池30の電極が被毒する。そのため、改質部25は、変成触媒が充填された変成部、及び選択酸化触媒が充填された選択酸化部を有し、改質器20から導出される改質ガスg中の一酸化炭素濃度が約10体積ppm以下、好適には1体積ppm程度となるようにするのが好ましい。変成触媒には、典型的には、鉄−クロム系変成触媒、銅−亜鉛系変成触媒、白金系変成触媒等が用いられる。選択酸化触媒には、典型的には、白金系選択酸化触媒、ルテニウム系選択酸化触媒、白金−ルテニウム系選択酸化触媒等が用いられる。なお、改質触媒における反応は吸熱反応であるが、変成触媒を有する変成部及び選択酸化触媒を有する選択酸化部における反応は発熱反応となる。加熱部23は、改質部25の改質触媒が設けられている位置に隣接するように、改質器20内に配設されており、改質熱を発生するための装置として、バーナー(不図示)が設けられている。
脱硫器11と改質器20とは、脱硫済原料mを流す脱硫後原料ラインとしての脱硫済原料管41で接続されている。脱硫済原料管41の一端は、脱硫器11の導出口14bに接続されており、他端は改質部25に接続されている。脱硫済原料管41には、脱硫済原料mを改質部25に搬送する原料ポンプ51が配設されている。原料ポンプ51は、比較的小さい流量の制御を行いやすくする観点から、典型的には電磁ポンプが用いられる。原料ポンプ51は、制御装置60と信号ケーブルで接続されており、制御装置60からの指令により発停が制御されるように構成されている。
サービスタンク15は、開放式のタンクであり、原料kを重力で脱硫器11に供給するように底面が導入口14aよりも上方になるように設置されている。サービスタンク15には、原料kの液位を所定の液位に保つ機能を有するレベラ16が設けられている。レベラ16は、フロートを有しており、フロートが所定の液位よりも下がると原料kがサービスタンク15に流入するようになっている。所定の液位は、サービスタンク15内に現れる液位であって、原料kの温度変化に伴う体積の変化があっても原料kが溢流しない液位に設定される。サービスタンク15内へ導入される原料kは、原料タンク18内に貯留されている原料kが、原料補充管45を介して導かれる。原料補充管45には、原料タンク18内の原料kをサービスタンク15に搬送する補充ポンプ55が配設されている。補充ポンプ55は、典型的には電磁ポンプが用いられる。原料タンク18は、典型的には屋外に設置されている。
脱硫器11とサービスタンク15とは、脱硫前原料ラインとしての原料供給管42で接続されている。原料供給管42は、一端が脱硫器11の導入口14aに接続されており、他端がサービスタンク15の底面に接続されている。原料供給管42には、内部を流れる原料kの一部を改質器20の加熱部23に導く燃焼燃料管43が接続されている。燃焼燃料管43には、原料kを加熱部23に搬送する燃焼燃料ポンプ53が配設されている。燃焼燃料ポンプ53は、比較的小さい流量の制御を行いやすくする観点から、典型的には電磁ポンプが用いられる。燃焼燃料管43の原料供給管42への接続部には、サービスタンク15内の原料kの停止液位よりも上方まで伸びるライン脱気管48が接続されている。脱硫器11の脱気口14cには、サービスタンク15内の原料kの停止液位よりも上方まで伸びる脱硫器脱気管49が接続されている。ライン脱気管48と脱硫器脱気管49とは、典型的にはサービスタンク15の上端よりも上方で共通脱気管47に接続されている。共通脱気管47の端部は、サービスタンク15内の気相部で開放されている。
制御装置60は、電気ヒータ13及び原料ポンプ51とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、指令信号を送信して電気ヒータ13及び原料ポンプ51の発停をそれぞれ制御することができるように構成されている。また、制御装置60は、燃焼燃料ポンプ53と信号ケーブルで接続されており、燃焼燃料ポンプ53の発停を制御することができるように構成されている。
上述のように構成される改質システム1は、脱硫器11、改質器20、及び配管類等の構成部材が、その全部が工場で組み立てられた後に現場(改質システム1の稼働場所)に搬入されるか、あるいはその一部又は全部が個別に現場に搬入されて現場で組立構築される。また、改質システム1の稼働を開始した後に脱硫剤が劣化した場合は脱硫器11を交換する場合もある。脱硫器11は、搬送過程及び組立過程において気体(空気)に晒されることで、担体12内の細孔に気体が入り込んでいる。そのため、改質システム1が構築され、特別な措置を施さずにその運転が開始されると、担体12に入り込んでいた気体が徐々に原料k及び脱硫済原料m内に出てきて、原料ポンプ51がエアロックしたり、計器類(不図示)での測定が正しく行えない等の不都合を生じることとなる。改質システム1の構築後に担体12内の気体を除去するために、例えば真空引きをしようとすると改質システム1とは別の大掛かりな装置が必要となり、脱気にも手間がかかる。脱硫器11まわりを工場で組み立てて現場に搬入する場合は、この手間のかかる真空引きを工場で行うことも考えられるが、工場で行うと、気体を除去した後の担体12が気体に晒されないように原料kを充填して現場に搬送することとなる。脱硫器11に原料kを充填して搬送することは、原料kが一般に危険物に該当するため、難しい。そこで、改質システム1では、以下の手段でより簡便に担体12の気体を除去することとしている。
図2は、構築された改質システム1の運転開始前の脱気措置を説明するフローチャートである。以下の説明において、改質システム1の構成の符号については適宜図1を参照することとする。現場に改質システム1が構築されると、脱硫器11内に原料kを充填する(ST1)。脱硫器11内へ原料を充填するには、まず、原料タンク18に原料kを投入し、補充ポンプ55を起動する。すると、原料kが、原料補充管45を介して原料タンク18からサービスタンク15に流入する。サービスタンク15に流入した原料kは、重力により原料供給管42を介して脱硫器11に流入する。脱硫器11に流入した原料kは、脱硫済原料管41にも流れ込む。この状況で、サービスタンク15内の原料kの液位が上昇し、所定の液位に至ると、レベラ16のフロートが上昇することで原料補充管45を遮断して、サービスタンク15内への原料kの流入が停止する。これに伴ってサービスタンク15内の原料kの液位が所定の液位に至って停止すると、サービスタンク15に連通している下流側の部材に原料kが充填されていることとなり、したがって脱硫器11にも原料kが充填されていることとなる。
脱硫器11への原料kの充填が完了したら、制御装置60は電気ヒータ13を通電し、脱硫器11内の原料kを加熱する(ST2)。このとき、制御装置60は、原料ポンプ51は起動させない(強制流動させない)。つまり、原料kを脱硫器11に貯留した状態とする。原料ポンプ51を起動させないことで、脱硫が充分ではない原料kが改質部25内に導入されることを回避することができると共に、脱気時におけるエネルギー消費量を低減することができる。さらに、原料ポンプ51を起動させないので原料kを脱硫器11の内外で循環させることもないため、循環用のバイパス管や流路切換用の電磁弁等の特別な設備(構成)が不要となり、構成を簡素化できて信頼性が向上すると共にイニシャルコストを低減することができる。
電気ヒータ13の起動に伴う脱硫器11の加温は、脱硫器11周囲の環境温度を超え、原料kの初留点(液体の原料kが、蒸気圧が標準気圧に等しくなり、ガスの泡が発生する点)未満で行われ、原料kが灯油の場合は典型的には80℃以上150℃以下、一例として120℃程度で行われる。脱硫器11が、原料kが充填された状態で昇温すると、脱硫剤を担持している担体12の細孔中に存在していた気体が担体12から徐々に離脱して、脱硫器11に充填されている原料k中を上昇していく。このメカニズムは、脱硫器11の昇温により、原料kの粘性が低下することと担体12の細孔中に入り込んでいた気体が膨張することとが互いに作用し合って担体12の細孔中に入り込んでいた気体が抜けやすくなることに起因していると推定される。
担体12から離脱して脱硫器11に充填されている原料k中を上昇した気体は、脱気口14cを介して脱硫器脱気管49に入り、及び/又は導入口14aと原料供給管42の一部とを介してライン脱気管48に入る。脱硫器脱気管49及び/又はライン脱気管48に入った気体は、サービスタンク15内の原料kの停止液面よりも上方に上り、共通脱気管47を介してサービスタンク15上部の気相部に開放される。このようにして、脱硫器11内の担体12に付着していた気体が系外に排出される。
制御装置60は、電気ヒータ13を通電して脱硫器11内の原料kを加熱したら(ST2)、電気ヒータ13を通電してから所定の時間が経過したか否かを判断する(ST3)。ここで「所定の時間」は、脱硫器11内の残留気体が、原料ポンプ51の運転に悪影響を及ぼさない程度まで排出されるのに要する時間であり、典型的には10〜48時間のうちで設定され、例えば24時間で設定してもよい。所定の時間が経過したか否かを判断する工程において(ST3)、経過していなければ再び所定の時間が経過したか否かを判断する工程(ST3)に戻る。他方、経過した場合は、改質システム1構築後の脱気措置を終了する。脱気措置終了後は、適宜定常の改質システム1の運転が行われる。
改質システム1の定常の運転時は、以下のように作用する。燃料電池30での発電の要請があり、改質器20における改質ガスgの生成が求められるようになると、制御装置60は、電気ヒータ13をONにする。また、制御装置60は、燃焼燃料ポンプ53を起動させて原料kを加熱部23に導入する。加熱部23では、他に燃焼用の空気(不図示)が導入され、原料kを燃焼させて、改質部25における改質に用いられる改質熱を発生させる。改質部25が改質反応を起こさせることができる程度に昇温したら、制御装置60は原料ポンプ51を起動させる。改質部25が昇温したかは、典型的には、タイマー(不図示)による時間計測又は温度検出器(不図示)による改質部25の温度検出により判断される。
脱硫器11内には、前もってONにされた電気ヒータ13により加熱された原料kが、担体12に担持された脱硫剤の作用により脱硫されている。原料ポンプ51が起動すると、脱硫器11内の脱硫済原料mが脱硫済原料管41に導出される。脱硫済原料管41に脱硫済原料mが導出されると、サービスタンク15から重力により原料kが随時導入され、脱硫器11内に原料kの流れが生じるようになる。導入口14aから脱硫器11に導入された原料kは、導出口14bから導出されるまでの間に、下方に流れながら電気ヒータ13で加熱されつつ担体12に担持された脱硫剤に接触することにより脱硫され、脱硫済原料mとなって導出口14bから導出される。導出口14bから導出された脱硫済原料mは、原料ポンプ51により脱硫済原料管41を流れて改質部25に導入される。このとき改質システム1は、構築後に前もって脱気措置が施されているので、脱硫器11における脱硫運転の際に、原料ポンプ51の作動に悪影響を及ぼすほどの気体が出現することはなく(したがって原料ポンプ51に混入することもなく)、原料ポンプ51の吐出流量の安定した制御が可能となる。改質部25に導入された脱硫済原料mは、別途導入された改質用水(不図示)と混合され、加熱部23から改質熱を受熱し改質されて、改質ガスgとなる。改質器20で生成された改質ガスgは、燃料電池30に供給されて発電に用いられる。
以上の説明では、脱硫器11が、上部の導入口14aから原料kを導入し、脱硫済原料mを下部の導出口14bから導出する構成としたが、導入口14a及び導出口14bの双方が一端面(上面)に形成されていてもよい。
図3は、変形例に係る脱硫器11Aの概略構成図である。脱硫器11Aでは、導入口14a及び導出口14bの双方が上面に形成されている。また、図示は省略しているが、脱気口14c(図1参照)も上面に形成されている。導出口14bには、脱硫器11A内を下方に伸び、脱硫器11A内の下部で端部が開口している脱硫器内配管14pが接続されている。そして、脱硫器内配管14pの外側かつ脱硫器11A内に、脱硫剤を担持した担体12が複数充填されると共に電気ヒータ13が設けられている。脱硫器11Aは、導入口14aから導入された原料kが、下方に流れる際に電気ヒータ13に加熱されつつ担体12に担持された脱硫剤によって脱硫されて下部に至るまでに脱硫済原料mとなり、脱硫済原料mは、脱硫器11A内下部に開口した脱硫器内配管14pを流れて導出口14bに至り、脱硫器11Aから導出される。このように構成された脱硫器11Aは、各配管の接続口が上面に形成されているので底面を平らにでき、床への据付が容易になる。脱硫器11Aの構成としても、原料kが上方から下方に流れる際に脱硫剤に接触して脱硫されるように構成される。このように構成することで、離脱した気泡が改質器20側に流されることが抑制され、ライン脱気管48及び/又は脱硫器脱気管49を介して改質システム1外に排出されやすくなる。
以上の説明では、燃焼燃料管43が原料供給管42に接続されていて原料kを加熱部23に導く構成としたが、原料供給管42に代えて脱硫済原料管41に燃焼燃料管43を接続して脱硫済原料mを加熱部23に導く構成としてもよい。このように構成すると、加熱部23で燃料を燃焼した後の排ガス中に含まれる硫黄酸化物を低減することができると共に、燃焼燃料ポンプ53に代えて流量調節バルブを設け、原料ポンプ51によって脱硫済原料mを加熱部23に搬送する構成とすることで、燃焼燃料ポンプ53を省略することが可能となる。
1 改質システム
11 脱硫器
12 担体
13 電気ヒータ
20 改質器
51 原料ポンプ
60 制御装置
k 原料
m 脱硫済原料

Claims (4)

  1. 硫黄分を含有する炭化水素系の液体の原料を脱硫する脱硫器から気体を除去する脱硫器の脱気方法であって;
    前記脱硫器は、前記原料を加熱する加熱器と、脱硫剤が担持された担体とを有し;
    前記脱硫器内に前記原料を充填する充填工程と;
    前記脱硫器内に充填された原料を前記脱硫器内に貯留した状態で、前記脱硫器の周囲の環境温度を超えて前記原料の初留点未満の温度で加熱して、前記担体の細孔に入り込んでいた気体を離脱させて前記脱硫器から排出する加熱脱気工程とを備える;
    脱硫器の脱気方法。
  2. 請求項1に記載の脱硫器の脱気方法で前記脱硫器内の気体を排出する脱気工程と;
    前記脱気工程の後に、前記原料を前記脱硫器へ上方から供給する原料供給工程と;
    前記脱硫器に供給された原料を上方から下方に移動させる際に前記脱硫剤に接触させつつ加熱して脱硫する脱硫工程と;
    前記脱硫器の下部に集まった脱硫された原料を前記脱硫器から取り出す取出工程とを備える;
    脱硫方法。
  3. 硫黄分を含有する炭化水素系の液体の原料を脱硫する脱硫器であって、前記原料を加熱する加熱器と脱硫剤が担持された担体とを有する脱硫器と;
    前記脱硫器で脱硫された原料を導入して改質する改質器と;
    前記脱硫器で脱硫された原料を前記改質器に搬送する原料ポンプと;
    前記加熱器及び前記原料ポンプを制御する制御装置であって、前記担体の細孔に入り込んでいた気体を前記担体から離脱させる際に前記原料ポンプを作動させずに前記加熱器を前記脱硫器の周囲の環境温度を超えて前記原料の初留点未満の温度で加熱するように作動させる制御装置とを備える;
    改質システム。
  4. 前記脱硫器が、導入された前記原料が下方に移動する際に前記担体に担持された脱硫剤に接触して脱硫され、下部に集まった脱硫された原料が前記脱硫器から取り出されるように構成された;
    請求項3に記載の改質システム。
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