JP2016089566A - チャッキング装置 - Google Patents

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忠広 長瀬
Tadahiro Nagase
忠広 長瀬
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Abstract

【課題】被把持部材の外周面に傷が付くのを抑制すると共に高い把持力が得られるチャッキング装置を提供する。
【解決手段】管継手12を把持する把持部材21は、径方向内側に位置する当接用把持体30と、当接用把持体30の径方向外側に位置する支持用把持体31とを備える。当接用把持体30の内端部に、弧状のチャック面32が形成される。チャック面32の曲率半径は、管継手12の外周面の曲率半径より小さく設定される。支持用把持体31に対して当接用把持体30は、チャック面32が管継手12の外周面に倣うような変形が許容される状態で支持される。すなわち、チャック面32の曲率半径が大きくなる方向に当接用把持体30が変形することで、チャック面32が管継手12の外周面に倣って、チャック面32と管継手12との接触面積が拡大する。
【選択図】図3

Description

本発明は、円柱または円筒状の被把持部材を把持するチャッキング装置に関するものである。
石油、天然ガス等の試掘、生産用の井戸に用いられる油井管は、現場における接続を容易とするため、工場において各油井管の一方の端部に管継手がねじ込み装着されている。管継手のねじ込み装着に用いられる管継手締付機は、特許文献1に記載されているように、外リングに対して内リングが回転自在に支持されると共に、内リングの内周側に臨む先端部にチャッキング爪を装着した複数本のドッグが、該内リングに対して周方向に等間隔で支点ピンを介して夫々回転自在に配設されたチャッキング装置を備えている。また各ドッグは、外リングの外周側に臨む後端部に設けた長孔に、外リングに配設した連結ピンが摺動自在に挿通されて、外リングと内リングとの相対的な回転に伴うドッグの支点ピンを中心とした傾動を許容するよう構成されている。
前記チャッキング装置では、内リングへの管継手の挿通を許容する待機位置に各ドッグを保持したもとで、回転が規制された状態で保持された管体の端部に仮装着した管継手を内リングに挿通する。この状態で、外リングを回転駆動すると同時に内リングに対してブレーキにより抵抗を与えて外リングと内リングとを相対的に回転することによって、各ドッグが支点ピンを中心として傾動してチャッキング爪が管継手の外周面に圧接して、該管継手が複数のドッグにより把持される。そして、ドッグにより管継手が把持された状態で外リングと内リングとが一体的に回転することで、回転が規制されている管体に対して管継手が回転してねじ込まれるようになっている。
特開昭60−26796号公報
近年、より高深度で、かつ高温高圧高腐食の高負荷環境の油井が増加していることから、管体と管継手との接続部でのシール性を高めるために、管体に対する管継手の高い締め付けトルクが求められている。管体に対する管継手の高い締め付けトルクを得るためには、管体に対して管継手を締め付ける際のチャッキング装置による管体および管継手の把持力を高める必要がある。特許文献1に開示のチャッキング装置で管体や管継手等の被把持部材を把持する構成では、該チャッキング装置での把持力を高めるために被把持部材の外周面に対するチャッキング爪の当接圧を増大させると、該爪の当接部分に力が集中することで爪跡等の表面傷が付き易くなる問題を招く。高負荷環境で用いられる油井管では、表面傷からクラックが発生し易くなることから、管体や管継手等の被把持部材に表面傷を付けることなく管継手の締め付けトルクを高めることが求められているが、従来のチャッキング装置では対応し得ないのが実情である。
ここで、前記管体や管継手等の被把持部材には、公差内ではあっても外径寸法にバラツキがあるため、被把持部材の設計寸法に合わせてチャッキング爪の把持面を弧状に形成したとしても、該把持面の全体を被把持部材の外周面に当接させることは難しかった。すなわち、被把持部材の外周面に対して把持面が部分的に当接する状況では、チャッキング爪による高い把持力が得られないことから、チャッキング爪の当接圧を増大させて把持力を高めた場合は、前述したように被把持部材に表面傷が付き易くなる問題を招くこととなっていた。
すなわち本発明は、前記従来の技術に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、被把持部材の外周面に傷が付くのを抑制すると共に高い把持力が得られるチャッキング装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係るチャッキング装置は、
円柱または円筒状の被把持部材(11,12)を把持するチャッキング装置であって、
前記被把持部材(11,12)が挿通される支持ユニット(22)と、
前記支持ユニット(22)に挿通された被把持部材(11,12)の周囲に位置するように該支持ユニット(22)に周方向に一定間隔で配置されると共に径方向に移動自在に支持され、前記被把持部材(11,12)の外周面を向く径方向の内側に、該被把持部材(11,12)の外周面の曲率半径と異なる曲率半径に設定された弧状のチャック面(32)が形成された複数の把持部材(21,35,37,39,40,42,43,45,46,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58)と、
前記把持部材(21,35,37,39,40,42,43,45,46,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58)を径方向に移動させる移動手段(23)とを備え、
前記把持部材(21,35,37,39,40,42,43,45,46,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58)は、
前記チャック面(32)が形成された当接用把持体(30)と、
前記当接用把持体(30)の径方向外側に位置して前記移動手段(23)に連繋され、該移動手段(23)の駆動によって当接用把持体(30)を前記支持ユニット(22)に挿通された被把持部材(11,12)に対して近接・離間移動させる支持用把持体(31)とを備え、
前記支持用把持体(31)に対して前記当接用把持体(30)は、前記チャック面(32)が被把持部材(11,12)の外周面に倣うような変化が許容された状態で支持され、
前記移動手段(23)の駆動により前記支持用把持体(31)を介して当接用把持体(30)が被把持部材(11,12)に押し付けられた際に、前記チャック面(32)が被把持部材(11,12)の外周面に倣うように該当接用把持体(30)が支持用把持体(31)に対して変化することで、該チャック面(32)と被把持部材(11,12)との接触面積が拡大されるよう構成されたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、被把持部材を把持する当接用把持体に設けたチャック面が被把持部材の外周面に倣うような該当接用把持体の変化を許容し得るよう構成したので、被把持部材を把持部材によって把持する際に該被把持部材とチャック面との接触面積を拡大することができる。すなわち、被把持部材の外周面に傷が付くのを抑制しつつ複数の把持部材による被把持部材の把持力を向上し得る。
請求項2に係る発明では、
前記当接用把持体(30)と支持用把持体(31)との径方向に対向する対向面間に設けられ、該支持用把持体(31)に加えられる前記移動手段(23)の駆動力を当接用把持体(30)に伝達する伝達部(33,48,62)と、
前記当接用把持体(30)と支持用把持体(31)との径方向に対向する対向面間に画成され、前記チャック面(32)が被把持部材(11,12)の外周面に倣うような当接用把持体(30)の変形を許容する空間(34)とを備えることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、支持用把持体と当接用把持体との間に空間を画成したので、当接用把持体を被把持部材に押し付けた際には、チャック面が被把持部材の外周面に倣うような当接用把持体の変形が空間によって許容されるので、該チャック面と被把持部材との接触面積が拡大して把持力を向上し得る。
請求項3に係る発明では、
前記空間(34)に充填され、前記当接用把持体(30)の変形に伴って弾性変形可能な弾性部材(36)を備えることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、当接用把持体の変形に伴って弾性部材が弾性変形するので、該当接用把持体に作用する力を弾性部材を介して支持用把持体で受けることができ、当接用把持体を被把持部材に安定して当接させ得る。
請求項4に係る発明では、
前記当接用把持体(30)と支持用把持体(31)との径方向に対向する対向面間に弾性変形可能な弾性部材(36)が配設され、前記チャック面(32)が被把持部材(11,12)の外周面に倣うような当接用把持体(30)の支持用把持体(31)に対する変化が、前記弾性部材(36)の弾性変形によって許容されるよう構成されたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、支持用把持体と当接用把持体との間に弾性部材を配設したので、当接用把持体を被把持部材に押し付けた際には、チャック面が被把持部材の外周面に倣うような当接用把持体の変化が弾性部材の弾性変形によって許容されるので、該チャック面と被把持部材との接触面積が拡大して把持力を向上し得ると共に、弾性部材のバックアップによって当接用把持体を被把持部材に適切な力で当接させ得る。
請求項5に係る発明では、
前記当接用把持体(30)における径方向の外側または内側に開口する溝部(38,41)が、前記被把持部材(11,12)の軸方向に沿って延在するように該当接用把持体(30)に形成されていることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、当接用把持体による被把持部材の把持力を確保し得る剛性を維持しつつ、溝部によって当接用把持体の変形の容易化を図ることができ、被把持部材に過大な負荷が加わって表面傷が発生するのを抑制し得る。また、当接用把持体と支持用把持体との間に弾性部材を配設する構成と組み合わせることで、当接用把持体の変形を当該当接用把持体の弾性域内に抑えることができ、当接用把持体を被把持部材に適切な力で当接させ得る。
請求項6に係る発明では、
前記当接用把持体(30)と支持用把持体(31)との径方向に対向する対向面間に変形許容部材(44)が設けられ、前記チャック面(32)が被把持部材(11,12)の外周面に倣うような当接用把持体(30)の支持用把持体(31)に対する姿勢変化が、前記変形許容部材(44)の変形によって許容されるよう構成されたことを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、当接用把持体の姿勢変化を変形許容部材の変形によって許容するよう構成したので、当接用把持体として剛性が高く摩耗の少ない材料を用いても被把持部材に対するチャック面の接触面積を拡大することができ、当接用把持体の耐久性を向上し得る。また、当接用把持体の姿勢変化を変形許容部材の変形によって許容する構成により、該当接用把持体として硬く摩耗の少ない耐久性の高い材料を採用した場合に、該当接用把持体の厚みを薄くして変形能を向上した構成を採用することができ、装置の小型化を図り得る。
請求項7に係る発明では、
前記変形許容部材(44)と支持用把持体(31)との径方向に対向する対向面間に画成された空間(34)に、前記変形許容部材(44)の変形に伴って弾性変形可能な弾性部材(36)が充填されていることを要旨とする。
請求項7に係る発明によれば、変形許容部材の変形に伴って弾性部材が弾性変形するので、当接用把持体に作用する力を変形許容部材および弾性部材を介して支持用把持体で受けることができ、当接用把持体を被把持部材に適切な力で当接させ得る。
本発明に係るチャッキング装置によれば、被把持部材の外周面に対する傷付きを抑制しつつ把持力を向上することができる。
実施例1に係るチャッキング装置を備える管継手締付機の概略構成図である。 実施例1に係る管継手用のチャッキング装置の概略正面図であって、前円盤を取り外した状態で示している。 実施例1に係る管継手用のチャッキング装置の把持部材と管継手との関係を示す概略縦断正面図である。 実施例1に係る管継手用のチャッキング装置の概略縦断側面図である。 実施例1に係る管継手締付機の制御ブロック図である。 実施例1に係る把持部材を示す説明図であって、(a)は当接用把持体のチャッキング面の一部が管継手の外周面に当接した状態を示し、(b)は当接用把持体が変形してチャッキング面が管継手の外周面に倣って全体が当接した状態を示している。 実施例2に係る把持部材を示す概略図である。 実施例3に係る把持部材を示す概略図である。 実施例4に係る把持部材を示す概略図である。 実施例5に係る把持部材を示す概略図である。 実施例6に係る把持部材を示す概略図である。 実施例7に係る把持部材を示す概略図である。 実施例8に係る把持部材を示す概略図である。 実施例9に係る把持部材を示す概略図である。 実施例10に係る把持部材を示す概略図である。 実施例11に係る把持部材を示す概略図である。 実施例12に係る把持部材を示す概略図である。 実施例13に係る把持部材を示す概略図である。 実施例14に係る把持部材を示す概略図である。 実施例15に係る把持部材を示す概略図である。 実施例16に係る把持部材を示す概略図である。 実施例17に係る把持部材を示す概略図である。 実施例18に係る把持部材を示す概略図である。 実施例19に係る把持部材を示す概略図である。 変更例に係る把持部材を示す概略図である。 実施例3の変更例に係る把持部材を示す概略図である。
次に、本発明に係るチャッキング装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、チャッキング装置を、油井管等の管体の端部に管継手をねじ込み装置する管継手締付機における管体や管継手等の円筒状の被把持部材を把持するための装置として用いた場合で説明する。なお、実施例の説明において「軸方向」および「径方向」とは、特に断りのない限り、チャッキング装置により管継手(管体)を把持する状態での管継手(管体)との関係で指称する。
実施例1に係る管継手締付機10は、端部外周に雄ねじが螺刻された油井管等の管体11の端部に、内周に雌ねじが螺刻された管継手12をねじ込み装着するものであって、図1に示す如く、管継手12を把持する管継手用のチャッキング装置13を備えたねじ込み装置14が、ベッド15の上面に配設されている。また、ベッド15の上面には、ねじ込み装置14における管継手用のチャッキング装置13の配設端部(前端部)に対向して支持装置16が配設されている。この支持装置16は、前記管体11を把持する管体用のチャッキング装置17を備え、該管体用のチャッキング装置17で把持した管体11を回転が規制された状態で保持し得るよう構成される。また、支持装置16は、ねじ込み装置14に対して後述する主軸19の軸方向に沿って近接・離間移動自在にベッド15の上面に配設されており、後述するように管継手用のチャッキング装置13で把持した管継手12を回転した際に、雄ねじと雌ねじとの螺合作用により軸方向(長手方向)に移動する管体11と共に支持装置16が移動し得るようになっている。
前記ねじ込み装置14には、駆動モータ18により回転駆動される主軸19が回転自在に支持されている。この主軸19に、該主軸19と一体的に回転するように前記管継手用のチャッキング装置13が連結されている。駆動モータ18は、制御装置20に電気的に接続されており(図5参照)、該制御装置20により駆動モータ18が駆動制御されるよう構成される。
(チャッキング装置13,17について)
前記ねじ込み装置14に配設される管継手用のチャッキング装置13と、前記支持装置16に配設される管体用のチャッキング装置17の構成は同じであるので、管継手用のチャッキング装置13の構成を説明し、管体用のチャッキング装置17については、管継手用のチャッキング装置13と同一部材に同じ符号を付して詳細説明は省略する。また、以後、管継手用のチャッキング装置13について、単にチャッキング装置13という場合もある。
前記チャッキング装置13は、図2に示す如く、前記管継手12を把持する複数(実施例1では6つ)の把持部材21が配設された支持ユニット22と、各把持部材21を支持ユニット22の径方向に移動して管継手12を把持させる移動手段23とを備える。前記支持ユニット22は、図4に示す如く、円筒状のスペーサ24と、該スペーサ24を挟んで配設されて支持ユニット22の軸方向(主軸19の軸方向と平行な方向)に離間する一対の円盤25,26とを備え、一方の円盤25が前記主軸19に連結されている。なお、円盤25,26に関して、主軸19に連結された円盤25を後円盤25と指称すると共に、他方の円盤26を前円盤26と指称する場合もある。スペーサ24は、両円盤25,26の外周端側に位置して、両円盤25,26およびスペーサ24により把持部材21の収容空間が画成される。また、前円盤26には、管継手12を軸方向に挿脱自在な通孔26aが軸中心に形成されており、該通孔26aを介して管体11の端部に仮装着された管継手12が収容空間内に挿通されるようになっている。
前記両円盤25,26の間に、図2に示す如く、複数(実施例1では、6個)のガイド部材27が、周方向に沿って一定間隔をおいて配置されている。各ガイド部材27は、支持ユニット22の軸心(機械軸心ともいう)から放射状に配置されると共に、周方向に隣り合う一対のガイド部材27,27の周方向に対向する辺は平行になっている。そして、周方向に隣り合う一対のガイド部材27,27の間に、前記把持部材21が夫々支持ユニット22の軸方向への移動が規制された状態で径方向に移動自在に支持されている。すなわち、実施例1では、両円盤25,26の間に、6個の把持部材21が支持ユニット22の軸心から放射状に配設されて、これら6個の把持部材21が、前記通孔26aを介して収容空間に挿通された管継手12の周囲に位置するよう構成される。なお、把持部材21に関して、支持ユニット22の軸心側を向く端部を内端部と指称すると共に、支持ユニット22の軸心側とは反対側を向く端部を外端部と指称する場合もある。
(把持部材21について)
実施例1の把持部材21は、図3に示す如く、前記支持ユニット22の径方向内側に位置する当接用把持体30と、該当接用把持体30の径方向外側に位置する支持用把持体31とを備え、当接用把持体30の内端部(管継手12の外周面を向く径方向の内側)に、弧状のチャック面32が形成されている。当接用把持体30に負荷が加わっていない状態でのチャック面32の曲率半径は、把持する対象となる管継手12の外周面の曲率半径と異なる曲率半径に設定されている。具体的に、実施例1ではチャック面32の曲率半径は、管継手12の外周面の曲率半径より小さく設定されており(図6(a)参照)、後述するようにチャック面32の曲率半径が大きくなる方向に当接用把持体30が変形(変化)することで、該チャック面32が管継手12の外周面に倣うよう構成される(図6(b)参照)。なお、管体用のチャッキング装置17では、当接用把持体30におけるチャック面32の曲率半径は、把持する対象となる管体11の外周面の曲率半径より小さく設定される。また、前記チャック面32には断面山形の凸部が複数形成されて、管継手12を把持した際の滑りを抑制し得るよう構成されており、実施例1では複数の凸部の突出端を結ぶ円弧の曲率半径(チャック面32の曲率半径)が、把持する対象となる管継手12の外周面の曲率半径より小さく設定されている。
前記支持用把持体31は、図3に示す如く、断面扇形の部材であって、該支持用把持体31と前記当接用把持体30との径方向に対向する対向面間に、軸方向に延在するキー部材(伝達部)33が設けられ、該キー部材33によって支持用把持体31に対して当接用把持体30は周方向への移動が規制された状態で支持されている。キー部材33は、支持用把持体31の周方向の中央部に設けられており、後述する油圧シリンダ23によって支持用把持体31に加えられる押圧力(駆動力)は、キー部材33を介して当接用把持体30の周方向の中央部に伝達されるようになっている。また、当接用把持体30と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間には、前記キー部材33を挟む周方向の両側に空間34,34が画成されている。そして、前記油圧シリンダ23の付勢下に支持用把持体31を介して当接用把持体30が管継手12に押し付けられた際に、前記チャック面32が管継手12の外周面に倣うような当接用把持体30の変形が空間34,34によって許容されるよう構成してある(図6(b)参照)。すなわち、支持用把持体31に対して当接用把持体30は、チャック面32が管継手12の外周面に倣うような変形が許容される状態で支持されている。
ここで、前記当接用把持体30は、例えば、炭素鋼、肌焼き鋼、マルテンサイト系のステンレス鋼、工具鋼を材質とする金属材料、あるいは鋼材表面に硬度を向上させる溶射材を溶射した金属材料であって、前記チャック面32が管継手12の外周面に倣うように変形した状態で、支持用把持体31で支えられていない部位においても管継手12の外周面に対する高い当接力が得られる剛性(ヤング率が、例えば210GPa)を有している。
前記各把持部材21の外端部(支持用把持体31)に、移動手段としての油圧シリンダ23が配設されている。この油圧シリンダ23は、図2,図4に示す如く、把持部材21における支持用把持体31に配設固定されたシリンダ本体23aと、該シリンダ本体23aに移動自在に支持されて径方向外端から延出するロッド部分が支持ユニット22の径方向に伸縮動作するピストンロッド23bとを備え、該ピストンロッド23bの延出端が前記スペーサ24に連結されている。すなわち、油圧シリンダ23のピストンロッド23bを伸縮動作することにより、シリンダ本体23aおよび把持部材21が支持ユニット22に対して径方向に往復移動するよう構成される。油圧シリンダ23は、ピストンロッド23bのスペーサ24に対する連結部およびシリンダ本体23aの把持部材21(支持用把持体31)に対する配設部において、支持ユニット22の径方向と直交する断面積は、シリンダ本体23aの方がピストンロッド23bの方より大きく構成されており、管継手12を把持部材21で把持する際に作用する当接反力を広い面積で受け得るようになっている。また、支持用把持体31に対して油圧シリンダ23は、前記キー部材33の配設位置と径方向に対応する位置に配置されており、油圧シリンダ23の付勢力(駆動力)は、支持用把持体31およびキー部材33を介して当接用把持体30における周方向の中央部を支持ユニット22の軸心(把持対象となる管継手12の軸心)に向けて押し付けるように作用するよう構成されている。
(位置検出器について)
前記支持ユニット22には、図2に示す如く、各把持部材21の配設位置に対応して位置検出器(位置検出手段)28が設けられている。この位置検出器28は、把持部材21に配設された前記シリンダ本体23aとピストンロッド23bとの相対的な移動量を検出するリニアゲージであって、位置検出器28で検出された移動量(検出信号)が前記制御装置20に入力されるよう構成される。すなわち、制御装置20は、各位置検出器28で検出された移動量から、対応する各把持部材21におけるチャック面32の現在位置を把握し得るよう構成されている。なお、実施例1では、1つの把持部材21に対して2つの位置検出器28を備えるよう構成しているが、位置検出器28は1つであってもよい。また、位置検出器28は、シリンダ本体23aとピストンロッド23bとの相対的な移動量を検出可能な位置であれば、その配設位置は任意に設定できる。なお、図5では、1つの位置検出器28のみを示している。
(圧力検出器について)
前記各油圧シリンダ23には、該油圧シリンダ23に作動油を供給する油圧ポンプと、作動油の供給路に配設されて開閉制御される制御弁とを備える油圧回路(図示せず)が接続されており、前記制御装置20により油圧ポンプおよび制御弁を制御することで、油圧シリンダ23におけるピストンロッド23bの伸縮動作が制御されるようになっている。油圧回路には、油圧シリンダ23に作用する圧力、具体的には管継手12にチャック面32が当接した際に把持部材21に作用する当接圧を検出する圧力検出器(圧力検出手段)29が設けられ(図5参照)、該圧力検出器29で検出された当接圧(検出信号)は前記制御装置20に入力されるよう構成される。前記油圧回路は、各油圧シリンダ23毎に独立して設けられており、各油圧シリンダ23は夫々独立してピストンロッド23bを伸縮動作することで、各把持部材21を独立して径方向に移動し得るよう構成される。
(制御装置20について)
前記制御装置20は、前記管継手12をチャッキング装置13で把持する把持工程に際し、先ず前記位置検出器28から入力される移動量に基づき、各油圧シリンダ23を作動制御(具体的には油圧ポンプおよび制御弁を制御)して、支持ユニット22の軸心に対する把持部材21の移動量が監視され、該移動量が、予め設定された停止移動量となった場合に、各油圧シリンダ23の作動を停止するよう制御することで、全ての把持部材21を軸心に対して均等に幅寄せし得るよう構成される。なお、制御装置20では、油圧シリンダ23のピストンロッド23bを最も縮めた状態(把持部材21が支持ユニット22の軸心から最も離間した待機位置の状態)を原点として、該原点からの移動量によって、支持ユニット22の軸心からのチャック面32の位置を把握し得るようになっている。また、制御装置20は、管継手12に対する各把持部材21の当接圧を対応する圧力検出器29から入力される当接圧によって監視し、該当接圧が予め設定された規定当接圧となった場合に、対応する油圧シリンダ23を個別に停止制御するよう構成される。また、制御装置20は、管継手12を把持したチャッキング装置13を駆動モータ18の駆動によって回転して管体11に対して管継手12をねじ込む作業では、図示しないトルク検出器で検出される締付けトルクが、予め設定された停止締付けトルクとなった場合に駆動モータ18を停止制御するよう構成されている。
〔実施例1の作用〕
次に、前述のように構成された実施例1のチャッキング装置13,17を備える管継手締付機10の作用について説明する。なお、前記複数の把持部材21は、図2に示す如く、前記前円盤26の通孔26aに対する管継手12の挿通を許容する待機位置に位置している。
端部に管継手12を仮装着した管体11を、該管継手12がねじ込み装置14側に突出する状態で前記支持装置16の管体用のチャッキング装置17で把持する。なお、管体用のチャッキング装置17による管体11の把持工程は、後述する管継手用のチャッキング装置13による管継手12の把持工程と同じであるので、説明は省略する。そして、前記支持装置16をねじ込み装置14に対して近接移動して、管継手12を前記管継手用のチャッキング装置13の支持ユニット22における前円盤26の通孔26aに挿通し、該管継手12が把持部材群の内側に位置するように位置決めする。
前述したように把持部材群の内側に管継手12を位置決めした状態で、把持部材21による把持工程が開始される。この把持工程では、前記制御装置20によって各油圧シリンダ23が、ピストンロッド23bの伸長方向に作動される。各油圧シリンダ23のピストンロッド23bが伸長することで、シリンダ本体23aおよび把持部材21が支持ユニット22の軸心に向けて移動する。このとき、各油圧シリンダ23に対応して配設されている位置検出器28で検出された移動量が制御装置20に入力され、該制御装置20は各位置検出器28で検出される移動量に基づいて各油圧シリンダ23を作動制御することで、全ての把持部材21のチャック面32を軸心に対して同じ距離だけ離間した位置に幅寄せする。すなわち、各位置検出器28で検出される移動量が予め設定された停止移動量になった場合に、対応する油圧シリンダ23を停止することで、全ての把持部材21のチャック面32が軸心に対して同じ距離だけ離間した位置に位置決めされる。従って、把持部材群の内側に位置する管継手12の軸心が、前記支持ユニット22の軸心(機械軸心)とずれていた場合は、同じ移動量だけ移動する把持部材21によって管継手12の軸心を機械軸心に一致させるように該管継手12をセンタリングし得る。
次に、前記制御装置20は、各油圧シリンダ23を、ピストンロッド23bの伸長方向に作動し、各把持部材21を更に支持ユニット22の軸心に向けて移動する。具体的には、油圧シリンダ23の付勢力によって前記支持用把持体31および当接用把持体30が一体で管継手12に近接移動し、該当接用把持体30のチャック面32が管継手12の外周面に当接する。ここで、当接用把持体30に負荷が加わっていない状態でのチャック面32の曲率半径は、管継手12の外周面の曲率半径より小さく設定されているので、油圧シリンダ23の付勢下に管継手12に近接する当接用把持体30は、図6(a)に示す如く、前記チャック面32における周方向の両端部が管継手12の外周面に当接する。そして、更に油圧シリンダ23の付勢下に当接用把持体30を管継手12に押し付けると、前記キー部材33を介して当接用把持体30の周方向の中央部に油圧シリンダ23の付勢力が作用して、該当接用把持体30のチャック面32の曲率半径が大きくなる方向に変形する。すなわち、図6(b)に示す如く、チャック面32が管継手12の外周面に倣うように当接用把持体30が変形し、該チャック面32と管継手12との接触面積が拡大する。なお、当接用把持体30の変形は、前記空間34,34によって許容される。
前記各把持部材21のチャック面32が管継手12の外周面に倣って全面が当接し、前記圧力検出器29で検出される当接圧が予め設定された規定当接圧となった場合に、前記制御装置20は、対応する油圧シリンダ23の作動を停止する。全ての圧力検出器29で検出される当接圧が規定当接圧となり、制御装置20が全ての油圧シリンダ23の作動を停止することで、把持部材21による管継手12の把持工程が完了する。
前記管継手用のチャッキング装置13で管継手12が把持された状態で、前記駆動モータ18の駆動を開始すると、前記主軸19が回転することで把持部材群で把持されている管継手12も一体的に回転し、これにより雄ねじと雌ねじとの螺合作用下に管継手12が管体11にねじ込まれていく。この場合に、前記支持装置16に対して管体11は回転が規制された状態で保持されているので、管継手12の回転に伴って管体11と共に支持装置16がねじ込み装置14に対して近接移動する。そして、前記トルク検出器で検出される締付けトルクが、予め設定された停止締付けトルクとなった場合に、前記制御装置20は駆動モータ18を停止制御する。これにより、管体11に対して適正な締付けトルクで管継手12がねじ込み装着される。
前記管体11に対する管継手12のねじ込み装着が終了すると、前記全ての油圧シリンダ23がピストンロッド23bの収縮方向に作動され、全ての把持部材21のチャック面32が管継手12の外周面から離間することで、管継手12が端部に装着された管体11を管継手用のチャッキング装置13から抜き外すことができる。
実施例1のチャッキング装置13では、複数の把持部材21の夫々を位置検出器28で検出される移動量に基づいて支持ユニット22の軸心に対する同一離間位置に移動させ得るので、管継手12の軸心を機械軸心に揃えることができる。また、各把持部材21を、対応する圧力検出器29で検出される当接圧に基づいて夫々独立して移動して、各把持部材21による管継手12の当接圧が均一(規定当接圧)となる位置で各把持部材21を停止するよう構成したので、該管継手12を複数の把持部材21によって均一な当接圧で把持することができる。すなわち、管継手12と把持部材21との当接圧が部分的に大きくなったり小さくなるのを防止することができ、チャッキング装置13による管継手12の把持力を高めることができる。従って、管継手12の外周面に爪痕等の表面傷を付けることなく高い当接圧で管継手12を把持することができ、管継手12を管体11に高い締付けトルクでねじ込み装着できる。
前記チャッキング装置13では、各把持部材21において、前記油圧シリンダ23が連繋される支持用把持体31に対して当接用把持体30を、チャック面32が管継手12の外周面に倣うような変形が可能な状態で支持するよう構成したので、管継手12の寸法にバラツキがあったとしても、当接用把持体30が変形することでチャック面32が管継手12の外周面に倣うように当接させて接触面積を拡大することができる(図6(b)参照)。すなわち、各把持部材21におけるチャック面32の全体を管継手12の外周面に当接させることで、複数の把持部材21による管継手12の把持力を高めることができ、該管継手12を安定して把持して高い締付けトルクでのねじ込み装着が可能となる。また、チャック面32が管継手12の外周面に部分的に当接した状態となるのは抑制されるので、把持部材21の当接圧を増大させて把持力を高めても、管継手12に表面傷が付くのを抑制し得る。
また、前記油圧シリンダ23は、径方向に移動する把持部材21にシリンダ本体23aを配設すると共に、支持ユニット22のスペーサ24にピストンロッド23bを連結するよう構成しているので、把持部材21を管継手12に当接した際に該把持部材21が受ける当接反力をシリンダ本体23aの広い面積で受けることができる。すなわち、把持部材21の管継手12に対する当接圧を高く設定しても把持部材21を定位置に安定して保持することができ、当接圧の変動を防止し得る。
前記管体用のチャッキング装置17で把持される管体11は、管継手用のチャッキング装置13で把持される管継手12の場合と同様に、各把持部材21のチャック面32を管体11の外周面に倣うように当接させて接触面積を拡大することができるので、把持部材21の管体11に対する当接圧を高めた際に当接圧が部分的に過度に高くなることで管体11の外周面に傷が付くのは抑制される。また、その他、管体用のチャッキング装置17によって得られる作用効果は、管継手用のチャッキング装置13で得られる前記作用効果と同様である。
図7〜図24は、前記チャッキング装置13,17における把持部材21の別の実施例を示す要部概略図であって、別の実施例における実施例1の把持部材21と同一または同じ機能の部材については、同じ符号を付して詳細説明は省略する。また、図7〜図24に示す別の実施例の各把持部材は、相互に同一または同じ機能の部分や部材を備えているので、後に説明する把持部材における先に説明した把持部材と同一または同じ機能の部分や部材については、同じ符号を付して詳細説明は省略するものとする。
図7に示す実施例2に係る把持部材35は、当接用把持体30と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。この弾性部材36としては、当接用把持体30のヤング率より低いヤング率の材質のものが用いられ、該弾性部材36が弾性変形することで当接用把持体30の変形を許容するよう構成される。具体的には、弾性部材36として硬質ゴムが用いられる。
実施例2の把持部材35では、前記油圧シリンダ23の付勢力によって支持用把持体31およびキー部材33を介して当接用把持体30のチャック面32が管継手12の外周面に押し付けられると、チャック面32の曲率半径が大きくなる方向への当接用把持体30の変形は、前記空間34,34に充填されている弾性部材36が弾性変形することで許容される。すなわち、チャック面32が管継手12の外周面に倣うことで、該チャック面32と管継手12との接触面積が拡大し、把持部材35による管継手12の把持力を向上することができる。また、実施例2の把持部材35では、当接用把持体30の外周面の全体は、キー部材33および弾性部材36を介して支持用把持体31によって支持されるので、該当接用把持体30に作用する力をキー部材33および弾性部材36を介して支持用把持体31で受けることができ、弾性部材36のバックアップによって当接用把持体30を管継手12に適切な力で当接させ得る。
図8に示す実施例3に係る把持部材37は、前記当接用把持体30に、径方向の外側に開口するスリット(溝部)38が、前記管継手12の軸方向に沿って延在するように形成されている。図示例では、当接用把持体30における前記キー部材33を挟む周方向の両側に、スリット38が1本ずつ形成されている。このスリット38は、当接用把持体30におけるキー部材33を挟む周方向両側の部分の変形を容易化するべく機能するものであって、該スリット38の幅および深さ寸法は、当接用把持体30の剛性を大きく低下することなく前記チャック面32の曲率半径が大きくなる方向への当接用把持体30の変形が容易となる値に設定されている。
すなわち、実施例3の把持部材37では、前記油圧シリンダ23の付勢力によって支持用把持体31およびキー部材33を介して当接用把持体30のチャック面32が管継手12の外周面に押し付けられると、チャック面32の曲率半径が大きくなる方向への当接用把持体30の変形は、当接用把持体30と支持用把持体31との対向面間に画成された前記空間34,34によって許容される。また、当接用把持体30には、径方の外側に開口するスリット38が形成されているので、チャック面32の曲率半径が大きくなる方向への当接用把持体30の変形はスリット38によって容易となる。従って、油圧シリンダ23による付勢力を小さくしてもチャック面32を管継手12の外周面に倣わせることができる。言い替えれば、チャック面32を管継手12の外周面に倣わせるまで当接用把持体30を変形させる際に必要となる付勢力を小さくすることができ、該当接用把持体30を変形させる際に管継手12に部分的に大きな力が加わるのを抑制し得る。
図9に示す実施例4に係る把持部材39は、実施例2の把持部材35と実施例3の把持部材37とを組み合わせた構成が採用されたものであって、当接用把持体30に、径方向の外側に開口するスリット(溝部)38が軸方向に沿って延在するように形成されると共に、当接用把持体30と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。なお、弾性部材36は、前記スリット38の形成位置を外れた位置であって、該スリット38の形成位置から周方向の端までの間の空間34,34に充填されている。実施例4の把持部材39では、実施例2および3の把持部材35,37が奏する夫々の作用効果が得られる。また、実施例4では、当接用把持体30の変形を当該当接用把持体30の弾性域内に抑えるもとで、弾性部材36のバックアップ効果によって当接用把持体30を管継手12に適切な力で当接させ得る。
図10に示す実施例5に係る把持部材40は、当接用把持体30に、径方向の外側に開口する凹部(溝部)41が、前記管継手12の軸方向に沿って延在するように形成されている。図示例では、当接用把持体30における前記キー部材33を挟む周方向の両側に、凹部41が1本ずつ形成されている。この凹部41は、当接用把持体30の重量軽減のために設けた肉盗みであって、該肉盗みのための凹部41を利用して当接用把持体30の変形能を向上させている。
図11に示す実施例6に係る把持部材42は、実施例2の把持部材35と実施例5の把持部材40とを組み合わせた構成が採用されたものであって、当接用把持体30に凹部41が形成されると共に、当接用把持体30と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。実施例6の把持部材42では、弾性部材36は、前記凹部41の形成位置を外れた位置であって、該凹部41の形成位置から周方向の端までの間の空間34,34に弾性部材36が充填されている。すなわち、実施例6の把持部材42では、実施例2および5の把持部材35,40が奏する夫々の作用効果が得られる。
図12に示す実施例7に係る把持部材43は、支持用把持体31の径方向の内側に、キー部材33を介して変形許容部材44が周方向への移動が規制された状態で支持されている。この変形許容部材44は、弧状の部材であって、周方向の中央部が前記キー部材33を介して支持用把持体31に支持されると共に、変形許容部材44と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に、該変形許容部材44の変形を許容するための空間34,34が、前記キー部材33の支持位置を挟む周方向の両側に画成されている。また、変形許容部材44における径方向の内側に、周方向に離間して複数(実施例7では2つ)の当接用把持体30が周方向への移動が規制された状態で配設されている。具体的には、変形許容部材44におけるキー部材33での支持位置を挟む周方向の両側に当接用把持体30が1つずつ配設されている。各当接用把持体30の内側にはチャック面32が形成されており、実施例7では、変形許容部材44に負荷が加わっていない状態で、2つのチャック面32,32で形成される円弧の曲率半径が、管継手12における外周面の曲率半径より小さくなるよう設定されている。また、各当接用把持体30のチャック面32についても、該当接用把持体30に負荷が加わっていない状態での曲率半径が、管継手12における外周面の曲率半径より小さく設定されている。そして、実施例7に係る把持部材43では、変形許容部材44が変形することで、当接用把持体30のチャック面32が管継手12の外周面に倣うのを許容するよう構成されている。
実施例7の把持部材43では、前記油圧シリンダ23の付勢力によって支持用把持体31およびキー部材33を介して変形許容部材44を管継手12に近接すると、該変形許容部材44に配設されている各当接用把持部30のチャック面32が部分的に管継手12に当接する。そして、更に油圧シリンダ23の付勢下に当接用把持体30,30を管継手12に押し付けると、前記変形許容部材44の内面の曲率半径が大きくなる方向に変形し、これによって周方向に離間する各当接用把持体30のチャック面32が管継手12の外周面に倣うように当接用把持体30の姿勢が変化する。すなわち、変形許容部材44が内面の曲率半径が大きくなる方向に変形することで、2つのチャック面32,32で形成される円弧の曲率半径も大きくなって管継手12の外周面に倣うことで接触面積が拡大する。
実施例7の把持部材43では、変形許容部材44を変形させることで、該変形許容部材44に配設されている当接用把持体30の姿勢変化を許容して、前記チャック面32が管継手12の外周面に倣うよう構成したので、当接用把持体30として、剛性が高く摩耗の少ない材料を用いることができ、当接用把持体30の耐久性を向上し得る。また、変形許容部材44の剛性によって、各当接用把持体30を管継手12に適切な力で当接させることができる。
図13に示す実施例8に係る把持部材45は、実施例2の把持部材35と実施例7の把持部材43とを組み合わせた構成が採用されたものであって、変形許容部材44と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。すなわち、実施例8の把持部材45では、前記実施例2および7の把持部材35,43が奏する夫々の作用効果が得られる。なお、実施例8の把持部材45における変形許容部材44の変形能は、当接用把持体30の変形能と同等または高く設定されて、該当接用把持体30より変形許容部材44の方が変形し易く設定されると共に、該変形許容部材44の変形に伴って弾性変形した弾性部材36によって当接用把持体30をバックアップして、該当接用把持体30を管継手12に適切な力で当接させ得るようになっている。
図14に示す実施例9に係る把持部材57は、前記実施例7の把持部材43における当接用把持体30の形状を変更したものである。実施例9では、変形許容部材44における径方向の内側に、キー部材33の支持位置および該支持位置の周方向の両側に臨む空間34,34の径方向内側に臨む長さ(周方向の長さ)に設定された弧状に形成された1つの当接用把持体30が、周方向への移動が規制された状態で配設されている。当接用把持体30は、変形許容部材44より径方向の厚みを薄くした弧状に形成されたものであって、該当接用把持体30の内側に形成されたチャック面32の曲率半径は、当接用把持体30に負荷が加わっていない状態で管継手12における外周面の曲率半径より小さくなるよう設定されている。そして、実施例9に係る把持部材57では、実施例7と同様に、変形許容部材44を変形させることで、該変形許容部材44に配設されている当接用把持体30の姿勢変化を許容するよう構成して、前記チャック面32を管継手12の外周面に倣うように当接させ得るようにしている。
ここで、実施例9に係る把持部材57のように変形許容部材44に1つの当接用把持体30を配設する構成では、該当接用把持体30のチャック面32を管継手12の外周面に倣うよう当接させるために、該当接用把持体30自体も変形させる必要がある。そこで、硬度が高い材料の変形能を向上させるために当接用把持体30の厚みを薄くしているが、該当接用把持体30を変形許容部材44で保持しているので、該変形許容部材44の剛性によって当接用把持体30のチャック面32を管継手12の外周面に適切な力で当接させることができる。すなわち、管継手12を適切な力で把持し得る当接用把持体30を薄くし得るので、把持部材57の薄型化を図って装置の小型化を図り得る。なお、実施例9に係る把持部材57において、変形許容部材44と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に画成された空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36を充填した構成を採用し得る。ちなみに、実施例9に係る把持部材57では、変形許容部材44および当接用把持体30の変形能を同等とする一方で、変形許容部材44の剛性(断面係数)を当接用把持体30より高く設定することで、変形許容部材44の変形により当接用把持体30のチャック面32を管継手12の外周面に倣わせると共に適切な力で把持させ得るようにしている。
図15に示す実施例10に係る把持部材46は、支持用把持体31における機械中心を向く内側に、内側に開口する規制凹部47が、管継手12の軸方向に延在するように形成されている。そして、支持用把持体31に対して当接用把持体30は、該当接用把持体30における径方向の外部側が規制凹部47に嵌挿されて周方向への移動が規制された状態で支持されている。また、当接用把持体30と支持用把持体31との対向面の周方向の中央部に、両把持体30,31に当接する当接部材(伝達部)48が設けられ、前記油圧シリンダ23の付勢力(駆動力)は、支持用把持体31および当接部材48を介して当接用把持体30の周方向の中央部に伝達されるよう構成されている。
また、前記把持部材46は、当接用把持体30と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に、該当接用把持体30の変形を許容するための空間34が、前記当接部材48の支持位置を挟む周方向の両側に夫々画成されている。
実施例10の把持部材46では、前記油圧シリンダ23の付勢力によって支持用把持体31および当接部材48を介して当接用把持体30を管継手12に押し付けると、前記実施例1の把持部材21と同様に、当接用把持体30におけるチャック面32の曲率半径が大きくなる方向への当該当接用把持体30の変形が前記空間34,34によって許容される。そして、チャック面32が管継手12の外周面に倣うことで、該チャック面32と管継手12との接触面積が拡大し、把持部材46での把持力を向上し得る。
図16に示す実施例11に係る把持部材49は、実施例2の把持部材35と実施例10の把持部材46とを組み合わせた構成が採用されたものであって、支持用把持体31に対して径方向の外部側が規制凹部47に嵌挿されて周方向への移動が規制された状態で支持された当接用把持体30と支持用把持体31との径方向の対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。すなわち、実施例11の把持部材49では、前記実施例2および10の把持部材35,46が奏する夫々の作用効果が得られる。
図17に示す実施例12に係る把持部材50は、実施例3の把持部材37と実施例10の把持部材46とを組み合わせた構成が採用されたものであって、支持用把持体31に形成した規制凹部47に径方向の外部側が嵌挿された当接用把持体30に、径方向の外側に開口するスリット(溝部)38が軸方向に沿って延在するように形成されている。すなわち、実施例12の把持部材50では、前記実施例3および10の把持部材37,46が奏する夫々の作用効果が得られる。
図18に示す実施例13に係る把持部材51は、実施例2の把持部材35と実施例12の把持部材50とを組み合わせた構成が採用されたものであって、支持用把持体31に形成した規制凹部47に径方向の外部側が嵌挿された当接用把持体30に、径方向の外側に開口するスリット(溝部)38が軸方向に沿って延在するように形成されると共に、当接用把持体30と支持用把持体31との径方向の対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。すなわち、実施例13の把持部材51では、前記実施例2および12の把持部材35,50が奏する夫々の作用効果が得られる。
図19に示す実施例14に係る把持部材52は、実施例5の把持部材40と実施例10の把持部材46とを組み合わせた構成が採用されたものであって、支持用把持体31に形成した規制凹部47に径方向の外部側が嵌挿された当接用把持体30に、径方向の外側に開口する凹部(溝部)41が軸方向に沿って延在するように形成されている。すなわち、実施例14の把持部材52では、前記実施例5および10の把持部材40,46が奏する夫々の作用効果が得られる。
図20に示す実施例15に係る把持部材53は、実施例2の把持部材35と実施例14の把持部材52とを組み合わせた構成が採用されたものであって、支持用把持体31に形成した規制凹部47に径方向の外部側が嵌挿された当接用把持体30に、径方向の外側に開口する凹部(溝部)41が軸方向に沿って延在するように形成されると共に、当接用把持体30と支持用把持体31との径方向の対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。すなわち、実施例15の把持部材53では、前記実施例2および14の把持部材35,52が奏する夫々の作用効果が得られる。
図21に示す実施例16に係る把持部材54は、支持用把持体31における機械中心を向く内側に、内側に開口する規制凹部47が、管継手12の軸方向に延在するように形成されている。そして、支持用把持体31における規制凹部47の内部に、変形許容部材44が周方向への移動が規制された状態で支持されている。また、変形許容部材44と支持用把持体31との径方向の対向面の幅方向の中央に、変形許容部材44と支持用把持体31とに当接する当接部材(伝達部)48が設けられ、前記油圧シリンダ23の付勢力(駆動力)は、支持用把持体31および当接部材48を介して変形許容部材44に伝達されるよう構成されている。規制凹部47に収容された変形許容部材44と支持用把持体31との径方向の対向面間に、該変形許容部材44の変形を許容するための空間34,34が、前記当接部材48の支持位置を挟む周方向の両側に画成されている。
図21に示す如く、前記支持用把持体31における規制凹部47に、変形許容部材44の径方向の内側に位置するように複数(図示例では2つ)の当接用把持体30が周方向に並んだ状態で径方向の外部側が嵌挿されて、該当接用把持体30は支持用把持体31に対して周方向への移動が規制された状態で支持されている。実施例16の把持部材54では、前記実施例7の把持部材43と同様に、変形許容部材44に負荷が加わっていない状態で、2つの当接用把持体30,30のチャック面32,32で形成される円弧の曲率半径が、管継手12における外周面の曲率半径より小さくなるよう設定されている。また、各当接用把持体30のチャック面32についても、該当接用把持体30に負荷が加わっていない状態での曲率半径が、管継手12における外周面の曲率半径より小さく設定されている。そして、実施例16の把持部材54においても、変形許容部材44が変形することで、当接用把持体30,30のチャック面32,32が管継手12の外周面に倣うのを許容するよう構成されている。
すなわち、実施例16の把持部材54では、前記油圧シリンダ23の付勢力によって支持用把持体31および当接部材48を介して変形許容部材44を管継手12に近接すると、該変形許容部材44に配設されている各当接用把持部30のチャック面32が部分的に管継手12に当接する。そして、更に油圧シリンダ23の付勢下に当接用把持体30,30を管継手12に押し付けると、前記変形許容部材44の内面の曲率半径が大きくなる方向に変形し、これによって周方向に離間する各当接用把持体30のチャック面32が管継手12の外周面に倣うように当接用把持体30の姿勢が変化する。すなわち、変形許容部材44が内面の曲率半径が大きくなる方向に変形することで、2つのチャック面32,32で形成される円弧の曲率半径も大きくなって管継手12の外周面に倣うことで接触面積が拡大する。なお、変形許容部材44の変形は、該変形許容部材44と支持用把持体31との対向面間に画成される空間34,34によって許容される。
実施例16の把持部材54では、変形許容部材44を変形させることで、該変形許容部材44に配設されている当接用把持体30の姿勢変化を許容して、前記チャック面32が管継手12の外周面に倣うよう構成したので、当接用把持体30として、剛性が高く摩耗の少ない材料を用いることができ、当接用把持体30の耐久性を向上し得る。
図22に示す実施例17に係る把持部材55は、実施例2の把持部材35と実施例16の把持部材54とを組み合わせた構成が採用されたものであって、規制凹部47に収容された変形許容部材44と支持用把持体31との径方向の対向面間に画成された前記空間34,34に、弾性変形可能な弾性部材36が充填されている。すなわち、実施例17の把持部材55では、前記実施例2および16の把持部材35,54が奏する夫々の作用効果が得られる。なお、実施例17の把持部材55においても、当接用把持体30より変形許容部材44の方が変形し易く設定されて、該変形許容部材44の変形に伴って弾性変形した弾性部材36によって当接用把持体30をバックアップして、該当接用把持体30を管継手12に適切な力で当接させ得るようになっている。
図23に示す実施例18に係る把持部材56は、支持用把持体31における機械中心を向く内側に、内側に開口する規制凹部47が、管継手12の軸方向に延在するように形成されている。そして、支持用把持体31における規制凹部47の内部に、当接用把持体30における径方向の外部側が嵌挿されて、支持用把持体31に対して当接用把持体30は周方向への移動が規制された状態で支持されている。また、規制凹部47の内部において支持用把持体31と当接用把持体30との径方向に対向する対向面間の全体に弾性部材36が介挿されており、該弾性部材36の弾性変形によって当接用把持体30の変形が許容されるように構成されている。
すなわち、実施例18の把持部材56では、前記油圧シリンダ23の付勢力によって支持用把持体31および弾性部材36を介して当接用把持体30を管継手12に押し付けると、チャック面32が管継手12の外周面に倣うように当接用把持体30が変形する。当接用把持体30の変形は、該当接用把持体30と支持用把持体31との対向面間に充填されている弾性部材36が弾性変形することで許容される。実施例18の把持部材56では、チャック面32が管継手12の外周面に倣うことで、該チャック面32と管継手12との接触面積が拡大し、把持部材46での把持力を向上し得る。また、当接用把持体30に作用する力を弾性部材36を介して支持用把持体31で受けることができるので、弾性部材36のバックアップによって当接用把持体30を管継手12に適切な力で当接させ得る。実施例18の把持部材56では、弾性部材36が、油圧シリンダ23の付勢力(駆動力)を当接用把持体30に伝達する伝達部としての機能、および当接用把持体30の変形を許容する変形許容部材としての機能を有している。
図24に示す実施例19に係る把持部材58は、支持用把持体31の内側にキー材59が配設されると共に、該支持用把持体31の内側に位置する当接用把持体30には前記キー材59が嵌挿されるキー溝60が形成されており、キー溝60にキー材59を嵌挿することで、支持用把持体31に対して当接用把持体30は周方向への移動が規制された状態で支持されている。また、キー材59の径方向内側の面とキー溝60の対向する底面との間には隙間61が画成されており、支持用把持体31に対して当接用把持体30が隙間61の分だけ近接し得るよう構成されている。実施例19に係る把持部材58では、当接用把持体30に形成されたチャック面32の曲率半径は、管継手(被把持部材)12の外周面の曲率半径より大きく設定されており、チャック面32の曲率半径が小さくなる方向に当接用把持体30が変形(変化)することで、該チャック面32が管継手12の外周面に倣うよう構成される。
前記支持用把持体31の内端部には、前記キー材59を挟む両端部に、当接用把持体30の外端部に当接する当接部(伝達部)62,62が設けられており、実施例19では、油圧シリンダ23によって支持用把持体31に加えられる押圧力(駆動力)は、両当接部62,62によって当接用把持体30の周方向の両端部に伝達されるようになっている。また、キー材59と各当接部62との間における当接用把持体30と支持用把持体31との径方向に対向する対向面間に、空間34,34が画成されている。すなわち、油圧シリンダ23の付勢下に支持用把持体31を介して当接用把持体30が管継手12に押し付けられた際に、支持用把持体31に加えられる押圧力が両当接部62,62によって当接用把持体30の周方向の両端部に加えられることで、該当接用把持体30のチャック面32の曲率半径が小さくなる変形が前記空間34,34で許容されるようになっている。そして、チャック面32の曲率半径が管継手12の外周面に倣うように当接用把持体30が変形することで、管継手12に対するチャック面32の接触面積が拡大するよう構成される。
前記実施例19の把持部材58では、油圧シリンダ23の付勢力によって支持用把持体31および当接用把持体30を管継手12に近接移動させると、先ず当接用把持体30のチャック面32における周方向の中央部が管継手12の外周面に当接する。そして、油圧シリンダ23の付勢下に当接用把持体30を管継手12に押し付けると、前記当接部62,62を介して当接用把持体30の周方向の両端部に油圧シリンダ23の付勢力が作用して、該当接用把持体30のチャック面32の曲率半径が小さくなる方向に変形する。すなわち、チャック面32が管継手12の外周面に倣うように当接用把持体30が変形し、該チャック面32と管継手12との接触面積が拡大するようになっている。
すなわち、前記実施例1〜18では、当接用把持体30のチャック面32の曲率半径を管継手(被把持部材)12の外周面の曲率半径より小さく設定して、該チャック面32の曲率半径が大きくなる方向に当接用把持体30を変形させることで、該チャック面32を管継手12の外周面に倣わせるようにしたが、実施例19では、当接用把持体30のチャック面32の曲率半径を管継手(被把持部材)12の外周面の曲率半径より大きく設定して、該チャック面32の曲率半径が小さくなる方向に当接用把持体30を変形させることで、該チャック面32を管継手12の外周面に倣わせるように構成されている。このように、チャック面32の曲率半径が小さくなる方向に当接用把持体30を変形させることで該チャック面32を管継手12の外周面に倣わせる構成は、実施例2〜18の各実施例において、チャック面32の曲率半径を管継手(被把持部材)12の外周面の曲率半径より小さく設定したもとで、支持部用把持体31から当接用把持体30に対して油圧シリンダ23の付勢力を伝達する位置を変更することで採用し得る。
〔変更例〕
本願は、前述した実施例1〜19の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 図25に示す如く、実施例4の把持部材39において、当接用把持体30に軽量化を図るための凹部41を設けるようにしてもよい。また、支持用把持体31を、分割可能な複数の支持部品31aから構成し、各支持部品31aを径方向に重ねると共に、各支持部品31a,31a同士をキー部材33で周方向への移動が規制された状態で連繋する。更に、各支持部品31aを相互にネジ止め固定するよう構成する。このように、支持用把持体31を複数の支持部品31aから構成することで、支持部品31a自体は軽量となり、各支持部品31aを組み付ける作業が容易となる。
なお、図25では、支持用把持体31を2つの支持部品31aで構成した場合で説明したが、該支持部品31aの数は3つ以上であってもよい。
(2) 実施例1〜18の各把持部材に採用した構成を、相互に組み合わせることができる。例えば、実施例3の把持部材の当接用把持体に凹部を設けたり、実施例10,11,18の把持部材の当接用把持体にスリットおよび凹部の一方または両方を設けたり、実施例7,8,16,17の把持部材の変形許容部材にスリットおよび凹部の一方または両方を設ける構成を採用し得る。また、実施例19の各把持部材に採用した構成を基本として、実施例2〜18の各構成を組み合わせた構成を採用し得ることは勿論である。
(3) 実施例1〜19の各把持部材について、図25に示すように、支持用把持体を複数の支持部品から構成する構造を採用することができる。
(4) 図8に示す実施例3の把持部材37では、当接用把持体30に、径方向の外側に開口するスリット(溝部)38を形成したが、図26に示す変更例のように、スリット38を当接用把持体30の径方向の内側に開口するように形成してもよい。また、当接用把持体30に複数のスリット38を形成する場合に、径方向の外側に開口するスリット38と径方向の内側に開口するスリット38とを組み合わせることができる。なお、当接用把持体30に、径方向の外側に開口するスリット38を形成する構成を他の実施例と組み合わせ得ることは勿論である。
(5) 当接用把持体に設けるスリットの数は、2つに限らず1つまたは3つ以上であってもよい。また、スリットを複数設ける場合に、当接用把持体の径方向の厚みに応じて各スリットの深さを変えることで、被把持部材に対する所要の把持力が得られる剛性を確保しつつ変形の容易化を図る構成を採用し得る。
(6) 当接用把持体のチャック面については、溶射、その他の表面処理によって細かな凹凸形状としてもよく、または凹凸がないものであってもよい。
(7) 支持ユニットに配設される把持部材の数は、6つに限られるものでなく、円筒状の管継手または管体を安定して把持し得る数であれば、少なくとも3つ以上であればよい。
(8) 移動手段としての油圧シリンダは、シリンダ本体を支持ユニット(スペーサ)に配設して、ピストンロッドを把持部材に連結する構成を採用し得る。
(9) 各実施例では、円筒状の管継手または管体を把持する場合で説明したが、チャッキング装置により把持する対象は、棒材や線材等の中実な円柱状の被把持部材であってもよい。
(10) 各実施例では、把持部材を油圧シリンダによって直接径方向に移動させるよう構成したが、リンク機構や楔機構を油圧シリンダで作動することで把持部材を径方向に移動させる構成や、モータとリンク機構を組み合わせた機構等、各種公知の手段を把持部材の移動手段として採用し得る。
11 管体(被把持部材)
12 管継手(被把持部材)
21,35,37,39,40,42,43,45,46,49,50,51,52,53,
54,55,56,57,58 把持部材
22 支持ユニット
23 油圧シリンダ(移動手段)
30 当接用把持体
31 支持用把持体
32 チャック面
33 キー部材(伝達部)
34 空間
36 弾性部材
38 スリット(溝部)
41 凹部(溝部)
44 変形許容部材
48 当接部材(伝達部)
62 当接部(伝達部)

Claims (7)

  1. 円柱または円筒状の被把持部材を把持するチャッキング装置であって、
    前記被把持部材が挿通される支持ユニットと、
    前記支持ユニットに挿通された被把持部材の周囲に位置するように該支持ユニットに周方向に一定間隔で配置されると共に径方向に移動自在に支持され、前記被把持部材の外周面を向く径方向の内側に、該被把持部材の外周面の曲率半径と異なる曲率半径に設定された弧状のチャック面が形成された複数の把持部材と、
    前記把持部材を径方向に移動させる移動手段とを備え、
    前記把持部材は、
    前記チャック面が形成された当接用把持体と、
    前記当接用把持体の径方向外側に位置して前記移動手段に連繋され、該移動手段の駆動によって当接用把持体を前記支持ユニットに挿通された被把持部材に対して近接・離間移動させる支持用把持体とを備え、
    前記支持用把持体に対して前記当接用把持体は、前記チャック面が被把持部材の外周面に倣うような変化が許容された状態で支持され、
    前記移動手段の駆動により前記支持用把持体を介して当接用把持体が被把持部材に押し付けられた際に、前記チャック面が被把持部材の外周面に倣うように該当接用把持体が支持用把持体に対して変化することで、該チャック面と被把持部材との接触面積が拡大されるよう構成された
    ことを特徴とするチャッキング装置。
  2. 前記当接用把持体と支持用把持体との径方向に対向する対向面間に設けられ、該支持用把持体に加えられる前記移動手段の駆動力を当接用把持体に伝達する伝達部と、
    前記当接用把持体と支持用把持体との径方向に対向する対向面間に画成され、前記チャック面が被把持部材の外周面に倣うような当接用把持体の変形を許容する空間とを備える請求項1記載のチャッキング装置。
  3. 前記空間に充填され、前記当接用把持体の変形に伴って弾性変形可能な弾性部材を備える請求項2記載のチャッキング装置。
  4. 前記当接用把持体と支持用把持体との径方向に対向する対向面間に弾性変形可能な弾性部材が配設され、前記チャック面が被把持部材の外周面に倣うような当接用把持体の支持用把持体に対する姿勢変化が、前記弾性部材の弾性変形によって許容されるよう構成された請求項1記載のチャッキング装置。
  5. 前記当接用把持体における径方向の外側または内側に開口する溝部が、前記被把持部材の軸方向に沿って延在するように該当接用把持体に形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載のチャッキング装置。
  6. 前記当接用把持体と支持用把持体との径方向に対向する対向面間に変形許容部材が設けられ、前記チャック面が被把持部材の外周面に倣うような当接用把持体の支持用把持体に対する姿勢変化が、前記変形許容部材の変形によって許容されるよう構成された請求項1記載のチャッキング装置。
  7. 前記変形許容部材と支持用把持体との径方向に対向する対向面間に画成された空間に、前記変形許容部材の変形に伴って弾性変形可能な弾性部材が充填されている請求項6記載のチャッキング装置。
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