JP2016143586A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱硫触媒上における炭素の析出を抑制する燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法を提供する。
【解決手段】燃料電池システム1は、脱硫対象原料Drの水素化脱硫を促進させる脱硫触媒12を有する脱硫部11と、脱硫部11に脱硫対象原料Drを供給する原料供給部20と、脱硫済原料Dfを改質触媒51c下で改質して改質ガスE、Rを生成する改質部51と、改質ガスEと酸化剤ガスAとを導入し発電する燃料電池61と、改質ガスRを脱硫対象原料Drに混合させる水添用改質ガス供給部30と、制御部15とを備える。制御部15は、燃料電池61の発電を停止する際に、脱硫部11への脱硫対象原料Drの供給を停止すると共に、少なくとも脱硫部11まわりの脱硫対象原料Drと改質ガスRとが混合した混合流体MFを水添用改質ガス供給部30及び改質部51で循環させるように、原料供給部20及び水添用改質ガス供給部30を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法に関し、特に脱硫触媒上における炭素の析出を抑制することができる燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法に関する。
燃料電池における発電に用いられる水素含有ガスは、水素含有ガスを入手するためのインフラ整備が十分でないことに鑑み、炭化水素系原料を改質して得られることが多い。炭化水素系原料は、一般に、硫黄分が含まれるため、水素含有ガスに改質する前に脱硫が行われる。脱硫方式の1つに、水素を添加して脱硫する水素化脱硫(水添脱硫)がある。水素化脱硫は、原料に水素を混合し、原料中の硫黄分を触媒上で水素と反応させて硫化水素へ変換し、この硫化水素に酸化亜鉛を反応させて硫化亜鉛として除去するものである。水素化脱硫は、除去可能な硫黄分の種類が比較的多いという利点がある。炭化水素系原料を改質して生成した水素含有ガスを燃料電池に供給して発電するシステムとして、原料を脱硫する水添脱硫器と、脱硫した原料を改質して水素濃度の高い燃料ガス(改質ガス)を生成する燃料改質器と、生成された燃料ガスと反応空気とを導入して発電する燃料電池本体と、水添脱硫器に導入する原料に燃料ガスの一部を再循環させて混合するためのリサイクルガス回路とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3718917号公報
燃料電池における発電を停止する際は、水素化脱硫器(水添脱硫器)への原料の供給を停止し、リサイクルガス回路を介した改質ガスの原料への混合を停止する。このとき、原料と改質ガスとの混合ガスが、水素化脱硫器内に封止されることとなる。他方、水素化脱硫器の運転温度は200℃〜400℃であることから、停止直後の水素化脱硫器内の温度も運転温度に近い温度になっている。運転温度に近い温度の水素化脱硫器内に原料と改質ガスとの混合ガスが封止されると、原料中に含まれる炭素数2以上の炭化水素の成分の分解反応が生じ、脱硫触媒上に炭素が析出するおそれがある。
本発明は上述の課題に鑑み、脱硫触媒上における炭素の析出を抑制することができる燃料電池システム及び燃料電池システムの停止方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、脱硫対象原料Drを水素化脱硫して脱硫済原料Dfを生成する脱硫部11であって、水素化脱硫を促進させる脱硫触媒12を有する脱硫部11と;脱硫部11に脱硫対象原料Drを供給する原料供給部20と;脱硫済原料Dfを導入し改質して水素を含有する改質ガスE、Rを生成する改質部51であって、改質ガスE、Rの生成を促進させる改質触媒51cを有する改質部51と;改質部51で生成された改質ガスEと、酸素を含有する酸化剤ガスAと、を導入して発電する燃料電池61と;改質部51で生成された改質ガスRを脱硫対象原料Drに混合させる水添用改質ガス供給部30と;燃料電池61における発電を停止する際に、脱硫部11への脱硫対象原料Drの供給を停止すると共に、少なくとも脱硫部11まわりに残存している脱硫対象原料Drと改質ガスRとが混合した混合流体MFを水添用改質ガス供給部30及び改質部51で循環させるように、原料供給部20及び水添用改質ガス供給部30を制御する制御部15とを備える。
このように構成すると、燃料電池の停止時に、混合流体を水添用改質ガス供給部及び改質部で循環させるので、脱硫部まわりに残存していた混合流体に含まれ得る炭素数2以上の炭化水素の成分を、改質触媒上で炭素数1以下の物質に転化させることができ、脱硫触媒上における炭素の析出を抑制することができる。
また、本発明の第2の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る燃料電池システム1において、改質部51に導入される脱硫済原料Dfに水分Sを供給する水分供給部55を備え;制御部15は、燃料電池61における発電を停止する際の、混合流体MFを水添用改質ガス供給部30及び改質部51で循環させるときに、混合流体MFに水分Sが供給されるように、水分供給部55を制御する。
このように構成すると、改質触媒における混合流体の改質反応を促進させることができる。
また、本発明の第3の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1を参照して示すと、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る燃料電池システム1において、制御部15は、混合流体MFの循環流路13、52、51、31の体積を混合流体MFの循環流量で除して求められた時間以上、混合流体MFを水添用改質ガス供給部30及び改質部51で循環させる。
このように構成すると、混合流体の循環流路内の混合流体の全量を改質触媒に通すことができ、混合流体に含まれ得る炭素数2以上の炭化水素の成分の除去を充分に行うことができる。
また、本発明の第4の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る燃料電池システム1において、脱硫触媒12に導入される流体の水分レベルを検知する上流水分レベル検知部18と、脱硫触媒12から流出した流体の水分レベルを検知する下流水分レベル検知部19とを有する水分レベル検知部17を備え;制御部15は、少なくとも上流水分レベル検知部18で検知された水分レベルと下流水分レベル検知部19で検知された水分レベルとが一致するまで、混合流体MFを水添用改質ガス供給部30及び改質部51で循環させる。
このように構成すると、循環している混合流体の成分が等しくなったことを確認することができ、脱硫部まわりに残存していた混合流体に含まれ得る炭素数2以上の炭化水素の成分の減少を間接的に確認することができる。
また、本発明の第5の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る燃料電池システム1において、燃料電池61から排出された排ガスFを燃焼触媒68cで燃焼させる排ガス浄化部68であって、燃焼触媒68cの温度を検知する燃焼触媒温度検知部68tを有する排ガス浄化部68を備え;制御部15は、少なくとも、燃焼触媒温度検知部68tで検知された温度が、脱硫対象原料Drの供給を停止した後に所定の温度分低下するまで、混合流体MFを水添用改質ガス供給部30及び改質部51で循環させる。
このように構成すると、混合流体に炭素数2以上の炭化水素の成分が含まれている場合に改質触媒を通過することによって体積増加した分の可燃成分が排ガス浄化部に流入して燃焼しているか否かを燃焼触媒温度検知部が検知する温度によって把握することができ、脱硫部まわりに残存していた混合流体に含まれ得る炭素数2以上の炭化水素の成分の減少を間接的に確認することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第6の態様に係る燃料電池システムの停止方法は、例えば図1及び図2を参照して示すと、水素化脱硫する脱硫触媒12に、脱硫対象原料Drを供給する脱硫対象原料供給工程(S1)と;脱硫触媒12に供給される脱硫対象原料Drに、水素を含有するガスRを混合させる水素含有ガス混合工程(S2)と;水素を含有するガスRが混合された脱硫対象原料Drを水素化脱硫して脱硫済原料Dfを生成する脱硫工程(S3)と;脱硫工程(S3)において生成された脱硫済原料Dfを改質触媒51cに供給し改質して水素を含有する改質ガスE、Rを生成する改質工程(S4)と;改質工程(S4)において生成された改質ガスRを、水素を含有するガスとして脱硫対象原料Drに混合させる改質ガス混合工程(S5)と;改質工程(S4)において生成された改質ガスEと、酸素を含有する酸化剤ガスAと、を燃料電池61に導入して発電させる発電工程(S6)と;燃料電池61における発電を停止する際に、脱硫触媒12への脱硫対象原料Drの供給を停止する脱硫前原料供給停止工程(S9)と;脱硫前原料供給停止工程(S9)の後に、脱硫触媒12まわりに残存している脱硫対象原料Dr及び脱硫済原料Dfの少なくとも一方と改質ガスRとの混合流体MFを改質触媒51cと脱硫触媒12との間で循環させる混合流体循環工程(S10)とを備える。
このように構成すると、燃料電池の停止時に、混合流体を改質触媒及び脱硫触媒で循環させるので、脱硫触媒まわりに残存していた混合流体に含まれ得る炭素数2以上の炭化水素の成分を、改質触媒上で炭素数1以下の物質に転化させることができ、脱硫触媒上における炭素の析出を抑制することができる。
本発明によれば、燃料電池の停止時に、混合流体を改質触媒及び脱硫触媒で循環させるので、脱硫触媒まわりに残存していた混合流体に含まれ得る炭素数2以上の炭化水素の成分を、改質触媒上で炭素数1以下の物質に転化させることができ、脱硫触媒上における炭素の析出を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの模式的系統図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態の変形例に係る燃料電池システムの模式的系統図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る、燃料電池システム1を説明する。図1は、燃料電池システム1の模式的系統図である。燃料電池システム1は、原料Dを脱硫する脱硫部11と、原料供給部20と、改質部51と、水分供給部55と、リサイクルガス供給部30(以下「RG供給部30」という。)と、燃料電池61と、排ガス浄化部68と、制御装置15とを備えている。
原料Dは、改質することで燃料電池61における発電に利用可能となる程度に水素に富むガス(水素リッチガス)にできるものであり、炭化水素系の原料(炭化水素系燃料)が用いられる。具体例として、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、バイオ燃料が挙げられ、これらの炭化水素系燃料は、石油・石炭等の化石燃料由来のもの、合成ガス等の合成系燃料由来のもの、バイオマス由来のもの等を適宜用いることができる。炭化水素類としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、LPG、都市ガス、タウンガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油が挙げられる。アルコール類として、メタノール、エタノールが挙げられる。エーテル類として、ジメチルエーテルが挙げられる。バイオ燃料として、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェットが挙げられる。以下の説明では、脱硫部11で脱硫される前の原料Dを脱硫前原料Drといい、脱硫部11で脱硫された後の原料Dを脱硫済原料Dfといい、両者を区別しない場合は単に原料Dと総称することとする。脱硫前原料Drは脱硫対象原料に相当する。
脱硫部11は、脱硫前原料Drを、水素化脱硫方式で脱硫する部位である。脱硫部11では、脱硫前原料Drと水素とが導入され、まず、脱硫前原料Dr中の硫黄成分が硫化水素に変換される。次に、硫化水素が、酸化亜鉛と反応し、硫化亜鉛として固定化される。このようにして、脱硫前原料Drは脱硫され、脱硫済原料Dfとなる。水素化脱硫は、概ね200℃〜400℃で行われる。脱硫部11は、脱硫前原料Dr中の硫黄成分を硫化水素に変換させる脱硫触媒12と、脱硫雰囲気を概ね400℃程度に加熱することができるヒータ(不図示)とを有している。脱硫触媒12は、水素化脱硫に適した触媒が用いられる。脱硫触媒12は、脱硫容器13に収容されている。ヒータ(不図示)は、脱硫容器13の外側に設けられており、脱硫容器13内に導入された脱硫前原料Dr及び脱硫容器13内に収容された脱硫触媒12を、脱硫容器13の外側から加熱するように構成されている。
脱硫部11には、脱硫前原料Drを脱硫部11に導く脱硫前原料ライン21と、脱硫部11における脱硫前原料Drの水素化脱硫に用いられるリサイクルガスRを導入するリサイクルガスライン31(以下「RGライン31」という。)と、脱硫済原料Dfを改質部51に導く脱硫済原料ライン52とが接続されている。ここで、「・・・ライン」とは、流体の流路であり、典型的には専ら流体を案内する管であるが、他の用途に用いられる物と物との間に形成された空間であってもよい。リサイクルガスRは、改質部51で生成された改質ガスEの一部を抜き出したものであり、水素を多く含んでいる。脱硫前原料ライン21には、脱硫前原料Drを脱硫部11に送るフィードポンプ22が配設されている。本実施の形態では、脱硫前原料ライン21と、フィードポンプ22とを含んで原料供給部20を構成している。なお、燃料電池システム1に導入される脱硫前原料Drが液体の場合は、脱硫前原料Drを気化する気化器(不図示)が脱硫前原料ライン21に設けられる。
改質部51は、脱硫済原料Dfを導入し、改質して、水素に富む改質ガスEを生成する部位である。改質ガスは、一般に燃料ガスと呼称される場合もある。改質ガスEは、燃料電池61における発電のために用いることができる水素を含んでおり、水素を含有するガスの一形態である。改質部51は、脱硫済原料Dfの改質を促進させる改質触媒51cを筐体の内部に有している。改質部51には、一端が脱硫部11に接続された脱硫済原料ライン52の他端が接続されている。換言すれば、脱硫部11と改質部51とは、脱硫済原料ライン52を介して連通している。脱硫済原料ライン52は、脱硫部11で生成された脱硫済原料Dfを改質部51に導く流路である。脱硫済原料ライン52には、水分Sを導入する水分ライン53が接続されている。水分ライン53には、水分Sを改質部51に向けて送る改質水ポンプ54が配設されている。本実施の形態では、水分ライン53と、改質水ポンプ54とを含んで水分供給部55を構成している。改質部51は、脱硫済原料Dfと水分Sとを導入し、脱硫済原料Df中の炭化水素と水分S(水蒸気)とを改質触媒51cの下で改質反応させて、改質ガスEを生成するように構成されている。改質部51には、また、生成された改質ガスEを流す改質ガスライン56が接続されている。
改質ガスライン56からは、RGライン31が分岐しており、改質部51から出た改質ガスEの一部をリサイクルガスRとして、脱硫部11に向けて供給することができるように構成されている。リサイクルガスRは、改質ガスEと同様に改質部51で生成された水素含有ガスであって、改質ガスEと同じ組成を有するものであるが、説明の便宜上、用途に応じて別の呼称としたものである。改質ガスライン56から分岐したRGライン31は、脱硫部11に接続されている。なお、改質ガスライン56から分岐したRGライン31は、脱硫部11に代えて、脱硫前原料ライン21に接続されていてもよい。RGライン31には、流路を遮断可能な開閉弁32と、リサイクルガスRを圧送するリサイクルガスポンプ33(以下「RGポンプ33」という。)とが配設されている。本実施の形態では、RGライン31と、開閉弁32と、RGポンプ33とを含んでRG供給部30を構成している。RG供給部30は、水添用改質ガス供給部に相当する。
RGライン31には、脱硫部11に導入される流体の露点を検知する上流露点計18が配設されている。上流露点計18は、気体中の湿り度合い(水分レベル)を検知することができる計器であり、上流水分レベル検知部に相当する。他方、脱硫済原料ライン52の、水分ライン53との接続点よりも上流側には、脱硫部11から出た流体の露点を検知する下流露点計19が配設されている。下流露点計19は、気体中の湿り度合い(水分レベル)を検知することができる計器であり、下流水分レベル検知部に相当する。上流露点計18で検知された露点と、下流露点計19で検知された露点との差を求めることで、RGライン31から脱硫部11を通過して脱硫済原料ライン52に至る流体の水分レベルの差を検知することができる。本実施の形態では、上流露点計18と下流露点計19とを含んで露点差計17を構成している。露点差計17は、水分レベル検知部に相当する。
燃料電池61は、燃料ガスライン56を介して改質部51と接続されている。燃料電池61には、また、空気Aを導入する空気ライン62が接続されている。空気Aは、酸素を含有しており、酸化剤ガスに相当する。空気ライン62には、空気Aを燃料電池61に向けて圧送するブロワ65が配設されている。燃料電池61は、改質ガスE及び空気Aを導入し、改質ガスE中の水素等と空気A中の酸素との電気化学的反応により直流の電力を発生するように構成されており、一般にセルスタックと呼称される場合もある。燃料電池61としては、本実施の形態では円筒型(平板円筒型を含む)の固体酸化物形燃料電池(SOFC)が用いられているが、固体高分子形燃料電池(PEFC)等の、SOFC以外の燃料電池であってもよい。燃料電池61における発電のために燃料電池61に供給された改質ガスE及び空気Aは、そのすべてが発電に利用されるのではなく、燃料電池61の発電電流に応じた分が利用され、発電に利用されなかった分は、オフガスFとして排出される。オフガスFは、燃料電池61から排出された排ガスに相当する。なお、本実施の形態では、燃料電池61の下流側に、燃料電池61から流出したオフガスFを燃焼させるバーナー(不図示)が設けられており、バーナー(不図示)でオフガスFを燃焼させたときの発熱で改質部51を加熱することができるように構成されている。バーナー(不図示)には、別途、燃焼用の空気が供給される。
排ガス浄化部68は、燃料電池61から排出されてバーナー(不図示)で燃焼した後のオフガスFを導入し、1次燃焼後のオフガスF中に含まれる未燃の可燃成分を燃焼処理するように構成されている。排ガス浄化部68は、主として1次燃焼後のオフガスF中の未燃成分を燃焼させるためのものであるが、改質部51に隣接して配置し、改質部51内の改質触媒51cに熱を与えることができるように構成されていてもよい。排ガス浄化部68は、1次燃焼後のオフガスF中の未燃成分を燃焼させる燃焼触媒68cと、燃焼触媒68cの温度を検知する燃焼触媒温度検知部としての燃焼触媒温度計68tとを有している。燃焼触媒68cは、1次燃焼後のオフガスF中の未燃成分の酸化を促進させる物質で構成されており、例えば、白金、パラジウム等の貴金属系触媒や、マンガン、鉄等の卑金属系触媒等を用いることができる。排ガス浄化部68は、1次燃焼後のオフガスFの燃焼によって生じる排ガスGを排出するように構成されている。排ガス浄化部68には、排ガスGを流す排ガスライン69が接続されている。
制御装置15は、燃料電池システム1を構成する機器の動作を制御する部位であり、制御部に相当する。制御装置15は、脱硫部11と信号ケーブルで接続されており、脱硫部11の温度を把握することができるように構成されている。また、制御装置15は、フィードポンプ22、RGポンプ33、改質水ポンプ54、ブロワ65と、それぞれ信号ケーブルで接続されており、各機器の発停を制御することができるように構成されている。また、制御装置15は、開閉弁32と信号ケーブルで接続されており、開閉弁32の開閉を切り替えることができるように構成されている。また、制御装置15は、上流露点計18及び下流露点計19とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、上流露点計18が検知した値及び下流露点計19が検知した値をそれぞれ信号として受信することができるように構成されている。また、制御装置15は、燃焼部温度計68tと信号ケーブルで接続されており、燃焼部温度計68tが検知した値を信号として受信することができるように構成されている。また、制御装置15には、燃料電池61の発電を停止する際の各機器の動作シーケンスがプログラムされている。
次に図2を参照して、燃料電池システム1の作用を説明する。図2は、燃料電池システム1の動作を説明するフローチャートである。以下の燃料電池システム1の作用の説明において、燃料電池システム1の構成に言及しているときは、適宜図1を参照することとする。燃料電池システム1の停止中は、開閉弁32が閉になっている。制御装置15は、燃料電池システム1が起動して、脱硫部11の温度が水素化脱硫を行うのに適した温度(約200℃〜400℃)になったことを検知すると、フィードポンプ22を起動して、脱硫容器13内に脱硫前原料Drを供給する(脱硫対象原料供給工程:S1)。また、制御装置15は、開閉弁32を開にすると共にRGポンプ33を起動して、脱硫容器13内の脱硫前原料Drに、水素を含有するガスとしてリサイクルガスRを混合させる(水素含有ガス混合工程:S2)。図2では、脱硫容器13内に、脱硫前原料Drを供給し(S1)、その後、リサイクルガスRを混合させる(S2)ように示しているが、典型的には、脱硫前原料Drの供給(S1)と、リサイクルガスRの混合(S2)とは、同時に行われる。
リサイクルガスRが混合された脱硫前原料Drは、脱硫触媒12において脱硫前原料Drの水素化脱硫が行われ、脱硫済原料Dfが生成される(脱硫工程:S3)。脱硫部11で生成された脱硫済原料Dfは、脱硫済原料ライン52を流れて改質部51に導入される。このとき、制御装置15は、改質水ポンプ54を起動して、水分Sを改質部51に向けて供給する。脱硫済原料Dfには、改質部51に流入する前に、あるいは改質部51に流入した後に、水分ライン53を流れてきた水分Sが合流する。水分Sと共に改質部51に流入した脱硫済原料Dfは、改質部51において改質され、水素に富む改質ガスEが生成される(改質工程:S4)。改質部51から流出した改質ガスEは、一部がリサイクルガスRとしてRGライン31に流入し、脱硫容器13に向かって流れ、脱硫容器13内に導入された脱硫前原料Drに混合される(改質ガス混合工程:S5)。この改質ガス混合工程(S5)は、上述の水素含有ガス混合工程(S2)と実質的に同じ工程であり、説明の便宜上重複して記載しているものである。
改質部51から流出した改質ガスEのうち、RGライン31に流入しなかった改質ガスEは、改質ガスライン56を流れて燃料電池61に流入する。改質ガスEが燃料電池61に供給されるようになると、制御装置15は、ブロワ65を起動する。ブロワ65が起動すると、空気ライン62を介して空気Aが燃料電池61に流入する。改質ガスE及び空気Aが導入された燃料電池61では、改質ガスE中の水素等と空気A中の酸素との電気化学的反応による発電が行われる(発電工程:S6)。燃料電池61で発生した電力は、燃料電池システム1内の電気機器(各ポンプ22、33、54やブロワ65等)及び/又は燃料電池システム1外の電力負荷(不図示)に供給される。なお、燃料電池61がSOFCの場合、運転中の最高温度が約700℃となる。
燃料電池61に流入した改質ガスE及び空気Aは、発電に利用された後にオフガスFとして排出され、バーナー(不図示)で1次燃焼されて改質部51に熱を与えた後、排ガス浄化部68に至る。排ガス浄化部68に流入した1次燃焼後のオフガスFは、燃焼触媒68cによって燃焼処理される。排ガス浄化部68における1次燃焼後のオフガスFの燃焼によって生ずる燃焼熱を、改質部51における改質反応に利用することとしてもよい。排ガス浄化部68で1次燃焼後のオフガスFが燃焼されることによって生じた排ガスGは、排ガスライン69を流れて燃料電池システム1から排出される。
燃料電池システム1は、電力の需要に応じて起動及び停止が繰り返される。したがって、上述のような燃料電池システム1の運転が行われている際、制御装置15は、燃料電池61における発電を停止させる指令を受けたか否かを判断している(S7)。燃料電池61の発電を停止させる指令を受けていないときは、脱硫容器13内に脱硫前原料Drを供給する工程(S1)に戻る。なお、燃料電池61における発電が行われているときは、脱硫容器13内に脱硫前原料Drを供給する工程(S1)から燃料電池61の発電を停止させる指令を受けたか否かを判断する工程(S7)まで、継続的に行われている。
他方、制御装置15は、燃料電池61の発電を停止させる指令を受けたか否かを判断する工程(S7)において、停止させる指令を受けたときは、改質冷却工程を開始する(S8)。改質冷却工程は、燃料電池61の酸化劣化を抑制するために、還元性である改質ガスEを供給しながら燃料電池61を降温させる工程である。制御装置15は、改質冷却工程を開始して(S8)、燃料電池61があらかじめ定められた温度まで降温したら、フィードポンプ22を停止して、脱硫容器13内への脱硫前原料Drの供給を停止する(脱硫前原料供給停止工程:S9)。このとき、制御装置15は、開閉弁32を開けたまま、かつ、RGポンプ33を起動したままにする。これにより、脱硫触媒12まわりに残存している原料D、脱硫済原料ライン52に残存している脱硫済原料Df、改質部51まわりに残存している改質ガスE、RGライン31に残存しているリサイクルガスRが、脱硫部11、脱硫済原料ライン52、改質部51、RGライン31内を循環する(混合流体循環工程:S10)。このように循環する原料D及びリサイクルガスRは混合するため、これらを混合流体MFということとする。混合流体MFは、脱硫前原料供給停止工程(S9)の後に生じるため、図1中では破線矢印でその流れを示している。このように、燃料電池61における発電を停止する際に、混合流体MFを循環させるのは、以下の理由による。
燃料電池61における発電を停止させる際、改質冷却工程に移行した後、仮にフィードポンプ22及びRGポンプ33を停止すると、脱硫前原料DrとリサイクルガスRとが混合した流体は、脱硫容器13内に封止されることになる。改質冷却工程によって、脱硫触媒12の温度は、150℃〜300℃程度になると推定される。このような雰囲気に脱硫前原料Drが晒されると、脱硫前原料Dr中に含まれる炭素数2以上の炭化水素の成分(C2+成分)の分解反応が生じ、脱硫触媒12上に炭素が析出するおそれがある。このような不都合を回避するために、本実施の形態に係る燃料電池システム1では、改質冷却工程を開始(S8)した後、脱硫容器13内への脱硫前原料Drの供給を停止しても、RGポンプ33の運転を継続することとしている。これにより、混合流体MFが、RGライン31等を介して脱硫部11の脱硫触媒12と改質部51の改質触媒51cとの間で循環することとなる。混合流体MFが循環すると、当初脱硫容器13内に残存していた脱硫前原料Drは、脱硫触媒12を通過する。しかしながら、脱硫触媒12の温度が徐々に低下するため、脱硫触媒12における脱硫が十分に行われなくなる。ところが、脱硫前原料DrがリサイクルガスRと共に混合流体MFとして改質部51に導入されると、混合流体MF中に残存していたC2+成分は、この時点で300℃〜600℃程度となっている改質触媒51c上で、炭素数1以下の物質に転化する。このように、混合流体MFを循環させることで、混合流体MFのC2+成分を除去することができ、燃料電池システム1を完全に停止させた際の、脱硫触媒12上における炭素の析出を抑制することができる。なお、混合流体MFを循環させている際に、制御装置15は、改質水ポンプ54を作動させて、混合流体MFに水分Sを供給するとよい。このようにすると、改質触媒51cにおける混合流体MFの改質反応を促進させることができる。
混合流体MFの循環(S10)は、燃料電池システム1を完全に停止させた場合でも脱硫触媒12上に炭素が析出しなくなる程度に、混合流体MF中のC2+成分を除去できるまで継続するとよい。そこで、制御装置15は、混合流体MFを循環させたら(S10)、所定の時間が経過したか否かを判断する(S11)。ここで、所定の時間は、混合流体MFが循環する部分の体積を、混合流体MFの循環流量で除して求められる時間である。所定の時間以上混合流体MFを循環させることで、混合流体MFが循環流路内を一周回以上することとなり、混合流体MF全体が改質触媒51cを通過することとなる。
制御装置15は、所定の時間が経過したか否かを判断する工程(S11)において、所定の時間が経過していない場合、上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致しているか否かを判断する(S12)。燃料電池61の発電が行われている際、リサイクルガスRは概ね相対湿度100%、脱硫前原料Drは概ね相対湿度10%以下となっている。概ね相対湿度10%以下の脱硫前原料Drに対し、概ね相対湿度100%のリサイクルガスRが少量混合されたものが脱硫された、脱硫済原料Dfの相対湿度は、脱硫前原料Drの相対湿度よりもやや高く、リサイクルガスRの相対湿度よりもかなり低くなっている。よって、混合流体MFの循環開始直後は、上流露点計18が検知した値が、下流露点計19が検知した値よりもかなり高くなっている。上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致することは、循環している混合流体MFの成分が等しくなったことを意味していると推察できる。なお、上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが「一致する」とは、実質的に一致している場合を含み、すなわち、脱硫触媒12上への炭素の析出を防ぐことができると評価できる程度に、両露点計18、19を通過する流体の成分(水分レベル)が一致していることを意味する。このように、露点差計17によって混合流体MF中のC2+成分が除去されたことを間接的に確認できれば、所定の時間が経過していなくても、脱硫触媒12上への炭素の析出を抑制することができる。
制御装置15は、上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致しているか否かを判断する工程(S12)において、一致していない場合、燃焼部温度計68tが検知した値が、混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下したか否かを判断する(S13)。循環する混合流体MFにC2+成分が含まれていると、改質触媒51cを通過してC2+成分が炭素数1以下の物質に転化する際に、体積が増加する。混合流体MFの体積の増加分は、改質ガスライン56を介して燃料電池61を通過し、排ガスライン69に至る前に、排ガス浄化部68において燃焼する。排ガス浄化部68において増加分が燃焼しているとき、燃焼触媒68cは高温になっている。混合流体MFの体積の増加分が減少すると、排ガス浄化部68に流入する流体も減少し、排ガス浄化部68での燃焼量が減少する。排ガス浄化部68での燃焼量が減少すると、燃焼部温度計68tが検知する値が低下していく。そして、燃焼部温度計68tが検知した値が、混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下したとき、排ガス浄化部68に流入する流体が十分に少なくなった、すなわち、改質触媒51cで炭素数1以下の物質に転化されるC2+成分が十分に少なくなったと推定し、混合流体MF中のC2+成分が除去されたと判断することとしている。所定の温度は、脱硫触媒12上への炭素の析出を防ぐことができると評価できる程度に、混合流体MFの体積増加が減少したときの燃焼部温度計68tが検知する値までの温度差である。
制御装置15は、燃焼部温度計68tが検知した値が混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下したか否かを判断する工程(S13)において、所定の温度分低下していない場合は、所定の時間が経過したか否かを判断する工程(S11)に戻り、以降の工程を繰り返す。他方、所定の時間が経過したか否かを判断する工程(S11)において所定の時間が経過した場合、上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致しているか否かを判断する工程(S12)において一致した場合、あるいは、燃焼部温度計68tが検知した値が混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下したか否かを判断する工程(S13)において所定の温度分低下した場合、制御装置15は、RGポンプ33を停止して開閉弁32を閉にすることで混合流体MFの循環を停止する(S14)。これで、改質冷却工程が終了となる(S15)。その後、必要に応じて空気による燃料電池61の冷却を行う(S16)。空気による燃料電池61の冷却(S16)が終了したら、燃料電池システム1を停止する(S17)。このように、本実施の形態では、(1)混合流体MFの循環を開始してから所定の時間が経過、(2)上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致、(3)燃焼部温度計68tが検知した値が混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下、のいずれかの条件が充足したときに、混合流体MF中のC2+成分が除去されたと推定して、混合流体MFの循環を停止し(S14)、改質冷却工程を終了する(S15)こととしている。
以上で説明したように、本実施の形態に係る燃料電池システム1によれば、燃料電池61における発電の停止時に、混合流体MFを、脱硫部11、脱硫済原料ライン52、改質部51、RGライン31内で循環させるので、脱硫部11まわりに残存していた混合流体MFに含まれ得るC2+成分を、改質触媒51c上で炭素数1以下の物質に転化させることができ、脱硫触媒51c上における炭素の析出を抑制することができる。
次に図3を参照して、本発明の実施の形態の変形例に係る燃料電池システム1Aを説明する。燃料電池システム1Aは、燃料電池システム1(図1参照)と比較して、以下の点が異なっている。なお、以下の説明において燃料電池システム1(図1参照)の構成に言及しているときは、図1を参照することとする。燃料電池システム1AのRG供給部30Aは、燃料電池システム1のRG供給部30に含まれていた開閉弁32及びRGポンプ33が設けられていない。また、燃料電池システム1AのRG供給部30Aは、RGライン31の一端が、脱硫部11ではなく、脱硫前原料Drの流れ方向で見てフィードポンプ22よりも上流側の脱硫前原料ライン21に接続されている。燃料電池システム1Aでは、脱硫前原料Drの流れ方向で見て、RGライン31の接続部よりも上流側の脱硫前原料ライン21に、圧力低下部28と、開閉弁29とが設けられて、原料供給部20Aが構成されている。圧力低下部28は、下流側の圧力を低下させる部位であり、典型的には毛細管であるキャピラリが用いられるが、キャピラリの他に、オリフィス、逆止弁、比例弁、減圧弁、ゼロガバナ等を用いることができる。圧力低下部28は、フィードポンプ22の吸込圧力が、改質部51から燃料電池61へ供給される改質ガスEの圧力よりも低くなるように脱硫前原料Drの圧力を低下させるように構成されている。開閉弁29は、制御装置15と信号ケーブルで接続されており、制御装置15からの信号により開閉が切り替えられるように構成されている。燃料電池システム1Aの上記以外の構成は、燃料電池システム1と同様である。
上述のように構成された燃料電池システム1Aの作用は、以下の点で、燃料電池システム1の作用と異なっている。燃料電池システム1Aの停止中は、開閉弁29が閉となっている。制御装置15は、燃料電池システム1Aが起動して、脱硫部11の温度が水素化脱硫を行うのに適した温度になったことを検知すると、開閉弁29を開くと共にフィードポンプ22を起動することで、脱硫対象原料供給工程(S1)を行う。このとき、フィードポンプ22で供給される脱硫前原料Drの圧力が圧力低下部28によって低下し、フィードポンプ22の吸い込み圧力が、改質部51から燃料電池61に供給される改質ガスEの圧力よりも低くなる。この圧力差により、リサイクルガスRが、RGライン31を流れて脱硫前原料ライン21に合流し、脱硫前原料Drに混合される(水素含有ガス混合工程:S2)。その後、燃料電池システム1と同様に、脱硫工程(S3)〜燃料電池61の発電を停止させる指令を受けたか否かを判断する工程(S7)が行われる。
その後、改質冷却工程が開始され(S8)、燃料電池61があらかじめ定められた温度まで降温したら、開閉弁29を閉にして、脱硫容器13内への脱硫前原料Drの供給を停止する(脱硫前原料供給停止工程:S9)。このとき、フィードポンプ22を作動させたままにする。これにより、混合流体循環工程(S10)に移行する。混合流体循環工程(S10)では、燃料電池システム1と同様に、混合流体MFのC2+成分を除去することができ、脱硫触媒12上における炭素の析出を抑制することができる。混合流体MFの循環を開始(S10)した後、混合流体MFの循環を停止する工程(S14)の前までは、燃料電池システム1と同じフローが行われる。燃料電池システム1Aは、混合流体MFの循環を停止する工程(S14)が、フィードポンプ22を停止することで実現される。これで、改質冷却工程が終了となり(S15)、その後、燃料電池システム1と同様に、必要に応じた空気による燃料電池61の冷却工程(S16)を行い、燃料電池システム1Aを停止する(S17)。このように、燃料電池システム1Aにおいても、燃料電池システム1と同様、燃料電池61における発電の停止時に、混合流体MFを、脱硫部11、脱硫済原料ライン52、改質部51、RGライン31内で循環させるので、脱硫部11まわりに残存していた混合流体MFに含まれ得るC2+成分を、改質触媒51c上で炭素数1以下の物質に転化させることができ、脱硫触媒51c上における炭素の析出を抑制することができる。他方、燃料電池システム1Aでは、燃料電池システム1に設けられていたRGポンプ33が設けられていないため、システム構成を簡略化することができ、イニシャルコストを低減することができる。
以上の説明では、上流水分レベル検知部として上流露点計18を、下流水分レベル検知部として下流露点計19を、それぞれ用いることとしたが、露点計に代えて、流体の水分レベルを検知することができる構成であってもよい。
以上の説明では、改質水ポンプ54によって水分Sを改質部51に供給することとしたが、気体の混合流体MFが流れる下方に液体の水を貯留したバッファ部を設け、バッファ部の水を気化させる構成としてもよい。バッファ部を設ける場合、混合流体MFが循環するライン中に設ければよいが、改質触媒51cの上流側の改質部51内に設けるとよい。この場合、燃料電池61の発電中から温度が下がって改質部51内に残った改質水を水分Sとして利用することができる。
以上の説明では、制御装置15が燃料電池61における発電を停止する指令を受けた後の、混合流体MFを脱硫部11、脱硫済原料ライン52、改質部51、RGライン31内で循環させているときに、(1)混合流体MFの循環を開始してから所定の時間が経過、(2)上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致、(3)燃焼部温度計68tが検知した値が混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下、のいずれかの条件が充足したときに、混合流体MF中のC2+成分が除去されたと推定して、燃料電池システム1を停止することとしたが、上記3つの条件のすべてが充足したときに燃料電池システム1を停止することとしてもよい。この場合、より確実に混合流体MF中のC2+成分を除去することができる。
以上の説明では、制御装置15が燃料電池61における発電を停止する指令を受けた後の、混合流体MFを脱硫部11、脱硫済原料ライン52、改質部51、RGライン31内で循環させているときに、混合流体MFを循環させてから所定の時間が経過したか否かを判断し(S11)、上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致しているか否かを判断し(S12)、燃焼部温度計68tが検知した値が混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下したか否かを判断する(S13)こととしたが、これらの3つの判断のうちの1つ又は2つを行うこととしてその余の判断を行わない(省略する)こととしてもよい。この場合、図1に示す燃料電池システム1の構成のうち、行わない(省略する)判断にのみ用いる構成を省略するとよい。例えば、上流露点計18が検知した値と下流露点計19が検知した値とが一致しているか否かを判断する工程(S12)を行わない場合、露点差計17を省略することができる。あるいは、燃焼部温度計68tが検知した値が混合流体MFの循環を開始した時点から所定の温度分低下したか否かを判断する工程(S13)を行わない場合、燃焼部温度計68tを省略することができる。
1、1A 燃料電池システム
11 脱硫部
12 脱硫触媒
13 脱硫容器
15 制御装置
17 露点差計
18 上流露点計
19 下流露点計
20、20A 原料供給部
30、30A リサイクルガス供給部
51 改質部
51c 改質触媒
55 水分供給部
61 燃料電池
68 排ガス浄化部
68c 燃焼触媒
68t 燃焼部温度計
A 酸化剤ガス
Dr 脱硫前原料
Df 脱硫済原料
E 改質ガス
F オフガス
MF 混合流体
R リサイクルガス
S 水分

Claims (6)

  1. 脱硫対象原料を水素化脱硫して脱硫済原料を生成する脱硫部であって、前記水素化脱硫を促進させる脱硫触媒を有する脱硫部と;
    前記脱硫部に前記脱硫対象原料を供給する原料供給部と;
    前記脱硫済原料を導入し改質して水素を含有する改質ガスを生成する改質部であって、前記改質ガスの生成を促進させる改質触媒を有する改質部と;
    前記改質部で生成された前記改質ガスと、酸素を含有する酸化剤ガスと、を導入して発電する燃料電池と;
    前記改質部で生成された前記改質ガスを前記脱硫対象原料に混合させる水添用改質ガス供給部と;
    前記燃料電池における発電を停止する際に、前記脱硫部への前記脱硫対象原料の供給を停止すると共に、少なくとも前記脱硫部まわりに残存している前記脱硫対象原料と前記改質ガスとが混合した混合流体を前記水添用改質ガス供給部及び前記改質部で循環させるように、前記原料供給部及び前記水添用改質ガス供給部を制御する制御部とを備える;
    燃料電池システム。
  2. 前記改質部に導入される前記脱硫済原料に水分を供給する水分供給部を備え;
    前記制御部は、前記燃料電池における発電を停止する際の、前記混合流体を前記水添用改質ガス供給部及び前記改質部で循環させるときに、前記混合流体に水分が供給されるように、前記水分供給部を制御する;
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御部は、前記混合流体の循環流路の体積を前記混合流体の循環流量で除して求められた時間以上、前記混合流体を前記水添用改質ガス供給部及び前記改質部で循環させる;
    請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記脱硫触媒に導入される流体の水分レベルを検知する上流水分レベル検知部と、前記脱硫触媒から流出した流体の水分レベルを検知する下流水分レベル検知部とを有する水分レベル検知部を備え;
    前記制御部は、少なくとも前記上流水分レベル検知部で検知された水分レベルと前記下流水分レベル検知部で検知された水分レベルとが一致するまで、前記混合流体を前記水添用改質ガス供給部及び前記改質部で循環させる;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池から排出された排ガスを燃焼触媒で燃焼させる排ガス浄化部であって、前記燃焼触媒の温度を検知する燃焼触媒温度検知部を有する排ガス浄化部を備え;
    前記制御部は、少なくとも前記燃焼触媒温度検知部で検知された温度が、前記脱硫対象原料の供給を停止した後に所定の温度分低下するまで、前記混合流体を前記水添用改質ガス供給部及び前記改質部で循環させる;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 水素化脱硫する脱硫触媒に、脱硫対象原料を供給する脱硫対象原料供給工程と;
    前記脱硫触媒に供給される前記脱硫対象原料に、水素を含有するガスを混合させる水素含有ガス混合工程と;
    前記水素を含有するガスが混合された前記脱硫対象原料を水素化脱硫して脱硫済原料を生成する脱硫工程と;
    前記脱硫工程において生成された前記脱硫済原料を改質触媒に供給し改質して水素を含有する改質ガスを生成する改質工程と;
    前記改質工程において生成された前記改質ガスを、前記水素を含有するガスとして前記脱硫対象原料に混合させる改質ガス混合工程と;
    前記改質工程において生成された前記改質ガスと、酸素を含有する酸化剤ガスと、を燃料電池に導入して発電させる発電工程と;
    前記燃料電池における発電を停止する際に、前記脱硫触媒への前記脱硫対象原料の供給を停止する脱硫前原料供給停止工程と;
    前記脱硫前原料供給停止工程の後に、前記脱硫触媒まわりに残存している前記脱硫対象原料及び前記脱硫済原料の少なくとも一方と前記改質ガスとの混合流体を前記改質触媒と前記脱硫触媒との間で循環させる混合流体循環工程とを備える;
    燃料電池システムの停止方法。
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