以下に添付図面を参照して、本発明に係るシート折り畳み装置及び方法と印刷機の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図8は、第1実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図である。
第1実施形態の印刷機は、図8に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機10であって、給紙装置Rと、インフィード装置Iと、印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、折機Fとから構成されている。給紙装置Rは、複数(実施形態1では、7台)の給紙ユニットR1〜R7を有し、インフィード装置Iは、複数(実施形態1では、7台)のインフィードユニットI1〜I7を有し、印刷装置Uは、複数(実施形態1では、6台)の印刷ユニットU1〜U6を有し、ウェブパス装置Dは、複数(実施形態1では、2台)のウェブパスユニットD1,D2を有し、折機Fは、複数(実施形態1では、2個)の折ユニットF1,F2を有している。
この場合、印刷ユニットU1〜U6を6台として説明したが、各印刷ユニットU1〜U6は、4色刷りが可能であると共に、上下に分割して12台の2色刷りが可能な印刷ユニットU11,U12,U21・・・U61,U62として用いることができる。
また、2つの折ユニットF1,F2を上下に並べて記載したが、実際には、紙面に直交する方向に並んで配置される操作側折ユニットF1と駆動側折ユニットF2となっている。更に、印刷装置Uを2つの部分から記載したが、機能上2つに分けて記載しただけであり、実際には、1つの装置となっている。
そして、第1実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機10では、図示しない建屋の1階の床面上に給紙ユニットR1〜R7が設置され、2階にインフィードユニットI1〜I7が設置され、2階及び3階に印刷ユニットU1〜U6が設置され、3階から5階にウェブパス装置Dが設置され、また、2階、3階に折機Fが設置されている。
給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1〜R7は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アーム11を有し、この保持アーム11を回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。また、この各給紙ユニットR1〜R7には、図示しない紙継装置が設けられており、給紙位置で繰り出されている巻取紙が残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙に対して、待機位置にある巻取紙を紙継することができる。
インフィード装置Iにおいて、インフィードユニットI1〜I7は、ほぼ同様の構成をなし、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に送り込むウェブWのテンションを調整することで、印刷装置Uを走行するウェブWのテンションを適正値に安定して維持するようにしている。例えば、各インフィードユニットI1〜I7は、インフィードローラ、紙押えゴムローラ、ダンサローラ、ガイドローラなどを有している。そして、ダンサローラをウェブWの張り方向に付勢することでウェブWのテンションを適正し、このダンサローラの揺動に応じてインフィードローラの周速を変更し、ウェブWの適正なテンションを維持している。
なお、給紙装置Rからインフィード装置IまでのウェブWのテンションは、給紙ユニットR1〜R7に設けられた図示しないブレーキ装置により行っており、給紙装置Rに設けられたテンション検出ローラ(図示略)の検出結果に基づいて、このブレーキ装置を制御している。また、印刷装置Uの下流側には、駆動源により駆動回転可能なドラグローラ12が設けられており、このドラグローラ12の周速やダンサローラの付勢力を制御することで、ウェブWのテンションを調整している。
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1〜U6は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1〜U6は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11〜U62とすることができる。各印刷ユニットU11〜U62は、ほぼ同様の構成をなし、後述するが、インキ供給装置、版胴、ブランケット胴などを有している。版胴は、周面に軸方向(ウェブWの幅方向)に沿って4つの刷版が着脱自在となっている。
なお、第1実施形態では、印刷ユニットU1〜U6を、全て多色刷印刷ユニットにより構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、両面2色刷印刷ユニット、両面単色刷印刷ユニット、一面4色または単色刷印刷ユニットなど、印刷物に応じて適宜各種ユニットを組み合わせて使用すればよい。
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1〜U3に対して設けられ、ウェブパスユニットD2は、印刷ユニットU4〜U6に対して設けられている。各ウェブパスユニットD1,D2は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWを縦(ウェブWの天地長手方向、ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したウェブWの搬送経路を設定するターンバー、ウェブWにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータなどを有している。
従って、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
折機Fにて、2つの折ユニットF1,F2は、操作側と駆動側に配設されている。従って、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブW1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブW2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。この場合、折機Fでは、折ユニットF1,F2が各ウェブパスユニットD1,D2からのウェブW1,W2を処理するだけでなく、各折ユニットF1,F2の一方がまとめて処理することもできる。
そのため、給紙装置Rの各給紙ユニットR1〜R7からそれぞれ供給された各ウェブWは、インフィード装置Iの各インフィードユニットI1〜I7によりテンションが調整され、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に供給される。この印刷装置Uにおける各印刷ユニットU1〜U6にて、各ウェブWの両面に印刷が施される。そして、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
その後、折機Fでは、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブW1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙する。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブW2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙する。
ここで、シート折り畳み装置としての折機Fの折ユニットF1(F2)について詳細に説明する。図1は、第1実施形態に係るシート折り畳み装置を表す概略図、図2は、シート折り畳み装置における第1折り畳み部を表す概略図、図3は、折込ローラの斜視図、図4は、第1折り畳み部の作動を表す概略図、図5は、シート折り畳み装置における第2折り畳み部を表す概略図、図6は、第2折り畳み部の平面図である。
折機Fの折ユニットF1は、図1に示すように、第1折り畳み部F11と、第2折り畳み部F12とを有している。第1折り畳み部F11は、シート束を一対の折込ローラにより挟持して所定の位置、つまり、長手方向の中間位置で半分に折ることで折帖を形成するものである。第2折り畳み部F12は、第1折り畳み部F11で形成された折帖における折り目を第1押え板により押圧するものである。なお、図示しないが、折ユニットF2も、第1折り畳み部と第2折り畳み部とを有している。
第1折り畳み部F11において、最上部に、上述したウェブパスユニットD1で所定の順番に重ねられたウェブWを下方に搬入するドラグローラ21が設けられると共に、ウェブWを縦折りする三角板22が設けられている。三角板22の下方に、ウェブWを保持して搬送する折胴23と、縦折りされたウェブWを横裁断してシートSの束を形成する鋸胴24が対向して配設されている。そして、三角板22と折胴23及び鋸胴24との間に、一対のリードインローラ25、一対のニッピングローラ26、ガイドローラ27、一対のニッピングローラ28が設けられている。
折胴23は、図2に示すように、その周面に180度対向して針装置29が設けられている。この各針装置29は、ほぼ同様の構成をなし、折胴23の軸方向に沿って設けられた針軸30と、基端部がこの針軸30に固定される針アーム31と、この針アーム31の先端部に固定された針32とを有している。この針装置29は、折胴23の回転に連動して作動するものであり、折胴23における所定の回転位置で、針アーム31を介して針32を外方に突出し、ウェブWの走行方向における先端部を保持することができ、折胴23における所定の位置で、針アーム31を介して針32を戻し、ウェブWの先端部の保持を解除することができる。
また、折胴23は、その周面に180度対向して針装置29とほぼ同じ位置に鋸刃受33が設けられており、この鋸刃受33は、一般に、ゴム等の弾性体により構成されている。一方、鋸胴24は、その周面に180度対向して鋸刃34が鋸台35に支持されて設けられている。この場合、折胴23と鋸胴24は、同じ周速で同期回転することで、一定周期で鋸刃34と鋸刃受33が互いに対向するように、その回転位相が一致されている。そのため、折胴23と鋸胴24が同期回転し、鋸刃34と鋸刃受33が対向して一致するときに、この鋸刃34によりウェブWを横裁断してシートSを形成することができる。
更に、折胴23は、その周面に180度対向して折ブレード36が折軸37に支持されて設けられており、折ブレード36は、針装置29とほぼ90度位相がずれて位置している。この折ブレード36は、後述するが、櫛刃形状をなすように構成され、先端部がガイドプレート38から外方に突出可能となっている。そして、折ブレード36は、折軸37により折胴23と同期して逆方向に回転可能であり、所定の位置で、折ブレード36の先端部が折胴23(ガイドプレート38)の周面から外方に突出することで、鋸刃34により裁断されたシートSを折胴23の周面から引き剥がすことができる。
なお、折胴23は、2つの針装置29、鋸刃受33、折ブレード36を有し、鋸胴24は、2つの鋸刃34を有しているが、折胴23及び鋸胴24の外径に応じて、それぞれ1つまたは3つ以上設けていてもよいものである。
折胴23は、下方に一対の折込ローラ39a,39bが折胴23と同期回転可能に設けられており、折胴23の下方で各折込ローラ39a,39bの両側に一対の紙ガイド40が設けられている。この一対の折込ローラ39a,39bは、折ブレード36により折胴23の周面から引き剥がされたシートSを挟持することで横折して折り目Aaをつけて折帖Aを形成することができる。このとき、一対の紙ガイド40は、折帖A(ウェブW)をガイドする。
折込ローラ39a,39bは、図1に示すように、下方に羽根車41が設けられると共に、この羽根車41の下方に排紙コンベア42が設けられている。羽根車41は、周方向に複数の羽根43を有しており、折込ローラ39a,39bに同期して回転することで、一対の折込ローラ39a,39bにより形成された折帖Aを各羽根43により順次受取って排紙コンベア42上に受け渡すことができる。
そのため、図1及び図2に示すように、折ユニットF1に搬送されたウェブWは、ドラグローラ21により搬送され、三角板22により縦折りが施された後、リードインローラ25、ニッピングローラ26、ガイドローラ27、ニッピングローラ28により折胴23に送られる。
縦折りされたウェブWが折胴23に至ると、折胴23における所定の位置で、針装置29が作動して針32を外方に突出することで、ウェブWの先端部を突き刺して保持する。この状態で、折胴23が回転し続けると、ウェブWは折胴23の周面に巻き付けられて保持される。そして、折胴23における所定の位置で、鋸刃34と鋸刃受33が対向して一致すると、この鋸刃34によりウェブWが横裁断されてシートSが形成される。続いて、針装置29が作動して針32を戻すことで、シートSの先端部の保持を解除すると同時に、折ブレード36が回動して先端部が折胴23の周面から外方に突出し、シートSを折胴23の周面から引き剥がす。
すると、折胴23の周面から突出したシートSは、長手方向における中間部が折られて折り目Aaが形成され、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持されることで、横折されて折帖Aが形成される。そして、この折込ローラ39a,39bにより形成された折帖Aは、羽根車41の各羽根43により順次受け取られ、排紙コンベア42上に受け渡されて排紙される。
この場合、折機F(折ユニットF1,F2)は、セクション折りが可能となっている。即ち、印刷済のウェブWを縦折りすることで移送方向における一側部が袋状をなして他側部がペラ状をなす第1縦折り状ウェブWを形成する一方、印刷済のウェブWを縦折りすることで移送方向における一側部が袋状をなして他側部がペラ状をなす第2縦折り状ウェブWaを形成し、回転可能な折胴23の周面に第1縦折り状ウェブWと第2縦折り状ウェブWaを重ねて縦折り状ウェブ束を形成し、縦折り状ウェブ束を所定の長さに裁断して縦折り状シートSの束を形成し、折ブレード36が折胴23の外周面から突出することで縦折り状シートSを折胴23の周面から引き剥がし、折ブレード36により折胴23の周面から引き剥がされた縦折り状シートSを一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して横折りすることで折帖Aを形成する。
特に、折機Fによりセクション折りを行うとき、第1縦折り状ウェブWに対してその内側に位置する第2縦折り状ウェブWaの枚数が少ないと、第1縦折り状ウェブWに対して第2縦折り状ウェブWaの剛性が低い。そのため、折ブレード36によりウェブW,Waを折胴23の表面から引きはがして折込ローラ39a,39bに案内するとき、この剛性の違いから第1縦折り状ウェブWと第2縦折り状ウェブWaの挙動が異なり、第2縦折り状ウェブWaが折胴23の外周面と第1縦折り状ウェブWとの間の空間部にずれてしわが発生しやすくなる。
そのため、図3に示すように、一対の折込ローラ39a,39bは、軸方向における一端側の外周面に折胴23の外周面との距離を大きくすることで、折帖Aの移送方向の後端部のばたつきを抑制する第1切欠部51a,51bが形成されると共に、他端側の外周面に第2切欠部52a,52bが形成されている。この場合、折込ローラ39a,39bは、折帖Aの袋側に第1切欠部51a,51bが位置し、折帖Aのペラ側に第2切欠部52a,52bが位置する。この各切欠部51a,51b,52a,52bは、外周面における周方向の一部を削除して平坦面を形成した形状となっている。
また、折込ローラ39a,39bは、折帖Aの袋側に位置する第1切欠部51a,51bに、折込ローラ39a,39bの外周面より径方向の中心側に位置して外側に湾曲する第1湾曲部53a,53bが形成される一方、折帖Aのペラ側に位置する第2切欠部52a,52bに、折込ローラ39a,39bの外周面より径方向の中心側に位置して外側に湾曲する第2湾曲部54a,54bが形成されている。
また、折胴23の回転方向の上流側に位置する折込ローラ39aは、外周面に第3切欠部55が設けられている。即ち、折込ローラ39aは、軸方向における一端側、つまり、折帖Aの袋側の外周面における周方向の一部を削除して第3切欠部55が設けられている。この第3切欠部55は、第1切欠部51aより折込ローラ39aの回転方向の下流側に連続して形成されており、周方向に同じ深さを有している。
そのため、図2及び図4に示すように、複数重ねられて縦折りされたウェブWが折胴23に至ると、針装置29がウェブWの先端部を保持し、鋸刃34がウェブWを横裁断してシートSを形成する。このとき、針装置29によるシートSの保持が解除された後、折胴23の回転方向(図2にて、反時計周り方向)と逆方向(図2にて、時計周り方向)に回転する折ブレード36の先端部が、折胴23の周面から外方に突出しはじめ、折ブレード36の先端部がシートSの内面に接触して折胴23の外方に引き剥がす。
このとき、折ブレード36は、先端がシートSにおける長手方向の中間位置を下方、つまり、一対の折込ローラ39a,39bの間に突き出して横折り作業を開始する。そして、折胴23及び折ブレード36が更に回転すると、この折ブレード36がシートSにおける長手方向の中間位置を押圧しながら支持するため、折ブレード36により押圧されたウェブWの袋側の端部の一部が第3切欠部55内に入り込む。そのため、シートSは、折ブレード36と折込ローラ39aとの間の空間部にずれることはなく、シートSにおけるしわの発生が防止される。特に、セクション折りの場合、剛性の異なる本紙と別セクション紙の挙動不一致を防止するため、別セクション紙の袋側は、別セクション紙のペラ側に比べて剛性が高いことから、このシートSにおける袋側のしわの発生が防止される。
その後、折胴23及び折ブレード36が更に回転すると、折ブレード36の先端部がウェブWを更に突き出し、一対の折込ローラ39a,39bは、折胴23の周面から突出したシートSの中間部を挟持して折り目Aaを形成する。そして、シートSは、折胴23及び折ブレード36から離脱し、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持されながら織り込まれることで、横折りが完了して折帖Aが形成される。
一方、第2折り畳み部F12において、図1、図5及び図6に示すように、羽根車41は、外周部に複数の羽根43が固定された回転体44がフレーム45に回転自在に支持されて構成されている。羽根車41は、図示しない駆動装置により、図5にて時計回り方向に回転することができる。ここで、フレーム45とは、折機フレーム、羽根車フレーム、コンベアフレームなどのいずれかであり、印刷機構成により呼称は相違するが、印刷機またはその周辺部材を構成する固定部(非作動部材)である。
排紙コンベア42は、羽根車41の下方に配置されており、第1折り畳み部F11で形成され、羽根車41から落下した折帖Aを受け取って順次搬送することができる。排紙コンベア42は、駆動装置61により駆動回転する駆動軸(搬送軸)62と、複数の従動軸(搬送軸)63,64,65が設けられている。そして、従動軸63の搬送ローラと駆動軸62の搬送ローラとの間に無端の第1搬送ベルト66が掛け回され、駆動軸62の搬送ローラと従動軸64の搬送ローラとの間に無端の第2搬送ベルト67が掛け回され、従動軸64の搬送ローラと従動軸65の搬送ローラとの間に無端の第3搬送ベルト68が掛け回されている。各搬送ベルト66,67,68は、折帖Aの幅方向に所定間隔で複数配置されると共に、折帖Aの幅方向にずれて配置されている。また、各搬送ベルト66,67,68に対してテンションローラ69,70,71,72が設けられている。
そのため、駆動装置61により駆動軸62を駆動回転すると、各従動軸63,64,65に支持された各搬送ベルト66,67,68が、図5にて反時計回り方向に回転し、羽根車41から落下した折帖Aを所定量だけ重なった状態で、図5にて左方へ搬送することができる。
また、排紙コンベア42は、搬送する折帖Aにおける折り目Aaを押圧する第1押え板81が設けられている。第1押え板81は、所定幅を有すると共に、所定長さを有しており、ばね鋼により形成される弾性部材である。なお、第1押え板81をばね鋼により形成したが、材料はこれに限定されるものではない。例えば、第1押え板81の材料として、他の鋼材や合成樹脂材など撓みが発生する弾性部材であれば、いずれの材料であってもよい。この第1押え板81は、排紙コンベア42の上方にて、羽根車41側から排紙コンベア42による折帖Aの搬送方向の下流側に向けて延出されており、折込ローラ39aの第3切欠部55に対応して、折帖Aの幅方向の一側部に設けられている。即ち、第1押え板81は、折帖Aにおける折り目Aaを押圧することができる幅を有すると共に、従動軸65の上方まで延出する長さを有している。
第1押え板81は、基端部81aが羽根車41のフレーム45に固定され、先端部81bが排紙コンベア42における折帖Aの搬送方向の下流側に延出されている。第1押え板81は、基端部81aに切欠部82が形成されている。一方、フレーム45は、上下方向に沿うねじ軸83が固定されており、このねじ軸83にレバー84を有する締結部85が螺合している。そのため、第1押え板81は、基端部81aの切欠部82をフレーム45のねじ軸83に嵌合し、レバー84により締結部85を正転すると、締結部85とフレーム45との間に挟持されて締結される。この場合、第1押え板81は、基端部81aが排紙コンベア42の搬送面から上方に離間し、先端部81bが排紙コンベア42の搬送面を押圧する。ここで、第1押え板81は、従動軸64,65の上方に対向して配置されている。
なお、ここで、第1押え板81は、基端部81aを羽根車41のフレーム45に固定しているが、基端部81aが排紙コンベア42の搬送面から上方に離間し、先端部81bが排紙コンベア42の搬送面を押圧する位置関係にあれば、第1押え板81の基端部81aが固定される場所は、この位置に限定されるものではない。即ち、第1押え板81は、印刷機またはその周辺部材を構成する固定部(非作動部材)に支持すればよいものである。
また、排紙コンベア42は、搬送する折帖Aにおける幅方向の中間部を押える第2押え板86が設けられている。第2押え板86は、所定幅を有すると共に、所定長さを有しており、ばね鋼により形成される弾性部材である。なお、第2押え板96をばね鋼により形成したが、第1押え板81と同様に、材料はこれに限定されるものではない。例えば、第1押え板81の材料として、他の鋼材や合成樹脂材など撓みが発生する弾性部材であれば、いずれの材料であってもよい。この第2押え板86は、排紙コンベア42の上方にて、羽根車41側から排紙コンベア42による折帖Aの搬送方向の下流側に向けて延出されており、折帖Aの幅方向の中間部に設けられている。なお、この第2押え板86は、第1押え板81とほぼ同様であることから、詳細な説明は省略する。
そのため、折込ローラ39a,39bにより形成された折帖Aは、羽根車41により順次排紙コンベア42上に落下し、搬送方向における前部後部が重なるように整列され、この排紙コンベア42上を搬送される。このとき、第1押え板81は、折帖Aの袋側を押圧し、第2押え板86は、折帖Aにおける幅方向の中間部を押える。折帖Aは、第2押え板86によりずれを防止することができ、第1押え板81により折り目Aaを適正に形成することができる。
ここで、第1実施形態のシート折り畳み装置によるシート折り畳み方法について説明する。シート折り畳み方法は、シートSを一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して所定の位置で折ることで折帖Aを形成する工程と、折帖Aを所定長さだけ重ねて搬送する搬送工程と、搬送される折帖Aにおける折り目Aaを押圧する工程とを有している。
即ち、まず、図2及び図4に示すように、第1折り畳み部F11にて、印刷されて所定枚数重ねられたウェブWは、三角板22により縦折りが施された後に折胴23に送られる。縦折りされたウェブWは、折胴23の針装置29により先端部が保持され、折胴23の周面に巻き付けられて保持される。ウェブWは、所定の位置で鋸刃34により横裁断されてシートSとなり、針装置29により保持が解除されると同時に、折ブレード36が外方に突出して引き剥がされる。すると、シートSは、長手方向における中間部が折られて折り目Aaが形成され、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持されることで、横折されて折帖Aが形成される。
このとき、シートSは、袋側の端部の一部が第3切欠部55内に入り込むことで、袋側の端部の一部に作用する一対の折込ローラ39a,39bからの押圧力が減少し、このシートSにおける袋側のしわの発生が防止される。そして、この折込ローラ39a,39bにより形成された折帖Aは、羽根車41の各羽根43により順次受け取られ、排紙コンベア42上に受け渡されて排紙される。
次に、図5及び図6に示すように、第2折り畳み部F12にて、排紙コンベア42上で搬送される折帖Aは、第1押え板81により折り目Aaが押圧されることで、折り目Aaが適正に形成される。即ち、シートSは、折込ローラ39a,39bで挟持されて折帖Aとなるとき、袋側のしわの発生を防止するため、袋側の端部の一部が第3切欠部55内に入り込むことで、折込ローラ39a,39bから受ける押圧力が減少する。そのため、折帖Aは、袋側の端部の一部の折り目Aaが不十分となる。そこで、この折帖Aに対して、第1押え板81が再度折り目Aaの袋側を押圧することで、適正な折り目Aaを形成する。
以下、第1押え板81により折帖Aに形成された折り目Aaの位置について、詳細に説明する。図7−1は、折込ローラ通過前の折帖を表す概略図、図7−2は、折込ローラ通過後の折帖を表す概略図である。なお、図7−1及び図7−2は折帖Aの一例である。
図7−1に示すように、折胴23の周面に支持されて折込ローラ39a,39bを通過する前の折帖Aは、所定の大きさを有し、長手方向(折胴23の周方向であって、図7−1の上下方向)における中間位置が折り目Aaの位置となっている。ここで、折帖Aは、袋側B、ペラ側Pとなっている。そして、図7−2に示すように、折帖Aが折胴23の周面から離間して折込ローラ39a,39bにより挟持されると、折り目Aaの位置で折り畳まれて所定の大きさとなる。ここで、折帖Aは、袋側Bでのしわの発生を防止するため、一部が折込ローラ39aの第3切欠部55内に入り込むことで、押圧力が減少する。即ち、折帖Aは、袋側Bにおける領域Baでの折りが不十分となる。そのため、その後、第1押え板81が袋側Bを押圧することで、折が不自由分であった袋側Bの折り目Aaが適正に形成される。
このように第1実施形態のシート折り畳み装置にあっては、シートSを一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して所定の位置で折ることで折帖Aを形成する第1折り畳み部F11と、第1折り畳み部F11で形成された折帖Aにおける折り目Aaを第1押え板81により押圧する第2折り畳み部F12とを設けている。
従って、第1折り畳み部F11は、シートSを一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して所定の位置で折ることで折帖Aを形成し、第2折り畳み部F12は、この折帖Aにおける折り目Aaを第1押え板81により押圧する。即ち、シートSを所定の位置で半分に折って折帖Aを形成するとき、まず、折込ローラ39a,39bにより通常より小さい挟持力でシートSを折り、次に、第1押え板81により折り目Aaに押圧力を作用して完全に折る。そのため、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して折帖Aを形成するとき、しわの発生や裏写りの発生を抑制することができ、また、第1押え板81により折り目を押圧するため、適正な折り目Aaを有する折帖Aを形成することができる。その結果、シートSの形態に拘わらずしわの発生を抑制することができると共に適正な折り目Aaを形成することができる。
第1実施形態のシート折り畳み装置では、第1折り畳み部F11は、縦折りすることで移送方向における一側部が袋状をなして他側部がペラ状をなすウェブWを保持して回転可能な折胴23と、折胴23に協働してウェブWを所定の長さに裁断してシートSを形成する鋸胴24と、折胴23の外周面から突出することでシートSを折胴23の周面から引き剥がす折ブレード36とを有し、一対の折込ローラ39a,39bは、折ブレード36により折胴23の周面から引き剥がされたシートSを挟持して折帖Aを形成する。従って、シートSから適正に折帖Aを形成することができる。
この場合、一方の折込ローラ39aは、軸方向の一端部の外周面に周方向に沿って第3切欠部55が設けられる一方、第1押え板81は、第3切欠部55に対応する折帖Aの幅方向の一側部に設けられている。従って、シートSが縦折されてから一対の折込ローラ39a,39bに挟持されて横折されるとき、シートの袋側が第3切欠部55内に入り込むことから、剛性が高いシートSの袋側におけるしわの発生を効果的に防止することができる。その後、折りが不十分だった折帖Aの袋側の折り目Aaが第1押え板81により押圧されることで、シートSは、全体として十分な押圧力が作用し、高品質な折帖Aを形成することができる。特に、シートSの重ね枚数が少ないときは、折帖Aの袋側の折り目Aaに対する挟持圧が不足することから、このとき、第1押え板81を使用することで、効果的にシートSの全体として十分な押圧力が確保し、高品質な折帖Aを形成することができる。
第1実施形態のシート折り畳み装置では、第1押え板81を弾性部材としている。従って、第1押え板81を弾性部材とすることで、この第1押え板81が適正な弾性力をもって折帖Aの折り目Aaを押圧することができ、折帖Aの品質を向上することができる。
第1実施形態のシート折り畳み装置では、第2折り畳み部F12は、第1折り畳み部F11で形成された折帖Aを順次搬送する排紙コンベア42を有し、第1押え板81は、基端部81aがフレーム45に固定され、先端部81bが排紙コンベア42における折帖Aの搬送方向の下流側に延出して折り目Aaを押圧する。従って、第1押え板81は、排紙コンベア42により搬送される折帖Aの折り目Aaを押圧することとなり、折帖Aがずれることなく適正な折り目を形成することができる。
第1実施形態のシート折り畳み装置では、第1押え板81は、基端部81aが排紙コンベア42の搬送面から離間し、先端部81bが排紙コンベア42の搬送面を押圧する。従って、第1押え板81の先端部81b側に向かって折帖Aの折り目Aaへの押圧力が大きくなることで、第1押え板81は、折帖Aの折り目Aaを徐々に押圧することとなり、しわの発生を抑制することができ、また、適正な折り目Aaを形成することができる。即ち、折帖Aの折り目Aaに対して、短時間で大きな押圧力を作用させると、第1押え板81と折帖Aとの接触圧が大きくなり、折帖Aに擦り傷が発生したり、インキの裏写りが発生したりする。一方、折帖Aの折り目Aaに対して、長時間にわたって小きな押圧力を作用させると、第1押え板81と折帖Aとの接触圧が小さくなり、折帖Aの擦り傷やインキの裏写りが抑制され、且つ、適正な折り目Aaを形成することができる。
第1実施形態のシート折り畳み装置では、排紙コンベア42は、折帖Aの搬送方向に所定距離だけ離間して駆動回転可能に設けられる複数の駆動軸62及び従動軸63,64,65と、各軸62,63,64,65に掛け回される無端の搬送ベルト66,67,68とを有し、第1押え板81を複数の従動軸64,65の上方に対向して配置している。従って、第1押え板81が複数の従動軸64,65の上方に対向して配置されることで、折帖Aが第1押え板81と従動軸64,65の間を通過するとき、折帖Aの折り目Aaを適正に押圧することとなり、適正な折り目Aaを形成することができる。
第1実施形態のシート折り畳み装置では、第2折り畳み部F12は、第1折り畳み部F11で形成された折帖Aにおける幅方向の中間部を押える第2押え板86が設けられている。従って、折帖Aは、第1押え板81により折り目Aaが押圧されるとき、第2押え板86により折帖Aにおける幅方向の中間部が押えられることで、折帖Aのずれを防止しながら、適正に折帖Aの折り目Aaを形成することができる。
また、第1実施形態のシート折り畳み方法にあっては、シートSを一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して所定の位置で折ることで折帖Aを形成する工程と、折帖Aを所定長さだけ重ねて搬送する搬送工程と、搬送される折帖Aにおける折り目Aaを押圧する工程とを有している。一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して折帖Aを形成するとき、しわの発生や裏写りの発生を抑制することができ、また、第1押え板81により折り目Aaを押圧するため、適正な折り目Aaを有する折帖Aを形成することができる。その結果、シートSの形態に拘わらずしわの発生を抑制することができると共に適正な折り目Aaを形成することができる。
また、第1実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機にあっては、ウェブWを供給する給紙装置Rと、給紙装置Rから供給されたウェブWに印刷を行う印刷装置Uと、印刷済のウェブWを所定の長さに裁断して横折りすることで折帖Aを形成する折機Fと設け、折機Fは、上述したシート折り畳み装置を有している。従って、シートSの形態に拘わらずしわの発生を抑制することができると共に適正な折り目Aaを形成することができ、その結果、製品品質を向上することができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態に係るシート折り畳み装置における第1折り畳み部を表す概略図、図10は、シート折り畳み装置における第2折り畳み部を表す平面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態において、折機Fは、図9及び図10に示すように、第1折り畳み部F31と、第2折り畳み部F32とを有している。第1折り畳み部F31は、シート束を一対の折込ローラ39a,39bにより挟持して所定の位置で半分に折ることで折帖Aを形成するものである。第2折り畳み部F32は、第1折り畳み部F31で形成された折帖Aにおける折り目Aaを第1押え板91により押圧するものである。
第1折り畳み部F31において、第1実施形態と同様に、図示しない、三角板、折胴と、鋸胴を有すると共に、一対の折込ローラ39a,39bを有している。但し、折込ローラ39aは、第3切欠部55が設けられていない。
一方、第2折り畳み部F32において、排紙コンベア42は、搬送する折帖Aにおける折り目Aaを押圧する第1押え板91が設けられている。第1押え板91は、所定幅を有すると共に、所定長さを有しており、ばね鋼により形成される弾性部材である。この第1押え板91は、排紙コンベア42の上方にて、羽根車41側から排紙コンベア42による折帖Aの搬送方向の下流側に向けて延出されており、折帖Aの幅方向における全域に設けられている。即ち、第1押え板91は、折帖Aの全域に対して押圧することができる幅を有すると共に、従動軸65の上方まで延出する長さを有している。
第1押え板91は、基端部91aが羽根車41のフレーム45に固定され、先端部91bが排紙コンベア42における折帖Aの搬送方向の下流側に延出されている。なお、この第1押え板91は、取付け方が第1実施形態の第1押え板81と同様であることから、説明は省略する。
そのため、まず、第1折り畳み部F31にて、ウェブWは、三角板により縦折りが施された後に折胴23に送られる。縦折りされたウェブWは、折胴23の針装置により先端部が保持され、折胴23の周面に巻き付けられて保持される。ウェブWは、所定の位置で鋸刃により横裁断されてシートSとなり、針装置29により保持が解除されると同時に、折ブレード36が外方に突出して引き剥がされる。すると、シートSは、長手方向における中間部が折られて折り目Aaが形成され、一対の折込ローラ39a,39bにより挟持されることで、横折されて折帖Aが形成される。
例えば、一対の折込ローラ39a,39bによりシートSの挟持圧は、シートSの重ね枚数に応じて設定されている。ここでは、所定枚数以下のシートSに対して規定値を設定し、所定枚数を超えたシートSに対して規定値よりも小さい値を設定する。なお、所定枚数を超えたシートSに対して規定値を設定し、所定枚数以下のシートSに対して規定値よりも大きい値を設定してもよい。
このとき、シートSは、一対の折込ローラ39a,39bによる挟持圧が小さいことで、折り目Aaに作用する一対の折込ローラ39a,39bからの押圧力が減少し、このシートSにおける袋側のしわの発生が防止される。そして、この折込ローラ39a,39bにより形成された折帖Aは、羽根車41により順次受け取られ、排紙コンベア42上に受け渡されて排紙される。
次に、第2折り畳み部F32にて、排紙コンベア42上で搬送される折帖Aは、第1押え板91により折り目Aaが押圧されることで、折り目Aaが適正に形成される。即ち、シートSは、折込ローラ39a,39bで挟持されて折帖Aとなるとき、袋側のしわの発生を防止するため、幅方向の全域にわたって折込ローラ39a,39bから受ける押圧力が減少する。そのため、折帖Aは、折り目Aaが不十分となる。そこで、この折帖Aに対して、第1押え板91が再度折り目Aaを押圧することで、適正な折り目Aaを形成する。
このように第2実施形態のシート折り畳み装置にあっては、第1押え板91は、折帖Aの幅方向における全域に設けられている。従って、折込ローラ39aに切欠部がなく、第1押え板91が折帖Aの全域にあることから適正に折帖Aの折り目Aaを形成することができる。
第2実施形態のシート折り畳み装置では、一対の折込ローラ39a,39bは、シートSの挟持圧が予め設定された規定値よりも小さい値に設定されている。従って、シートSに対して2回にかけて折り目Aaに押圧力を作用して折帖Aを形成するため、シートSは、全体として十分な押圧力が作用し、高品質な折帖Aを形成することができる。