JP5367401B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、コンパクトで特に間口が狭く留められた冷却貯蔵庫を提供するところにある。
上記構成によれば、貯蔵庫本体内の奥面隅部のスペースを利用して冷却ダクトを配設したのであるから、冷却ダクトを設けるに当たって庫内にデッドスペースができ難い。また例えば2個の飲料容器を収納するに当たって、庫内の奥側における冷却ダクトの側方と、庫内の手前側における冷却ダクトの前方位置とに斜めに並べて収納することができ、その分間口を狭くすることができる。そのため、コンパクトで特に間口が狭く留められた冷却貯蔵庫が製造できる。
(1)前記冷却ダクトは、前記貯蔵庫本体の奥面隅部のほぼ全高を覆ってパネルを張ることにより形成され、前記パネルの下部位置には庫内空気の吸込口が、上部位置には冷気の吹出口がそれぞれ設けられて、この吹出口の裏側には前記ファンが装備され、かつこのファンは、その回転中心軸が、前記貯蔵庫本体内に貯蔵された飲料容器の上端を指向して設けられている。
ファンの下半分の領域から吹き出された冷気は、飲料容器の手前側の面に直接に吹き付けられ、上半分の領域から吹き出された冷気は、飲料容器の上方から反対側の面に回り込む。飲料容器と効率良く熱交換される。
庫内のスペースを有効利用して庫内にガスボンベを設置することができる。
小飲料容器を適用する場合は、ホルダは扉の裏面である第1位置に取り付けられ、大飲料容器を適用する場合は、ホルダは本体箱の奥面である第2位置に取り付けられる。ホルダが予め装備されていても、小飲料容器を貯蔵庫本体内に出し入れする際には、扉が開けられて第1位置にあるホルダは小飲料容器の出し入れの作業領域から退避するために邪魔にはならず、また、大飲料容器を貯蔵庫本体内に出し入れする際には、第2位置のホルダは奥側にあるので、同じく邪魔にならない。
以下、本発明をビール樽冷蔵庫に適用した一実施形態を図1ないし図14に基づいて説明する。
本実施形態のビール樽冷蔵庫は、図1ないし図3に示すように、ビール樽Bを冷却貯蔵するための冷蔵庫本体10を備え、この冷蔵庫本体10の下面に機械室40が設けられるとともに、上面に注出部50が設けられた構造である。
ビール樽Bとしては大小2種類が用意されており、本例では、小ビール樽Bsは直径240mm、大ビール樽Blは直径408mmとなっている。なお、背の高さは同じで500mm程度である。そして詳しくは後記するように、冷蔵庫本体10内には、小ビール樽Bsの場合は2個が、大ビール樽Blの場合は1個のみが収納可能となっている。
大小のビール樽Bl,Bsに共通して説明する場合は、単にビール樽Bとして説明する。
本体箱11は、上記したビール樽Bの約1.5倍の背の高さを持ったやや縦長の形状であり、前面開口の間口寸法は、大ビール樽Blの直径よりも少し大きく、内部の奥行寸法は、間口寸法よりも少し大きい設定である。本体箱11の背面は、断面円弧形に若干膨出されている。
そのため、大ビール樽Blは、図4に示すように、前面側の下面を突条17に載せて若干奥下がりの姿勢となりつつ、前面側の一部を前面開口部12よりも手前側にはみ出した状態で本体箱11の底面に載せられ、そののち扉13は、大ビール樽Blのはみ出した部分を逃がし凹部14に収めて逃がしつつ閉じられる。結果、大ビール樽Blは、奥面右側に若干スペースを残した状態で、冷蔵室15内にほぼすっぽりと収納される。
機械室40の底面の四隅には、キャスタ45が設けられている。
冷却ダクト20内には、上記した吹出口26と吸込口25の間の位置において冷却器27(蒸発器)が設置されている。冷却器27は、機械室40に設置された冷凍装置と冷媒配管で循環接続されることによって、周知の冷凍回路が構成されている。
したがって、冷凍装置と冷却ファン28とが駆動されると、庫内空気が吸込口25から吸い込まれて冷却ダクト20内を上方に流通する間に、冷却器27と熱交換して冷気が生成され、その冷気が吹出口26から冷却ファン28の回転中心軸28oに沿った方向に吹き出され、冷蔵室15内に循環流通されるようになっている。
なお、冷却ダクト20の底面には、冷却器27からの除霜水等を受けるドレンパン29が配設されている。
ガスボンベGを庫内に装備するには、冷蔵室15内に相応のスペースが必要であるが、本実施形態では、2個の小ビール樽Bsと、1個の大ビール樽Blとを選択的に収納できるようにしているため、いずれの収納形態を取った場合でも、冷蔵室15のスペースをそれ以上広げることなく、ガスボンベGを装備できるように工夫が凝らされている。
一方、冷蔵室15の壁面には、上記したホルダ30を取り付け可能とした取付面35が、2位置において設定されている。
一方、第2位置IIは、1個の大ビール樽Blを収納する場合に対応するものであって、図6及び図8に示すように、本体箱11の奥面における右端側の下部位置に設置されている。取付面35の形状自体は、第1位置Iに設けられた取付面35と同じである。
載置ステージ52の後壁53Aからはタワー部54が立てられ、このタワー部54の上端に、上記した開閉コック56付きの注出口55が設けられている。一方、タワー部54の下端が、本体箱11の天壁11Aを貫通して庫内に連通しており、ビール樽Bから引き出されたビール供給管が、庫内からタワー部54を立ち上がって注出口55に接続されている。
載置部材58は載置ステージ52に対し、左右の側壁53Bに挟まれつつそれを案内として出し入れ可能に装着されるようになっている。載置部材58が後壁53Aに当たるまで押し込まれたところが正規の装着位置であって、正規の装着位置にあるときには、上記のタワー部54に設けられた注出口55が、載置位置の中央の直上に臨むようになっている。
また、載置部材58は手前に引き抜くことが可能であって、貯留凹部59に溜まった零れたビール等のドレンを廃棄したり、同載置部材58並びに載置ステージ52を掃除する場合に便利となる。
一方、載置部材58の前縁部の下面には、浮き上がり防止部材70が設けられている。この浮き上がり防止部材70は、載置部材58の下面にねじ止めされる取付板71の前縁から、係止板72が垂下して形成され、その係止板72の垂下端に後方に直角曲げされた係止部73が形成されている。
載置部材58の前縁の特に左右両端部が、前縁部64の左右の手前に突出した円弧形部68で受けられることにより、載置部材58の前縁側にビールジョッキが載せられたり、作業者等が前縁部に体重を掛けた場合等にも、載置部材58の前縁側が沈みこむことが防止される。
また、浮き上がり防止部材70の係止板72の係止部73が、後退部66の係止凹部67に係止することによって、載置部材58の前縁側が浮き上がることが防止されるようになっている。
ビール樽Bとして小ビール樽Bsを使用する場合は、原則として2個が同時に収納可能である。その場合は、ガスボンベGのホルダ30を、図5及び図7に示すように、扉13の裏面である第1位置Iに設けられた取付面35に対して、ねじ33で止めて取り付ける。そして同ホルダ30内にガスボンベGを収納する。ガスボンベGは、扉13の裏面の逃がし凹部14に立てられて収納された形態となる。
ここで、冷却ファン28の回転中心軸28oは、上下方向については、図3に示すように、収納された小ビール樽Bsの上端を指向しており、また、水平方向については、図5に示すように、2個の小ビール樽Bsの間の位置を指向している。そのため、冷却ファン28の下半分の領域から吹き出された冷気は、両方の小ビール樽Bsの手前側の面に直接に吹き付けられて左右に分かれつつ下方に流れ、また、上半分の領域から吹き出された冷気は、小ビール樽Bsの上方から反対側の面に回り込むように流れる。これにより、両小ビール樽Bsすなわちそれらの内部のビールが、むらなくかつ短時間で冷却される。
注出していた側の小ビール樽Bsが空となったら、以前から収納されていたもう一方の小ビール樽Bsのビール供給管を注出口55に付け替え、またガスボンベGのガス供給管も同小ビール樽Bsに付け替える。
また必要に応じて、空となった小ビール樽Bsと新たな小ビール樽Bsとを交換して収納する。
そして大ビール樽Blは、前面側の下面を突条17に載せて前面側の一部を前面開口部12よりも手前側にはみ出した状態で本体箱11の底面に載せられ、同様に、大ビール樽Blから引き出されたビール供給管がタワー部54を通って注出口55に接続される一方、奥面右隅に立てられたガスボンベGのガス供給管が大ビール樽Blに接続されて炭酸ガスが供給される。配管接続が終わったら扉13が閉じられ、大ビール樽Blは、そのはみ出した部分が扉13の裏面の逃がし凹部14に収まって逃がされた状態で冷蔵室15内に収納される。
ここで、冷却ファン28の回転中心軸28oは、上下方向について、収納された大ビール樽Blの上端を指向しているから、冷却ファン28の下半分の領域から吹き出された冷気は、大ビール樽Blの手前側の面に直接に吹き付けられて左右に分かれつつ下方に流れ、また、上半分の領域から吹き出された冷気は、大ビール樽Blの上方から反対側の面に回り込むように流れる。これにより、大ビール樽Blすなわちそれらの内部のビールが、むらなくかつ短時間で冷却される。その後のビールの注出動作については、上記した小ビール樽Bsの場合と同様である。
また本実施形態のビール樽冷蔵庫は、機械室の底面にキャスタが備えられ、屋外等である程度の距離を移動しつつビールを販売することに用いられるが、上記のように製品全体がコンパクトにできたから、移動がしやすくなる。
図15は、注出部におけるタワー部54の立設部分の構造の改良案を示している。上記実施形態と同一機能を有する部位については、適宜に同一符号を付して説明する。
タワー部54の一般的な構造は、一部既述したように、上端にコック56付きの注出口55が設けられているとともに、下端が、本体箱11の天壁11Aの貫通孔100を通して庫内に連通しており、ビール樽Bから引き出されたビール供給管101が庫内からタワー部54を立ち上がって注出口55に接続されている。そして、このようにビール供給管101が挿通されている関係上、タワー部54は断熱構造になっているとともに、タワー部54内には庫内の冷気の一部が回されるようになっている。
一方、ビール供給管101は、ビール樽Bを交換するごとに注出口55から外すいわゆる使い捨てとする傾向にあり、言い換えるとビール樽Bを交換するごとに、そのビール樽Bから引き出されたビール供給管101を、仕切られて狭くなった流下側に挿通して注出口55に接続しなくてはならないため、作業に手間取るという問題があった。
特に、ビール供給管101が通される仕切壁102の前側の部分の断面積を大きく確保したから、ビール供給管101を注出口55に付け替える作業がしやすくなる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)冷却ダクトは、上記実施形態とは逆に、本体箱の奥面右側の隅部に設けるようにしてもよい。
(2)小ビール樽のみを収納するように用いる場合は、冷蔵庫本体の扉については敢えて裏面に逃がし凹部を設ける必要はなく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(3)上記した冷蔵庫本体の扉は、前面以外に例えば側面に設けられていてもよい。
(4)本発明は、上記実施形態に例示したビール樽に限らず、他の発泡飲料、さらには非発泡飲料を貯留した飲料容器を収納して冷却することに用いる冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (1)
- 飲料容器を貯蔵して当該飲料容器内の飲料を冷却する貯蔵庫本体には、前記冷却された飲料を注出する注出部が付設された冷却貯蔵庫において、前記貯蔵庫本体内の奥面隅部には、冷却器と、冷気循環用のファンとを上下に並べて収容した縦長の冷却ダクトが配設されて、
前記冷却ダクトは、前記貯蔵庫本体の奥面隅部のほぼ全高を覆ってパネルを張ることにより形成され、
前記飲料が発泡飲料であって、当該発泡飲料を貯留した飲料容器内に、庫内に装備されたガスボンベから炭酸ガスを供給してその圧力で前記飲料を注出するようになっており、
かつ前記貯蔵庫本体内には径を大小異にした2種類の飲料容器が収納可能となっており、小飲料容器については、2個の小飲料容器が、庫内の奥側における前記冷却ダクトが設けられた側とは反対の端部寄りの位置と、庫内の手前側における前記冷却ダクトの前方に対応する端部寄りの位置とに前記パネルの内面と平行になるように斜めに並んで収納される一方、大飲料容器については庫内の中央部に1個が収納されるものであって、
前記庫内の前面における前記冷却ダクトが設けられた位置とほぼ対角にある第1位置と、前記庫内の奥面における前記冷却ダクトが設けられた側とは反対の端部寄りの第2位置とにそれぞれ、前記ガスボンベを収納するホルダの取付面が設けられ、
前記貯蔵庫本体が、前面開口の本体箱と、この本体箱の前面開口の一縦縁に揺動開閉可能に装着された扉とから構成され、前記ホルダの取付面が設けられる前記第1位置が前記扉の裏面に、前記第2位置が前記本体箱の奥面に設定されており、
前記ガスボンベを収納するホルダの取付面は、前記2個の小飲料容器を前記貯蔵庫本体内に収納する場合には前記第1位置に、前記大飲料容器を前記貯蔵庫本体内に収納する場合には前記第2位置に設定されることを特徴とする冷却貯蔵庫。
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