以下に添付図面を参照して、本発明に係る印刷機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る折機を表す概略構成図、図2は、実施例1の折機の要部を表す概略図、図3−1から図3−3は、実施例1の折機の作動を表す概略図、図4は、実施例1の折機が適用された印刷機を表す概略構成図である。
実施例1の印刷機は、バリアブル印刷機を用いて新聞を印刷する新聞印刷機である。実施例1の印刷機は、図4に示すように、給紙部11と、表面印刷ユニット12と、裏面印刷ユニット13と、折機14と、排紙部15とから構成されている。給紙部11は、ウェブWがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アーム11aを有し、この保持アーム11aを回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。
また、表面印刷ユニット12は、ウェブWの表面に多色印刷を行う印刷ユニットであって、バリアブル印刷機としてのインクジェット式印刷機により構成されている。また、裏面印刷ユニット13は、ウェブWの裏面に多色印刷を行う印刷ユニットであって、バリアブル印刷機としてのインクジェット式印刷機により構成されている。なお、バリアブル印刷機として、インクジェット式印刷機を適用したが、編集システムなどで作成したデータをそのまま受け取って印刷可能なデジタル印刷機であればよく、インクジェット方式に限らず、電子写真方式など、描画方式を問うものではない。
この場合、表面印刷ユニット12及び裏面印刷ユニット13は、搬送されるウェブWの上方からインクジェットヘッドにより印刷を行うものであることから、表面印刷ユニット12と裏面印刷ユニット13との間に、ウェブWの表裏を反転させる反転機が配置されている。なお、表面印刷ユニット12と裏面印刷ユニット13を上下に配置し、ウェブWの搬送方向を逆にすることで、ウェブWの表裏を反転させて印刷を行うようにしてもよい。
また、折機14は、ロータリ(ブレード)フォルダ式であって、表面及び裏面に印刷が施されたウェブWを、所定の長さに断裁してシートSを形成してから重ね合わせ、このシートSが予め設定された枚数だけ重ね合わされたら、横折りして所望の折帖Fを形成するものである。排紙部15は、この折帖Fを連続して搬送することで、所定冊数ずつ排紙するものである。
この折機14及び排紙部15について詳細に説明すると、図1及び図2に示すように、最上部には、上述した裏面印刷ユニット13で裏面印刷が施されたウェブWを下方に搬入するガイドローラ21が設けられ、このガイドローラ21の下方に一対のニッピングローラ22が設けられている。そして、このニッピングローラ22の下方には、鋸胴23と折胴24がウェブWを挟んで左右に対向して配設されており、折胴24の下方には、一対の折込ローラ25及び一対の紙ガイド26が設けられている。更に、折込ローラ25の下方には、羽根車27が設けられると共に、この羽根車27の下方には、排紙コンベア28が設けられている。なお、排紙コンベア28より下流側には図示しないチョッパ折装置が設けられている。
鋸胴23は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃31a,31bが鋸台32a,32bに支持されて設けられている。一方、折胴24は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃受33a,33bが設けられており、この鋸刃受33a,33bは、ゴム等の弾性体により構成されている。この場合、鋸胴23と折胴24は、同じ周速で同期回転しており、一定周期で鋸刃31a,31bと鋸刃受33a,33bが互いに対向するように、その回転位相が一致している。そのため、鋸胴23と折胴24が同期回転し、鋸刃31a,31bと鋸刃受33a,33bが対向して一致するときに、この鋸刃31a,31bによりウェブWを横裁断し、所定長さのシートSを形成することができる。
また、折胴24は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して針装置(保持部)34a,34bが、鋸刃受33a,33bより折胴24の回転方向における上流側に設けられている。この針装置34a,34bは、同様の構成をなし、折胴24の軸方向に沿って設けられた針軸35a,35bと、基端部がこの針軸35a,35bに固定された針アーム36a,36bと、この針アーム36a,36bの先端部に固定された針37a,37bとを有している。この針装置34a,34bは、駆動モータ38a,38bにより折胴24の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、針アーム36a,36bを介して針37a,37bを外方に突出することで、ウェブWの走行方向における先端部を保持することができ、所定の位置で、針アーム36a,36bを介して針37a,37bを戻すことで、ウェブW(シートS)の先端部の保持を解除することができる。
更に、折胴24は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して折ブレード39a,39bが折軸40a,40bに支持されて設けられており、この折ブレード39a,39bは、針装置34a,34bとほぼ90度位相がずれて位置している。この折ブレード39a,39bは、櫛状をなすように、幅方向に多数のブレード本体が一体に形成されて構成され、先端部が折胴24の周面から外方に突出可能となっている。そして、この折ブレード39a,39bは、駆動モータ41a,41bにより折胴24の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、折ブレード39a,39bの先端部が外方に突出することで、鋸刃31a,31bにより裁断されたシートSを折胴24の周面から引き剥がすことができる。
なお、本実施例では、鋸刃31a,31b、鋸刃受33a,33b、針装置34a,34b、折ブレード39a,39bを鋸胴23、折胴24の外周部に2組設けたが、この数に限定されるものではなく、鋸胴23、折胴24の径により、1組または3組以上設けてもよい。
折胴24の下方に設けられた一対の折込ローラ25は、折胴24と同期回転可能に設けられており、折胴24の下方で各折込ローラ25の両側には、一対の紙ガイド26が設けられている。この一対の折込ローラ25は、折ブレード39a,39bにより折胴24の周面から突出したウェブWを挟持することで、折帖Fを形成することができる。このとき、一対の紙ガイド26は、折帖Fをガイドする。
このように構成された折機14を有する本実施例の印刷機では、各印刷ユニット12,13により印刷が施されたウェブWを、折機14により断裁すると共に重ねてから折り畳むものである。即ち、各印刷ユニット12,13は、インクジェット式印刷機であることから、搬送されるウェブWに対して連続して異なる画像を印刷する。この場合、形成する新聞が4枚で16頁から構成されるものであれば、各印刷ユニット12,13は、4種類の異なる画像を順番に印刷する。但し、本実施例では、折胴24が2倍胴であることから、各印刷ユニット12,13は、4種類の画像を2個ずつ順番(例えば、A−A−B−B−C−C−D−D−A−A−B−B−C・・・)に印刷する。
そして、折機14は、印刷が施されたウェブWを鋸胴23と折胴24との間に供給し、このウェブWを画像ごとで、且つ、所定の同じ長さに断裁すると共に、断裁されたシートSを異なる画像が所定枚数重なるように折胴24の周面に重ねていく。そして、折胴24の周面に重ねられたシートSが予め設定された所定枚数、ここでは、4枚に到達したら、4枚重ねられたシートSを折り畳んで折帖Fを形成する。
本実施例では、周面にウェブWを予め設定された所定枚数だけ重ねる巻取胴として折胴24を適用し、この巻取胴(折胴24)に巻き取られたウェブWを所定の長さのシートSに断裁する断裁手段として鋸胴23を適用し、断裁手段(鋸胴23)で断裁されて所定枚数だけ重ねられた複数のシートSを折り畳む折畳手段として、折胴24及び折込ローラ25を適用している。また、この巻取胴は、折胴24の外周部にウェブWまたはシートSを所定枚数だけ重ねる重ね部が設けられて構成されており、この重ね部の構成の一つとして、折胴24に加えて針装置34a,34bを適用している。
また、折胴24に重ねられたシートSの枚数を検出する重ね枚数検出部として、折胴24の回転位置を検出するロータリエンコーダ42が設けられている。そして、制御部43は、このロータリエンコーダ42の検出結果、つまり、折胴24に重ねられたシートSの枚数に応じて各駆動モータ38a,38b,41a,41bを駆動制御することで、針装置34a,34b及び折ブレード39a,39bの作動を制御する。
即ち、制御部43は、針37a,37bを突出させると共に、折ブレード39a,39bを退避させることで、折胴24の周面にシートSを重ねていき、シートSの枚数が所定枚数に到達したら、針37a,37bを退避させて複数のシートSの保持を解除すると同時に、折ブレード39a,39bを突出させてこのシートSを折胴24の周面から引き剥がす。
ここで、実施例1の折機14の作動を詳細に説明する。
表面及び裏面に印刷が施されたウェブWが折機14に至ると、まず、図3−1に示すように、針装置34bが作動して針37bを外方に突出することで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。この状態から、鋸胴23及び折胴24が回転し続けると、ウェブWは折胴24の周面に保持されたまま移動する。そして、所定の位置で、鋸胴23の鋸刃31aと鋸刃受33aが対向して一致すると、この鋸刃31aによりウェブWが横裁断され、シートS1が形成される。この鋸刃31aによる横裁断と同時に、針装置34aが作動して針37aを外方に突出することで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。
続いて、針37bがシートS1の先端部を突き刺して保持すると共に、針37aがウェブWの先端部を突き刺して保持した状態から、鋸胴23及び折胴24が回転し続けると、シートS1及びウェブWは折胴24の周面に保持されたまま移動する。そして、図3−2に示すように、所定の位置で、鋸胴23の鋸刃31bと鋸刃受33bが対向して一致すると、この鋸刃31bによりウェブWが横裁断され、シートS2が形成される。この鋸刃31bによる横裁断と同時に、外方に突出している針37bがシートS1の先端部を突き刺したままで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。
この作動を繰り返し行うことで、図3−3に示すように、折胴24の周面には、針37bにより複数のシートSが重ねられると共に、針37aにより複数のシートSが重ねられる。そして、折胴24の周面に、針37bにより3枚のシートS1,S3,S5に加えてウェブWが重ねられると、所定の位置で、鋸胴23の鋸刃31aと鋸刃受33aが対向して一致するとき、この鋸刃31aによりウェブWが横裁断され、シートS7が形成される。この鋸刃31aによる横裁断と同時に、外方に突出している針37aがシートS2,S4,S6の先端部を突き刺したままで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。
また、鋸刃31aによる横裁断と同時に、針装置34bが作動して針37bを戻すことで、シートS1,S3,S5,S7の先端部の保持を解除すると共に、折ブレード39bを回動して先端部が折胴24の周面から外方に突出することで、重ねられているシートS1,S3,S5,S7を折胴24の周面から下方へ引き剥がす。すると、折胴24の周面から突出したシートS1,S3,S5,S7は、一対の折込ローラ25により挟持されることで折帖Fが形成される。
更に、折胴24の周面に、針37aにより3枚のシートS2,S4,S6に加えてウェブWが重ねられると、所定の位置で、鋸胴23の鋸刃31bと鋸刃受33bが対向して一致するとき、この鋸刃31bによりウェブWが横裁断され、シートS8(図示略)が形成される。この鋸刃31bによる横裁断と同時に、外方に突出している針37aがシートS2,S4,S6の先端部を突き刺したままで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。その後、同様にシートS2,S4,S6,S8に対して折ブレード39a、が作動して折帖Fが形成される。
この場合、ウェブWには、4種類の画像が2個ずつ順番に印刷(A−A−B−B−C−C−D−D−A−A−B−B−C・・・)されていることから、シートS1とS2、シートS3,S4、シートS5,S6、シートS7とS8がそれぞれ同じ画像であり、4枚重ねられたシートS1,S3,S5,S7と、シートS2,S4,S6,S8は、異なる画像が重ねられたものとなる。つまり、実施例1の折胴24では、1回転することで、同じ折帖Fを2組作成することができる。
このように実施例1の折機14にあっては、ウェブWを所定の長さのシートSに断裁する鋸胴23と、鋸胴23に対接してこの鋸胴23で断裁されたシートSを折り畳む折胴24と、この折胴24により折り畳まれたシートSを折帖Fとする一対の折込ローラ25とを備えて構成し、折胴24の周面にシートSを予め設定された所定枚数だけ重ねる重ね部を設けている。
従って、ウェブWが鋸胴23及び折胴24に搬送されるとき、鋸胴23で断裁されたシートSが、重ね部としての折胴24の周面に所定枚数だけ重ねられ、その後、重ねられたシートSが折胴24で折り畳まれることとなり、連続して異なる画像が印刷されたウェブWを画像ごとに断裁すると共に、重ねてから折り畳み可能とすることで、印刷コストの低減を図ることができる。
また、実施例1の折機14では、折胴24に、ウェブWの先端部を保持可能な針装置34a,34bと、鋸胴23により裁断されて重ね部で重ねられたシートSを折胴24の周面から突出可能な折ブレード39a,39bと、重ね部に重ねられたシートSの枚数に応じて針装置34a,34b及び折ブレード39a,39bを作動制御可能な制御部43とを設けている。従って、制御部43により針装置34a,34b及び折ブレード39a,39bを独立して作動制御することで、折胴24の周面にシートSを所定枚数だけ重ねることができる。
また、実施例1の折機14では、重ね部としての折胴24の周面に、鋸胴23によりウェブWが裁断されて形成されたシートSを所定枚数だけ重ねており、ウェブWを裁断してから折胴24にシートSを所定枚数だけ重ねることで、折胴24の周面に複数のシートSを高精度に重ねることができる。
また、実施例1の折機14では、折胴24に重ねられたシートSの枚数を検出するロータリエンコーダ42を設け、制御部43は、折胴24に重ねられたシートSの枚数が所定枚数に到達したら、針装置34a,34bにより保持された複数のシートSの保持を解除すると同時に、折ブレード39a,39bを突出してこのシートSを折胴24の周面から引き剥がすようにしている。従って、必要に応じて、折胴24の周面に所望の枚数だけシートSを重ねることができ、作成する新聞の形態に応じて重ねるシートSの枚数を変更することができ、汎用性を向上することができる。
また、実施例1の印刷機では、給紙部11と、ウェブWに連続して異なる画像を印刷する印刷ユニット12,13と、ウェブWを断裁すると共に重ねて折り畳むことで折帖Fを形成する折機14とを設け、折機14として、ウェブWを所定の長さのシートSに断裁する鋸胴23と、鋸胴23に対接してこの鋸胴23で断裁されたシートSを折り畳む折胴24と、この折胴24により折り畳まれたシートSを折帖Fとする一対の折込ローラ25とを備えて構成し、折胴24の周面にウェブWまたはシートSを予め設定された所定枚数だけ重ねる重ね部を設けている。従って、連続して異なる画像が印刷されたウェブWを画像ごとに断裁すると共に、重ねてから折り畳み可能とすることで、印刷コストの低減を図ることができる。
また、実施例1の印刷方法によれば、ウェブWに対して連続して異なる画像を印刷し、印刷が施されたウェブWを鋸胴23と折胴24の間に供給し、このウェブWを画像ごとに断裁すると共に、断裁された異なる画像のシートSを折胴24の周面に重ねていき、折胴24の周面に重ねられたシートSが予め設定された所定枚数に到達したら折り畳んで折帖Fを形成するようにしている。従って、連続して異なる画像が印刷されたウェブWを画像ごとに断裁すると共に、重ねてから折り畳み可能とすることで、印刷コストの低減を図ることができる。
図5は、本発明の実施例2に係る折機の要部を表す概略構成図、図6−1から図6−3は、実施例2の折機の作動を表す概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の印刷機に適用された折機14は、鋸胴23と折胴24がウェブWを挟んで左右に対向して配設されており、折胴24の下方には、一対の折込ローラ25が設けられている。
鋸胴23は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃31a,31bが鋸台32a,32bに支持されて設けられている。一方、折胴24は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃受33a,33bが設けられている。この鋸刃31a,31bは、エアシリンダ51a,51bにより鋸胴23の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、鋸刃31a,31bを外方に突出することで、ウェブWを横裁断し、所定長さのシートSを形成することができる。
このように構成された折機14を有する本実施例の印刷機では、印刷が施されたウェブWを、折機14により重ねてから断裁し、その後に折り畳むものである。即ち、折機14は、印刷が施されたウェブWを鋸胴23と折胴24との間に供給し、このウェブWを折胴24の周面に重ねていき、折胴24の周面に重ねられたウェブWが予め設定された所定枚数に到達したら、ウェブWを画像ごとで、且つ、所定の同じ長さに断裁すると共に、折り畳んで折帖Fを形成する。
本実施例では、周面にウェブWを予め設定された所定枚数だけ重ねる巻取胴として折胴24を適用し、この巻取胴は、折胴24の外周部にウェブWまたはシートSを所定枚数だけ重ねる重ね部が設けられて構成されており、この重ね部の構成の一つとして、折胴24に加えて針装置34a,34bを適用している。また、折胴(重ね部)24に重ねられたシートSの枚数を検出する重ね枚数検出部として、折胴24の回転位置を検出するロータリエンコーダが設けられている。そして、制御部は、このロータリエンコーダの検出結果、つまり、折胴24に重ねられたシートSの枚数に応じて各駆動モータ38a,38b,41a,41b及びエアシリンダ51a,51bを駆動制御することで、針装置34a,34b、折ブレード39a,39b、鋸刃31a,31bの作動を制御する。
即ち、制御部は、針37a,37bの一方を突出させると共に、折ブレード39a,39b及び鋸刃31a,31bを退避させることで、折胴24の周面にウェブWを巻きつけて重ねていき、ウェブWの枚数が所定枚数に到達したら、鋸刃31a,31bを突き出してウェブWを断裁してシートSを形成する。また、針37a,37bの一方を退避させてウェブW(シートS)の保持を解除すると同時に、折ブレード39a,39bを突出させてこのシートSを折胴24の周面から引き剥がす。
ここで、実施例2の折機14の作動を詳細に説明する。
表面及び裏面に印刷が施されたウェブWが折機14に至ると、まず、図6−1に示すように、針装置34bが作動して針37bを外方に突出することで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。この状態から、鋸胴23及び折胴24が回転し続けると、ウェブWは折胴24の周面に保持されたまま移動する。そして、所定の位置で、針装置34aが作動して針37aを外方に突出することで、ウェブWを突き刺して保持する。このとき、鋸胴23の鋸刃31aが退避位置にあることから、この鋸刃31aによりウェブWが横裁断されることはない。
この作動を繰り返し行うことで、図6−2に示すように、折胴24の周面に、4重にウェブWが重ねられると、所定の位置で、鋸胴23の鋸刃31bを外方に突出することで、鋸刃31bと鋸刃受33bが対向して一致するとき、この鋸刃31bにより4重のウェブWが横裁断される。そして、更に、鋸胴23及び折胴24が回転し、図6−3に示すように、所定の位置で、鋸胴23の鋸刃31aを外方に突出することで、鋸胴23の鋸刃31aと鋸刃受33aが対向して一致したとき、この鋸刃31aにより4重のウェブWが横裁断され、重ねられた4枚のシートS1,S3,S5,S7が形成される。
また、鋸刃31aによる横裁断と同時に、針装置34bが作動して針37bを戻すことで、シートS1,S3,S5,S7の先端部の保持を解除すると共に、折ブレード39bを回動して先端部が折胴24の周面から外方に突出することで、重ねられているシートS1,S3,S5,S7を折胴24の周面から下方へ引き剥がす。すると、折胴24の周面から突出したシートS1,S3,S5,S7は、一対の折込ローラ25により挟持されることで折帖Fが形成される。
このように実施例2の折機14にあっては、重ね部としての折胴24は、搬送されたウェブWを所定枚数だけ重ね、その後、鋸胴23は、重ねられたウェブSを裁断している。従って、折胴24にウェブWを所定枚数だけ重ねてからシートSに裁断することで、折胴24の周面でウェブWを高精度に断裁することができる。
また、実施例2の折機14では、鋸胴23にウェブWを所定の長さのシートSに断裁する鋸刃31a,31bを設け、折胴24に重ねられたウェブWの枚数を検出するロータリエンコーダ42を設け、制御部43は、折胴24の周面に重ねられたウェブWの枚数が所定枚数に到達したら、鋸刃31a,31bによりウェブWを所定の長さのシートSに断裁した後、針装置34a,34bによる保持された複数のシートSの保持を解除すると同時に、折ブレード39a,39bを突出してこのシートSを折胴24の周面から引き剥がすようにしている。従って、必要に応じて、折胴24の周面に所望の枚数だけウェブWを重ねることができ、作成する新聞の形態に応じて重ねるウェブWの枚数を変更することができ、汎用性を向上することができる。
また、実施例2の印刷方法では、ウェブWに対して連続して異なる画像を印刷し、印刷が施されたウェブWを鋸胴23と折胴24の間に供給し、このウェブWを折胴24の周面に重ねていき、折胴24の周面に重ねられたウェブWが予め設定された所定枚数に到達したら、このウェブWを画像ごとに断裁すると共に折り畳んで折帖Fを形成するようにしている。従って、連続して異なる画像が印刷されたウェブWを、画像ごとに断裁すると共に、重ねてから折り畳み可能とすることで、印刷コストの低減を図ることができる。
なお、上述した実施例2にて、ウェブWを折胴24の周面に巻き付けて重ねるとき、針装置34a,34bによりウェブWを所定間隔ごとに保持したが、針装置34a,34bによりウェブWを保持しないで折胴24の周面に巻き付けて重ねるようにしてもよい。この場合、まず、ウェブWの先端部だけを針装置34a,34bの一方により保持し、所定枚数重なったら、針装置34a,34bの他方を突き出して保持してから、鋸刃31a,31bにより所定の長さに断裁すればよい。
図7は、本発明の実施例3に係る折機を表す概略構成図である。
実施例3の印刷機は、実施例1と同様に、バリアブル印刷機を用いて新聞を印刷する新聞印刷機である。図7に示すように、実施例3の折機60は、バリアブル印刷機としてのインクジェット式印刷機により表面及び裏面に印刷が施されたウェブWを、所定の長さに断裁してシートSを形成してから重ね合わせ、このシートSが予め設定された枚数だけ重ね合わされたら、横折りすると共に縦折りして所望の折帖Fを形成するものである。
この折機60について詳細に説明する。この折機60は、ジョウフォルダ式であって、最上部には、表面印刷及び裏面印刷が施されたウェブWを下方に搬入するガイドローラ61が設けられ、このガイドローラ61の下方に一対のニッピングローラ62が設けられている。そして、このニッピングローラ62の下方には、鋸胴63と折胴64がウェブWを挟んで左右に対向して配設されており、折胴64に対向して咥胴65が設けられている。更に、咥胴65に隣接してチョッパ折装置66が設けられると共に、このチョッパ折装置66の下方には、排紙コンベア67が設けられている。
鋸胴63は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃71a,71bが設けられている。一方、折胴64は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃受72a,72bが設けられており、鋸刃71a,71bと鋸刃受72a,72bが互いに対向するように、その回転位相が一致している。そのため、鋸胴63と折胴64が同期回転し、鋸刃71a,71bと鋸刃受72a,72bが対向して一致するときに、この鋸刃71a,71bによりウェブWを横裁断し、所定長さのシートSを形成することができる。
また、折胴64は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して針装置(保持部)73a,73bが、鋸刃受72a,72bより折胴64の回転方向における上流側に設けられている。この針装置73a,73bは、駆動モータ74a,74bにより折胴64の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、針を外方に突出することで、ウェブWの走行方向における先端部を保持することができ、所定の位置で、針を戻すことで、ウェブW(シートS)の先端部の保持を解除することができる。
更に、折胴64は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して折ブレード75a,75bが設けられており、この折ブレード75a,75bは、針装置73a,73bとほぼ90度位相がずれて位置している。この折ブレード75a,75bは、エアシリンダ76a,76bにより折胴64の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、折ブレード75a,75bの先端部が外方に突出することで、鋸刃71a,71bにより裁断されたシートSを折胴64の周面から引き剥がすことができる。
また、咥胴65は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して咥え装置78a,78bが設けられており、この咥え装置78a,78bは、駆動モータ79a,79bにより咥胴65の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、折ブレード75a,75bにより突き出されたシートSを咥えて搬送することができる。
なお、本実施例では、鋸刃71a,71b、鋸刃受72a,72b、針装置73a,73b、折ブレード75a,75b、咥え装置78a,78bを、鋸胴63、折胴64、咥胴65の外周部に2組設けたが、この数に限定されるものではなく、鋸胴63、折胴64、咥胴65の径により、1組または3組以上設けてもよい。
チョッパ折装置66において、チョッパテーブル81が水平に配設され、このチョッパテーブル81の上方には、上搬送コンベア82が配置されると共に、下搬送コンベア83が配置されている。各搬送コンベア82,83は、無端の搬送ベルトと複数のガイドローラと駆動モータとを有し、咥胴65が解除した折帖F1を上下から挟持してチョッパテーブル81上の所定の位置まで搬送することができる。
チョッパテーブル81は、その所定の位置にスリット84が形成されると共に、スリット84より折帖F1の搬送方向の下流側に隣接してストッパ85が設けられている。このストッパ85は、搬送コンベア82,83により搬送される折帖F1の先端部が当接することで、そのチョッパ折り位置を規定するものである。スリット84の上方には、ストッパ85に当接した折帖F1の中央部に接触してスリット84内に押し込むチョッパブレード86が配設されており、図示しない駆動装置によりチョッパブレード86を上下方向に沿って移動可能となっている。
そして、チョッパテーブル81の下方には、スリット84の下方に対向して、このスリット84から下降した折帖F2をニップ圧により挟み込んで折り曲げる一対の折込ローラ87が回転可能に設けられている。
このように構成された折機60を有する本実施例の印刷機では、印刷が施されたウェブWを、折機60により断裁すると共に重ねてから折り畳むものである。即ち、図示しないインクジェット式印刷機は、搬送されるウェブWに対して連続して異なる画像を印刷する。折機60は、印刷が施されたウェブWを鋸胴63と折胴64との間に供給し、このウェブWを画像ごとで、且つ、所定の同じ長さに断裁すると共に、断裁されたシートSを折胴64の周面に重ねていく。そして、折胴64の周面に重ねられたシートSが予め設定された所定枚数に到達したら、重ねられたシートSを折胴64から咥胴65に渡すことで横折りして折帖F1を形成した後、チョッパ折装置66により縦折りして折帖F2を形成する。
本実施例では、周面にウェブWを予め設定された所定枚数だけ重ねる巻取胴として折胴64を適用し、この巻取胴は、折胴64の外周部にウェブWまたはシートSを所定枚数だけ重ねる重ね部が設けられて構成されており、この重ね部の構成の一つとして、折胴64に加えて針装置73a,73bを適用している。また、折胴(重ね部)64に重ねられたシートSの枚数を検出する重ね枚数検出部として、折胴64の回転位置を検出するロータリエンコーダ(図示略)が設けられている。そして、図示しない制御部は、このロータリエンコーダの検出結果、つまり、折胴64に重ねられたシートSの枚数に応じて針装置73a,73b及び折ブレード75a,75bの作動を制御する。
ここで、実施例3の折機60の作動を詳細に説明する。
表面及び裏面に印刷が施されたウェブWが折機60に至ると、まず、針装置73aが作動して針を外方に突出させることで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。この状態から、鋸胴63及び折胴64が回転し続けると、ウェブWは折胴64の周面に保持されたまま移動する。そして、所定の位置で、鋸胴63の鋸刃71bと鋸刃受72bに対向して一致すると、この鋸刃71bによりウェブWが横裁断され、シートSが形成される。この鋸刃71bによる横裁断と同時に、針装置73bが作動して針を外方に突出させることで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。
続いて、針装置73aがシートSの先端部を突き刺して保持すると共に、針装置73bがウェブWの先端部を突き刺して保持した状態から、鋸胴63及び折胴64が回転し続けると、シートS及びウェブWは折胴64の周面に保持されたまま移動する。そして、所定の位置で、鋸胴63の鋸刃71aと鋸刃受72aが対向して一致すると、この鋸刃71aによりウェブWが横裁断され、シートSが形成される。この鋸刃71aによる横裁断と同時に、外方に突出している針装置73aがシートSの先端部を突き刺したままで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。
この作動を繰り返し行うことで、折胴64の周面には、針装置73aにより複数のシートSが重ねられると共に、針装置73bにより複数のシートSが重ねられる。そして、折胴64の周面に、針装置73aにより3枚のシートSに加えてウェブWが重ねられると、所定の位置で、鋸胴63の鋸刃71bと鋸刃受72bが対向して一致するとき、この鋸刃71bによりウェブWが横裁断され、4枚のシートSが重なる。
また、鋸刃71bによる横裁断と同時に、針装置73aの針を戻すことで、4枚に重ねられたシートSの先端部の保持を解除すると共に、折ブレード75aを前進して先端部が折胴64の周面から外方に突出することで、重ねられている4枚のシートSを折胴64の周面から下方へ引き剥がす。すると、折胴64に同期して回転する咥胴65は、折ブレード75aと咥え装置78aが一致したときに、咥え装置78aが折胴64の周面から突出した4枚のシートSを咥えて挟持することで折帖F1が形成される。
折胴64及び咥胴65により2つ折りになった折帖F1は、上下の搬送コンベア82,83によりチョッパテーブル81上を搬送され、先端部がストッパ85に当接した位置で停止する。すると、駆動装置により、チョッパテーブル81上の基準位置で停止する折帖F1に対してチョッパブレード86が下降し、折帖F1の中央部分がチョッパテーブル81のスリット84に押し込まれる。一対の折込ローラ87は、この折帖F1を挟持して折り曲げながら通過させることで、4つ折りに折り畳まれた折帖F2が形成される。
このように実施例3の折機60にあっては、ウェブWを所定の長さのシートSに断裁する鋸胴63と、鋸胴63に対接してこの鋸胴63で断裁されたシートSを折り畳む折胴64と、この折胴64により折り畳まれたシートSを折帖Fとする咥胴65を備えて構成し、折胴64を巻取胴としてその周面にシートSを予め設定された所定枚数だけ重ねる重ね部を設けている。
従って、ウェブWが鋸胴63及び折胴64に搬送されるとき、鋸胴63で断裁されたシートSが、重ね部としての折胴64の周面に所定枚数だけ重ねられ、その後、重ねられたシートSが折胴64で折り畳まれることとなり、連続して異なる画像が印刷されたウェブWを、画像ごとに断裁すると共に、重ねてから折り畳み可能とすることで、印刷コストの低減を図ることができる。
また、実施例3の折機60では、折胴64により横折りされた束状のシートSを縦折りするチョッパ折装置66を設けており、所定枚数重ねられたシートSに対して高精度な横折りと縦折りを可能とすることができる。
図8は、本発明の実施例4に係る折機の要部を表す概略構成図、図9−1から図10−5は、実施例4の折機の作動を表す概略図、図11−1から図11−5は、実施例4の折機によるブロード判新聞の作成方法を表す概略図である。
実施例4の印刷機は、実施例3と同様に、バリアブル印刷機を用いて新聞を印刷する新聞印刷機であり、ブロード判(ブランケット判)の新聞を作成するものである。図8に示すように、実施例4の折機100は、バリアブル印刷機としてのインクジェット式印刷機により表面及び裏面に印刷が施されたウェブWを、所定の長さに断裁してシートSを形成してから重ね合わせ、このシートSが予め設定された枚数だけ重ね合わされたら、横折りすると共に縦折りして所望の折帖Fを形成するものである。
この折機100について詳細に説明する。この折機100は、ジョウフォルダ式であって、下部には、表面印刷及び裏面印刷が施されたウェブWを上方に搬入するガイドローラ101,102(図9−1参照)が設けられ、このガイドローラ102の上方には、鋸胴103と折胴104がウェブWを挟んで左右に対向して配設されており、折胴104に対向して鋸胴103の反対側に咥胴105が設けられている。更に、咥胴105に隣接して搬送コンベア106が設けられており、この搬送コンベア106に隣接して図示しないチョッパ折装置が設けられている。なお、折胴104と咥胴105とが対向する下方には、咥胴105が咥えた折帖Fをガイドする紙ガイド107が設けられている。
鋸胴103は、2倍胴であって、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃111a,111bが設けられている。一方、折胴104は、3倍胴であって、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、120度対向して鋸刃受112a,112b,112cが設けられており、鋸刃111a,111bと鋸刃受112a,112b,112cが互いに対向するように、その回転位相が一致している。そのため、鋸胴103と折胴104が同期回転し、鋸刃111a,111bと鋸刃受112a,112b,112cが対向して一致するときに、この鋸刃111a,111bによりウェブWを横裁断し、所定長さのシートSを形成することができる。
また、折胴104は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、120度対向して針装置(保持部)113a,113b,113cが、鋸刃受112a,112b,112cより折胴104の回転方向における上流側に設けられている。この針装置113a,113b,113cは、図示しない駆動モータまたはカムにより折胴104の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、針を外方に突出することで、ウェブWの走行方向における先端部を保持することができ、所定の位置で、針を戻すことで、ウェブW(シートS)の先端部の保持を解除することができる。
更に、折胴104は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、120度対向して折ブレード114a,114b,114cが設けられており、この折ブレード114a,114b,114cは、針装置113a,113b,113cとほぼ60度位相がずれて位置している。この折ブレード114a,114b,114cは、図示しないエアシリンダまたはカムにより折胴104の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、折ブレード114a,114b,114cの先端部が外方に突出することで、鋸刃111a,111bにより裁断されたシートSを折胴104の周面から引き剥がすことができる。
また、咥胴105は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、120度対向して咥え装置115a,115b,115cが設けられており、この咥え装置115a,115b,115cは、図示しない駆動モータまたはカムにより咥胴105の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、折ブレード114a,114b,114cにより突き出されたシートSにおける長手方向の中間部を咥えて搬送することができる。
ところで、鋸胴103は、鋸刃111a,111bがウェブWを断裁可能な断裁位置と、鋸刃111a,111bがウェブWから離間した待機位置に移動可能であり、図示しない制御部は、折胴104に重ねられたウェブWの枚数が所定枚数に到達したら、鋸胴103を待機位置から断裁位置に移動することができる。即ち、鋸胴103にて、図示しない左右のフレームには回転軸116が回転自在に支持され、この回転軸116には偏心軸受117を介して鋸胴本体118が装着されている。そして、回転軸116に図示しない第1駆動装置が連結される一方、偏心軸受117に第2駆動装置が連結されている。従って、第1駆動装置により回転軸116を回転することで、鋸胴103を折胴104や咥胴105と駆動回転することができ、第2駆動装置により偏心軸受117を回動することで、鋸胴本体118を径方向に移動し、鋸胴103を待機位置と断裁位置との間で移動することができる。
なお、本実施例では、鋸刃111a,111bを、鋸胴103の外周部に2組設け、鋸刃受112a,112b,112c、針装置113a,113b,113c、折ブレード114a,114b,114cを、折胴104の外周部に3組設け、咥え装置115a,115b,115cを咥胴105の外周部に3組設けたが、この数に限定されるものではない。即ち、鋸胴103と折胴104と咥胴105の回転時に、鋸刃111a,111bと鋸刃受112a,112b,112c、折ブレード114a,114b,114cと咥え装置115a,115b,115cとが対向する位置にあれば、鋸胴103、折胴104、咥胴105の径に応じて、1組または4組以上であってもよい。
このように構成された折機100を有する本実施例の印刷機では、印刷が施されたウェブWを、折機100により重ねてから断裁し、その後に折り畳むものである。即ち、図示しないインクジェット式印刷機は、搬送されるウェブWに対して連続して異なる画像を印刷する。この場合、ウェブWには、画像の幅方向がウェブWの搬送方向となるように画像が印刷されている。折機100は、印刷が施されたウェブWを鋸胴103と折胴104との間に供給し、このウェブWを折胴104の周面に重ねていき、折胴104の周面に重ねられたウェブWが予め設定された所定枚数に到達したら、ウェブWを画像ごとで、且つ、所定の同じ長さに断裁すると共に、折り畳んで折帖Fを形成する。
本実施例では、周面にウェブWを予め設定された所定枚数だけ重ねる巻取胴として折胴104を適用し、この巻取胴は、折胴104の外周部にウェブWまたはシートSを所定枚数だけ重ねる重ね部が設けられて構成されており、この重ね部の構成の一つとして、折胴104に加えて針装置113a,113b,113cを適用している。また、折胴(重ね部)104に重ねられたウェブWの枚数を検出する重ね枚数検出部として、折胴104の回転位置を検出するロータリエンコーダ(図示略)が設けられている。そして、図示しない制御部は、このロータリエンコーダの検出結果、つまり、折胴104に重ねられたウェブWの枚数に応じて鋸胴103、針装置113a,113b,113c、折ブレード114a,114b,114cの作動を制御する。
ここで、実施例4の折機100の作動を詳細に説明する。
本実施例にて、表面及び裏面に印刷が施されたウェブWは、図11−1に示すように、画像の幅方向がウェブWの搬送方向となるように異なる画像が連続して印刷されている。この場合、画像A1は、画像A1−1と画像A1−2からなり、画像B1は、画像B1−1と画像B1−2からなり、画像C1は、画像C1−1と画像C1−2からなり、画像A1と画像B1と画像C1は、同じ画像である。そして、画像C1に続く画像A2は、画像A2−1と画像A2−2からなり、画像B2は、画像B2−1と画像B2−2からなり、画像C2は、画像C2−1と画像C2−2からなり、画像A2と画像B2と画像C2は、同じ画像であるが、画像A1、画像B1、画像C1と、画像A2、画像B2、画像C2とは異なる画像である。そして、画像C2には、画像A3、画像B3、画像C3、画像A4・・・画像An、画像Bn、画像Cnまで続く。
このように表面及び裏面に印刷が施されたウェブWは、折機100にて、図9−1に示すように、まず、鋸胴103の鋸刃111aに断裁されると共に、針装置112aが作動して針を外方に突出させることで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。この状態から、鋸胴103及び折胴104が回転し続けると、ウェブWは折胴104の周面に保持されたまま移動する。このとき、図9−2に示すように、鋸胴103は、断裁位置から待機位置へ移動する。
そして、図9−3から図9−4に示すように、鋸胴103、折胴104、咥胴105が同期回転し続けるとき、針装置113aが突出してウェブWの先端部を保持しているものの、残りの針装置113b,113cは突出せず、また、折ブレード114a,114b,114cも突出しない。
ウェブWが折胴104の周面に所定のn枚数より1枚少ないn−1枚数が重ねられると、図9−5に示すように、所定の位置で、針装置113bが作動して外方に突出することで、ウェブWを突き刺して保持する。同様に、図9−6に示すように、所定の位置で、針装置113cが作動して外方に突出することで、ウェブWを突き刺して保持する。このとき、折胴104の周面には、図11−2に示すように、画像A1〜An−1、画像B1〜Bn−1、画像C1〜Cn−1が重なった状態となる。
そして、図10−1に示すように、折胴104の周面に、n枚数のウェブWが重ねられる前に、鋸胴103が待機位置から断裁位置へ移動し、所定の位置で、鋸胴103の鋸刃111aが折胴104の鋸刃受112aと対向して一致するとき、n−1枚数重ねられたウェブWが横裁断される。同時に、針装置113aが折胴104上に重ねられたn−1枚のウェブWと共に新たな1枚のウェブWを保持し、n枚数のウェブWを保持する。
続いて、鋸胴103及び折胴104が回転し、図10−2に示すように、所定の位置で、鋸胴103の鋸刃111bが折胴104の鋸刃受112bと対向して一致するとき、n枚数重ねられたウェブWが横裁断される。同時に、針装置113bが折胴104上に重ねられたn−1枚のウェブWと共に新たな1枚のウェブWを保持し、n枚数のウェブWを保持する。すると、折胴104の周面にて、針装置113aと針装置113bとの間で、先端部がこの針装置113aにより保持されたn枚数の束状のシートSが形成される。
そして、折胴104が回転し続けると、図10−3に示すように、折ブレード114aが咥胴105の咥え装置115aと対向して一致するとき、針装置111aが作動して内方に戻すことで、n枚数重ねられたシートSの先端部の保持を解除すると共に、折ブレード114aが作動して折胴104の周面から外方に突出することで、n枚数重ねられているシートSを折胴104の周面から下方へ引き剥がす。一方、咥胴105では、咥え装置115aが折胴104の周面から突出したシートSの中間部を咥える。
鋸胴103、折胴104、咥胴105が更に回転すると、図10−4に示すように、咥胴105の咥え装置115aがシートSにおける長手方向(搬送方向)の中間部を咥えたまま、このシートSを咥胴105の周面及び紙ガイド107にガイドされながら搬送されることで、折帖Fが形成される。
また、このとき、鋸胴103の鋸刃111aが折胴104の鋸刃受112cと対向して一致するとき、n枚数重ねられたウェブWが横裁断される。同時に、針装置113cが折胴104上に重ねられたn−1枚のウェブWと共に新たな1枚のウェブWを保持し、n枚数のウェブWを保持する。すると、折胴104の周面にて、針装置113bと針装置113cとの間で、先端部がこの針装置113bにより保持されたn枚数の束状のシートSが形成される。
そして、折胴104が回転し続けると、図10−5に示すように、折ブレード114bが咥胴105の咥え装置115bと対向して一致するとき、針装置113bが作動して内方に戻すことで、n枚数重ねられたシートSの先端部の保持を解除すると共に、折ブレード114bが作動して折胴104の周面から外方に突出することで、n枚数重ねられているシートSを折胴104の周面から下方へ引き剥がす。一方、咥胴105では、咥え装置115bが折胴104の周面から突出したシートSの中間部を咥える。その後、前述と同様に、咥胴105の咥え装置115bがシートSにおける長手方向(搬送方向)の中間部を咥えたまま搬送することで、折帖Fが形成される。
更に、図示しないが、鋸胴103の鋸刃111aが折胴104の鋸刃受112aと対向して一致するとき、n枚数重ねられたウェブWが横裁断される。同時に、針装置113aが折胴104上に重ねられた新たな1枚のウェブWを保持する。そして、折胴104が回転し続けると、折ブレード114cが咥胴105の咥え装置115cと対向して一致するとき、針装置113cが作動して内方に戻すことで、n枚数重ねられたシートSの先端部の保持を解除すると共に、折ブレード114cが作動して折胴104の周面から外方に突出することで、n枚数重ねられているシートSを折胴104の周面から下方へ引き剥がす。一方、咥胴105では、咥え装置115cが折胴104の周面から突出したシートSの中間部を咥える。その後、咥胴105の咥え装置115cがシートSにおける長手方向(搬送方向)の中間部を咥えたまま搬送することで、折帖Fが形成される。
なお、折胴104の周面に重ねられたウェブWは、図11−3に示すように、鋸胴103により所定の長さに断裁されることで、3つの束状のシートS1,S2,S3となり、このシートS1,S2,S3は、図11−4に示すように、折胴104及び咥胴105により横折されることで、束状の折帖F1,F2,F3となる。
そして、折胴104及び咥胴105により横に2つ折りされた折帖Fは、搬送コンベア106により搬送され、チョッパ折装置により縦に2つ折りされることで、図11−5に示すように、4つ折りされたブレード判の新聞が作成される。
このように実施例4の折機100にあっては、鋸胴103と折胴104と咥胴105とを設けて構成し、折胴104を巻取胴としてその周面にシートSを予め設定された所定枚数だけ重ねる重ね部を設け、折胴104にウェブWを所定枚数だけ重ねて巻き取り、鋸胴103により折胴104に重ねられたウェブWを所定の長さのシートSに断裁し、鋸胴103に断裁されて折胴104に折り畳まれたシートSを折帖Fとしている。
従って、ウェブWが折胴104に搬送されるとき、折胴104にウェブWを所定枚数だけ重ねてから鋸胴103により断裁してシートSを形成し、その後、重ねられたシートSが折胴104及び咥胴105により折り畳まれることとなり、連続して画像が印刷されたウェブWを、異なる画像が重なるように折胴104の周面に重ね、断裁してからシートSを折り畳むことで、印刷コストの低減を図ることができる。
また、実施例4の折機100では、鋸胴103を、鋸刃111a,111bがウェブWを断裁可能な断裁位置と、鋸刃111a,111bがウェブWから離間した待機位置に移動可能とし、折胴104に重ねられたウェブWの枚数が所定枚数に到達したら、鋸胴103を待機位置から断裁位置に移動可能としている。従って、鋸胴103によるウェブWの断裁動作を鋸刃111a,111bの出没によって行う必要がなくなり、構造及び制御の簡素化を可能とすることができる。
また、実施例4の新聞の作成方法にあっては、ウェブWに対して画像の幅方向がウェブWの搬送方向となるように異なる画像を連続して印刷し、このウェブWを折胴104の周面に画像が重なるように所定枚数だけ重ね、所定の位置で断裁して束状のシートSを形成し、この束状のシートSとを横折りしてから縦折りすることでブロード判の新聞を作成している。従って、ブロード判の新聞を印刷から折り畳みまで連続して行うことが可能となり、作業性の向上を図ることができる。
図12は、本発明の実施例5に係る折機の要部を表す概略構成図、図13−1及び図13−2は、実施例5の折機の作動を表す概略図、図14−1から図14−3は、実施例5の折機によるタブロイド判新聞の作成方法を表す概略図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の印刷機は、実施例4と同様に、バリアブル印刷機を用いて新聞を印刷する新聞印刷機であるが、タブロイド判の新聞を作成するものである。図12に示すように、実施例5の折機120は、インクジェット式印刷機により表面及び裏面に印刷が施されたウェブWを、所定の長さに断裁してシートSを形成してから重ね合わせ、このシートSが予め設定された枚数だけ重ね合わされたら、縦折りして所望の折帖Fを形成するものである。
実施例5にて、折機120は、実施例4の折機100(図8参照)における折胴104の下流側に断裁装置が設けられたものである。即ち、鋸胴103と折胴104が対向して配設され、折胴104に対向して咥胴105が配設されている。そして、折胴104の下流側に隣接して上搬送コンベア121と下搬送コンベア122が上下に対向して配設され、この上下の搬送コンベア121,122の基端部(折胴104)側、つまり、折胴104と下搬送コンベア122の間に紙剥しガイド123が設けられている。この紙剥しガイド123は、下搬送コンベア122のガイドローラを支点として上下に回動自在に支持されている。即ち、紙剥しガイド123は、先端部が折胴104の周面に接近することで、この折胴104に保持された束状のシートSを周面から剥す剥し位置と、先端部が折胴104の周面から離間する待機位置に移動可能となっている。
上下の搬送コンベア121,122の下流側に隣接して、断裁装置を構成する鋸胴124と鋸受胴125が上下に対向して配設されている。この鋸胴124は、2倍胴であって、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃124a,124bが設けられている。一方、鋸受胴125も、2倍胴であって、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、180度対向して鋸刃受125a,125bが設けられており、鋸刃124a,124bと鋸刃受125a,125bが互いに対向するように、その同期回転可能となっている。そのため、鋸胴124と鋸受胴125が同期回転し、鋸刃124a,124bと鋸刃受125a,125bが対向して一致するときに、束状のシートSを横裁断し、所定長さのシートSを形成することができる。
また、この鋸胴124と鋸受胴125の下流側に隣接して上搬送コンベア126と下搬送コンベア127が上下に対向して配設されている。そして、この上下の搬送コンベア126,127の下流側に隣接して図示しないチョッパ折装置が設けられている。
なお、鋸胴103、折胴104、咥胴105の構成は、上述した実施例4と同様であることから、説明は省略する。また、本実施例にて、折胴104の折ブレード114a,114b,114cと、咥胴105(咥え装置115a,115b,115c)は、機能しない。
このように構成された折機120を有する本実施例の印刷機では、印刷が施されたウェブWを、折機120により重ねてから断裁し、その後に再び裁断してから折り畳むものである。即ち、図示しないインクジェット式印刷機は、搬送されるウェブWに対して連続して異なる画像を印刷する。この場合、ウェブWには、画像の幅方向がウェブWの幅方向となるように画像が印刷されている。折機120は、印刷が施されたウェブWを鋸胴103と折胴104との間に供給し、このウェブWを折胴104の周面に重ねていき、折胴104の周面に重ねられたウェブWが予め設定された所定枚数に到達したら、ウェブWを2つの画像ごとで、且つ、所定の同じ長さに断裁する。その後、束状のシートSを鋸胴124により画像ごとで、且つ、所定の同じ長さに断裁し、チョッパ折装置により折り畳んで折帖Fを形成する。
ここで、実施例5の折機120の作動を詳細に説明する。
本実施例にて、表面及び裏面に印刷が施されたウェブWは、図14−1に示すように、画像の幅方向がウェブWの幅方向となるように異なる画像が連続して印刷されている。この場合、画像A1は、画像A1−1と画像A1−2からなり、画像B1は、画像B1−1と画像B1−2からなり、画像C1は、画像C1−1と画像C1−2からなり、画像D1は、画像D1−1と画像D1−2からなり、この画像は、図示しないが、画像E、画像Fまである。そして、画像A1と画像B1と画像C1と画像D1と画像Eと画像Fは、同じ画像である。そして、画像F1に続く画像A2は、画像A2−1と画像A2−2からなり、画像A1、画像B1、画像C1・・・画像F1と、画像A2、画像B2、画像C2・・・画像F2とは異なる画像である。そして、この画像は、画像An、画像Bn、と画像Cn・・・画像Fnまで続く。
このように表面及び裏面に印刷が施されたウェブWは、図13−1に示すように、折機120に搬送され、針装置113aが作動して先端部を突き刺して保持され、この状態で、折胴104が回転すると、ウェブWは折胴104の周面に巻き取られていく。このとき、鋸胴103は、断裁位置から待機位置へ移動する。また、ウェブWが折胴104の周面に巻き取られていくとき、残りの針装置113b,113cは作動しない。更に、紙剥しガイド123は、先端部が折胴104の周面から離間する待機位置に移動している。
そして、ウェブWが折胴104の周面に所定のn枚数より1枚少ないn−1枚数が重ねられると、針装置113b,113cが作動してウェブWを突き刺して保持する。鋸胴103は、折胴104の周面にn枚数のウェブWが重ねられる前に、待機位置から断裁位置へ移動し、所定の位置で、n−1枚数重ねられたウェブWを横裁断する。同時に、針装置113aがn枚数のウェブWを保持する。
続いて、鋸胴103及び折胴104が回転し、所定の位置で、鋸胴103がn枚数重ねられたウェブWを横裁断すると同時に、針装置113bがn枚数のウェブWを保持する。すると、折胴104の周面にて、針装置113aと針装置113bとの間で、先端部がこの針装置113aにより保持されたn枚数の束状のシートSが形成される。
折胴104が回転し続け、図13−2に示すように、針装置113aにより保持されたn枚数の束状のシートSが咥胴105との対接位置にくる前に、紙剥しガイド123は、先端部が折胴104の周面に接近する剥し位置に移動する。そして、針装置113aは、咥胴105との対接位置に至ると、n枚数重ねられたシートSの先端部の保持を解除すると、n枚数重ねられているシートSは、紙剥しガイド123により折胴104の周面から離脱し、下搬送コンベア122に送られる。
折胴104から離脱した束状のシートSは、上下の搬送コンベア121,122により搬送され、鋸胴124及び鋸受胴125により断裁され、上下の搬送コンベア126,127によりチョッパ折装置まで搬送され、このチョッパ折装置により縦折りされて折帖が形成される。
なお、折胴104の周面にn枚数重ねられたウェブWは、図14-2に示すように、画像A1〜An、画像B1〜Bn、画像C1〜Cn・・・画像F1〜Fnが重なった状態となる。そして、鋸胴103は、このウェブWを、画像Bと画像Cとの間、画像Dと画像Eとの間、画像Fと次のウェブWとの間で断裁する。そのため、折胴104から搬送された3つの束状のシートSは、シートS1に画像Aと画像Bがあり、シートS2に画像Cと画像Dがあり、シートS3に画像Eと画像Fがある。そして、鋸胴124は、このシートS1,S2,S3を、画像Aと画像Bとの間、画像Cと画像Dとの間、画像Eと画像Fとの間で断裁することで、6つの束状のシートS1〜S6が形成される。
そして、3つの束状のシートS1〜S6は、上下の搬送コンベア126,127により搬送され、チョッパ折装置により縦に2つ折りされることで、図14−3に示すように、2つ折りされたタブロイド判の新聞が作成される。
このように実施例5の折機120にあっては、鋸胴103と折胴104と鋸胴124とを設けて構成し、折胴104を巻取胴としてその周面にシートSを予め設定された所定枚数だけ重ねる重ね部を設け、折胴104にウェブWを所定枚数だけ重ねて巻き取り、鋸胴103により折胴104に重ねられたウェブWを所定の長さのシートSに断裁し、更に、鋸胴124によりこのシートSを半分の長さに断裁し、チョッパ折装置により折り畳んで折帖Fを形成している。
従って、ウェブWが折胴104に搬送されるとき、折胴104にウェブWを所定枚数だけ重ねてから鋸胴103により断裁してシートSを形成し、その後、重ねられたシートSを鋸胴124により断裁して半分の長さのシートSを形成し、チョッパ折装置により折り畳まれることとなり、連続して画像が印刷されたウェブWを、異なる画像が重なるように折胴104の周面に重ね、断裁してからシートSを折り畳むことで、印刷コストの低減を図ることができる。
また、実施例5の折機120では、実施例4で説明した折機100に鋸胴124を追加するだけで、ブロード版の半分の大きさのタブロイド判の新聞を作成することができ、新聞作成コストの低減を図ることができると共に、装置の汎用性を向上することができる。
また、実施例5の新聞の作成方法にあっては、ウェブWに対して画像の幅方向がウェブWの幅方向となるように異なる画像を連続して印刷し、このウェブWを折胴104の周面に画像が重なるように所定枚数だけ重ね、所定の位置で断裁して束状シートSを形成し、この束状のシートSを縦折りすることでタブロイド判の新聞を作成している。従って、タブロイド判の新聞を印刷から折り畳みまで連続して行うことが可能となり、作業性の向上を図ることができる。
図15は、本発明の実施例6に係る折機の要部を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6の印刷機は、実施例5と同様に、バリアブル印刷機を用いて新聞を印刷する新聞印刷機であり、タブロイド判の新聞を作成するものである。図15に示すように、実施例6の折機130は、インクジェット式印刷機により表面及び裏面に印刷が施されたウェブWを、所定の長さに断裁してシートSを形成してから重ね合わせ、このシートSが予め設定された枚数だけ重ね合わされたら、縦折りして所望の折帖Fを形成するものである。
実施例6にて、折機130は、実施例4の折機100(図8参照)における鋸胴103に更に2つの鋸刃が設けられると共に、折胴104に更に3つの針装置が設けられたものである。即ち、本実施例では、鋸胴131と折胴132が対向して配設され、折胴132に対向して咥胴105が配設されている。
この鋸胴131は、2倍胴であって、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、90度対向して鋸刃111a,111c,111b,111dが設けられている。一方、折胴132は、3倍胴であって、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、60度対向して鋸刃受112a,112d,112b,112e,112c,112fが設けられており、鋸刃111a,111c,111b,111dと鋸刃受112a,112d,112b,112e,112c,112fが互いに対向するように、その回転位相が一致している。そのため、鋸胴131と折胴132が同期回転し、鋸刃111a,111c,111b,111dと鋸刃受112a,112d,112b,112e,112c,112fが対向して一致するときに、ウェブWを横裁断することができる。
また、折胴132は、その周面に周方向に均等間隔で、つまり、60度対向して針装置(保持部)113a,113d,113b,113e,113c,113fが、鋸刃受112a,112d,112b,112e,112c,112fより折胴132の回転方向における上流側に設けられている。この針装置113a,113d,113b,113e,113c,113fは、図示しない駆動モータまたはカムにより折胴132の回転に応じて作動するものであり、所定の位置で、針を外方に突出することで、ウェブWの走行方向における先端部を保持することができ、所定の位置で、針を戻すことで、ウェブW(シートS)の先端部の保持を解除することができる。
更に、鋸胴131は、鋸刃111a,111c,111b,111dがウェブWを断裁可能な断裁位置と、鋸刃111a,111c,111b,111dがウェブWから離間した待機位置とに移動可能であり、図示しない制御部は、折胴132に重ねられたウェブWの枚数が所定枚数に到達したら、鋸胴131を待機位置から断裁位置に移動することができる。
そして、折胴132の下流側に隣接して上搬送コンベア121と下搬送コンベア122が上下に対向して配設され、この上下の搬送コンベア121,122の基端部側、つまり、折胴132と下搬送コンベア122の間に紙剥しガイド123が設けられている。この紙剥しガイド123は、先端部が折胴132の周面に接近する剥し位置と、先端部が折胴132の周面から離間する待機位置とに移動可能となっている。また、上下の搬送コンベア121,122の下流側には、上搬送コンベア126と下搬送コンベア127が上下に対向して配設されている。そして、この上下の搬送コンベア126,127の下流側に隣接して図示しないチョッパ折装置が設けられている。
このように構成された折機130を有する本実施例の印刷機では、印刷が施されたウェブWを、折機130により重ねてから断裁して折り畳むものである。即ち、図示しないインクジェット式印刷機は、搬送されるウェブWに対して連続して異なる画像を印刷する。この場合、ウェブWには、画像の幅方向がウェブWの幅方向となるように画像が印刷されている。折機130は、印刷が施されたウェブWを鋸胴131と折胴132との間に供給し、このウェブWを折胴132の周面に重ねていき、折胴132の周面に重ねられたウェブWが予め設定された所定枚数に到達したら、ウェブWを画像ごとで、且つ、所定の同じ長さに断裁する。その後、束状のシートSをチョッパ折装置により折り畳んで折帖Fを形成する。
ここで、実施例6の折機130の作動を詳細に説明する。
本実施例にて、表面及び裏面に印刷が施されたウェブWは、画像の幅方向がウェブWの幅方向となるように異なる画像が連続して印刷されている。このように表面及び裏面に印刷が施されたウェブWは、折機130に搬送され、針装置113aが作動して先端部を突き刺して保持され、この状態で、折胴132が回転すると、ウェブWは折胴132の周面に巻き取られていく。このとき、鋸胴131は、断裁位置から待機位置へ移動する。また、ウェブWが折胴132の周面に巻き取られていくとき、残りの針装置113d,113b,113e,113c,113fは作動しない。更に、紙剥しガイド123は、先端部が折胴132の周面から離間する待機位置に移動している。
そして、ウェブWが折胴132の周面に所定のn枚数より1枚少ないn−1枚数が重ねられると、針装置113d,113b,113e,113c,113fが順に作動してウェブWを突き刺して保持していく。鋸胴131は、折胴132の周面にn枚数のウェブWが重ねられる前に、待機位置から断裁位置へ移動し、所定の位置で、n−1枚数重ねられたウェブWを横裁断する。同時に、針装置113aがn枚数のウェブWを保持する。
続いて、鋸胴131及び折胴132が回転し、所定の位置で、鋸胴131がn枚数重ねられたウェブWを横裁断すると同時に、針装置113dがn枚数のウェブWを保持する。すると、折胴132の周面にて、針装置113aと針装置113dとの間で、先端部がこの針装置113aにより保持されたn枚数の束状のシートSが形成される。
折胴132が回転し続け、針装置113aにより保持されたn枚数の束状のシートSが咥胴105との対接位置にくる前に、紙剥しガイド123は、先端部が折胴132の周面に接近する剥し位置に移動する。そして、針装置113aは、咥胴105との対接位置に至ると、n枚数重ねられたシートSの先端部の保持を解除すると、n枚数重ねられているシートSは、紙剥しガイド123により折胴132の周面から離脱し、下搬送コンベア122に送られる。
折胴132から離脱した束状のシートSは、上下の搬送コンベア121,122,126,127によりチョッパ折装置まで搬送され、このチョッパ折装置により縦折りされて折帖Fが形成される。即ち、このチョッパ折装置により縦に2つ折りされることで、2つ折りされたタブロイド判の新聞が作成される。
このように実施例6の折機130にあっては、鋸胴131と折胴132とを設けて構成し、折胴132を巻取胴としてその周面にシートSを予め設定された所定枚数だけ重ねる重ね部を設け、折胴132にウェブWを所定枚数だけ重ねて巻き取り、鋸胴131により折胴132に重ねられたウェブWを所定の長さのシートSに断裁し、チョッパ折装置により折り畳んで折帖Fを形成している。
従って、ウェブWが折胴132に搬送されるとき、折胴132にウェブWを所定枚数だけ重ねてから鋸胴131により断裁してシートSを形成し、その後、重ねられたシートSがチョッパ折装置により折り畳まれることとなり、連続して画像が印刷されたウェブWを、異なる画像が重なるように折胴132の周面に重ね、断裁してからシートSを折り畳むことで、印刷コストの低減を図ることができる。
また、実施例6の折機130では、実施例4で説明した折機100にて、鋸胴103に所定数の鋸刃111c,111dを追加し、また、折胴104に所定数の鋸刃受112d,112e,112f、針装置113d,113e,113fを追加するだけで、ブロード版の半分の大きさのタブロイド判の新聞を作成することができ、新聞作成コストの低減を図ることができると共に、装置の汎用性を向上することができる。
また、実施例6の新聞の作成方法にあっては、ウェブWに対して画像の幅方向がウェブWの幅方向となるように異なる画像を連続して印刷し、このウェブWを折胴132の周面に画像が重なるように所定枚数だけ重ね、所定の位置で断裁して束状のシートSを形成し、この束状のシートSを縦折りすることでタブロイド判の新聞を作成している。従って、タブロイド判の新聞を印刷から折り畳みまで連続して行うことが可能となり、作業性の向上を図ることができる。
なお、上述した各実施例では、本発明の巻取胴を折胴とし、断裁装置を鋸胴としたが、この構成に限定されるものではない。即ち、巻取胴として折胴と別の胴を設けてもよく、断裁装置としてウェブの幅よりやや広い幅の断裁刃を移動可能に設けてもよい。更に、本発明の折畳装置として、折込ローラ、折胴及び咥え装置、チョッパ折装置を組み合わせて用いたが、この組み合わせに限るものではない。
また、上述した各実施例では、巻取胴(折胴)に重ねられたシートまたはウェブの枚数を検出する重ね枚数検出部(ロータリエンコーダ)を設け、制御部は、巻取胴に重ねられたシートの枚数が所定枚数に到達したら、保持した複数のシートを解除して折り畳むように構成している。この場合、保持部は、針装置に限らず、例えば、グリッパなどであってもよく、重ね枚数検出部は、ロータリエンコーダに限らず、巻取胴(折胴)の回転数を数えるカウンタ、巻取胴(折胴)の周面に重ねられたシートやウェブの枚数を数えるカウンタなどであってもよい。