JP5368537B2 - 工具フローティング機構 - Google Patents
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請求項1の工具フローティング機構では、回転工具が側方から負荷を受けて回転駆動源の姿勢が変更されると、その回転駆動源のフランジの傾動に伴って可動リングがフランジ当接部から離間する側に移動し、その移動により異常検出センサが作動する。これにより、回転駆動源の姿勢変化に係る異常を検出することができる。ここで、回転駆動源は、原点姿勢から何れの方向に傾動してもフランジの傾動に伴って可動リングは一様にフランジ当接部から離間する側に移動するので、回転工具に対する全側方からの負荷に係る異常を1つの異常検出センサだけで検出することができる。そして、その検出結果を利用してロボットを停止することがで、回転工具を従来より確実に保護することができる。
請求項2の工具フローティング機構では、支持スリーブの内面の環状支持壁を貫通した複数のガイドロッドの前端部が可動リングに固定され、これにより、可動リングが安定して直動する。また、環状支持壁に直動可能に支持された複数の押圧ロッドの前端部が圧縮コイルバネの弾発力によって可動リングに突き当てられて、回転駆動源が原点姿勢に保持される。また、異常検知センサとしてのリミットスイッチが、複数のガイドロッドの基端部に固定された後端リングに押されて作動する構成としたことで、回転工具から離れた位置にリミットスイッチを配置することができ、回転工具の周囲をコンパクトにすることが可能になると共に、リミットスイッチが粉塵を受け難くなる。
請求項3の工具フローティング機構では、押圧ロッドが圧縮コイルバネと圧縮空気の両方で付勢されて回転駆動源が原点姿勢に保持される。また、圧縮空気の圧力を変更することで、その回転駆動源を原点姿勢に保持する保持力を容易に変更することができる。
請求項4の工具フローティング機構では、リミットスイッチが、支持スリーブを側方から貫通した状態に設けられると共に、リミットスイッチの可動部の可動方向が支持スリーブの軸方向と交差する方向を向くように配置されているので、支持スリーブ内にリミットスイッチを設け、可動部の可動方向を支持スリーブの軸方向に向けた場合に比べて、支持スリーブの経を小さくして支持ベース全体をコンパクトにすることができる。また、漏斗状の可撓カバーによって、支持スリーブと回転駆動源との間の後端開口が閉塞され、支持スリーブ内に粉塵が侵入することを防ぐことができる。
請求項5の工具フローティング機構は、回転駆動源の側面から張り出した支持フランジと支持ベースのフランジ対向面との間に複数の連結シャフトが配置され、それら連結シャフトの両端部がユニバーサルジョイントで支持フランジと支持ベースとに連結されている。また、各連結シャフトの両端部に直動可能に嵌合された1対の筒体が原点付勢手段によって互いに離間する方向に付勢されて、支持フランジとフランジ対向面とにそれぞれ押し付けられることで、連結シャフトが回転工具の回転軸と平行になる原点姿勢に回転駆動源を保持される。さらに、支持フランジとフランジ対向面とには、原点姿勢で互いに突き合わされる第1突部と第2突部とが備えられている。そして、回転工具が側方から負荷を受けると、支持ベースに対して回転駆動源の任意の側方に平行移動にして回転工具の変形を防ぐことができると共に、第1突部と第2突部の先端面同士がずれることによって異常検知センサが作動し、回転駆動源の姿勢変更に係る異常を検出することができる。ここで、回転駆動源が、原点姿勢から何れの方向に平行移動しても、一様に第1突部と第2突部の先端面同士がずれるので、回転工具に対する全側方からの負荷に係る異常を1つの異常検出センサだけで検出することができる。そして、その検出結果を利用してロボットを停止することができ、回転工具を従来より確実に保護することができる。
以下、本発明に係る一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1に示したバリ取装置10は、ロボットのアーム(図示せず)の先端に取り付けられる支持ベース11を備えている。支持ベース11は、ベースプレート12のプレート貫通孔12Aに支持スリーブ13を貫通状態に組み付けた構造になっていて、その支持スリーブ13の内側に回転駆動源50が挿通されている。そして、支持スリーブ13と回転駆動源50との間に本発明に係る工具フローティング機構が備えられている。
本実施形態のバリ取装置10Vは、図5及び図6に示されており、回転駆動源50Vが原点姿勢から平行移動する点が前記第1実施形態とは異なる。具体的には、支持ベース11Vに備えた支持板部12Vにモータ受容孔12Dが貫通形成され、そのモータ受容孔12Dに回転駆動源50Vのモータ50Aが受容されている。また、回転駆動源50Vにおけるモータ50Aと減速機50Bとの間には円板49Pが挟持され、その円板49Pの一部が側方に張り出して本発明に係る支持フランジ49になっている。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
12 ベースプレート
12V 支持板部
13 支持スリーブ
15 中間小径部(環状支持壁)
16 押圧ロッド受容孔
17 押圧ロッド
17B Oリング(摺動シール部)
18 蓋リング(環状支持壁)
19 圧縮コイルバネ(原点付勢手段)
21 ガイドロッド
25 可動リング
26 後端リング
26S テーパー面(摺接傾斜面)
27F フランジ当接部
30 可撓カバー
31 リミットスイッチ(異常検知センサ)
32 直動ロッド(可動部)
33 連結シャフト
34 圧縮コイルバネ(原点付勢手段)
35 筒体
37 ボールジョイント(ユニバーサルジョイント)
40 近接スイッチ(異常検知センサ)
40B 第2突部
41B 第1突部
48 押さえ板
49 支持フランジ
50,50V 回転駆動源
52 バリ取工具
72 フランジ
Claims (5)
- ロボットの先端に取り付け可能な支持ベースと、回転工具を先端に取り付け可能な回転駆動源との間に設けられて、通常は、前記支持ベースに対して前記回転駆動源を原点姿勢に保持し、前記回転工具が側方から負荷を受けたときに前記回転駆動源の姿勢変更を許容して、前記回転工具の変形を防ぐ工具フローティング機構であって、
前記支持ベースに設けられて前記回転駆動源の外側に挿通した支持スリーブと、
前記回転駆動源の側面から張り出したフランジと、
前記支持スリーブの内面に設けられ、前記フランジの一端面が当接可能な環状のフランジ当接部と、
前記支持スリーブ内に直動可能に支持され、前記フランジ当接部との間で前記フランジを挟持し、前記フランジの傾動に伴って直動する可動リングと、
前記可動リングを前記フランジ当接部側に付勢して、前記支持スリーブの中心軸と前記回転工具の回転軸とが平行になる前記原点姿勢に前記回転駆動源を保持可能な原点付勢手段とを備えた工具フローティング機構において、
前記支持スリーブに取り付けられ、前記回転駆動源の前記原点姿勢からの姿勢変更に伴って前記可動リングが前記フランジ当接部から離間する側に移動したことによって作動する異常検知センサを備えたこと特徴とする工具フローティング機構。 - 前記可動リングを、前記フランジ当接部より前記回転工具から離れた後側に配置すると共に、前記支持スリーブのうち前記可動リングより後側の一部を縮径して環状支持壁を設け、
前記環状支持壁に直動可能に支持され、前端部が前記環状支持壁から突出して前記可動リングに突き当てられた押圧ロッドと、前記押圧ロッドを前記可動リング側に付勢する圧縮コイルバネとを前記原点付勢手段として備え、
前記環状支持壁の後端面に対向する後端リングと、前記環状支持壁を直動可能に貫通した複数のガイドロッドとを設けて、それら複数のガイドロッドの前端部を前記可動リングに固定する一方、後端部を前記後端リングに固定し、
前記後端リングに押されて作動するリミットスイッチを前記異常検知センサとして備えたこと特徴とする請求項1に記載の工具フローティング機構。 - 前記環状支持壁のうち前記押圧ロッドを直動可能に受容した押圧ロッド受容孔の内周面と前記押圧ロッドとの間に摺動シール部を設けて前記押圧ロッド受容孔内を密閉空間とし、その密閉空間に前記原点付勢手段としての圧縮空気を充填したことを特徴とする請求項2に記載の工具フローティング機構。
- 前記リミットスイッチは、前記支持スリーブを側方から貫通した状態に設けられると共に、前記リミットスイッチの可動部の可動方向が前記支持スリーブの軸方向と交差する方向を向くように配置され、前記後端リングには、その直動方向に対して傾斜して前記リミットスイッチの可動部に摺接する摺接傾斜面が備えられ、
前記支持スリーブの後端部から前記回転駆動源に向かって内側に張り出しかつ前記回転駆動源に接近するに従って後側に向かうように湾曲し、前記回転駆動源の基端部に嵌合した漏斗状の可撓カバーが設けられたことを特徴とする請求項2又は3に記載の工具フローティング機構。 - ロボットの先端に取り付け可能な支持ベースと、回転工具を先端に取り付け可能な回転駆動源との間に設けられて、通常は、前記支持ベースに対して前記回転駆動源を原点姿勢に保持し、前記回転工具が側方から負荷を受けたときに前記回転駆動源の姿勢変更を許容して、前記回転工具の変形を防ぐ工具フローティング機構であって、
前記回転駆動源の側面から支持フランジを張り出しかつ、前記支持ベースのうち前記支持フランジと平行なフランジ対向面と前記支持フランジとの間に複数の連結シャフトを配置して、それら連結シャフトの両端部をユニバーサルジョイントで前記支持フランジと前記支持ベースとに連結することで、前記回転駆動源を前記支持ベースに対して任意の方向に平行移動可能とし、
各前記連結シャフトの両端部に直動可能に嵌合した1対の筒体を互いに離れる方向に付勢して前記フランジ対向面と前記支持フランジとに押し付け、前記連結シャフトが前記回転工具の回転軸と平行になる前記原点姿勢に前記回転駆動源を保持可能な原点付勢手段を備えた工具フローティング機構において、
前記支持フランジから前記フランジ対向面に向かって突出した第1突部と、前記フランジ対向面から前記支持フランジに向かって突出した第2突部とが前記回転駆動源の前記原点姿勢で突き合わされた状態になるように配置し、前記第1突部と前記第2突部の先端面同士がずれることによって作動する異常検知センサを備えたこと特徴とする工具フローティング機構。
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